JP2937199B2 - 面内磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記憶装置 - Google Patents

面内磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記憶装置

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JP2937199B2
JP2937199B2 JP26268398A JP26268398A JP2937199B2 JP 2937199 B2 JP2937199 B2 JP 2937199B2 JP 26268398 A JP26268398 A JP 26268398A JP 26268398 A JP26268398 A JP 26268398A JP 2937199 B2 JP2937199 B2 JP 2937199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面内磁気記録媒体及び
その製造方法並びに磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の面内磁気記録媒体用磁性層として
は、例えばUSP4610911,特開昭62−257617号に見られる
ように基板上に、下地層としてCr,Mo,W,Nb,
V等の単体金属層もしくはCr−V,Cr−Fe等の合
金層を組成し、それを介してCo−Pt合金磁性層を形
成したものや、特開昭59−88806 号に見られるようにN
i−P下地層上にCo−Cr−Pt合金磁性層を形成し
たもの、更には特開昭61−246914号,特開昭61−253622
号に見られるようにアルミニウム合金基板上にアルマイ
ト下地層を形成し、それを介してMo,V及びWの少な
くとも1種3〜15原子%もしくは、Cr3〜20原子
%と、Pt,Rh,Ru,Re,Pd,Ir等の貴金属
元素3〜15原子%と、残部Co 75原子%以上とか
ら成るCo基合金磁性膜を形成したもの等が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記Ni−P下地層に
Co−Cr−Pt磁性層を形成した磁気記録媒体は耐食
性と磁気特性の改善を意図したものであるが、特開昭59
−88806 号に述べられているように面内の保磁力角形比
S*は0.7〜0.9であるが、面内保磁力Hcは500
〜1200Oeを狙ったものの実際には550〜850
Oeと低い。一方、特開昭62−257617号(USP4654276)
や特開昭62−257618号(USP4652499)に述べられている
ように膜厚50nm程度のCr−V下地やW下地等の非
磁性下地にCo−Pt磁性層を設けると面内保磁力Hc
は1200Oe以上に高くできるが、このように面内保
磁力Hcを高くすると保磁力角形比S*も増大し0.9
以上と大きくなる。本発明者らによる研究によれば保磁
力と保磁力角形比を高くすれば高硬度での再生出力は高
くなるが、同時にノイズも大きくなり、出力ノイズ比の
点で必ずしも有利ではないことが明らかになった。特に
ノイズという観点からすれば、保磁力角形比S*を0.9
以上に大きくすると記録媒体の記録再生ノイズが著し
く大きくなるという問題があった。したがって、優れた
記録再生出力特性を有する面内磁気記録媒体を得るに
は、これら両者の相反する磁気特性を同時に満足させる
ことが必須であり、面内保磁力Hc1200Oe以上、
保磁力角形比S*0.9以下より望ましくは0.85以下
を同時に満足させることが当面の解決すべき課題であ
る。なお、保磁力角形比S*とは、磁化曲線の面内保磁
力Hc点での接触と、残部磁化Mr点でH軸と平行に引
いた直線の交点におけるHの値とHcの値との比(H/
Hc)を言う。
【0004】それ故、本発明の第1の目的は、少なくと
も1200Oeの高い面内保磁力Hcを有し、しかも保
磁力角形比S*が0.9以下より望ましくは0.85以下
と小さく、高濃度において高いS/N比で記録再生で
き、かつ耐食性,耐摺動性に優れた高信頼性の面内磁気
記録媒体を提供することにある。第2の目的は上記第1
の目的を達成できる面内記録媒体の製造方法を、そして
第3の目的は上記第1の目的を達成できる磁気記録媒体
を用いた磁気記憶装置を、それぞれ提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は非磁性
基板上に形成されたCr,Mo,W,V,Nb及びTa
から成る群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を含
む非磁性金属下地層を介して、Pt及びIrから成る群
から選ばれた少なくとも1種の第1の添加元素1〜35
原子%と、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,W,Go及びSiから成る群から選ばれた少なく
とも1種の第2の添加元素1〜17原子%、より好まし
くは3〜15原子%、ただしSiについては1〜40原
子%より好ましくは2〜30原子%と、酸素0.1〜1
0原子%とを総量で2.2〜60原子%含み、残部Co
から成るCo基合金磁性層を形成して成る面内磁気記録
媒体により、達成される。そして、図4に示されるよう
に、面内保磁力向上の点から、上記非磁性金属下地層の
膜厚は好ましくは150nm以上であり、より望ましく
は200nm以上である。この金属下地層を介して上記
磁性層を形成すると、磁性層の結晶配向性は基板面内成
分が多くなるので面内保磁力が向上する。さらに、磁性
膜に比べて硬度の大きな上記非磁性金属下地層を設ける
ことで耐摺動信頼性を高めることができる。また、非磁
性金属下地層の膜厚は600nmを超えると表面粗さの
問題が大きくなり磁気ヘッドの浮上性が劣化し、しかも
コストも高くなるなどの理由から600nm以下とする
ことが望ましい。上記Co基合金磁性層のより好ましい
組成は、前記第1の添加元素を3〜13原子%、更に好
ましくは5〜9原子%とすることであり、前記第2の添
加元素については、3〜15原子%ただしSiについて
は、3〜15原子%ただしSiについては2〜30原子
%含有することである。
【0006】上記第2の添加元素について更に詳述すれ
ば、上記群のうち、特にCr,Mo,W,Ge及びSi
の選択が好ましく、これら元素の少なくとも1種が必須
成分として含有されることが望ましい。つまり、上記第
2の添加元素をCr,Mo,W,Ge及びSiから成る
A群と、Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaから成る
B群とに分類したとき、A群から選ばれた少なくとも1
種とB群から選ばれた少なくとも1種とを同時に含む
か、もしくはA群から選ばれた少なくとも1種を必須成
分として含むことである。特に、A群の添加元素をCr
とSiとすることが望ましい。好ましいA群の添加量
は、前述のとおり3〜15原子%ただしSiについては
2〜30原子%、B群の添加量は1〜15原子%であ
る。
【0007】なお、上記非磁性金属下地層を構成するC
r,Mo,W,V,Nb及びTaから成る群から選ばれ
た少なくとも1種の金属元素と共に、Ti,Si,C
e,Cu,Pt,Rh,Ru,Re,Pd及び酸素から
成る群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有せしめ
ることもできる。この場合、Ti,Si,Ge及びCu
から成る群から選ばれた少なくとも1種の元素の好まし
い含有量は1〜30原子%、同じくPt,Rh,Re及
びPdから成る群から選ばれた少なくとも1種の元素の
好ましい含有量は0.01 〜10原子%、そして酸素の
好ましい含有量は0.1 〜10原子%である。
【0008】これにより、面内保磁力角形比S*0.85
以下、好ましくは0.85〜0.4、より好ましくは0.
