JP2941512B2 - 車両のパワートレイン構造 - Google Patents

車両のパワートレイン構造

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JP2941512B2
JP2941512B2 JP24584891A JP24584891A JP2941512B2 JP 2941512 B2 JP2941512 B2 JP 2941512B2 JP 24584891 A JP24584891 A JP 24584891A JP 24584891 A JP24584891 A JP 24584891A JP 2941512 B2 JP2941512 B2 JP 2941512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のパワートレイン
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの駆動力をディファ
レンシャル装置へ伝達するまでのパワートレイン系とし
て、変速機の他にトランスファを備えたものがある。例
えば、エンジンを車体前部に配置するものにおいて、エ
ンジンと変速機とを車体前後方向に直列に配置する縦置
き式のものにあっては、左右前輪用のディファレンシャ
ル装置をエンジンの近傍に配置して、トランスファから
該ディファレンシャルへの駆動力伝達を、車体前後方向
に延びるプロペラシャフトを介して行うようにしてい
る。より具体的には、エンジンの後端部に変速機が連結
され、該変速機の後端部にさらにトランスファが連結さ
れて、上記プロペラシャフトが該トランスファから前方
に延びるものとなっている。このように、エンジン、変
速機及びトランスファを縦置き式とするのは、4輪駆動
車に多く見られるが、最近では、車体前部への重量集中
を極力避けるために、あるいは特にワンボックスカーで
問題となり易い運転席のスペース確保等の観点から、前
輪駆動車においても採用される傾向がある。
【0003】ところで、上記ディファレンシャル装置は
かなりの重量物であることから、該ディファレンシャル
装置をエンジン近傍に配置したものにあっては、パワー
トレイン系全体としての剛性を高めるために、上記ディ
ファレンシャル装置をエンジンのシリンダブロック又は
オイルパンに連結するようにしたものがある(特公昭5
2−26366号公報及び特開平1−204822号公
報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の如く単にディファレンシャル装置をエンジンに連結
するだけでは、パワートレイン系全体としての剛性を充
分に確保することができないのが実情である。特に、エ
ンジン、変速機及びトランスファを縦置き式とし、該ト
ランスファからディファレンシャル装置へとエンジン駆
動力を伝達する形式のものにあっては、この剛性確保が
問題となる。
【0005】そこで、本出願人は、先に、このような形
式のパワートレイン系の剛性確保の要請に答えるための
車両のパワートレイン構造を提案している(特願平2−
165180号)。この提案のパワートレイン構造は、
ディファレンシャル装置からエンジン下方を車幅方向に
延びるドライブシャフトを、該ディファレンシャル装置
に連結されたパイプ部材で保持し、該パイプ部材及び上
記ディファレンシャル装置を、それぞれ互いにエンジン
の相反する側面にブラケットを介して取付けるととも
に、上記ディファレンシャル装置とトランスファとを車
体前後方向に延びる連結部材で連結する構成とするもの
である。
【0006】ところが、このような提案のものでは、デ
ィファレンシャル装置に対して、プロペラシャフトから
循還トルクが、ドライブシャフトから駆動トルク反力が
それぞれ作用することにより、上記ディファレンシャル
装置及びパイプ部材のエンジンへの取付部等に上下力が
大きく引き起こされ、この上下力に起因する捩りにより
エンジンのボア変形が生じて耐久性が低下する虞があ
る。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記提案のパワートレ
イン構造に対して、ディファレンシャル装置に作用する
トルクに起因するエンジンのボア変形を可及的に抑制す
るよう改良を加えて、パワートレイン系の剛性確保を図
るとともに、耐久性の向上を図り得るようにするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車両のパワートレイン構造
として、エンジンと変速機の入力側端部とが動力断接装
置を介して連結されているとともに、該変速機の出力側
端部にトランスファが連結され、かつ上記エンジン、変
