JP2940939B2 - 多層状フィルム - Google Patents

多層状フィルム

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JP2940939B2 JP1168258A JP16825889A JP2940939B2 JP 2940939 B2 JP2940939 B2 JP 2940939B2 JP 1168258 A JP1168258 A JP 1168258A JP 16825889 A JP16825889 A JP 16825889A JP 2940939 B2 JP2940939 B2 JP 2940939B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は基層と少なくとも1つの表層とを有する多層
状フィルム、多層状フィルムの製造方法及び多層状フィ
ルムの食品包装への使用に関する。
例えば野菜、食肉または魚のような食品の包装に用い
られるフィルムは多くの必要条件、特に良好な穿刺抵抗
と良好な弾性回復率とを満さなければならない。ポリ塩
化ビニル(PVC)フィルムはこれらの必要条件を満た
し、今までに食品包装に多く用いられている。しかし、
PVCフィルムの使用範囲の拡大に伴う環境問題の増加の
ために、当業者はPVCフィルムの代りに同じ性質を有す
るが環境問題を起すことの少ない他のフィルムを用いよ
うと試みてきた。エチレンホモポリマー、エチレンコポ
リマーまたはこれらのポリマーと他のポリマーとの混合
物に関して多くの研究努力がなされてきた。
日本特許出願第61200142号の要約は、本質的成分とし
てエチレン/アクリルコポリマーを含むポリオレフィン
樹脂80〜99.9重量%と、ポリアクリル酸の吸水性樹脂20
〜0.1重量%とから成る組成物を開示している。ポリオ
レフィンは例えばポリエチレン、エチレン/酢酸ビニ
ル、コポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマーまた
はポリプロピレンである。エチレン/アクリルコポリマ
ーは例えばエチレン/アクリル酸コポリマーまたはその
イオンコポリマーである。単層状フィルムは明らかに本
質的性質がそのすぐれた吸湿性であると云われるこの樹
脂組成物から製造される。
日本特許出願第6108308号の要約はポリオレフィン樹
脂と防曇剤とから成る内層を有する多層状バッグを開示
している。各層は例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン/酢酸ビニルポリマー、エチレン/アクリ
ル酸コポリマー等のようなポリオレフィン樹脂から製造
されることが開示されている。ここに開示された教え
は、残念ながら、多層状フィルム中のポリマーに関して
あまりに広範囲で、非特異的であり、好ましい性質を有
するフィルムを製造するためにどのような種類のポリマ
ーを選択すべきかを当業者はしることができない。
米国特許第4,277,578号はポリオレフィンブレンドか
らの熱収縮性包装フィルムに関する。このブレンドは0.
91g/cm3までの密度を有するエチレン/α−オレフィン
コポリマーとポリマー(a)及び/またはポリマー
(c)から構成される。ポリマー(a)は低密度ポリエ
チレン及び/またはエチレンとビニルエステル、例えば
アクリル酸のような不飽和脂肪族モノカルボン酸または
そのアルキルエステルとのコポリマーであり、ポリマー
(c)は結晶性ポリプロピレン、高密度ポリエチレン及
び/または結晶性ポリブテン−1である。米国特許第4,
277,578号はポリマー(c)の量がある一定レベル未満
である場合には寸法安定性の悪いフィルムが得られるこ
と、及びこのようなフィルムは老化によって劣化しやす
いことを教えている。
米国特許第4,619,859号は少なくとも3層、好ましく
