JP2936234B2 - フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイヤ - Google Patents
フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイヤInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ガスシールドアーク溶接用ワイヤの改良に
関するものであり、詳しくは、フェライト地を有する球
状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用い
られるガスシールドアーク溶接用ワイヤに関するもので
ある。
関するものであり、詳しくは、フェライト地を有する球
状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用い
られるガスシールドアーク溶接用ワイヤに関するもので
ある。
(従来の技術) 鋳鉄用被膜アーク溶接棒として、JIS Z 3252に示す様
なDFCNi、DFCCIなどの溶接棒があり、他のステンレス鋼
被膜アーク溶接棒として、JIS Z 3221に示す様なD300
9、D309Mo、D310などの溶接棒がある。
なDFCNi、DFCCIなどの溶接棒があり、他のステンレス鋼
被膜アーク溶接棒として、JIS Z 3221に示す様なD300
9、D309Mo、D310などの溶接棒がある。
(発明が解決しようとする課題) 従来のステンレス鋼被膜アーク溶接棒(例えば、D30
9、D310など)を用いてフェライト地を有する球状黒鉛
鋳鉄(例えば、特公昭54−38968号公報)と、フェライ
ト系ステンレス鋼(例えばSUS430)とをガスシールドア
ーク溶接(例えば、MIG溶接、TIG溶接、プラズマ溶接)
した後、溶接金属および両母材に熱サイクル(例えば、
常温と700℃との間で加熱冷却の繰り返し)を与える
と、溶接金属と母材との熱膨張が異なるため、溶接金属
近傍の該ステンレス鋼部位に止端割れが発生するという
問題点がある。
9、D310など)を用いてフェライト地を有する球状黒鉛
鋳鉄(例えば、特公昭54−38968号公報)と、フェライ
ト系ステンレス鋼(例えばSUS430)とをガスシールドア
ーク溶接(例えば、MIG溶接、TIG溶接、プラズマ溶接)
した後、溶接金属および両母材に熱サイクル(例えば、
常温と700℃との間で加熱冷却の繰り返し)を与える
と、溶接金属と母材との熱膨張が異なるため、溶接金属
近傍の該ステンレス鋼部位に止端割れが発生するという
問題点がある。
そこで、本発明はかかる問題点を回解消するためにな
されたもので、フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフ
ェライト系ステンレス鋼とを溶接した際、該ステンレス
鋼に熱サイクルによる止端割れが発生しにくい溶接ワイ
ヤを提供するものである。
されたもので、フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフ
ェライト系ステンレス鋼とを溶接した際、該ステンレス
鋼に熱サイクルによる止端割れが発生しにくい溶接ワイ
ヤを提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の溶接ワイヤは、重量%で、C:0.15%以下、S
i:1.00%以下、Mn:3.5%以下、P:0.03%以下、S:0.03%
以下、Ni:80%以上、残部がFeからなり、オーステナイ
ト地を有するものである。
i:1.00%以下、Mn:3.5%以下、P:0.03%以下、S:0.03%
以下、Ni:80%以上、残部がFeからなり、オーステナイ
ト地を有するものである。
母材は、フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄およびフ
ェライト系ステンレス鋼であり、該球状黒鉛鋳鉄母材
は、重量%で、C:3.5〜4.2%、Si:3.5〜4.3%、Mn:0.8
%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、Mg:0.03〜0.1
%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト
地を有する球状黒鉛鋳鉄、又はJIS G 5502 FCD40乃至45
のフェライト地の球状黒鉛鋳鉄あるいはフェライト地に
一部パーライトが析出した球状黒鉛鋳鉄から形成され、
他方フェライト系ステンレス鋼母材は、JIS G 4304 SUS
430(熱間圧延フェライト系ステンレス鋼板)乃至該SUS
430系のステンレス鋼板、又はJIS G 4305 SUS430(冷間
圧延フェライト系ステンレス鋼板)乃至該SUS430系のス
テンレス鋼板から形成される。
ェライト系ステンレス鋼であり、該球状黒鉛鋳鉄母材
は、重量%で、C:3.5〜4.2%、Si:3.5〜4.3%、Mn:0.8
%以下、P:0.1%以下、S:0.03%以下、Mg:0.03〜0.1
%、残部がFeおよび不可避的不純物からなるフェライト
地を有する球状黒鉛鋳鉄、又はJIS G 5502 FCD40乃至45
のフェライト地の球状黒鉛鋳鉄あるいはフェライト地に
一部パーライトが析出した球状黒鉛鋳鉄から形成され、
他方フェライト系ステンレス鋼母材は、JIS G 4304 SUS
430(熱間圧延フェライト系ステンレス鋼板)乃至該SUS
430系のステンレス鋼板、又はJIS G 4305 SUS430(冷間
圧延フェライト系ステンレス鋼板)乃至該SUS430系のス
テンレス鋼板から形成される。
ガスシールドアーク溶接は、Ar、Heなどの不活性ガ
ス、又はこれらに少量の活性ガスを加えた雰囲気中で行
なうアーク溶接であり、MIG溶接、TIG溶接、プラズマ溶
接を指す。
ス、又はこれらに少量の活性ガスを加えた雰囲気中で行
なうアーク溶接であり、MIG溶接、TIG溶接、プラズマ溶
接を指す。
次に本発明ワイヤの成分組成の限定理由について説明
する。
する。
C:0.15%以下 Cは強度を高めるが、0.15%をを超えるとワイヤ製造
工程において加工性が劣化するので、0.15%以下とす
る。
工程において加工性が劣化するので、0.15%以下とす
る。
Si:1.00%以下 Siは耐酸化性を向上させると共に溶接金属の湯流れを
良好にする。1%を超えるとワイヤ製造工程において、
加工性が劣化するので、1%以下とする。
良好にする。1%を超えるとワイヤ製造工程において、
加工性が劣化するので、1%以下とする。
Mn:3.5%以下 Mnは脱酸・脱硫剤として添加するが、多すぎると耐食
性、耐酸化性が劣化すると共にワイヤ製造工程における
加工性が劣化するので、2.5%以下とする。
性、耐酸化性が劣化すると共にワイヤ製造工程における
加工性が劣化するので、2.5%以下とする。
P:0.03%以下 Pは不純物としては含有しており溶接高温割れを助長
するために低い方が望ましいが、製鋼上脱リンが難しい
ので、0.03%までを許容上限とする。
するために低い方が望ましいが、製鋼上脱リンが難しい
ので、0.03%までを許容上限とする。
S:0.03%以下 Sは溶接高温割れに特に有害であるため0.03%以下ま
でを許容上限とする。
でを許容上限とする。
Ni:80%以上 Niはオーステナイト生成元素でオーステナイトを安定
させ、耐熱性、高温強さ、クリープ破断強さ、耐酸化性
および耐食性が向上し、80%以上添加すると止端割れが
抑制される。
させ、耐熱性、高温強さ、クリープ破断強さ、耐酸化性
および耐食性が向上し、80%以上添加すると止端割れが
抑制される。
残部 残部はFeおよび不可避不純物である。
(実施例) フェライト系ステンレス鋼管(外径:34mmφ、肉厚:1.
5mm)をフェライト系球状黒鉛鋳鉄管に嵌挿した後、第
1表に示す供試ワイヤを用いてMIG溶接により該両管
(以下、両母材という)を重ねすみ肉溶接して溶接継手
を作製した。第2表に両母材の成分組成を示す。
5mm)をフェライト系球状黒鉛鋳鉄管に嵌挿した後、第
1表に示す供試ワイヤを用いてMIG溶接により該両管
(以下、両母材という)を重ねすみ肉溶接して溶接継手
を作製した。第2表に両母材の成分組成を示す。
次いで、該継手を800℃に保持された電気炉に投入し
7分間保持した後、炉外で空冷(冷却速度:1.9℃/秒)
する熱処理を30回繰り返し、溶接金属近傍の該ステンレ
ス鋼管部位の外径変化率および止端割れの有無(○:割
れなし、×:割れ有り)を調べた。
7分間保持した後、炉外で空冷(冷却速度:1.9℃/秒)
する熱処理を30回繰り返し、溶接金属近傍の該ステンレ
ス鋼管部位の外径変化率および止端割れの有無(○:割
れなし、×:割れ有り)を調べた。
本発明ワイヤを用いて溶接すると、フェライト系ステ
ンレス鋼管母材の直径変化率が小さく、止端割れが発生
しないことがわかる。
ンレス鋼管母材の直径変化率が小さく、止端割れが発生
しないことがわかる。
(発明の効果) 本発明によれば、フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄
とフェライト系ステンレス鋼との溶接に際し、止端割れ
を改善した溶接ワイヤとして好適であり、かつ溶接作業
性にすぐれ、極めて実用価値の高いものである。
とフェライト系ステンレス鋼との溶接に際し、止端割れ
を改善した溶接ワイヤとして好適であり、かつ溶接作業
性にすぐれ、極めて実用価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 35/30 320 Q
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、C:0.15%以下、Si:1.00%以
下、Mn:3.5%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Ni:8
0%以上、残部がFeからなり、オーステナイト地を有す
ることを特徴とするフェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄
とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイ
ヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25200890A JP2936234B2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25200890A JP2936234B2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04135090A JPH04135090A (ja) | 1992-05-08 |
JP2936234B2 true JP2936234B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=17231289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25200890A Expired - Fee Related JP2936234B2 (ja) | 1990-09-25 | 1990-09-25 | フェライト地を有する球状黒鉛鋳鉄とフェライト系ステンレス鋼との溶接に用いる溶接ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2936234B2 (ja) |
-
1990
- 1990-09-25 JP JP25200890A patent/JP2936234B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「溶接便覧」昭41−2−28 丸善 p.692〜693 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04135090A (ja) | 1992-05-08 |
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