速機及びトランスファが、それらの連結方向が車体前後
方向となるように縦置きに配置されており、上記エンジ
ンの左右側方のいずれか一方にディファレンシャル装置
が配置されて、上記エンジンの駆動力を上記変速機及び
トランスファを経た後該トランスファから車体前後方向
に延びるプロペラシャフトを介して上記ディファレンシ
ャル装置に伝達するように構成されたことを前提とす
る。そして、この発明の特徴は、上記ディファレンシャ
ル装置から延びる左右のドライブシャフトのうち、エン
ジンに対するディファレンシャル装置の配置側と反対側
に位置する車輪用のドライブシャフトを、ディファレン
シャル装置に連結されたパイプ部材で保持し、上記ディ
ファレンシャル装置及びパイプ部材をそれぞれ、互いに
エンジンの相反する側面にブラケットを介して取付ける
とともに、エンジンの左右両側方を各々車体前後方向に
延びる左右二つの連結部材のいずれか一方を介して、上
記動力伝達装置又は変速機に連結する構成とするもので
ある。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、上記エンジンに対するディファレンシャル
装置及びパイプ部材の各取付部にそれぞれ第1及び第2
のマウントラバーを介設するとともに、上記左右二つの
連結部材と動力伝達装置又は変速機との結合部にそれぞ
れ第3及び第4のマウントラバーを介設し、上記第3及
び第4のマウントラバーの剛性を、上記第1及び第2の
マウントラバーのそれよりも高く設定する構成とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、上記ディファレンシャル装置及びプロペラ
シャフトをエンジンの右側方に配置するとともに、車両
の前進走行時における上記プロペラシャフトの回転方向
を、エンジンのクランクシャフトの回転方向と同じく車
体前方から見て時計方向に設定する。また、上記左右二
つの連結部材のうち、パイプ部材側の連結部材の剛性
を、ディファレンシャル装置側の連結部材のそれよりも
高く設定する構成とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明に従属し、上記左右二つの連結部材のうちの、パイプ
部材側の連結部材を、パイプ部材のドライブシャフト貫
通部よりも下側部分にボルトで締結する構成とする。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
エンジンの側方に配置されたディファレンシャル装置
は、その配置側のエンジン側面にブラケットを介して取
り付けられているとともに、配置側と反対側のエンジン
側面にパイプ部材及びブラケットを介して取付けられ、
さらに動力断接装置(クラッチやトルクコンバータ)又
は変速機に左右二つの連結部材を介して連結されてお
り、合計4箇所で支持されているので、このディファレ
ンシャル装置の支持剛性ひいてはパワートレイン系の剛
性が充分に確保される。また、上記ディファレンシャル
装置に対して、プロペラシャフトから循還トルクが、ド
ライブシャフトから駆動トルク反力がそれぞれ作用した
とき、これらのトルクにより引き起こされる上下力は、
上記4箇所の支持点に分散し、エンジンブロックに作用
する力が低減する。しかも、エンジン側方の一方の取付
部(支持点)では、上記循還トルクにより引き起こされ
る上下力と上記駆動トルク反力により引き起こされる上
下力とが互いに反対向きに作用して打ち消し合うので、
シリンダブロックに作用する力は一層低減することにな
り、ボア変形が防止される。
【0013】また、請求項2記載の発明では、上記4箇
所の支持点全てにマウントラバーが介設されているの
で、パワートレンイ系の共振が抑制される。その上、マ
ウントラバーの剛性は、エンジンの左右両側方の2箇所
の支持点よりも動力伝達装置又は変速機の左右両側方の
2箇所の支持点で高く(固く)なっていて、この支持点
で荷重分担が大きくなり、その分エンジンシリンダに作
用する力はより一層低減することになる。
【0014】さらに、請求項3記載の発明では、車両の
前進走行時、プロペラシャフトからディファレンシャル
装置に作用する循還トルクにより引き起こされる上下力
と、ドライブシャフトからディファレンシャル装置に作
用する駆動トルク反力により引き起こされる上下力と
は、エンジン右側方のディファレンシャル装置の取付部
で同じ向きに作用し、エンジン左側方のパイプ部材の取
付部で反対向きに作用するが、この上下力が反対向きに
作用するパイプ部材側の連結部材は、その剛性がディフ
ァレンシャル装置側の連結部材のそれよりも高く設定さ
れて、トルク荷重分担を多く受けるようになっているの
