JP2935195B2 - 液晶中の不純物除去方法 - Google Patents

液晶中の不純物除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶中の不純物除去方法に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
液晶表示素子においては、液晶がイオン性の不純物
(不純物イオンおよび極性分子)を含んでいると、液晶
の比抵抗がイオン性不純物の影響で低下して、液晶表示
素子の表示品質や寿命および信頼性等に影響する。この
液晶中のイオン性不純物による影響は、特に、配向膜と
してポリイミド等の有機絶縁膜を用いている液晶表示素
子において顕著である。
このため従来から、液晶中の不純物を除去することが
研究されており、その方法として、特公平1−48305号
広報に記載されている方法が考えられている。
この不純物除去方法は、液晶中の不純物を、イオン交
換樹脂による精製と、ゼオライトによる精製と、アルミ
ナ(高純度γ−アルミナ)による精製とによって除去す
る方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記従来の不純物除去方法は、ゼオライトに
よる精製において、ゼオライトが、液晶中のイオン性不
純物を吸着する代りに、アルカリまたはアルカリ金属の
イオンを液晶中に放出するため、液晶中にゼオライトが
放出したイオンが残ってしまうという問題をもってい
た。
これは、ゼオライトが、イオン性不純物の吸着剤とし
て作用するほか、極性の強い分子およびイオンに対して
はイオン交換剤として働くためである。
すなわち、従来の不純物除去方法において使用されて
いるゼオライトは、アルカリまたはアルカリ金属を含む
含水アルミノケイ酸塩であり、一般に次の化学式で表さ
れるものである。
Mm〔AlaSibO2(a+b)〕・xH2O …(1) M;アルカリまたはアルカリ金属 このゼオライトは、第6図に示す骨格構造をもってい
る。なお、この骨格構造において、AlとSiの配列は、上
記(1)式におけるAlの量aとSiの量bによって種々の
形態をとる。
そして、このゼオライトは、3荷の正電荷をもつAlが
図の骨格構造のように4つのOとつながっているため、
AlにOがつながった骨格構造が負の電荷をもっており、
この部分に、正の電荷をもつアルカリまたはアルカリ金
属Mが静電気的に吸着されて存在している。つまり、こ
のゼオライトは、〔(Al,Si)O2〕nの骨格構造に、イ
オンおよび極性をもつ分子が出入できる空孔をもってい
る。
このため、ゼオライトによる精製において上記ゼオラ
イトを液晶に混入すると、液晶中のイオン性不純物が、
ゼオライトに含まれているアルカリまたはアルカリ金属
Mとの交換によってゼオライトに吸着される。
第7図はこのゼオライトの不純物吸着作用を示いてお
り、液晶中のイオン性不純物(正の電荷をもつ不純物イ
オンおよび極性分子)Aがゼオライト内に静電気的に吸
着されると同時に、ゼオライト内のアルカリまたはアル
カリ金属Mがイオンとして液晶中に放出される。
このため、上記従来のゼオライトによる精製では、液
晶中にゼオライトが放出したイオン(アルカリまたはア
ルカリ金属のイオン)が残り、したがって液晶中のイオ
ン性不純物を十分に除去することができないし、また、
ゼオライトからの放出イオンがK,Na,NH4等のイオンの場
合は、逆に液晶の特性を劣化させてしまうことになる。
本発明は上記のような実情にかんがみてなされたもの
であって、その目的とするところは、液晶中に液晶の特
性を劣化させるイオンを放出することなく液晶中のイオ
ン性不純物を除去することができる、液晶中の不純物除
去方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、アルカリまたはアルカリ金属をプロトンに
置換したプロトン型のゼオライトを液晶に混入して前記
液晶中のイオン性不純物を除去することを特徴とするも
のである。
〔作用〕
このように、アルカリまたはアルカリ金属をプロトン
に置換したプロトン型のゼオライトを用いれば、液晶中
のイオン性不純物がゼオライトに吸着されるのと交換に
ゼオライトから液晶中に放出されるのはプロトンであ
り、このプロトンは液晶中にH+として存在するが、液晶
に悪影響を与えないから、本発明によれば、液晶中に液
晶の特性を劣化させるイオンを放出することなく液晶中
のイオン性不純物を除去することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第5図を参照して
説明する。
まず、本発明の不純物除去方法において使用するプロ
トン型のゼオライトについて説明すると、このプロトン
型ゼオライトは、次の化学式で表される。
Hm〔AlaSibO2(a+b)〕・xH2O …(2) このプロトン型ゼオライトは、前述した(1)式で表
される従来のゼオライト(アルカリまたはアルカリ金属
を含む含水アルミノケイ酸塩)のM(アルカリまたはア
ルカリ金属)をプロトンHに置換したものであり、この
プロトン型ゼオライトは、第1図に示す骨格構造をもっ
ている。なお、この骨格構造において、AlとSiの配列
は、上記(2)式におけるAlの量aとSiの量bによって
種々の形態をとる。
このプロトン型ゼオライトは、前記従来のゼオライト
から次のような反応によって得ることができる。
すなわち、第2図は従来のゼオライトからプロトン型
ゼオライトを得る反応を示しており、従来のゼオライト
にNH4Cl(塩化アンモニウム)を添加すると、従来のゼ
オライトに静電気的に吸着されている正の電荷をもつア
ルカリまたはアルカリ金属Mが、正の電荷をもつNH4
置換する。そして、これを350℃〜450℃の高温で加熱焼
