JP2940353B2 - 投写型ディスプレイの幾何学歪調整装置 - Google Patents

投写型ディスプレイの幾何学歪調整装置

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JP2940353B2
JP2940353B2 JP5209402A JP20940293A JP2940353B2 JP 2940353 B2 JP2940353 B2 JP 2940353B2 JP 5209402 A JP5209402 A JP 5209402A JP 20940293 A JP20940293 A JP 20940293A JP 2940353 B2 JP2940353 B2 JP 2940353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は投写型ディスプレイの幾
何学歪みを調整するための投写型ディスプレイの幾何学
歪調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】投写型ディスプレイは、RGB(赤、
緑、青)の3色の投写管を用いて映像を投写する装置で
ある。この投写型ディスプレイでは、投写面でこれら3
色の投写管の投写した映像を合成するため、投写面上で
万遍なくこれら3色の投写点を重ね合わせる必要があ
る。このために、従来では予め検出しておいた各投写管
の投写点に、水平偏向あるいは垂直偏向に同期して各投
写管の投写点をデジタル的に調整するデジタルコンバー
ゼンス調整等の手法を用いて調整作業が行われるように
なっていた。このような調整作業に用いられるコンバー
ゼンス調整装置は、透過型ディスプレイの内部に装備さ
れていた。
【0003】また、コンバーゼンス調整に際しては、各
投写管ごとの投写点のずれ量としてのコンバーゼンス誤
差を電気的に検出し、これをもとに調整を行うようにし
たオートコンバーゼンス装置も存在していた。
【0004】コンバーゼンス調整は、基準となるある管
(基準管)の投写点に対して、残りの調整対象となる管
(調整管)の投写点を重ね合わせる内容となっている。
例えば基準となる管がG管の場合には、調整管がR管あ
るいはB管である。基準管の投写面上の投写点が幾何学
歪みを含んでいるとすると、調整後の投写面上の映像は
同様に幾何学歪みを含んだものとなってしまう。このよ
うなことから、投写型ディスプレイは幾何学歪調整とコ
ンバーセント調整が重要となる。
【0005】ところで、投写型ディスプレイの内部に備
わっている幾何学歪調整部は、各水平および垂直方向に
おける0次(のこぎり波)、1次(のこぎり波)および
2次(パラボラ波)成分の組み合わせによる調整波形成
分を生成した。そして、投写型ディスプレイの偏向波形
に、生成された調整波形成分を加算して幾何学歪みの調
整を行うようになっていた。これら各調整波形成分ごと
のゲインは、マイクロコンピュータで制御され、調整者
のリモートコントロール等による入力によってゲイン調
整が行われた。
【0006】このように従来における幾何学歪みの調整
は、コンバーゼンス調整において基準管となる投写管の
投写点の幾何学歪みを目で見ることによって判別し、こ
の判別された幾何学歪量を投写型ディスプレイの内部に
配置されている幾何学歪調整部に入力して幾何学歪調整
を実施するようになっていた。このときの入力として
は、例えばリモートコントロール装置が使用された。
【0007】このように目視によって幾何学歪みの検出
を行うようにすると、種々の走査周波数に対応可能な投
写型ディスプレイのような場合に、調整数が多くなると
調整のための時間が余計にかかるという問題があった。
また、目視を行うので、幾何学歪みの量を判断しにく
く、監視者ごとに調整精度が不均一になるといった問題
もあった。更にこれら監視者には、幾何学歪調整に関し
てある程度の熟練度が必要とされるといった問題もあっ
た。
【0008】そこで、特開昭63−48987号公報で
は投写型ディスプレイのコンバーゼンス誤差を自動的に
検出して補正する補正装置の提案が行われている。この
装置では、投写型ディスプレイの投写スクリーンと投写
装置管に補助スクリーンを配置し、この補助スクリーン
上の非結像の像を検出装置で検出するようにしている。
そして、この像に存在するコンバーゼンス誤差情報これ
を基に、投写スクリーン上のコンバーゼンス誤差を求め
て、これを調整するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、投写型ディ
スプレイではRGB3色の投写管の投写点を投写面上で
万遍なく一致させる必要がある。このためにこの従来技
術ではコンバーゼンス誤差の調整を行うようにしている
が、良好な画像を投写するためにはこの他にもアライメ
ント調整を行う必要がある。アライメント調整を行わな
ければ投写管による幾何学歪みを除去することができな
い。
【0010】そこで本発明の目的は、コンバーゼンス誤
差のみならずアライメント誤差を検出し、これらの調整
を行うことのできる投写型ディスプレイの幾何学歪調整
装置を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)投写型ディスプレイの投写面の全面に投写さ
れたX−Y格子状の調整パターンをこのパターンと直交
する方向に配置された撮像装置から撮像して投写面上の
輝度分布状態からそれぞれの格子点を検出する検出手段
と、(ロ)この検出手段による格子点の検出の際に投写
型ディスプレイの入力映像信号と非同期な同期信号を用
いる前記撮像装置から得られる輝度を予測値と比較し
て、その予測値と大きく異なる輝度が生じたときにはそ
の領域の輝度分布を検出し直す輝度分布検出手段と、
(ハ)この輝度分布検出手段の検出結果を基にして前記
X−Y格子にそれぞれ対応するピーク点を算出しこれら
算出されたピーク点を結んで前記投写面のエリアを分割