81〜0.6,面内保磁力Hc1200Oe以上、より
好ましくは少なくとも1500Oeを有する特性が達成
され、耐食性,S/N比の点で優れた磁性層と成る。さ
らに上記Co基合金磁性層に適量のNi−Alなどを添
加すれば、耐食性は劣化するがS/N比を向上させるこ
とができる。
【0009】上記第2の目的は、非磁性基板上に物理蒸
着法によりCr,Mo,W,V,Nb及びTaから成る
群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を含む非磁性
金属下地層を介して、Pt及びIrから成る群から選ば
れた少なくとも1種の第1の添加元素1〜35原子%
と、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
W,Ge及びSiから成る群から選ばれた少なくとも1
種の第2の添加元素1〜17原子%、より好ましくは3
〜15原子%、ただしSiについては1〜40原子%、
より好ましくは2〜30原子%と、酸素0.1 〜10原
子%とを総量で2.2 〜50原子%を含み、残部Coか
ら成るCo基合金磁性層を微量の酸素ガス含有雰囲気下
で、それぞれの金属元素を含むターゲットを用いてスパ
ッタリング法により形成する工程、及び保護膜を形成す
る工程を有して成る面内磁気記録媒体の製造方法によ
り、達成される。そして、好ましくは、上記非磁性金属
下地層を形成する工程の前段に、予め例えばNi−Pメ
ッキ膜等の非磁性メッキ膜下地層を形成する工程を付加
することが望ましい。非磁性金属下地層及びCo基合金
磁性層の成膜法としては、スパッタリング法,蒸着法,
メッキ法,イオンビーム蒸着法などがあるが特にDCマ
グネトロンスパッタ法が成膜速度,膜質制御の点で好ま
しい。
【0010】また、上記非磁性基板上に物理蒸着法によ
りCr,Mo,W,V,Nb及びTaから成る群から選
ばれた少なくとも1種の金属元素を含む非磁性金属下地
層を形成するに際し、副成分としてTi,Si,Ge,
Cu,Pt,Rh,Ru,Re,Pd及び酸素から成る
群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有せしめるこ
ともできる。この場合、Ti,Si,Ge及びCuから
成る群から選ばれた少なくとも1種の元素の好ましい含
有量は1〜30原子%、同じくPt,Rh,Ru,Re
及びPdから成る群から選ばれた少なくとも1種の元素
の好ましい含有量は0.01 〜10原子%、そして酸素
の好ましい含有量は0.1 〜10原子%である。
【0011】更にまた、上記Co基合金磁性層のより好
ましい形成方法としては、前記第1の添加元素を3〜1
3原子%、更に好ましいくは5〜9原子%とすることで
あり、前記第2の添加元素については、3〜15原子%
ただしSiについては2〜30原子%含有せしめること
である。
【0012】上記第2の添加元素について更に詳述すれ
ば、上記群のうち、特にCr,Mo,W,Ge及びSi
の選択が好ましく、これら元素の少なくとも1種を必須
成分として含有せしめることが望ましい。つまり、上記
第2の添加元素をCr,Mo,W,Ge及びSiから成
るA群と、Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaから成
るB群とに分類したとき、A群から選ばれた少なくとも
1種とB群から選ばれた少なくとも1種とを同時に含有
させるか、もしくはA群から選ばれた少なくとも1種を
必須成分として含有させることである。特に、A群の添
加元素をCrとSiとすることが望ましい。好ましいA
群の添加量は、前述のとおり3〜15原子%ただしSi
については2〜30原子%、B群の添加量は1〜15原
子%であり、かかる組成を満足するようスパッタリング
条件等を設定して成膜することである。
【0013】上記スパッタリング法により磁性層の形成
工程においては、下地基板を加熱維持した状態で形成す
ることが望ましく、実用的には100〜350℃が好ま
しい。350℃を超えると下地基板と磁性層が反応して
しまい、一方100℃より低い温度では層間化合物がで
き易く保磁力角形比が異常に大きくなり好ましくない。
なお、磁性膜を形成する前工程として、下地基板表面を
一般にテクスチャ加工と呼ばれている加工技術等で予め
化学的,物理的な手段で溝状,不規則溝状、もしくは島
状などに粗面加工しておくことが好ましい。例えばディ
スク基板の略磁気ヘッド進行方向に沿って中心平均面粗
さで2nm〜30nmの微細な前記形成の傷を設けてお
くことにより、ディスク基板面上の非磁性金属下地層及
びその上に形成される磁性層の結晶粒が磁気ヘッド走行
方向に結晶配向し、ヘッド走行方向の角形比,保磁力等
の磁気特性が著しく改善されるので特に好ましい。ま
た、このテクスチャ加工は磁性層形成時の基板加熱と相
応して磁気特性の向上に寄与する。特に、不規則溝状,
島状の粗面状態の場合にはCSS特性が著しく向上する
ので好ましい。
【0014】上記第3の目的は、図10(a)および図
10(b)にその一例を示すような、磁気記録媒体21
と、これを回転駆動する駆動部22と、磁気ヘッド23
及びその駆動手段24と、磁気ヘッドの記録再生信号処
理手段25とを有して成る磁気記憶装置において、前記
磁気記録媒体を上記第1の目的を達成することのできる
面内磁気記録媒体で構成して成る磁気記憶装置により、
達成される。
【0015】
【作用】本発明においては、非磁性基板上に設けられた
Cr,Mo,W,V,Nb及びTaから成る群から選ば
れた少なくとも1種の金属元素の単体もしくは合金から
なる非磁性金属下地層は、その表面に形成されるCo基
合金磁性層の磁気特性に大きな影響を及ぼし、磁性層と
密接な関係を有する。即ち、この非磁性金属下地層は、
体心立方構造をとり基板上に(110)配向しやすい。
そして、この上に形成される磁性層が容易にエピタキシ
ャル成長する結果、磁気異方性の面内成分が大きくな
る。このように、非磁性金属下地層は磁性層の面内保磁
力Hcを大きくする作用を有する。
【0016】ここで、図9(a)および図9(b)は各
々本発明の一実施例の面内磁気記録媒体に対するX線回
折線パターンおよび磁性層と下地層の配向性,結晶性を
示す図である。すなわち、3.5′φの強化ガラス基板
