JP2939772B2 - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生装置

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JP2939772B2 JP14345891A JP14345891A JP2939772B2 JP 2939772 B2 JP2939772 B2 JP 2939772B2 JP 14345891 A JP14345891 A JP 14345891A JP 14345891 A JP14345891 A JP 14345891A JP 2939772 B2 JP2939772 B2 JP 2939772B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスクなどの
光学的記録媒体を用いて情報の記録,再生,消去を行う
光学的情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学的情報記録再生装置の光ピッ
クアップでは、記録媒体上に約1.6μmの間隔で形成
される情報トラックに、対物レンズによるレーザ光ビー
ムを直径約1μmの微小なビームスポットに絞って照射
し、情報の記録,再生,消去を行う。このため、記録媒
体と対物レンズの間隔を1μm程度の精度で約4mmの
間隔で保ちながら、前記情報トックの略中央に0.1
μm程度の精度でビームスポットを照射させる必要があ
る。
【0003】また記録媒体は情報処理速度を向上させる
ために毎分数千回転の高速で回転しており、記録媒体の
面振れ、芯振れなどによって情報トラックの位置変化が
高速で発生している。このため、対物レンズを焦点方向
に駆動させるフォーカス制御、およびビームスポット位
置を情報トラックの直交方向に制御するトラッキング制
御を行っている。この制御のためのエラー信号検出に
は、公知のプッシュプル法,臨界角法,非点収差法,ナ
イフエッジ法などが使用され、記録媒体からの反射光を
分割受光素子で受光し、この分割受光素子の分割された
各素子からの出力の差をとった差出力に基づいて前記制
御を行っている。
【0004】また光磁気記録方法では、記録媒体の磁気
膜に着磁させて記録を行い、再生はその磁化により照射
するレーザ光の偏光面が回転するカー回転を検出するこ
とによる記録信号(RF信号)を読み出している。一般的
には、複屈折材料で構成されるウォラストンプリズムや
偏光ビームスプリッタでRF信号を有する、記録媒体か
らのレーザ反射光を互いに直交する偏光性を有するP
波,S波に分離し、それぞれを分割受光素子で受光し
て、電気信号に変換することでRF信号を取り出してい
る。
【0005】上述した信号検出方法は、情報トラックの
位置変化に対して検出感度が非常に高く、ビームスポッ
トを高速で、かつ高精度に制御できるものである必要が
ある。
【0006】図5はナイフエッジ法を用いた光ピックア
ップの一般的な例を示す構成図であり、レーザダイオー
ド1から出射したレーザ光は、カップリングレンズ2,
ビームスプリッタ3,対物レンズ4を通り、記録媒体5
に集光し、この記録媒体5で反射された反射光は、再び
対物レンズ4,ビームスプリッタ3へと進み、ビームス
プリッタ3で全光量または一部の光量が制御信号検出系
に向かう。制御信号検出系では集光レンズ8にて集光さ
せられ、ナイフエッジプリズム10によってフォーカス信
号分割受光素子9とトラッキング信号分割受光素子12へ
と分割される。
【0007】トラッキング制御信号を取り出す原理を図
6の説明図を参照して説明する。記録媒体5にはトラッ
ク溝5aが形成されていて、前述のようにレーザ光の微
小ビームスポットSが溝5aの中心に位置する必要があ
る。図6(a)はビームスポットSが溝5aの中心にある場
合の反射光の強度分布を示す。
【0008】図6(b)はビームスポットSが溝5aの中心
から外れた場合の反射光の強度分布で、ビームスポット
Sが中心から外れ、溝5aの壁の部分で回折を生じ、ト
ラッキング方向に強度分布が非対称に変化して強度分布
差を発生する。この非対称性を分割受光素子によって検
出して、その非対称性を補正する方向にスポット位置を
変位させることによって、トラッキング制御を行う。