は5層を有する密封性と伸縮性の良好な、多層状延伸フ
ィルムを開示している。これはエチレンタイプポリマー
と軟質エラストマーの混合物から成る基層、ポリプロピ
レンとポリブテン−1とから成す心層、及びエチレンタ
イプポリマー、軟質エラストマー、結晶性1,2−ポリブ
タジエン及び/またはエチレン系コポリマーからの軟質
イオノマー樹脂を含む表層を含む。エチレンタイプポリ
マーは低密度ポリエチレン、エチレンとビニルエステル
モノマー、脂肪族不飽和モノカルボン酸またはこのモノ
カルボン酸のエステルとのコポリマーから選択される。
エチレン・タイプ・ポリマーの代りにまたはエチレン
タイプポリマーに加えて、フィルムの強度と加工性を改
良するために、基層は結晶性ポリプロピレンまたは結晶
性ポリブテン−1を含むことができる。少なくとも3種
類の層から成り、層の少なくとも1つが種々なタイプの
ポリマーの混合物を含む多層状延伸フィルムの製造は、
残念ながら、労力を多く要し、フィルム構造は複雑であ
る。例えば、混練と押出成形とによる混合物の製造は高
価な製造を必要とする。
ヨーロッパ特許出願第0243965号は野菜と果物の包装
に有用な多層状フィルムを開示している。このフィルム
は基層Aと、防曇剤を含む少なくとも1つの表層Bとを
有する。基層Aは(1)炭素数2〜10のα−オレフィン
の1種類以上のコポリマーと、(2)酢酸ビニル、アク
リル酸及びスチレンから成る群から選択したモノマー単
位と、例えばエチレン、プロピレン、アクリレート、ブ
タジエン等のような共重合可能なモノマー単位とを含む
1種類以上のコポリマーとの混合物である。表層Bの製
造には、炭素数2〜10の2種類以上のα−オレフィンの
ランダムまたはブロックコポリマーが好ましい。このフ
ィルムはバッグ製造用に設計されたものである。さら
に、開示された教えは多層状フィルムに用いられるポリ
マーに関して非常に広範囲で非特異的であるので、当業
者はバッグ製造用の代りに食品包装用に有用なフィルム
を製造するためにどのような種類のポリマーを選択すべ
きを知ることができない。
従って、食品、特に例えば食肉、魚、チーズ、野菜及
び果物のような新鮮な食品の包装に有用な新しい多層状
フィルムを製造することが望ましい。特に、製造時に費
用のかかる配合技術または装置を必要としないようなフ
ィルムを製造することが望ましい。
自動包装装置、特に高速包装装置で食品を包装できる
フィルムを提供することも望ましい。さらに、良好な穿
刺抵抗と変形回復性とを有するフィルムを製造すること
が望ましいと考えられる。例えば骨付き肉を包装する場
合に高い穿刺抵抗が重要である。食品の包装材料として
用いるフィルムにとっては、良好な変形回復性が非常に
重要である。食品は典型的に、多くの顧客が包装に触れ
るセルフ・サービスショップで販売される。フィルムに
触れることによって、フィルムの数個所は変形する。変
形回復性が不充分なフィルムで食品を包装する場合に
は、包装された食品は短時間後に新鮮でなく見えるよう
になり、もはや売り物にならなくなる。
本発明の1態様は、フィルム形成要素が(A1)エチレ
ンと(A2)エチレン系不飽和カルボン酸との少なくとも
1種類のコポリマーまたはそのイオノマーである基層
(A)と、 エチレンホモポリマーまたはエチレンと炭素数3〜12
の少なくとも1種類のα−オレフィンとのコポリマーま
たは前記ポリマーのブレンドである少なくとも1つの表
層(B)とを有し、 基層(A)の重量が(A)と(B)の総重量を基準とし
て25〜75%である多層状フィルムである。
本発明の他の態様は基層(A)と少なくとも1つの表
層(B)とを同時押出しするまたはインライン積層する
ことによる多層状フィルムの製造方法である。
本発明のさらに他の態様は、多層状フィルムの食品包
装への使用である。
本発明のさらに他の態様は、フィルムで食品を包装
