JP2937003B2 - 産業機械の安全装置 - Google Patents

産業機械の安全装置

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JP2937003B2
JP2937003B2 JP6542594A JP6542594A JP2937003B2 JP 2937003 B2 JP2937003 B2 JP 2937003B2 JP 6542594 A JP6542594 A JP 6542594A JP 6542594 A JP6542594 A JP 6542594A JP 2937003 B2 JP2937003 B2 JP 2937003B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベル等のよう
に、下部走行体に上部旋回体を旋回可能に装着してなる
産業機械において、その後進時及び旋回時における安全
を確保するための安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業機械の一例としての油圧ショベル
は、図4に示した構成となっている。図中において、1
は左右一対からなるクローラ式の下部走行体であって、
この下部走行体1の車体フレームには旋回輪2が設けら
れ、この旋回輪2に上部旋回体3が旋回可能に装着され
ており、この下部走行体1と上部旋回体3とにより車両
本体が構成される。上部旋回体3にはオペレータが搭乗
して操作を行うための運転室4が設けられており、また
この上部旋回体3の前方部にはブーム5,アーム6及び
バケット7からなるフロント作業機構が装着されてい
る。
【0003】下部走行体1の走行及び上部旋回体3の旋
回は、それぞれ走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ
(共に図示せず)により行われ、またフロント作業機構
を構成するブーム5はブームシリンダ5aにより、アー
ム6はアームシリンダ6aで、さらにはバケット7はバ
ケットシリンダ7aにより駆動される。これら各油圧ア
クチュエータの作動は、運転室4に設けた操作レバーに
より制御されるようになっている。そして、フロント作
業機構の動作時、特に前方に伸ばした状態で土砂の掘削
作業を行う際等において、車両本体の安定を図るため
に、上部旋回体3の最後部位置にはカウンタウエイト8
が装着されている。
【0004】作業現場においては、油圧ショベルの周囲
で作業者が作業を行っていることがあり、また構築物そ
の他の障害物がある場所等でも油圧ショベルによる作業
が行われる。通常、油圧ショベルその他の産業機械にあ
っては、運転室から前方の視野は確保されるが、後方視
野は得にくく、またオペレータの姿勢等によっては、後
方に死角となる部位が生じることもある。従って、車両
を後進させたり、また上部旋回体を旋回させる際の安全
確保をオペレータの目視による後方の確認のみに委ねる
と、後進方向や旋回半径内に作業者等が入っていたり、
構築物等が配置されていることを見過ごしたまま車両を
作動させるおそれがあり、極めて危険な事態に至ること
がある。このために、この種の機械においては、通常、
その作動時における安全確保を図るための機構を備える
ようにしている。
【0005】安全機構の代表的なものとしては、超音波
検知手段が従来から知られている。車両側から超音波パ
ルスを周囲に向けて送り、その反射エコーを受けて、周
囲に作業者や障害物等が存在しているか否かの検知を行
い、危険な状況になっていると、車両に搭乗しているオ
ペレータに警報を出したり、または車両を停止させたり
するようにしたものである。特に、作業者に対する安全
の確保を図るために、例えば作業者が着用するヘルメッ
トに超音波受信器と電波送信器とを装着し、車両側から
超音波信号を所定時間毎に送信して、作業者が着用して
いる超音波受信器で超音波信号を受信すると、電波送信
器から車両側に電波を送信するようになし、超音波信号
の発信から電波の受信までの時間を計測することによっ
て、車両と作業者との距離を測定し、危険な程度にまで
作業者が近付くと、警報を発生させるなり、車両を停止
させるなりの措置を採るように構成したトランスポンダ
