JP2938216B2 - 索道の走行機の握索装置 - Google Patents

索道の走行機の握索装置

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JP2938216B2
JP2938216B2 JP10394691A JP10394691A JP2938216B2 JP 2938216 B2 JP2938216 B2 JP 2938216B2 JP 10394691 A JP10394691 A JP 10394691A JP 10394691 A JP10394691 A JP 10394691A JP 2938216 B2 JP2938216 B2 JP 2938216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は索道の分野における主と
して交走式索道において、搬器を懸垂した走行機に曳索
を連結するための索道の走行機の握索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交走式索道はターミナル(停留場をい
う。以下同じ。)とターミナルとの間に張架した静止索
たる支索と、ターミナルとターミナルとの間の滑車間を
張架され循環する動索たる曳索と、走行機に客車を懸垂
した2台の搬器とを用いて走行機が曳索に曳行されて、
走行機の走行輪が支索上を転動して走行し、このように
した2台の搬器がターミナル間を交互に行ちがい運行す
るようになしたもので、該搬器には一般に数十人から百
人を超える乗客が乗車できる大容量の客車が使用され
る。前記した交走式索道の場合においては、走行機と曳
索の結合はソケットによる方法が従来から一般に用いら
れている。
【0003】図13はこのようなソケット式の連結を用
いた場合の搬器100の構成を示したものである。客車
(図示していない。)は懸垂機101の下方に懸垂され
ている。また該懸垂機101は懸垂ピン102により走
行機103のメインビーム104に揺動自在に枢着され
ている。次にメインビーム104には両端部の左右の対
称位置に二輪ビーム106,106が中央部位でビーム
ピン105,105により枢着されている。更に、二輪
ビーム106,106には各々車軸107,107で走
行輪108,108を回転可能に枢着している。また前
記メインビーム104の下部にはソケットホルダ109
が固着され、一方に曳索121aのソケット111が連
結ピン110を介して上下に揺動可能に接続され、他方
には同様にして平衡索121bのソケット111が連結
ピン110を介して上下に揺動可能に接続されている。
更に、搬器100が走行する時に曳索121a、平衡索
121bの張力変動によって前記したソケット111,
111が急激に揺動しないように索受ホルダ112,1
12が装着されている。また前記したソケット111,
111はよく知られているように円錐形中空状をなし、
短径部から曳索121a、または平衡索121bを挿入
して解撚し、これに溶融したバビットメタルないしホワ
イトメタルを鋳込んで固結連結したものである。この様
に、搬器100に曳索121aと平衡索121bとを引
留める方法は下記に示す問題点もあるが、経験上もっと
も信頼性の高い引留め方法として一般に多用されてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
搬器に曳索または平衡索を接続引留める方法は、バビッ
トメタルないしホワイトメタルの鋳込みに相応の技術と
経験が必要であること。経年使用して曳索や平衡索が伸
延して切詰め作業をする時には、再度、同様の作業を行
なう必要があること。また、索条の含油芯材として合成
繊維を使ったものは合成繊維芯が焼損または溶融する恐
れがあるので、こうした索条は使用できないこと。前記
ソケットの合金溶着を行なった部分附近のソケット挿入
部近傍には雨水等が浸入して索条の腐食が生じ易く、か
つ点検が比較的困難な箇所があり、常時注意が必要であ
ること。さらに、この連結あるいは引留方法は半永久的
固結であるため、例えば、搬器のターミナル停止位置を
矯正するために、索条に対して搬器位置を微調整したい
場合には全く対応できない問題点がある。また索条と搬
器との連結関係をなんらかの理由によって特別に解放し
たい要求にも対応できないものであった。
【0005】これに対して交走式ロープウェイにおい
て、一方のターミナル、例えば、山麓のターミナルに搬
器を2台共収容する駅舎を設けて通常の運転終了時に
は、少なくとも一方の搬器は索条から切り離して交互に