し、フィルムを好ましくはヒート・シールすることから
成る、本発明の多層状フィルムによる食品の包装方法で
ある。
多層状フィルムは基層(A)と少なくとも1つの表層
(B)とを有する。基層(A)の重量は(A)と(B)
の総重量を基準にして25〜75%、好ましくは30〜70%、
さらに好ましくは40〜60%である。多層状フィルムが2
つ以上の表層(B)を有する場合には、表層の総重量は
上記重量比が満たされるように選択しなければならな
い。多層状フィルムが基層(A)の両面を被覆する2つ
の表層(B)を有するこのが最も好ましい。
基層(A)のフィルム形成要素は(A1)エチレン(A
2)エチレン系不飽和カルボン酸またはそのイオノマー
の少なくとも1種類のコポリマーである。「フィルム形
成要素」なる用語は、基層が例えばスリップ剤または粘
着防止剤または粘着付与剤のような公知の添加剤を含み
うるが、エチレンとエチレン系不飽和カルボン酸とのコ
ポリマーに例えばポリエチレンのような他のポリマーの
実質的な量が混合されないことを意味する。「実質的な
量」なる用語は、フィルムの性質に影響を与えうる量を
意味する。上記公知の添加剤は多層状フィルムの製造を
容易にするために用いられる。本発明の多層状フィルム
が1つのみの表層(B)を有する場合には、基層(A)
に公知の防曇剤を含めることが有用である。一般に、
(A1)と(A2)のコポリマーには他のタイプのポリマー
は全く混合しない。基層(A)のコポリマーは、(A1)
と(A2)の総重量を基準にして、共重合した形で(A1)
エチレンを好ましくは75〜98%、さらに好ましくは85〜
97%、最も好ましくは90〜95%含み、(A2)エチレン系
不飽和カルボン酸またはそのイオノマーを好ましくは2
〜25%、さらに好ましくは3〜15%最も好ましくは5〜
10%、含む。エチレン系不飽和カルボン酸が好ましく、
アクリル酸とメタクリル酸が特に好ましい。アクリル酸
が基層(A)の最も好ましいコモノマーである。エチレ
ン系不飽和カルボン酸の一部または全ては塩基性物質と
の処理によってそのイオノマーに転化すると考えられ
る。好ましいイオノマーは例えばナトリウムイオノマー
のようなアルカリ金属イオノマー、例えばマグネシウム
イオノマー及び亜鉛イオノマーのようなアルカリ金属イ
オノマーである。基層(A)中のコポリマーの密度は、
ASTM試験法D−792に従って測定して、一般に0.91g/cm3
〜0.95g/cm3、好ましくは0.92g/cm3〜0.94g/cm3であ
る。メルトインデックスは、ASTM試験法D−1238、条件
(E)によって測定して、好ましくは0.1g/10分〜30g/1
0分、さらに好ましくは1g/10分〜20g/10分である。基層
(A)は(A1)エチレンと(A2)エチレン系不飽和カル
ボン酸またはそのイオノマーとのコポリマーを2種類以
上含むこともできる。しかし、このようなコポリマーの
ブレンドを用いる場合には、全てのコポリマーが同一の
共重合したモノマー(A2)を含むことが望ましい。この
ようなコポリマーの配合は困難ではなく、高価な配合装
置を必要としない。基層(A)が1種類のみのフィルム
形成ポリマーを含むことが最も好ましい。配合工程を避
けることができ、1種類のみのフィルム形成ポリマーを
含む基層(A)を有するフィルムは意外に良好な変形回
復性を示す。
基層(A)のコポリマーは技術上周知の方法によって
製造することができる。典型的には、このコポリマーは
高圧オートクレーブ内での気相重合法によって製造す
る。基層(A)は(A1)と(A2)の種々のコポリマーの
混合物お含みうる。
表層(B)に有用にエチレンホモポリマーの例な公知
の高密度、中密度及び低密度エチレンホモポリマーであ
る。有用なエチレンコポリマーは好ましくは主要量で、
さらに好ましくは30%以上の量で、最も好ましくは85〜
90%の量でエチレンを含み、好ましくは少量で、さらに
