JP2933810B2 - 電子制御ショックアブソーバ装置 - Google Patents
電子制御ショックアブソーバ装置Info
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- JP2933810B2 JP2933810B2 JP5252843A JP25284393A JP2933810B2 JP 2933810 B2 JP2933810 B2 JP 2933810B2 JP 5252843 A JP5252843 A JP 5252843A JP 25284393 A JP25284393 A JP 25284393A JP 2933810 B2 JP2933810 B2 JP 2933810B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用、特に自動車
用の電子制御ショックアブソーバ装置に関し、より詳細
には、ショックアブソーバから発生した減衰力が、車体
の上下振動に対して加振方向に働くか制振方向に働くか
に応じて、ショックアブソーバの減衰力を低減衰力又は
高減衰力のいずれかに切換え制御し、車両の乗心地及び
操縦安定性を向上する装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電子制御ショックアブソーバ装置
としては、例えば、「The Shock andVi
bration Bulletin51,part1」
p125〜p131(5月、1981)(以下、第1従
来例と称す)に開示されているものが知られている。こ
の第1従来例においては、ショックアブソーバの減衰力
をバネ上の動きに対して常に制振力として作用する、所
謂スカイフックダンパーを、減衰係数を所定の値と0と
の間で切り換えるON−OFFダンパーで疑似的に行う
減衰力可変ショックアブソーバの減衰力制御が開示され
ている。本第1従来例に開示された減衰力制御による
と、バネ上速度とバネ上−バネ下の相対速度の方向が一
致するときには減衰力可変ショックアブソーバの減衰係
数を所定値にし、制振作用が起きるようにするととも
に、バネ上速度と相対速度の方向が一致しないときには
減衰係数を0として、ショックアブソーバの減衰力が加
振力として作用しないようにしている。 【0003】この他、実開昭58−67139号公報
(以下、第2従来例と称す)や特開昭57−18250
6号公報(以下、第3従来例と称す)に開示されている
ものが知られている。第2従来例においては、シリンダ
を構成する外筒の内部にオリフィスを形成したピストン
を摺動自在に配設すると共に、ピストンに内筒が固定さ
れたショックアブソーバにおいて、外筒のピストン移動
範囲の両側を連通するバイパス通路と、このバイパス通
路の一部に設けられたソレノイドバルブと、外筒と内筒
との相対移動を検出するセンサと、制動時に相対移動量
あるいは移動速度が予め定められた値を越えた時に前記
ソレノイドバルブを閉または断続開閉制御を行うマイク
ロコンピュータとを備えることにより、制動時における
ショックアブソーバの必要量以上の沈み込みを確実に防
止するようにしている。 【0004】第3従来例においては、緩衝器の伸側及び
圧側作動時に作動油流路を開閉する減衰バルブを入力電
圧に応じて個別に開閉する電磁ソレノイドと、ストロー
ク変化に応じた信号を出力する変位センサ及びこの変位
センサの出力を微分して変位速度に応じた信号を出力す
る微分回路とを有し、変位センサのストローク変化に応
じて緩衝器の伸側及び圧側の減衰力指令電圧を形成する
と共に、微分回路から出力される変位速度が設定値より
大きいときに変位速度に応じて緩衝器の伸側及び圧側の
減衰力指令電圧を形成して、両減衰力指令電圧を加算し
て、伸側電磁ソレノイド及び圧側電磁ソレノイドを制御
することにより、車両の走行状態に応じた最適の減衰力
制御を行うようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1従来例にあっては、バネ上速度と相対速度との方向の
みに基づき減衰係数を切り換えているため、バネ上速度
と相対速度とが共に微小である安定走行状態においても
減衰係数が大きい側に切換えられる場合がある。それに
伴い、乗心地が悪化するばかりか、減衰係数の切換え頻
度が多くなり、減衰力可変のショックアブソーバを構成
する部品の耐久性が悪化するという問題点があった。 【0006】さらに、第2従来例においては、単にショ
ックアブソーバの相対変位又は相対速度に基づいて減衰
力を制御するだけであり、ショックアブソーバの減衰力
が車体の上下振動に対して加振方向に働くか制振方向に
働くかを判断するのでなく、制動時におけるショックア
ブソーバの必要以上の沈み込みを防止することを目的と
しており、乗心地の向上や操縦安定性の確保を効果的に
行うことはできないという問題点がある。また、相対移
動量あるいは移動速度の一方のみしか検出していないの
で、前述したような、これら両方の値が共に微小とする
安定走行状態を検出することはできない。 【0007】さらに、第3従来例においては、ショック
アブソーバの中立状態からのストローク変化量が大きく
なるに応じて減衰力指令電圧が高くなると共に、微分回
路から出力される変位速度が設定値に達するまでは零
で、設定値を越えると変位速度が速くなるに従って減衰
力指令電圧が高くなるように設定され、ストローク変化
に応じた減衰力指令電圧と変位速度に応じた減衰力指令
電圧とを加算した値で減衰力制御を行うことにより、減
衰力を無段階に制御することができるが、ストロークが
中立状態から伸側或いは圧側に変化する場合には、直ち
にストローク変化に応じた減衰力制御が開始されること
になって、制御を行わない不感帯が設定されていないの
で、常時アクチュエータとしての減衰バルブの電磁ソレ
ノイドが作動状態となり、乗心地が悪化すると共に、長
期の使用に耐えられないという未解決の課題がある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上述した従来装置の問題
点を解決するために、本発明に係る電子制御ショックア
ブソーバ装置は、図1に示すように、制御信号の入力に
より減衰力を少なくとも低減衰力と高減衰力の2段階に
切換え可能な減衰力可変ショックアブソーバと、バネ上
速度を計測するバネ上速度計測手段と、バネ上−バネ下
間の相対変位を検出する相対変位検出手段と、該相対変
位検出手段の相対変位に基づいて前記バネ上−バネ下間
の相対速度を、伸び側への移動を前記バネ上速度におけ
る上方への移動時の符号と同一符号として算出する相対
速度算出手段と、前記相対変位を移動平均して相対変位
中立点を算出する相対変位中立点算出手段と、該相対変
位中立点算出手段で算出した相対変位中立点と前記相対
変位検出手段の相対変位との偏差が予め設定した第1の
微小設定値を越えているか否かを判定する相対変位判定
手段と、前記相対速度算出手段の相対速度が予め設定し
た第2の微小設定値を越えているか否かを判定する相対
速度判定手段と、前記相対変位判定手段で前記偏差が第
1の微小設定値以下であると判定され、且つ前記相対速
度判定手段で前記相対速度が第2の微小設定値以下であ
ると判定される安定走行状態であるときには前記減衰力
可変ショックアブソーバの減衰力を低減衰力に維持する
制御信号を出力すると共に、前記安定走行状態以外の走
行状態であるときには前記バネ上速度計測手段により計
測されたバネ上速度の符号と前記相対速度算出手段によ
り算出された相対速度の符号が一致するときにのみ、前
記減衰力可変ショックアブソーバの減衰力を高減衰力と
する制御信号を出力する制御信号出力手段とを備えてい
る。 【0009】 【作用】本発明においては、相対変位中立点算出手段に
よって相対変位検出手段で検出した相対変位を移動平均
して相対変位中立点を算出することにより、この相対変
位中立点を乗員数や積載重量の変化による車高変化に応
じた値とすることができる。そして、この相対変位中立
点と相対変位検出手段で検出した相対変位との偏差が予
め設定した第1の微小設定値を越えているか否かを相対
変位判定手段で判定すると共に、相対速度判定手段で相
対速度算出手段の相対速度が予め設定した第2の微小設
定値を越えているか否かを判定し、制御信号出力手段に
よって、相対変位判定手段で前記偏差が第1の微小設定
値以下であると判定され、且つ前記相対速度判定手段で
前記相対速度が第2の微小設定値以下であると判定され
る安定走行状態であるときには低減衰力とする制御信号
を減衰力可変ショックアブソーバに出力して、減衰力可
変ショックアブソーバを低減衰力状態に維持する。一
方、前記安定走行状態以外の走行状態であるときには、
前記バネ上速度計測手段により計測されたバネ上速度の
符号と前記相対速度算出手段により算出された相対速度