するエリア分割手段と、(ニ)このエリア分割手段によ
って得られた各エリアの中から、中心エリアとこれを中
心として十字状に配置されかつ最外周に位置するエリア
からなる複数のエリアを検出エリアとして抽出する検出
エリア抽出手段と、(ホ)この検出エリア抽出手段によ
って抽出された検出エリアにおける輝度分布データを用
いてこれらのピーク値の位置を表わした投写点の座標情
報を記憶する記憶手段と、(ヘ)この記憶手段に記憶さ
れた座標情報を基準値と比較して前記投写面の幾何学歪
みを算出する幾何学歪演算手段と、(ト)この幾何学歪
みを基にその調整を行うための幾何学歪調整情報を作成
する幾何学歪調整情報演算手段と、(チ)この幾何学歪
調整情報を用いて前記投写型ディスプレイの幾何学歪調
整を行う調整手段とを投写型ディスプレイの幾何学歪調
整装置に具備させる。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明では、投写
型ディスプレイの全面にX−Y格子状の調整パターンを
投写し、その輝度分布の状態からそれぞれの格子点を検
出する。これと共に、得られた輝度を予測値と比較し
て、投写型ディスプレイと撮像装置との同期がとれてい
ないことによる部分的な輝度の異常があった場合には、
これを修正する。そして、その後にX−Y格子のそれぞ
れに対応するピーク点を算出してこれらを基準としてエ
リアの分割を行う。このようにして得られた複数の格子
状のエリアの中心に位置するエリアとこれを通過する十
字状のエリアでかつ最外周に位置するエリアを抽出し、
これらを検出エリアとする。これらの検出エリアについ
ての、ピーク値の位置を表わした投写点の座標情報を記
憶手段に記憶して、基準値と比較することで幾何学歪を
算出し、これを基にして幾何学歪の調整を行うようにし
ている。
【0013】
【0014】請求項2記載の発明では、投写型ディスプ
レイ側に、幾何学歪調整情報を受信して幾何学歪みの調
整を行う幾何学歪調整部を具備させることにした。この
幾何学歪調整部には、各水平および垂直方向の0次、の
こぎり波形としての1次、パラボラ波形としての2次成
分の組み合わせによる調整波形成分ごとの幾何学的調整
情報が送られてきて、幾何学歪の調整が行われるように
なっている。
【0015】
【0016】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例における投写型デ
ィスプレイの幾何学歪調整装置の全体的な構成を表わし
たものである。この図で投写面11の後方には、後面投
写型の投写装置12が配置されている。また、投写面1
1の前方には投写された画像を撮像するための撮像装置
13が配置されている。撮像装置13は幾何学歪検出装
置14の一部を構成している。幾何学歪検出装置14
は、この撮像装置13によって検出された調整パターン
の投写点を記憶する記憶装置15と、これに記憶された
データを基に演算を行う演算装置16と、幾何学歪みの
検出に関する制御を行う制御装置17から構成されてい
る。監視者18の操作するリモートコントロールユニッ
ト19の出力とこの制御装置17の出力とは投写装置1
2に入力され、その内部に設けられた幾何学歪調整部2
2によって幾何学歪みの調整が行われるようになってい
る。投写装置12内には、B色投写管23B、G色投写
管23GおよびR色投写管23Rの3本の投写管が配置
されている他、調整用パターンを発生するための調整用
パターン発生装置24その他の回路装置が配置されてい
る。
【0018】投写装置12は、投写面11上で万遍なく
各色の投写管23B、23G、23Rの投写点を重ね合
わせなければならない。そこで、コンバーゼンス調整時
に基準管となる投写管についての幾何学歪みを取り除く
ことが必要である。幾何学歪調整部22は、入力される
幾何学歪情報を基にして、偏向波形に調整波形成分を加
算し、基準管となる投写管の幾何学歪みの調整を行うよ
うにしているが、これ自体は従来から行われている。し
たがって、本実施例の幾何学歪調整装置は、前記した幾
何学歪情報の入力手段を、監視者18に代って電気的な
手段によって達成していることを特徴としている。この
部分が図1において破線で示した幾何学歪検出装置14
である。
【0019】図2は、この幾何学歪検出装置を中心とし
た幾何学歪調整装置の具体的な構成を表わしたものであ
る。図1で示した幾何学歪検出装置14内の撮像装置1
3には、CCDビデオカメラ13Aが使用されている。
記憶装置15には画像メモリボード15Aが使用されて
いる。演算装置16および制御装置17としてはパーソ
ナルコンピュータ31が使用されている。画像メモリボ
ード15Aは、このパーソナルコンピュータ31の拡張
スロットルに実装されるもので、CCDビデオカメラ1
3Aの出力の1フレーム分の記憶容量をもっている。
【0020】このような構成の投写型ディスプレイの幾
何学歪調整装置で、基準管となる投写管をG色投写管2
3Gであるとして、本実施例の説明を行う。
【0021】図3は、本実施例における調整パターンが
投写面上に投写された状態を表わしたものである。投写
面11に投写された調整パターン35はX−Y格子状で
あり、検出ポイントとなる調整パターンの各交点(以下
検出ポイントという。)36は図中で○印で表わしてい
る。本実施例では、これら検出ポイント36におけるG
色投写管23G(図1参照)の投写点を、投写面11上
の輝度分布状態によって検出し、その検出された投写点
の位置から幾何学歪情報を算出することを基本的な動作
としている。これ故、この幾何学歪調整装置では投写面
11全体における検出ポイント36の正確な輝度分布を
得ることが必要条件となる。
【0022】ところで、本実施例ではCCDビデオカメ
ラ13Aからなる撮像装置13をこの輝度分布の検出部
として使用している。撮像装置13は、投写装置12の
投写面11を走査する同期信号とは全く同期しない撮像