好ましくは20%までの量で、最も好ましくは5〜20%の
量で1分子あたりの炭素数3〜12、好ましくは4〜8の
α−オレフィンの少なくとも1種類を含む種々なエチレ
ンホモポリマーと、エチレンと少なくとも1種類のα−
オレフィンとのコポリマーとの混合物も有用である。混
合物を用いると付加的な配合工程が必要になる、これは
避けるのが好ましいが、大きな問題を招来するわけでは
ない。表層(B)のこれらのポリマーは、ASTM試験法D
−1238(190℃/2.16kg)で測定して、0.1g/10分〜50g/1
0分の範囲内のメルトインデックスと、ASTM試験法D−7
92で測定して、0.880g/cm3〜0.990g/cm3の範囲内の密度
とを有するのが好ましい。このようなポリマーの製造方
法は、例えばシルドネヒト(Schi−ldknecht)のポリマ
ープロセシス(Polymer Proc−esses)X巻(1956年)
またはケム・エング・ニュース(Chem.Eng.News)1977
年12月5日号に教えられているように、技術上周知であ
る。
表層(B)の好ましいポリマーは線状低密度ポリエチ
レンである。
「線状低密度ポリエチレン」(LLDPE)はエチレンと
ポリマーを基準にして25重量%までの少なくとも1種類
の1分子あたりの炭素数が3〜12好ましくは4〜8であ
るα−オレフィンとの重合によって製造された、押出成
形、キャスティング、一次成形または同様な成形加工に
適した、通常は固体のエチレンポリマーを意味する。
表層(B)への使用に好ましいLLDPをコポリマーは、
例えば周知のチーグラー、ナッタまたはフィリップス触
媒のような配位触媒を用いて製造されるLLDPEコポリマ
ーである。このようなコポリマーは低圧、中等圧または
高圧で製造されるコポリマーを含む。これらのエチレン
ポリマーは好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−イ
ソブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ペンテン、
1−イソペンテン、1−ヘキセン、1−イソヘキセン、
1−ヘプテン、1−イソヘプテン、1−オクテン、1−
イソオクテン、1−ノネン、1ピソノネン、1−デセン
及び1−イソデセンから成る群から選択した少なくとも
1種類のα−オレフィンコモノマーを25重量%まで、好
ましくは、5〜15重量%まで、最も好ましくは5〜10重
量%まで含む。1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ブテン、プロピレン及び特に1オクテンが最も
好ましいコモノマーである。コモノマー使用量は一般
に、0.880〜0.935g/cm3、好ましくは0.890〜0.920g/cm3
の低い範囲内のポリマー密度を生ずるために充分である
べきである。コポリマーは一般に高分子量を有し、ASTM
−D−1238、条件(E)で測定して、0.1〜30dg/分好ま
しくは0.1〜20dg/分の範囲内のメルトインデックス(メ
ルトフロー)を有する。これらのLLDPEポリマーはすぐ
れた強度、引裂広がり抵抗を示し、引裂または穿刺に対
する良好な抵抗を示す。LLDPEポリマーのこの性能は特
に食品包装用途において重要であり、食肉の包装に最も
重要である。
「線状低密度ポリエチレン」はエチレン、1分子につ
き炭素数3または4のα−オレフィン及び1分子につき
炭素数5〜12のα−オレフィンとのターポリマーをも意
味する。このようなターポリマーはその教えが参考文献
としてここに関係するヨーロッパ特許出願第010428号に
述べられている。エチレンと共にターポリマー化される
炭素数3または4のα−オレフィンはプロピレンまたは
ブテン−1である。炭素数5〜12のα−オレフィンの例
