JP2932890B2 - 溶接予熱処理、後熱処理省略型低合金鋼鋼管 - Google Patents

溶接予熱処理、後熱処理省略型低合金鋼鋼管

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接予熱および後熱処理
省略型低合金鋼鋼管に係り、発電プラント等において使
用されるSTPA22の例えば火力発電におけるボイラ
ーからタービンへの蒸気配管、石油プラントにおける各
種高圧配管などの鋼管についてその現地溶接を容易なら
しめようとするものである。
【0002】
【従来の技術】STPA22などの1 Cr-0.5Mo 鋼鋼管
は溶接時の硬化性が極めて高く、従来においてはその硬
度を下げ、また溶接時における溶接低温割れを防止し、
使用中の腐力腐食割れを防止する目的から予熱処理およ
び後熱処理を施すことが必要とされている。
【0003】即ち、溶接割れの発生を防止するには予熱
が必要であり、一方溶接ままでは室温でのシヤルピー衝
撃試験における吸収エネルギーが2〜7kgm であり、こ
れを550〜700℃に後熱処理することにより10〜
15kgm 程度に改善することが不可欠である。
【0004】例えば、1985年発行の溶接学会論文集
第3巻第2号の371頁には、C,Mn,Ni,CrおよびMo
を特定範囲内に含有した鋼板を被覆アーク溶接するに当
って、100℃以上に予熱すること、および多層SAW
溶接するに当り225℃以上に予熱し、且つパス間温度
も225℃以上とし、後熱処理は不要とすることが発表
されている。同様の記述は特公昭61−56309号公
報においても開示されている。
【0005】また、HPISにおける応力焼なまし基準
とその解説においては、SCMV3、STPA22、S
TBA22の規格成分による鋼を150〜300℃に予
熱し、パス間温度を150〜300℃として後熱を不要
とする旨が記載され、前記特公昭61−56309号公
報にも同様の技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、1.00
Cr−0.5Mo鋼は溶接時において熱影響部が非常に硬化す
るため溶接低温割れを発生し易く、これを防止するため
には200〜350℃の予熱処理を行い、溶接時熱影響
部の硬化を低減し、また溶接割れの発生原因となる拡散
性水素量の低減を図ることが必要である。更に多くの場
合、溶接熱影響部の軟化と拡散性水素量の除去低減を図
り、靱性を回復させると同時に応力腐食割れ防止を図る
目的で620〜700℃の後熱処理が必要である。
【0007】これらの処理を行うことは煩雑であると共
に工費および工期上においても不利が多く、品質管理上
においても好ましいものでないことは明かである。前記
した特開昭61−56309号公報などに発表されてい
る技術によってもこれらの不利を完全に回避することが
できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決することについて検討を重
ね、前述したような1.25Cr−0.5Mo鋼に関し、C,M
n,P,S量などの組成成分範囲および素材管厚を特定
範囲とすることにより溶接予熱および後熱処理を共に省
略して好ましい溶接接手特性を得しめることに成功した
ものであって、以下の如くである。
【0009】wt%で、C:0.06〜0.14%,Si:0.15〜0.
40%,Mn:0.30〜0.50%,P:0.020 %以下, S:0.00
7 %以下, Cr:0.80〜1.10%, Mo:0.45〜0.60%,Al:
0.002 〜0.010 %,N:0.002 〜0.010 %を含有し、残
部がFeおよび不可避的不純物から成り、その管厚を25
mm以下とすることを特徴とする溶接予熱処理、後熱処理
省略型低合金鋼鋼管。
【0010】
【作用】本発明によるものについて成分範囲の限定理由
をwt%(以下単に%という)によって説明すると、先ず
Cは0.06〜0.14%である。即ち、Cは溶接部の硬
化、ひいては低温割れの発生に最も影響する元素であ
り、その上限を0.14%として割れ防止および硬度低下
を共に得しめ、一方下限を0.06%として素材の強度を
確保する。
【0011】Si:0.15〜0.40% Siは、脱酸剤として、また鋼の耐熱性を改善する目的に
おいて0.15%以上を含有することが必要である。また
その上限として、0.40%とすることにより強靱性を確
保し、しかも溶接部の硬度低下を図る。
【0012】Mn:0.30〜0.50% Mnは、常温強度を確保し、または脱酸および脱硫のため
に0.30%は必要である。また溶接部の硬度上昇を防止
するためには0.50%を上限とすることが必要である。
【0013】P:0.020%以下 不純物元素であるPを0.020%以下に制限することに
よって衝撃特性を向上させ、溶接部の硬度低下を図る。
【0014】S:0.007%以下 衝撃特性を向上させるためには、Sを0.007%以下と
することが必要である。
【0015】Cr:0.80〜1.10% Crは、耐食性を確保するために必要な元素であって、こ
のためには0.80%以上が必要である。一方本発明にお
ける如く溶接を前提とした場合においては溶接部の硬化
を防止するために1.10%を上限とすることが必要であ
る。