運転する搬器を2台共、一方のターミナル駅舎へ収容す
る目的で、ソケットによる接続方法に変えて、リンク油
圧装置を用いたクランプ装置の特開昭62−88656
「複ケーブル型ロープウェイ」やバネ式クランプ装置の
特開平1−190574「索道搬器走行機のクランプ装
置」などによる索条の搬器への連結、引留方法も提案さ
れている。本発明はソケットを使用した引留方法のよう
に作業が面倒でなく点検が容易であり、また、なんらか
の要求により索条と搬器との連結関係を解く場合にも作
業が簡単に行なえ、索条と搬器との連結関係も安定で信
頼性が高く、索条への損傷の恐れのない引留方法の提供
を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、本
発明の索道の走行機の握索装置は、両端のターミナル間
に張架された支索と、両端のターミナルの滑車間を無端
状に循環する曳索と、及び走行輪を具えてかつ搬器を懸
垂してなる少なくとも一の走行機を有して、該走行機に
は前記曳索と連結するための握索装置を取付け、前記曳
索を握索して曳行され、前記走行輪が前記支索に導かれ
て転走するようになして輸送を行なう索道設備におい
て、前記握索装置は、走行機本体側の支持体と、曳索に
接離し、共働して曳索を握索、放索するように作用する
複数のクランプピースと、該複数のクランプピースを曳
索の中心方向に移動するようになすためのクランプホル
ダと、該クランプホルダに回転可能に外挿し、かつ前記
複数のクランプピースを内包し、クランプピースの作用
面に当接するためのくさび状の溝を内周面に形成した作
動リングと、該作動リングを回転して、前記クランプピ
ースに握索力を発生するための回転手段とを前記走行機
本体の支持体に組込んで構成してなり、前記走行機は前
記曳索と連結または解放可能となす。
【0007】
【作用】両端のターミナルとターミナルの間に搬器が走
行するための往復線路として1条または2条の静止索で
ある支索を張架する構造は従来の方法と均等である。次
に動索としての曳索は両端のターミナルに枢設された滑
車と滑車との間に、スプライスあるいは捩り合わせて前
記支索の往復線路に沿って無端状に正逆運転可能に張架
循環されている。本発明は、搬器の走行機に曳索を連結
するための握索装置に関するもので、この握索装置は曳
索の中心方向に向けて移動可能な複数のクランプピース
を、曳索の同芯上に位置するクランプホルダによってガ
イドして、曳索の断面視円周上に均等に配置するように
なす。さらにクランプホルダには作動リングを回転可能
に外挿する。この作動リングの内周面にはクランプピー
スの握索面の反対側に形成した作用面が当接する位置の
接線方向にくさび状の溝を形成する。このようにして、
作動リングを回転すると、くさび状の溝も同時に回転
し、曳索の断面視円周上に等配したクランプピースの作
用面を、くさび状の溝面が接線方向に摺動すると同時に
クランプピースも曳索の中心に向かって移動してクラン
プピースの握索面が曳索に当接する。この状態から作動
リングをさらに回転しようとすると、この回転力に応じ
て、くさび状の溝面に当接したクランプピースの作用面
との間で曳索の中心方向に向う分力が発生し、この分力
が曳索の握索力となる。
【0008】次に、前記した作動リングに回転力を与え
る回転手段は、作動リングの外周上のほぼ対称な位置
に、各々ヒンジブラケットを固着延出し、一方のヒンジ
ブラケットには圧縮した皿バネの反発力を引張側に作用
して回転力を与えるプルロッドを連結し、他方のヒンジ
ブラケットには、圧縮した皿バネの反発力を押し側に作
用して回転力を与えるプッシュロッドを連結するように
なす。また、前記した各々の皿バネの圧縮量を変えられ
るように調整ボルトを設ける。このようにして曳索の最
適な握索力が得られるようにする。また、前記したクラ
ンプホルダおよび作動リングは円周方向に分割可能な構
造とすることによって、撚り合わせて無端状にした曳索
の握索も可能にする。
【0009】
【実施例】以下図面により本発明の詳細な実施例につい
て説明する。図1は、本発明の握索装置20を走行機3
の2箇所に具えて曳索12を握索した状態を示した搬器
1の側面図である。図1において懸垂機2の下方に客車
(図示せず。)を懸垂したもので、該懸垂機2は懸垂ピ
ン4で走行機3のメインビーム5に揺動自在に枢着され
ている。図2〜図10に握索装置20の構造および構成
する個々の部品の形状を図示する。図6は握索装置20
の支持体21を示した斜視図である。図示するようにメ