【0009】この場合、検出を行う受光素子を小さくし
た方が、光ピックアップの小型化,低価格化が行えるこ
とから、トラッキング制御用の信号光を、ある程度集光
して、受光面のスポット径を小さくする必要がある。し
かし、受光面を集光点にしてスポット径を最小となるよ
うにした場合、信号光の強度分布が変化してトラッキン
グ制御信号が乱れることになるので、受光面の位置は集
光点から十分離れた位置にするのが一般的である。
【0010】このナイフエッジ法において光磁気記録信
号検出手段を付加した場合、図7のように記録媒体5か
らの反射光をハーフミラープリズム6によってRF信号
検出系と制御信号検出系とに分離し、RF信号検出系に
偏光ビームスプリッタ7を配置して、反射光のP波成分
とS波成分に分離し、RF信号検出分割受光素子13a,1
3bにてRF信号を検出するのが一般的である。また、こ
のRF信号検出部分では、反射光の偏光方向が偏光ビー
ムスプリッタ7の反射面に対し略45°になるように、1
/2波長板11を挿入して偏光方向を45°回転させて、カ
ー回転が発生していない時にP波成分とS波成分の光量
が同じになるようにして検出するのが一般的である。
【0011】各検出系への光量の配分比率は、配分の比
率が光ピックアップの仕様によって多少変化するので特
定は困難であるが、RF信号に全光量の50%〜85%を配
分するのが一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
て、検出感度を高くするためには、できるだけ多い光量
で信号を電気信号に変換し、C/N比を向上させる必要
があるが、上述したように、トラッキング制御信号,フ
ォーカス制御信号,RF信号を検出するために、反射光
をビームスプリッタ,ナイフエッジプリズム,ハーフミ
ラーなどの光学手段により分離,分岐しているので、光
学手段を経るごとに光量減少を生じていた。
【0013】本発明の目的は、光ビームの信号光量を活
用して、RF信号とトラッキング制御信号とを取り出す
ことができ、検出信号の信頼性を高め、しかも小型化,
構成の簡素化が図れる光学的情報記録再生装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の手段は、光ビームを対物レンズを介
して記録媒体にビームスポットとして照射し、記録媒体
からの反射光を分割受光素子に入射させ、分割受光素子
によって得られる差出力によって、前記対物レンズのフ
ォーカス制御とビームスポットのトラッキング制御が行
われ、さらに前記反射光の記録情報による偏光面の変角
を偏光ビームスプリッタを用いて偏光方向によって選択
分離して記録信号を取り出す光学的情報記録再生装置に
おいて、前記反射光をフォーカス制御信号検出光路とト
ラッキング制御信号検出光路とに分離するナイフエッジ
を備え、前記トラッキング制御信号検出光路に前記偏光
ビームスプリッタを設置し、この偏光ビームスプリッタ
によって選択分離された光ビームの両方あるいは片方に
よりトラッキング制御信号を検出するように構成したこ
とを特徴とする。
【0015】また第2の手段は、第1の手段において、
偏光ビームスプリッタを、偏光反射面を透過した光ビー
ムが偏光反射面に平行な反射面で反射される構成とした
ことを特徴とする。
【0016】また第3の手段は、第1の手段または第2
の手段において、偏光ビームスプリッタを、前記ナイフ
エッジの稜線に対して45°傾斜して設置したことを特
徴とする。
【0017】さらに第4の手段は、光ビームを対物レン
ズを介して記録媒体にビームスポットとして照射し、記
録媒体からの反射光を分割受光素子に入射させ、分割受
光素子によって得られる差出力によって、前記対物レン
ズのフォーカス制御とビームスポットのトラッキング制
御が行われ、さらに前記反射光の記録情報による偏光面
の変角を偏光方向によって選択分離して記録信号を取り
出す光学的情報記録再生装置において、前記反射光をフ
ォーカス制御信号検出光路とトラッキング制御信号検出
光路とに分離する部分と、トラッキング制御信号検出光
路の光ビームに対して偏光方向によって選択分離を行う
偏光面とを有するナイフエッジを備えたことを特徴とす
る。
【0018】
【作用】上記の第1の手段によれば、RF信号,トラッ