は1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン、1−デセン及び1−ドデセンを含み、この中
では1−オクテンが好ましい。ターポリマーは好ましく
は90〜99.5モル%、さらに好ましくは92〜99モル%のエ
チレン;0.2〜9.8モル%、さらに好ましくは0.3〜7モル
%の炭素数3または4のα−オレフィン;及び0.2〜9.8
モル%、さらに好ましくは0.3〜7モル%の炭素数5〜1
2のα−オレフィンから製造するのが好ましい。0.880g/
cm3〜0.920g/cm3の範囲内のポリマー密度を有する線状
エチレンポリマーは通常、線状極低密度ポリエチレン
(VLLDPE)と呼ばれる。ポリマーの密度は多層状フィル
ムの好ましい性質に応じて選択することができる。一般
に高密度では、機械的強度が増加し、低密度では弾性回
復率が草加する。表層(B)は上記ポリマーの2種類以
上を含むことができるが、各表層が上記ポリマーの1種
類のみを含むことができる。多層状フィルムが2種類以
上の表層(B)を含む場合には、全ての表層(B)でポ
リマーが同じである必要がない。例えば、多層状フィル
ムが3層から成り、第1表層(B)が例えば弾性回復性
及び引裂抵抗のような良好な機械的性質を生ずる、0.88
0g/cm3〜0.920g/cm3の範囲内の密度を有する線状極低密
度ポリエチレンを含み、基層(A)は上記ポリマーを含
み、第2表層(B)は0.920g/cm3〜0.935g/cm3の範囲内
の密度を有する線状低密度ポリエチレンを含み、フィル
ムに好ましい剛性を与える。表層(B)は多層状フィル
ムの裂け易さを改良するために、1種類以上の線状
(極)低密度ポリエチレンと公知の低密度ポリエチレン
との混合物を含むこともできる。
表層(B)に関する「フィルム形成要素」なる表現
は、基層(A)に関する前記表現と同様に定義される。
表層(B)は、フィルム形成要素の他に、例えば安定
剤、酸化防止剤または滑沢剤のような任意の添加剤を含
むことができる。ある場合には、表層(B)の1つまた
は全てに防曇剤を混入することが有用である。多層状フ
ィルムを例えば果物または食肉のような水分含量の高い
物質の包装に用いる場合には、被包装食品面するフィル
ムの表面に小水滴が凝縮するのを防止するために防曇剤
の添加が特に望ましい。有用な防曇剤は公知である。好
ましいタイプの防曇剤は式1の化合物である; 〔式中、nは3〜8の平均数であり、pは9または10で
ある。〕表層Bは一般に0.8〜5重量%の防曇剤を含
む。式(1)の化合物を用いる場合には、表層(B)を
基準にして0.1〜1.0重量%量、好ましくは0.4〜0.8重量
%量で通常充分である。
一般に表層(B)を基準として0.1〜5重量%量で例
えば脂肪酸エステルまたはポリイソブチレンのような粘
着付与剤または公知の粘着付与剤を表層に含めることも
有用である。
多層状フィルムの総合厚さは一般に5〜40μm、好ま
しくは10〜20μm、さらに好ましくは13〜17μmであ
る。基層(A)の厚さ/表層(B)の総合厚さの比は好
ましくは0.5:1から2:1まで、さらに好ましくは0.75:1か
ら1.3:1までの範囲である。各層の厚さは制限されるわ
けではないが、基層(A)の厚さは5〜10μm特に6〜
9μmであることが好ましく、各表層(B)の厚さは2
〜6μm、特に3.0〜4.5μmであることが好ましい。
本発明の多層状フィルムは基層(A)と少なくとも1
つの表層(B)との同時押出しまたはインライン積層に
よる公知の方法で製造することができる。インフレート
フィルムまたはキャストフィルムの製造法は一般に公知
である。基層(A)と少なくとも1つの表層(B)との
インライン積層によって多層状フィルムを製造する場合
に、基層(A)と表層(B)との間に接着剤層を含める
ことが有用である。接着剤層に用いる成分は公知であ