の符号が一致するときのみ、前記減衰力可変ショックア
ブソーバを高減衰力状態に切換える。 【0010】 【実施例】まず、この発明の電子制御ショックアブソー
バ装置の制御アルゴリズムの基本原理を説明する。図2
は、その基本原理を説明するための略図である。同図に
おいて、mはバネ上質量、kはスプリングのバネ定数、
cはショックアブソーバの減衰係数、xA はバネ上変
位、xB はバネ下変位、xR はバネ上−バネ下の間の相
対変位であり、矢示の方向の符号を正とする。(ただ
し、この発明は、乗心地及び操縦安定性の向上を目的と
しており、特に乗心地を考察する場合は、バネ上共振周
波数付近の振動が問題になる。そして一般に、バネ下共
振周波数はバネ上共振周波数に比べて高く、乗心地に対
してはバネ下の振動はあまり影響がないので、バネ下質
量及びタイヤのバネ定数を省略してある。)図示の振動
系においては、基本的に、 mxA ″+cxR ′+kxR =0 ………(1) が成り立つ。尚、式中「′」は1階微分を、「″」は2
階微分を示す(以下同様)。この(1)式を変形する
と、 mxA ″+cxA ′+kxA =cxB ′+kxB ………(2) が得られ、これにxA ′を乗じて変形すると、 〔m(xA ′)2 /2+k(xR )2 /2〕d/dt= −(cxR ′+kxR )xB ′−c(xR ′)2 …(3) となる。 【0011】ここで、V=(m/2)(xA ′)2 U=(k/2)(xR )2 Wf =−(cxR ′+kxR )xB ′ Wc =c(xR ′)2 と置くと、V及びUはそれぞれバネ上質量が保有する運
動エネルギ及び位置エネルギ、Wf は振動系の系外から
作用する単位時間あたりのエネルギ、Wc は系外へ放出
される単位あたりのエネルギとなり、(3)式は、 (V+U)d/dt =Wf −Wc ………(4) となる。(4)式を変形すると、 (V+U)d/dt=−kxR xB ′−cxR ′(xR ′+xB ′) =−kxR xB ′−cxR ′xA ′ ………(5) が得られる。 【0012】(5)式において、ショックアブソーバの
項、すなわち、右辺第2項に着目すると、 xA ′×xR ′<0 …………(6) すなわち、バネ上速度xA ′とバネ上−バネ下間の相対
速度xR ′の符号が一致しない場合(すなわち、車体
(バネ上変位)が上方に運動し(xA ′が+)、かつ、
ショックアブソーバの減衰力が上方に働く(相対速度x
R ′が−)場合、及び車体が下方に運動し(xA ′が
−)、かつ、ショックアブソーバの減衰力が下方に働く
(xR ′が+)場合は、ショックアブソーバが発生する
減衰力は、振動系のエネルギを増加させる方向、すなわ
ち、加振方向に働く。また、 xA ′×xR ′>0 …………(7) すなわち、バネ上速度xA ′と相対速度xR ′の符号が
一致する場合(上記と逆の場合)は、ショックアブソー
バが発生する減衰力は、振動系のエネルギを減少させる
方向、すなわち、制振方向に働くことになる。 【0013】従って、この発明の電子制御ショックアブ
ソーバ装置の制御の基本的な技術思想は、バネ上速度x
A ′と相対速度xR ′の符号を調べ、その符号によっ
て、ショックアブソーバが発生する減衰力が加振方向
(すなわち、車体の上下振動を増長する方向)に働く
か、又は制振方向(すなわち、車体の上下振動を抑制す
る方向)に働くかを判定し、加振方向である場合には、
減衰力可変ショックアブソーバの減衰力を低減衰力(ソ
フト)にし、制振方向である場合には、減衰力可変ショ
ックアブソーバの減衰力を高減衰力(ハード)に切り換
えるものである。 【0014】なお、バネ上速度xA ′及び相対速度
xR ′のいずれか一方又は双方が0である場合には、減
衰力可変ショックアブソーバの減衰力は低減衰力に設定
する。次に、この発明の実施例につき、図面を参照して
説明する。図3は、この発明の電子制御ショックアブソ
ーバ装置の実施例の全体構成を示す斜視図である。 【0015】同図において、車体7と各車輪8a〜8d
との間に、車重を支持するスプリング10a〜10d、
及び衝撃や振動を減衰しかつ減衰力を少なくとも低減衰
力(ソフト)と高減衰力(ハード)の2段階に切換え可
能な減衰力可変ショックアブソーバ1a〜1dを含むサ
スペンション装置9a〜9dが介装される。これらサス
ペンション装置9a〜9dの上部の車体7側に、バネ上
(すなわち車体7)の加速度xA ″を検出する加速度セ
ンサ12a〜12dが取り付けられ、また、各減衰力可
変ショックアブソーバ1a〜1dには、バネ上−バネ下
間の相対変位xR を検出するストロークセンサ13a〜
13dが内装されている。 【0016】そして、14はコントローラであり、各加
速度センサ12a〜12d及び各ストロークセンサ13
a〜13dからの検出信号を入力し、各減衰力可変ショ
ックアブソーバ1a〜1dの減衰力を低減衰力又は高減
衰力のいずれかに切り換えるための制御信号を出力する
ものである。図4は、減衰力可変ショックアブソーバ1
a〜1dの一例を示す縦断面図であり、低減衰力と高減
衰力の2段階に切換え可能なものである。 【0017】同図において、減衰力可変ショックアブソ
ーバ1は、上端が車体7側に固定されて車体7と一体に
動く外筒15及びロッド16と、下端が車輪8a〜8d
側に固定されて車輪8a〜8dと一体に動くチューブ1
7を含み、ロッド16はアッパロッド18とロアロッド
19とを連結して構成される。ロアロッド19の下端に
はチューブ17内を摺動するピストン20が固定され、
ピストン20の下方のチューブ17内にフリーピストン
21が配置される。そして、チューブ17内部のピスト
ン20の上方にピストン上室Aが、ピストン20とフリ
ーピストン21の間にピストン下室Bが、フリーピスト
ン21の下方にガス室Cがそれぞれ形成される。このピ
ストン上室Aとピストン下室Bにはオイルが、ガス室C
には高圧ガスがそれぞれ封入される。 【0018】ピストン20には、伸び側バルブ22と伸
び側オリフィス23、及び縮み側バルブ24と縮み側オ
リフィス25が設けられる。アッパロッド18の中心軸
部分には、貫通孔26及び空洞部27が形成され、ま
た、ロアロッド19には、ピストン上室Aとピストン下
室Bとを連通するバイパス路28、及びそのバイパス路
28の途中部分とアッパロッド18に形成された上記空
洞部27とを連通する空洞部29が形成される。 【0019】アッパロッド18の空洞部27には、縦断
面形状がT字形のプランジャ30が配置され、このプラ
ンジャ30の下方部分は、ロアロッド19の空洞部29
内に挿入される。また、アッパロッド18の空洞部27
の内部において、プランジャ30の周囲にソレノイド3
1が配置され、さらに、このプランジャ30を常時上方
に押圧するリターンスプリング32が配置される。 【0020】ソレノイド31は、アッパロッド18の貫
通孔26を通るリード線33を介して、後述するよう
に、コントローラ14の駆動回路である駆動トランジス
タ48に接続される。この減衰力可変ショックアブソー
バ1a〜1dは、伸び行程では、伸び側バルブ22が開
いて、伸び側オリフィス23を介してピストン上室Aと
ピストン下室Bとが連通し、かつ、縮み側バルブ24に
よって縮み側オリフィス25が閉塞される。また、縮み
行程では、縮み側バルブ24が開いて、縮み側オリフィ
ス25を介してピストン上室Aとピストン下室Bとが連
通し、かつ、伸び側バルブ22によって伸び側オリフィ
ス23が閉塞される。 【0021】また、上述した伸び行程又は縮み行程のい
ずれの場合であっても、ソレノイド31が駆動回路によ
って励磁されない非通電状態では、プランジャ30がリ
ターンスプリング32によって、図面上方(D方向)に
押圧され、プランジャ30の下端がバイパス路28から
外れ、バイパス路28を介してピストン上室Aとピスト
ン下室Bとが連通する。従って、減衰力可変ショックア
ブソーバ1の減衰力は低減衰力となる。 【0022】また、ソレノイド31が駆動回路によって
励磁された通電状態では、プランジャ30はソレノイド
31の電磁力によって、リターンスプリング32の付勢
力に抗して、図面下方(E方向)に移動され、バイパス
路28が閉塞される。従って、減衰力可変ショックアブ
ソーバ1はの減衰力は高減衰力となる。図5は、減衰力
可変ショックアブソーバ1a〜1dのピストン速度(す
なわち、バネ上−バネ下間の相対速度xR ′)と減衰力
との関係を示す図である。 【0023】図示のように、減衰力は減衰力可変ショッ
クアブソーバ1a〜1dの伸び行程と縮み行程で異なる
とともに、伸び行程と縮み行程のそれぞれについて低減
衰力と高減衰力を採ることができ、総じて、伸び行程の
方が縮み行程よりも高い値に設定されている。図4に戻
って、前述したように、この減衰力可変ショックアブソ
ーバ1a〜1dには、バネ上−バネ下間の相対変位xR