インプレート23には正面視で“L”字型をした板状の
バネフレーム22,22,22,22を垂直に上方に向
けて固着延出する。さらに上部には鍵形をした切欠き2
2a,22a,22a,22aを形成する。次に、この
切欠き22a,22a,22a,22aのやや下部より
補助ブラケット25,25および補助ブラケット25,
25を水平方向に固着延出する。該補助ブラケット2
5,25および補助ブラケット25,25の各々にサポ
ート26およびサポート26を取付けて、貫通した穴2
5a,25aにピン29,29を打込んで固定する。こ
のようにして取付けられたサポート26,26には、後
述するバネホルダ49,49を取付けるためのサポート
穴26a,26aを穿孔する。次に、メインプレート2
3の下方へクランプフレーム24,24を固着延出す
る。このクランプフレーム24,24の正面視中央には
取付穴24d,24dをあけ、下部に切欠き24a,2
4aを設け、また取付穴24d,24dの内円周上に各
々3箇所にキー溝24b,24b,24bとキー溝24
b,24b,24bを形成する。
【0010】次に、前述したクランププレート24,2
4の間に取付ける握索部の詳細な構造について記す。図
7および図8は握索部の部品構成を示した斜視図であ
る。クランプピース30,30,30は一端に、正面視
で凹形円弧状の握索面30b,30b,30bと反対側
には後述する作動リング57の内周面に設けたくさび状
のこう配溝58d,59d,61dが当接する凸形円弧
状の作用面30c,30c,30cを形成し、中央にガ
イド部30aを突出する。前記した形状の3個のクラン
プピース30,30,30のうち、一つはクランプホル
ダ33のガイド溝33dに挿入し、他の2つはクランプ
ホルダ33と、補助ホルダ34とで形成したガイド溝3
4d,34dに挿入する。こうして、図4に示した握索
装置20の断面視正面図のように、3個のクランプピー
ス30,30,30の握索面30b,30b,30bが
曳索12を囲むようにして握索するようになす。図8に
示すように、クランプホルダ33と補助ホルダ34は組
合せ時に円筒形になるようにする。このクランプホルダ
33と補助ホルダ34には左右の対称の同位置に、止め
溝33a,33aと、止め溝34a,34aを形成す
る。こうして、止め溝33aと止め溝34aおよび止め
溝33aと止め溝34aの組合せでリング状の溝を構成
する。このリング状の溝には半割リング37,37を嵌
め込んでボルト38,38で相互に締付けて固着する。
この時、一方の半割リング37の切欠き37dに、他方
の半割リング37の切欠き37eとを2個所で接合して
半径方向のずれが出ない構造になっている。
【0011】次に、図4に握索装置20の断面視正面図
に示すように、クランプホルダ33と補助ホルダ34の
円筒空間にクランプピース30,30,30を内包して
できた3箇所の扇形の空間部に、図7に示した断面視で
同形のクランプガイド31,31を1組として、3組を
クランプホルダ33と補助ホルダ34の両端からフラン
ジ部31a,31aの端面が当接するまで挿入し、この
フランジ部31aに穿孔した穴31b,31bに取付ボ
ルト32,32を通し、クランプホルダ33と補助ホル
ダ34の両端面にあけたネジ穴33e,33eに締付け
て固着して、前記したクランプピース30,30,30
が曳索12の中心方向に向けて移動する時のガイドとな
す。次に、3個のクランプピース30,30,30を曳
索12の中心に向けて移動し、曳索12を握索させるた
めの作動リング57の構造を図4および図9,図10に
示す。作動リング57は円周方向に均等に3分割したリ
ングピース58,59,61とからなり、各々前述した
クランプピース30の作用面30cと接する位置に内周
円の接線方向に形成したくさび状のこう配溝58d,5
9d,61dを有している。次に、3個のリングピース
58,59,61を組合わせてリング状にする場合には
リングピース58の鍵形の接合部58aとリングピース
61の同形の接合部61bとを合体し、同一位置に穿孔
した穴58c,58cと穴61c,61cとにまたがっ
てピン63,63を打込んで接合する。同様にして、リ
ングピース61の接合部61aとリングピース59の接
合部59bを合体し、穴61c,61cと穴59c,5
9cとにピン63,63を打込み、次に、リングピース
59の接合部59cと、リングピース58の接合部58
bを合体して、穴59c,59cと穴58c,58cに
ピン63,63を打込み一体となす。また、リングピー
ス59には外周から穴60aを穿孔したヒンジブラケッ