式の安全機構も用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した安全機構は、
それなりに有効であり、その活用により安全性は向上す
る。ただし、これらの安全機構には固有の問題点があ
る。即ち、機械が作動する周囲には、雑音が発生してお
り、この雑音により誤動作を起こすおそれがある等とい
った問題点がある。しかも、検出領域が狭いことから、
広い範囲をカバーするには、多数のセンサを配置しなけ
ればならず、構成が複雑になるだけでなく、故障の発生
頻度も高い等といった問題点がある。これらに加えて、
トランスポンダ式の安全装置にあっては、所定のヘルメ
ットを着用した作業者に対してのみ有効で、それ以外に
おける安全の確保を図ることができない。
【0007】車両の後進及び上部旋回体の旋回といった
動作を行う際に、周囲にいる作業者等に対して警報する
ことは、安全確保にとって意義がある。このために、音
声等により作業者等の聴覚に訴えることも可能である
が、騒音が激しい作業現場、例えばトンネル等の閉鎖空
間その他、反響音も大きい作業現場では、必ずしも正確
に作業者等に報知できないことがある。
【0008】テレビジョンカメラとモニタ装置とを車両
に搭載し、運転室のオペレータの視野における死角とな
る部位にテレビジョンカメラを設置し、モニタ装置を運
転室に設けて、このような死角となる部位の映像をモニ
タ装置に表示させることも考えられる。ただし、常時モ
ニタ装置に映像を表示することは、オペレータの注意が
散漫になり、かえって煩わしいものとなることがある。
しかも、夜間や雨,霧等によって十分な視界が得られな
い状況もあり、テレビジョンカメラで鮮明な映像が得ら
れないことも多い。従って、単純にテレビジョンカメラ
でオペレータの死角となる部位をモニタリングするだけ
では、安全確保の点から最善であるとは言えない。特
に、テレビジョンカメラで後方を撮影することが最も要
求されるのは視界が悪い場合であり、このように最も必
要な場合に鮮明な映像が得られないとすれば、テレビジ
ョンカメラを設けたとしても、安全確保の点からはあま
り意義がないことになる。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、テレビジョンカメラ
とモニタ装置とを用いて、より有効に安全の確保を図る
ことができる産業機械の安全装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、下部走行体と上部旋回体とからな
り、上部旋回体には運転室を設けた車両本体の後進及び
上部旋回体の旋回を検出する後進・旋回検出手段と、前
運転室より後部側に設けたフラッシュ発光する照明手
段及びテレビジョンカメラと、前記運転室に設けたモニ
タ装置と、車両本体の後進または上部旋回体の旋回を行
う際に、後進・旋回検出手段によりそれを検出して、所
定の時間間隔毎に照明手段によるフラッシュ発光を行わ
せると共に、テレビジョンカメラにより上部旋回体の
転室より後方の部位の撮影を行って、その画像をモニタ
装置に表示させる制御手段とを備える構成としたことを
その特徴とするものである。
【0011】
【作用】産業機械として、例えば油圧ショベルは、車高
が高く、上部旋回体の後部側には機械室カバーがあり、
さらに最後部位置にカウンタウエイトが搭載されている
こと等から、運転室内ではオペレータは前方視野は良好
に得られるが、車両の後方の視野が得にくく、また死角
となる部位が生じることがある。しかも、車両は前進及
び後進すると共に、上部旋回体の旋回動作も行われる。
従って、車両の後方に視野を持つことは安全確保の観点
から極めて有効である。このために、テレビジョンカメ
ラを運転室より後部側に設置して、このテレビジョンカ
メラからの映像を運転室に設けたモニタ装置に表示する
ことにより、極めて容易に後方視野を得ることができ
る。
【0012】ところで、後方視野を必要とするのは、車
両が後進する際と、上部旋回体が旋回する際である。そ
れ以外は後方視野は必要ではなく、むしろモニタ装置に
後方の映像を映し出すことは、オペレータの注意が散漫
になる等の点で好ましくはない。そこで、例えば加速度
センサを用いたり、操作レバーの操作を検出したり、ま
