JP2942172B2 - Ppキャップ用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

Ppキャップ用アルミニウム合金板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてPP(Pilfer
Proof)キャップ用材料として使用され、シーミング時
における回転ロールの圧入力を大きくしても、キャップ
ねじ部の亀裂発生を防止できるPPキャップ用アルミニ
ウム合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PPキャップ用の中強度アルミニ
ウム合金板として、JIS 3105又はJIS 30
03合金が使用されている。これらの合金を使用して、
以下に示すようにPPキャップ用アルミニウム合金板が
製造されている。即ち、JIS3105又はJIS 3
003合金と同様の成分を有する合金鋳塊に均質化処理
を施した後、熱間圧延及び冷間圧延を施して、適宜の厚
さの圧延板とする。その後、中間焼鈍として再結晶焼鈍
を施し、加工率が50〜95%の冷間圧延で所定厚さの
製品板とし、仕上げ焼鈍として180〜240℃の温度
で熱処理を施している。
【0003】また、特公昭44−29578号公報に
は、次のようなPPキャップ用Al合金板及びその製造
方法が開示されている。即ち、Mn:0.9〜1.5重
量%及びCu:0.1〜0.35重量%を含有し、適宜
Fe:0.3〜0.85重量%及びSi:0.15〜
0.45重量%を添加(更にTi:0.01〜0.2重
量%及びB:0.1重量%以下を添加してもよい)した
Al合金鋳塊を、450〜600℃の温度で2〜24時
間の1段又は多段の熱処理を施す。その後、厚さ2〜4
mmまで熱間圧延を行い、圧延板を適宜の厚さとした
後、350〜480℃の温度で3〜24時間の中間焼鈍
を施し、250℃の温度まで25〜200℃/時間の速
度で冷却する。そして、この圧延板を65〜95%の加
工率で冷間圧延して、最終仕上げに再結晶焼鈍を施して
いる。
【0004】このようにして製造されるPPキャップ用
アルミニウム合金板は、次のようにしてPPキャップに
加工される。先ず、アルミニウム合金板に絞り加工を施
して、カップを成形する。そして、瓶容器の開口部に前
記カップを被せ、瓶容器の開口部に形成されているねじ
部に沿って、前記カップの外周部に回転ロールを圧入し
てPPキャップのねじ部を形成する。これにより、PP
キャップが作製される。
【0005】このように、PPキャップのねじ部は、前
記カップを回転ロールで圧入して形成されるが、このと
きの圧入力が大きいほどねじ溝が深くなり、そしてこの
ねじ溝が深いほどPPキャップの開栓時における回転ト
ルクが低下して、開栓性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のアルミニウム合金板では、回転ロールの圧入力
に一定の限界があった。つまり、PPキャップの開栓性
を向上させるために圧入力を大きくすると、PPキャッ
プのねじ部において亀裂が発生してしまい、開栓性が優
れたPPキャップを製造することができない。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、回転ロールの圧入力を大きくしても、ねじ
部に亀裂が発生することがなく、開栓性が優れたPPキ
ャップを製造することができるPPキャップ用アルミニ
ウム合金板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るPPキャッ
プ用アルミニウム合金板の製造方法は、Cu:0.03
乃至0.30重量%、Mn:0.3乃至0.8重量%、
Mg:0.2乃至0.5重量%、Si:0.1乃至0.