キング制御信号を、従来、別々の系で検出していたのを
一つの光学系で検出できるので、RF信号とトラッキン
グ制御信号を共用することで信号光量を増加させること
が可能となる。しかもRF検出系及びトラッキング検出
系を一つの光学系にすることにより、従来のナイフエッ
ジ法を用いたものに比べて小型化し、かつ構成部品の点
数を減少させることができる。
【0019】また第2の手段によれば、偏光ビームスプ
リッタで光ビームは平行に出射することになるので、光
ビームを受光する分割受光素子を同一方向に設置でき、
第1の手段より設置構造を簡素化できる。
【0020】また第3の手段によれば、偏光ビームスプ
リッタが45°傾斜しているので、偏光方向を回転させる
ための、例えば1/2波長板が不用となり、第1の手段
より構造が簡素化される。
【0021】さらに第4の手段によれば、ナイフエッジ
と偏光ビームスプリッタの機能が1部品でなされ、上記
の手段より小型化,構成部品の点数を減少させることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。尚、以下の図の説明において、図5,図7に基づ
いて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して
詳しい説明を省略する。
【0023】図1は本発明の第1実施例の構成図であ
り、ナイフエッジプリズム10で反射された光ビームを、
1/2波長板11を通して、90°配置方向が違う2つのト
ラッキング信号分割受光素子12a,12bに分離するように
偏光ビームスプリッタ7を設置している。
【0024】図2は本発明の第2実施例の構成図であ
り、第1実施例の偏光ビームスプリッタ7を、偏光反射
面7aを透過した光ビームが、偏光反射面7aと平行な反
射面7bで反射される構成にして、2つのトラッキング
信号分割受光素子12a,12bを同一方向に配置できるよう
にし、両分割受光素子12a,12bの同一パッケージング化
を可能にしている。
【0025】上記の第1,第2実施例では、ナイフエッ
ジプリズム10で反射された光ビームを、偏光ビームスプ
リッタ7によってP波成分とS波成分に分離して、トラ
ッキング信号分割受光素子12a,12bに入射させてRF信
号を取り出す。また、RF信号の分離手段として偏光ビ
ームスプリッタ7を用いて光路を完全に分離しているた
めに、トラッキング制御信号を十分検出できる大きいス
ポットで前記分割受光素子12a,12bに入射させることが
可能となり、分割受光素子12a,12bからトラッキング制
御信号を取り出すことができる。
【0026】図3は本発明の第3実施例の構成図であ
り、ナイフエッジプリズム10の反射面に偏光特性を有す
る偏光面10aを付加することにより、従来、すべて反射
されていたトラッキング制御信号用の光ビームをナイフ
エッジプリズム10でP波成分とS波成分に分離すること
ができ部品点数が削減できる。
【0027】上記の実施例によればナイフエッジ法にお
けるトラッキング制御信号用の光ビームから、偏光ビー
ムスプリッタ7、ナイフエッジプリズム(偏光特性を有
する)10によってP波成分,S波成分を分離することに
より、分割方向では集光点となり、トラッキング制御信
号方向には集光点とならないような非点収差を設けてい
る。これにより、これまでトラッキング制御信号にしか
用いられていなかった光ビームからRF信号を取り出す
ことが可能となる。すなわち、説明上、図においてトラ
ッキング信号分割受光素子12a,12bの各受光面をa〜d
とし、その各面の受光量をa′〜d′とすると、
【0028】
【数1】
【0029】で取り出せる。
【0030】また、前記分割受光素子12aまたは12bのど
ちらか一方を無分割受光素子として、
【0031】
【数2】
【0032】としても、トラッキング制御信号とRF信
号を共用していることには変りはない。
【0033】また。図4(a)の正面構成図、図4(b)の側
面構成図に示すようにナイフエッジプリズム10の稜線に
対し偏光ビームスプリッタ7を45°傾けて取り付け、1
/2波長板11を挿入せずにP波成分とS波成分の光量が
同じになるようにしても、トラッキング制御信号とRF
信号を共用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1〜第
4の手段によれば、限られた信号光量を、RF信号とト
ラッキング制御信号を共用させることにより、有効活用
でき、また光学系を共用できることから小型化,構成の
簡素化が図れることになり、また第2の手段によれば、
分割受光素子を同一方向に設置でき、さらに設置構造を
簡素化でき、また第3の手段によれば、偏光方向を回転
させる部材が不要となり、また第4の手段によれば、ナ
イフエッジと偏光ビームスプリッタとの機能を1部品に
もたせることができるので、構成部品の点数をさらに減
少させることができる等、実用的で信頼性の高い光学的
情報記録再生装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学的情報記録再生装置の第1実施例
の構成図である。
【図2】本発明の第2実施例の構成図である。
【図3】本発明の第3実施例の構成図である。
【図4】本発明の第4実施例の要部の構成図である。
【図5】従来の光ピックアップの構成図である。
【図6】トラッキング信号検出の説明図である。
【図7】従来の光ピックアップの他の例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1…レーザダイオード、 2…カップリングレンズ、
3…ビームスプリッタ、 4…対物レンズ、 5…記録
媒体、 7…偏光ビームスプリッタ、 7a…偏光反射
面、 7b…反射面、 8…集光レンズ、 9…フォー
カス信号分割受光素子、 10…ナイフエッジプリズム、
10a…偏光面、 11…1/2波長板、12a,12b…トラ
ッキング信号分割受光素子。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを対物レンズを介して記録媒体
    にビームスポットとして照射し、記録媒体からの反射光
    を分割受光素子に入射させ、分割受光素子によって得ら
    れる差出力によって、前記対物レンズのフォーカス制御
    とビームスポットのトラッキング制御が行われ、さらに
    前記反射光の記録情報による偏光面の変角を偏光ビーム
    スプリッタを用いて偏光方向によって選択分離して記録
    信号を取り出す光学的情報記録再生装置において、前記
    反射光をフォーカス制御信号検出光路とトラッキング制
    御信号検出光路とに分離するナイフエッジを備え、前記
    トラッキング制御信号検出光路に前記偏光ビームスプリ
    ッタを設置し、この偏光ビームスプリッタによって選択
    分離された光ビームの両方あるいは片方によりトラッキ
    ング制御信号を検出するように構成したことを特徴とす
    る光学的情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記偏光ビームスプリッタを、偏光反射
    面を透過した光ビームが偏光反射面に平行な反射面で反
    射される構成としたことを特徴とする請求項1記載の光
    学的情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記偏光ビームスプリッタを、前記ナイ
    フエッジの稜線に対して45°傾斜して設置したことを
    特徴とする請求項1または2記載の光学的情報記録再生
    装置。
  4. 【請求項4】 光ビームを対物レンズを介して記録媒体
    にビームスポットとして照射し、記録媒体からの反射光
    を分割受光素子に入射させ、分割受光素子によって得ら
    れる差出力によって、前記対物レンズのフォーカス制御
    とビームスポットのトラッキング制御が行われ、さらに
    前記反射光の記録情報による偏光面の変角を偏光方向に
    よって選択分離して記録信号を取り出す光学的情報記録
    再生装置において、前記反射光をフォーカス制御信号検
    出光路とトラッキング制御信号検出光路とに分離する部
    分と、トラッキング制御信号検出光路の光ビームに対し
    て偏光方向によって選択分離を行う偏光面とを有するナ
    イフエッジを備えたことを特徴とする光学的情報記録再
    生装置。
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