JP2937313B2 - 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置 - Google Patents

衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置

Info

Publication number
JP2937313B2
JP2937313B2 JP8235901A JP23590196A JP2937313B2 JP 2937313 B2 JP2937313 B2 JP 2937313B2 JP 8235901 A JP8235901 A JP 8235901A JP 23590196 A JP23590196 A JP 23590196A JP 2937313 B2 JP2937313 B2 JP 2937313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
sub
piston
workpiece
working fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8235901A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1058152A (ja
Inventor
慶和 劉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8235901A priority Critical patent/JP2937313B2/ja
Publication of JPH1058152A publication Critical patent/JPH1058152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2937313B2 publication Critical patent/JP2937313B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばシリンダ装置
において進退するピストンロッド端が突出作動して他の
物体に突き当たるときの衝撃を緩和すると同時に突き当
てた接触したままで加圧状態となしてこれを維持できる
ようにし、また突き当て時の衝撃を緩和することで例え
ばスポット溶接装置における可動電極による被溶接部位
の窪み等の発生を防止し、体裁のよいスポット溶接が可
能なものとした衝撃防止方法とこれを利用したスポット
溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスポット溶接装置にあってはそ
の一対の電極先端によって被加工材をその溶接部位で表
裏から挟み込み、電極先端に高い圧力を付与すると共に
電流を流すことで発生するジュール熱によって被溶接部
位を接合するものである。こうしたスポット溶接装置の
電極の進退作動は例えばシリンダによるものとし、被加
工材を挟み込むように一方側に配置した固定電極に対し
てシリンダロッドに付設することで他方側に配置した可
動電極を相対的に移動させ、固定電極、可動電極相互間
で被加工材を挟み込み、溶接するものとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが可動電極を移
動させるとき、溶接作業の効率化を図るためにその移動
スピードを早めると、可動電極が被加工材面に到達した
ときには被加工材表面に大きな衝撃を与え、場合によっ
ては被加工材面に窪みを形成してしまって製品を不体裁
なものとさせることもある。これを回避すべく2段のシ
リンダ構成とすることで可動電極の移動速度の制御調整
手段を設け、被加工材面に到達接触する前に移動速度を
遅くして衝撃を緩和するようにしているが、こうすると
機構的にも複雑にならざるを得ないものである。それば
かりでなくスポット溶接時では可動電極と固定電極とで
挟み込む被加工材を所定の圧力で加圧している必要があ
るから、移動速度の制御調整手段を設けるとしても、被
加工材表面に到達した後の可動電極への加圧手段を付設
しなければならないから一層複雑なものとなるのであ
る。
【0004】特にスポット溶接では被加工物に対する固
定電極、可動電極相互による加圧力と付与する電流の大
きさ等の調整制御は極めて重要であるも、上述したよう
に従来の方法による加圧力の増大は可動電極の速度の増
大を伴なうことになるから被加工物に対する歪形の一因
となっていたものである。
【0005】すなわちスポット溶接に際しては以下の3
点が解決されなければならない問題点となっているので
ある。第1は可動電極が被加工材に高速で接触する瞬間
に被加工材表面に対する衝撃を小さくし、被加工材にお
ける溶接点の歪形等を防止することである。第2は可動
電極先端と被加工物表面との接触の瞬間に、高速移動の