4重量%及びFe:0.1乃至0.7重量%を含有し、
Cr:0.4重量%以下、Zn:0.5重量%以下及び
Ti:0.2重量%以下からなる群から選択された1種
又は2種以上の元素を含有し、残部がAl及び不可避的
不純物からなるAl合金鋳塊を、570乃至610℃の
温度で1時間以上熱処理する均質化処理工程と、均質化
処理後のAl合金鋳塊に熱間圧延及び冷間圧延を施して
圧延板を得る圧延工程と、前記圧延板を再結晶させる焼
鈍工程と、焼鈍後の圧延板を10乃至30%の加工率で
冷間圧延して製品板を得る仕上げ冷間圧延工程と、前記
製品板を230乃至260℃の温度で焼鈍する仕上げ焼
鈍工程とを有することを特徴とする。
【0009】
【作用】本願発明者等は、回転ロールの圧入力を大きく
しても、ねじ部に亀裂が発生することがなく、開栓性が
優れたPPキャップを製造することができるPPキャッ
プ用アルミニウム合金板を開発すべく、種々の実験研究
を行った。そこで先ず、PPキャップのねじ溝の深さに
ついて、回転ロールの圧入力以外に素材の強度による影
響を検討した。
【0010】通常、素材の強度が高いほど、回転ロール
の圧入後におけるスプリングバック量が大きくなるた
め、ねじ溝が浅くなる。一方、素材の強度が低いと、ス
プリングバック量が少ないため、ねじ溝が深くなる。ま
た、PPキャップのねじ部における亀裂については、素
材の強度が高いほど亀裂が発生しにくく、一方素材の強
度が低いほど亀裂が発生し易くなる。
【0011】つまり、素材の強度が高いほど亀裂の発生
を防止できるものの、PPキャップのねじ溝を深くする
ことができないため、開栓性が低下してしまう。逆に、
素材の強度が低いほどPPキャップのねじ溝を深くする
ことができるため、開栓性を向上させることができるも
のの、亀裂が発生し易くなってしまう。
【0012】そこで、本願発明者等は、亀裂発生の要因
について、回転ロールの圧入力及び素材の強度に加え
て、素材の加工硬化の影響についても検討した。その結
果、キャップの側壁にねじ溝を形成する場合において、
回転ロールが圧入されると、この圧入に従ってキャップ
に加工硬化が発生し、強度が高くなる。このため、最終
的に加工硬化したキャップの強度が、回転ロールの圧入
力より高くなれば、キャップに亀裂が発生することがな
いことを知見した。
【0013】つまり、絞り加工による加工硬化も考慮す
ると、PPキャップの素材が下記数式1を満たす材料で
あれば、回転ロールによる亀裂の発生を防止することが
できる。なお、下記数式1における元板強度とは、絞り
加工前のアルミニウム合金板の強度をいう。
【0014】
【数1】元板強度+絞り加工による加工硬化+回転ロー
ルの圧入による加工硬化>回転ロールの圧入力
【0015】また、(元板強度+絞り加工による加工硬
化)が低いと、ねじ溝を深く形成することができるた
め、PPキャップの開栓性を向上させることができる。
【0016】以下、本発明に係るアルミニウム合金板の
製造方法におけるAl合金鋳塊の成分添加理由及び組成
限定理由について説明する。
【0017】Cu(銅):0.03乃至0.30重量% Cuはアルミニウム合金板の強度を高め、絞り加工及び
回転ロールの圧入による加工硬化を高める元素である。
Cuの添加量を0.03重量%未満とすると、アルミニ
ウム合金板の強度を十分に高めることができず、また
0.30重量%を超えてCuが添加されると、アルミニ
ウム合金板の強度が高くなり過ぎて、ねじ溝の深さが浅
くなり、開栓性が低下してしまう。従って、Cuの含有
量は0.03乃至0.3重量%とする。
【0018】Mn(マンガン):0.3乃至0.8重量
Mnはアルミニウム合金板の強度を高めると共に、金属
間化合物を生成して、亀裂伝播性、即ちブリッジ破断性
を向上させる元素である。Mnの添加量を0.3重量%
未満とすると、その効果を十分に発揮することができ
ず、また0.8重量%を超えてMnが添加されると、ア
ルミニウム合金板の強度が高くなり過ぎて、ねじ溝の深
さが浅くなり、開栓性が低下してしまう。従って、Mn
の含有量は0.3乃至0.8重量%とする。
【0019】Mg(マグネシウム):0.2乃至0.5
重量% MgはCuと同様にアルミニウム合金板の強度を高め、
絞り加工及び回転ロールの圧入による加工硬化を高める
元素である。Mgの添加量を0.2重量%未満とする
と、その効果を十分に発揮することができず、また0.
5重量%を超えてMgが添加されると、アルミニウム合
金板の強度が高くなり過ぎて、ねじ溝の深さが浅くな
り、開栓性が低下してしまう。従って、Mgの含有量は
0.2乃至0.5重量%とする。
【0020】Si(シリコン):0.1乃至0.4重量
Siを適度に添加すると、アルミニウム合金板の絞り加
工性を向上させ、また深絞り時のフローマーク及び肌荒
れの発生を防止することができる。Siの添加量を0.
1重量%未満とすると、その効果を発揮することができ
ず、また0.4重量%を超えてSiが添加されると、逆
に深絞り性が低下してしまう。従って、Siの含有量は
0.1乃至0.4重量%とする。
【0021】Fe(鉄):0.1乃至0.7重量% FeはMnと共に(Fe・Mn)Al6等の金属間化合
物を生成して、亀裂伝播性、即ちブリッジ破断性を向上
させる元素である。Feの添加量を0.1重量%未満と
すると、その効果を発揮することができず、また0.7
重量%を超えてFeが添加されると、粗大な金属間化合
物が生成されて絞り加工性が低下し、また耐食性をも低
下してしまう。従って、Feの含有量は0.1乃至0.
