JP2936003B2 - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体集積回路装置の製造技術に関し、特
に、半導体集積回路装置の製造における薄膜形成工程に
適用して有効な技術に関する。
〔従来の技術〕
たとえば、半導体集積回路装置の製造工程において
は、配線構造や、絶縁膜、その他の回路構造を形成する
目的で、半導体基板の表面に所望の物質からなる薄膜を
化学気相成長反応などによって形成することが行われて
いる。
このような化学気相成長反応による薄膜形成装置とし
ては、たとえば、株式会社工業調査会、昭和60年11月20
日発行、「電子材料」1985年11月号別冊P56〜P64などの
文献に記載されているものが知られている。
すなわち、反応管の一端に反応ガスの入口を設け、他
端側に真空排気機構を接続し、反応管の内部軸方向に反
応ガス流通させるとともに、当該反応管の内部軸方向に
半導体基板を整列した状態に装填して、化学気相成長反
応による薄膜形成を行うようにした、いわゆる拡散炉型
の低圧化学気相成長反応装置である。
ところで、このような拡散炉型の装置では、反応ガス
が軸方向に移動する間に順次消費されることによる濃度
勾配の発生によって、反応管の内部軸方向に整列した状
態に装填されている複数の半導体基板の各々における膜
厚にばらつきを生じることが懸念される。
このため、従来では、たとえば、反応管の内部軸方向
における温度分布が、反応ガスの入口から遠いほど高く
なるようにして、前述のような濃度勾配による膜厚のば
らつきを補償することが考えられている。
なお、特開昭60−163430号公報及び特開昭62−108518
号公報には、原料ガスを供給するノズルを三重管とし
て、基板上に形成される膜の均一化を図った気相反応装
置が記載されているが、二つのノズルのうちの一方のノ
ズルの先端部を細くすることについては記載がない。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記の従来技術の場合には、膜厚の均一化
という点では、それなりの効果があるものの、反応管の
軸方向における反応ガスの濃度勾配自体が解消されるも
のではないため、反応ガスの濃度差による膜質のばらつ
きを防ぎえないという問題がある。
このことは、たとえば、半導体基板に形成される回路
構造の一層の微細化などによって、素子構造の要部を構
成する薄膜を形成する場合には、製品特性の安定化や歩
留りの向上などの観点から大きな問題となる。
そこで、本発明の目的は、半導体基板に形成される薄
膜の膜質および膜厚の均一性を向上させることが可能な
半導体集積回路装置の製造技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、半導体基板に形成される半導体
集積回路装置等の製品の歩留りを向上させることが可能
な半導体集積回路装置の製造技術を提供することにあ
る。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。
〔課題を解決するための手段〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明の半導体集積回路装置の製造方法
は、炉心管内に半導体基板を設置し、第1のノズルか
ら、反応性のより低い第1の反応ガスを、炉心管の軸方
向に流れるように導入し、下流側の口径が上流側の口径
よりも小さい第2のノズルから、反応性のより高い第2
の反応ガスを、炉心管の軸方向に、第1の反応ガスの流
通速度よりも速く流れるように導入し、第1の反応ガス
と第2の反応ガスにより、半導体基板を表面処理する工
程を有するものである。
また、本発明の半導体集積回路装置の製造方法は、炉
心管内に、複数の半導体基板を設置し、第1のノズルか
ら、反応性のより低い第1の反応ガスを、炉心管の軸方
向に流れるように導入し、管内側の先端部が徐々に細く
された第2のノズルから、反応性のより高い第2の反応
ガスを、炉心管の軸方向に流れるように導入し、第1の
反応ガスと第2の反応ガスを用いて、半導体基板を表面
処理する工程を有するものである。
〔作用〕
上記した本発明の半導体集積回路装置の製造方法によ
れば、たとえば、より反応性が高く、形成される薄膜の
膜質などの変動に大きな影響力を持つ第1の反応ガスの
炉心管内における流通速度が、より反応性の低い第2の
反応ガスの流通速度よりも大きくなるので、第1の反応
ガスの流通方向における濃度勾配が緩和され、第1およ
び第2の反応ガスの流通方向における半導体基板に対す
る薄膜形成反応を一様に進行させることができ、半導体
基板に形成される薄膜の膜厚のみならず膜質をも均一に
することができる。
この結果、たとえば半導体基板などの半導体基板に形
成される半導体集積回路装置等の製品の特性のばらつき
が減少し、歩留りが向上する。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施例である
半導体集積回路装置の製造方法の一例について詳細に説
明する。
第1図は、本発明の一実施例である半導体集積回路装
置の製造方法が実施される薄膜形成装置の一例を模式的
に示した略断面図であり、第2図および第3図は、その
一部を取り出して拡大して示す略断面図である。
たとえば、石英などからなる反応管1の両端部は、同
じく石英などからなるキャップ2およびキャップ3によ
って閉止されている。
反応管1の外周部には、ヒータ4が装着されており、
当該反応管1の内部が所望の温度に加熱される構造とな
っている。
反応管1の内部には、たとえば石英などからなるカー