ト60を固着延出し、リングピース61の外周からも穴
62aを穿孔したヒンジブラケット62を固着延出して
作動リング57を構成した時に、左右のほぼ対称な位置
となるようになす。この作動リング57はクランプホル
ダ33と補助ホルダ34によってできた円筒形の外周面
の同芯上に回転可能に外挿され、かつクランプピース3
0,30,30の各々の作用面30c,30c,30c
がこう配溝58d,59d,61dが接する位置に合わ
せるようにする。
【0012】次に、前述した構造の作動リング57を回
転してクランプピース30,30,30に握索力を与え
る回転手段の詳細な構造および作用について図2,図
4,および図9で説明する。作動リング57の一方のヒ
ンジブラケット60にはプルロッド54の二山端部54
dがヒンジブラケット60を挾んでピン穴60aとピン
穴54cにピン53を貫通して揺動可能に接続する。次
に、図示下側から順番に球面座金56、皿バネ52,5
2,…押えリング55を重ね合わせる。さらに、その上
部から筒形のバネホルダ49を端部49aが球面座金5
6に当接する状態に取付け、上端には止めリング48を
被せて皿バネ52,52,…を保護するようになす。
【0013】次に、プルロッド54の上部にはネジ部5
4aが形成されており、このネジ部54aに調整ボルト
45のネジ穴45aを回わして取付け、端部49aが押
えリング55に当接して皿バネ52,52,…を圧縮す
る。この時、皿バネ52,52,…の図示下側にある球
面座金56の球面側は支持体21のメインプレート23
の凹形球面座23cに嵌り込んで位置決めされる。従っ
て、圧縮された皿バネ52,52,…の反発力は調整ボ
ルト45を介してプルロッド54を紙面上方に向けて引
上げるように作用する。
【0014】次に、ヒンジブラケット62にはプッシュ
ロッド50の二山端部50dがヒンジブラケット62を
挾んでピン穴62aとピン穴50cにピン53を通して
揺動可能に接続する。フランジ部50aの上部には皿バ
ネ52,52,…、および押えリング51を順番に重ね
合わせ、さらに上部よりバネホルダ47と止めリング4
6を被せて、同様にして皿バネ52,52,…の保護を
するようになす。この時、バネホルダ47の端部47a
は支持体21のメインプレート23の穴23aに嵌め込
まれて固定される。次に、バネホルダ47の上部にある
角形のネジブロック40は図9に示すように、上面の中
心にはネジ穴40cが形成され、また、両側面にはピン
穴40b,40bを穿孔して係止ピン42,42を挿入
し、この係止ピン40,40に直交するようにネジブロ
ック40にピン穴40a,40aを穿孔し、また係止ピ
ン42,42にもピン穴42a,42aを穿孔してお
り、係止ピン42,42を両側から取付けた後に割ピン
41,41を打込み貫通して係止ピン42,42の抜け
止めをする。
【0015】このようにして係止ピン42,42を両側
に延出して取付けたネジブロック40は図6に示した支
持体21の上方に延出したバネフレーム22,22間に
位置して係止ピン42,42を鍵形の切欠き22a,2
2aに係合し、さらにバネフレーム22,22を挾んで
ワッシャ43,43を取付け、その外側から係止ピン4
2,42の溝42b,42bに止め輪44,44を嵌着
して抜け止めをする。この時、ネジブロック40のネジ
穴40cはプッシュロッド50と同一中心線上に位置す
るようになされており、調整ボルト39のネジ部39c
をネジブロック40のネジ穴40cに取付けて回わし、
さらに端面39aが押えリング51に当接して皿バネ5
2,52,…を圧縮する。また、プッシュロッド50の
上部が調整ネジ39の中心にあけられた穴39bに挿入
するようにする。こうして、圧縮された皿バネ52,5
2,…の反発力は、該皿バネ52,52,…を圧縮し、
調整ネジ39を取付けたネジブロック40が係止ピン4
2,42より支持体21のバネフレーム22,22側に
係止されているのでプッシュロッド50がフランジ部5
0aで下方に向う力として作用する。こうして、プッシ
ュロッド50とプルロッド54が作動リング57を挾ん
で接線方向の上方に向けて平行な状態で枢着された構成
となっている。従って、プッシュロッド50の下方への
押し力と、プルロッド54の上方への引き力によって作
動リング57に回転力を与える。図2および図5に示す
ように、本発明の握索装置20は握索部の2箇所に作動
リング57,57を設けて、該各々の作動リング57,
57に上記した構造の回転手段を連結して回転力、即ち
握索力を得るようになしている。