で、上下力が同じ向きに作用するディファレンシャル装
置側の取付部でも上下力は低減することになる。
【0015】さらにまた、請求項4記載の発明では、パ
イプ部材側の連結部材がパイプ部材のドライブシャフト
貫通部よりも下側部分にボルトで締結されているため、
変速機を取り外してサービン点検をするときには、ディ
ファレンシャル装置及びパイプ部材をエンジンと共に車
体に組み付けたままで上記連結部材及び変速機を取り外
すことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0017】図1ないし図4は本発明の一実施例に係わ
る車両のパワートレイン構造を示す。この実施例は、パ
ワートレイン系Pを車体前部に搭載し、前輪を駆動する
場合に適用している。
【0018】図1ないし図4において、1は出力軸たる
クランクシャフト(図示せず)を車体前後方向に延ばし
て縦置きに配置されたエンジンであって、2は該エンジ
ン1の後端部に動力断接装置としてのクラッチ3を介し
て入力軸側端部が連結された変速機、4は該変速機2の
出力軸側端部に連結されたトランスファ、5はエンジン
1の下部の右側方近傍に配置されたディファレンシャル
装置である。
【0019】上記トランスファ4には、エンジン1及び
変速機2の右側方つまり上記ディファレンシャ装置5の
配置側を車体前後方向に延びるプロペラシャフト6の後
端が連結され、該プロペラシャフト6の前端は上記ディ
ファレンシャル装置5に連結されている。該ディファレ
ンシャル装置5からは、左又は右の前輪(図示せず)に
連結される左右一対のドライブシャフト7L,7Rが車
幅方向に延びている。そのうち、右側のドライブシャフ
ト7Rは、自在継手(図示せず)を介してディファレン
シャル装置5に連結されている。また、ディファレンシ
ャル装置5の左端面には、エンジン1のオイルパン1a
下方で車幅方向に延びるパイプ部材9の右端部が連結さ
れ、該パイプ部材9内で左側のドライブシャフト7Lが
回転自在に保持されている。上記パイプ部材9の右端部
には固定フランジ部9cが設けられ、該フランジ部9c
はディファレンシャル装置5の左端部にボルト10で締
結されている。上記左側のドライブシャフト7Lは、パ
イプ部材9の外側で自在継手(図示せず)を有し、これ
により、トルクステア防止のためのいわゆる左右等長ド
ライブシャフトとされている。
【0020】また、上記ディファレンシャル装置5及び
パイプ部材9は、それぞれ互いにエンジン1のシリンダ
ブロック1bの相反する側面に取付ブラケット13,1
4を介して取付けられている。つまり、ディファレンシ
ャル装置5は、エンジン1のシリンダブロック1bの右
側面に取付ブラケット13を介して取付けられ、パイプ
部材9は、エンジン1のシリンダブロック1bの左側面
に取付ブラケット14を介して取付けられている。上記
一方の取付ブラケット13は、シリンダブロック1bの
右側面に溶接又はボルトで固定されたエンジン側ブラケ
ット13aと、ディファレンシャル装置5の上面に溶接
又はボルトで固定されたデフ側ブラケット13bとから
なり、この両ブラケット13a,13b同士は、軸線が
車幅方向に延びる第1のマウントラバー15を介して連
結されている。他方の取付ブラケット14も、同様にシ
リンダブロック1bの左側面に溶接又はボルトで固定さ
れたエンジン側ブラケット14aと、パイプ部材9の左
側端部に溶接又はボルトで固定されたパイプ側ブラケッ
ト14bとからなり、この両ブラケット14a,14b
同士は、軸線が車幅方向に延びる第2のマウントラバー
16を介して結合されている。上記第1及び第2のマウ
ントラバー15,16は、図示していないが、いずれも
内筒と外筒との間にラバーを充填してなる。
【0021】上記ディファレンシャル装置5は、エンジ
ン1の右側方を車体前後方向に延びる第1の連結部材1
7を介して上記クラッチ3の右側面に連結されている。
上記連結部材17の前端部はディファレンシャル装置5
の上面にボルト18で締結されている一方、後端部は、
クラッチ3の右側面に取付けられたブラケット19に対
し、軸線が車幅方向に延びる第3のマウントラバー20
を介して上下揺動可能に連結されている。また、上記パ
イプ部材9は、エンジン1の左側方を車体前後方向に延
びる第2の連結部材21を介して上記クラッチ3の左側
面に連結されている。上記連結部材21の前端部は、パ
イプ部材9の円筒状のドライブシャフト貫通部9aから
下側に延出して形成されたフランジ部9bにボルト22
で締結されている一方、後端部は、クラッチ3の左側面
に取付けられたブラケット23に対し、軸線が車幅方向
に延びる第4のマウントラバー24を介して上下揺動可
能に連結されている。