トリッジ5に保持された複数の半導体基板6が、反応管
1の内部軸方向に所定の姿勢て整列した状態で収容され
ており、反応管1に対して着脱自在に設けられた前記キ
ャップ2を取り外すことによって、当該反応管1の軸方
向に搬入および搬出動作が行われるようになっている。
反応管1の一端を閉止するキャップ3には、排気管7
を介して、図示しない真空ポンプ群などからなる排気機
構が接続されており、密閉状態の反応管1の内部を所望
の真空度に排気することが可能になっている。
一方、他端側のキャップ2には、複数の第1ノズル8
および第2ノズル9が、それぞれの先端部を反応管1の
軸方向に向けた状態に配置されている。
第1ノズル8および第2ノズル9の各々の外端部は、
外部に設けられた図示しないガス源に接続されており、
たとえばジクロルシランなどからなる第1反応ガスg1、
および、たとえばアンモニアなどからなる第2反応ガス
g2が個別に、反応管1の内部に供給されるものである。
この場合、より反応性の高いジクロルシランなどから
なる第1反応ガスg1を供給する第1ノズル8の先端部に
は、第1図および第2図などに示されるように縮径部8a
が設けられ、第1反応ガスg1の流れ方向に向かって口径
(断面積)が漸減するような先細形状を呈していいる。
すなわち、第1ノズル8の断面積は、経路途中のほぼ
一様な部分でS0、先端の縮径部8aでは、これよりも小さ
なS1となっており、第1反応ガスg1は、当該第1ノズル
8の先端部で加速されて反応管1の内部に流入する構造
となっている。
一方、ジクロルシランなどからなる第1反応ガスg1よ
りも反応性の低いアンモニアなどからなる第2反応ガス
g2を供給する第2ノズル9は、第3図に示されるよう
に、経路途中から先端部まで一様な断面積S2となってい
る。
以下、本実施例の半導体集積回路装置の製造方法の作
用の一例について説明する。
まず、排気管7を通じて排気することより、反応管1
の内部を所望の真空度にするとともに、ヒータ4によっ
て当該反応管1の内部に収容されている半導体基板6を
所望の温度に加熱する。
この状態で、第1ノズル8および第2ノズル9を通じ
て、反応管1の一端側から内部に第1反応ガスg1および
第2反応ガスg2を供給すると、当該第1反応ガスg1およ
び第2反応ガスg2は、反応管1の内部を流通して他端側
から外部に排出されるまでの間に、流通経路に位置する
複数の半導体基板6との間で化学気相成長反応を行い、
半導体基板6の表面には、たとえば、ジクロルシランと
アンモニアとの反応によって、窒化シリコンの薄膜が堆
積形成される。
この時、ジクロルシランとアンモニアとの反応は、よ
り反応性の高いジクロルシランの濃度によって律速さ
れ、複数の半導体基板6の配列方向における薄膜の膜厚
および膜質は、当該ジクロルシランからなる第1反応ガ
スg1の流通方向における濃度勾配によって主に支配され
る。
いま、所定の処理時間内に所定の膜厚を得るための第
1反応ガスg1および第2反応ガスg2の流量を、それぞれ
Q1およびQ2とし、さらに第1反応ガスg1の第1ノズル8
の途中および先端部における流速をそれぞれV0およびV1
とすると、先細の第1ノズル8から供給される第1反応
ガスg1の流速は、従来の一様な口径の場合に比較して、
Q0=V0・S0=V1・S1、およびS1<<S0の関係から、V1=
V0×(S0/S1)に加速される。
すなわち、必要な流量Q0を維持したままで、反応のよ
り高い第1反応ガスg1の流通方向における吹き出し速度
を大きくすることで、複数の半導体基板6が配列方向で
ある反応管1の内部軸方向における第1反応ガスg1の濃
度勾配がほとんど無くなる。
これにより、半導体基板6の配列方向の各部における
ジクロルシランからなる第1反応ガスg1とアンモニアか
らなる第2反応ガスg2との化学気相成長反応による薄膜
形成処理を一様に進行させることができ、複数の半導体
基板6の各々には、その配列方向における位置の影響を
受けることなく、一様な膜厚および膜質の、たとえば窒
化シリコンからなる薄膜を形成することができる。
この結果、たとえば、上述のようにして形成された薄
膜に対するエッチングなどにおいて、当該薄膜の膜厚の
ばらつきなどに起因するエッチングパターンのばらつき
が解消され、エッチング処理の精度が向上する。
さらに、たとえば、半導体基板6に形成されるダイナ
ミックRAMなどの半導体集積回路装置において、ビット
情報を電荷の形で保持する容量素子構造を窒化ソリコン
からなる薄膜を用いて構成する場合などに、当該窒化シ
リコン膜における誘電率などの特性を安定かつ均一に設
定可能となり、当該半導体集積回路装置の動作特性の安
定化が実現し、歩留りが向上する。
また、たとえば、EEP−ROMなどの半導体集積回路装置
においては、いわゆるMNOS(Metal−nitride−Oxide−S
emiconductor)構造を構成する窒化シリコン膜内におけ
る電子準位を利用するため、当該窒化シリコン膜の膜質
が、当該素子の動作特性などに大きく影響するが、本実
施例の場合には、膜質が安定するので、半導体集積回路
装置の特性のばらつきを、確実に減少させることがで
き、製品歩留りが向上する。
なお、上記の説明では、第1反応ガスg1および第2反
応ガスg2の一例として、ジクロルシランおよびアンモニ
アの組み合わせから窒化シリコンの薄膜を形成する場合
について説明したが、たとえぱ、第1反応ガスg1および
第2反応ガスg2として、モノシランおよびアンモニアの
組み合わせから窒化シリコンの薄膜を形成する場合、あ
るいは、モノシランとキャリアガスとの組み合わせで、
