JP2936101B2 - デジタルエコーキャンセラ - Google Patents

デジタルエコーキャンセラ

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JP2936101B2 JP63167888A JP16788888A JP2936101B2 JP 2936101 B2 JP2936101 B2 JP 2936101B2 JP 63167888 A JP63167888 A JP 63167888A JP 16788888 A JP16788888 A JP 16788888A JP 2936101 B2 JP2936101 B2 JP 2936101B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、受信入力と受信出力との間の受信通路及び
送信入力と送信出力との間の送信通路を有し、受信入力
に供給される受信入力信号に応じて生ずる送信入力にお
ける付加的エコー信号を相殺するデジタル エコー キ
ャンセラであって、 − 信入力信号に応じてエコー信号の推定である第1レ
プリカ信号を生成するためのプログラム可能フィルタ係
数メモリを有する第1デジタルフィルタと、受信入力信
号に応じてエコー信号の推定である第2レプリカ信号を
生成するためのフィルタ係数メモリを有する適応型の第
2デジタルフィルタであって、さらに送信入力に供給さ
れる信号と第2レプリカ信号との間の差を表わすエラー
信号を形成する手段、並びに受信入力信号及びエラー信
号に応じてフィルタ係数を適応的に修正し、修正された
フィルタ係数を該第2デジタルフィルタのフィルタ係数
メモリに供給する適応化プロセッサを有する第2デジタ
ルフィルタと、 を含むフィルタ結合と、 − 送信入力に供給される信号と、第1レプリカ信号と
の間の差として送信出力信号を形成する手段と、 − 修正されたフィルタ係数を、第1デジタルフィルタ
のプログラム可能フィルタ係数メモリに選択的に供給す
る制御可能ゲート手段と、 − エラー信号及び送信出力信号の各々のレベルをブロ
ック的に決定し、かくして発見されたレベルに応じて、
所定の態様で各レベル間の差に従属するゲート手段用の
制御信号を生成するための制御手段と、 を含むデジタル エコー キャンセラに関するものであ
る。
背景技術 この種構造のデジタル エコー キャンセラに関して
は、アイ・イー・イー・イー・トランザククション・オ
ン・コミュニケーションズ、Vol.COM−25.No.6,1977年
6月、589〜595ページに掲載のケー・オチアイ(k.Ochi
ai)他による論文“エコー キャンセラ ウイズ トゥ
ー エコー パス モデルズ(Echo Canceler with Two
Echo Path Models)”により公知である。
この論文に記載されたエコー キャンセラは、特に、
ダブルトークに起因するエコー キャンセラ調整への妨
害効果を抑制するよう配慮したものである。ダブルトー
クは、送信すべき所望信号とエコー信号とが送信入力に
同時に供給された際生ずるもので、この場合、これらの
信号の重複はエコー信号を相殺するためのエコー キャ
ンセラの調整が、同時に存在する送信すべき信号により
著しく妨害され得る結果を引き起こす。このことは、現
在のエコー信号が最早エコー キャンセラにより形成さ
れるレプリカ(複製)信号によっては充分に相殺されな
いことを意味する。上述の論文においては、ダブルトー
クに起因するエコー キャンセラの可能な誤調整の問題
に対して大まかな解決法を与えている。すなわち、この
解決策では、プログラム可能フィルタ係数メモリを含む
エコー相殺専用の第1デジタルフィルタ、及び関連のフ
ィルタ係数メモリを有する適応型の第2デジタルフィル
タにより形成されたフィルタの組合せを使用している。
これら2つのフィルタは各々エコー信号のレプリカ(複
製)信号を生成し、適応フィルタにより生成されるレプ
リカがプログラム可能フィルタにより生成されるレプリ
カより良好なエコー信号の推定である限り、適応フィル
タのフィルタ係数がプログラム可能フィルタに転送され
るようにする。この場合、ダブルトーク期間中には適応
フィルタの調整が妨害されるので、プログラム可能フィ
ルタへのフィルタ係数の転送は中断されることになる。
かくして、適応フィルタの調整が、ダブルトーク期間中
にエコー キャンセラ専用のプログラム可能フィルタの
動作を妨害することはなくなる。
この既知のデジタル エコー キャンセラは、完全に
時間領域(time−domain)で実現されている。音声伝送
及びデータ伝送の分野における多くの応用においては、
フィルタ係数の適応化のため最少2乗平均(LMS)アル
ゴリズムを用いる適応トランスバーサルフィルタとして
実現した時間領域適応フィルタ(TDAF)を使用してい
る。しかし、例えば音響の分野における応用で見られる
ように、エコー通路のインパルス応答の長さが大きい値
の場合は、トランスバーサルフィルタとして実現したTD
AFは、出力サンプル当りの算術演算(乗算及び加算)に
関して表わされた複雑さが、エコー通路のインパルス応
答を表わす離散時間成分(discrete−time component)
の数に伴って直線的に増加するという欠陥を有する。即
ち、この既知のエコー キャンセラの場合には、N個の
成分の計算に必要な演算の数は、第1レプリカ信号のN
個のサンプルの計算に関してはプログラム可能フィルタ
に対しN2のオーダーの大きさであり、第2レプリカ信号
のN個のサンプル計算に関しては適応フィルタに対しN2
オーダーの大きさであり、また、N個のフィルタ係数に
対する適応化の計算に関してもN2のオーダーの大きさと
なる。さらに、トランスバーサルフィルタとして実現し
たTDAFは音声及び特別な種類のデータのように強力に
(自己)相関された入力信号に対しては、低い収斂速度
を有する。これは、入力信号の相関マトリクスの最大及
び最小固有値間の比が増大するにしたがって収斂速度が
減少することによる。これに関しては、アイ・イー・イ
ー・イー・エー・エス・エス・ピー・マガジン、1984年
4月、30〜38ページに掲載のシー・ダブリュー・ケー・
グリットン(C.W.K.Gritton)及びディー・ダブリュー
・リン(D.W.Lin)による論文“エコー キャンセレー
ション アルゴリズム”、特に32〜33ページの節“エル
・エム・エス(LMS)アルゴリズム”を参照されたい。
発明の概要 本発明の目的は、上述の欠点を除去した前述形式のデ
ジタル エコー キャンセラを提供しようとするもので
ある。
本発明デジタル エコー キャンセラは、 − 前記フィルタ結合内の前記第2デジタルフィルタ
が、N′個の成分のブロック長を有すると共に各ブロッ
クmに対してN′個の周波数領域フィルタ係数W(p;
m)(ただし、p=0,1,2,…,N′−1)を有するような
周波数領域ブロック適応フィルタであり、前記第1デジ
タルフィルタが、N個の時間領域フィルタ係数w(i;
m)(ただし、i=0,1,2,…,N−1であって、N′はN
より大)を有する時間領域プログラム可能デジタルフィ
ルタであり、 − 当該エコー キャンセラが、前記ゲート手段と変換
手段との縦属接続を更に有し、該従属接続の入力側は前
記周波数領域ブロック適応フィルタの出力側に結合され
る一方、該従属接続の出力側は前記第1デジタルフィル
タの入力側に結合され、前記変換手段は前記周波数領域
ブロック適応フィルタから供給される前記周波数領域フ
ィルタ係数W(p;m)を前記第1デジタルフィルタ用の
時間領域フィルタ係数に変換するよう構成されている、 ことを特徴としている。
本発明によるときは、例えば、アイ・イー・イー・イ
ー・トランザクションズ・オン・アコースティックス、
スピーチ・アンド・シグナル・プロセシング,Vol.ASSP
−31,No.5,1983年10月、1073〜1083ページに掲載のジー
・エー・クラーク(G.A.Clark)他による論文“ア ユ
ニファイド アプローチ トゥー タイム アンド フ
リケンシードメイン リアライゼーション オブ エフ
アイアール アダプティブ デジタルフィルタズ”、及
びアイ・イー・イー・イー・トランザクションズ・オン
・アコースティックス、スピーチ・アンド・シグナル・
プロセシング,Vol.ASSP−30,No.5,1982年10月、726〜73
4ページに掲載のディー・マンソール(D.Mansour)他に
よる論文“アンコンストレインド フリケンシー ドメ
イン アダプティブ フィルタ”に記載されているよう
な、既知の周波数領域ブロック適応フィルタの実現例を
使用することが可能である。
本発明により構成したエコー キャンセラは、離散直
交変換(DOT)又は逆離散直交変換(IDOT)を各々実現
するために、高速かつ効率的なアルゴリズムを使用すれ
ば、計算上の複雑さをかなり低減させることができる。
上述の論文に記載されているような広く使用されている
離散フーリエ変換(DFT)に対しては、このような計算
的に効率的なアルゴリズムは高速フーリエ変換(FFT)
として知られている。すなわち、その場合には、N個の
成分(構成要素)を計算するのに必要な演算の数の大き
さの程度は、次のように与えることができる。すなわ
ち、時間領域プログラム可能第1デジタルフィルタに対
しては第1レプリカ信号の計算に関してN2程度の大きさ
であり、周波数領域ブロック適応第2デジタルフィルタ
に対しては、N′個の周波数領域フィルタ係数に対する
適応化の計算に関してN′logN′程度の大きさであり、
また、第2レプリカ信号の計算に関してはN′logN′程
度の大きさとなる。
また、このような周波数領域適応フィルタ(FDAF)の
使用は、高度に(自己)相関された入力信号に対する収
斂特性をかなり改善することを可能にする。それは、ほ
ぼ直交関係の周波数領域構成要素の各々に対しては、適
応化アルゴリズムの適応利得を、関係する周波数領域構
成要素のパワー(巾)により簡単な方法で正規化するこ
とができることによる。これに関しては、その36ページ
にこのような正規化を簡単に記述したシー・ダブリュー
・ケー・グリットン(C.W.K.Gritton)及びディー・ダ
ブリュー・リン(D.W.Lin)による論文“エコー キャ
ンセレーション アルゴリズム”を再度参照されたい。
また、本発明によるエコー キャンセラにおいて使用
されているような特定のフィルタ結合に関する他の利点
は、現在のエコー信号を相殺するために時間領域プログ
ラム可能フィルタ(TDPF)により生成される第1レプリ
カ信号が、無視しうる程度の遅延で使用可能であること
である。この特定のフィルタ結合(FDAF及びTDPF)によ
れば、エコー信号を相殺する場合、双方のフィルタを周
波数領域で実現した場合に見られるような顕著な遅延を
伴うことがなくなる。それは、このような僅かの遅延に
よれば、同時送受通信回線の場合、生成されたレプリカ
信号を相殺すべき現在のエコー信号と時間的に一致させ
るために信号通路内に付加的遅延を導入する必要がない
ことを意味することによる。
適応デジタルフィルタのフィルタ係数は、特に基準信
号(現エコー信号)に重畳される異なる特性の信号又は
ノイズの存在により、及びデジタルフィルタ内で種々の
異なる信号を表わす有限の精度(すなわちワード長又は
ビット数)により、収斂後も依然としてそれらの最終値
の辺りで変動する。フィルタ内の種々の大きさの統計的
非従属性に関して実際に有効と思われる通例の仮定を与
えた場合は、フィルタの適応化ループに所謂ウインドウ
機能を使用していないときは、個々のフィルタ係数は同
じ分散(variance)を有する。このことは、適応フィル
タの類似の収斂速度(すなち適応化アルゴリズムにおけ
る類似の利得係数)においては、N個のフィルタ係数の
代わりにN′個を使用することは、N′=2Nなる実際の
場合には例えば3dBだけフィルタ基底雑音指数(最終整
合誤りとしても知られている)の増加をもたらすことを
意味する。それは、この基底雑音指数がフィルタ係数分
散の和により決定されることによる。実際には、適応化
アルゴリズムにおける利得係数は、基底雑音指数が所定
値を超えないよう選定される。FDAFにおけるこの基底雑
音指数の増加を補償するためには、N′=2Nなる実際の
場合に、この利得係数を1/2にする必要があり、その結
果として収斂速度も半減される。
前述のクラーク(Clark)他の論文においては、適応
化ループ内に配置したウインドウ手段を用いて、その時
間領域等価値がN′の時間離散形成分の長さを有する方
形ウインドウ機能による乗算であるような演算を実行
し、最後のN′−Nの成分にゼロの値を課すことによ
り、N′個のフィルタ係数を得るような方法で上記問題
の解決法を提案している。
しかし、本発明デジタル エコー キャンセラにおい
ては、FDAFに斯かるウインドウ手段を有するを要せず、
また、それにもかかわらず、基底雑音指数の増加により
TDPFが影響を受けることはない。実際にFDAFはN′個の
時間領域フィルタ係数に対応するN′個の周波数領域フ
ィルタ係数を使用しているが、FDAFからTDPFへのフィル
タ係数の転送には周波数領域から時間領域への変換を必
要とする。TDPFに関して無関係のN′−N個の時間領域
係数を、この変換期間中に簡単な方法でN′個の対応す
る時間領域係数から除去することができるので、これら
のN′−N個の時間領域係数のFDAFの基底雑音指数への
寄与が、TDPFに入り込むこともない。さらに、このよう
なウインドウ機能は、FDAFにおいて使用されるウインド
ウ機能よりさらに簡単な方法で実現される。FDAFの場合
は、この実現がかなりの程度計算の複雑さを増加させる
{前述のクラーク(Clark)他による論文の第3図に関
する記述を参照のこと}。
これらを要約すれば、本発明エコー キャンセラは従
来技術に比し次の利点を有する。すなわち、 −・エコー信号を相殺するのに要する演算の数のかなり
の減少:これは、特にエコーキャンセレーションのため
にかなり大きな数(1000ないし2000)のフィルタ係数を
必要とする音響エコー通路のような大きな長さのインパ
ルス応答を有するエコー通路において大きな役割を果た
す; − 簡単な方法で実現可能な収斂速度の増大; − 無視できる程度の遅延でのエコーキャンセレーショ
ン; − FDAF内にウインドウ手段を設けることなしに実現可
能とした低基底雑音。
さらに、これらの利点を得る一方で、ダブルトークの
問題に対する強力な解決法を維持することが可能であ
る。
ダブルトークの場合には、FDAFからのフィルタ係数の
供給が中断されるので、TDPFは隔離されるが、このFDAF
それ自体がダブルトーク期間中にかなり誤調整される可
能性がある。これは、ダブルトークが終わった後に、こ
のような誤調整(又は、整合誤り)を取除き、FDAFから
TDPFへの適正に調整された係数の供給を再開するため
に、余分の時間を必要とすることを意味する。本発明の
他の特徴によれば、このような難点を取除くことが可能
となる。これがため、本発明エコー キャンセラの好ま
しい実施例は、 当該エコー キャンセラが、第2ゲート手段と第2変
換手段との第2従属接続を更に有し、該第2の従属接続
は前記第1デジタルフィルタの出力側と前記周波数領域
ブロック適応フィルタの入力側との間に介挿され、前記
第2変換手段は前記第1デジタルフィルタから供給され
る前記時間領域フィルタ係数を前記周波数領域ブロック
適応フィルタ用の周波数領域フィルタ係数に変換するよ
う構成され、前記第2ゲート手段は、これら周波数領域
フィルタ係数を記周波数領域ブロック適応フィルタに選
択的に供給するように構成されていることを特徴として
いる。
かくして、ダブルトークの起る直前にTDPF内にあった
適正に調整されたフィルタ係数を、ダブルトーク期間
後、TDPFからFDAFに帰還させることができる。ここで、
FDAFからTDPF及びその逆の方向へのフィルタ係数の転送
は相互に離れた時間間隔で起るので、関連する各々の変
換は同時に行われることはない。これは、実際には利用
可能な処理時間が有効に使用され得ることを意味する。
本発明エコー キャンセラは拡声電話機内で使用する
のに好適である。この場合には、電話機を設置する際
に、TDPFの一部を形成すると共に供給されるフィルタ係
数を一時記憶させるプログラム可能フィルタ係数メモリ
を、予めプログラムすることが推奨される。これは、拡
声器とマイクロホンとの間のエコー通路の大部分が電話
機それ自体により決められ、したがって既知であること
から十分に可能である。したがって、初期値として、こ
のような近似モデルを表わすフィルタ係数を上記プログ
ラム可能フィルタ係数メモリに入力することにより、モ
デル化されるべきインパルス応答(現在のエコー通路の
特性を示す)を先ず合理的に近似することができる。
実施例 第1図は、受信音声信号の拡声器再生を備える電話機
におけるエコー キャンセラの使用態様を概念的に図示
したブロック図である。このようなエコー キャンセラ
1は、受信入力RI及び受信出力ROを有する受信通路2、
並びに送信入力SI及び送信出力SOを有する送信通路3を
含む。受信入力信号x(t)(以下、遠端信号という)
は受信入力RIに供給され、受信通路2を介して受信出力
ROに転送された後、受信増幅器4を介して拡声器5に伝
送される。マイクロホン6は、送信すべき信号を発生
し、該信号は送信増幅器7を介して送信入力信号s
(t)として送信入力SIに供給される。上記信号s
(t)は、以下近端信号と呼ぶことにする。この近端信
号s(t)は、送信通路3を介して送信出力SOに転送さ
れる。この場合、拡声器5とマイクロホン6との間に
は、第1図に矢印8で記号的に示すような音響エコー通
路が存在する。受信出力ROにおける遠端信号x(t)
は、この音響エコー通路8を介して送信入力SIに不所望
の付加的エコー信号e(t)を導入し得るので、送信入
力SIには、和信号z(t)=s(t)+e(t)が供給
される。かくして、エコー キャンセラ1は、その機能
として上記不所望なエコー信号e(t)を可能な最良の
方法で相殺するようにする必要がある。これがため、エ
コー キャンセラ1は、受信通路2上の遠端信号x
(t)に応じて不所望なエコー信号e(t)のレプリカ
(複製)である信号(t)を生成するようなフィルタ
9を含み、このレプリカ信号(t)を結合回路10によ
り送信入力SIにおける和信号z(t)=s(t)+e
(t)から減じて、次式、すなわち、 r(t)=s(t)+[e(t)−(t)] で示すような送信出力信号r(t)を形成させる。上式
から分かるように、レプリカ信号(t)がエコー信号
e(t)の信頼できる推定である場合には、上式の右側
部分の第2項は実際上ゼロに等しくなるため、送信出力
SOにおける信号r(t)は送信すべき信号s(t)を表
わすことになる。一般的に、受信出力ROと送信入力SIと
の間のエコー通路の伝達特性は時間変化的であり、音響
エコー通路8の場合は特に大きな変化を示す。エコー信
号e(t)は、良好な近似においては、受信出力ROと送
信入力SIとの間のエコー通路のインパルス応答h(t)
による遠端信号x(t)の線形合成(又は線形たたみこ
み:linear convolution)であると考えられるので、時
間変化的インパルス応答h(t)の形状は、送信入力SI
におけるエコー信号e(t)に対応する変化を与える。
したがって、エコー キャンセラ1内のフィルタ9は、
そのインパルス応答w(t)を、エコー通路RO−SIのイ
ンパルス応答h(t)に適合するよう可能な最良の方法
で調整する機能をもった適応フィルタとして形成する。
このフィルタ9の適応化調整は結合回路10の出力の信号
r(t)により制御するようにし、また、この適応化調
整は、制御信号r(t)と遠端信号x(t)との間に相
関が存在する限り継続するようにする。遠端信号x
(t)のみが存在し、したがって近端信号s(t)=0
の場合には、適応フィルタ9はエコー信号e(t)の信
頼しうる推定であるレプリカ信号(t)を生成する
が、遠端信号x(t)と近端信号s(t)の双方が存在
する場合は、一般にダブルトーク(double−talk)と呼
ばれているような状態が起る。ここで、適切な手段がと
られない場合は、適応フィルタ9は、制御信号r(t)
内に妨害因子としての近端信号s(t)が存在すること
により、ダブルトーク期間中かなり誤って調整される可
能性がある。適応フィルタ9のこの誤調整は、最早エコ
ー信号e(t)の信頼しうる推定ではないようなレプリ
カ信号(t)をもたらすことになり、送信出力SOに
は、不十分又は不適切に相殺されたエコー信号により障
害となる程度に妨害を受けた信号r(t)が生ずる。
本発明は、デジタル エコー キャンセラに関するも
のであるので、以下の説明においては、離散時間モデル
化を使用することにする。このようなモデル化は、第1
図に示す概念図において、信号x(t)及びz(t)を
アナログ・デジタル変換器(図示を省略)を介して受信
入力RI及び送信入力SIに各々供給するものとし、受信出
力RO及び送信出力SOにおける信号x(t)及びr(t)
をデジタル・アナログ変換器(図示を省略)を介して各
々取り出すようにし、さらに、当該エコー キャンセラ
1内のすべての関連信号をデジタル信号とすることによ
り、きわめて簡便な方法で得ることができる。これらの
デジタル信号は、例えば、時間t=kT(ただし、1/Tは
サンプリング周波数)における連続時間信号x(t)の
量子化サンプルをx(k)により表示するというよう
に、一般的方法を使用する。また、完全を期すため、実
際には、フィルタ9に供給すべき離散時間信号x(k)
は、A/D変換器及びD/A変換器の縦続接続を介して拡声器
5に供給される信号x(t)に不必要な量子化雑音が導
入されないようにするため、受信通路2とフィルタ9の
入力との間に設けるアナログ・デジタル変換器を介して
受信通路2上の連続時間信号x(t)から抽出するよう
にしている。この点に関しては以下の記述では省略して
ある。
第2図は、前述のダブルトークに起因する問題に対し
ておおまかな解決を与えるデジタル エコー キャンセ
ラの既知の実施例の離散時間モデルを示す。ここで、第
1図及び第2図(後の添付図をも含む)における同一構
成素子に関しては同一符号数字を用いて表示してある。
さらに、第2図においては、受信出力ROと送信入力SIと
の間の完全なエコー通路を破線ブロック8により示して
ある。該通路は、信号x(k)に応じて不所望なエコー
信号e(k)を生じ、破線で示した加算器を介して送信
入力SIに接続され、和信号z(k)=s(k)+e
(k)を形成する。
第2図に示すエコー キャンセラ1の構成は、前述の
オチアイ(Ochiai)他による論文の第1図に示すものと
同様である。このエコー キャンセラ1は、フィルタ係
数用のプログラム可能メモリ9(1)を有する第1の時
間領域(time−domain)プログラム可能フィルタ9、及
び第2時間領域適応フィルタ11を含む。第1時間領域フ
ィルタ9は、遠端信号x(k)に応じてエコー信号e
(k)の推定である第1レプリカ信号(k)を生成す
る。この目的のため、フィルタ9は、値w(i){ただ
し、i=0,1,2,…,N−1、また、Nはエコー通路8のイ
ンパルス応答h(i)の十分正確な表示のために使用さ
れるサンプルの数に等しい}を有するメモリ9(1)内
のN個のフィルタ係数で表わされるフィルタのインパル
ス応答により信号x(k)の線形合成(又は線形たたみ
こみ:linear convolution)を行うための回路9(2)
を含む。フィルタ9により生成されるこの第1レプリカ
信号(k)はエコー相殺目的本来のために使用され、
この目的で、結合回路10において、送信入力SIにおける
和信号z(k)=s(k)+e(k)から減算されて、
送信出力SOにおける信号r(k)を形成する。第2時間
領域適応フィルタ11は、第1時間領域フィルタ9のN個
のフィルタ係数に対して常に最も適切な値w(i)が利
用可能となるように構成されている。これがため、この
フィルタ11は、時間領域フィルタセクション12、適応化
プロセッサ(adaptation processor)13及び結合回路14
を含む。フィルタセクション12は、遠端信号x(k)に
応じて、エコー信号e(k)の推定である第2レプリカ
信号(k)を生成する。これがため、フィルタセク
ション12はN個のフィルタ係数用のメモリ12(1)、及
びメモリ12(1)内のN個のフィルタ係数で表わされる
フィルタ11のインパルス応答で以て信号x(k)の線形
合成(線形たたみこみ)を行うための回路12(2)を含
む。また、結合回路14は、送信入力SIにおける和信号z
(k)=s(k)+e(k)と上記第2レプリカ信号
(k)との差を表わすエラー信号ra(k)を形成す
る。さらに、適応化プロセッサ13は、遠端信号x(k)
及びエラー信号ra(k)に応じて、フィルタ11のN個の
係数の各々を適正に補正し、かつ、これらN個の補正さ
れたフィルタ係数を当該フィルタ11のフィルタセクショ
ン12のメモリ12(1)に常に供給するよう構成されてい
る。このようにして、第2の適応フィルタ11のメモリ12
(1)内には、第1プログラム可能フィルタ9のN個の
フィルタ係数用の最も新しく補正された値が、常に準備
されていることになる。プロセッサ13内で行われる適応
化に関しては、この目的のために、既知の最小2乗平均
(least−mean−square)形式のアルゴリズムを使用す
ることができる。さらに、第2図におけるエラー信号ra
(k)は送信入力SIにおける信号とフィルタセクション
12の出力の信号との間の差z(k)−(k)に等し
いが、既知の方法で、この差の強く量子化されたバージ
ョンをエラー信号ra(k)として使用することもでき、
その結果として適応化プロセッサ13を簡単に実現するこ
とも可能であることに言及する価値があるであろう。
適応フィルタ11のメモリ12(1)内のN個のフィルタ
係数の値は、エコー通路8のインパルス応答h(i)の
変化に常に適応化されるが、これらの適応化された値は
制御可能なゲート手段15を介して選択的にのみプログラ
ム可能メモリ9(1)に供給される。すなわち、適応フ
ィルタ11により生成される第2レプリカ信号(k)
が、プログラム可能フィルタ9により生成される第1レ
プリカ信号(k)より、エコー信号e(k)の良好な
推定である限り、ゲート手段15が開き、適応フィルタ11
のメモリ12(1)内の適応化されたフィルタ係数がフィ
ルタ9のプログラム可能メモリ9(1)に転送される。
ダブルトーク期間中には、近端信号s(k)とエコー信
号e(k)の双方が送信入力SIに存在し、適応フィルタ
11はエラー信号ra(k)内の妨害項としての近端信号s
(k)の存在により、かなりの程度まで誤調整される可
能性があり、それにより、第1レプリカ信号(k)の
方が第2レプリカ信号(k)よりエコー信号h
(k)の良好な推定を示すという状態をもたらす。この
ような状態では、ゲート手段15はブロックされ、適応化
されたフィルタ係数のプログラム可能メモリ9(1)へ
の供給は中断される。これは、言わばプログラム可能メ
モリ9がダブルトーク期間中における適応フィルタ11の
起りうる誤調整から免かれることを可能にし、したがっ
て、その場合には、エコー通路8が著しい変化を受けな
い限り、エコー信号e(k)の効果的な相殺が補償され
ることを意味する。
ゲート手段15を制御するための最も重要な基準として
は、適応フィルタ11におけるエラー信号ra(k)のレベ
ルと、送信出力SOにおける信号r(k)のレベルとの間
の相互関係を使用する。これがため、第2図示エコー
キャンセラ1はエラー信号ra(k)及び送信出力信号r
(k)の各々のレベルをブロック状に決定するよう構成
した制御手段16を含む。該制御手段16は、信号ra(k)
及びr(k)のブロック状に決められたこれらのレベル
に応じて、所定の態様でこれらのレベル間の差に従がう
ゲート手段15用の制御手段を生成する。前述のオチアイ
(Ochiai)他による論文によるときは、次の条件 L[ra(k)]<C1L[r(k)] (1) が満足されるとき、ゲート手段15を開いて、適応化され
たフィルタ係数をプログラム可能メモリ9(1)に供給
するための制御手段が生成されるようにしている。上式
において、記号LはM個の連続する信号サンプルのブロ
ック内における関連信号のレベルを表わし、またC1
「1」より小さい値の正の定数である。サンプリング速
度1/T=8KHzを有する音声信号の場合、M及びC1に対す
る可能な選択として、例えば、M=128,C1=0.875をと
ることができる。また、既知のように、M個の信号サン
プルのブロック内における信号のレベルLは種々の方
法、例えば信号サンプルの振幅又はパワー(巾)の1ブ
ロックにわたる平均値で表わすこともでき、また、この
ブロック内の信号サンプルの振幅の尖頭値により表わす
こともできる。以下の説明においては、レベルLは信号
サンプルのパワーの1ブロックにわたる平均値に関係す
るものと仮定しているが、この仮定が信号レベルの考え
方の制限を意味するものでないこともまた自明の理であ
る。
前述の条件(1)はエラー信号ra(k)のレベルが、
送信出力信号r(k)のレベルよりも−20logC1dB以上
低いことを示している。実際に制御手段16を実現するに
際しては、制御信号がゲート手段15を開いてフィルタ9
のプログラム可能メモリ9(1)にフィルタ係数を供給
する前に、M個の信号サンプルのD個の連続するブロッ
クに対しても、条件(1)が満足されるようにする必要
があり、M及びC1に関する前記の値に対し、例えば値D
=3を選択することができる。
条件(1)をベースにしたゲート手段15の制御は、実
際上、ダブルトーク期間中におけるエコー相殺の妨害を
多くの場合回避するのに充分であると考えられる。この
制御は、前述のオチアイ(Ochiai)他の論文にしたがっ
て、さらに次の条件が同時に満足されるときだけゲート
手段15を開く制御信号が生成されるという要求を付加す
ることにより改良することができる。
L[ra(k)]<C2L[z(k)] (2) L[z(k)]<C3L[x(k)] (3) ここで、C2及びC3は「1」より小さい値を有する正の定
数である。M信号サンプルのD連続ブロックに対して、
これらの条件(1)、(2)及び(3)が同時に満足さ
れた場合はゲート手段15が開き、反対の場合には、ゲー
ト手段15がブロックされるので、プログラム可能メモリ
9(1)に対する適応化されたフィルタ係数の供給は中
断される。条件(2)は、エラー信号ra(k)のレベル
が送信入力信号z(k)のレベルより−20logC2dB以上
低いことを意味する。したがって、ダブルトークがない
場合、従って近端信号s(k)=0の場合には、条件
(2)は第2レプリカ信号(k)によるエコー信号
e(k)の相殺は、−20logC2dBより良好であることを
意味する。条件(3)は、送信入力信号z(k)のレベ
ルが、遠端信号x(k)のレベルより−20logC3dB以上
低いとき、したがってダブルトークが起っていることが
明らかなときは、適応化されたフィルタ係数の転送が中
断されることを意味する。
前述したように、2つの時間領域フィルタ9及び11の
フィルタ結合を有するこの種エコー キャンセラは、プ
ログラム可能フィルタ9及び適応フィルタ11に対する出
力サンプル当りの算術演算(乗算及び加算)に関して表
わされる複雑さが、エコー通路8のインパルス応答h
(i)の充分正確な表示のために使用されるN個のサン
プルの数に伴って直線的に増大し、かつ、通常トランス
バーサルフィルタとして実現される適応フィルタ11が音
声及び特定形式のデータのような強力に自己相関された
遠端信号x(k)に対して収斂速度が低いという固有の
難点を有する。これらの難点は、問題としている音響エ
コー通路の場合のように、エコー通路8のインパルス応
答h(i)が1000乃至2000のような値のNをもった大き
い長さを有する場合、特に重く懸ってくる。
第3図は、第2図に関して前述した既知のエコー キ
ャンセラの上記の難点に満足な解を与えるよう構成し
た、本発明によるデジタル エコー キャンセラの実施
例の離散時間モデルを示すブロック図である。
この目的のため、本発明エコー キャンセラは、第1
デジタルフィルタ9を時間領域プログラム可能フィルタ
(TDPF)とし、第2デジタルフィルタ11を周波数領域ブ
ロック適応フィルタ(FDAF)とした特別なフィルタ結合
を含む。この特別なフィルタ結合(9,11)の選択は、TD
PF9はサンプル毎(sample−by−sample)で動作するの
で、送信入力SIにおける現在のエコー信号e(k)を相
殺するための第1レプリカ信号(k)が実際上は無視
し得る程小さい1サンプル周期の遅延で利用可能であ
り、またFDAF11の使用により算術演算の数のかなりの節
減が可能となるのに加えて、エコー キャンセラ1の収
斂作用を簡単な方法でかなり改善することが可能とな
り、しかも第2図に関して上述したダブルトークの問題
に対する解を維持することができるという考えに基づい
てなされたものである。
第3図においては、周波数領域ブロック適応フィルタ
11の全体構造の概要を示す。第3図及び続く各図におい
ては、二重線の信号通路は周波数領域における通路を示
し、単線の信号通路は時間領域における通路を示す。時
間領域から周波数領域への変換及びその逆の変換は、離
散直交変換(DOT)及びその逆変換(IDOT)を用いて各
々行なわれる。このような変換の例としては、広く使用
されている離散フーリエ変換(DFT)及びその逆変換(I
DFT)がある{クラーク(Clark)他、及びマンソール
(Mansour)他による前記論文参照のこと}。これらのD
OTは、計算の複雑さ及び許容可能な信号遅延の実用上の
理由のため、有限のブロック長N′を有している。文献
によれば、このような変換はN′−ポイントDOTとして
知られており、ここで“ポイント(point)”は離散時
間領域成分及び離散周波数領域成分の双方を指す。ブロ
ック長N′に関しては、次のことが分かる。FDAF11はエ
コー信号e(k)の良好な推定であるレプリカ信号
(k)を生成する必要があり、またエコー信号e(k)
はエコー通路8のインパルス応答h(i)(ただし、i
=0,1,2,…,N−1)による遠端信号x(k)の線形合成
であると考えることができる。また、FDAF11が、当該FD
AF11のインパルス応答による遠端信号x(k)の線形合
成としてのレプリカ信号(k)を生成するために長
さNのインパルス応答を与えるものでなければならない
ことも説明を要しない。FDAF11においては、このために
必要な演算は、周波数領域におけるN′ポイントのブロ
ックに対して行なわれる。また、これらの演算は、その
周期がブロック長N′に等しいような時間領域内での円
形合成(circular convolution)に対応することもよく
知られている。この場合、所望の線形合成は、N′−ポ
イントDOT内に含まれる時間領域信号の適当な区分け
(セクショニング)を適用することにより得られる。こ
こで、最も普通の区分け手順は、オーバラップ・セーブ
法(overlap−save method)及びオーバラップ・アド法
(overlap−add method)である。上記のことは、通
常、DOTのブロック長N′は、FDAF11のインパルス応答
の所望の長さNを越えていることとを意味している。ク
ラーク(Clark)他による前述の論文においては、長さ
Nを有するインパルス応答を与えるFDAF11の最も効率的
な実現に際して、ブロック長N′=2Nを有するDFTを使
用すると共に、各ブロックがNポイントだけ前のブロッ
クと重複するようなN′=2Nポイントのブロックへの、
時間領域信号の区分けを使用する方法が述べられてい
る。例えば、ここで問題としている音響エコー通路8の
場合のようなN=1000ないしN=2000のように大きいN
の値に対しては、レプリカ信号(k)のNポイント
当りの算術演算の数がNlogNのオーダーであるような、
“高速フーリエ変換”(FFT)として知られているDFTの
効率的実現を使用することによっても、計算の複雑さを
かなり低減させることができる。このような計算上有効
な実現方法はDFT以外の他の形式のDOTに関しても知られ
ているが、以下簡単のため、N′−ポイントDOTはN′
−ポイントDFT(ただし、N′=2N)であると仮定す
る。さらに、周波数領域信号と時間領域信号とを簡単な
方法で差別するため、周波数領域信号は大文字で表わ
し、時間領域信号は、前記説明でもそうしたように、小
文字で表わすものとする。最後に、以下の記述では、時
間領域信号の区分け手順としてオーバラップ・セーブ法
を適用している。
第3図に示すFDAF11の構造については、第2図に示す
時間領域適応フィルタ11の構造を参照して記述すること
が好都合である。この場合も、FDAF11はフィルタセクシ
ョン12、適応化プロセッサ13及び結合回路14を含むが、
第3図の場合はフィルタセクション12及び適応化プロセ
ッサ13ほ周波数領域で動作するので、3つの領域変換が
以下のものにより行なわれなければならない。すなわ
ち、 − 変換手段17及び関連の区分手段17(1):遠端信号
x(k)の2N時間領域ポイントの各ブロックを、X(p;
m)(ブロック番号mのブロックに対してp=1,2,…,2N
−1)で示す2N周波数領域ポイントのブロックに変換す
るための2N−ポイントDOT; − 変換手段18及び関連の区分手段18(1):2N周波数
領域ポイント(p;m)の各ブロックをレプリカ信号
(k)のN時間領域ポイントのブロックに変換する
ための2NポイントIDOT; − 変換手段19及び関連の区分手段19(1):エラー信
号ra(k)のN時間領域ポイントの各ブロックを、2N時
間領域ポイントのブロックに増加された後、2N周波数領
域ポイントRa(p;m)のブロックに変換するための2N−
ポイントDOT。
区分手段のため使用するオーバラップ・セーブ法の詳
細については第4図に関し後述することにする。FDAF11
のフィルタセクション12は、ブロックmの2Nの周波数領
域フィルタ係数W(p;m)を記憶するためのメモリ12
(1)と、各周波数領域ポイントX(p;m)を関連の周
波数領域フィルタ係数W(p;m)で乗算して、2Nの周波
数領域ポイントEa(p;m)を表わす積X(p;m)W(p;
m)を形成させるための回路12(2)とを含む。さら
に、2N周波数領域ポイントX(p;m)及びRa(p;m)に応
じて、ブロック状に適応化された周波数領域フィルタ係
数W(p;m)を得、これらをメモリ12(1)に記憶させ
るよう構成された適応化プロセッサ13を配置する。
FDAF11の機能はTDPF9のフィルタ係数に対して常に最
も適切な値を提供することであるが、FDAF11のフィルタ
係数W(p;m)は周波数領域のフィルタ係数であるた
め、FDAF11からTDPF9へのフィルタ係数の選択的転送の
ために領域変換を行う必要がある。これがため、第3図
に示すエコー キャンセラ1は、FDAF11のメモリ12
(1)の出力における2Nの周波数領域フィルタ係数W
(p;m)をTDPF9のプログラム可能メモリ9(1)に供給
されるべきN個の時間領域フィルタ係数w(i;m)に変
換するための2NポイントIDOTを実行する変換手段20及び
関連の区分手段20(1)を含む。これらの変換及び区分
手段20,20(1)は、制御可能ゲート手段15との縦続接
続内に包含(第3図では、ゲート手段15の後段に配置)
されるようにする。さらに、第3図においては、制御手
段16に至る破線で図示したように、ゲート手段15の制御
が条件(1)による信号ra(k)及びr(k)のレベル
に従属するのみでなく、第2図に関し前述したように、
条件(2)及び(3)による信号z(k)及びx(k)
のレベルにも従属するようにする。
第4図は、第3図によるデジタル エコー キャンセ
ラの詳細を示すもので、図においてはN′−ポイントDO
Tが、2N−ポイントFFTとして知られているN′=2Nの場
合のN′−ポイントDFTの効果的な実現であることを明
瞭に示しているほか、その機能をより明白に説明するた
めに区分手段を変換手段から分離させて示してある。
第4図において、遠端信号x(k)は区分手段17
(1)に供給され、直列並列変換により、2Nポイントの
ブロックに細分割される。この場合、各ブロックは第4
図に図形的に示したように前のブロックとNポイントだ
けオーバラップするようにする。ブロック番号mのブロ
ックのポイントはx(i;m)(ただし、i=1,2,…,2N−
1)で表示することにする。2N時間領域ポイントx(i;
m)は、2N−ポイントFFTを実行する変換手段17の助けに
より2N周波数領域ポイントX(p;m)(p=1,2,…,2N−
1)に変換される。各ポイントX(p;m)は乗算回路12
(2)において、メモリ12(1)よりの関連のフィルタ
係数W(p;m)で乗算されて、2Nポイント(p;m)を
表わす積X(p;m)W(p;m)を形成する。これらの2Nポ
イント(p;m)は、2NポイントIFFTを行う変換手段1
8により時間領域の2Nポイント(i;m)に変換され
る。フィルタ係数W(p;m)は、ブロックmの間にイン
パルス応答w(i)の値を表わす時間領域フィルタ係数
w(i;m)に対して実行された2N−ポイントDFTのポイン
トであると考えることができるので、回路12(2)にお
ける乗算は、ブロックmの間におけるインパルス応答w
(i)によるブロックmの間における遠端信号x(k)
の時間領域円形合成に対応する。しかしながら、所望の
レプリカ信号(k)はインパルス応答w(i)によ
る遠端信号x(k)の線形合成である。オーバラップ・
セーブ法によるときは、この所望のレプリカ信号
(k)は、各ブロックmに対する上記円形合成の2Nポ
イント(i;m)を、区分手段18(1)に供給するこ
とにより得られる。この場合、区分手段18(1)におい
ては、並列直列変換を用いて、第4図に図形的に示した
ように、最初のNポイントの(i;m)(ただし、i
=0,1,2,…,N−1)は放棄し、最後のNポイント
(i;m)(ただし、i=N,N+1,N+2,…,2N−1)をレ
プリカ信号(k)として転送するようにする。
周波数領域フィルタ係数W(p;m)のブロック的適応
化を行うには、例えば複素最小2乗平均(複素LMS)ア
ルゴリズムのような既知の適応化アルゴリズムを使用す
る。後者のアルゴリズムによるときには、遠端信号x
(k)とエラー信号ra(k)との間に相関が存在する限
り、これらのフィルタ係数W(p;m)は適応化される。
適応化プロセッサ13は周波数領域で動作するので、オー
バラップ・セーブ法により、このエラー信号ra(k)を
区分手段19(1)に供給して、直列並列変換により2Nポ
イントのブロックに細分割し、第4図に図形的に示すよ
うに各ブロックをNポイントだけ前のブロックとオーバ
ラップさせると共に、最初のNポイントのra(i;m)
(ただし、i=0,1,2,…,N−1)に強制的に「0」の値
をもたせるようにする。これらの2Nポイントra(i;m)
は、2NポイントFFTを実施する変換手段19の助けによ
り、2NポイントRa(p;m)の周波数領域に変換する。一
方、各ブロックmの2NポイントX(p;m)を共役手段21
に供給して、各ポイントX(p;m)の複素共役値X
(p;m)を形成させる。各共役ポイントX(p;m)は
乗算回路22において関連のポイントRa(p;m)により乗
算して、ブロックmの間における遠端信号x(k)とエ
ラー信号ra(k)との間の時間領域円形相関に対応する
積X(p;m)Ra(p;m)を形成する。また、2Nの積X
(p;m)Ra(p;m)は乗算回路23において値2μ(p;m)
{ただし、μ(p;m)は適応化アルゴリズムにおける利
得係数}で乗算して、 A(p;m)=2μ(p;m)X(p;m)Ra(p;m) で表わされる積A(p;m)を形成させる。この積A(p;
m)はフィルタ係数W(p;m)の修正値を決定する。これ
らの修正値A(p;m)は、ブロックmのフィルタ係数W
(p;m)を記憶するメモリ12(1)、及び各係数W(p;
m)とその関連の修正値A(p;m)との和を形成する加算
器25により構成した累算手段24に供給し、かくして得ら
れた和を、次のブロック(m+1)用のフィルタ係数W
(p;m)を生成するためメモリ12(1)に記憶させる。
したがって、適応化アルゴリズムは次のように書くこと
ができる。
W(p;m+1)=W(p;m)+2μ(p;m)X(p;m)Ra(p;m) かくして、メモリ12(1)内の2Nのフィルタ係数W(p;
m)が、回路12(2)における乗算用及びTDPF9への転送
用として使用することができる。
遠端信号x(k)が相関していない又は相関の程度が
きわめて小さい場合は、利得係数μ(p;m)はフィルタ
係数W(p;m)の各々に対して、ブロック番号mに無関
係の同じ一定値αを有することができる(この一定値α
は当該アルゴリズムの適応化係数として知られてい
る)。音声のような強力に自己相関された遠端信号x
(k)に対しては、遠端信号x(k)の相関を減ずる
(decorrelating)ことにより、簡単にFDAF11の収斂速
度をかなり増加させることができる。この場合、減相関
操作は上記信号のパワースペクトルを正規化することに
より行うことができる{例えば、グリットン(Gritto
n)及びリン(Lin)による前述の論文の36ページを参照
のこと}。FDAF11においては、周波数領域のポイントX
(p;m)が既に使用可能であるので、このような正規化
は正規化手段26を用いて簡単に行うことができる。すな
わち、正規化手段26においては、適応化係数αをポイン
トX(p;m)の2乗|X(p;m)|2で除算し、得られた商
を、簡単な再帰フィルタによりブロック的に平滑化した
後、回路23における2μ(p;m)による乗算のための利
得係数μ(p;m)として使用する。
前述したように、メモリ12(1)内のフィルタ係数W
(p;m)は、ブロックmの間に2Nの時間領域フィルタ係
数w(i;m)に対して実行された2N−ポイントDFTのポイ
ントであると見なされるべきである。これは、制御可能
ゲート手段15を通過した2Nのフィルタ係数W(p;m)
が、2N−ポイントIFFTを行うための変換手段20において
2Nの時間領域フィルタ係数w(i;m)に変換されること
を可能にする。しかしながら、TDPF9はメモリ9(1)
内に記憶され、ブロックmの間に第1レプリカ信号
(k)を生成する合成回路9(2)で使用されるN個の
時間領域フィルタ係数w(i;m)(ただし、i=0,1,2,
…,N−1)しか有せず、残りのN個の時間領域フィルタ
係数w(i;m)(ただし、i=N,N+1,N+2,…,2N−1)
はTDPF9に関し無関係であり、したがって、第4図に図
形的に示するように、これら係数は区分手段20(1)に
おいて放棄される。また、前述のように、FDAF11の収斂
後も、2Nのフィルタ係数W(p;m)、したがって2Nの関
連フィルタ係数w(i;m)も、FDAF11内の信号表示の有
限精度(すなわち語長又はビット数)並びに送信入力SI
における和信号z(k)内の雑音及び他の形式の妨害信
号(相殺すべきエコー信号e(k)も含む)の存在によ
り、それらの最終値の周辺で変動し続ける。このように
変動するフィルタ係数の分散(variance)は、前節で述
べたような方法で利得係数μ(p;m)を選定したときは
すべて同じ値を有する。ブロック適応フィルタの収斂作
用の重要なパラメータは、ブロックm内の残留エコー信
号[e(k)−(k)]の分散の、ブロックm内のエ
コー信号e(k)の分散に対する比β(m)である(既
知のように、この分散は、関連の信号がゼロ平均値を有
する信号の場合、ブロックmにわたっての平均信号パワ
ー値に対応する)。収斂語のβ(m)の最終値βは、基
底雑音指数(又は最終の整合誤り指数)として知られて
いる。この最終値βは、主として、(適応化係数αの通
常の値における)フィルタ係数の分散の和により決ま
る。また、その都度、2Nの時間領域フィルタ係数w(i;
m)のうちのN個がTDPF9に関し無関係であるという事実
は、FDAF11に対する最終値βが、FDAF11と等価であっ
て、N以上の時間領域フィルタ係数を有しないTDPF用の
最終値βより、2(即ち3dB)だけ実際上不必要に高い
ことを意味する。本明細書の導入部分で既に述べたよう
に、最終値βのこの増加は、適応化係数αを半分にする
ことにより防止することができる。また、その結果収斂
速度も半分になる。この問題に対する解決法は前述のク
ラーク(Clark)他による論文に記載されており、その
解決法は、FDAF11の適応化プロセッサ13内に、すなわち
乗算回路23と加算器25との間に、ウインドウ手段を介挿
させる方法をとっている。しかし、本発明の場合は、計
算の複雑さの低減を意図するという観点から、エコー
キャンセラ1のFDAF11内にウインドウ手段を配置するこ
とを放棄している{それは、クラーク(Clark)他によ
る論文の第3図に関して述べられているように、このウ
インドウ手段の実施がFDAFの計算の複雑さを大幅に増加
させることによる)。しかしながら、結果として起る第
4図のFDAF11内の最終値βの増加はTDPF9に影響を与え
ることはない。何故なら、変換手段20とTDPF9のメモリ
9(1)との間に配置した区分手段20(1)がN個のフ
ィルタ係数w(i;m)(ただし、i=N,N+1,N+2,…,2N
−1)を放棄させ、したがって、これらNフィルタ係数
のFDAF11の最終値βに対する寄与がTDPF9に浸透しない
ことによる。別の表現によれば、FDAF11の最終値βは実
際上TDPF9に関して2なるファクタ(3dB)だけ減少す
る。かくして得られるウインドウ機能は、きわめて簡単
な方法で実現することができる。それは、区分手段20
(1)は、2Nの入力の組のうちのNのみをNの出力の組
に相互接続することにより実現することができることに
よる。
ダブルトークの場合には、FDAF11からのフィルタ係数
の供給が中断されるので、TDPF9は隔離されるが、FDAF1
1それ自体はダブルトーク期間中かなり誤調整される可
能性がある。このことは、ダブルトークが終わった後、
この誤調整(又は整合誤り)を取り除き、次いでFDAF11
からTDPF9への適切に調整されたフィルタ係数の供給を
再開するために、余分な時間を必要とすることを意味す
る。
本発明の他の特徴によれば、ダブルトークの起る直前
にTDPF9のプログラム可能メモリ9(1)内にあったN
個のフィルタ係数の組を、FDAF11のメモリ12(1)にコ
ピーし戻すことにより上記の欠点を除去することができ
るので、ダブルトークの終わった後、FDAF11の収斂に到
る回復時間をかなり減少させ、かつ適正に調整されたフ
ィルタ係数のTDPF9への供給をかなり早い時間に再開す
ることができる。第4図におていは、上記コピー戻し手
段を、第2の制御可能ゲート手段27、並びに変換手段28
及び関連の区分手段28(1)の縦続配置により形成して
いる。ゲート手段27は通常は閉じた位置にあるが、該手
段が開いたときは、各ブロックmに対するN個のフィル
タ係数w(i;m)(ただし、i=0,1,2,…,N−1)がメ
モリ9(1)から(非破壊的に)読み出され、区分手段
28(1)に供給されて、そこで2Nの係数w(i;m)に増
やされる。この場合、最後のN個の係数w(i;m)(た
だし、i=N,N+1,N+2,…,2N−1)にはw(i;m)=0
の値を入れる。これらの2Nの係数w(i;m)は、2N−ポ
イントFFTを実施する変換手段28により、2Nの係数W
(p;m)の周波数領域に変換され、ダブルトークの間に
生ずる値上に書き込むためFDAF11のメモリ12(1)に供
給される。また、制御手段16は送信入力信号z(k)及
び遠端信号x(k)のレベルをブロック的に決定し、次
の条件 L[z(k)]>C3L[x(k)] (4) を満足するとき、すなわち送信入力信号z(k)のレベ
ルが、遠端信号x(k)のレベルの−20logC3dBよりは
高く、したがってダブルトークが生じていないことが明
白なであるとき、第2ゲート手段27を開くための第2制
御手段を生成するよう構成されている。前述の条件
(3)と比較すると、条件(4)及び条件(3)は相互
に正に反対であり、条件(1)及び(2)が同時に満足
される場合、条件(3)が満たされると、ゲート手段15
が開く一方ゲート手段27が閉じる結果となり、条件
(4)が満たされると丁度その反対の結果となることを
示している。また、ゲート手段27の制御は、ゲート手段
15の場合と同じように、当該ゲート手段27を開くための
第2制御信号の生成に関し更に他の条件を作成すること
により改善可能であることに注意すべきである。しかし
ながら、実際には、条件(4)に基づく制御のみで充分
であると思われる。条件(1)ないし(4)の正の定数
C1,C2及びC3の値に関しては、スピーチ信号の場合の本
発明エコー キャンセラにおいては、値C1は1より僅か
に小さく、値C2は約1/4ないし1/8であり、値C3は約1/2
ないし1/4であることが分っている。
第5図は、第4図示エコー キャンセラ1の一部を示
すブロック図で、オーバラップ・セーブ法の区分手順を
種々の方法で実現し得ることを示すためのものである。
第5図は、区分手段19(1)を第4図の位置から結合回
路14の入力に移転させ、和信号z(k)を区分手段19
(1)内で直列並列変換により2Nのポイトz(i;m)の
ブロックに細分割し、第5図に図形的に示すように、各
ブロックを前のブロックとNポイントだけオーバーラッ
プさせ、最初のN個のポイントz(i;m)(ただし、i
=0,1,2,…,N−1)にゼロの値を入れるようにした点
で、第4図と相違している。第5図において区分手段18
(1)は、第4図におけるのと同じ機能を果すが、第5
図の場合は並列直列変換を使用していない。第4図との
上記の差の結果、第5図の結合回路14は、区分手段18
(1)及び19(1)の各々の出力における2Nポイントの
(i;m)及び2Nポイントのz(i;m)に対する2Nの入
力を各々有し、第5図の結合回路14の2Nの出力には、変
換手段19用として2Nポイントのra(i;m)を導出するよ
うにする必要がある。また、第5図示回路を実現するに
際しては、区分手段18(1)及び19(1)において区分
が行われる場合には、値i=0,1,2,…,N−1に対して
(i;m)=0及びz(i;m)=0が成立するので、結合
回路14は、値i=N,N+1,N+2,…,2N−1に対してのみ
Nポイント(i;m)用のN個の入力及びNポイント
z(i;m)用のN個の入力を有するだけてよいという事
実を使用していること当然である。また、その場合に
は、結合回路14は、これらの値i=N,N+1,N+2,…,2N
−1のNポイントra(i;m)用のN個の出力を有するの
みでよいこと勿論である。また、値i=0,1,2,…,N−1
に対してra(i;m)=0が成立するので、変換手段19の2
N入力における所要の2Nポイントのra(i;m)は、これら
の値iに対しN個の入力にゼロ値を永久的に供給するこ
とにより容易に得ることができる。第4図との最後の差
異は、第5図示制御手段16は、2Nポイントra(i;m)の
ブロックを受信すると共に、区分手段19(1)と同じ機
能を有する区分手段29を介して、第5図に図形的に示す
ように、送信出力信号r(k)から得られる2Nポイント
r(i;m)のブロックも受信することである。また、同
じようにして、条件(2)及び(3)を満足させるた
め、関連の区分手段17(1)及び19(1)の出力におけ
る2Nのポイントx(i;m)及びz(i;m)のブロックを制
御手段16に供給する。また、制御手段16の実現に際して
は、これらのブロックに対する入力の数は2NでなくNで
あり、かつ、各ブロックmに対して最後のN個のポイン
トx(i;m)(ただし、i=N,N+1,N+2,…,2N−1)の
みを区分手段17(1)から再生するようにすること当然
であり、さらに第5図示制御手段16において関連のレベ
ルを決定するため、ブロック長はN又はNの整数倍に等
しくすることが好ましいことも勿論である。
第6図は、第5図の場合に、当該エコー キャンセラ
のゲート手段15及び27用の制御信号を生成するために制
御手段16で行うべき制御機能を実現する手段を示す。ゲ
ート手段15を制御するために、前述したように、関連の
条件(1),(2)及び(3)が満足された場合に準備
信号E(1),E(2)及びE(3)を各々受信する3つ
の入力を有するANDゲート30を使用している。これら3
つの条件が同時に満足されるときだけ、ANDゲート30は
制御信号を生成し、ゲート手段15を開くようにする。第
6図においては、簡単のため、準備信号E(1)を得る
方法のみを図示してある。すなわち、関連の2乗回路3
1,32においてブロックmのポイントra(i;m)及びr
(i;m)を2乗した後、関連の積算回路33,34においてブ
ロックmに対し得られた値[ra(i;m)]及び[r
(i;m)]の平均をとり、ブロックmにわたる信号サ
ンプルのパワー(巾)の平均値としての信号ra(k)及
びr(k)のレベルを表わす信号L[ra(k)]及びL
[r(k)]を得る。これらの信号を比較器35に供給
し、条件(1)を満足するとき該比較器35から準備信号
E(1)を生成するようにする。準備信号E(2)及び
E(3)は、信号ra(k)及びz(k)に対し条件
(2)が満足されたとき、並びに信号z(k)及びx
(k)に対して条件(3)が満足されたとき、同じよう
な方法で各々生成される。また、ゲート手段27を開くた
めの制御信号は、条件(4)が満足されるとき生成され
るようにする。前述したように、条件(4)は条件
(3)の丁度反対であるので、ゲート手段27を開くため
の制御信号は、NANDゲート36により準備信号E(3)を
反転することにより容易に得ることができる。
基本的に、第6図においては、Nポイントのブロック
におけるパワー(巾)の平均値が、一定の換算係数(sc
ale factor)1/Nは別として、周波数領域のポイントに
対して時間領域のポイントに対するのと同じ形の式によ
り与えられるというN−ポイントDFTの既知の特性を使
用することができる。例えば、信号L[ra(k)]は、
第5図の変換手段19の出力における周波数領域ポイント
Ra(p;m)から、2乗回路31及び加算回路33を使用し、
かつ適切に選定した換算係数を用いてを抽出することが
できる。
本発明により、FDAF及びTDPFの特定フィルタ結合を実
現することにより、音響の分野における利用のためのエ
コー キャンセラに課せられるすべての条件、すなわ
ち、急速な収斂、無視しうる程度の遅延、良好なダフル
トークからの保護、及び複雑さの低減を満足させること
ができる。
さらに、TDPF9のフィルタ係数用のプログラム可能メ
モリ9(1)の存在は、第1図に関し前述したよう拡声
電話機にエコー キャンセラ1を使用する際の事前プロ
グラミングを可能にする。第1図における拡声器5とマ
イクロホン6との間のエコー通路8のインパルス応答の
かなりの部分は、当該電話機自体の空間的構造により決
められ、したがって前もって知ることができる。それ
故、エコー通路8のインパルス応答はまず第1に事前に
知られているデータに基づくモデルにより合理的に近似
することができ、したがって、この近似モデルを表わす
フィルタ係数は、当該電話機セットを設置する際にTDPF
9のメモリ9(1)に一定の初期値として事前プログラ
ムすることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、音声信号の送受信装置内でエコー キャンセ
ラを使用する場合の一般的態様を示すブロック図、 第2図は、既知のデジタル エコー キャンセラの実施
例の離散時間モデルのブロック図、 第3図は、本発明デジタル エコー キャンセラの実施
例の離散時間モデルのブロック図、 第4図は、本発明デジタル エコー キャンセラの実施
例の離散時間モデルのさらに詳細なブロック図、 第5図は、第4図示実施例の一部の変形例を示すブロッ
ク図で、オーバーラップ・セーブ方法の異なる実施を示
す、 第6図は、フィルタ係数を転送するために使用するゲー
ト手段用の制御信号を生成するための第5図示制御手段
の任意選択例を示すブロック図である。 1……エコー キャンセラ 2……受信通路 3……送信通路 4,7……増幅器 5……拡声器 6……マイクロホン 8……エコー通路 9……時間領域プログラム可能フィルタ(TDPF) 9(1)……プログラム可能メモリ 9(2),12(2)……回路 10,14,25……結合回路 11……周波数領域適応フィルタ(FDAF) 12……フィルタセクション 12(1)……メモリ 13……適応化プロセッサ 15,27……ゲート回路 16……制御手段 17〜20,28……変換手段 171〜201,281,29……区分手段 21……共役手段 22,23……乗算回路 24……累算手段 26……正規化回路 30……ANDゲート 31,32……2乗回路 33,34……加算回路 35……比較器 36……NANDゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンドリク・ヤン・コトマンス オランダ国5621 ベーアー アインドー フェンフルーネバウツウェッハ1 (56)参考文献 IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATION S,VOL,COM−25,NO.6, (1977−5)P.589−595 IEEE ASSP MAGAZIN E,VOL.1,NO.2,(1984− 4)P.30−38 IEEE TRANSACTIONS ON ACOUSTICS,SPEE CH,AND SIGNAL PROC ESSING,VOL.ASSP−30, NO.5,(1982−10)P.726−734 IEEE TRANSACTIONS ON ACOUSTICS,SPEE CH,AND SIGNAL PROC ESSING,VOL.ASSP−31, NO.5,(1983−10)P.1073−1083 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/20 - 3/23 H04B 7/005 - 7/015 H03H 17/00 - 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受信入力と受信出力との間の受信通路及び
    送信入力と送信出力との間の送信通路を有し、前記受信
    入力に供給される受信入力信号に応じて生ずる前記送信
    入力における付加的エコー信号を相殺するデジタル エ
    コー キャンセラであって、 −前記受信入力信号に応じて前記エコー信号の推定であ
    る第1レプリカ信号を生成するためのプログラム可能フ
    ィルタ係数メモリを有する第1デジタルフィルタと、前
    記受信入力信号に応じて前記エコー信号の推定である第
    2レプリカ信号を生成するためのフィルタ係数メモリを
    有する適応型の第2デジタルフィルタであって、さらに
    前記送信入力に供給される信号と前記第2レプリカ信号
    との間の差を表わすエラー信号を形成する手段並びに前
    記受信入力信号及び前記エラー信号に応じてフィルタ係
    数を適応的に修正し、これら修正されたフィルタ係数を
    当該第2デジタルフィルタの前記フィルタ係数メモリに
    供給する適応化プロセッサを有する第2デジタルフィル
    タとを含むフィルタ結合と、 − 送信出力信号を、前記送信入力に供給される前記信
    号と前記第1レプリカ信号との間の差として形成する手
    段と、 − 前記修正されたフィルタ係数を前記第1デジタルフ
    ィルタの前記プログラム可能フィルタ係数メモリに選択
    的に供給する制御可能ゲート手段と、 − 前記エラー信号及び前記送信出力信号の各々のレベ
    ルをブロック的に決定し、このように決定された各レベ
    ルに応じて所定の態様でこれらレベル間の差に依存する
    制御信号を前記ゲート手段に対し発生する制御手段と、 を含むようなデジタル エコー キャンセラにおいて、 − 前記フィルタ結合内の前記第2デジタルフィルタは
    N′個の成分のブロック長を有すると共に各ブロックm
    に対してN′個の周波数領域フィルタ係数W(p;m)
    (ただし、p=0,1,2,…,N′−1)を有するような周波
    数領域ブロック適応フィルタであり、前記第1デジタル
    フィルタはN個の時間領域フィルタ係数w(i;m)(た
    だし、i=0,1,2,…,N−1であって、N′はNより大)
    を有する時間領域プログラム可能デジタルフィルタであ
    り、 −当該 エコー キャンセラが、前記ゲート手段と変換
    手段との縦属接続を更に有し、該従属接続の入力側は前
    記周波数領域ブロック適応フィルタの出力側に結合され
    る一方、該従属接続の出力側は前記第1デジタルフィル
    タの入力側に結合され、前記変換手段は前記周波数領域
    ブロック適応フィルタから供給される前記周波数領域フ
    ィルタ係数W(p;m)を前記第1デジタルフィルタ用の
    時間領域フィルタ係数に変換するよう構成されている、 ことを特徴とするデジタル エコー キャンセラ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のデジタル エコー キャ
    ンセラにおいて、当該エコー キャンセラ第2制御可能
    ゲート手段と第2変換手段との第2の従属接続を更に有
    し、該第2の従属接続は前記第1デジタルフィルタの出
    力側と前記周波数領域ブロック適応フィルタの入力側と
    の間に介挿され、前記第2変換手段は前記第1デジタル
    フィルタから供給される前記時間領域フィルタ係数を前
    記周波数領域ブロック適応フィルタ用の周波数領域フィ
    ルタ係数に変換するよう構成され、前記第2ゲート手段
    は、これら周波数領域フィルタ係数を前記周波数領域ブ
    ロック適応フィルタに選択的に供給するように構成され
    ていることを特徴とするデジタル エコー キャンセ
    ラ。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のデジタル
    エコー キャンセラにおいて、前記第1デジタルフィル
    タの前記プログラム可能フィルタ係数メモリ内のフィル
    タ係数が、前記受信出力と前記送信入力との間における
    エコー通路のインパルス応答の1次近似を表わす既知の
    N個のフィルタ係数w(i;m)を入力することにより予
    めプログラムされることを特徴とするデジタル エコー
    キャンセラ。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか一項に記載の
    デジタル エコー キャンセラにおいて、当該デジタル
    エコー キャンセラが拡声電話機の一部として構成さ
    れていることを特徴とするデジタル エコー キャンセ
    ラ。
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