【0022】ここで、上記第1の連結部材17と第2の
連結部材21との剛性を比較した場合、第1の連結部材
17は鋼材の表面にぬすみ31,31,…を有するのに
対し、第2の連結部材21はこのぬすみを有しておら
ず、その分第2の連結部材21の剛性の方が高く設定さ
れている。また、上記第1〜第4のマウントラバー1
5,16,20,24の剛性を比較した場合、第1及び
第2のマウントラバー15,16同士及び第3及び第4
のマウントラバー20,24同士ではそれぞれ等しく設
定されているが、第3及び第4のマウントラバー20,
24の剛性は、第1及び第2のマウントラバー15,1
6のそれよりも高く設定されている。
【0023】上記エンジン1から、クラッチ3、変速機
2及びトランスファ4を経てディファレンシャル装置5
へ至るパワートレイン系Pは、エンジン1の左右両側及
び変速機2の後端部付近の計3箇所で車体に取付けられ
ている。エンジン1の左右両側の取付部においては、図
2に示すように、車体の左右両側に車体前後方向に延び
る左右一対のフロントフレーム26L,26Rが設けら
れ、該両フロントフレーム26L,26Rにはそれぞれ
内方に延出するブラケット27L,27Rが設けられて
いる。そして、上記一方の取付ブラケット13のエンジ
ン側ブラケット13aがゴムブッシュ28Rを介して上
記ブラケット27R上に取付けられ、上記他方の取付ブ
ラケット14のエンジン側ブラケット14aがゴムブッ
シュ28Lを介して上記ブラケット27L上に取付けら
れている。また、変速機2の後端部付近の取付部におい
ては、図3に示すように、変速機2の下面にブラケット
29が取付けられ、該ブラケット29には第5のマウン
トラバー30が支持されている。該マウントラバー30
は、図示していないが、車幅方向に延びるクロスメンバ
の中間部に取付けられ、該クロスメンバの左右両端はそ
れぞれ上記フロントフレーム26L,26Rに連結され
ている。
【0024】さらに、上記トランスファ4は、図示して
いないが、変速機2の出力軸と同軸線上に設けられた駆
動スプロケットと、上記プロペラシャフト6と同軸線上
に設けられた従動スプロケットと、この両スプロケット
間に巻き掛けられたチェーンとを備えており、よって、
上記プロペラシャフト6の回転方向は、車両の前進走行
時では、エンジン1のクランクシャフト及び変速機2の
入・出力軸の回転方向と同じく車体前方から見て時計方
向に設定されている。
【0025】また、上記ディファレンシャル装置5は、
図5に示すように、上記プロペラシャフト6に連結され
るドライブピニオン41と、上記ドライブシャフト7
L,7Rと同軸線上で上記ドライブピニオン41よりも
エンジン1に遠い右側の位置に配置され、かつ該ドライ
ブピニオン41と噛合するリングギヤ42とを備えてお
り、この両ギヤ41,42によりファイナルギヤ43が
構成されている。ディファレンシャル装置5は、さら
に、上記リングギヤ42と回転一体に設けられたデフケ
ース44と、該デフケース44に支軸45を介して回転
自在に設けれた二つのデフピニオン46,46と、上記
各ドライブシャフト7L,7Rの一端にそれぞれ回転一
体に装着され、上記デフピニオン46,46と噛合する
左右一対のデフサイドギヤ47,47とを備えている。
そして、上記プロペラシャフト6が車体前方から見て時
計方向に回転するとき該プロペラシャフト6から駆動力
がディファレンシャル装置5を介してドライブシャフト
7L,7Rに伝達されて、該ドライブシャフト7L,7
Rが前進方向(車体右側方から見て時計方向)に回転す
るようになっている。
【0026】次に、上記実施例の作用・効果について説
明するに、エンジン1の右側方に配置されたディファレ
ンシャル装置5は、エンジン1の右側面に取付ブラケッ
ト13を介して取付けられているとともに、エンジン1
の左側面にパイプ部材9及び取付ブラケット14を介し
て取付けられ、さらにクラッチ3の右側面に第1の連結
部材17を、クラッチ3の左側面にパイプ部材9及び第
2の連結部材21をそれぞれ介して連結されていて、合
計4箇所の支持点で支持されているので、このディファ
レンシャル装置5の支持剛性ひいてはパワートレイン系
Pの剛性を充分に確保することができる。
【0027】また、このような構造においては、車両の
前進走行時、図2に示すように、上記ディファレンシャ
ル装置5に対してプロペラシャフト6からその回転方向
の循還トルクTP が作用し、これにより上下力P2 が、
エンジン1右側の支持点(取付ブラケット13)では上
向き力として、エンジン1左側の支持点(取付ブラケッ
ト14)では下向き力としてそれぞれ引き起こされる。
また、ドライブシャフト17L,l7Rからは駆動トル