【0016】次に、握索部であるクランプピース30,
30,30を内包して、2組の半割リング37,37に
より筒形に一体としたクランプホルダ33と補助ホルダ
34の支持体21への取付け方法について記す。図8の
斜視図に示すように、クランプホルダ33には両側に各
々3箇所ずつのキー溝33b,33b,33bおよびキ
ー溝33b,33b,33bが形成され、こう配キー3
5,35,35およびこう配キー35,35,35が段
付き穴35a,35a,35aおよび段付き穴35a,
35a,35aにソケットボルト36,36,36およ
びソケットボルト36,36,36で取付けられてい
る。この時、図3に示すように、ソケットボルト35a
の頭部をこう配キー35内に埋込むようにする。同様に
して、補助ホルダ34にも両側にキー溝34b,34b
を形成して、こう配キー35,35をソケットボルト3
6,36で取付ける。次に、筒形に一体としたクランプ
ホルダ33と補助ホルダ34は、図6に示すように、前
述した支持体21の両側のクランプフレーム24,24
にあけた取付穴24d,24dに嵌め込み、また、同時
にクランプホルダ33に取付けたこう配キー35,3
5,35およびこう配キー35,35,35をキー溝2
4b,24b,24bに入れ込む。さらに、クランプフ
レーム24,24の両外側からリテナー27,27をク
ランプホルダ33と補助ホルダ34の外周に嵌め込んで
穴27c,27c,27c,27cおよび穴27c,2
7c,27c,27cにボルト28,28,28,28
およびボルト28,28,28,28を通してクランプ
フレーム24,24のネジ穴24c,24c,24c,
24cに締付けて固着する。この時、図3に示すように
リテナー27,27に形成されたこう配キー溝27b,
27b,27bとこう配キー溝27b,27b,27b
がクランプホルダ33に取付けた2箇所のこう配キー3
5,35とこう配キー35,35の傾斜部35b,35
bおよび傾斜部35b,35bと補助ホルダ34の両外
側に取付けたこう配キー35,35の傾斜部35b,3
5bに当接するようになす。即ち、一方のリテナー27
で3箇所のこう配キー35,35,35を押えるように
する。このようにして、曳索12の握索部である筒形に
一体に組合わせたクランプホルダ33と補助ホルダ34
を支持体21のクランプフレーム24,24との間に取
付けた後、さらに両側からリテナー27,27でこう配
キー35,35,35およびこう配キー35,35,3
5を介して押え込み、支持体21と握索部との間に曳索
12の移動方向の遊びが発生しないようにする。
【0017】次に、図11は握索部が曳索12を握索し
た状態を示したものである。これは図4および図9に図
示した調整ボルト39を回わして皿バネ52,52,…
を圧縮して作動リング57の一方のヒンジブラケット6
2にピン53で枢着したプッシュロッド50を押圧す
る。同様にして、調整ボルト45を回わして皿バネ5
2,52,…を圧縮して作動リング57の他方のヒンジ
ブラケット60にピン53で枢着したプルロッド54を
矢印71の方向へ引上げる。こうして、プッシュロッド
50とプルロッド54を相互に逆方向へ移動して作動リ
ング57を矢印72の方向へ回転する。従って、作動リ
ング57の内周面に形成したくさび状のこう配溝58
d,59d,61dも矢印72の方向に回転し、該各々
のこう配溝58d,59d,61dに作用面30c,3
0c,30cが当接したクランプピース30,30,3
0は矢印73,74,75の方向に移動して曳索12を
握索する。
【0018】図12は、図11とは逆に、握索部が曳索
12を放索した状態を示したものである。すなわち、前
記した調整ボルト39と調整ボルト45を握索時とは反
対の方向に回わして、圧縮した皿バネ52,52,…お
よび皿バネ52,52,…を自由長になるまで復元す
る。こうしてプッシュロッド50は矢印76の方向に、
またプルロッド54は矢印77の方向に移動可能とし
て、作動リング57を矢印78の方向に回転し、クラン
プピース30,30,30の各々の作用面30c,30
c,30cに作用する分力、すなわち握索力はなくな
り、矢印79,80,81の方向に移動できるようにな
して曳索12を放索する。
【0019】次に、無端状にした曳索12を握索装置2
0へ着脱する場合には調整ボルト39と調整ボルト45
を放索位置までゆるめ、その後、作動リング57からプ
ッシュロッド50とプルロッド54を取外す。次に、図
10に示すように、作動リング57をピン63,63と
ピン63,63およびピン63,63を抜取り、リング