7重量%とする。
【0022】Cr(クロム):0.4重量%以下、Zn
(亜鉛):0.5重量%以下、Ti(チタン):0.2
重量%以下 Cr、Zn及びTiをアルミニウム合金に添加すると、
合金組織を微細化させたり、合金板の成型性を向上させ
ることができる。この効果を発揮するためには、Cr、
Zn及びTiの含有量を夫々0.4重量%以下、0.5
重量%以下及び0.2重量%以下とする。
【0023】次に、PPキャップ用アルミニウム合金板
の製造方法について説明する。先ず、上記成分を有する
Al合金鋳塊に下記の条件で均質化処理を施す。
【0024】均熱温度:570乃至610℃ 均質化処理は、Al合金鋳塊の金属組織を均質な状態と
するために行う処理である。この均質化処理の条件を調
整することによって、金属間化合物の大きさ及び分布状
態を規制して、ブリッジ破断性を向上させることができ
る。この均熱温度が570℃未満であると、金属間化合
物の生成が不十分となり、ブリッジ破断性が低下してし
まう。一方、均熱温度が610℃を超えると、バーニン
グが発生してしまい、後工程を行うことができない。従
って、均熱温度は570乃至610℃とする。
【0025】処理時間:1時間以上 また、均質化処理の処理時間が1時間未満であると、A
l合金鋳塊を十分に均質化することができない。従っ
て、均質化処理の処理時間は1時間以上とする。
【0026】次に、均質化処理後の圧延処理について説
明する。上記の処理条件でAl合金鋳塊に均質化処理を
施した後、熱間圧延及び冷間圧延を施して、適宜の厚さ
を有する圧延板とする。このとき、冷間圧延を施す前に
再結晶焼鈍を施してもよい。この焼鈍処理では、熱間圧
延された圧延板の金属組織を再結晶することにより、圧
延板内の異方性のばらつきを小さくすることができる。
【0027】次に、圧延処理後の再結晶焼鈍について説
明する。熱間圧延及び冷間圧延を施して成形された圧延
板に、中間焼鈍として再結晶焼鈍を施す。この焼鈍処理
は、後工程における仕上げ冷間圧延と共に、製品板の材
料強度及び耳率を調整するものであり、必須の処理であ
る。
【0028】そして、再結晶焼鈍後、圧延板に下記の加
工率で仕上げ冷間圧延を施して製品板を作製する。
【0029】加工率:10乃至30% 仕上げ冷間圧延は、製品板の板厚を精度よく制御すると
共に、その加工率は加工硬化による強度、圧延集合組織
の生成による耳率、及びキャップ加工時のねじ特性に大
きな影響を与える。即ち、加工率が10%未満である
と、十分な材料強度を得ることができず、キャップのね
じ部において亀裂が発生する場合がある。また、圧延方
向に対する0°及び90°方向耳が発生しやすくなるた
め、絞り加工後のトリミング不良が発生する場合があ
る。
【0030】一方、加工率が30%を超えると、絞り加
工及び回転ロールの圧入による加工硬化が小さくなるた
め、キャップのねじ部に亀裂が発生する場合がある。従
って、仕上げ冷間圧延の加工率は10乃至30%とす
る。
【0031】そして、前述の仕上げ冷間圧延後、製品板
に下記の温度で仕上げ焼鈍を施す。
【0032】仕上げ焼鈍温度:230乃至260℃ 本来、この仕上げ焼鈍は強度調整したり、塗装焼付け時
の歪みの発生を防止するための処理であるが、本発明に
おいては、キャップのねじ部における亀裂の発生を防止
するための重要な処理である。この焼鈍処理によって、
最終的に回復現象を起こさせて、絞り加工及び回転ロー
ルの圧入による加工硬化を大きくする。また、回復現象
による材料強度の低下は、ねじ溝の深さを深くするた
め、開栓性を向上させることができる。
【0033】この仕上げ焼鈍の温度が230℃未満であ
ると、前記効果を十分に得ることができず、一方260
℃の温度を超えて焼鈍すると、急激な強度低下のため絞
り加工時に底が抜けたり、キャップのねじ部において亀
裂が発生する場合がある。従って、仕上げ焼鈍温度は2
30乃至260℃とする。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明の特
許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0035】先ず、第1の実施例として、種々の化学成
分を有するAl合金鋳塊を所定の製造条件にてアルミニ
ウム合金板を作製した。即ち、下記表1に示す化学成分
を有するAl合金鋳塊に、590℃の温度で、6時間均
質化処理を施し、熱間圧延した後、冷間圧延で適宜の厚
さを有する圧延板を得た。そして、この圧延板に再結晶
焼鈍を施した後、25%の加工率で仕上げ冷間圧延して
所定厚さを有する製品板とし、この製品板を240℃の
温度で2時間の仕上げ焼鈍を施して、供試材とした。な
お、本発明の特許請求の範囲から外れる添加成分につい
て、その値に下線を付して示す。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1に示す組成を有し、上述した製造
条件にて得られた供試材について、機械的特性及び耳率
を調査し、またこれらの供試材をキャップ成形し、更に