(表面を化学エッチ処理で粗らし、中心線平均面粗さを
6nmとした)上に、酸素を0.1vol%含むArガス中
で、ガス圧10mTorr、投入電力1W/cm2,基板温度
110℃で、Ti組成を1〜30at%と変えた。Cr
Ti合金下地層(膜厚10〜500nm),Co−15
at%Cr−8at%Pt−1at%Si磁性層(膜厚
50nm),C保護層(膜厚30nm)を連続してDC
スパッタリング法で形成した。
【0017】同図(b)に示すように、CrTi地層の
膜厚が0.05μmよりも小さいとCrTi層は(10
0)配向が主であるが、0.15μm(150nm)より
も大きくなると、急激に(110)配向成分が多くなり、
これに伴ってCoCrPtSi磁性膜もエピタキシャル
的に(1011)配向するようになる。CrTi下地層を
設けることで、CoCrPtSiの磁気異方性の主軸で
あるC軸が面内に存在する(1010)配向も同時に発生
する。このように、CrTi下地層を設けることで、C
oCrPtSiのC軸が面内方向成分を持つ(1011)
及び(1010)配向することにより、高保磁力化して
いるのである。なおここで、磁性層中の酸素含有量は2
at%であった。
【0018】なお、図9(a)および図9(b)に示した
関係はCoCrPtSiとCrTiに限るものではな
く、本発明の他の構成のものについても成り立つ。そし
て、この非磁性金属下地層の膜厚は保磁力角形比S*と
面内保磁力Hcとの関係にも大きな役割を果たす。以
下、図4を用いて説明する。
【0019】図4は、非磁性ディスク基板上に、周知の
技術によりNi−Pメッキ層を形成し、この基板上に本
発明の非磁性金属下地層(この例ではCrを代表例とし
た)及び磁性層(この例ではCo80Cr10Pt10を代表
例とした)を基板温度150℃で順次形成した試料につ
いての非磁性金属下地層の膜厚と磁気特性Hc及びS*
との関係を示した特性曲線図である。なお、試料におけ
る磁性膜の膜厚は、75nmと一定に固定した。ここで
磁性膜中の酸素濃度は2at%であった。同図から明ら
かなように下地層膜厚が150nm付近から急激に大き
な変化を示し、面内の保磁力角形比S*が0.85 下に
低下する傾向において面内保磁力Hcは1200Oe以
上となり、さらに膜厚が200nmを超えるとS*は0.8
以下、Hcは1500Oe以上となり、より高密度で
高いS/N比の記録再生が可能となる。このように下地
層膜厚が大きくなると下地層の結晶配向が向上すること
により磁気特性が飛躍的に改善されると共に、これら複
合膜の総合的な強度が向上するため耐摺動性も向上し好
ましい。しかし、下地層膜厚が600nmを超えると磁
性膜表面の凹凸が大きくなり、さらに下地層を形成して
いる非磁性金属が異常成長しやすく、それに伴い磁性層
表面の粗さが大きくなり磁気ヘッドの浮上性が劣化し、
またコストも高くなるので好ましくなく600nmを超
えないようにすることが好ましい。したがって、実用的
に好ましい非磁性金属層の厚さは150〜600nm、
より好ましくは200〜450nmである。なお、面内
の保磁力角形比S*と磁気記録媒体のノイズとの関係に
ついては、図7に示す特性曲線図のとおりである。S*
が0.85 を超えると急激にノイズは増大し好ましくな
い。またS*が0.4 より小さくなると、再生出力波形
が歪むため実用的なS*は0.85〜0.4、より好まし
くは0.81〜0.5、更に好ましくは0.75〜0.6とな
る。
【0020】ここでCr,Mo,W等の上記非磁性金属
下地層中に酸素を0.1 〜10原子%含有せしめると、
この上にエピタキシャル的に成長する磁性膜の結晶粒が
100nm以下に小さくなり、ノイズが低下するので特
に好ましい。ただし酸素含有量が10原子%を超える
と、このエピタキシャル成長が著しく阻害され保磁力が
劣化してしまうので好ましくない。また、上記非磁性金
属下地層に含有させるTi,Si,Ge,Cu,Pt,
Ru,Rh,Re及びPdから成る群から選ばれた少な
くとも1種の元素は、酸化添加の場合と同様に下地層の
結晶粒を微細化でき、その上に形成される磁性層の保磁
力角形比を0.85 以下とすると共に、ノイズを低減で
きるので好ましい。さらにこの場合には図9(a)およ
び図9(b)に示したように、下地層の結晶粒配向性も
高まりまた、図11に示すように面内保磁力さらには出
力向上の効果が大きいので特に好ましい。実用的に好ま
しいこれら元素の添加量について述べれば、前述のとお
りTi,Si,Ge,Cuの群は1〜30原子%、P
t,Ru,Rh,Re及びPdの群は0.01 〜10原
子%であり、少なければ効果が不十分であり、多すぎれ
ばエピタキシャル成長が阻害され、面内保磁力が劣化も
しくはS*が高くなりすぎるなど磁気特性が劣化するこ
とから過剰な添加は好ましくない。
【0021】非磁性下地金属層を形成する前工程とし
て、Ni−P等の基板下地表面を略ヘッド走行方向に沿
って微細な傷が入るように加工し、走行方向の中心誤平
均面粗さRaを1〜10nm、これに直角方向のRaを
2〜30nmとすることで、ヘッド走行方向の面内保磁
力を半径方向のそれよりも大きくすることができ、出力
を1〜2割高くできるので特に好ましい。これは、非磁
性下地金属層が下地形状に倣って成長するいわゆるグラ
フォエピタキシャル効果にあるものであることが、SE
M等の観察で明らかになった。直角方向のRaについて
は2nm以上でないと効果は小さく、30nmよりも大
きくすると耐摺動性が劣化するので好ましくない。
【0022】次に、Co基合金磁性層の組成と磁気特性
について述べる。先ず、Coを主成分とする組成に含有
するPt及びIrから成る群から選ばれた少なくとも1
種の第1の添加元素(1〜36原子%)の役割である
が、これらの作用は主として面内保磁力Hcを向上させ
るものであると言える。しかし、これも面内の保磁力角
形比S*と同様にTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,
Cr,Mo,W,Ge及びSiから成る群から選ばれた
少なくとも1種の第2の添加元素(1〜17原子%,よ
り好ましくは3〜15原子%、ただしSiについては1
〜40原子%、より好ましくは2〜30原子%)と、酸