ピース58,59,61に分解してクランプホルダ33
および補助ホルダ34から取外す。次に、図6に示した
握索部を支持体21のクランプフレーム24,24に固
定していたリテナー27,27を外して、さらに図8に
示した半割リング37,37および半割リング37,3
7を外して一体となしていた補助ホルダ34をクランプ
ホルダ33から外し、2つのクランプピース30,30
も外れて曳索12の着脱が可能となる。
【0020】
【発明の効果】上述した構造の本発明の握索装置の効果
について述べる。従来のソケットによる走行機に曳索を
引留める方法は、ソケット作業に当って、索条端部の解
撚状態、解撚部の洗浄、バビットメタルないしホワイト
メタルの鋳込方法、等で相応の技術と経験が必要であ
り、また、山岳地の場合には作業環境が厳しく、十分な
段取りを行なえない状況の中で細心の作業管理のもとに
実施する必要があり、作業が面倒であり労力も必要とす
ることや、索条に熱を加えるために、含油芯材に合成繊
維を用いた索条は使用できない欠点があった。また、一
旦ソケットにより走行機に曳索を引留めたのちは半永久
的な固着関係となり、経年使用して曳索が伸延して、曳
索を緊張するための重錘が床につく状態になると曳索を
切詰める必要があり、再度前記したソケット作業を行な
わなければならない。また、2台の搬器の相互位置を微
調整したい場合にも同様にしてソケット作業をする必要
があり、引留の信頼性は高いものの、調整、点検等で融
通性がない問題点がある。
【0021】本発明の握索装置は、走行機のメインビー
ムに装着して走行機に曳索を引留めるもので、円筒形の
クランプホルダ内に曳索と接離して握索、放索をするた
めの複数のクランプピースと該クランプピースを曳索の
中心に向けてガイドするための複数のクランプガイドと
を組合わせて内包する。さらに、クランプホルダには前
記したクランプピースを曳索の中心に向けて移動し、ま
た握索力を与えるための作動リングを回転可能に外挿す
る。この作動リングの内周面にはクランプピースと接す
るように、くさび状のこう配溝を形成する。また、作動
リングを挾んで外周の接線方向に平行してプッシュロッ
ドとプルロッドを枢着延出し、皿バネの圧縮によってプ
ッシュロッドには押し力、プルロッドには引き力を与え
て作動リンクに回転力を発生させ、こう配溝の部分で力
の作用方向をクランプピースの押し力に変えて曳索の握
索力とする。また皿バネの圧縮を解消すればブッシュロ
ッドとプルロッドの作用力はなくなり、作動リングを握
索時とは逆の方向に簡単に回転可能となり、クランプピ
ースには握索力がなくなって曳索を放索する。また、前
記したクランプホルダおよび作動リングは円周方向に分
割可能な構成となっており、曳索を無端状に結合した後
でも握索が可能であり、走行機に曳索を引留めることが
できる。
【0022】上記したように本発明の握索装置で走行機
に曳索を簡単に引留めることができるので、従来のソケ
ット作業は不要になり、スプライス作業で済む。また、
ソケット作業のように曳索に熱を加えないので、曳索と
して、合成繊維を含油芯材とした索条も使用できる。ま
た曳索の引留箇所、すなわち握索箇所が容易に変えられ
るので、一定の累積運行回数ごとに握索箇所を移動して
疲労がない所で引留が可能であるので、より安全な運行
が行なえる。さらに、両端のターミナルに各々の搬器が
到着したのち、一方の搬器の曳索を放索して走行機への
引留を解除した後、他方の搬器だけを運行すれば、2台
の搬器を同一ターミナルに収容することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の握索装置を走行機に取付けた状態を示
した一部搬器の側面図。
【図2】本発明の握索装置の側面図。
【図3】クランプホルダを支持体に取付けたこう配キー
の部分の断面視側面図。
【図4】図2の矢印A−A方向より見た握索装置の断面
視正面図。
【図5】握索装置全体の斜視図。
【図6】握索装置の支持体の斜視図。
【図7】握索装置のクランプピースとクランプガイドの
斜視図。
【図8】握索装置のクランプホルダの斜視図。
【図9】握索装置の作動リングの回転手段の構成を示し
た斜視図。
【図10】握索装置の作動リングの回転手段の構成を示
した斜視図。
【図11】握索装置の作動リングが曳索を握索した位置
にある状態を示した断面視正面図。
【図12】握索装置の作動リングが曳索を放索した位置
にある状態を示した断面視正面図。
【図13】従来の搬器の走行機にソケットを用いた曳索
および平衡索の引留状態を示した走行機の側面図。