装置内部の同期信号で撮像を行っている。このため、投
写装置12の基準管としてのG色投写管23Gの残光特
性や撮像装置13の画素の蓄積時間との関係で、走査周
波数が異なると撮像装置13の検出出力を取り込む記憶
装置15のある領域で本来の輝度分布を取り込むことが
不可能になる。
【0023】図4は、撮像装置の検出出力を記憶した記
憶装置の記憶領域の一例を表わしたものである。前記し
たような理由で調整パターン35の各検出ポイント36
(図3)の正確な輝度分布を投写面11全体にわたって
取り込むことが不可能なため、この図4で斜線で示した
ような領域38では極端に輝度が減少したり増加するよ
うな現象が現われてしまう。そして、これが撮像装置1
3の検出出力をモニタすると、垂直方向に移動する帯状
の輝度変化となって現われることになる。このような領
域38は、投写装置12と撮像装置13の走査周波数の
差異によって、その幅や輝度が変化する。
【0024】そこで本実施例の幾何学歪検出装置14で
は、検出ポイント36の輝度変化が記憶装置15のどの
位置で生じるかを大まかに予測し、その付近に輝度分布
の著しい相違が生じた場合には、この領域の輝度分布を
取り込み直すことによって、投写面11全体の正しい輝
度分布を記憶装置15に取り込むようにしている。輝度
変化の生じる位置の予測は、記憶装置15を検出ポイン
ト36の数と同数にエリア分割することで実現してい
る。
【0025】そこで、まず記憶装置15のエリア分割に
ついて説明する。図2に示した投写装置12から投写面
11上に図3に示したような調整パターン35を制御装
置17(図1)の指示によって基準管としてのG色投写
管23Gのみで投写する。この投写面11全体を、撮像
装置13によって取り込む。撮像装置13は投写面11
に直交する位置に配置されており、この全体を撮像した
検出出力を記憶装置15に1フレーム分取り込む。この
取り込まれたデータは、投写面11上の輝度分布とな
る。
【0026】演算装置16(図1)は、この記憶装置1
5の1フレーム分のデータについてデータ一次投影処理
を行う。すなわち、記憶装置15の水平一次投影:上半
分については(1)式の通りとなる。
【0027】
【数1】
【0028】記憶装置15の水平一次投影:下半分につ
いては(2)式の通りとなる。
【0029】
【数2】
【0030】記憶装置15の垂直一次投影:左半分につ
いては(3)式の通りとなる。
【0031】
【数3】
【0032】記憶装置15の垂直一次投影:右半分につ
いては(4)式の通りとなる。
【0033】
【数4】
【0034】ここで、これらの式において Huh(n) 、Hdh(n) :水平一次投影データ H1v(m) 、Hrv(m) :垂直一次投影データ n:記憶装置15の水平アドレス m:記憶装置15の垂直アドレス Nh:水平方向のデータ数 Nv :垂直方向のデータ数
【0035】図5は、演算装置による(1)〜(4)式
に示す各データ一次投影処理の結果を示したものであ
る。図で記憶装置15は、図4と同様に1フレーム分の
記憶範囲を示している。
【0036】図6はこれらの一次投影データの処理の様
子を表わしたものである。ここでは一例として水平一次
投影データHuh(n) を示している。一次投影データに対
してはスレッショルドレベル41を設定し、このスレッ
ショルドレベル41以下のレベルからこれ以上になった
位置を開始点42とし、反対にスレッショルドレベル4
1以上のレベルからこれ以下になった位置を終了点43
とする。これら開始点42、終了点43の中間点をそれ
ぞれの一次投影データのピーク点44とする。ピーク点
44は、水平一次投影データであれば、水平検出ポイン
ト数だけ検出される。垂直一次投影データであれば、垂
直検出ポイント数だけ検出される。しかしながら、垂直
一次投影データについては正確なピーク点を検出できな
い場合がある。
【0037】図7は、垂直一次投影データについて正確
なピーク点を検出できない例を示したものであり、斜線
で示した部分はピーク点44が欠落していた部分であ
る。これは、前記したように輝度分布の極端な変化の影
響を受けることによって生じる。そこで、垂直一次投影
データについてはピーク点44の間隔チェックを行う。
すなわち演算装置16によって各ピーク点44の間隔を
演算し、最大となる間隔値を除いた間隔の平均値を算出
し、その平均値のある倍数以上の間隔が発生している場
合には、平均値の間隔でピーク点44を内挿する。図で
は垂直方向の各位置D1 〜D6 における位置D1 とD2
の間に位置D12を設定し、ピーク点44A、44B を内
挿している。
【0038】次に、内挿したピーク点44A 、44B
も含めて、演算装置16によりピーク点44同士を結ん
でエリア分割の分割点とする。図8は、このエリア分割
の分割点の作成の様子を表わしたものである。このうち
同図(A)は水平一次データについて示しており、同図
(B)は垂直一次データについて示している。これらの
図に示すように向かい合ったピーク点44同士を結び、
これらの交点を記憶装置15のエリア分割の分割点とす
る。分割点と検出ポイントの輝度分布が取り込まれる記
憶装置15の位置は、ほぼ一致することになる。これら
の分割点は、次の(5)および(6)式より、(7)式
のように表現することができる。
【0039】すなわち、記憶装置15上の分割点Xij
ドレスは、次の(5)式で表わすことができる。
【0040】
【数5】
【0041】記憶装置15上の分割点Yijアドレスは、
次の(6)式で表わすことができる。
【0042】
【数6】
【0043】記憶装置15上の分割点Zijは、次の
(7)式で表わすことができる。 Zij=(Xij、Yij) ……(7) ここで、これらの式において i=1〜I:水平方向の検出ポイント位置 j=1〜J:垂直方向の検出ポイント位置 I:水平方向のピーク点数 J:垂直方向のピーク点数 X1(i):上半分水平方向のピーク点のXアドレス X2(i):下半分水平方向のピーク点のXアドレス Y1(j):右半分垂直方向のピーク点のYアドレス Y2(j):左半分垂直方向のピーク点のYアドレス