シーミングを行い、キャップのねじ部における亀裂の有
無及び開栓トルクについても調査した。なお、機械的特
性は塗装焼付け後における値を測定した。これらの調査
結果を下記表2に示す。また、供試材から作製したPP
キャップについての総合的な合否についても、下記表2
に併せて示す。
【0038】
【表2】 耳率の符号は、+:圧延方向に対して45°方向耳、−:圧延方向に対して0 −90°方向耳である。
【0039】上記表2に示すように、実施例No1〜1
1については、いずれのアルミニウム合金板も十分使用
に耐え得る機械的特性を有し、耳率もキャップ材として
適切な値であった。また、いずれのアルミニウム合金板
もキャップのねじ部において亀裂が発生することなく、
開栓トルクも適切な値となった。
【0040】一方、比較例No1、2及び4について
は、夫々肌荒れの発生、絞り加工不可能及びキャップ成
形不良のため、キャップのねじ部における亀裂の有無及
び開栓トルクの評価をすることができなかった。
【0041】比較例No3、6、7、8及び10につい
ては、いずれもキャップねじ部の亀裂が発生することが
なかったものの、開栓トルクを低減することができず、
開栓性を向上させることができなかった。
【0042】また、比較例No5及び9については、い
ずれもキャップのねじ部において亀裂が発生して、良好
なPPキャップを作製することができなかった。
【0043】次に、第2の実施例として、所定の化学成
分を有するAl合金鋳塊を、種々の製造条件にてアルミ
ニウム合金板を作製した。即ち、上記表1に示す実施例
No1と同様の組成を有するAl合金鋳塊に、下記表3
に示す均熱温度で6時間均質化処理を施し、熱間圧延し
た後、冷間圧延で適宜の厚さを有する圧延板を得た。そ
して、この圧延板に再結晶焼鈍を施した後、下記表3に
示す加工率で仕上げ冷間圧延して所定の厚さを有する製
品板とし、この製品板を下記表3に示す温度で2時間の
仕上げ焼鈍を施して、供試材とした。なお、本発明の特
許請求の範囲から外れる製造条件について、その値に下
線を付して示す。
【0044】
【表3】
【0045】上記表3に示す製造条件によって得られた
供試材について、上述した第1の実施例と同様に機械的
特性及び耳率について調査し、またキャップのねじ部に
おける亀裂の有無及び開栓トルクについても調査した。
これらの調査結果を下記表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】上記表4に示すように、実施例No12〜
18については、いずれのアルミニウム合金板も十分使
用に耐え得る機械的特性を有し、耳率もキャップ材とし
て適切な値であった。また、いずれのアルミニウム合金
板もキャップのねじ部において亀裂が発生することなく
開栓トルクも適切な値となった。
【0048】一方、比較例No11については、キャッ
プのねじ部において亀裂が発生することがなかったもの
の、開栓トルクを低減することができず、開栓性を向上
させることができなかった。
【0049】比較例No12については、製造工程にお
いてバーニングが発生したため、供試材を作製すること
ができなかった。
【0050】また、比較例No13〜16については、
いずれもキャップのねじ部において亀裂が発生して、良
好なPPキャップを作製することができなかった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の組成を有するAl合金鋳塊に所定の加工処理を施
すことにより、回転ロールの圧入力を大きくしても、キ
ャップのねじ部に亀裂が発生することがなく、開栓性が
優れたPPキャップ用アルミニウム合金板を製造するこ
とができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu:0.03乃至0.30重量%、M
    n:0.3乃至0.8重量%、Mg:0.2乃至0.5
    重量%、Si:0.1乃至0.4重量%及びFe:0.
    1乃至0.7重量%を含有し、Cr:0.4重量%以
    下、Zn:0.5重量%以下及びTi:0.2重量%以
    下からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を
    含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合
    金鋳塊を、570乃至610℃の温度で1時間以上熱処
    理する均質化処理工程と、均質化処理後のAl合金鋳塊
    に熱間圧延及び冷間圧延を施して圧延板を得る圧延工程
    と、前記圧延板を再結晶させる焼鈍工程と、焼鈍後の圧
    延板を10乃至30%の加工率で冷間圧延して製品板を
    得る仕上げ冷間圧延工程と、前記製品板を230乃至2
    60℃の温度で焼鈍する仕上げ焼鈍工程とを有すること
    を特徴とするPPキャップ用アルミニウム合金板の製造
    方法。
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