ク反力TA が作用し、これにより上下力P1 が、エンジ
ン1左右両側の支持点では上向き力として、クラッチ3
両側の支持点(連結部材17,21との連結点)では下
向き力としてそれぞれ引き起こされる。このように、デ
ィファレンシャル装置5に作用するトルクTA ,TP に
より引き起こされる上下力P1 ,P2 が4箇所の支持点
に分散し、エンジン1のシリンダブロック1bに作用す
る力が低減することになる。しかも、エンジン1左側の
支持点では、上記循還トルクTP により引き起こされる
上下力P2 と上記駆動トルク反力TA により引き起こさ
れる上下力P1 とが互いに反対向きに作用して打ち消し
合うので、シリンダブロック1bに作用する力は一層低
減することになる。その結果、ディファレンシャル装置
5に作用するトルクに起因するエンジン1のボア変形を
防止することができ、耐久性の向上を図ることができ
る。
【0028】特に、本実施例の場合、上記4箇所の支持
点全てに第1〜第4のマウントラバー15,16,2
0,24が介設されているので、パワートレイン系Pの
各構成部品相互間での共振を抑制することができる。そ
の上、上記マウントラバー15,16,20,24の剛
性は、エンジン1の左右両側方の2箇所の支持点(マウ
ントラバー15,16)よりもクラッチ3の左右両側方
の2箇所の支持点(マウントラバー20,24)で高く
(固く)なっていて、このクラッチ3側の支持点で荷重
分担が大きくなるため、その分エンジン1のシリンダブ
ロック1bに作用する力をより一層低減することがで
き、ボア変形の防止を確実に図ることができる。
【0029】また、上述の如く車両の前進走行時には、
プロペラシャフト6からディファレンシャル装置5に作
用する循還トルクTP により引き起こされる上下力P2
と、ドライブシャフト7L,7Rからディファレンシャ
ル装置5に作用する駆動トルク反力TA により引き起こ
される上下力P1 とは、エンジン1右側の支持点で同じ
向きに作用し、エンジン1左側の支持点で反対向きに作
用するが、この上下力が反対向きに作用するパイプ部材
9側(つまりエンジン1左側)の第2の連結部材21
は、その剛性がディファレンシャル装置5側(つまりエ
ンジン1右側)の第1の連結部材21のそれよりも高く
設定されて、トルク荷重分担が大きくなるので、その分
上記エンジン1右側の支持点に作用する上下力(P1 +
P2 )を低減することができ、このことからもボア変形
の防止を確実に図ることができる。
【0030】加えて、上記第2の連結部材21は、パイ
プ部材9のドライブシャフト貫通部9aよりも下側のフ
ランジ部9bにボルト22で締結されているため、変速
機2を取り外してサービン点検をするときには、ディフ
ァレンシャル装置5及びパイプ部材9をエンジン1と共
に車体に組み付けたままで上記連結部材21を簡単に取
り外すことができ、それにより、変速機2の取り外しを
も容易に行うことができる。
【0031】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、エンジン1の右側方にディフ
ァレンシャル装置2が配置される場合について説明した
が、本発明は、エンジン1の左側方にディファレンシャ
ル装置2が配置される場合にも同様に適用することがで
きるのは勿論である。また、上記実施例では、動力伝達
装置としてクラッチ3を用いたが、このクラッチの代わ
りに、自動変速機と共にトルクコンバータを用いる場合
にも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明におけ
る車両のパワートレイン構造によれば、エンジン側方の
ディファレンシャル装置が、エンジンの左右両側面及び
動力断接装置又は変速機の計4箇所に連結支持されてい
るので、その支持剛性ひいてはパワートレイン系の剛性
を充分に確保することができる。しかも、上記プロペラ
シャフトからディファレンシャル装置に作用する循還ト
ルクにより引き起こされる上下力と、ドライブシャフト
からディファレンシャル装置に作用する駆動トルク反力
により引き起こされる上下力とは、上記4箇所の支持点
に分散し、またエンジン側方の一方の支持点では、上記
二つの上下力が互いに反対向きに作用して打ち消し合う
ので、シリンダブロックに作用する力を大幅に低減する
ことができ、よって、ボア変形を防止して耐久性の向上
を図ることができる。
【0033】また、請求項2記載の発明では、上記4箇
所の支持点全てにマウントラバーが介設されているの
で、パワートレンイ系の共振を抑制できる上、マウント
ラバーの剛性の差異によりエンジン側方の支持点での荷
重分担を少なくすることができ、ボア変形の防止をより
確実に図ることができる。