【符号の説明】
1 搬器 2 懸垂機 3 走行機 4 懸垂ピン 5 メインビーム 6 二輪ビーム 7 ビームピン 8 車軸 9 走行輪 10 曳索ホルダー 11 支索 12 曳索 20 握索装置 21 支持体 22 バネフレーム 22a 切欠き 23 メインプレート 23a 取付穴 23b 取付穴 23c 球面座 24 クランプフレーム 24a 切欠き 24b キー溝 24c ネジ穴 24d 取付穴 25 補助ブラケット 25a 穴 26 サポート 26a サポート穴 27 リテーナ 27a 切欠き 27b こう配キー溝 27c 穴 28 ボルト 29 ピン 30 クランプピース 30a ガイド部 30b 握索面 30c 作用面 31 クランプガイド 31a フランジ部 31b 穴 32 取付ボルト 33 クランプホルダ 33a 止め溝 33b キー溝 33c ネジ穴 33d ガイド溝 33e ネジ穴 34 補助ホルダ 34a 止め溝 34b キー溝 34c ネジ穴 34d,34d ガイド溝 34e ネジ穴 35 こう配キー 35a 段付き穴 35b 傾斜部 36 ソケットボルト 37 半割リング 37a フランジ部 37b 穴 37c 内周面 37d 切欠き 37e 切欠き 38 ボルト 39 調整ボルト 39a 端面 39b 穴 39c ネジ部 40 ネジブロック 40a ピン穴 40b ピン穴 40c ネジ穴 41 割りピン 42 係止ピン 42a ピン穴 42b 溝 43 ワッシャ 44 止め輪 45 調整ボルト 45a ネジ穴 45b 端面 46 止めリング 47 バネボルダ 47a 端部 48 止めリング 49 バネホルダ 49a 端部 50 プッシュロッド 50a フランジ部 50b ガイド部 50c ピン穴 50d 二山端部 51 押えリング 52,52,… 皿バネ 53 ピン 54 プルロッド 54a ネジ部 54b 二山端部 54c ピン穴 55 押えリング 56 球面座金 57 作動リング 58 リングピース 58a 接合部 58b 接合部 58c ピン穴 58d こう配溝 59 リングピース 59a 接合部 59b 接合部 59c ピン穴 59d こう配溝 60 ヒンジブラケット 60a ピン穴 6 リングピース 61a 接合部 61b 接合部 61c ピン穴 61d こう配溝 62 ヒンジブラケット 62a 穴 63 ピン 70,71,72,73,74,75 矢印 76,77,78,79,80,71 矢印 A 矢印 100 搬器 101 懸垂機 102 懸垂ピン 103 走行機 104 メインビーム 105 ビームピン 106 二輪ビーム 107 車軸 108 走行輪 109 ソケットホルダ 110 連結ピン 111 ソケット 112 索受ホルダ 120 支索 121a 曳索 121b 平衡索

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端のターミナル間に張架された支索
    と、両端のターミナルの滑車間を無端状に循環する曳索
    と、及び走行輪を具えてかつ搬器を懸垂してなる少なく
    とも一の走行機を有して該走行機には前記曳索と連結す
    るための握索装置を取付け、前記曳索を握索して曳行さ
    れ、前記走行輪が前記支索に導かれて転走するようにな
    して輸送を行なう索道設備において、前記握索装置は、
    走行機本体側の支持体と、曳索に接離し、各々が共働し
    て曳索を握索、放索するように作用する複数のクランプ
    ピースと、該複数のクランプピースを曳索に対して放射
    方向に進退移動可能にガイドするためのクランプホルダ
    と、該クランプホルダに回転可能に外挿し、かつ前記複
    数のクランプピースを内包し、クランプピースの作用面
    に当接するためのくさび状の溝を内周面に形成した作動
    リングと、該作動リングを回転して、前記クランプピー
    スに握索力を発生するための回転手段とよりなり、前記
    走行機は前記曳索と連結または解放可能となした索道の
    走行機の握索装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプホルダおよび前記作動リン
    グは円周方向に分割可能な構造として、前記曳索を無端
    状態のままで握索できるようになした前記特許請求の範
    囲請求項1に記載の索道の走行機の握索装置。
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