【0044】図9は、エリア分割の様子を表わしたもの
である。演算装置16によって分割点が算出されると、
図9のように分割点を中心として、ある範囲をもたせる
ことによって、記憶装置15のエリア分割範囲48の設
定が可能になる。これらのエリアは、検出ポイントの輝
度分布が取り込まれる位置に対応していることはもちろ
んである。このようにして、投写装置12から投写面1
1に投写されるX−Y格子状の調整パターン35を撮像
装置13を介して記憶装置15に取り込むことによっ
て、各検出ポイントの輝度分布が、エリア分割された記
憶装置15の各範囲48に対して記憶可能となる。
【0045】次に幾何学歪情報の算出について説明す
る。幾何学歪情報を算出するためには、記憶装置15を
エリア分割する各エリアの中から、中心エリアを検出す
る必要がある。ここで、中心エリアとは、幾何学歪検出
装置14の生成する各幾何学歪調整波形の中心となる検
出ポイントの輝度分布が取り込まれるエリアをいう。
【0046】図10は、投写面に投写された十字パター
ンを表わしたものである。この十字パターン51は、中
心エリアの検出に用いるためのものであり、制御装置1
7の指示によってG色投写管23Gのみが投写面11に
投写する。そして、撮像装置13の検出出力を、同様に
してエリア分割された記憶装置15に1フレーム分取り
込む。演算装置16は次のようにしてデータ一次投影処
理を行う。すなわち、記憶装置15の水平一次投影:全
体、については次の(8)式を使用してデータ一次投影
処理を行う。
【0047】
【数7】
【0048】また、記憶装置15の垂直一次投影:全
体、については次の(9)式を使用してデータ一次投影
処理を行う。
【0049】
【数8】
【0050】ここで、これらの式において Hh(n):水平一次投影データ Hv(m):垂直一次投影データ n:記憶装置15の水平アドレス m:記憶装置15の垂直アドレス Nh:水平方向のデータ数 Nv:垂直方向のデータ数
【0051】水平および垂直方向の一次投影データよ
り、ピーク点の発生するエリアをエリア分割された各エ
リアのうちの中心エリアとする。ただし、本実施例の装
置では、中心エリアから上下および左右について同数の
エリアのみを参照するようにしている。
【0052】図11は、エリア分割された記憶装置のX
−Y格子状に並ぶ全エリアのうちの中心エリアを検出し
た例を表わしたものである。この例のように調整パター
ンの検出ポイントが水平あるいは垂直方向に偶数個発生
する場合(図11では垂直方向に偶数個発生)、エリア
分割された全エリアのうち、中心エリア52から同数の
エリアのみ検出エリア53とする。図11でドットで表
わしたそれ以外のエリア54は参照しない。以後、本明
細書では奇数個ずつ並んだ分割エリアをそれぞれ検出エ
リア53と称することにする。
【0053】記憶装置15をエリア分割する各検出エリ
アや中心エリアは、図2に示した投写装置12の設置さ
れた位置や、投写面11と撮像装置13の位置関係が変
わらない限りそのまま保持して使用することができる。
また、投写装置12が種々の走査周波数に対応すること
ができるときには、それらに対応させて各信号源ごとに
保持しておくようになっている。
【0054】以上説明したような各手段を用いることに
よって、エリア分割された記憶装置15に取り込まれる
投写面11の全体の輝度分布データから、幾何学歪調整
部22に送出する幾何学歪情報の算出が可能になる。そ
こで、次に幾何学歪情報の算出について説明を行う。前
記したように記憶装置15の各検出エリアおよび中心エ
リアが保持されていれば、幾何学歪情報の算出は以下に
説明する処理のみで足りることになる。
【0055】幾何学歪情報の算出に際しては、まず投写
装置12から投写面11上に調整パターンを投写する。
これは、記憶装置15のエリア分割時に使用したものと
同様のX−Y格子状の調整パターンを制御装置17の指
示によってG色投写管23Gのみで投写する。撮像装置
13は、その際の検出出力を記憶装置15に1フレーム
分取り込む。次に、保持しておいた記憶装置15の各検
出エリアを読み出し、これらの検出エリアごとに演算装
置16によりデータ一時投影処理を行う。すなわち、各
検出エリアごとの水平一次投影については、次の(1
0)式を使用してデータ一時投影処理を行う。
【0056】
【数9】
【0057】各検出エリアごとの垂直一次投影について
は、次の(11)式を使用してデータ一時投影処理を行
う。
【0058】
【数10】
【0059】ここで、これらの式において H(n,m):輝度データ n:記憶装置15の水平アドレス m:記憶装置15の水平アドレス Xij:検出エリア分割のための分割点の水平アドレス Yij:検出エリア分割のための分割点の垂直アドレス Xr:水平エリア分割範囲 Xr:水平エリア分割範囲 i:水平方向の検出ポイント位置 j:水平方向の検出ポイント位置
【0060】(10)および(11)式によって、算出
された一次投影データを用いて各検出エリアごとにG色
投写管の投写点の算出を行う。
【0061】図12は各検出エリアにおけるこのような
G色投写管の投写点の算出の様子を表わしたものであ
る。この図で下側には、記憶装置15の記憶範囲が示さ
れており四角の升は各検出エリア61であり、格子状に
示したものが輝度分布データ62である。図の上側には
1つの検出エリアを拡大して示してある。このように各
検出エリア61ごとに水平および垂直一次投影データの
最大値をそれぞれ検索し、その最大値を基にして水平お
よび垂直の各スレッショルドレベル64、65を演算装
置16によって各検出エリアごとに決定する。そしてそ
の水平および垂直レベルを越える各中間点の交わる位置
をその検出ポイントにおけるG色投写管23Gの投写点