【0034】さらに、請求項3記載の発明では、上記二
つの上下力が反対向きに作用するパイプ部材側の連結部
材の剛性をディファレンシャル装置側の連結部材のそれ
よりも高く設定することにより、上下力が同じ向きに作
用するディファレンシャル装置側の支持点でも上下力を
低減することができ、ボア変形の防止をより確実に図る
ことができる。
【0035】さらにまた、請求項4記載の発明では、変
速機を取り外してサービン点検をするときには、ディフ
ァレンシャル装置及びパイプ部材をエンジンと共に車体
に組み付けたままで上記連結部材及び変速機を取り外す
ことができ、サービス性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる車両のパワートレイン
構造を示す平面図である。
【図2】同パワートレイン構造を車体前方から見た正面
図である。
【図3】同左側面図である。
【図4】同右側面図である。
【図5】ディファレンシャル装置の構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速機 3 クラッチ(動力断接装置) 4 トランスファ 5 ディファレンシャル装置 6 プロペラシャフト 7L,7R ドライブシャフト 9 パイプ部材 9a ドライブシャフト貫通部 13,14 取付ブラケット 15 第1のマウントラバー 16 第2のマウントラバー 17 第1の連結部材 20 第3のマウントラバー 21 第2の連結部材 24 第4のマウントラバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/04 B60K 17/344 B60K 17/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと変速機の入力側端部とが動力
    断接装置を介して連結されているとともに、該変速機の
    出力側端部にトランスファが連結され、かつ上記エンジ
    ン、変速機及びトランスファは、それらの連結方向が車
    体前後方向となるように縦置きに配置されており、上記
    エンジンの左右側方のいずれか一方にディファレンシャ
    ル装置が配置されて、上記エンジンの駆動力を上記変速
    機及びトランスファを経た後該トランスファから車体前
    後方向に延びるプロペラシャフトを介して上記ディファ
    レンシャル装置に伝達するように構成された車両のパワ
    ートレイン構造において、 上記ディファレンシャル装置から延びる左右のドライブ
    シャフトのうち、エンジンに対するディファレンシャル
    装置の配置側と反対側に位置する車輪用のドライブシャ
    フトが、ディファレンシャル装置に連結されたパイプ部
    材で保持されており、 上記ディファレンシャル装置及びパイプ部材はそれぞ
    れ、互いにエンジンの相反する側面にブラケットを介し
    て取付けられているとともに、エンジンの左右両側方を
    各々車体前後方向に延びる左右二つの連結部材のいずれ
    か一方を介して、上記動力伝達装置又は変速機に連結さ
    れていることを特徴とする車両のパワートレイン構造。
  2. 【請求項2】 上記エンジンに対するディファレンシャ
    ル装置及びパイプ部材の各取付部にはそれぞれ第1及び
    第2のマウントラバーが介設され、上記左右二つの連結
    部材と動力伝達装置又は変速機との結合部にはそれぞれ
    第3及び第4のマウントラバーが介設されており、上記
    第3及び第4のマウントラバーの剛性は、上記第1及び
    第2のマウントラバーのそれよりも高く設定されている
    請求項1記載の車両のパワートレイン構造。
  3. 【請求項3】 上記ディファレンシャル装置及びプロペ
    ラシャフトはエンジンの右側方に配置されているととも
    に、車両の前進走行時における上記プロペラシャフトの
    回転方向は、エンジンのクランクシャフトの回転方向と
    同じく車体前方から見て時計方向に設定されており、上
    記左右二つの連結部材のうち、パイプ部材側の連結部材
    の剛性は、ディファレンシャル装置側の連結部材のそれ
    よりも高く設定されている請求項1記載の車両のパワー
    トレイン構造。
  4. 【請求項4】 上記左右二つの連結部材のうちの、パイ
    プ部材側の連結部材は、パイプ部材のドライブシャフト
    貫通部よりも下側部分にボルトで締結されている請求項
    1記載の車両のパワートレイン構造。
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