成すると、前記NH4のうちの1つのHが、Alに4つのO
がつながった負の電荷をもつ骨格構造のOの1つに結合
し、残りのNH3(アンモニア)が分離されて、従来のゼ
オライトのMをHに置換したプロトン型のゼオライトが
得られる。
このプロトン型ゼオライトは、従来のゼオライトと同
様に、極性のない不純物を吸着する働きももっているの
で、主に分子レベルの不純物を吸着で除去し、イオンレ
ベルの不純物をイオン交換で除去する。
そして、液晶中の不純物の除去は、前記プロトン型ゼ
オライトを液晶に混入して行なう。
第3図は前記プロトン型ゼオライトの不純物吸着作用
を示しており、液晶中のイオン性不純物(正の電荷をも
つ不純物イオンおよび極性分子)Aがゼオライト内に静
電気的に吸着されると同時に、ゼオライト内のプロトン
Hが液晶中に放出される。
すなわち、前記プロトン型ゼオライトを液晶に混入し
てこの液晶を精製すると、液晶中のイオン性不純物がゼ
オライトに吸着されるのと交換にゼオライトから液晶中
に放出されるのは、液晶に悪影響を与えないプロトンH
である。
したがって、上記プロトン型ゼオライトによれば、液
晶中に液晶の特性を劣化させるイオンを放出することな
く液晶中のイオン性不純物を除去することができる。
次に、前記プロトン型ゼオライトによる液晶精製の具
体的な実施例を説明する。
液晶表示素子は、一対の電極形成基板を枠状シール材
を介して接着したセラ内に、真空注入法により液晶を注
入して製造されるが、この液晶の注入工程において、液
晶溜容器内の液晶は徐々に不純物(例えばセル表面の付
着物等)を取込んで比抵抗が低下し、また水分量が増大
して行く。
そこで、この実施例では、前記液晶溜容器内の液晶を
回収し、この液晶10gに、1g(液晶量の約10%)のプロ
トン型ゼオライトを混入して、約3時間放置した後、こ
れを濾過してプロトン型ゼオライトを分離した。なお、
この実施例では、プロトン型ゼオライトとして、Alの量
aとSiの量bの比(b/a)が約6のものを使用した。
このように、比抵抗が低下し水分量が増大した液晶を
プロトン型ゼオライトにより精製したところ、従来のゼ
オライトによる精製に比べて液晶の比抵抗を十分に上
げ、かつ水分量も減少させることができた。
すなわち、第4図および第5図は、前記液晶溜容器か
ら回収した液晶と、この回収液晶を上記プロトン型ゼオ
ライトにより精製した液晶と、前記回収液晶を従来のア
ルカリまたはアルカリ金属を含むゼオライトにより精製
した液晶との、比抵抗および水分量を測定した結果を示
している。
第4図から明らかなように、比抵抗が7〜8×1010Ω
・cmに低下した回収液晶を従来のゼオライトにより精製
した場合、この精製液晶の比抵抗は14〜16×1010Ω・cm
に上がる程度であったが、上記回収液晶をプロトン型ゼ
オライトにより精製すると、この精製液晶の比抵抗は、
160〜180×1010Ω・cmに大幅に高くなった。これは、プ
ロトン型ゼオライトによって精製した液晶は、液晶中の
イオン性不純物が十分に除去されていることを示してい
る。
また、第5図に示すように、上記回収液晶の水分量は
約80PPMであったが、この回収液晶をプロトン型ゼオラ
イトにより精製したところ、この精製液晶の水分量は約
20PPMとなり、従来のゼオライトにより精製した場合と
ほぼ同程度に水分量を減少させることができた。
なお、上記実施例では、プロトン型ゼオライトとし
て、Alの量aとSiの量bの比(b/a)が約6のものを使
用したが、このプロトン型ゼオライトの酸性度を低くす
るために、Alの量aとSiの量bの比(b/a)は小さい方
がよく、最も望ましくは、a=bである。
また、上記実施例では、液晶溜容器内の液晶を回収し
て精製したが、液晶溜容器内の液晶浴にプロトン型ゼオ
ライトを混入しておいて、液晶溜容器内に液晶の精製を
行ないながら、この液晶をセルに注入するようにしても
よい。この場合、ゼオライトの粒径をセルギャップ(液
晶注入口の高さ)より大きくしておけば、セル内にゼオ
ライトが入り込むことはない。
また、液晶中のイオン性不純物は、前記プロトン型ゼ
オライトによる精製で十分除去できるが、このプロオン
型ゼオライトによる精製に加えて、イオン交換樹脂によ
る精製や、アルミナ(高純度γ−アルミナ)による精製
を併用してもよい。
〔発明の効果〕
本発明は、アルカリまたはアルカリ金属をプロトンに
置換したプロトン型のゼオライトを液晶に混入して液晶
中のイオン性不純物を除去するものであるから、液晶中
のイオン性不純物がゼオライトに吸着されるのと交換に
ゼオライトから液晶中に放出されるのはプロトンであ
り、したがって本発明によれば、液晶中に液晶の特性を
劣化させるイオンを放出することなく液晶中のイオン性
不純物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本発明の一実施例を示したもので、第
1図はプロトン型ゼオライトの骨格構造図、第2図はプ
ロトン型ゼオライトを得る反応を示す図、第3図はプロ
トン型ゼオライトの不純物吸着作用を示す図、第4図お
よび第5図は回収液晶とプロトン型ゼオライトによる精
製液晶と従来のゼオライトによる精製液晶との比抵抗お
よび水分量を測定した結果を示す図である。第6図は従
来のゼオライトの骨格構造図、第7図は従来のゼオライ
トの不純物吸着作用を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリまたはアルカリ金属をプロトンに
    置換したプロトン型のゼオライトを液晶に混入して前記
    液晶中のイオン性不純物を除去することを特徴とする液
    晶中の不純物除去方法。
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