を検出するストロークセンサ13a〜13dが内装され
ている。 【0024】すなわち、外筒15の内周面にコイル34
が外筒15と同軸状に巻装され、このコイル34とチュ
ーブ17とにより、ストロークセンサ13が構成され
る。このストロークセンサ13によれば、コイル34と
チューブ17との相対変位、すなわち、バネ上−バネ下
間の相対変位xR に応じて、コイル34のインダクタン
スが変化するので、このインダクタンス変化を検出する
ことにより、バネ上−バネ下間の相対変位xR が検出さ
れる。 【0025】図6は、コントローラ14の構成を示すブ
ロック図である。同図において、各加速度センサ12a
〜12dから出力されるバネ上加速度x A ″に相当する
電圧信号は、積分器36a〜36dに入力され、積分器
36a〜36dからはバネ上速度xA ′に相当する電圧
信号が出力される。この加速度センサ12a〜12dと
積分器36a〜36dとでバネ上速度計測手段2a〜2
dが構成される。 【0026】各積分器36a〜36dの出力信号はマル
チプレクサ37に入力され、マルチプレクサ37はマイ
クロコンピュータ38のインタフェース回路39からの
セレクト信号によって切り換えられ、選択された積分器
36a〜36dの出力信号を通過させ、出力する。マル
チプレクサ37から出力されたアナログ量の電圧信号
は、A/D変換器42によってデジタル信号に変換さ
れ、マイクロコンピュータ38のインタフェース回路3
9に入力される。 【0027】前述した各減衰力可変ショックアブソーバ
1a〜1dに内装されたストロークセンサ13a〜13
dを構成するコイル34a〜34dは、L/C発振器4
3a〜43dに、その発振周波数を決定するコイルとし
て組み込まれ、このL/C発振器43a〜43dから
は、バネ上−バネ下間の相対変位xR に応じた周波数の
発振出力が出力される。この発振出力は、その周波数
(F)を電圧値(V)に変換するF/V変換器44a〜
44dに供給される。 【0028】このコイル34a〜34dを組み込んだL
/C発振器43a〜43dとF/V変換器44a〜44
dとで、バネ上−バネ下間の相対変位xR を検出する相
対変位検出手段45a〜45dを構成する。図7は、バ
ネ上−バネ下間の相対変位xR とF/V変換器44から
の出力電圧との関係を示す図である。 【0029】図6に戻って、各F/V変換器44a〜4
4dの出力信号はマルチプレクサ46に入力され、マル
チプレクサ46はマイクロコンピュータ38のインタフ
ェース回路39からのセレクト信号によって切り換えら
れ、選択されたF/V変換器44a〜44dの出力信号
を通過させ、出力する。マルチプレクサ46から出力さ
れたアナログ量の電圧信号は、A/D変換器47によっ
てデジタル信号に変換され、マイクロコンピュータ38
のインタフェース回路39に入力される。 【0030】マイクロコンピュータ38は、少なくとも
インタフェース回路39と演算処理装置40とRAM,
ROM等の記憶装置41とを含んで構成され、インタフ
ェース回路39には、上述したように、マルチプレクサ
37,46及びA/D変換器42,47が接続される。
さらに、インタフェース回路39には、減衰力可変ショ
ックアブソーバ1a〜1dのソレノイド31の駆動回路
である駆動トランジスタ48a〜48dの各ベースが接
続される。 【0031】駆動トランジスタ48a〜48dの各コレ
クタには、前述した減衰力可変ショックアブソーバ1a
〜1dに内蔵されているソレノイド31a〜31dの一
端が接続され、ソレノイド31a〜31dの他端は電源
49に接続される。次に、この発明の電子制御ショック
アブソーバ装置の作用を、車両が平坦路を走行中に一つ
の凹所に落ち込んだ、いわゆるボトミングの場合を例と
して、以下に説明する。 【0032】図9(a)乃至(e)は、そのボトミング
の作用を示すタイムチャートである。図9(a)は路面
形状を示し、車両が平坦路を走行中に、時刻t1 におい
て、一つの車輪8a〜8dの何れかが図示のような凹所
に落ち込み始めたとする。図3及び図6において、各加
速度センサ12a〜12dから出力されるバネ上加速度
xA ″に相当する電圧信号は、コントローラ14の積分
器36a〜36dにおいて積分され、バネ上速度xA ′
に相当する電圧信号がマルチプレクサ37に供給され
る。マルチプレクサ37はインタフェース回路39から
供給されるセレクト信号によって切り換えられ、選択さ
れた積分器36a〜36dの出力電圧信号がA/D変換
器42によってデジタル信号に変換され、インタフェー
ス回路39に入力される。 【0033】なお、図9(b)は、バネ上変位xA の変
化を示し、また、バネ上速度xA ′の符号は、時刻t2
−t4 間及びt6 −t8 間で(−)、時刻t4 −t6 間
及びt8 −t10間で(+)、時刻t2 以前及びt10以降
で0となる。図3及び図6に戻って、各ストロークセン
サ13a〜13dを構成するコイル34a〜34dによ
って、チューブ17と外筒15の重なり合う長さ、すな
わち、バネ上−バネ下間の相対変位xR に相当するイン
ダクタンスの変化が生じ、L/C発振器43a〜43d
からそのインダクタンスの変化に応じた周波数の発振出
力が出力され、F/V変換器44a〜44dからは、相
対変位xR に相当する電圧信号が出力され、マルチプレ
クサ46に供給される。マルチプレクサ46はインタフ
ェース回路39から供給されるセレクト信号によって切
り換えられ、選択されたF/V変換器44a〜44dの
出力電圧信号がA/D変換器47によってデジタル信号
に変換され、インタフェース回路39に入力される。 【0034】図9(c)は、相対変位xR の変化を示
し、図9(d)は、相対速度xR ′の変化を示し、この
相対速度xR ′の符号は、時刻t1 −t3 間、t5 −t
6 間及びt9 −t11間で(+)、時刻t3 −t5 間,t
6 −t9 間及びt11−t12間で(−)、時刻t1 以前及
びt12以降で0となる。図8は、マイクロコンピュータ
38において実行される処理の手順を示すフローチャー
トである。この処理のプログラムは、マイクロコンピュ
ータ38の記憶装置41のROMに予め記憶されてい
る。そして、この処理は、例えば20ms毎のタイマ割込
み処理として実行される。 【0035】同図において、ステップでは、バネ上速
度xAi′(ただし、i=a〜d。以下、同様であ
る。)を読み込んで、記憶装置41のRAMに一時記憶
する。次いで、ステップでは、バネ上−バネ下間の相
対変位xRiを読み込み、さらに、ステップで、その
相対変位xRiの単位時間当たりの変化量、すなわち微
分演算値、すなわち相対変位速度xRi′を演算し、そ
の演算結果をRAMに一時記憶する。そして、ステップ
では、ステップにおいて記憶した相対変位xRiか
ら、その長期的な移動平均を例えば下記(8)式に従っ
て求め、相対変位xRiの中立点xR0iを演算する。x R0i =(1−α)x R0i ′+α・x Ri …………(8) ここで、x R0i ′は前回処理時の中立点、αはデータ
の重み係数であって、0<α<1に設定されている。 【0036】ステップでは、相対変位xRiとその中立
点xR0i との差の絶対値|xRi−x R0i |が予め設定さ
れた第1の微小設定値aより大きいか否かを調べ、ステ
ップでは、相対速度xRi′の絶対値|xRi′|が同様
に予め設定された第2の微小設定値bより大きいか否か
を調べる。これは、|xRi−xR0i |及び|xRi′|が
微小なときには、車体姿勢変化が殆どない安定走行状態
であって無駄な制御を行わないためであり、すなわち、
ステップで|xRi−xR0i |≦aであり、かつ、ステ
ップで|xRi′|≦bである場合には、ステップに
移行して、インタフェース回路39から選択された駆動
トランジスタ48のベースに論理値“0”(ローレベ
ル)の制御信号を出力する。 【0037】図4及び図6において、駆動トランジスタ
48のベースに制御信号“0”が入力されると、駆動ト
ランジスタ48はオフ状態になり、減衰力可変ショック
アブソーバ1に内蔵されたソレノイド31が非通電状態
となる。従って、バイパス路28を介してピストン上室
Aとピストン下室Bとの間が連通状態となり、減衰力可
変ショックアブソーバ1の減衰力は低減衰力に設定され
ることになる。 【0038】図9(e)において、時刻t7 以降は、図
9(c)に示すように、相対変位x R とその中立点xR0
の差の絶対値|xR −xR0|が第1の設定値a以下とな
ると共に、図9(d)に示すように、相対速度xR ′が
第2の設定値b以下となるので、減衰力可変ショックア
ブソーバ1の減衰力は低減衰力に設定される。図8に戻
って、ステップにおいて減衰力可変ショックアブソー
バ1の減衰力を低減衰力に設定した後は、メインプログ
ラムに復帰する。 【0039】また、ステップで|xRi−xR0i |>a