ための作動流体を加圧用に変換させて所定の加圧力に設
定することである。第3は可動電極先端の磨耗によるス
トロークの変動を自動的に調整設定することであり、以
上のことがスポット溶接の品質に直接に影響する技術的
な難点とされているのである。
【0006】そこで本発明は叙上のような従来存した諸
事情に鑑み創出されたもので、例えば上述のようなスポ
ット溶接装置における可動電極のようなシリンダ作動で
移動される被作動物の迅速な移動及び被加工物表面に移
動到達後での停止、加圧状態への速やかな作動状態の移
行によって被加工物に対する衝撃を防止できるようにす
ることにある。また本発明はスポット溶接装置における
可動電極の被加工物に対する衝撃防止のみならず、一般
的に例えばシリンダによる進退機構で作動して進退移動
する被作動物の被加工材に対する一般的な衝撃防止方法
を提供することにもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明においての衝撃防止方法にあっては、被作
動物(S)を被加工材Wに対して進退させて被加工材W
に各種の機械加工を行なうとき、被作動物(S)を被加
工材W表面に前進させて接触後に直ちに被作動物(S)
の前進を緩衝停止させ、被加工材W面を被作動物(S)
によって加圧することを特徴とする。また具体的には、
メイン進退機構(2)の作動によってサブ進退機構
(6)を進退させることでサブ進退機構(6)における
ロッド(9)に連繋した被作動物(S)によって被加工
材Wに対して各種の機械加工を行なうとき、メイン進退
機構(2)への作動流体の供給によってサブ進退機構
(6)を前進させて被作動物(S)を被加工材W表面に
到達した後は到達した瞬間にサブ進退機構(6)の前進
を停止させると共に進退機構(2,6)夫々への作動流
体の供給量を調整して被作動物(S)が被加工材W表面
に対して所定値の加圧状態を維持するようにするもので
あり、進退機構夫々は作動流体の給排によって作動する
シリンダ構造のもので、例えばメインシリンダ2、サブ
シリンダ6夫々とし、ロッドはピストンロッド9とする
ことができる。そして被作動物(S)が被加工材W表面
に到達したとき、メインシリンダ2のピストン4がメイ
ンシリンダ2内に装入してある復帰スプリング5を、ま
た被作動物(S)を連繋してあるサブシリンダ6のピス
トン8がサブシリンダ6内に装入してある緩衝復帰スプ
リング10を夫々圧縮することでサブシリンダ6に対す
る前進力を緩衝させると共にサブシリンダ6内のピスト
ン8の後退スライドを検出してシリンダ2,6夫々に対
する作動流体の供給量を調整するようにしてあるもので
ある。またこの衝撃防止方法を利用したスポット溶接装
置にあっては、シリンダチューブ3内に弾撥力に抗して
スライドするようピストン4を装入したメインシリンダ
2に、このメインシリンダ2のピストン4に連繋された
シリンダチューブ7内に弾撥力に抗してスライドするよ
う、先端にスポット溶接装置における可動チップSが付
設されているピストン8を装入したサブシリンダ6を進
退自在に連繋して成るシリンダ機構1と、メインシリン
ダ2のピストン4を弾撥力に抗して前進スライドさせる
ことでサブシリンダ6及びこれのピストン8を前進し、
この前進したサブシリンダ6におけるピストン8が弾撥
力に抗して後退スライドしたときにシリンダ2,6夫々
への作動流体を供給調整して夫々のピストン4,6を平
衡状態としてサブシリンダ6のピストンロッド9による
被加工材Wに対する加圧状態を維持し、次いでシリンダ
2,6夫々から作動流体を排出させて原位置に復帰させ
るようにする制御機構20とを備えたものである。更に
具体的には、シリンダチューブ3内にスライド自在に装
入したピストン4とヘッド側カバーとの間にピストン4
を原位置に復帰させる復帰スプリング5を装入したメイ
ンシリンダ2に、このメインシリンダ2のピストン4に
連繋されたシリンダチューブ7内にスライド自在に装入
したピストン8とロッド側カバーとの間に、先端にスポ
ット溶接装置における可動電極Sが付設されているピス
トンロッド9を緩衝させまた復帰させる緩衝復帰スプリ
ング10を装入したサブシリンダ6を進退自在に連繋し
て成るシリンダ機構1と、メインシリンダ2のピストン
4を復帰スプリング5の弾撥力に抗して前進スライドさ
せることでサブシリンダ6及びこれのピストンロッド9
を前進し、この前進したサブシリンダ6におけるピスト
ン8が緩衝復帰スプリング10の弾撥力に抗して後退ス
ライドしたときにシリンダ2,6夫々への作動流体を供
給調整して夫々のピストン4,6を平衡状態としてサブ
シリンダ6のピストンロッド9による被加工材Wに対す
る加圧状態を維持し、次いでシリンダ2,6夫々から作
動流体を排出させて原位置に復帰させるようにする制御
機構20とを備えたものである。そしてシリンダ機構1