66とする。この投写点66は各エリアのピーク点ある
いは各エリアのテスタパターンの交点の輝度分布位置で
ある。このような投写点66を全ての検出エリア61に
ついて算出する。各検出エリア61のG色投写管23G
の投写点66は、次の(12)式のように表わすことが
できる。
【0062】 Zgij =(Xgij 、Ygij ) ……(12) ここで、 i=1〜I:水平方向の検出ポイント位置 j=1〜J:水平方向の検出ポイント位置 I:水平方向の検出ポイント数 J:垂直方向の検出ポイント数 Xgij :(10)式におけるHhij(n)のスレッショルド
レベルを越える中間点 Ygij :(11)式におけるHVij(m)のスレッショルド
レベルを越える中間点
【0063】ただし、中間点が複数存在する場合や最大
値が異常に低かったり高かったりした場合、すなわち前
記した構成上の影響を受けて本来の輝度分布ではないと
判断されるような場合には、その検出エリア61のみを
再度取り込み、その結果として以上の条件をすべて満た
すことが必要である。
【0064】算出された全検出エリア61におけるG色
投写管23Gの投写点66は、ミスコンバーゼンス量の
検出の際に他の投写管23B、23Rの投写点の基準と
なる。しかしながら、幾何学歪検出においては基準とな
るG色投写管23Gの投写点66を調整する。したがっ
て、このままではG色投写管23Gを調整するための基
準値が存在しない。そこで、次にG色投写管23Gを調
整するための基準値の算出方法について説明する。
【0065】図13は、G色投写管の基準値を算出する
ための参照エリアの一例を表わしたものである。先程の
ようにしてG色投写管23Gの全検出エリアの投写点Z
gijが算出されたら、これら全検出エリアから図13に
示したような斜線で表わした参照エリア71を選択す
る。このような参照エリア71は、中心エリアから十字
状に配置され、かつ最外周に位置する検出エリアであ
る。そして、全検出エリアの投写点の中から、これら参
照エリアの投写点の参照を行う。なお、図で各升は、Z
ijのエリア分割範囲72を示している。
【0066】図14は、基準管となるG色投写管の基準
値を算出するための水平および垂直方向の投射点の平均
の間隔を算出する例を表わしたものである。演算装置1
6は、次の2つの式を用いて、この図14に示すように
水平および垂直方向の投写点の平均の間隔を算出する。
まず、G色投写管23Gの水平方向の投写点間隔の平均
値は、次の(13)式によって算出される。
【0067】
【数11】
【0068】G色投写管23Gの垂直方向の投写点間隔
の平均値は、次の(14)式によって算出される。
【0069】
【数12】
【0070】ここで、 I:水平方向の検出ポイント数 J=垂直方向の検出ポイント数 Xg1c :中心エリアより十字状に並ぶ検出エリアの最左
検出エリアでのG色投写管23Gの投写点 XgIc :中心エリアより十字状に並ぶ検出エリアの最右
検出エリアでのG色投写管23Gの投写点 Ygc1 :中心エリアより十字状に並ぶ検出エリアの最上
検出エリアでのG色投写管23Gの投写点 YgcJ :中心エリアより十字状に並ぶ検出エリアの最下
検出エリアでのG色投写管23Gの投写点
【0071】図15は、G色投写管の基準値の一例を示
したものである。これは、次の(15)式を使用してこ
の図に示すように中心エリアのG色投写管23Gの投写
点Z gcc を中心に、水平および垂直方向に投写点の平均
の間隔Xav、Yavで基準値の設定を行ったものである。
【0072】
【数13】
【0073】ここで、 I:水平方向の検出ポイント数 J=垂直方向の検出ポイント数 i=1〜I:水平方向の検出ポイント位置 j=1〜J:垂直方向の検出ポイント位置 Xgcc :中心エリアでのG色投写管23Gの投写点の水
平アドレス Ygcc :中心エリアでのG色投写管23Gの投写点の垂
直アドレス Xav:G色投写管23Gの投写点の水平平均間隔 Yav:G色投写管23Gの投写点の垂直平均間隔
【0074】このようにしてG色投写管23Gの幾何学
歪みを検出するための基準値が設定できたことになる。
したがって、幾何学歪量を算出するためには、各検出エ
リアにおける基準値と幾何学歪みの投写点の差分量を演
算装置16によって算出する。このとき、各検出エリア
の水平方向差分は、次の(16)式によって算出するこ
とができる。
【0075】 ΔZij=Xgij −Xsij ……(16)
【0076】また、各検出エリアの垂直方向差分は、次
の(17)式によって算出することができる。
【0077】 ΔZij=Ygij −Ysij ……(16) ここで、 i=1〜I:水平方向の検出ポイント位置 j=1〜J:垂直方向の検出ポイント位置 Xsij :各検出エリアにおける基準値の水平アドレス Xgij :各検出エリアにおけるG色投写管23Gの投写
点の水平アドレス Ysij :各検出エリアにおける基準値の垂直アドレス Ygij :各検出エリアにおけるG色投写管23Gの投写
点の垂直アドレス I :水平方向の検出ポイント数 J :垂直方向の検出ポイント数
【0078】算出された差分量の位置は、幾何学歪調整
部22の調整位置と一致する。そこで、それぞれの調整
位置を調整するポイント的な幾何学歪量として、制御装
置17を介して幾何学歪調整部22に送出可能になる。
また、各検出エリアの差分量を中心エリアから水平およ
び垂直方向に展開し、正規直交関数を利用した関数に代
入し、演算装置16によって演算することで調整波形成
分ごとの幾何学歪量を算出することが可能になる。
【0079】図16から図29は、投写装置内の幾何学
歪調整部に備えられた幾何学歪量を表わしたものであ
る。これらは、各水平、垂直方向の0次、1次(のこぎ
り波形)、2次(パラボラ波形)成分の組み合わせによ
る14波形の調整波形成分ごとの幾何学歪量である。演
算装置16は、これらの調整波形成分ごとの調整量を制