た旋回輪の動きや走行用スプロケットの回転を検出する
等によって、後進動作及び旋回動作を検出し、この検出
信号に基づいてモニタ装置に映像を映し出すようにす
る。これによって、必要な場合にのみ後方視野をモニタ
装置から得ることができる。周囲が明るい場合には、テ
レビジョンカメラにより鮮明な映像が得られる。従っ
て、モニタ装置には、テレビジョンカメラから送られて
くる映像信号に基づいて動画状態で表示する。
【0013】一方、テレビジョンカメラで被写体を撮影
するに当って、作業環境や日照の程度、気象条件等によ
っては必ずしも撮影条件が良好であるとは言えない。例
えば、夜間やトンネル内等のように太陽光が得られない
状況下では、たとえ照明灯による照明が行われているに
しても、映像が極めて不鮮明になる。また、雨や霧等、
気象条件によっても映像の鮮明度が左右される。そこ
で、このような外的な要因でテレビジョンカメラの映像
が不鮮明になるのを防止するために、車両側から撮影用
の照明光を照射して、この照明下で撮影を行うことによ
って、モニタ装置には常に鮮明な映像を表示することが
できる。
【0014】ここで、照明手段としては、小型で、しか
も光量を大きくするために、フラッシュ発光を行わせ
る。この場合には、発光していない時にテレビジョンカ
メラで取得した画像は不鮮明なものであるから、動画状
態で表示すると、フラッシュ発光した時に瞬間的にのみ
鮮明に画像が映し出されるが、それ以外ではモニタ装置
に表示されている画像は不鮮明なものとなり、オペレー
タによる観察は実質的に不可能になる。勿論、画像信号
の処理により鮮明な画像となるように補正することも可
能ではあるが、そうすると信号処理回路の構成が極めて
複雑なものとなってしまう。そこで、照明手段のフラッ
シュ発光に連動させて、発光時に得た画像を次の発光時
まで静止画状態でモニタ装置に表示するようになし、次
のフラッシュ発光により画像が得られると、この画像を
表示するように更新し、静止画を順次表示するようにす
る。このために、モード切換手段を設け、まず作動モー
ドと停止モードとに切り換え可能として、必要な場合に
のみテレビジョンカメラの支援による後方視野の確保を
行えるようにした上で、この作動モードを、照明手段と
非連動状態で作動させて動画状態での表示を行える第1
の作動モードと、照明手段の発光に連動させて、モニタ
装置に静止画の順次表示を行う第2の作動モードとに切
り換え可能とするのが好ましい。
【0015】照明をフラッシュ発光とすると、前述した
ように光量を大きくできて、鮮明な映像を得るための照
明としての機能を発揮するだけでなく、作業者に車両が
後進乃至旋回することを認識させて、注意を促すことが
できる。車両の後進や旋回を行う際に、音で警報を発す
る場合と比較して、騒音の激しい状況下で作業を行って
いる場合、特にトンネル内等のように狭くて、複雑な反
響音が発生している場合等にも、車両の後進や旋回の動
作を確実に作業者に認識させることができ、特に夜間や
トンネル内等のように暗い作業現場のように、作業者が
目視により車両の動きを把握しにくい状況下では、フラ
ッシュ発光による閃光が明瞭になり、車両の動きを作業
者等に的確に知らせることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図1に産業機械の一例として、油圧
ショベルの概略構成を示す。なお、この図においては、
フロント作業機構を省略して示す。
【0017】図中において、10は左右一対からなるク
ローラ式の下部走行体であり、この下部走行体10上に
は上部旋回体11が旋回可能に装着されている。上部旋
回体11には、その前方位置に運転室12が設置されて
おり、それより後方位置には、エンジンや油圧ポンプ等
を収容した機械室カバー13が設けられており、さらに
最後部位置にはカウンタウエイト14が搭載されてい
る。
【0018】カウンタウエイト14には、その後部面に
凹部14aが形成されており、この凹部14aにはバン
パ15が、図示しないゴム等からなる緩衝・防振機構を
介して、ボルト16によって着脱可能に装着されるよう
になっている。このバンパ15には、図2に示したよう
に、そのほぼ中央部には段差を持った開口15aが形成