である場合、又は、ステップで|xRi′|>bである
場合には、ステップに移行し、ステップで読み込ま
れたバネ上速度xAi′と、ステップで演算された相対
速度xRi′の符号が一致するか否かを調べる。ステップ
において、xAi′とxRi′の符号が一致しない場合
(前述した(6)式)(すなわち、図9(b)乃至
(d)において、時刻t2 −t3 間及びt4−t5 間)
は、ステップに移行し、インタフェース回路39から
選択された駆動トランジスタ48のベースに論理値
“0”(ローレベル)の制御信号を出力し、上述したよ
うに、減衰力可変ショックアブソーバ1の減衰力が低減
衰力に設定される。 【0040】ステップにおいて、バネ上速度xAi′と
相対速度xRi′の符号が一致する場合(前述した(7)
式)(すなわち、時刻t3 −t4 間及びt5 −t7 間)
は、ステップに移行し、インタフェース回路39から
選択された駆動トランジスタ48のベースに論理値
“1”(ハイレベル)の制御信号を出力する。図4及び
図6において、駆動トランジスタ48のベースに制御信
号“1”が入力されると、駆動トランジスタ48はオン
状態になり、減衰力可変ショックアブソーバ1に内蔵さ
れたソレノイド31が通電状態となる。従って、バイパ
ス路28が閉塞され、ピストン上室Aとピストン下室B
との間が非連通状態となり、減衰力可変ショックアブソ
ーバ1の減衰力は高減衰力に切り換えられることにな
る。 【0041】図8に戻って、ステップにおいて減衰力
可変ショックアブソーバ1の減衰力を高減衰力に切り換
えた後は、メインプログラムに復帰する。なお、図1,
図6及び図8において、加速度センサ12と積分器36
の組合せはバネ上速度計測手段の具体例を示し、ステッ
プの処理は相対速度算出手段の具体例を示し、ステッ
プの処理は相対変位中立点算出手段の具体例を示し、
ステップの処理は相対変位判定手段の具体例を示し、
ステップの処理は相対速度判定手段の具体例を示し、
ステップ〜の処理は制御信号出力手段の具体例を示
す。 【0042】図10は、上記のごとくに減衰力を制御し
た場合(実線)と、従来技術のごとくに減衰力を低減衰
力に固定して制御した場合(一点鎖線)及び高減衰力に
固定して制御した場合(破線)におけるバネ上変位xA
の変化を示す。図から明らかなように、低減衰力固定の
場合(一点鎖線)は、凹所に落ち込んだときの突き上げ
は小さいが、振動の減衰が遅く、フワフワした感じにな
り、高減衰力固定の場合(破線)の場合は、振動の減衰
は早いが、突き上げが大きい。これに対して、本願にお
けるごとくに制御する(実線)と、突き上げも小さくか
つ振動の減衰も良く、快適な乗心地を得ることができ
る。 【0043】以上説明した実施例においては、コントロ
ーラはマイクロコンピュータを用いて構成した場合を示
したが、微分回路,乗算回路,符号判別回路等の電子回
路によって構成してもよい。また、減衰力可変ショック
アブソーバとしては、低減衰力と高減衰力の2段階に切
換え可能なものを示したが、3段階以上の多段階に切り
換えるものに対しても、この発明は適用できる。例え
ば、低減衰力,中減衰力及び高減衰力の3段階に切換え
可能な減衰力可変ショックアブソーバの場合には、その
中の選択された2段階(例えば低減衰力と中減衰力)に
対して、この発明を適用するようにしてもよい。 【0044】さらに、減衰力可変ショックアブソーバと
してモノチューブ式のものを例示したが、ツインチュー
ブ式のものに対しても適用できる。また、バネ上−バネ
下間の相対速度xR′の計測方法として、ストロークセ
ンサを用いた場合を例示したが、バネ下の加速度を検出
し、このバネ下加速度を積分してバネ下速度を求め、こ
のバネ下速度とバネ上速度の差を演算することにより、
相対速度xR′を得るようにしてもよい。 【発明の効果】以上説明したように、この発明の電子制
御ショックアブソーバ装置によれば、相対変位中立点算
出手段によって相対変位検出手段で検出した相対変位を
移動平均することにより相対変位中立点を算出し、この
相対変位中立点と相対変位検出手段で検出した相対変位
との偏差が予め設定した第1の微小設定値を越えている
か否かを判定すると共に、相対速度判定手段で相対速度
算出手段の相対速度が予め設定した第2の微小設定値を
越えているか否かを判定し、制御信号出力手段によっ
て、相対変位判定手段で前記偏差が第1の微小設定値以
下であると判定され、且つ前記相対速度判定手段で前記
相対速度が第2の微小設定値以下であると判定される安
定走行状態であるときには低減衰力とする制御信号を減
衰力可変ショックアブソーバに出力して、減衰力可変シ
ョックアブソーバを低減衰力状態に維持するので、相対
変位中立点算出手段で算出される相対変位中立点が減衰
力制御を必要とする車両の走行中の乗員数や積載重量に
対応した値となり、走行時の実際の相対変位に基づく安
定走行状態の判断を正確に行って高減衰力への切換えを
制限することにより最適な減衰力制御を行うことがで
き、乗心地を向上させることができると共に構成部品の
耐久性を向上させることができるという効果が得られ
る。
用の電子制御ショックアブソーバ装置に関し、より詳細
には、ショックアブソーバから発生した減衰力が、車体
の上下振動に対して加振方向に働くか制振方向に働くか
に応じて、ショックアブソーバの減衰力を低減衰力又は
高減衰力のいずれかに切換え制御し、車両の乗心地及び
操縦安定性を向上する装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電子制御ショックアブソーバ装置
としては、例えば、「The Shock andVi
bration Bulletin51,part1」
p125〜p131(5月、1981)(以下、第1従
来例と称す)に開示されているものが知られている。こ
の第1従来例においては、ショックアブソーバの減衰力
をバネ上の動きに対して常に制振力として作用する、所
謂スカイフックダンパーを、減衰係数を所定の値と0と
の間で切り換えるON−OFFダンパーで疑似的に行う
減衰力可変ショックアブソーバの減衰力制御が開示され
ている。本第1従来例に開示された減衰力制御による
と、バネ上速度とバネ上−バネ下の相対速度の方向が一
致するときには減衰力可変ショックアブソーバの減衰係
数を所定値にし、制振作用が起きるようにするととも
に、バネ上速度と相対速度の方向が一致しないときには
減衰係数を0として、ショックアブソーバの減衰力が加
振力として作用しないようにしている。 【0003】この他、実開昭58−67139号公報
(以下、第2従来例と称す)や特開昭57−18250
6号公報(以下、第3従来例と称す)に開示されている
ものが知られている。第2従来例においては、シリンダ
を構成する外筒の内部にオリフィスを形成したピストン
を摺動自在に配設すると共に、ピストンに内筒が固定さ
れたショックアブソーバにおいて、外筒のピストン移動
範囲の両側を連通するバイパス通路と、このバイパス通
路の一部に設けられたソレノイドバルブと、外筒と内筒
との相対移動を検出するセンサと、制動時に相対移動量
あるいは移動速度が予め定められた値を越えた時に前記
ソレノイドバルブを閉または断続開閉制御を行うマイク
ロコンピュータとを備えることにより、制動時における
ショックアブソーバの必要量以上の沈み込みを確実に防
止するようにしている。 【0004】第3従来例においては、緩衝器の伸側及び
圧側作動時に作動油流路を開閉する減衰バルブを入力電
圧に応じて個別に開閉する電磁ソレノイドと、ストロー
ク変化に応じた信号を出力する変位センサ及びこの変位
センサの出力を微分して変位速度に応じた信号を出力す
る微分回路とを有し、変位センサのストローク変化に応
じて緩衝器の伸側及び圧側の減衰力指令電圧を形成する
と共に、微分回路から出力される変位速度が設定値より
大きいときに変位速度に応じて緩衝器の伸側及び圧側の
減衰力指令電圧を形成して、両減衰力指令電圧を加算し
て、伸側電磁ソレノイド及び圧側電磁ソレノイドを制御
することにより、車両の走行状態に応じた最適の減衰力
制御を行うようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1従来例にあっては、バネ上速度と相対速度との方向の
みに基づき減衰係数を切り換えているため、バネ上速度
と相対速度とが共に微小である安定走行状態においても
減衰係数が大きい側に切換えられる場合がある。それに
伴い、乗心地が悪化するばかりか、減衰係数の切換え頻
度が多くなり、減衰力可変のショックアブソーバを構成
する部品の耐久性が悪化するという問題点があった。 【0006】さらに、第2従来例においては、単にショ
ックアブソーバの相対変位又は相対速度に基づいて減衰
力を制御するだけであり、ショックアブソーバの減衰力