御装置17を介して幾何学歪調整部22に対して送信
し、幾何学歪調整を実施させることになる。
【0080】ここで幾何学歪調整部に備えられた幾何学
歪量について簡単に説明する。なお、これらの図で実線
は基準値を、破線は基準管をそれぞれ示している。図1
6は、投写型ディスプレイ内部から発生する調整用パタ
ーンを投写面に投写したときの垂直方向の傾き歪み(Ti
lt成分)の幾何学歪みが発生した状態を示したものであ
る。図17は、投写型ディスプレイ内部から発生する調
整用パターンを投写面に投写したときの垂直方向の弓形
歪み(Bow 成分)の幾何学歪みが発生した状態を示した
ものである。図18は、投写型ディスプレイ内部から発
生する調整用パターンを投写面に投写したときの垂直方
向の直線性歪み(Liner 成分)の幾何学歪みが発生した
状態を示したものである。
【0081】図19は、投写型ディスプレイ内部から発
生する調整用パターンを投写面に投写したときの垂直方
向の台形歪み(Keystone成分)の幾何学歪みが発生した
状態を示したものである。図20は、投写型ディスプレ
イ内部から発生する調整用パターンを投写面に投写した
ときの垂直方向の糸巻歪み(Pincushion成分)の幾何学
歪みが発生した状態を示したものである。図21は、投
写型ディスプレイ内部から発生する調整用パターンを投
写面に投写したときの垂直方向のキーバランス(V-keys
tone-Blance )成分の幾何学歪みが発生した状態を示し
たものである。図22は、投写型ディスプレイ内部から
発生する調整用パターンを投写面に投写したときの垂直
方向のピンクッションバランス(Pincushion-Balance)
成分の幾何学歪みが発生した状態を示したものである。
【0082】図23は、投写型ディスプレイ内部から発
生する調整用パターンを投写面に投写したときの水平方
向の斜め歪み(Skew成分)の幾何学歪みが発生した状態
を示したものである。図24は、投写型ディスプレイ内
部から発生する調整用パターンを投写面に投写したとき
の水平方向の弓形歪み(Bow 成分)の幾何学歪みが発生
した状態を示したものである。図25は、投写型ディス
プレイ内部から発生する調整用パターンを投写面に投写
したときの水平方向の直線性歪み(Linear成分)の幾何
学歪みが発生した状態を示したものである。図26は、
投写型ディスプレイ内部から発生する調整用パターンを
投写面に投写したときの水平方向の台形歪み(Keystone
成分)の幾何学歪みが発生した状態を示したものであ
る。
【0083】図27は、投写型ディスプレイ内部から発
生する調整用パターンを投写面に投写したときの水平方
向の糸巻歪み(Pincushion成分)の幾何学歪みが発生し
た状態を示したものである。図28は、投写型ディスプ
レイ内部から発生する調整用パターンを投写面に投写し
たときの水平方向のキーバランス(V-keystone-Blance
)成分の幾何学歪みが発生した状態を示したものであ
る。図29は、投写型ディスプレイ内部から発生する調
整用パターンを投写面に投写したときの水平方向のピン
クッションバランス(Pincushion-Balance)成分の幾何
学歪みが発生した状態を示したものである。
【0084】図30は、以上説明した本実施例の投写型
ディスプレイの幾何学歪調整装置における幾何学歪検出
装置の動作の概要についてその前半を表わしたものであ
る。まず制御装置17は、記憶装置15のエリア分割点
がすでに保持されているかどうかをチェックする(ステ
ップS101)。保持されていれば(Y)、この図30
の作業自体は省略して図31に示す作業に進むことがで
きる。保持されていなければ(N)、投写面11上に基
準管(G色投写管23G)のみでテストパターンを投写
し(ステップS102)、撮像装置13の検出出力とし
ての輝度分布データを1フレーム分だけ記憶装置15に
取り込む(ステップS103)。そして、輝度分布デー
タを水平および垂直方向に投影処理を行って各ピーク位
置を検出することになる(ステップS104)。
【0085】この段階で、帯状の輝度変化データの影響
があるかどうかがチェックされ(ステップS105)、
あれば(Y)、その影響のある部分を前後のデータによ
って内挿処理して仮のピーク位置を設定する(ステップ
S106)。そして各ピーク位置により1フレーム分の
記憶装置15をエリア分割する(ステップS107)。
ステップS105で影響がないとされた場合には
(N)、直ちにこのステップS107に進むことにな
る。
【0086】図31は、図30に示した幾何学歪検出装
置の動作の続きを表わしたものである。記憶装置のエリ
ア分割が行われている状態で、投写面11にG色投写管
23Gのみでテストパターンを投写し(ステップS10
8)、撮像装置13を用いて輝度分布データを1フレー
ム分だけ記憶装置15に取り込む(ステップS10
9)。そして、記憶装置15中の分割された各エリアご
とに投写点を算出する(ステップS110)。この状態
で、帯状の輝度変化データの影響があるかどうかのチェ
ックを同様に行う(ステップS111)。影響があれば
(Y)、そのエリアのみ輝度分布で取り込み直し、投写
点を再度算出する(ステップS112)。
【0087】輝度変化データの影響がなかったり、ステ
ップS112の処理によって影響がない状態になったら
(ステップS111;N)、中心エリアおよび中心エリ
アより十字状に並ぶ最外周のエリアの投写点より、全エ
リアの基準チェックを算出する(ステップS113)。
そして各エリアごとの投写点と基準チェックとの差分量
を基に調整データを作成し(ステップS114)、投写
装置12の幾何学歪調整部22に調整データを送って調
整を行わせることになる(ステップS115)。
【0088】このように本実施例の幾何学歪調整装置で
は、G色投写管の投写点に対するB色およびR色の投写
管の投写点のズレ量としてのコンバーゼンス誤差だけで