る。一般に、本発明の多層状フィルムは接着剤層を含ま
ない。キャストフィルムは層(A)と(B)をフラット
ダイに通して同時押出しすることによって製造するのが
好ましい。製造した多層状フィルムがB/A/Bの層の順序
を有するのが最も好ましい。他の好ましい多層状フィル
ムはB/A/B/A,B/A/B/A/B,B/A/B/A/B/A,またはB/A//B/A/B
/A/B等の順序を有する。典型的には多層状フィルムを18
0℃〜280℃、好ましくは240℃〜260℃の温度において同
時押出しする。
本発明の多層状フィルムは高い穿刺抵抗と良好な変形
回復性を有する。
本発明の他の態様は本発明の多層状フィルムの食品包
装への使用である。1方法によると、食品を本発明の多
層状フィルムによって手で包装する。多層状フィルムに
よる食品の包装方法は自動的に実施するのが好ましい。
この方法によると、食品を容器に入れるまたはトレーに
載せ、本発明のフィルムで容器またはトレーの周囲を自
動的に包装し、例えば加熱によってシールする。本発明
の好ましい実施態様によると、包装機に本発明の多層状
フィルムのロールを装備する。フィルムの一部を巻出
し、展開装置によって維持しながら切断する。次に食品
を含む容器またはトレーをフィルムと接触させ、これを
フィルムの方へ下方から上方へ押上げるのが好ましい。
次にフィルム片の端部が容器またはトレーの下方で互い
に接触するように、フィルムに容器またはトレーの周囲
に巻きつけるのが好ましい。次にフィルム片の端部を例
えばヒートシールによってシールする。ヒートシールは
容器またはトレーの底部を加熱プレートに接触させるこ
とによって実施することができる。
本発明のフィルムをシールするためには、フィルムを
好ましくは80℃〜180℃、さらに好ましくは140℃〜160
℃の範囲内の温度に加熱する。
本発明の多層状フィルムは自動包装に使用可能であ
る。エチレンホモポリマーまたはエチレンとα−オレフ
ィンのコポリマーのみから製造したフィルムで食品を自
動包装する試みは満足な結果を示していない。食品の自
動包装プロセスへの本発明のフィルムの使用は、包装機
の高速での運転を可能にするので、非常に有利である。
一般に、1分間に容器またはトレー25〜180個、好まし
くは80〜120個をフィルムで包装できるような速度で包
装機を運転することができる。
本発明を次の実施例によってさらに説明するが、これ
らの実施例を本発明の範囲を限定するものと解釈すべき
ではない。部と%は全て、他に述べないかぎり、重量に
よるものである。
下記ポリマーと添加剤を用いて多層状フィルムを製造
する: ・共重合したアクリル酸9重量%を含み、メルトインデ
ックス1.5g/10分と密度0.938g/cm3を有するエチレン/
アクリル酸コポリマー(EAA−1); ・共重合したアクリル酸9重量%を含み、メルトインデ
ックス3.0g/10分と密度0.938g/cm3を有するエチレン/
アクリル酸コポリマー(EAA−2); ・共重合したアクリル酸9重量%を含み、メルトインデ
ックス5.0g/10分と密度0.938g/cm3を有するエチレン/
アクリル酸コポリマー(EAA−3); ・共重合した1−オクテン7〜8重量%の公称含量、メ
ルトインデックス3.3g/10分と密度0.917g/cm3を有する
線状低密度ポリエチレン(LLDPE−1); ・共重合した1−オクテン7〜8重量%の公称含量と、
メルトインデックス2.3g/10分と密度0.919g/cm3を有す
る線状低密度ポリエチレン(LLDPE−2); ・共重合した1−オクテン6〜7重量%の公称含量と、
メルトインデックス6.0g/10分と密度0.919g/cm3を有す
る線状低密度ポリエチレン(LLDPE−3); ・共重合した1−オクテン10〜11重量%の公称含量と、
メルトインデックス2.0g/10分と密度0.912g/cm3を有す