が車体の上下振動に対して加振方向に働くか制振方向に
働くかを判断するのでなく、制動時におけるショックア
ブソーバの必要以上の沈み込みを防止することを目的と
しており、乗心地の向上や操縦安定性の確保を効果的に
行うことはできないという問題点がある。また、相対移
動量あるいは移動速度の一方のみしか検出していないの
で、前述したような、これら両方の値が共に微小とする
安定走行状態を検出することはできない。 【0007】さらに、第3従来例においては、ショック
アブソーバの中立状態からのストローク変化量が大きく
なるに応じて減衰力指令電圧が高くなると共に、微分回
路から出力される変位速度が設定値に達するまでは零
で、設定値を越えると変位速度が速くなるに従って減衰
力指令電圧が高くなるように設定され、ストローク変化
に応じた減衰力指令電圧と変位速度に応じた減衰力指令
電圧とを加算した値で減衰力制御を行うことにより、減
衰力を無段階に制御することができるが、ストロークが
中立状態から伸側或いは圧側に変化する場合には、直ち
にストローク変化に応じた減衰力制御が開始されること
になって、制御を行わない不感帯が設定されていないの
で、常時アクチュエータとしての減衰バルブの電磁ソレ
ノイドが作動状態となり、乗心地が悪化すると共に、長
期の使用に耐えられないという未解決の課題がある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上述した従来装置の問題
点を解決するために、本発明に係る電子制御ショックア
ブソーバ装置は、図1に示すように、制御信号の入力に
より減衰力を少なくとも低減衰力と高減衰力の2段階に
切換え可能な減衰力可変ショックアブソーバと、バネ上
速度を計測するバネ上速度計測手段と、バネ上−バネ下
間の相対変位を検出する相対変位検出手段と、該相対変
位検出手段の相対変位に基づいて前記バネ上−バネ下間
の相対速度を、伸び側への移動を前記バネ上速度におけ
る上方への移動時の符号と同一符号として算出する相対
速度算出手段と、前記相対変位を移動平均して相対変位
中立点を算出する相対変位中立点算出手段と、該相対変
位中立点算出手段で算出した相対変位中立点と前記相対
変位検出手段の相対変位との偏差が予め設定した第1の
微小設定値を越えているか否かを判定する相対変位判定
手段と、前記相対速度算出手段の相対速度が予め設定し
た第2の微小設定値を越えているか否かを判定する相対
速度判定手段と、前記相対変位判定手段で前記偏差が第
1の微小設定値以下であると判定され、且つ前記相対速
度判定手段で前記相対速度が第2の微小設定値以下であ
ると判定される安定走行状態であるときには前記減衰力
可変ショックアブソーバの減衰力を低減衰力に維持する
制御信号を出力すると共に、前記安定走行状態以外の走
行状態であるときには前記バネ上速度計測手段により計
測されたバネ上速度の符号と前記相対速度算出手段によ
り算出された相対速度の符号が一致するときにのみ、前
記減衰力可変ショックアブソーバの減衰力を高減衰力と
する制御信号を出力する制御信号出力手段とを備えてい
る。 【0009】 【作用】本発明においては、相対変位中立点算出手段に
よって相対変位検出手段で検出した相対変位を移動平均
して相対変位中立点を算出することにより、この相対変
位中立点を乗員数や積載重量の変化による車高変化に応
じた値とすることができる。そして、この相対変位中立
点と相対変位検出手段で検出した相対変位との偏差が予
め設定した第1の微小設定値を越えているか否かを相対
変位判定手段で判定すると共に、相対速度判定手段で相
対速度算出手段の相対速度が予め設定した第2の微小設
定値を越えているか否かを判定し、制御信号出力手段に
よって、相対変位判定手段で前記偏差が第1の微小設定
値以下であると判定され、且つ前記相対速度判定手段で
前記相対速度が第2の微小設定値以下であると判定され
る安定走行状態であるときには低減衰力とする制御信号
を減衰力可変ショックアブソーバに出力して、減衰力可
変ショックアブソーバを低減衰力状態に維持する。一
方、前記安定走行状態以外の走行状態であるときには、
前記バネ上速度計測手段により計測されたバネ上速度の
符号と前記相対速度算出手段により算出された相対速度
の符号が一致するときのみ、前記減衰力可変ショックア
ブソーバを高減衰力状態に切換える。 【0010】 【実施例】まず、この発明の電子制御ショックアブソー
バ装置の制御アルゴリズムの基本原理を説明する。図2
は、その基本原理を説明するための略図である。同図に
おいて、mはバネ上質量、kはスプリングのバネ定数、
cはショックアブソーバの減衰係数、xA はバネ上変
位、xB はバネ下変位、xR はバネ上−バネ下の間の相
対変位であり、矢示の方向の符号を正とする。(ただ
し、この発明は、乗心地及び操縦安定性の向上を目的と
しており、特に乗心地を考察する場合は、バネ上共振周
波数付近の振動が問題になる。そして一般に、バネ下共
振周波数はバネ上共振周波数に比べて高く、乗心地に対
してはバネ下の振動はあまり影響がないので、バネ下質
量及びタイヤのバネ定数を省略してある。)図示の振動
系においては、基本的に、 mxA ″+cxR ′+kxR =0 ………(1) が成り立つ。尚、式中「′」は1階微分を、「″」は2
階微分を示す(以下同様)。この(1)式を変形する
と、 mxA ″+cxA ′+kxA =cxB ′+kxB ………(2) が得られ、これにxA ′を乗じて変形すると、 〔m(xA ′)2 /2+k(xR )2 /2〕d/dt= −(cxR ′+kxR )xB ′−c(xR ′)2 …(3) となる。 【0011】ここで、V=(m/2)(xA ′)2 U=(k/2)(xR )2 Wf =−(cxR ′+kxR )xB ′ Wc =c(xR ′)2 と置くと、V及びUはそれぞれバネ上質量が保有する運
動エネルギ及び位置エネルギ、Wf は振動系の系外から
作用する単位時間あたりのエネルギ、Wc は系外へ放出
される単位あたりのエネルギとなり、(3)式は、 (V+U)d/dt =Wf −Wc ………(4) となる。(4)式を変形すると、 (V+U)d/dt=−kxR xB ′−cxR ′(xR ′+xB ′) =−kxR xB ′−cxR ′xA ′ ………(5) が得られる。 【0012】(5)式において、ショックアブソーバの
項、すなわち、右辺第2項に着目すると、 xA ′×xR ′<0 …………(6) すなわち、バネ上速度xA ′とバネ上−バネ下間の相対
速度xR ′の符号が一致しない場合(すなわち、車体
(バネ上変位)が上方に運動し(xA ′が+)、かつ、
ショックアブソーバの減衰力が上方に働く(相対速度x
R ′が−)場合、及び車体が下方に運動し(xA ′が
−)、かつ、ショックアブソーバの減衰力が下方に働く
(xR ′が+)場合は、ショックアブソーバが発生する
減衰力は、振動系のエネルギを増加させる方向、すなわ
ち、加振方向に働く。また、 xA ′×xR ′>0 …………(7) すなわち、バネ上速度xA ′と相対速度xR ′の符号が
一致する場合(上記と逆の場合)は、ショックアブソー
バが発生する減衰力は、振動系のエネルギを減少させる
方向、すなわち、制振方向に働くことになる。 【0013】従って、この発明の電子制御ショックアブ
ソーバ装置の制御の基本的な技術思想は、バネ上速度x
A ′と相対速度xR ′の符号を調べ、その符号によっ
て、ショックアブソーバが発生する減衰力が加振方向
(すなわち、車体の上下振動を増長する方向)に働く
か、又は制振方向(すなわち、車体の上下振動を抑制す
る方向)に働くかを判定し、加振方向である場合には、
減衰力可変ショックアブソーバの減衰力を低減衰力(ソ
フト)にし、制振方向である場合には、減衰力可変ショ
ックアブソーバの減衰力を高減衰力(ハード)に切り換
えるものである。 【0014】なお、バネ上速度xA ′及び相対速度
xR ′のいずれか一方又は双方が0である場合には、減
衰力可変ショックアブソーバの減衰力は低減衰力に設定
する。次に、この発明の実施例につき、図面を参照して
説明する。図3は、この発明の電子制御ショックアブソ
ーバ装置の実施例の全体構成を示す斜視図である。 【0015】同図において、車体7と各車輪8a〜8d
との間に、車重を支持するスプリング10a〜10d、
及び衝撃や振動を減衰しかつ減衰力を少なくとも低減衰
力(ソフト)と高減衰力(ハード)の2段階に切換え可
能な減衰力可変ショックアブソーバ1a〜1dを含むサ
スペンション装置9a〜9dが介装される。これらサス
ペンション装置9a〜9dの上部の車体7側に、バネ上
(すなわち車体7)の加速度xA ″を検出する加速度セ
ンサ12a〜12dが取り付けられ、また、各減衰力可
変ショックアブソーバ1a〜1dには、バネ上−バネ下
間の相対変位xR を検出するストロークセンサ13a〜