当該モノシラン自体の熱分解によって多結晶シリコンの
薄膜を形成する場合、さらには、モノシランと二窒化酸
素から酸化シリコンの薄膜を形成する場合など、種々の
第1反応ガスg1および第2反応ガスg2の組み合わせにつ
いて適用しても、同様の効果が得られることはいうまで
もない。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。
たとえば、薄膜形成装置の全体構造は前記実施例に例
示した構造に限定されない。
〔発明の効果〕
本願において開示される発明のうち、代表的なものに
よって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおり
である。
すなわち、本発明の半導体集積回路装置の製造方法に
よれば、炉心管内に半導体基板を設置し、第1のノズル
から、反応性のより低い第1の反応ガスを、前記炉心管
の軸方向に流れるように導入し、下流側の口径が上流側
の口径よりも小さい第2のノズルから、反応性のより高
い第2の反応ガスを、前記炉心管の軸方向に、前記第1
の反応ガスの流通速度よりも速く流れるように導入し、
前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスにより、前記
半導体基板を表面処理する工程を有するので、たとえ
ば、より反応性が高く、形成される薄膜の膜質の変動に
大きな影響力を持つ第1の反応ガスの炉心管内における
流通速度が、より反応性の低い第2の反応ガスの流通速
度よりも大きくなり、第1の反応ガスの流通方向におけ
る濃度勾配が緩和され、第1および第2の反応ガスの流
通方向における被処理物に対する薄膜形成反応を一様に
進行させることができ、被処理物に形成される薄膜の膜
厚のみならず膜質をも均一にすることができる。
また、本発明の半導体集積回路装置の製造方法によれ
ば、炉心管内に、複数の半導体基板を設置し、第1のノ
ズルから、反応性のより低い第1の反応ガスを、前記炉
心管の軸方向に流れるように導入し、管内側の先端部が
徐々に細くされた第2のノズルから、反応性のより高い
第2の反応ガスを、前記炉心管の軸方向に流れるように
導入し、前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスを用
いて、前記半導体基板を表面処理する工程を有するの
で、たとえば、より反応性が高く、形成される薄膜の膜
質の変動に大きな影響力を持つ第1の反応ガスの炉心管
内における流通速度が、より反応性の低い第2の反応ガ
スの流通速度よりも大きくなり、第1の反応ガスの流通
方向における濃度勾配が緩和され、第1および第2の反
応ガスの流通方向における被処理物に対する薄膜形成反
応を一様に進行させることができ、被処理物に形成され
る薄膜の膜厚のみならず膜質をも均一にすることができ
る。
この結果、たとえば半導体基板などの被処理物に形成
される製品の特性のばらつきが減少し、歩留りが向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例である半導体集積回路装置
の製造方法が実施される薄膜形成装置の構造の一例を模
式的に示した略断面図、 第2図は、その一部を取り出して拡大して示す略断面
図、 第3図は、同じく、その一部を取り出して拡大して示す
略断面図である。 1……反応管、2,3……キャップ、4……ヒータ、5…
…カートリッジ、6……半導体基板、7……排気管、8
……第1ノズル、8a……縮径部、g1……第1反応ガス、
9……第2ノズル、g2……第2反応ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健治 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 日立マイクロコンピュータエンジニアリ ング株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−250326(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/00 - 16/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心管内に半導体基板を設置し、 第1のノズルから、反応性のより低い第1の反応ガス
    を、前記炉心管の軸方向に流れるように導入し、 下流側の口径が上流側の口径よりも小さい第2のノズル
    から、反応性のより高い第2の反応ガスを、前記炉心管
    の軸方向に、前記第1の反応ガスの流通速度よりも速く
    流れるように導入し、 前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスにより、前記
    半導体基板を表面処理する工程を有することを特徴とす
    る半導体集積回路装置の製造方法。
  2. 【請求項2】炉心管内に、複数の半導体基板を設置し、 第1のノズルから、反応性のより低い第1の反応ガス
    を、前記炉心管の軸方向に流れるように導入し、 管内側の先端部が徐々に細くされた第2のノズルから、
    反応性のより高い第2の反応ガスを、前記炉心管の軸方
    向に流れるように導入し、 前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスを用いて、前
    記半導体基板を表面処理する工程を有することを特徴と
    する半導体集積回路装置の製造方法。
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