【0016】Mo:0.45〜0.60% Moは、高温強度を確保するためには必要な元素であっ
て、このためには0.45%以上含有させることが必要で
ある。しかし0.60%を超えて含有した場合においては
溶接性が劣化するので、これを上限とすることが必要で
ある。
【0017】Al:0.002〜0.010% Alは、脱酸および耐酸化性を向上する作用を有し、これ
らのためには0.002%以上を含有させることが必要で
ある。しかしこのAlを多量に含有すると加工性を損い、
またクリープ強度を低下させるので0.10%を上限とす
ることが必要である。
【0018】N:0.002〜0.010% Nは、固溶強化による高温強度を得るために0.002%
以上を含有せしめることが必要である。一方0.010%
程度でその効果が飽和するので、これを上限とする。
【0019】上記したような成分組成を有する本発明の
鋼管はその管厚を25mm以下とすることが必要である。
即ち溶接の際に管厚が大となるに従い溶接熱サイクルの
冷却速度が速くなり、溶接部硬度が高くなる。Hr250
以下のような所定硬度を得るためには管厚を25mm以下
とする必要があり、また溶接割れは溶接時に発生する拘
束応力も一要因であって、この拘束応力は継手の管厚に
比例して大きくなる。従って過大な拘束応力を継手部に
発生させないためにも管厚を25mm以下とすることが必
要である。
【0020】
【実施例】次の表1に示す化学成分を有する250A×
12.7mmの各鋼管A〜Jを溶接材料としてCMB96M
B(神戸製鋼社製溶接棒)4mmφを用い、170A、2
4V、8〜15cm/分の条件で被覆アーク溶接を多層盛
した結果は図1に示す如くである。
【0021】
【表1】
【0022】即ち、C量が0.14wt%以下となることに
より溶接部最高硬さHr10を250以下として得られ、
鋼管I,Jの比較鋼によるものはHr250超えの硬度を
示している。
【0023】また溶接部の最高硬さと管厚との関係は別
に図2に示す如くであって、管厚が25mm以下とされる
ことによってその硬さはHr250以下を確保し得る。
【0024】更に溶接割れについてy拘束割れ試験を実
施した結果は図3に示す如くであって、予熱なしでも割
れが発生していない。
【0025】なお前記した表1のA鋼管(250A×1
2.7mm)についての機械的性質を次の表2に示すが、こ
の鋼管の衝撃特性値については図4に要約して示す如く
である。
【0026】
【表2】
【0027】継手性能については、図5に示すような6
0°のV開先において被覆アーク溶接をなし、溶接条件
は次の表3に示す如くであるが予熱、後熱を行うことな
しに実施した。
【0028】
【表3】
【0029】得られた継手部についての引張試験結果は
次の表4に示す如くで、引張強さは十分に大きな値を示
しており破断位置は母材部である。
【0030】
【表4】
【0031】各継手部の衝撃特性についての測定結果は
図6に示す如くであり、試験は溶接金属中心、ボンド部
および熱影響部の各位置について行ったが何れの切欠位
置においても良好な衝撃特性値を有していることは明か
である。
【0032】更に図7には継手部の硬さ分布を示すが、
表層上面より2mm、管厚中央および表層下面2mmの位置
についてビッカース硬さ試験(荷重10kg)を行い、測
定ピッチは母材部および溶接金属が1.0mm、熱影響部は
0.5mmであるが、何れの部位もHr250以下が確保され
ている。
【0033】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
1.00Cr−0.5Mo鋼鋼管を現地溶接するに当って予熱お
よび後熱処理の何れをも省略し適切な継手部特性を得し
めることができ、工費および工期の何れにおいても有利
で品質管理上においても好ましい継手を得しめるなど工
業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中C量と溶接部最高硬さとの関係を要約して
示した図表である。
【図2】鋼管管厚と溶接部最高硬さとの関係を要約して
示した図表である。
【図3】y拘束割れ試験結果を要約した図表である。
【図4】鋼管(250A×12.7cm)母材部の衝撃特性
を要約して示した図表である。
【図5】本発明の実施例におけるV開先の説明図であ
る。
【図6】継手部の衝撃特性(250A×12.7mm)を要
約して示した図表である。
【図7】継手部の各位置における硬さ分布に関する測定
結果を示した図表である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 wt%で、C:0.06〜0.14%,Si:0.15〜
    0.40%,Mn:0.30〜0.50%,P:0.020 %以下, S:0.
    007 %以下, Cr:0.80〜1.10%, Mo:0.45〜0.60%,A
    l:0.002 〜0.010 %,N:0.002 〜0.010 %を含有
    し、残部がFeおよび不可避的不純物から成り、その管厚
    を25mm以下としたことを特徴とする溶接予熱処理、後
    熱処理省略型低合金鋼鋼管。
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