13dが内装されている。 【0016】そして、14はコントローラであり、各加
速度センサ12a〜12d及び各ストロークセンサ13
a〜13dからの検出信号を入力し、各減衰力可変ショ
ックアブソーバ1a〜1dの減衰力を低減衰力又は高減
衰力のいずれかに切り換えるための制御信号を出力する
ものである。図4は、減衰力可変ショックアブソーバ1
a〜1dの一例を示す縦断面図であり、低減衰力と高減
衰力の2段階に切換え可能なものである。 【0017】同図において、減衰力可変ショックアブソ
ーバ1は、上端が車体7側に固定されて車体7と一体に
動く外筒15及びロッド16と、下端が車輪8a〜8d
側に固定されて車輪8a〜8dと一体に動くチューブ1
7を含み、ロッド16はアッパロッド18とロアロッド
19とを連結して構成される。ロアロッド19の下端に
はチューブ17内を摺動するピストン20が固定され、
ピストン20の下方のチューブ17内にフリーピストン
21が配置される。そして、チューブ17内部のピスト
ン20の上方にピストン上室Aが、ピストン20とフリ
ーピストン21の間にピストン下室Bが、フリーピスト
ン21の下方にガス室Cがそれぞれ形成される。このピ
ストン上室Aとピストン下室Bにはオイルが、ガス室C
には高圧ガスがそれぞれ封入される。 【0018】ピストン20には、伸び側バルブ22と伸
び側オリフィス23、及び縮み側バルブ24と縮み側オ
リフィス25が設けられる。アッパロッド18の中心軸
部分には、貫通孔26及び空洞部27が形成され、ま
た、ロアロッド19には、ピストン上室Aとピストン下
室Bとを連通するバイパス路28、及びそのバイパス路
28の途中部分とアッパロッド18に形成された上記空
洞部27とを連通する空洞部29が形成される。 【0019】アッパロッド18の空洞部27には、縦断
面形状がT字形のプランジャ30が配置され、このプラ
ンジャ30の下方部分は、ロアロッド19の空洞部29
内に挿入される。また、アッパロッド18の空洞部27
の内部において、プランジャ30の周囲にソレノイド3
1が配置され、さらに、このプランジャ30を常時上方
に押圧するリターンスプリング32が配置される。 【0020】ソレノイド31は、アッパロッド18の貫
通孔26を通るリード線33を介して、後述するよう
に、コントローラ14の駆動回路である駆動トランジス
タ48に接続される。この減衰力可変ショックアブソー
バ1a〜1dは、伸び行程では、伸び側バルブ22が開
いて、伸び側オリフィス23を介してピストン上室Aと
ピストン下室Bとが連通し、かつ、縮み側バルブ24に
よって縮み側オリフィス25が閉塞される。また、縮み
行程では、縮み側バルブ24が開いて、縮み側オリフィ
ス25を介してピストン上室Aとピストン下室Bとが連
通し、かつ、伸び側バルブ22によって伸び側オリフィ
ス23が閉塞される。 【0021】また、上述した伸び行程又は縮み行程のい
ずれの場合であっても、ソレノイド31が駆動回路によ
って励磁されない非通電状態では、プランジャ30がリ
ターンスプリング32によって、図面上方(D方向)に
押圧され、プランジャ30の下端がバイパス路28から
外れ、バイパス路28を介してピストン上室Aとピスト
ン下室Bとが連通する。従って、減衰力可変ショックア
ブソーバ1の減衰力は低減衰力となる。 【0022】また、ソレノイド31が駆動回路によって
励磁された通電状態では、プランジャ30はソレノイド
31の電磁力によって、リターンスプリング32の付勢
力に抗して、図面下方(E方向)に移動され、バイパス
路28が閉塞される。従って、減衰力可変ショックアブ
ソーバ1はの減衰力は高減衰力となる。図5は、減衰力
可変ショックアブソーバ1a〜1dのピストン速度(す
なわち、バネ上−バネ下間の相対速度xR ′)と減衰力
との関係を示す図である。 【0023】図示のように、減衰力は減衰力可変ショッ
クアブソーバ1a〜1dの伸び行程と縮み行程で異なる
とともに、伸び行程と縮み行程のそれぞれについて低減
衰力と高減衰力を採ることができ、総じて、伸び行程の
方が縮み行程よりも高い値に設定されている。図4に戻
って、前述したように、この減衰力可変ショックアブソ
ーバ1a〜1dには、バネ上−バネ下間の相対変位xR
を検出するストロークセンサ13a〜13dが内装され
ている。 【0024】すなわち、外筒15の内周面にコイル34
が外筒15と同軸状に巻装され、このコイル34とチュ
ーブ17とにより、ストロークセンサ13が構成され
る。このストロークセンサ13によれば、コイル34と
チューブ17との相対変位、すなわち、バネ上−バネ下
間の相対変位xR に応じて、コイル34のインダクタン
スが変化するので、このインダクタンス変化を検出する
ことにより、バネ上−バネ下間の相対変位xR が検出さ
れる。 【0025】図6は、コントローラ14の構成を示すブ
ロック図である。同図において、各加速度センサ12a
〜12dから出力されるバネ上加速度x A ″に相当する
電圧信号は、積分器36a〜36dに入力され、積分器
36a〜36dからはバネ上速度xA ′に相当する電圧
信号が出力される。この加速度センサ12a〜12dと
積分器36a〜36dとでバネ上速度計測手段2a〜2
dが構成される。 【0026】各積分器36a〜36dの出力信号はマル
チプレクサ37に入力され、マルチプレクサ37はマイ
クロコンピュータ38のインタフェース回路39からの
セレクト信号によって切り換えられ、選択された積分器
36a〜36dの出力信号を通過させ、出力する。マル
チプレクサ37から出力されたアナログ量の電圧信号
は、A/D変換器42によってデジタル信号に変換さ
れ、マイクロコンピュータ38のインタフェース回路3
9に入力される。 【0027】前述した各減衰力可変ショックアブソーバ
1a〜1dに内装されたストロークセンサ13a〜13
dを構成するコイル34a〜34dは、L/C発振器4
3a〜43dに、その発振周波数を決定するコイルとし
て組み込まれ、このL/C発振器43a〜43dから
は、バネ上−バネ下間の相対変位xR に応じた周波数の
発振出力が出力される。この発振出力は、その周波数
(F)を電圧値(V)に変換するF/V変換器44a〜
44dに供給される。 【0028】このコイル34a〜34dを組み込んだL
/C発振器43a〜43dとF/V変換器44a〜44
dとで、バネ上−バネ下間の相対変位xR を検出する相
対変位検出手段45a〜45dを構成する。図7は、バ
ネ上−バネ下間の相対変位xR とF/V変換器44から
の出力電圧との関係を示す図である。 【0029】図6に戻って、各F/V変換器44a〜4
4dの出力信号はマルチプレクサ46に入力され、マル
チプレクサ46はマイクロコンピュータ38のインタフ
ェース回路39からのセレクト信号によって切り換えら
れ、選択されたF/V変換器44a〜44dの出力信号
を通過させ、出力する。マルチプレクサ46から出力さ
れたアナログ量の電圧信号は、A/D変換器47によっ
てデジタル信号に変換され、マイクロコンピュータ38
のインタフェース回路39に入力される。 【0030】マイクロコンピュータ38は、少なくとも
インタフェース回路39と演算処理装置40とRAM,
ROM等の記憶装置41とを含んで構成され、インタフ
ェース回路39には、上述したように、マルチプレクサ
37,46及びA/D変換器42,47が接続される。
さらに、インタフェース回路39には、減衰力可変ショ
ックアブソーバ1a〜1dのソレノイド31の駆動回路
である駆動トランジスタ48a〜48dの各ベースが接
続される。 【0031】駆動トランジスタ48a〜48dの各コレ
クタには、前述した減衰力可変ショックアブソーバ1a
〜1dに内蔵されているソレノイド31a〜31dの一
端が接続され、ソレノイド31a〜31dの他端は電源
49に接続される。次に、この発明の電子制御ショック
アブソーバ装置の作用を、車両が平坦路を走行中に一つ
の凹所に落ち込んだ、いわゆるボトミングの場合を例と
して、以下に説明する。 【0032】図9(a)乃至(e)は、そのボトミング
の作用を示すタイムチャートである。図9(a)は路面
形状を示し、車両が平坦路を走行中に、時刻t1 におい
て、一つの車輪8a〜8dの何れかが図示のような凹所
に落ち込み始めたとする。図3及び図6において、各加
速度センサ12a〜12dから出力されるバネ上加速度
xA ″に相当する電圧信号は、コントローラ14の積分
器36a〜36dにおいて積分され、バネ上速度xA ′
に相当する電圧信号がマルチプレクサ37に供給され
る。マルチプレクサ37はインタフェース回路39から
供給されるセレクト信号によって切り換えられ、選択さ
れた積分器36a〜36dの出力電圧信号がA/D変換
器42によってデジタル信号に変換され、インタフェー
ス回路39に入力される。 【0033】なお、図9(b)は、バネ上変位xA の変