素(0.1〜10原子%)との共存下における相互作用で
発揮されるものであり、それぞれの添加元素単独の作用
として発揮されるものではない。その理由は、本発明者
らの次のような実験結果から得られた知見による。即
ち、Coに第1の添加元素(Pt,Ir)のみを添加する
と一倍に高保磁力になり易い。しかし、これらの組合せ
だけでは安定に1000Oe以上の保磁力を得ることは
困難であり、しかもノイズが大きく、高いS/N比は得
られにくい。これに対し本発明者らは、Coに上記第1
の添加元素と上記第2の添加元素とを同時に添加し、酸
素ガス含有放電ガス雰囲気下で、成膜すると、面内保磁
力Hc,結晶配向性が高く、高記録密度でも高S/N比
の磁気記録媒体が得られることを見出した。これはCo
に第2の添加元素が添加され、スパッタリング法による
成膜時の放電ガス雰囲気中に酸素ガス成分が含有されて
いると、酸素の助げを借りてこの第2の添加元素が結晶
粒界や結晶粒内に偏析し、結晶粒間の相互作用が低減さ
れると共に結晶配向性も向上するため、結果として磁気
記録媒体のノイズが低下するというものである。一方、
第1の添加元素を用いいないで第2の添加元素のみを用
いた場合には、面内保磁力Hcが低下するので出力も低
下し易い。しかし、本発明のように第1,第2の添加元
素を酸素と共に同時に添加すると、図12に示すように
面内保磁力がHcも高くなるので、第1の添加元素(P
t,Ir)のみを単独に添加した場合に比べてノイズが
少なく、結果として高いS/N比が得られる。
【0023】図12に示した実施例の試料は、磁性層が
膜厚65nmのCo−15at%Cr−7at%Pt−
3at%Siであり、Cr下地層は膜厚350nm,C
保磁層は膜厚40nmである。(酸素含有量0at%の
試料は比較例である。)この時、磁性膜中の酸素含有量
は0.1 原子%以上が望ましい。磁性膜中の酸素含有量
が10原子%よりも増大すると著しく酸化が進行し、飽
和磁化の値が小さくなると共に、面内保磁力も低下し、
再生出力の低下が著しいので好ましくなく、実用上0.
1 〜10原子%とすることが望ましい。上記磁性膜中
の酸素含有量の調整は、例えばスパッタリングの成膜法
による場合には、Ar等の放電ガス雰囲気中の酸素ガス
分圧を調整することにより任意値に設定できる。
【0024】以上、各添加元素の作用及び有効量につい
て述べたが、これら酸素も含めた添加元素の総量は多く
ても50原子%以下、つまり残部を構成するCo主成分
が少なくとも50原子%を有することが望ましい。 以
下さらに作用について結晶学的な面から詳細に説明す
る。
【0025】非磁性基板上に、前述の非磁性金属下地層
を介して磁性層を形成すると、例えば酸素を0.1vol%
含むArガス中でスパッタリングにより成膜した場合に
は、図2に示すように第1の添加元素(この例ではPt
を代表例とした)の添加量が1〜35原子%で面内保磁
力Hcが1200Oe以上となる。これはPtをCoに
添加するとCo−Pt規則相を生じ、磁極の移動がおさ
えられるためである。保磁力はPt添加量が13原子%
で極大となるが、結晶粒内でのCo−Pt規則相の出現
と関係して、Pt量が13原子%よりも多い磁性層と、
それよりも少ない磁性層とでは、保磁力出現の機構が異
なり、Pt量が13原子%以下の場合に特に動的な磁化
反転がスムーズとなる。これに対応してPt量が13原
子%以下の記録媒体はオーバライト特性が特に高く、し
かもトラック幅方向の漏れ記録の効率,消去の効率が高
く、ヘッド記録再生時での位置ずれに対するマージンが
広いという効果がある。この効果はPt量が9原子%以
下の時に特に顕著であり、Pt量としては13原子%以
下、より好ましくは9原子%以下とすることが望まし
い。
【0026】なお、ここでPtの増加と共に飽和磁化は
ゆるやかに減少した。つまり、Ptを3原子%よりも多
くすると飽和磁化が減少し、ノイズも相対的に大きくな
る傾向にあり、図5に示すようにS/N比はPt量が1
〜3%のときに特に高くなる。しかも、Pt,Irは高
価な貴金属であることから不要な多量の添加量はコスト
的にも好ましくなく実用的には上述のとおり、1〜3原
子%とすることがより望ましい。このPtのごとき第1
の添加元素を3原子%以上とする場合には、前述のよう
にPt,Ir量を13原子%、より望ましくは9原子%
以下としてオーバライト特性を向上せしめ、さらにCo
を75原子%以下とすることで耐食性を高めると共にノ
イズを著しく低減することにより相対的にS/N比を高
めることが望ましい。CoにPtのごとき第1の添加元
素と同時に添加する第2の添加元素としては、図2に示
したCr,Mo,Wの他Ge,Siの群がとりわけ望ま
しいが、残りの群のTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta
についても有効であることは言うまでもない。特にこれ
ら残りの群の元素等が添加された4元磁性合金の場合に
は、これら元素の酸化物あるいは水酸化物等が表面や結
晶粒界に優位的に偏析し図9に示すように3元合金に比
べて耐食性が著しく向上するので特に好ましい。なお、
同様にして形成したCo−20at%Si−8at%P
t磁性膜,Co−10at%Ge−8at%Pt磁性
膜、及びCo−8at%Pt膜(比較例)の、塩水噴霧
試験4時間後の残存磁化は、それぞれ0.85,0.8
2、及び0.75 であった。つまり、この図8は、縦軸
に腐食による劣化の程度を示す残存磁化Ms(t)/Ms
(o)を、横軸に40℃の塩水噴霧試験時間(hr)をそ
れぞれ示したもので、時間経過によって残存磁化が低下
しないものほど耐食性に優れていることを意味してい
る。本発明のこの4元系磁性合金においては、Cr,M
o,W,Ge,Si等をCo−Pt合金に添加した3元
合金の場合に比べTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta等
がCr,Mo等との相乗効果によって特に強固に結晶粒
界及び結晶粒内に偏析するので、結晶粒間の磁気的な相
互作用が低減され記録密度特性,S/N比がさらに改善
されるのでより望ましい。図8ではCo−Cr−Pt系
磁性合金について説明したが、Mo,W,Si,Gsを
用いた場合も同様である。耐食性,S/N比改善の上か
らは、これら残りの群の少なくとも1種の元素の添加量
は1〜15原子%がより好ましい。
【0027】図3は、Co−Pt系に第2の添加元素と
してCrを代表例として添加した場合の、Crの添加量
とHcとの関係を示したものであり、1原子%以上、特
に3原子%以上添加すれば面内保磁力は1200Oeよ
りも高くなるので望ましい。17原子%よりも多く添加
すると飽和磁化が劣化するので好ましくない。したがっ
て、前述のとおり第2の添加元素の有効含有量は1〜1
7原子%であるが、Siについてのみ1〜40原子%が
有効である。なお、これら図2,図3における試料の非
磁性金属下地層は、いずれもCrを代表例としたもので
あるが、Mo,W,V,Nb,Taや、これらを主成分
とする合金など、その他のものであっても同様の結果が
得られるのは言うまでもない。
【0028】さらに、磁性層中の酸素量について述べれ
ば、上記第1および第2の添加元素を含む本発明のCo
基合金に酸素を0.1 〜10原子%含有させると、C
r,Mo,W等の体心立方構造をとる非磁性金属下地層
上においてもhop構造の面内(1010)配向((1
00)配向と略記)だけではなく垂直(0001)配向
((001)配向と略記)成分も大きくなる。すなわち
結晶学的にいえば、図9(a)および図9(b)に示し
たようにCo基合金の002X線回折線強度と100X
線回折線強度との比が3よりも大きくなり、磁気的に
は、基本的に面内異方性を有するが、垂直異方性成分も
付与されCo基合金のc軸が実質的に等方的になり、前
記図4に示したように非磁性金属下地層の膜厚が増加す
るにつれ面内の保磁力角形比S*が0.85以下、さらに
は0.8以下となる。これは第2の添加元素、例えばC
r,Mo,Wが酸素の助けを借りて粒界さらには粒内に
も偏析しやすくなり、結晶粒が微細化したり、垂直に配
向する結晶粒成分が大きくなることなどのためである。
このように垂直異方性が大きくなると酸化選移領域が小
さくなり、ノイズが低下することになるので好ましい。
なお、図2,図3に示した本実施例の磁性層中の酸素濃
度はそれぞれ1,1.5at%であった。
【0029】ここで、本発明の磁気記録媒体を、作動ギ
ャップ近傍にCo−Nb−Zr,Fe−Al−Si,N
i−Fe等の強磁性金属を設けたメタルインギャップタ
イプもしくは薄膜形磁気ヘッドで記録再生したところ、
図6に示すようにディスク円周方向の面内保磁力Hcを
1200Oe以上とすれば再生出力が格段に向上するこ
とが確認された。上記面内保磁力Hcを1500Oe以
上とすれば、さらに出力記録密度特性が向上するのでよ
り好ましい。ここで、少なくとも磁極の一部を上記のよ
うに金属磁性材料で構成すると記録磁界が強くなるの
で、本発明のような高保磁力の記録媒体には好適で、こ
れを用いて記録再生すれば効率が向上し、特に大容量の
磁気記憶装置が提供できるので好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0031】実施例1.図1は、本発明の一実施例とな
る磁気記録媒体の縦断面図を示したものであり、図にお
いて、11はNi−P,Ni−P−W等の非磁性メッキ
Al合金,化学強化ガラス等からなる非磁性基板、1
2,12′は前記基板の層面に設けられたCr,Mo,
W,V,Nb及びTaから成る群から選ばれた少なくと
も1種の体心立方構造をとる単体あるいはこれら主元素
を主成分とする合金、さらにはこれら単体もしくは合金
にTi,Si,Ge,Cu,Pt,Rh,Ru,Re,
Pd及び酸素から成る群から選ばれた少なくとも1種の
元素を含有してなる非磁性金属下地層、13,13′は
磁性層でPt及びIrから成る群から選ばれた少なくと
も1種の第1の添加元素1〜35原子%(以下、at%
と略称)と、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,C
r,Mo,W,Ge及びSiから成る群から選ばれた少
なくとも1種の第2の添加元素1〜17at%、ただし
Siについては1〜40at%と、酸素0.1 〜10a
t%と、残部Coとから成るCo基合金属、14,1
4′はC,B,B4C,Si−C,Co3O4,SiO2,
Si34,W−C,Zr−W−C,Zr−Nb−N等か
らなる保護層であり、それぞれは以下に示す例のように
形成される。
【0032】外径130mm,内径40mm,厚さ1.9mm
のマグネシウムを4wt%含むアルミニウム合金ディス
ク基板の両面に厚み20μmのNi−12wt%Pメッ
キを施した後、さらに円周方向(ヘッド走行方向)に微
細な凹凸を有し、その中心線平均面粗さが10nmにな
るように研磨して膜厚を15μmとした。この種の表面
加工を通称テクスチャ加工と称しているが、この基板を
洗浄後、RFマグネトロンスパッタ装置を用い、初期排
気を2×10-6Torrまで行った後、成膜時の放電雰囲気
ガスとして0.2vol%酸素を含むAr,放電ガス圧力を
15mTorr,投入電力を1.6W/cm2,基板温度を11
0℃として下地層,磁性層,保磁層を連続して形成し、
面内磁気記録媒体とした。非磁性金属下地層には酸素を
4at%含有するCr層を用い、磁性層にはCo−15
at%Cr−11at%Pt合金(ただし酸素3at%
含有)を、保磁膜にはカーボンを用いた。また、保護膜
の上にさらにパーフルオロアルキルポリエーテル等の潤
滑層を設けても良い。非磁性金属下地厚のCr膜厚を5
00nmと一定にして、Co−15at%Cr−11a
t%Pt合金の膜厚を10〜90nmまで変化させたと
ころ、表1のような静磁気特性が得られた。
【0033】
【表1】
【0034】なお、表中の( )内数値は非磁性金属下
地層を設けない比較例の特性値を示す。これら比較例か
ら明らかなように、非磁性金属下地層の存在は磁気特性
の向上に重要な役割を果たしており、保磁力角形比S*
≦0.85 なる条件を十分に満足させつつ、面内保磁力
Hcはいずれも1500Oe以上という優れた特性を示
している。
【0035】そして、非磁性金属下地層のCr膜厚を5
0,100,200,300および400nmとしても
磁性層膜厚の増加にともない保磁力角形比S*は上昇
し、15nm以上の磁性層膜層があれば、より好ましい
条件である0.85≧S*≧0.6 となった。ここで、保
磁力角形比S*は、ディスクの周方向すなわちヘッド走
行方向及び半径方向の値の平均値であり、面内保磁力H
cは、ディスク周方向の値である(以下、いずれの実施
例及び比較例も同じ)。NiPメッキAl合金基板の替
りに、化学エッチ処理で表面に凹凸をつけた化学強化ガ
ラス基板やアルマイト処理Al合金基板を用いても同様
の結果が得られた。
【0036】[比較例1]磁性層の組成を、Co−20
at%Ni−15at%Ptとし、磁性層の膜厚を90
nmとした他の実施例と同様に薄膜形成したところ、面
内保磁力Hcの値は860Oeであった。このように実
施例1と同じ非磁性金属下地層のCr膜を有しているに
も拘らず、磁性層の組成が異なることにより面内保磁力
Hcは大幅に低下した。つまり、この比較例は本発明の
第2の添加元素を含有していないものである。
【0037】実施例2.面内磁気記録媒体形成装置とし
てロードロック式のDCマグネトロンスパッタ装置を用
い、必期排気を1×10-6Torrまで行った後、成膜時の
放電雰囲気ガスとして酸素を0.1vol%含むAr,放電
ガス圧力を10mTorr,投入電力を1.6〜4.8W/c
m2,基板温度を150℃として膜厚400nmのCr下
地層,膜厚50nmで表2に示す組成の磁性層を連続し
て形成後、放電ガス圧力を3mTorrとして保厚膜を形成
した後は前記実施例1と同様にして形成した。なお、こ
れらいずれの磁性層及びCr下地層中にも酸素は1at
%含有された。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】その結果、いずれの実施例も面内保磁力が
1400Oe以上であった。特に、面内保磁力を150
0Oe以上とした場合には磁性層の組成によらず出力半
減記録密度が35kFCI以上となりまたこれらの記録
媒体の出力ノイズ比(S/N)は従来媒体のS/Nに比べ
2割程度高かった。しかしながら、放電ガスとして0.
1vol%酸素を含むArガスを用いて形成した層膜の面
内保磁力が1500Oe以上あった合金組成でも、リー
クレートが大きい場合や窒素等を含有させた場合には、
面内保磁力が1200Oe以下となり、S/Nも低い場
合があった。これらの媒体を0.001mol/lのNaN
2,0.1mol/lのNaClを含む塩水を噴霧して耐
食性を評価したところ、第2の添加元素としてTi,Z
r,Hf,Ta,Nbの少なくとも1種を添加したもの
は、その他の合金に比べ2倍以上高い耐食性を示した。
特に試料No.201〜206,210〜215,22及
び223に示した4元合金の場合には出力半減記録密度
が40kFCI以上と最も高く、オーバライト特性,耐
食性ともに特に良好な特性を示し、これらの中で最も好
ましかった。これ等4元合金の場合には、0.6Nの塩
酸と、0.07Nの硫酸の1対1濃液等で磁性膜をエッ
チングして組成の偏析調べると3元合金に比べて結晶粒
内での偏析が著しかった。非磁性金属下地層として、C
rの替りにMo,W,V,Nb,Ta,Cr−Ti,C
r−W,Cr−Mo,Cr−Si,Cr−Pt,Mo−
Ti,W−V,V−Si,Nb−Cr,Ta−Cr合金
を用いても同様の結果が得られた。特にCr−20at
%Ti,Cr−20at%Si,Cr−1at%Pt,
Mo−20at%Ti下地膜を用いた場合には最も高い
S/Nが得られた。いずれの下地層の場合にもCoと下
地層成分元素との金属間化合物は含まれていなかった。
【0041】実施例3.外径130mm,内径40mm,厚
さ1.9mm のマグネシウムを4%含むアルミニウム合金
ディスク基板の両面に厚み20μmのNi−12wt%
Pメッキを施した後、さらに円周方向に微細な凹凸を有
しその中心線平均面粗さが5nmになるように研磨して
膜厚を15μmとした。この基板を洗浄後、RFマグネ
トロンスパッタ装置を用い、初期排気を2×10-6Torr
まで行った後、成膜時の放電雰囲気ガスとして0.5vol
%の酸素を含むArを、放電ガス圧力15mTorr,投入
電力1.6W/cm2,基板温度を100℃として下地層,
磁性層,保護層を連続して形成し、面内磁気記録媒体と
した。非磁性金属下地層には、Crを用い、磁性層には
6at%の酸素を含有するCo−8at%Cr−3at
%Ta−13at%Pt合金を、保護膜にはカーボンを用
いた。また、保護膜の上にさらにパーフルオロアルキル
ポリエーテル等の潤滑層を設けても良い。
【0042】非磁性金属下地層としてのCr膜厚を50
0nmと一定にして、上記6at%の酸素を含有する磁
性層Co−8at%Cr−3at%Ta−13at%P
t合金の膜厚を10〜90nmまで変化させたところ、
表3のような静磁気特性が得られた。上記Cr膜厚を1
00,150,200,300,400,600,70
0nmとしても同様の結果が得られた。しかし、Cr膜
厚を100nmとした場合には、球面摺動強度が500
0回以下で、150nm以上の場合の1/4以下と極め
て低く劣っていた。また、Cr膜厚を700nmとした
場合には、磁気ディスク駆動時におけるヘッドの浮上量
を0.25μm 以下にはつめられず好ましくなかった。
これに対してCr膜厚を600nm以下とした場合に
は、浮上量は0.1μm までつめられ、信頼性も格段に
向上した。このように、下地層としてのCrの膜厚は、
実用上150〜600nmが優れている。
【0043】
【表4】
【0044】実施例4.面内磁気記録媒体形成装置とし
てロードロック式のDCマグネトロンスパッタ装置を用
い、初期排気を1×10-6Torrまで行った後、成膜時の
放電ガスを0.05vol% の酸素を含むAr,放電ガス
圧力を10mTorr,投入電力を1.6〜4.8W/cm2
基板温度を200℃として膜厚400nmのCr下地
層,膜厚50nmで表4に示す組成の磁性層を連続して
成形後、放電ガス圧力を3mTorrとして保護膜を形成し
た他は前記実施例3と同様に形成した。
【0045】その結果、いずれの試料も前記実施例3と
同様に面内保磁力Hcは1500Oe以上であった。面内
保磁力Hc1500Oe以上のものは、出力半減記録密
度が35kFCI以上となり、またこれらの媒体の出力
ノイズ比(S/N)は、Co−Ni合金を用いた従来の媒
体のS/Nに比べ2割程度高かった。特に試料No.41
7〜421の磁気ディスクはオーバライト特性が特に良
好で、しかもトラック幅方向の漏れ記録もしくは消去物
率が最も高く、最も良好な位置ずれマージンが得られ
た。磁気ディスクを0.6Nの塩酸と0.07Nの硝酸で
エッチングして偏析組成を透過電顕(TEM),SEM
等で評価すると、試料No.417〜421,401及び
415の磁気ディスクが他の磁気ディスクに比べて結晶
粒界及び結晶粒内での偏析が著しかった。ここで0.0
01mol/lのNaNO3,0.01 mol/lのNaCl
を含む塩水を噴霧して耐食性を評価したところ、第2の
添加元素としてTi,Zr,Hf,Ta,V,Nbを添
加したものは、その他の例えばCr,Mo,W,Ga,
Si等を添加した合金に比べ2倍以上高い耐食性を示し
た。非磁性金属下地層として、Crの替りにMo,W,
V,Nb,Ta,Cr−Ti,Cr−W,Cr−Mo,
Mo−Ti,W−V,V−Si,Nb−Cr,Ta−C
r合金を用いても同様の結果が得られた。なお、これら
磁性層及び非磁性下地層中に含有する酸素量は、いずれ
も0.5at% であった。
【0046】
【表5】
【0047】実施例5.面内磁気記録媒体形成装置とし
てロードロック式のDCマグネトロンスパッタ装置を用
い、初期排気を1×10-6Torrまで行った後、成膜時の
放電ガスを0.05vol%の酸素を含むAr,放電ガス圧
力を10mTorr,投入電力を1.6〜4.8W/cm2,基
板温度250℃として膜厚400nmのCr−20at
%Ti下地層,膜厚50nmで表5に示す組成の磁性層
を連続して形成後、放電ガス圧力を3mTorrとして保護
膜を形成した他は実施例3と同様に形成した。
【0048】その結果、いずれの試料も面内保磁力Hc
が1200Oe以上であった。特に、これら試料の面内
保磁力Hcを1200Oe以上とした場合には、出力半
減記録密度が33kFCI以上となり、またこれらの媒
体の出力ノイズ比(S/N)はCo−Ni合金やCo−
Cr合金を用いた従来の媒体のS/Nに比べ15%程度
高かった。なお、これら磁性層及び下地層中に含有する
酸素量はい、いずれも0.2at% であった。また、い
ずれの試料においても結晶粒界,結晶粒内での偏析が認
められた。
【0049】実施例6.実施例1〜5の磁気ディスク媒
体を1〜9枚組み込み、磁気コアの一部に膜厚2μmの
Fe−Al−Si−Ruもしくは膜厚20μmのCo−
Nb−Zrを用いたメタルインギャップ型もしくは薄膜
型磁気ヘッドを組み合わせて磁気ディスク装置としたと
ころ、コーティング等の従来型塗布媒体やCo−Ni合
金連続媒体等を用いて構成した磁気ディスク装置に比べ
1.5 倍以の大容量化ができ従来装置に比べ2倍以上耐
摺動性,耐食性等の信頼性に優れた装置を得ることがで
きた。
【0050】実施例7.図10(a)および図10
(b)に各々その平面構成図および前面図が示されてい
る磁気媒体21と、これを回転駆動する駆動部21と、
磁気ヘッド22及びその駆動手段24と、磁気ヘッドの
記録再生信号処理手段25とを有して成る周知の磁気記
憶装置において、前記磁気記録媒体を上記実施例1〜5
の記録媒体で構成するとともに、前記磁気ヘッドの磁極
をNi−Fe,Co−Ta−Zr等で構成した薄膜磁気
ヘッドを用いて装置化した。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高密度での記録再生が
可能で、しかも耐食性,浮上性,耐摺動信頼性に優れた
磁気記録媒体および大容量磁気記憶装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す磁気記録媒体の縦断面
図。
【図2】本発明の一実施例を示す磁性層に含有されてい
るPt量と面内保磁力Hcとの関係を示す特性曲線図。
【図3】本発明の一実施例を示す磁性層に含有されてい
るCr量と面内保磁力Hcとの関係を示す特性曲線図。
【図4】本発明の一実施例を示す下地層膜厚と保磁力角
形比及び面内保磁力との関係を示す特性曲線図。
【図5】同じくPt量とS/N比との関係を示す図。
【図6】面内保磁力と再生出力の関係を示す特性曲線
図。
【図7】面内保磁力角形比S*とノイズとの関係を示し
た特性曲線図。
【図8】本発明の実施例となるCo−Cr−Pt系4元
磁性合金層の耐食性を示す特性曲線図。
【図9】(a)及び(b)は各々本発明の一実施例の磁
気記録媒体のX線回降線パターンと結晶配向性を示す
図。
【図10】(a)は本発明の一実施例の磁気ディスク装
置の平面模式図、(b)は(a)のA−A′断面図。
【図11】本発明の一実施例の磁気記録媒体の下地層組
成と面内保磁力Hcとの関係を示す図。
【図12】本発明の一実施例の磁気記録媒体の磁性層に
含有されている酸素量と面内保磁力Hcとの関係を示す
図である。
【符号の説明】
11…非磁性基板、12,12′…非磁性下地層、1
3,13′…磁性層、14,14′…保護層、21…磁
気記録媒体、22…磁気記録媒体駆動部、23…磁気ヘ
ッド、24…磁気ヘッド駆動部、25…記録再生信号処
理系。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 徒之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 屋久 四男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松田 好文 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 積田 則和 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 大浦 正樹 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 白倉 高明 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 重 則幸 神奈川県小田原市国府津2880番地株式会 社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−76111(JP,A) 特開 平3−76018(JP,A) 特開 昭61−246914(JP,A) 特開 昭61−253622(JP,A) 特開 昭61−194625(JP,A) 特開 昭63−148411(JP,A) 特開 昭63−255813(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/66 G11B 5/85

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に形成されたCr,Mo,
    W,V,Nb及びTaから成る群から選ばれた少なくと
    も1種の金属元素を含む非磁性金属下地層を介して、P
    t及びIrから成る群から選ばれた少なくとも1種の第
    1の添加元素を1〜35原子%と、Ti,Zr,Hf,
    V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ge及びSiから成
    る群から選ばれた少なくとも1種の第2の添加元素を1
    〜17原子%(ただしSiについては1〜40原子%)
    と、酸素を0.1 〜10原子%含み、かつ上記第1の添
    加元類,第2の添加元素及び酸素を総量で2.2 〜50
    原子%含み、残部Coから成るCo基合金磁性層を形成
    して成る面内磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記第2の添加元素がCr,Mo,W,G
    e及びSiから成るA群から選ばれた少なくとも1種
    と、Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaから成るB群
    から選ばれた少なくとも1種とから成る請求項1記載の
    面内磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】上記第2の添加元素がCr,Mo,W,G
    e及びSiから成るA群から選ばれた少なくとも1種か
    ら成る請求項1記載の面内磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】上記非磁性金属下地層が上記Cr,Mo,
    W,V,Nb及びTaから成る群から選ばれた少なくと
    も1種の金属元素の他に、Ti,Si,Ge,Cu,P
    t,Rh,Ru,Re,Pd及び酸素から成る群から選
    ばれた少なくとも1種の元素を含有して成る請求項1記
    載の面内磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】上記第1の添加元素はPtであり、上記第
    2の添加元素はGrとSiである請求項1もしくは4項
    記載の面内磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】上記Co基合金磁性層の面内保磁力が少な
    くとも1200Oe,保磁力角形比S*が0.85 以下
    である請求項1,2,3,4もしくは5記載の面内磁気
    録媒体。
  7. 【請求項7】上記下地層の膜厚が150〜800nmで
    ある請求項1,2,3,4もしくは5記載の面内磁気録
    媒体。
  8. 【請求項8】非磁性基板上に物理蒸着法によりCr,M
    o,W,V,Nb及びTaから成る群から選ばれた少な
    くとも1種の金属元素を含む非磁性金属下地層を形成す
    る工程、Pt及びIrから成る群から選ばれた少なくと
    も1種の第1の添加元素を1〜35原子%と、Ti,Z
    r,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ge及び
    Siから成る群から選ばれた少なくとも1種の第2の添
    加元素を1〜17原子%(ただしSiについては1〜4
    0原子%)と、酸素を0.1 〜10原子%含み、かつ上
    記第1の添加元素,第2の添加元素及び酸素を総量で
    2.2 〜50原子%含むCo基合金磁性層を、微量の酸
    素ガス含有雰囲気低下で、上記第1の添加元素及び第2
    の添加元素を含むターゲットを用いてスパッタリング法
    により形成する工程を有して成る面内磁気記録媒体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】上記第2の添加元素をCr,Mo,W,G
    e及びSiから成るA群から選ばれた少なくとも1種
    と、Ti,Zr,Hf,V,Nb及びTaから成るB群
    から選ばれた少なくとも1種との2群系で構成して成る
    請求項8記載の面内磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】上記第2の添加元素をCr,Mo,W,
    Ge及びSiから成るA群から選ばれた少なくとも1種
    で構成して成る請求項8記載の面内磁気記録媒体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】上記非磁性金属下地層形成工程の前に、
    予め上記非磁性基板上に非磁性メッキ膜下地層を形成す
    る工程と上記Co基合金磁性層形成工程後にカーボン含
    有保護膜を形成する工程を有して成る請求項8記載の面
    内磁気記録媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】上記非磁性メッキ膜下地層を形成する工
    程はNi−P無電解メッキを施す工程である請求項11
    記載の面内磁気記録媒体の製造方法。
  13. 【請求項13】磁気記録媒体と、これを回転駆動する駆
    動部と、金属磁性材の磁極を有する磁気ヘッド及びその
    駆動手段と、磁気ヘッドの記録再生信号処理手段とを有
    して成る磁気記憶装置において、前記磁気記録媒体を請
    求項1,2,3,4,5,6もしくは7記載の面内磁気
    記録媒体で構成して成る磁気記憶装置。
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