なく、G色投写管の幾何学歪みを含む状態から基準値を
仮想的に設定した。そして、その設定した仮想的な基準
値と幾何学歪みを含んだG色投写管の状態からアライメ
ント誤差を算出し、アライメント補正量として幾何学歪
調整部22に調整データとして送出するようにした。し
たがって、コンバーゼンス調整もさることながら、アラ
イメント調整も容易に行うことができる。しかも、投写
型ディスプレイの設置調整および保守等の工数を軽減す
ることができ、投写型ディスプレイの映像をより高品位
に維持することが可能になる。
【0089】変形例
【0090】図32は、調整パターンの変形例を表わし
たものである。以上説明した実施例の幾何学歪調整装置
では、図3に示すX−Y格子状の調整パターンを使用し
たが、図32に示したようなものであってもよい。すな
わち、投写型ディスプレイに投写され、すでに説明した
各検出エリアのデータ投影処理で算出される投写点が幾
何学歪調整部22の調整位置と一致するものであれば、
どのような調整パターンであっても任意の検出ポイント
数で対応することができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、投写型ディスプレイの全面にX−Y格子状の
調整パターンを投写し、その輝度分布の状態からそれぞ
れの格子点を検出し、これによって得られた輝度を予測
値と比較して、投写型ディスプレイと撮像装置との同期
がとれていないことによる部分的な輝度の異常があった
場合には、これを修正することにした。したがって、撮
像装置は投写型ディスプレイの入力映像信号と非同期で
あってもよいので、汎用性のある幾何学歪調整装置を構
成することができる。これにより、システムの簡易化や
低コスト化が可能になり、特に種々の走査周期に対応す
る投写型ディスプレイに対しても対応可能になる。ま
た、請求項1記載の発明では、X−Y格子のそれぞれに
対応するピーク点を算出してこれらを基準としてエリア
の分割を行い、これによって得られた複数の格子状のエ
リアの中心に位置するエリアとこれを通過する十字状の
エリアでかつ最外周に位置するエリアを抽出し、これら
を検出エリアとして、これらのピーク値の位置を表わし
た投写点の座標情報を記憶手段に記憶して、基準値と比
較することで幾何学歪を算出し、これを基にして幾何学
歪の調整を行うようにした。従って、投写型ディスプレ
イの全体に対して少ないデータ量で幾何学歪を正確に補
正することができる。
【0092】
【0093】請求項2記載の発明では、投写型ディスプ
レイ側に幾何学歪調整情報を受信して幾何学歪みの調整
を行う幾何学歪調整部を具備させ、これに幾何学歪調整
情報を送出して幾何学歪みの調整を行うことにした。し
かも、幾何学歪調整部には各水平および垂直方向の0
次、のこぎり波形としての1次、パラボラ波形としての
2次成分の組み合わせによる調整波形成分ごとの幾何学
的調整情報が送られてくるようにしたので、少ない情報
量の伝送で幾何学歪みの調整が正確に行えるという利点
がある。また調整波形ごとに調整データを算出すること
により、調整データは投写面上においても連続値とな
り、投写面全体を万遍なく調整することができるという
利点もある。
【0094】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における投写型ディスプレイ
の幾何学歪調整装置の全体的な構成を表わした概略構成
図である。
【図2】本実施例で幾何学歪検出装置を中心とした幾何
学歪調整装置の具体的な構成を表わした概略構成図であ
る。
【図3】本実施例における調整パターンが投写面上に投
写された状態を表わした平面図である。
【図4】本実施例で撮像装置の検出出力を記憶した記憶
装置の記憶領域の一例を表わした平面図である。
【図5】本実施例の演算装置による(1)〜(4)式に
示す各データ一次投影処理の結果を示した説明図であ
る。
【図6】本実施例でピーク値を検出するための一次投影
データの処理の様子を表わした説明図である。
【図7】本実施例で垂直一次投影データについて正確な
ピーク点を検出できずピーク点を内挿する例を示した説
明図である。
【図8】本実施例でエリア分割の分割点の作成の様子を
水平一次データと垂直一次データについて表わした説明
図である。
【図9】本実施例でエリア分割の様子を表わした説明図
である。
【図10】本実施例で投写面に投写された十字パターン
を表わした平面図である。
【図11】本実施例でエリア分割された記憶装置のX−
Y格子状に並ぶ全エリアのうちの中心エリアを検出した
例を示す説明図である。
【図12】本実施例で各検出エリアにおけるこのような
G色投写管の投写点の算出の様子を示した説明図であ
る。
【図13】本実施例でG色投写管の基準値を算出するた
めの参照エリアの一例を表わした説明図である。
【図14】本実施例でG色投写管の基準値を算出するた
めの水平および垂直方向の投射点の平均の間隔を算出す
る例を示した説明図である。
【図15】G色投写管の基準値の一例を示した説明図で
ある。
【図16】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向の傾き歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図17】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向の弓形歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図18】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向の直線性歪