る線状低密度ポリエチレン(VLLDPE−1); ・共重合した1−オクテン11〜12重量%の公称含量と、
メルトインデックス7.0g/10分と密度0.910g/cm3を有す
る線状低密度ポリエチレン(VLLDPE−2); LLDPE−1、LLDPE−2、LLDPE−3、VLLDPE−1及びV
LLDPE−2中の1−オクテン含量ASTM D−2238,方法Bに
よって測定する。
全ての実施例及び比較例AとBでは、溶融温度240℃
〜280℃、線速度150m/分におけるフラットダイ押出成形
によって3層フィルムを製造する。全ての例と比較例A
とBにおけるフィルムの厚さは14〜16μmである。基層
(A)の厚さは約7〜8μmであり、各表層(B)の厚
さは約4μmである。各例と比較例AとBでは、層の重
量%が25/50/25であるフィルム構造体A/B/Aを製造す
る。
比較例Cでは、厚さが14μmである市販の単層状ポリ
塩化ビニルフィルムを用いる。
次表に挙げた、製造したフィルムの物理的性質は次の
ように測定する: ・落槍衝撃強さ(g):ASTMD−1709 ・エルメンドルフ引裂強さ(g):ASTMD−1922 「MD」は流れ方向を意味する。
「CD」は横断方向を意味する。
回復率(%)と穿刺エネルギー(J)は下記のように
測定する: a)回復率 ポリテトラフルオロエチレン製の半球状先端を有する
直径12.5mmのプローブを備えた引張強さ試験機JJ型T500
を用いる。フィルムサンプルを内径125mmのクランプリ
ングによって変化させる。プローブをフィルムサンプル
に触れるまで下げる(出発位置)。次にプローブを25mm
の深さまで100mm/分の速度でさらに下げ、それによって
フィルムサンプルを変形させる。力/たわみ曲線を記録
する。たわみはX軸上に記録する。
次にプローブをその出発位置に達するまで100mm/分の
速度でフィルムサンプルから引上げる。プローブの引上
げ開始のL分後、プローブを同じ速度で同じ深さまで再
び下げ、第2力/たわみ曲線を記録する。第1曲線と第
2曲線のX軸上での分離は、フィルムの面に接触するプ
ローブの付加的な動きによるものであり、これは25mmの
最初のたわみ後に完全には回復しない。2曲線の間の距
離Xは1ニュートンの圧力で常に測定する。2曲線の間
の距離Xから、第2ランと第1ランにおけるプローブの
動きの間の実際の差を測定して、この差と全体のたわみ
(25mm)に基づいて、回復率(%)を算出する。
b)穿刺抵抗(穿刺エネルギー) 同じクランプ系を用いるが、半径6.25mmの半球状先端
を有し、直径が12.5mmであるアルミニウム・プローブを
用いる。プローブを500mm/分の速度で下げ、これによっ
てフィルム・サンプルを変形させる。
フィルムを破壊する穿刺エネルギー(ジュール)を記
録する。
第1表は、基層(A)のフィルム形成要素としてエチ
レンと炭素数3〜12の少なくとも1種類のα−オレフィ
ンとのコポリマーを用いる多層状フィルムが、同じ表層
を有するが基層(A)のフィルム形成要素として(A1)
エチレンと(A2)エチレン系不飽和カルボン酸のコポリ
マーを含む本発明のフィルムよりもかなり低い回復率を
有することを説明する。
例1〜3のフィルムに対して市販の包装機による包装
試験を実施する。使用した包装機と試験結果を第II表に
記載する: 第II表に記載した包装試練の結果は、第1表に記載し
た物理的性質の測定を実証する。
全ての例のフィルムの穿刺抵抗(穿刺エネルギー)は
比較例CのPVCフィルムの穿刺抵抗よりもかなり高い。
フィルムの物理的性質の他に、高速オートマック44装
置での包装試験におけるフィルムの挙動を評価した。リ
ンゴ4または5個を含むトレーをフィルムで包装した。
例4,5及び比較例BのフィルムはCDで容易に切断可能で
あり、良好にシール可能であった。
例4のフィルムはすぐれた回復性と強度を示した。