化を示し、また、バネ上速度xA ′の符号は、時刻t2
−t4 間及びt6 −t8 間で(−)、時刻t4 −t6 間
及びt8 −t10間で(+)、時刻t2 以前及びt10以降
で0となる。図3及び図6に戻って、各ストロークセン
サ13a〜13dを構成するコイル34a〜34dによ
って、チューブ17と外筒15の重なり合う長さ、すな
わち、バネ上−バネ下間の相対変位xR に相当するイン
ダクタンスの変化が生じ、L/C発振器43a〜43d
からそのインダクタンスの変化に応じた周波数の発振出
力が出力され、F/V変換器44a〜44dからは、相
対変位xR に相当する電圧信号が出力され、マルチプレ
クサ46に供給される。マルチプレクサ46はインタフ
ェース回路39から供給されるセレクト信号によって切
り換えられ、選択されたF/V変換器44a〜44dの
出力電圧信号がA/D変換器47によってデジタル信号
に変換され、インタフェース回路39に入力される。 【0034】図9(c)は、相対変位xR の変化を示
し、図9(d)は、相対速度xR ′の変化を示し、この
相対速度xR ′の符号は、時刻t1 −t3 間、t5 −t
6 間及びt9 −t11間で(+)、時刻t3 −t5 間,t
6 −t9 間及びt11−t12間で(−)、時刻t1 以前及
びt12以降で0となる。図8は、マイクロコンピュータ
38において実行される処理の手順を示すフローチャー
トである。この処理のプログラムは、マイクロコンピュ
ータ38の記憶装置41のROMに予め記憶されてい
る。そして、この処理は、例えば20ms毎のタイマ割込
み処理として実行される。 【0035】同図において、ステップでは、バネ上速
度xAi′(ただし、i=a〜d。以下、同様であ
る。)を読み込んで、記憶装置41のRAMに一時記憶
する。次いで、ステップでは、バネ上−バネ下間の相
対変位xRiを読み込み、さらに、ステップで、その
相対変位xRiの単位時間当たりの変化量、すなわち微
分演算値、すなわち相対変位速度xRi′を演算し、そ
の演算結果をRAMに一時記憶する。そして、ステップ
では、ステップにおいて記憶した相対変位xRiか
ら、その長期的な移動平均を例えば下記(8)式に従っ
て求め、相対変位xRiの中立点xR0iを演算する。x R0i =(1−α)x R0i ′+α・x Ri …………(8) ここで、x R0i ′は前回処理時の中立点、αはデータ
の重み係数であって、0<α<1に設定されている。 【0036】ステップでは、相対変位xRiとその中立
点xR0i との差の絶対値|xRi−x R0i |が予め設定さ
れた第1の微小設定値aより大きいか否かを調べ、ステ
ップでは、相対速度xRi′の絶対値|xRi′|が同様
に予め設定された第2の微小設定値bより大きいか否か
を調べる。これは、|xRi−xR0i |及び|xRi′|が
微小なときには、車体姿勢変化が殆どない安定走行状態
であって無駄な制御を行わないためであり、すなわち、
ステップで|xRi−xR0i |≦aであり、かつ、ステ
ップで|xRi′|≦bである場合には、ステップに
移行して、インタフェース回路39から選択された駆動
トランジスタ48のベースに論理値“0”(ローレベ
ル)の制御信号を出力する。 【0037】図4及び図6において、駆動トランジスタ
48のベースに制御信号“0”が入力されると、駆動ト
ランジスタ48はオフ状態になり、減衰力可変ショック
アブソーバ1に内蔵されたソレノイド31が非通電状態
となる。従って、バイパス路28を介してピストン上室
Aとピストン下室Bとの間が連通状態となり、減衰力可
変ショックアブソーバ1の減衰力は低減衰力に設定され
ることになる。 【0038】図9(e)において、時刻t7 以降は、図
9(c)に示すように、相対変位x R とその中立点xR0
の差の絶対値|xR −xR0|が第1の設定値a以下とな
ると共に、図9(d)に示すように、相対速度xR ′が
第2の設定値b以下となるので、減衰力可変ショックア
ブソーバ1の減衰力は低減衰力に設定される。図8に戻
って、ステップにおいて減衰力可変ショックアブソー
バ1の減衰力を低減衰力に設定した後は、メインプログ
ラムに復帰する。 【0039】また、ステップで|xRi−xR0i |>a
である場合、又は、ステップで|xRi′|>bである
場合には、ステップに移行し、ステップで読み込ま
れたバネ上速度xAi′と、ステップで演算された相対
速度xRi′の符号が一致するか否かを調べる。ステップ
において、xAi′とxRi′の符号が一致しない場合
(前述した(6)式)(すなわち、図9(b)乃至
(d)において、時刻t2 −t3 間及びt4−t5 間)
は、ステップに移行し、インタフェース回路39から
選択された駆動トランジスタ48のベースに論理値
“0”(ローレベル)の制御信号を出力し、上述したよ
うに、減衰力可変ショックアブソーバ1の減衰力が低減
衰力に設定される。 【0040】ステップにおいて、バネ上速度xAi′と
相対速度xRi′の符号が一致する場合(前述した(7)
式)(すなわち、時刻t3 −t4 間及びt5 −t7 間)
は、ステップに移行し、インタフェース回路39から
選択された駆動トランジスタ48のベースに論理値
“1”(ハイレベル)の制御信号を出力する。図4及び
図6において、駆動トランジスタ48のベースに制御信
号“1”が入力されると、駆動トランジスタ48はオン
状態になり、減衰力可変ショックアブソーバ1に内蔵さ
れたソレノイド31が通電状態となる。従って、バイパ
ス路28が閉塞され、ピストン上室Aとピストン下室B
との間が非連通状態となり、減衰力可変ショックアブソ
ーバ1の減衰力は高減衰力に切り換えられることにな
る。 【0041】図8に戻って、ステップにおいて減衰力
可変ショックアブソーバ1の減衰力を高減衰力に切り換
えた後は、メインプログラムに復帰する。なお、図1,
図6及び図8において、加速度センサ12と積分器36
の組合せはバネ上速度計測手段の具体例を示し、ステッ
プの処理は相対速度算出手段の具体例を示し、ステッ
プの処理は相対変位中立点算出手段の具体例を示し、
ステップの処理は相対変位判定手段の具体例を示し、
ステップの処理は相対速度判定手段の具体例を示し、
ステップ〜の処理は制御信号出力手段の具体例を示
す。 【0042】図10は、上記のごとくに減衰力を制御し
た場合(実線)と、従来技術のごとくに減衰力を低減衰
力に固定して制御した場合(一点鎖線)及び高減衰力に
固定して制御した場合(破線)におけるバネ上変位xA
の変化を示す。図から明らかなように、低減衰力固定の
場合(一点鎖線)は、凹所に落ち込んだときの突き上げ
は小さいが、振動の減衰が遅く、フワフワした感じにな
り、高減衰力固定の場合(破線)の場合は、振動の減衰
は早いが、突き上げが大きい。これに対して、本願にお
けるごとくに制御する(実線)と、突き上げも小さくか
つ振動の減衰も良く、快適な乗心地を得ることができ
る。 【0043】以上説明した実施例においては、コントロ
ーラはマイクロコンピュータを用いて構成した場合を示
したが、微分回路,乗算回路,符号判別回路等の電子回
路によって構成してもよい。また、減衰力可変ショック
アブソーバとしては、低減衰力と高減衰力の2段階に切
換え可能なものを示したが、3段階以上の多段階に切り
換えるものに対しても、この発明は適用できる。例え
ば、低減衰力,中減衰力及び高減衰力の3段階に切換え
可能な減衰力可変ショックアブソーバの場合には、その
中の選択された2段階(例えば低減衰力と中減衰力)に
対して、この発明を適用するようにしてもよい。 【0044】さらに、減衰力可変ショックアブソーバと
してモノチューブ式のものを例示したが、ツインチュー
ブ式のものに対しても適用できる。また、バネ上−バネ
下間の相対速度xR′の計測方法として、ストロークセ
ンサを用いた場合を例示したが、バネ下の加速度を検出
し、このバネ下加速度を積分してバネ下速度を求め、こ
のバネ下速度とバネ上速度の差を演算することにより、
相対速度xR′を得るようにしてもよい。 【発明の効果】以上説明したように、この発明の電子制
御ショックアブソーバ装置によれば、相対変位中立点算
出手段によって相対変位検出手段で検出した相対変位を
移動平均することにより相対変位中立点を算出し、この
相対変位中立点と相対変位検出手段で検出した相対変位
との偏差が予め設定した第1の微小設定値を越えている
か否かを判定すると共に、相対速度判定手段で相対速度
算出手段の相対速度が予め設定した第2の微小設定値を
越えているか否かを判定し、制御信号出力手段によっ
て、相対変位判定手段で前記偏差が第1の微小設定値以
下であると判定され、且つ前記相対速度判定手段で前記
相対速度が第2の微小設定値以下であると判定される安
定走行状態であるときには低減衰力とする制御信号を減