みの幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図19】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向の台形歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図20】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向の糸巻歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図21】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向のキーバラ
ンス成分の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図で
ある。
【図22】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの垂直方向のピンクッ
ションバランス成分の幾何学歪みが発生した状態を示し
た説明図である。
【図23】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向の斜め歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図24】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向の弓形歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図25】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向の直線性歪
みの幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図26】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向の台形歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図27】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向の糸巻歪み
の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図である。
【図28】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向のキーバラ
ンス成分の幾何学歪みが発生した状態を示した説明図で
ある。
【図29】投写型ディスプレイ内部から発生する調整用
パターンを投写面に投写したときの水平方向のピンクッ
ションバランス成分の幾何学歪みが発生した状態を示し
た説明図である。
【図30】本実施例の投写型ディスプレイの幾何学歪調
整装置における幾何学歪検出装置の動作の概要の前半を
示す流れ図である。
【図31】本実施例の投写型ディスプレイの幾何学歪調
整装置における幾何学歪検出装置の動作の概要の後半を
示す流れ図である。
【図32】本発明の変形例で調整パターンの他の例を示
す平面図である。
【符号の説明】
11 投写面 12 投写装置 13 撮像装置 13A CCDビデオカメラ 14 幾何学歪検出装置 15 記憶装置 15A 画像メモリボード 16 演算装置 17 制御装置 22 幾何学歪調整部 24 調整用パターン発生装置 23G G色投写管(基準管) 23B B色投写管 23R R色投写管 31 パーソナルコンピュータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投写型ディスプレイの投写面の全面に投
    写されたX−Y格子状の調整パターンをこのパターンと
    直交する方向に配置された撮像装置から撮像して投写面
    上の輝度分布状態からそれぞれの格子点を検出する検出
    手段と、この検出手段による格子点の検出の際に投写型ディスプ
    レイの入力映像信号と非同期な同期信号を用いる前記撮
    像装置から得られる輝度を予測値と比較して、その予測
    値と大きく異なる輝度が生じたときにはその領域の輝度
    分布を検出し直す輝度分布検出手段と、 この輝度分布検出手段の検出結果を基にして前記X−Y
    格子にそれぞれ対応するピーク点を算出しこれら算出さ
    れたピーク点を結んで前記投写面のエリアを分割するエ
    リア分割手段と、 このエリア分割手段によって得られた各エリアの中か
    ら、中心エリアとこれを中心として十字状に配置されか
    つ最外周に位置するエリアからなる複数のエリアを検出
    エリアとして抽出する検出エリア抽出手段と、 この検出エリア抽出手段によって抽出された検出エリア
    における輝度分布データを用いてこれらのピーク値の位
    置を表わした投写点の座標情報を 記憶する記憶手段と、 この記憶手段に記憶された座標情報を基準値と比較して
    前記投写面の幾何学歪みを算出する幾何学歪演算手段
    と、 この幾何学歪みを基にその調整を行うための幾何学歪調
    整情報を作成する幾何学歪調整情報演算手段と、 この幾何学歪調整情報を用いて前記投写型ディスプレイ
    の幾何学歪調整を行う調整手段とを具備することを特徴
    とする投写型ディスプレイの幾何学歪調整装置。
  2. 【請求項2】 前記投写型ディスプレイは、前記幾何学
    歪調整情報を受信して調整を行う幾何学歪調整部を備え
    ており、この幾何学歪調整部には各水平および垂直方向
    の0次、のこぎり波形としての1次、パラボラ波形とし
    ての2次成分の組み合わせによる調整波形成分ごとの幾
    何学的調整情報が送られてきて幾何学歪の調整が行われ
    ことを特徴とする請求項1記載の投写型ディスプレイ
    の幾何学歪調整装置。
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