例5のフィルムはすぐれた回復性を示したが、多くの
場合に装置方向で裂けた。
比較例Bのフィルムは不充分な回復性を示した。
例4と5の比較は、エレメンドルフ引裂抵抗の評価が
一定装置での例えば装置速度と展開装置の力のような一
定条件下における自動食品包装にとって、いずれのフィ
ルムが最も有効であるかを予測するために必ずしも充分
でないことを示す。例5のフィルムは例4のフィルムよ
りも高いエレメンドルフ引裂抵抗を有するが、例4のフ
ィルムは食品包装試験において例5のフィルムよりも高
い強度を示した。この差は試験条件の相違(すなわち実
質的に不動のフィルムの試験対包装機において高速で移
動するフィルムの試験)によると考えられる。 例 6 フィルム構造 LLDPE−3/EAA−2 /LLDPE−3 落槍衝撃強(g) 170 エレメンドルフ MD CD 引裂抵抗(g) 181 51 穿刺エネルギー(J) 0.80 回復率(%) 88.0 例6のフィルムの構造を有する2種類のフィルムサン
プルを、例1で述べたように、オートマック44で試験し
た。フィルム・サンプルは横断方向で容易に切断でき、
良好にシール可能であり、良好な回復率と強度とを示し
た。
例 7〜9 例1,2及び6と同じフィルム構造体を調製し、それら
の物理的性質を測定し、自動食品包装へのそれらの有用
性を、例1,2及び6と同様に測定する。しかし、同じ構
造を有するフィルム(例1/7,例2/8及び例6/9)の生産か
ら測定までの期間は数か月である。例えば異なる温度、
異なる樹脂バッチ等のような、生産及び試験条件の僅か
な相違のために、同じ構造を有する上記各フィルムを測
定する場合に、物理的性質の結果は同じではない。しか
し、例7〜9も本発明のフィルムの比較例Aのフィルム
に比べてすぐれた回復性(第IV表参照)と、本発明のフ
ィルムの自動食品包装への有用性(第V表参照)とを実
証する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基層(A)及び少なくとも1つの表層
    (B)を含む同時押出しされたキャスト多層状フィルム
    において、その基層(A)は、(A1)エチレンと(A2)
    エチレン系不飽和カルボン酸とのコポリマー又はそのイ
    オノマーであり、その表面層(B)は、エチレンホモポ
    リマーあるいはエチレンと少なくとも1種類の炭素数3
    〜12のα−オレフィンとのコポリマーまたは前記ホモポ
    リマー及び少なくとも1種の前記コポリマーのブレンド
    または前記コポリマーの少なくとも2種のブレンドであ
    り、基層(A)の重量が(A)と(B)の総重量を基準
    にして25〜75%であり、その多層状フィルムの全体の厚
    さは5〜40μmである、多層状フィルム。
  2. 【請求項2】表層(B)がエチレンと1−オクテンのコ
    ポリマーであり、共重合した1−オクテンの量がポリマ
    ー重量を基準にして5〜15%であり、基層(A)がエチ
    レンとアクリル酸のコポリマーであり、共重合したアク
    リル酸の量がポリマー重量を基準にして5〜10%であ
    り、基層(A)の重量が(A)と(B)の総重量を基準
    にして40〜60重量%である請求項1記載の多層状フィル
    ム。
  3. 【請求項3】基層(A)と少なくとも1つの表層(B)
    とを同時押出しすることによる請求項1または2記載の
    多層状フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】フィルムで食品の周囲を包み、次にフィル
    ムをシールすることから成る、請求項1または2記載の
    多層状フィルムによる食品包装方法。
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