JP2939368B2 - 暖房装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明の暖房装置は、病院の診察
室や待合室、厨房、事務所や浴室等の床下に敷設したり
室内に敷く電気カーペットに敷設したりして床暖房に使
用されるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の床暖房装置や暖房用カーペット等
のヒータ線の配線構造としては図３に示すようなものが
あった。これは１本のヒータ線Ａを５０ｍｍ〜１００ｍ
ｍ程度の等間隔で蛇行させたヒータユニットＢを床下に
敷き、このヒータユニットＢの両端のリ−ド線接続部Ｃ
に接続されているリ−ド線Ｄからヒータ線Ａに電流を供
給できるようにしたものである。

【０００３】この暖房装置ではヒータ線Ａに電流が流れ
るとフレミングの左手の法則により漏洩磁束が発生す
る。ヒータ線Ａを床下に敷設して床暖房用として用いた
場合に発生する漏洩磁束の強度は床面で０．１〜数ガウ
ス（１０^-5〜１０^-4ウェーバー／ｍ² ）、床上１ｍで１
０〜数十ミリガウス（１０^-6〜１０^-5ウェーバー／
ｍ²）と微弱である。特にヒータ線Ａを蛇行させて配線
した場合は隣接するヒータ線Ａに逆向き（図３の矢印方
向）に電流が流れるため、ヒータ線Ａから発生する磁界
が互いに打ち消しあって弱くなる。しかし、ヒータユニ
ットＢの両端部ａ、ｂではその外側にヒータ線が無いた
め、その両端部ａ、ｂから発生する漏洩磁束が打ち消さ
れず、図４に示すように高い漏洩磁束が発生する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気製
品の普及に伴って床暖房用の発熱ケーブルから発生する
磁界がそれら電気製品に悪影響を及ぼすようになってき
た。特に広角、大画面化が進んでいるテレビ受像器では
ブラウン管の電子銃や偏光部での電子流の進路が妨げら
れて、色ずれ、画面の揺れを生じさせることが指摘され
ている。また他の電気機器にも影響を与えるという問題
が生じてきた。

【０００５】

【発明の目的】本発明の暖房装置は、ヒータユニットの
両端部の漏洩磁束を抑えると共に、中央部における漏洩
磁束をこれまで以上に下げることを目的としたものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項１の
暖房装置は、床下にヒータ線１を蛇行させて配線してな
る暖房装置において、ヒータ線１として一連の往線２と
復線３を平行に並べて配線し、配線方向両端部５、６の
往線２と復線３の平行ピッチｃを他の部分の平行ピッチ
ｄより狭くし、前記両端部５、６のヒータ線１とその内
側のヒータ線１との間の折返しピッチａを、内側のヒー
タ線１間の折返しピッチｂの１．２〜２倍としたもので
ある。本発明のうち請求項２の暖房装置は、カーペット
内にヒータ線を蛇行させて敷 設してなる暖房装置におい
て、ヒータ線１として一連の往線２と復線３を平行に並
べて配線し、配線方向両端部５、６の往線２と復線３の
平行ピッチｃを他の部分の平行ピッチｄより狭くし、前
記両端部５、６のヒータ線１とその内側のヒータ線１と
の間の折返しピッチａを、内側のヒータ線１間の折返し
ピッチｂの１．２〜２倍としてカーペット内に敷設した
ものである。

【０００７】

【作用】本発明の暖房装置では、図１に示すように往線
２と復線３が平行に並べられ且つ両線２、３が一連であ
るヒータ線１を蛇行させて配線してあるため、図１に矢
印で示すように往線２と復線３に電流が逆向きに流れて
ヒータ線１の外部からみた合成電流が零となり、往線２
と復線３から発生する磁界が逆方向となって互いに打ち
消し合う。特に、ヒータユニット４の両端部５、６にお
いても往線２と復線３とが平行に並べられ、且つ往線２
と復線３の平行ピッチｃが他の部分の平行ピッチｄより
狭くしてあるので、ヒータ線１を蛇行させたヒータユニ
ット４の両端部５、６で往線２と復線３から発生する磁
界が互いに打ち消し合って漏洩磁束が少なくなる。

【０００８】

【実施例１】本発明の暖房装置の一実施例を示す図１に
おいて、１はヒータ線、このヒータ線１は一本の線を折
返して一連の往線２と復線３を平行に並べ、そのヒータ
線１を平行状態で蛇行させて配線してヒータユニット４
としてある。この場合、ヒータユニット４のうち配線方
向両端部５、６の往線２と復線３の平行ピッチｃを他の
部分の平行ピッチｄより狭くしてある。ヒータユニット
４の両端部５、６の平行ピッチｃを狭くすると、両端部
５、６は他の部分と比べて発熱密度が高くなる。そこで
図示した実施例では発熱密度を均一にするために、前記
両端部５、６のヒータ線１とその内側のヒータ線１との
間の折返しピッチａを、内側のヒータ線１間の折返しピ
ッチｂの１．２〜２倍程度にしてある。図１の７はリー
ド線であり、これはヒータ線１の接続部８に接続されて
いる。

【０００９】

【実施例２】本発明の他の実施例として図２に示すもの
は、ヒータ線１として平行２芯発熱線を使用し、そのう
ち１方の芯を往線２、他方の芯を復線３とし、その往線
２の端部と復線３の端部を互いに連接して往線２と復線
３を一連としたものである。このヒータ線１は２芯（往
線２、復線３）の抵抗を同じにしてある。図２のヒータ
線１に接続されているリード線７は、実施例１のリード
線７と同じ物である。

【００１０】

【発明の効果】本発明の暖房装置を用いれば次のような
効果がある。 ．一連の往線２と復線３を平行に並べて配線してある
ので、ヒータユニット４から発生する漏洩磁束が低下す
る。 ．さらに、配線方向両端部５、６の往線２と復線３の
平行ピッチｃを他の部分の平行ピッチｄより狭くしてあ
るので、ヒータユニット４の両端部５、６から発生する
高い漏洩磁束が低下する。 ．リード線７から発生する漏洩磁束も低下する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の暖房装置の一実施例を示す概略図。

【図２】本発明の暖房装置の他の実施例を示す概略図。

【図３】従来の暖房装置のヒータ線配線構造の例を示す
概略図。

【図４】図３における暖房装置の場合に発生する漏洩磁
束の分布説明図。

【符号の説明】 １ ヒータ線 ２ 往線 ３ 復線

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床下にヒータ線１を蛇行させて敷設して
   なる暖房装置において、ヒータ線１として一連の往線２
   と復線３を平行に並べて配線し、配線方向両端部５、６
   の往線２と復線３の平行ピッチｃを他の部分の平行ピッ
   チｄより狭くし、前記両端部５、６のヒータ線１とその
   内側のヒータ線１との間の折返しピッチａを、内側のヒ
   ータ線１間の折返しピッチｂの１．２〜２倍としたこと
   を特徴とする暖房装置。
2. 【請求項２】 カーペット内にヒータ線を蛇行させて敷
   設してなる暖房装置において、ヒータ線１として一連の
   往線２と復線３を平行に並べて配線し、配線方向両端部
   ５、６の往線２と復線３の平行ピッチｃを他の部分の平
   行ピッチｄより狭くし、前記両端部５、６のヒータ線１
   とその内側のヒータ線１との間の折返しピッチａを、内
   側のヒータ線１間の折返しピッチｂの１．２〜２倍とし
   てカーペット内に敷設したことを特徴とした暖房装置。