されており、この開口15aには、フラッシュ発光する
照明ランプ20と、CCD等の固体撮像素子を備えたテ
レビジョンカメラ21とを装着した基板22が防振ゴム
23を介してビス止め等の手段で着脱可能に装着されて
いる。そして、基板22にはコネクタ部24が設けられ
ており、このコネクタ部24にはケーブル25のケーブ
ルコネクタ25aが接続されている。従って、このケー
ブル25適宜引き回して、テレビジョンカメラ21及び
照明ランプ20に車両に搭載されているバッテリからの
電源供給を行うと共に、照明ランプ20の発光トリガ信
号が伝送され、またテレビジョンカメラ21からの画像
信号が伝送されるようになっている。なお、17はバン
パ15の開口15aに設けたアクリル板やガラス板等か
らなる透明保護板であり、この透明保護板17によっ
て、テレビジョンカメラ21及び照明ランプ20が装着
されている部位が塵埃その他の異物や雨水等に晒されな
いように保護されている。
【0019】運転室12内には、テレビジョンカメラ2
1で撮影した映像を表示するための液晶ディスプレイ等
を備えたモニタ装置26が設けられており、運転席で車
両の操作を行うオペレータは、このモニタ装置26を目
視することにより後方の確認を行えるようになる。ま
た、この運転室12には、モード切換スイッチ27が設
けられており、このモード切換スイッチ27を操作する
ことによって、照明ランプ20及びテレビジョンカメラ
21による安全装置を作動させる安全装置の作動モード
と停止モードとに切り換えられるようになっており、ま
た作動モードとしては、テレビジョンカメラ21からの
映像が動画状態で表示される第1の作動モードと、照明
ランプ20の点灯毎の画像を静止画状態の順次表示を行
う第2の作動モードとの2つのモードを選択できるよう
になっている。さらに、運転室12には加速度センサ2
8が設けられており、この加速度センサ28は、車両が
実際に後進乃至旋回していることを直接検出できる後進
・旋回検出手段として機能するものであって、モード切
換スイッチ27が第1または第2の作動モードとなって
おり、かつ加速度センサ28で車両の後進及び旋回が検
出された時に、照明ランプ20が発光すると共に、テレ
ビジョンカメラ21により後方の被写体を撮影し、その
映像がモニタ装置26に表示されるようになっている。
【0020】安全装置は、テレビジョンカメラ21及び
照明ランプ20と、モニタ装置26とにより構成される
が、これらの作動を制御するための回路構成を図3に示
す。図中において、30は制御装置であって、この制御
装置30はモード切換スイッチ27が第1,第2の作動
モードとなり、かつ加速度センサ28で車両の後進
が検出された時に、照明ランプ20の点滅制御回路
31に対する点滅動作の制御を行い、またテレビジョン
カメラ21で得た画像信号を処理するプロセッサ32の
作動を制御するようになっている。プロセッサ32は、
テレビジョンカメラ21から送られる信号をデジタル信
号に変換するA/D変換器32aと、この信号を処理す
る周知の画像信号処理回路32bと、この画像信号処理
回路32bから伝送される1フレーム分の画像データを
記憶する画像メモリ32cとを備えている。また、この
画像メモリ32cにはD/A変換器32d及び画像信号
出力回路32eを介してモニタ装置26に接続されてい
る。
【0021】而して、油圧ショベルが作動して、後進さ
せたり、上部旋回体11を旋回させたりすると、加速度
センサ28によって、この車両の後進及び上部旋回体1
1の旋回が検出される。この時に、モード切換スイッチ
27が第1の作動モードとなっていると、加速度センサ
28の検出信号が制御装置30に取り込まれて、この制
御装置30からは所定の時間間隔毎に発光トリガ信号が
点滅制御回路31に入力される。これによって、照明ラ
ンプ20は所定時間毎にフラッシュ発光する。これと共
に、テレビジョンカメラ21及びモニタ装置26が作動
状態になり、テレビカメラ21により上部旋回体11の
後部側の被写体が撮影される。そして、このテレビカメ
ラ21からの画像信号はプロセッサ32に伝送されて、
所定の信号処理が行われて、画像メモリ32cに画像デ
ータが記憶される。そして、この画像メモリ32cから