衰力可変ショックアブソーバに出力して、減衰力可変シ
ョックアブソーバを低減衰力状態に維持するので、相対
変位中立点算出手段で算出される相対変位中立点が減衰
力制御を必要とする車両の走行中の乗員数や積載重量に
対応した値となり、走行時の実際の相対変位に基づく安
定走行状態の判断を正確に行って高減衰力への切換えを
制限することにより最適な減衰力制御を行うことがで
き、乗心地を向上させることができると共に構成部品の
耐久性を向上させることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の電子制御ショックアブソーバ装置の
基本構成を示すブロック図である。 【図2】上記装置の制御アルゴリズムの基本原理を説明
するための略図である。 【図3】この発明の電子制御ショックアブソーバ装置の
実施例の全体構成を示す斜視図である。 【図4】減衰力可変ショックアブソーバの一例を示す縦
断面図である。 【図5】減衰力可変ショックアブソーバのピストン速度
と減衰力との関係を示す図である。 【図6】コントローラ14の構成を示すブロック図であ
る。 【図7】バネ上−バネ下間の相対変位xR とF/V変換
器からの出力電圧との関係を示す図である。 【図8】マイクロコンピュータにおいて実行される処理
の手順を示すフローチャートである。 【図9】この発明の作用の一例としてのボトミングの場
合を示すタイムチャートである。 【図10】図9に示すボトミング制御を行った場合の、
本願及び従来技術におけるバネ上変位の変化を示すタイ
ムチャートである。 【符号の説明】 1a〜1d 減衰力可変ショックアブソーバ 2a〜2d バネ上速度計測手段 12a〜12d 加速度センサ 13a〜13d ストロークセンサ 14 コントローラ 36a〜36d 積分器 38 マイクロコンピュータ 39 インタフェース回路 40 演算処理装置 41 記憶装置 43a〜43d L/C発振器 44a〜44d F/V変換器 48a〜48d 駆動トランジスタ
基本構成を示すブロック図である。 【図2】上記装置の制御アルゴリズムの基本原理を説明
するための略図である。 【図3】この発明の電子制御ショックアブソーバ装置の
実施例の全体構成を示す斜視図である。 【図4】減衰力可変ショックアブソーバの一例を示す縦
断面図である。 【図5】減衰力可変ショックアブソーバのピストン速度
と減衰力との関係を示す図である。 【図6】コントローラ14の構成を示すブロック図であ
る。 【図7】バネ上−バネ下間の相対変位xR とF/V変換
器からの出力電圧との関係を示す図である。 【図8】マイクロコンピュータにおいて実行される処理
の手順を示すフローチャートである。 【図9】この発明の作用の一例としてのボトミングの場
合を示すタイムチャートである。 【図10】図9に示すボトミング制御を行った場合の、
本願及び従来技術におけるバネ上変位の変化を示すタイ
ムチャートである。 【符号の説明】 1a〜1d 減衰力可変ショックアブソーバ 2a〜2d バネ上速度計測手段 12a〜12d 加速度センサ 13a〜13d ストロークセンサ 14 コントローラ 36a〜36d 積分器 38 マイクロコンピュータ 39 インタフェース回路 40 演算処理装置 41 記憶装置 43a〜43d L/C発振器 44a〜44d F/V変換器 48a〜48d 駆動トランジスタ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 金子 貴信
神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日
産自動車株式会社内
(56)参考文献 特開 昭57−182506(JP,A)
特開 昭59−213510(JP,A)
実開 昭58−67139(JP,U)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.制御信号の入力により減衰力を少なくとも低減衰力
と高減衰力の2段階に切換え可能な減衰力可変ショック
アブソーバと、バネ上速度を計測するバネ上速度計測手
段と、バネ上−バネ下間の相対変位を検出する相対変位
検出手段と、該相対変位検出手段の相対変位に基づいて
前記バネ上−バネ下間の相対速度を、伸び側への移動を
前記バネ上速度における上方への移動時の符号と同一符
号として算出する相対速度算出手段と、前記相対変位を
移動平均して相対変位中立点を算出する相対変位中立点
算出手段と、該相対変位中立点算出手段で算出した相対
変位中立点と前記相対変位検出手段の相対変位との偏差
が予め設定した第1の微小設定値を越えているか否かを
判定する相対変位判定手段と、前記相対速度算出手段の
相対速度が予め設定した第2の微小設定値を越えている
か否かを判定する相対速度判定手段と、前記相対変位判
定手段で前記偏差が第1の微小設定値以下であると判定
され、且つ前記相対速度判定手段で前記相対速度が第2
の微小設定値以下であると判定される安定走行状態であ
るときには前記減衰力可変ショックアブソーバの減衰力
を低減衰力に維持する制御信号を出力すると共に、前記
安定走行状態以外の走行状態であるときには前記バネ上
速度計測手段により計測されたバネ上速度の符号と前記
相対速度算出手段により算出された相対速度の符号が一
致するときにのみ、前記減衰力可変ショックアブソーバ
の減衰力を高減衰力とする制御信号を出力する制御信号
出力手段とを備えたことを特徴とする電子制御ショック
アブソーバ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5252843A JP2933810B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電子制御ショックアブソーバ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5252843A JP2933810B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電子制御ショックアブソーバ装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60004791A Division JPS61163011A (ja) | 1985-01-14 | 1985-01-14 | 電子制御ショックアブソ−バ装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06219133A JPH06219133A (ja) | 1994-08-09 |
| JP2933810B2 true JP2933810B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=17242962
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5252843A Expired - Lifetime JP2933810B2 (ja) | 1993-10-08 | 1993-10-08 | 電子制御ショックアブソーバ装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2933810B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100797032B1 (ko) * | 2002-04-08 | 2008-01-22 | 주식회사 만도 | 전자 제어 현가의 구동 제어 장치 |
| CN113959319B (zh) * | 2021-10-20 | 2024-04-09 | 广西柳州钢铁集团有限公司 | 一种基于位移检测传感器的逻辑保护方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57182506A (en) * | 1981-05-01 | 1982-11-10 | Kayaba Ind Co Ltd | Damping force controller of hydraulic pressure buffer |
| JPS5867139U (ja) * | 1981-10-29 | 1983-05-07 | 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 | シヨツクアブソ−バの制御装置 |
-
1993
- 1993-10-08 JP JP5252843A patent/JP2933810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06219133A (ja) | 1994-08-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |