JP2937048B2 - ド ア - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，鏡板の間に芯材を介設
したドアに関する。

【０００２】

【従来技術】従来，内装用のドアは軽量化を図るため，
一般的にフラッシュドアが用いられている。図６，図７
に示すごとく，上記フラッシュドア９は枠体部９１と該
枠体部９１の内側部に配設した鏡板９３とよりなる。上
記鏡板９３は，表板９３５と裏板９３６と，両者の間に
介設した芯材９０とを有する。上記芯材９０は上記表板
９３５及び裏板９３６と略同じ面積を有している。な
お，符号９８は下地材，９４は接続片，９２は額縁部で
ある。上記芯材９０としてはハニカムコアを用いる。上
記ハニカムコアは，図８に示すごとく，厚紙等を蜂の巣
状に構成したものである。

【０００３】上記フラッシュドア９においては，構造強
度を高めるために，上記表板９３５及び裏板９３６との
間の全面に対して芯材９０が強固に接着され，三者が一
体化されている。また，上記芯材９０は，ハニカムコア
における空洞方向（図８の矢印９００）が，表板９３５
及び裏板９３６の方向に直行するように配置されてい
る。即ち，ハニカムコアの骨格全体が表板９３５及び裏
板９３６に対し，直行している。これにより，上記フラ
ッシュドア９は鏡板部９３における剛性に優れている。

【０００４】

【解決しようとする課題】しかしながら，上記フラッシ
ュドア９においては，上記芯材９０によって，表板９３
５及び裏板９３６の相対的な位置が強固に固定されてい
る。このため，長期間の使用において，湿気等により表
板９３５と裏板９３６とが各々伸縮変形した場合には，
フラッシュドア９全体に反り，ねじれ等の変形が生じる
おそれがある。特にフラッシュドア９の長手方向は，巾
方向よりも寸法の変化量が大きく，反り，ねじれ等によ
る変形が大きくなる。

【０００５】本発明は，かかる問題点に鑑み，反り，ね
じれ等の変形が少なく，高強度，軽量のドアを提供しよ
うとするものである。

【０００６】

【課題の解決手段】本発明は，枠体部と該枠体部に配設
した鏡板とよりなると共に，上記鏡板は表板と裏板と両
者の間に介設した芯材とを有するドアにおいて，上記芯
材は波状板と平状板とを交互に積層したダンボール体よ
りなり，かつ該ダンボール体は，上記鏡板における表板
と裏板との間において複数箇所に配設されており，また
そのその積層方向を上記表板及び裏板と平行に配置する
と共に上記表板及び裏板と接着されていることを特徴と
するドアにある。

【０００７】本発明において最も注目すべきことは，上
記芯材は波状板と平状板とを交互に積層したダンボール
体よりなり，かつ該ダンボール体は複数箇所に配設する
と共にその積層方向を上記表板及び裏板と平行に配置す
ることである。なお，上記ダンボール体における，波状
板，平状板はそれぞれ紙，プラスチック等よりなる。

【０００８】次に，上記ダンボール体は，上記鏡板にお
ける表板と裏板との間において，複数箇所に配設されて
いる。この場合には，各ダンボール体が独立して配置さ
れていることとなる（図３参照）。よって，表板及び裏
板各部における僅かな動きに追随してダンボール体が動
くことにより，表板及び裏板の動きを吸収することがで
きる。従って，ドアの反り，ゆがみ等の変形を一層効果
的に防止することができる。

【０００９】更に，上記ダンボール体は，ドアの縦方向
（長手方向）にそって複数箇所に配設されていることが
好ましい。これにより，ドアの長手方向における反り，
変形を効果的に防止することができる。また，上記ダン
ボール体を配設するに当たっては，例えば鏡板の中央部
に一本設ける，もしくは二本を鏡板の端側に設けること
ができる。

【００１０】上記鏡板における表板及び裏板の端部は，
枠体部に設けた差込み溝に嵌合する嵌合突部を有するこ
とが好ましい（図５参照）。即ち，上記枠体部にはその
内縁部分に差込み溝を設ける。一方，鏡板は，例えば，
本体部と該本体部の外周部に一体的に設けた額縁部とよ
りなり，該額縁部の端部に上記嵌合突部を設ける。そし
て，上記差込み溝に上記嵌合突部を差込むことにより，
上記鏡板と枠体部とを固定する。

【００１１】これにより，鏡板と枠体部との間の納まり
がよく，鏡板と枠体部との間における隙間の発生を防止
することができる。また，鏡板と額縁部とが一体である
ため，その分組付け作業が簡略化できる。また，鏡板の
外周に額縁部が一体的に形成され，かつその先端に上記
嵌合突部が設けられているため，該鏡板の外周部におけ
る剛性が向上する。

【００１２】

【作用及び効果】本発明のドアにおいては，芯材はダン
ボール体よりなリ，かつ上記芯材はダンボール体の波状
板及び平状板の積層面方向に対して配置してある。よっ
て，上記ダンボール体における波状板が緩衝材となり，
表板及び裏板におけるそれぞれの面方向，更には厚み方
向の伸縮変形を吸収することができる。そのため，上記
表板及び裏板は各々独立した状態で自在に伸縮変形がで
きる。従って，上記ドアにおける反り，ねじれ等の変形
を防止できる。

【００１３】また，上記芯材は積層されたダンボール体
よりなるため，表板及び裏板から加えられる荷重に対す
る十分な強度保持が可能である。従って，芯材の使用箇
所，使用量を少なくすることができ，ドアを軽量化する
ことができる。

【００１４】上記のごとく，本発明によれば，反り，ね
じれ等の変形が少なく，高強度，軽量のドアを提供する
ことができる。

【００１５】

【実施例】

実施例１ 本発明の実施例にかかるドアにつき，図１〜図４を用い
て説明する。 図１，図４に示すごとく，本例のドア１
は，枠体部２と該枠体部２に配設した鏡板３とよりなる
と共に，上記鏡板３は表板３５と裏板３６と両者の間に
介設した芯材としてのダンボール体１０とを有する。図
１〜図３に示すごとく，上記ダンボール体１０は波状板
１２と平状板１１とを交互に積層してなり，かつ該ダン
ボール体１０はその積層方向を上記表板３５及び裏板３
６と平行に配置すると共に上記表板３５及び裏板３６と
接着されて一体化されている。

【００１６】図３に示すごとく，上記ダンボール体１０
は，上記表板３５と裏板３６との間において，ドア１の
縦方向（長手方向）にそって４ヶ所配設されている。ま
た，ドア１の横方向には，同様に芯材としてのダンボー
ル体１００が４ヶ所に配設されている。

【００１７】また，上記枠体部２は，枠状の下地材２８
よりなり，該下地材２８に上記表板２５，裏板２６が接
着剤等により固定されている。なお，ドアの左右両側の
中央部分には，枠体部２の下地材２８に対して，ドアハ
ンドルの取付固定部分を強化するために補強板２８１が
固定されている。そして，上記鏡板３の外周部分及び中
央部分には額縁部３１が設けてある。

【００１８】次に，本例における作用効果につき説明す
る。上記ドア１においては，芯材としてダンボール体１
０を用い，該ダンボール体１０は波状板１２及び平状板
１１の積層面方向に対して配置してある。よって，上記
波状板１２が緩衝材となり，表板３５及び裏板３６にお
けるそれぞれの面方向，更には厚み方向の伸縮変形を吸
収することができる。そのため，上記表板３５及び裏板
３６は各々独立した状態で自在に伸縮変形ができる。従
って，上記ドア１における反り，ねじれ等の変形を防止
できる。

【００１９】また，上記ダンボール体１０，１００は，
表板３５及び裏板３６から加えられる荷重に対して，十
分な強度保持が可能である。従って，芯材の使用箇所，
使用量を少なくすることができ，ドア１の軽量化を図る
ことができる。

【００２０】また，上記ダンボール体１０，１００は，
それぞれが独立し，複数箇所に配置されている。よっ
て，表板３５及び裏板３６各部における僅かな動きに対
して，ダンボール体１０，１００が自由に動き，これら
の動きを吸収することができる。従って，ドア１の反
り，ゆがみ等の変形を一層効果的に防止することができ
る。

【００２１】従って，本例によれば，反り，ねじれ等の
変形が少なく，高強度，軽量のドアを提供することがで
きる。

【００２２】実施例２ 図５に示すごとく，本例のドア１９は，鏡板３における
表板３５及び裏板３６の端部に，枠体部２に設けた差込
み溝２１に嵌合するための，嵌合突部３２を設けたもの
である。上記枠体部２は，図５に示すごとく，その内縁
部分２０の両側に差込み溝２１を有する。一方，鏡板３
は，本体部３３と，該本体部３３の外周部に額縁部３１
を一体的に有すると共に該額縁部３１の先端部分には鏡
板３の裏面側に突出し，上記差込み溝２１に嵌合するた
めの嵌合突部３２を設けてなる。

【００２３】また，上記差込み溝２１に上記鏡板３の嵌
合突部３２を差込むと共に上記鏡板３と枠体部２とを接
着剤３１５により固定してなる。なお，図５において，
符号２７，３７は後述する化粧板等により形成された空
洞部である。

【００２４】上記枠体部２は下地材２９，２９１と，そ
の両面に配設した化粧板２５１，２６１とよりなる。上
記差込み溝２１は，化粧板２５１，２６１に設けた貫通
溝と下地材２９に設けた溝とによって構成されている。
なお，上記化粧板２５１は枠体部２の表面を構成する表
板であり，化粧板２６１はその裏面を構成する裏板であ
る。

【００２５】上記鏡板３はドアの表面側に配置される表
板３５と，裏面側に配置される裏板３６とがあり，その
間にダンボール体１０が配設されている。また，鏡板３
の上記額縁部３１よりも内周側には，裏面側（ドアの内
側方向）へ弧状に凹んだ伸縮可能なリブ凹部３１０を有
している。そして，上記リブ凹部３１０よりも外周にお
いて，額縁部３１と枠体部２の下地材２９とが接着剤３
１５により固定してある。また，上記鏡板３は，厚み２
０ｍｍの木質繊維マットを厚さ３ｍｍに圧縮成形するこ
とにより作製したものである。その他は，実施例１と同
様である。

【００２６】本例のドア１９は，上記枠体部２の差込み
溝２１に，上記鏡板３の嵌合突部３２を嵌合しているの
で，鏡板３と枠体部２との間の納まりがよく，両者間に
おける隙間の発生を防止することができる。また，鏡板
３と額縁部３１とが一体であるため，その分枠体部２へ
の組付け作業が簡略化できる。

【００２７】また，鏡板３の外周部に，額縁部３１が一
体形成され，更にこの額縁部３１の先端に嵌合突部３２
が形成されているため，該鏡板３の外周部における剛性
が向上する。また，上記リブ凹部３１０は，枠体部２に
は固定されずに自由状態にあるため，湿気による鏡板３
の伸縮を変形吸収することができる。よって，ダンボー
ル体１０の介設による効果と共に，鏡板３の反り，更に
はドア１９の反りを一層防止することができる。

【００２８】従って，本例によれば，枠体部と鏡板との
接触部分に隙間の発生がなく，枠体部への鏡板の組付け
が容易で，かつ鏡板の外周部の剛性に優れたドアを提供
することができる。その他，実施例１と同様の作用効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１における，ドアの縦断面図。

【図２】実施例１における，ダンボール体の斜視図。

【図３】実施例１における，ドアの内部説明図。

【図４】実施例１における，ドアの正面図。

【図５】実施例２における，ドアの要部断面図。

【図６】従来例における，ドアの正面図。

【図７】従来例における，ドアの断面図。

【図８】従来例における，芯材の要部説明図。

【符号の説明】

１，１９，９．．．ドア， １０，１００．．．ダンボール体， ２．．．枠体部， ３．．．鏡板， ３５．．．表板， ３６．．．裏板，

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体部と該枠体部に配設した鏡板とより
   なると共に，上記鏡板は表板と裏板と両者の間に介設し
   た芯材とを有するドアにおいて， 上記芯材は波状板と平状板とを交互に積層したダンボー
   ル体よりなり， かつ該ダンボール体は，上記鏡板における表板と裏板と
   の間において複数箇所に配設されており，またそのその
   積層方向を上記表板及び裏板と平行に配置すると共に上
   記表板及び裏板と接着されていることを特徴とするド
   ア。
2. 【請求項２】 請求項１において，上記ダンボール体
   は，ドアの縦方向にそって複数箇所に配設されているこ
   とを特徴とするドア。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２のいずれか一項に
   おいて，上記鏡板における表板及び裏板の端部は，枠体
   部に設けた差込み溝に嵌合する嵌合突部を有することを
   特徴とするドア。