の出力信号がモニタ装置26に取り込まれて、このモニ
タ装置26にその映像が動画状態で表示される。
【0022】次に、第2の作動モードが選択されると、
モニタ装置26に表示されるのは照明ランプ20の照明
下で得た画像データのみとなる。このために、制御装置
30から点滅制御回路31に入力される発光トリガ信号
に対して、所定の時間、即ちテレビカメラ21における
固体撮像素子がこの照明下で露光され、その信号電荷を
読み出して、プロセッサ32に送り込まれるまでの時間
だけ遅れて、画像メモリ32cに、その記憶内容の更新
信号が入力されて、この記憶内容の書き換えが行われる
ように制御されることになる。従って、照明ランプ20
がフラッシュ発光すると、その時の画像が表示され、こ
の画像の表示は次のフラッシュ発光時まで表示され続け
られて、次のフラッシュ発光が行われると、画像の表示
が切り換わるようになり、従ってモニタ装置26には静
止画の順次表示が行われる。
【0023】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、油圧ショベルは、その運転室12にオペレータ
が搭乗して、操作レバー等を操作することにより、作動
させて、土砂の掘削等の作業が行われる。ここで、運転
室12からの視野は、作業環境や、日照の程度、気象条
件等に左右される。例えば、晴れた日の日中において
は、視界は極めて良好となる。しかしながら、日中であ
っても、雨等のように気象条件が悪かったり、また夜間
やトンネル内等のように、太陽光の得られない状況で、
照明灯による照明下で作業を行う場合には、かなり視界
が悪くなる。
【0024】視界が良好な環境下で作業を行う場合に
は、モード切換スイッチ27により第1の作動モードを
選択する。この状態で、操作レバーの操作によって、車
両を後進させたり、上部旋回体11を旋回させたりする
と、加速度センサ28によって、この後進や旋回が検出
される。そして、この加速度センサ28からの検出信号
は制御装置30に取り込まれて、この制御装置30から
照明ランプ20の点滅制御回路31に所定時間間隔毎に
発光トリガ信号が出力される。これと共に、テレビジョ
ンカメラ21で後方の被写体の撮影が行われ、このテレ
ビジョンカメラ21からの信号に基づいてモニタ装置2
6に上部旋回体11の後方の映像が動画状態で表示され
る。
【0025】従って、オペレータはこのモニタ装置26
を目視すれば、上部旋回体11の後方に障害物や作業者
等があるか否かを確認することができる。後進方向に障
害物がある時には、この障害物に衝突しない位置で車両
を停止させ、また旋回時に、上部旋回体11の旋回半径
内に障害物があれば、車両を前進させて、障害物と衝突
しない状態で旋回を行うように操作できる。また、衝突
する危険性のある範囲内に作業者がいる場合には、車両
を停止させて、作業者を危険範囲の外側に移動させた後
に後進または旋回を行うようにすることができて、後方
の安全が確保される。この場合においては、照明ランプ
20はテレビジョンカメラ21の撮影を行うための照明
光として利用されないが、この照明ランプ20はフラッ
シュ発光するものであるから、このように閃光を発生さ
せることによって、周囲で作業している作業者等に車両
が後進しようとしているか、または旋回しようとしてい
ることを認識させることができる。
【0026】次に、視界が悪い場合には、モード切換ス
イッチ27によって、第2の作動モードに切り換える。
そして、車両が後進したり、上部旋回体11が旋回する
と、加速度センサ28によってそれが検出されて、この
加速度センサ28からの信号が制御装置30に入力され
る。この結果、点滅制御回路31に発光トリガ信号が所
定時間間隔毎に入力されて、この発光トリガ信号に基づ
いて照明ランプ20が間欠的に点灯して、上部旋回体1
1の後方の部位に向けてフラッシュ発光による照明が行
われると共に、テレビジョンカメラ21はこの照明ラン
プ20の照明下で撮影が行われる。ここで、照明ランプ
20の点滅は、安全性を考慮すれば、できるだけ短い時
間間隔毎に行う方が好ましい。しかしながら、消費電力
や照明ランプ20の寿命等も考慮しなければならない。
従って、実用上からは、照明ランプ20の点滅を例えば
1〜2秒間隔程度で行うようにすることができる。
【0027】而して、後方の障害物や作業者等の確認を
正確に行うためには、モニタ装置26には鮮明な画像を
表示する必要があるが、視界が悪いために、照明ランプ
20による照明が行われている時にしか鮮明な画像が得
られず、非発光時の画像は不鮮明である。ただし、照明
ランプ20は間欠的にフラッシュ発光されるものである
から、輝度を高くすることができ、この照明下での画像
はより鮮明になる。そこで、モニタ装置26では、この
照明下で得られる画像のみを表示し、照明光が照射され
ていない間にテレビジョンカメラ21で得られた信号は
画像メモリ32cには取り込まないようになし、次のフ
ラッシュ発光が行われるまでは、画像メモリ32cに記
憶されている鮮明な画像データに基づいて実質的に静止
画状態にして表示される。フラッシュ発光の休止間は後
方の情報が得られないが、このフラッシュ発光の間隔を
ある程度短く設定して、前画像と後画像との間のタイム
ラグを少なくしておけば、ほぼ連続した静止画像が順次
表示されるので、安全確保という面を考慮すれば、格別
支障を来すことはない。
【0028】また、視界が悪いということは、油圧ショ
ベルを操作するオペレータにとってのみならず、周囲で
作業を行っている作業者側から油圧ショベルの動きを判
断するのも困難になる。油圧ショベルは上部旋回体11
の前方にフロント作業機構があるために、通常の状態で
は、このフロント作業機構の作動範囲に作業者が入り込
むことはない。ただし、上部旋回体11の後方側及び側
方位置には作業者が作業等を行っている場合がある。こ
のような作業者等に対しては、油圧ショベルが後進する
際や、上部旋回体11が旋回する際に、フラッシュ発光
させることにより視覚上で極めて強い刺激が与えられる
ことになって、この動作を確実に認識させることができ
て、安全がより確保できるようになる。
【0029】なお、前述した実施例においては、車両の
後進及び上部旋回体の旋回を検出する後進・旋回検出手
段として加速度センサ28を用いるように構成したが、
例えば後進用及び旋回用の操作レバーに、その動きを検
出するセンサを設けるようにしても良く、また下部走行
体におけるスプロケットの回転方向及び旋回輪の回転を
検出するセンサを用いることもできる。また、モード切
換スイッチによって、視界が良好な場合における第1の
作動モードと、視界が悪い場合における第2の作動モー
ドとに切り換えるように構成したが、視界が良好な場合
に、オペレータの目視によって十分に視野が確保できる
ようであれば、第2の作動モードに相当する視界が悪い
時に、照明ランプによるフラッシュ発光による照明下
で、上部旋回体の後方部位をフラッシュ発光させた時に
のみ画像データを取り込んで、モニタ装置に表示するよ
うに構成することもできる。この場合には、モード切換
スイッチは安全装置の作動モードと停止モードとに切り
換えるようになっておれば良い。さらに、第1の作動モ
ードを設ける場合において、この第1の作動モードで作
動させる際には、照明ランプの点灯は行わないようにし
ても良い。さらにまた、この安全装置は、他の安全機
構、例えば超音波検知手段を用いた安全機構と組み合わ
せて用いることができ、そのようにすれば、より安全性
が確保される。また、照明ランプ20及びテレビジョン
カメラ21はカウンタウエイト14に着脱可能に装着さ
れるバンパ15に緩衝・防振機構を介して装着するよう
に構成したが、これによって、照明ランプ20,テレビ
ジョンカメラ21の保護が図られるようになり、またバ
ンパ15を可変重量物として構成すれば、カウンタウエ
イト14の重量調整機能を持たせることができるので好
ましい。ただし、これら照明ランプ20及びテレビジョ
ンカメラ21は、必ずしもバンパ15に装着する必要が
なく、例えば上部旋回体のフレーム等に設けるように構
成しても良い。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、テ
レビジョンカメラとモニタ装置とによって、運転室で操
作するオペレータにとって死角となる後方視野を確保で
きるようになり、かつ作業環境や、日照の程度や気象条
件等によって視界が悪い環境下であっても、照明手段を
フラッシュ発光させることにより、テレビジョンカメラ
で鮮明な画像を撮影でき、この鮮明な画像のみをモニタ
装置に表示できるので、安全確認をより正確に行うこと
ができ、さらにはこのフラッシュ発光により周囲で作業
を行っている作業者等に対して、後進旋回を行う際に
警報を発することができるので、作業者等はこれに基づ
いて、車両の危険な動きを確実に認識できるようになる
等、安全装置としての機能が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の産業機械の一例としての油圧ショベル
の要部構成説明図である。
【図2】安全装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】安全装置の回路構成図である。
【図4】従来技術による産業機械としての油圧ショベル
の外観図である。
【符号の説明】
10 下部走行体 11 上部旋回体 12 運転室 14 カウンタウエイト 15 バンパ 17 透明保護板 20 照明ランプ 21 テレビジョンカメラ 26 モニタ装置 27 モード切換スイッチ 28 加速度センサ 30 制御装置 31 点滅制御回路 32 プロセッサ 32c 画像メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−128987(JP,A) 特開 平5−125748(JP,A) 特開 昭58−60319(JP,A) 実開 平5−71258(JP,U) 実開 平2−18482(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02F 9/24 G08B 5/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体に旋回可能な上部旋回体を装
    着し、この上部旋回体に運転室を設けた車両本体と、こ
    の車両本体に設けた作業機構とからなる産業機械におい
    て、前記車両本体の後進及び上部旋回体の旋回を検出す
    る後進・旋回検出手段と、前記運転室より後部側に設け
    たフラッシュ発光する照明手段及びテレビジョンカメラ
    と、前記運転室に設けたモニタ装置と、車両本体の後進
    または上部旋回体の旋回を行う際に、後進・旋回検出手
    段によりそれを検出して、所定の時間間隔毎に照明手段
    によるフラッシュ発光を行わせると共に、テレビジョン
    カメラにより上部旋回体の運転室より後方の部位の撮影
    を行って、その画像をモニタ装置に表示させる制御手段
    とを備える構成としたことを特徴とする産業機械の安全
    装置。
  2. 【請求項2】 前記照明手段の発光毎に記憶内容が更新
    される画像データの記憶手段を有し、前記テレビジョン
    カメラは前記照明手段の照明下で撮影を行って得た画像
    データをこの記憶手段に記憶させて、この画像データに
    基づいて前記モニタ装置に静止画として表示可能な構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の産業機械の安全
    装置。
  3. 【請求項3】 前記テレビジョンカメラで撮影された画
    像をモニタ装置に動画状態で表示する第1の作動モード
    と、前記照明手段によるフラッシュ発光毎にテレビジョ
    ンカメラにより撮影された画像を静止画をモニタ装置に
    順次表示する第2の作動モードと、作動を停止する停止
    モードとに切り換えるモード切換手段を備える構成とし
    たことを特徴とする請求項1記載の産業機械の安全装
    置。
  4. 【請求項4】 前記照明手段及びテレビジョンカメラ
    は、前記上部旋回体に着脱可能なバンパに装着する構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の産業機械の安全
    装置。
  5. 【請求項5】 前記バンパは前記上部旋回体のカウンタ
    ウエイトに装着する構成としたことを特徴とする請求項
    4記載の産業機械の安全装置。
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