におけるサブシリンダ6は、メインシリンダ2のピスト
ン4に連繋することでメインシリンダ2内にスライド自
在に装入配置したり、またメインシリンダ2のピストン
ロッド9に連繋することでメインシリンダ2外にスライ
ド自在に配置したりするものである。サブシリンダ6の
シリンダチューブ7におけるヘッド側近傍には、ピスト
ン8の後退スライドを検出するセンサー12を付設して
あるものである。また可動電極Sが被加工材W表面に到
達後では瞬間的にシリンダ2,6夫々に対する作動流体
の供給量を調整して可動電極Sによる被加工材Wに対す
る所定値の加圧状態を維持するようにしたものである。
【0008】本発明に係る衝撃防止方法とこれを利用し
たスポット溶接装置にあって、制御機構20において作
動信号がONされるとシリンダ機構1におけるメインシ
リンダ2に作動流体を供給するとそのピストン4が前進
スライドしてサブシリンダ6全体を前進させ、被作動物
である可動電極Sを被加工材W表面に到達させる。可動
電極Sが被加工材W表面に到達されると可動電極Sの移
動が抑制停止されるに伴ない、メインシリンダ2におけ
るピストン4では復帰スプリング5を圧縮することでサ
ブシリンダ6に対する前進スライド作用を緩和消失させ
る一方、サブシリンダ6におけるピストン8は緩衝復帰
スプリング10を圧縮しながら後退スライドさせられて
被加工材Wに衝撃を付与することなく可動電極Sを被加
工材W表面で停止させる。このときのサブシリンダ6に
おけるピストン8の後退スライドはセンサー12が検出
して、メインシリンダ2におけるピストン4の移動用の
作動流体の供給を停止させると共にサブシリンダ6にお
けるピストン8の後退スライドを阻止する作動流体を供
給させる。これによってシリンダ2,6夫々への作動流
体の供給量を相対的に調整して平衡させることで、可動
電極Sによる被加工材W表面に対する所定値の加圧状態
を維持させる。更に制御機構20において作動信号がO
FFされるとシリンダ機構1におけるシリンダ2,6夫
々に対する作動流体を排出させるものとなり、メインシ
リンダ2では復帰スプリング5によってピストン4が、
同様にサブシリンダ6では緩衝復帰スプリング10によ
ってピストン8が夫々原位置に復帰して次動作に備えさ
せる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するに、本実施の形態の説明においては
スポット溶接装置におけるものとしてあるも、これに限
定されるものでないのは勿論のことである。そして図に
おいて示される符号1は例えばスポット溶接装置におけ
る可動電極Sを進退移動させて、溶接すべき被加工材W
を固定電極Fと共に挟み込み溶接させるための進退作動
機構としてのシリンダ機構であり、このシリンダ機構1
は可動電極Sが先端に付設されているサブ進退機構すな
わちサブシリンダ6と、このサブシリンダ6を進退移動
させるメイン進退機構すなわちメインシリンダ2とから
成る。
【0010】図1及び図2に示される実施の形態におい
てのシリンダ機構1におけるメインシリンダ2はシリン
ダチューブ3内にスライド自在に装入したピストン4と
ヘッド側カバーとの間にピストン4を原位置に復帰させ
るコイル状の復帰スプリング5を装入して成るものであ
る。一方、サブシリンダ6はメインシリンダ2内に進退
自在に装入配置されており、メインシリンダ2のピスト
ン4に連繋されたシリンダチューブ7内にスライド自在
に装入したピストン8とロッド側カバーとの間に、先端
に前記可動電極Sが付設されているピストンロッド9を
緩衝させまた復帰させるコイル状の緩衝復帰スプリング
10を装入して成る。そしてシリンダチューブ7内への
エアの如き作動流体の供給、排出はメインシリンダ2の
ピストン4を貫挿してシリンダチューブ3のロッド側カ
バーをもスライド自在にして貫挿する給排パイプ11を
経て行なわれるものとしてある。すなわちメインシリン
ダ2においてのピストンロッドがいわばサブシリンダ6
のものとなっているのであり、メインシリンダ2内に供
給された作動流体によってサブシリンダ6がメインシリ
ンダ2内外で進退するのである。
【0011】またサブシリンダ6におけるシリンダチュ
ーブ7のヘッド側の外側面にはピストン8がヘッド側に
到達された直後の後退するときにこれを検出するセンサ
ー12が付設されている。このセンサー12は後述する
制御機構20におけるメインシリンダ2及びサブシリン
ダ6内への作動流体の給排を制御するスイッチとなって
いる。
【0012】シリンダ機構1を作動制御させる制御機構
20はメインシリンダ2のピストン4を復帰スプリング
5の弾撥力に抗して前進スライドさせることでサブシリ
ンダ6及びこれのピストンロッド9を前進し、この前進
したサブシリンダ6におけるピストン8が緩衝復帰スプ
リング10の弾撥力に抗して後退スライドしたときにシ
リンダ2,6夫々への作動流体を供給調整して夫々のピ
ストン4,6を平衡状態としてサブシリンダ6のピスト
ンロッド9による被加工材Wに対する加圧状態を維持
し、次いでメインシリンダ2、サブシリンダ6から作動
流体を排出させて原位置に復帰させるようにするもので
ある。
【0013】すなわち図1に示すように、例えばエア源
の如き流体圧源21からの流体圧力は電磁弁22を経て
メインシリンダ2用のメインシリンダ減圧弁23、サブ
シリンダ6用のサブシリンダ減圧弁24夫々に接続され
ており、メインシリンダ減圧弁23は2個のNC式3ポ
ート電磁弁25,26夫々に接続され、また電磁弁26
はメインシリンダ2に接続されている。一方、サブシリ
ンダ減圧弁24は絞り弁27、NO式3ポート電磁弁2
8夫々に接続され、また電磁弁29はサブシリンダ6に
接続されているのである。また絞り弁27と電磁弁26
との間にはメインシリンダ2とサブシリンダ6とに供給
する作動流体の圧力量を相対的に調整する調整弁29が
介装されている。
【0014】次にこの制御機構20によるシリンダ機構
1に対する制御作動を説明すると、電磁弁25,28に
連動させたON状態でセンサー12を待機しておくので
あり、このときサブシリンダ6のロッド側とヘッド側は
排気の状態で開放してあることで、サブシリンダ6にお
いては緩衝復帰スプリング10の弾撥力によってピスト
ン8はロッド側での最下端位置にある。一方、メインシ
リンダ2中の圧力はメインシリンダ減圧弁23で設定し
た圧力となっているのであり、ここで溶接信号がONさ
れて出力されると、電磁弁22、26が同時に通電され
てメインシリンダ2内に作動流体が流体圧源21から供
給されてピストン4が高速で駆動して、サブシリンダ6
をメインシリンダ2内から突出させて前進させる(図2
(A)参照)。するとメインシリンダ2におけるピスト
ンロッド9先端の可動電極Sも前進し、固定電極Fと共
に被加工材Wを挟み込むようにメインシリンダ2に対す
る移動用の作動流体の供給圧力の調整によって被加工材
W表面に高速で衝突するように接触する。この被加工材
W表面に対する可動電極Sの接触によって、可動電極S
自体の移動が規制されることでメインシリンダ2におけ
るピストン4のみが復帰スプリング5を圧縮しながら前
進することで可動電極Sに対する前進力は付与しないも
のとなり、またサブシリンダ6においてはピストンロッ
ド9及びピストン8が緩衝復帰スプリング10の弾撥力
に抗して後退することになり、このときに緩衝復帰スプ
リング10自体に生じる弾撥力のみが可動電極Sを介し
て被加工材Wに与える衝撃を緩衝するものとなっている
(図2(B)参照)。
【0015】そして可動電極Sが被加工材Wに接触する
ときの反作用でサブシリンダ6におけるピストン8が移
動するとき、その移動の瞬間をセンサー12が検出して
電磁弁25,28への通電を遮断すると同時に、サブシ
リンダ減圧弁24によって調整弁29を介してシリンダ
2,6夫々に対する所定の圧力を設定してサブシリンダ
6におけるピストン8を介しての可動電極Sによる被加
工材Wに対する加圧力とするのである(図2(C)参
照)。このとき図示のようにメインシリンダ2における
ピストン4とサブシリンダ6におけるピストン8とに大
小があることを考慮して、調整弁29によって夫々のシ
リンダ2,6に対する供給圧力を相対的に自動調整する
のである。また被加工材Wに対する加圧力、可動電極S
の被加工材Wに対する前進速度等の調整は絞り弁27に
よって調整されるものである。
【0016】可動電極S及び固定電極Fによる被加工材
Wに対する溶接が完了すると溶接信号はOFFとなり、
電磁弁22,27への通電は遮断されることで電磁弁2
2,28,26では同時に排気の状態となるのであり、
そのためメインシリンダ2では復帰スプリング5の弾撥
力によってピストン4が、同様にサブシリンダ6では緩
衝復帰スプリング10の弾撥力によってピストン8が夫
々原位置に復帰するのである(図2(D)参照)。
【0017】次に本実施の形態における作動の一例を説
明すると、制御機構20において溶接信号がONされる
とシリンダ機構1におけるメインシリンダ2に作動流体
が供給され、そのピストン4が前進スライドしてサブシ
リンダ6全体を前進させて、可動電極Sを被加工材W表
面に到達させる。すると可動電極Sの移動は抑制停止さ
れるとき、ピストン4では復帰スプリング5を圧縮する
ことでサブシリンダ6に対する前進スライド作用が緩和
消失される一方、サブシリンダ6におけるピストン8は
可動電極Sの停止に伴ない緩衝復帰スプリング10を圧
縮しながら後退スライドするのであり、これをセンサー
12が検出する。するとメインシリンダ2に対するそれ
までのピストン4の前進スライドのための作動流体の供
給はサブシリンダ6の前進位置を保持するためのものと
なる一方、サブシリンダ6にも作動流体を供給すること
でピストン8を介して可動電極Sによる被加工材Wへの
所定圧力による加圧作用のものとし、その加圧状態を継
続する。この加圧状態が維持されているときに可動電極
S、固定電極F相互による被加工材Wに対する溶接作業
が実施され、溶接作業が終了して溶接信号がOFFされ
ると、夫々のシリンダ2,6に対する作動流体の供給が
停止、排出されるものとなり、メインシリンダ2におい
ては復帰スプリング5によってピストン4が、同様にサ
ブシリンダ6においては緩衝復帰スプリング10によっ
てピストン8が夫々原位置に復帰して次動作に備えて待
機するのである。
【0018】また図3には他の実施の形態におけるシリ
ンダ機構30が示されている。このシリンダ機構30は
メインシリンダ31におけるメインピストン32に連繋
してあるピストンロッド33にサブシリンダ35を接続
し、メインピストン32とメインシリンダ31における
ロッド側カバーとの間にピストンロッド33を復帰させ
るコイル状の復帰スプリング34を装入し、またサブシ
リンダ35におけるサブピストン36とヘッド側カバー
との間にピストンロッド37を緩衝させまた復帰させる
コイル状の緩衝復帰スプリング38を装入して成るもの
である。そしてサブシリンダ35におけるピストンロッ
ド37の先端に可動電極Sが付設されていて、被加工材
Wを挟み込むようにして固定電極Fと対向配置されてい
るのは勿論である。
【0019】この実施の形態におけるシリンダ機構30
にあっては図1、図2に示す実施の形態のものとは異な
りサブシリンダ35がメインシリンダ31とは分離され
た状態の複合型のものとしてあることであってもこれの
作動は図1、図2に示す実施の形態のものと異なるとこ
ろはない。ただこの実施の形態のものにあってはメイン
シリンダ31、サブシリンダ35夫々を同容量のものと
して構成できることで、可動電極Sによって被加工材W
を加圧するときの両者31,35に対する作動流体の供
給制御の容易性が得られるものである。
【0020】なお図示を省略したが、メインシリンダ2
における復帰スプリング5、サブシリンダ6における緩
衝復帰スプリング10に代えて、弾撥力を発揮するよう
な作動流体例えばエアとすることもでき、この場合には
制御機構20において、メインシリンダ2のヘッド側、
サブシリンダ6のロッド側夫々への作動流体の給排を制
御する制御手段が追加される。また以上の実施の形態に
あってはエア圧、油圧等の作動流体によって作動される
シリンダ機構1のものとして説明されたが、これを電動
式のものに変更することも可能なものである。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
これがため例えば溶接その他の各種の機械加工における
流体機器を使用した場合の被加工材Wに対する接触する
可動の被作動物(S)による衝撃を防止できるものであ
り、またシリンダ作動で進退移動する被作動物(S)の
被加工材Wに対する一般的な衝撃防止方法として応用範
囲が極めて広く、しかも汎用性に優れたものである。そ
して例えば上述のようなスポット溶接装置における可動
電極Sのようなシリンダ作動で移動される被作動物の迅
速な移動及び被加工物W表面に移動到達後での停止、加
圧状態への速やかな作動状態の移行によって被加工物W
に対する衝撃を防止でき、従来であれば被加工材W表面
において生じた窪みの形成、不体裁な溶接痕等の発生等
の諸欠点を解消することができるのである。
【0022】すなわちこれは本発明において、メインシ
リンダ2、サブシリンダ6から成る複合型のシリンダ機
構1を制御機構20によって制御作動して、メインシリ
ンダ2の作動でサブシリンダ6を進退してサブシリンダ
6のピストンロッド9に連繋した可動電極Sにより固定
電極Fと共に被加工材Wを溶接するに際し、メインシリ
ンダ2への作動流体の供給でサブシリンダ6を弾撥力に
抗して前進して可動電極Sを被加工材W表面に到達した
後は到達した瞬間にサブシリンダ6の前進を停止すると
共にシリンダ2,6夫々への作動流体の供給量を相対的
に調整して可動電極Sが被加工材W表面に対して所定値
の加圧状態を維持するようにし、溶接終了後はシリンダ
2,6夫々から作動流体を排出して弾撥力でピストン
4,8を原位置に復帰して次動作に備えるものとしたか
らである。
【0023】また制御機構20において出力される作動
信号によってシリンダ機構1におけるメインシリンダ2
に作動流体を供給するから、メインシリンダ2のピスト
ン4が前進スライドするとき、復帰スプリング5の弾撥
力に抗してサブシリンダ6全体を前進させるのである。
そしてこれによって被作動物である可動電極Sを所定の
速度で被加工材W表面に到達できるのであり、しかも作
動流体の供給量に対応して可動電極Sの移動速度は適宜
に調整でき、相当な高速度に設定することも可能であ
る。
【0024】そして可動電極Sが被加工材W表面に到達
されると、メインシリンダ2におけるピストン4では、
このピストン4とヘッド側カバーとの間に装入した復帰
スプリング5を圧縮することでサブシリンダ6に対する
前進スライド作用を緩和消失させるのである。一方、サ
ブシリンダ6におけるピストン8では、このピストン8
に連繋したピストンロッド9先端の可動電極Sが被加工
材Wに到達して前進移動が抑制されることで、ピストン
8とロッド側カバーとの間に装入した緩衝復帰スプリン
グ10を圧縮しながら後退スライドさせられるから、相
当な高速度で被加工材W表面に到達した可動電極Sによ
っても被加工材Wに衝撃を付与することなく緩衝させら
れるのである。そのため被加工材W表面で迅速に停止さ
せることができ、被加工材W表面に窪みを生じさせた
り、損傷を与えたりすることがないのであり、作業能率
の向上のために相当な高速度で可動電極Sを進退させて
も被加工材W表面を損傷することがないのである。
【0025】更にサブシリンダ6のヘッド側にはセンサ
ー12が付設してあり、このセンサー12がサブシリン
ダ6内のピストン8の後退スライドを検出すると、メイ
ンシリンダ2におけるピストン4のそれまでの移動用の
作動流体の供給を停止させると共にサブシリンダ6にお
けるピストン8の後退スライドを阻止する作動流体を供
給させるから、シリンダ2,6夫々への作動流体の供給
量を相対的に調整して平衡させることで、被加工材W表
面で停止している可動電極Sに対して加圧作用を付与
し、例えばスポット溶接に必要な被加工材Wに対する所
定の加圧状態を維持できるのである。
【0026】また制御機構20においての作動信号がO
FFされるとシリンダ機構1におけるシリンダ2,6夫
々に対する作動流体の供給を遮断し、これを排出させる
から、メインシリンダ2では復帰スプリング5によって
ピストン4が、同様にサブシリンダ6では緩衝復帰スプ
リング10によってピストン8が夫々原位置に復帰する
ものとなり、次動作に備えたものとできるのである。
【0027】なお本発明における衝撃防止方法は、スポ
ット溶接のみならず、例えばシリンダ構造の各種の進退
機構を利用する各種の機械工作分野において利用できる
ものであり、進退する被作動物が突出作動して他の物体
に突き当たるときの衝撃を緩和すると同時に突き当てた
ままで加圧状態となしてこれを維持するものとすれば足
りるものであり、従来のように緩衝させてから接触させ
るものとせずに、接触してから緩衝させることにより突
き当て時の衝撃を緩和した正確な位置決め、位置決め後
の各種加工を可能にさせるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態におけるスポット溶接装
置として実施した場合の概略図である。
【図2】同じくその作動を表わし、(A)は作動前の状
態、(B)は移動作動中の状態、(C)は加圧作動中の
状態、(D)は復帰後の状態である。
【図3】同じく他の実施の形態における要部の断面図で
ある。
【符号の説明】
F…固定電極 S…可動電極 W…被加工材 1…シリンダ機構 2…メインシリ
ンダ 3…シリンダチューブ 4…ピストン 5…復帰スプリング 6…サブシリン
ダ 7…シリンダチューブ 8…ピストン 9…ピストンロッド 10…緩衝復帰
スプリング 11…給排パイプ 12…センサー 20…制御機構 21…流体圧源 22…電磁弁 23…メインシ
リンダ減圧弁 24…サブシリンダ減圧弁 25…電磁弁 26…電磁弁 27…絞り弁 28…電磁弁 29…調整弁 30…シリンダ機構 31…メインシ
リンダ 32…メインピストン 33…ピストン
ロッド 34…復帰スプリング 35…サブシリ
ンダ 36…サブピストン 37…ピストン
ロッド 38…緩衝復帰スプリング

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインシリンダの作動によってサブシリ
    ンダを進退させることでサブシリンダにおけるロッドに
    連繋した被作動物によって被加工材に対して各種の機械
    加工を行なうとき、メインシリンダへの作動流体の供給
    によってサブシリンダを前進させて被作動物を被加工材
    表面に到達した後は到達した瞬間にサブシリンダの前進
    を停止させると共にシリンダ夫々への作動流体の供給量
    を調整して被作動物が被加工材表面に対して所定値の加
    圧状態を維持するようにする衝撃防止方法において、被
    作動物が被加工材表面に到達したとき、メインシリンダ
    のピストンがメインシリンダ内に装入してある復帰スプ
    リングを、また被作動物を連繋してあるサブシリンダの
    ピストンがサブシリンダ内に装入してある緩衝復帰スプ
    リングを夫々圧縮することでサブシリンダに対する前進
    力を緩衝させると共にサブシリンダ内のピストンの後退
    スライドを検出してシリンダ夫々に対する作動流体の供
    給量を調整することを特徴とする衝撃防止方法。
  2. 【請求項2】 シリンダチューブ内に弾撥力に抗してス
    ライドするようピストンを装入したメインシリンダに、
    このメインシリンダのピストンに連繋されたシリンダチ
    ューブ内に弾撥力に抗してスライドするよう、先端にス
    ポット溶接装置における可動電極が付設されているピス
    トンを装入したサブシリンダを進退自在に連繋して成る
    シリンダ機構と、メインシリンダのピストンを弾撥力に
    抗して前進スライドさせることでサブシリンダ及びこれ
    のピストンを前進し、この前進したサブシリンダにおけ
    るピストンが弾撥力に抗して後退スライドしたときにシ
    リンダ夫々への作動流体を供給調整して夫々のピストン
    を平衡状態としてサブシリンダのピストンロッドによる
    被加工材に対する加圧状態を維持し、次いでシリンダ夫
    々から作動流体を排出させて原位置に復帰させるように
    する制御機構とを備えたことを特徴とする衝撃防止方法
    を利用したスポット溶接装置。
  3. 【請求項3】 シリンダチューブ内にスライド自在に装
    入したピストンとヘッド側カバーとの間にピストンを原
    位置に復帰させる復帰スプリングを装入したメインシリ
    ンダに、このメインシリンダのピストンに連繋されたシ
    リンダチューブ内にスライド自在に装入したピストンと
    ロッド側カバーとの間に、先端にスポット溶接装置にお
    ける可動電極が付設されているピストンロッドを緩衝さ
    せまた復帰させる緩衝復帰スプリングを装入したサブシ
    リンダを進退自在に連繋して成るシリンダ機構と、メイ
    ンシリンダのピストンを復帰スプリングの弾撥力に抗し
    て前進スライドさせることでサブシリンダ及びこれのピ
    ストンロッドを前進し、この前進したサブシリンダにお
    けるピストンが緩衝復帰スプリングの弾撥力に抗して後
    退スライドしたときにシリンダ夫々への作動流体を供給
    調整して夫々のピストンを平衡状態としてサブシリンダ
    のピストンロッドによる被加工材に対する加圧状態を維
    持し、次いでシリンダ夫々から作動流体を排出させて原
    位置に復帰させるようにする制御機構とを備えたことを
    特徴とする衝撃防止方法を利用したスポット溶接装置。
  4. 【請求項4】 シリンダ機構におけるサブシリンダは、
    メインシリンダのピストンに連繋することでメインシリ
    ンダ内にスライド自在に装入配置してある請求項2また
    は3記載の衝撃防止方法を利用したスポット溶接装置。
  5. 【請求項5】 シリンダ機構におけるサブシリンダは、
    メインシリンダのピストンロッドに連繋することでメイ
    ンシリンダ外にスライド自在に配置してある請求項2ま
    たは3記載の衝撃防止方法を利用したスポット溶接装
    置。
  6. 【請求項6】 サブシリンダのシリンダチューブにおけ
    るヘッド側近傍には、ピストンの後退スライドを検出す
    るセンサーを付設してある請求項2乃至5のいずれか記
    載の衝撃防止方法を利用したスポット溶接装置。
  7. 【請求項7】 可動電極が被加工材表面に到達後では瞬
    間的にシリンダ夫々に対する作動流体の供給量を調整し
    て可動電極による被加工材に対する所定値の加圧状態を
    維持するようにしてある請求項2乃至6のいずれか記載
    の衝撃防止方法を利用したスポット溶接装置。
JP8235901A 1996-08-19 1996-08-19 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置 Expired - Fee Related JP2937313B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8235901A JP2937313B2 (ja) 1996-08-19 1996-08-19 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8235901A JP2937313B2 (ja) 1996-08-19 1996-08-19 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1058152A JPH1058152A (ja) 1998-03-03
JP2937313B2 true JP2937313B2 (ja) 1999-08-23

Family

ID=16992920

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8235901A Expired - Fee Related JP2937313B2 (ja) 1996-08-19 1996-08-19 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2937313B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3034862B1 (ja) 1999-02-23 2000-04-17 三菱電機株式会社 シ―ム溶接機
US9321121B2 (en) 2009-08-19 2016-04-26 Yoshitaka Aoyama Electric resistance welding device, electrode therefor, and welding method
CN103737146B (zh) * 2013-12-20 2015-11-18 鞍钢股份有限公司 一种圆管坯双顶杆定位装置
CN106563875A (zh) * 2016-10-19 2017-04-19 广州松兴电气股份有限公司 一种电阻焊电极气动加压缓冲装置
CN112518111B (zh) * 2020-11-25 2022-08-19 阿斯科纳科技(深圳)有限公司 多轴双工头龙门运动平台以及应用该平台的设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1058152A (ja) 1998-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3926033A (en) Toggle-joint press
JP4200284B2 (ja) 加圧シリンダの高速駆動方法及びそのシステム
KR100603243B1 (ko) 에어 서보 실린더장치 및 그 제어 방법
US20100025383A1 (en) Sheet Metal Clamp Used in Combination with a Manipulator Arm, and Having an Electromechanical Balancing Module
JP2003130008A (ja) 加圧シリンダの高速駆動方法及びその装置
KR20010071789A (ko) 도구를 작동하기 위한 접근 예비-행정과 작업 행정을실행하는 액추에이터
JP2937313B2 (ja) 衝撃防止方法とこれを利用したスポット溶接装置
WO2019240023A1 (ja) エアシリンダの流体回路
JP3459297B2 (ja) 据込みプレスおよびこの据込みプレスを使用して据込みプレス作業を行うための方法
US3119331A (en) Clamping device for clamping printing plates of printing machines
US3854027A (en) Percussive stud welding system
JP3454898B2 (ja) 溶接ガン
US4819541A (en) Control of a double-action pneumatic drive
US7956308B2 (en) Weld gun control system
JP2624617B2 (ja) 抵抗溶接機の制御装置、抵抗溶接機用加圧シリンダ
CA2293579C (en) Pneumatic weld head with automatically adjusted pressure
US3501159A (en) Device for actuating clamping tools,especially jaw chucks on machine tools
SE9200484D0 (sv) Hydrauldrivet arbetsredskap
JP4431928B2 (ja) 多段行程型シリンダ
JP3940340B2 (ja) シリンダの衝撃吸収装置、および、それを用いたスクラップボーラ
JPH0248145Y2 (ja)
JPS582554Y2 (ja) スポツト溶接装置
JPS5927310B2 (ja) 加工装置の治具送り装置
JPH09257003A (ja) リニアアクチュエータ
KR100471213B1 (ko) 스폿 용접용 로봇 시스템의 용접팁 구동장치

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080611

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090611

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees