JP2687037B2 - ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

ガスシールドアーク溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築,土木,海洋構造物,造船等で用いられ
る鋼板の溶接方法に関し、さらに詳しくは、溶接作業時
に発生する変形量が少ないことから歪取り作業を軽減も
しくは省略することが可能なガスシールドアーク溶接方
法に関するものである。
〔従来の技術〕 各種鋼構造物において、鋼材の溶接時には、溶融金属
の凝固収縮およびその後の冷却と相変態による収縮・膨
張によって、例えば隅肉溶接の継手形状の場合には角変
形と呼ばれる面外変形が発生する。このような残留変形
は、例えば圧縮荷重が負荷される場合には座屈強度の低
下を生じるといった構造強度の低下の原因となる。ま
た、この変形を拘束治具によって強制的に防止しようと
すると、過大な残留応力が発生することとなる。更に寸
法精度が不十分となり製作上の不都合を生じ、美観をも
損ねることとなる。そこで、例えば溶接学会誌1983年第
52巻第4〜9号に連載されている「溶接変形の発生とそ
の防止」に見られるように、溶接時に発生した残留変形
を局所的な加熱により矯正する手法が経験的に多数提案
されている。しかし、溶接部の再加熱によって材質が劣
化することが避けられないことに加えて、矯正作業に要
する時間と費用は実用上重大な障害であり、これを軽減
もしくは省略することが可能な溶接方法の開発が望まれ
ていた。
溶接部における残留応力や変形の発生機構に関して
は、佐藤による「溶接構造要覧」1988(黒木出版)や、
K.Masubuchiの「Analysis of Welded Structures」198
0,PERGAMON PRESSに詳しい。しかし、溶接変形は主とし
て溶接時に入熱に対する部材の幾何学的形状によって決
定されるというように、使用される溶接材料の詳細な特
性に注目したものではない。鋼構造物溶接部の相変態温
度が残留応力や変形に影響を与える因子であることは上
記の書にも明記されてはいるが、鋼構造物を対象とした
溶接材料で具体的な影響度の定量化や成分に関する検討
はなされていない。また、相変態の超塑性現象に着目し
て残留応力の緩和や変形低減を検討した報告もある(溶
接学会全国大会講演概要、第37集p.314-315,第38集p.78
-79,第39集p.338-339,p.340-341)。これらはいずれも
低合金鋼およびステンレス鋼のマルテンサイト変態温度
に着目したものであり、普通鋼材の成分および組織に対
してそのまま適用できる知見ではない。更に、このよう
に高い値のNiを含有している場合には溶接材料費が高く
なり、歪取り作業が省略可能であっても経済的見地から
実用的でない。さらに、これを造船および海洋構造物の
普通鋼および低合金鋼に適用する場合には、溶接金属部
が電気的に過度な貴になり、溶接熱影響部における選択
的な腐食現象が発生して不都合が生じる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、溶接部材・形状や溶接入熱量が与えられ
たものとして、溶接材料の相変態点温度が溶接時に発生
する変形量に及ぼす影響を定量化して、溶接材料成分の
設計指針を与えることが有効であると考えられる。本発
明は、鋼構造物に最も汎用的に使用される普通鋼材の変
形量の少ない溶接方法を提供する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、重量%で、 C;0.2%以下、 Si;0.35%以下、 Mn;0.60〜1.20% を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板を
ガスシールドアーク溶接する際に、 重量%で、 Ni;0.01〜9.0%、 Mn;0.4〜2.5%、 Cu;0.1〜1.5%、 C;0.01〜0.15%、 Nb;0.003〜0.5%、 Cr;0.03〜3.0% を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ
ワイヤー中に占める各元素の重量%により下記(1)式
で定まるパラメータTが550未満であるワイヤーを用
い、溶接入熱を10kJ/cm以下とすることを特徴とする溶
接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法である。
T=630.0−476.5C+56.0Si−19.7Mn−16.3Cu−26.6Ni
−4.9Cr+38.1Mo+124.8V+136.3Ti−19.1Nb+198.4Al
+3315.0B …(1) 〔作用〕 通常のアーク溶接法の冷却速度の範囲において、Ar3
変態点温度Tは大略(1)式によって予測可能である。
(1)式から明確なように、Ni,Mn,Cu,Nb,C,Crを所定量
添加し、Mo,V等の元素量を低減させることによってAr3
変態点を制御することが可能である。一般に、変態点温
度が低い程変態膨張量が大きくなり、冷却時の収縮によ
って発生する溶接残留変形を緩和することになることか
ら、変態膨張量の増大が溶接変形の低減に寄与すること
が考えられる。しかし、過冷オーステナイトの変態はベ
イナイト組織の出現等から単純に変態膨張量と明確な対
応を示さず、従ってここではAr3変態点温度に着目し
た。
一方、T字隅肉溶接継手部に発生する角変形量は第1
図に示すように溶接材料のAr3変態点温度と明瞭な相関
があり、変態点温度が低い値であるほど発生する角変形
量が小さい値であることを見いだした。これは、変態点
温度が低くなることにより変態膨張量が大きくなり、凝
固に伴う収縮をある程度解消するためであると思われ
る。さらに発明者らは、溶接変形によって例えば圧縮荷
重に対する座屈強度が低下することや、継手製作上の寸
法精度等の検討から、上述した変形矯正作業を必要とし
ない角変形量を得た。この角変形量の限界値を与える変
態点温度の関係式がT<550で表される。
以下に、本発明における溶接ワイヤーの成分元素の特
定とその添加量について説明する(元素添加量の値は溶
接ワイヤ中に占める重量%である)。
Niは変態点低下の効果が大きい。少なくとも0.01%、
好ましくは3.0%以上添加する。添加量が多すぎる場合
にはコスト上昇となることに加えて、例えば海洋鋼構造
物において電気的に溶接金属部が貴になりすぎ、局部電
池を形成して溶接熱影響部が選択的に腐食されることに
なる。従ってNi添加量の上限は9%にする必要がある。
Mnは変態点低下の効果が大きく、Niは補助として少な
くとも0.4%以上、好ましくは0.8%以上添加する。過度
な添加は溶接金属部の高温割れ感受性の増大と靱性低下
に連がるために、上限を2.5%とする必要がある。
Cuも変態点低下の効果があるため0.1%以上含有する
必要がある。過度な添加は溶接金属の靱性低下につなが
るため、上限を1.5%とする。
Cも変態点低下の効果があり、強度の点からも0.01%
以上、好ましくは0.05%以上添加する。過度な添加は溶
接金属部の高温割れ感受性の増大と靱性劣化に連がるた
め、上限を0.15%とする。
これらに加えて、やはり若干の変態点低下効果がある
NbあるいはCrを添加する。Nbは0.003%以上の添加量
で、Crについては0.03%以上で効果があり、過度な添加
は靱性の劣化と常温強度上昇に連がるために、上限値を
Nbは0.5%、Crについては3.0%にする必要がある。
本発明に使用する溶接材料の成分は以上の通りであ
り、残部はFeおよび不可避不純物からなる。
以下に本発明における鋼板の成分元素の特定について
説明する。
Cについては過度な添加は溶接金属部の高温割れ感受
性の増大と靱性劣化に連がるため、上限を0.2%とす
る。
Siは鋼板の靱性のため0.35%以下にする必要がある。
Mnも同様に靱性のためには0.60〜1.20%にする必要が
ある。
さらに、鋼板についても溶接ワイヤーと同様にNi等の
変態点を低下させる元素を添加することは溶接変形の軽
減に有効である。しかしながら、このような元素を溶接
変形軽減のために鋼板に添加することは鋼板のコストの
上昇をまねき、溶接変形の軽減による溶接施工にともな
うコストの低減によるメリットが失われてしまうので、
残部は鉄および不可避不純物にする必要がある。
また、溶接入熱が過大であると変形量も過大となり、
溶接ワイヤーの変態点を制御した効果が充分に発揮でき
ないので、溶接入熱は10kJ/cm以下とする必要がある。
〔実施例〕
ワイヤーは第1表に示す5種類のワイヤーを試作し
た。ワイヤー直径は1.2mmである。第1表には同時にこ
のワイヤーのAr3点Tを示す。鋼板は第2表に示す市販
のSM41B材を用いた。この鋼板を、第2図に示すT字隅
肉溶接継手試験体を製作するために、第3表に示す溶接
条件で両側1パスずつ溶接した。溶接条件は入熱の異な
る2種類を検討した。溶接終了後、角変形量δを測定し
たのち、溶接金属の縦断面を観察し溶接金属の割れの有
無を測定した。総合評価として、第3図に示されるwと
dの値を用いて式 δ=0.5sin-1(2d/w) で計算される角変形量δの値が1.2×10-2ラジアン未満
かつ割れの発生が見られないときに合格、それ以外は不
合格とした。第4表に使用したワイヤーの記号、溶接条
件および溶接金属の化学成分を示す。第5表に試験結果
を示す。記号No 1、No 2およびNo 3は本発明方法による
結果で、No 4、No 5およびNo 6は比較のために例示した
もので、成分あるいは溶接条件が本発明の要件を満さな
い。
No 1、No 2は各元素量が適正でT<550を満足してい
るので、角変形が少ない上割れの発生もない。No 3はCr
量が適正なため同様にT<550を満足しており、角変形
が少ない上、割れの発生もない。No 4はT<550を満足
しないので角変形量が大きい。No 5はNi量が過多で割れ
が見られる。No 6はT<550を満足しているが、入熱が
過大なため角変形量が大きい。
なお、本実験ではSM41B材を用いたが、母材希釈は小
さいので、鋼板の種類が変わっても本発明法による角変
形量の低減効果は失われるものではない。
〔発明の効果〕 本発明は継手部の諸特性を損なうことなく、自動及び
半自動の溶接工程において溶接変形が少ない溶接方法で
あり、経済的に問題ない範囲で変形矯正のための作業が
省略可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は変態点温度と角変形量の関係を示す図、第2図
はT字隅肉溶接継手の概略を示す図、第3図は角変形量
δの定義を説明する図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大下 滋 大分県大分市大字西ノ洲1 新日本製鐵 株式会社大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平4−22597(JP,A) 特開 昭61−71185(JP,A) 特開 昭60−158995(JP,A) 特公 昭45−27450(JP,B1) 特公 昭49−24334(JP,B1) 特公 昭63−32558(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C ;0.2%以下、 Si;0.35%以下、 Mn;0.60〜1.20% を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼板を
    ガスシールドアーク溶接する際に、 重量%で、 Ni;0.01〜9.0%、 Mn;0.4〜2.5%、 Cu;0.1〜1.5%、 C ;0.01〜0.15%、 Nb;0.003〜0.5%、 Cr;0.03〜3.0% を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、かつ
    ワイヤー中に占める各元素の重量%により下式で定まる
    パラメータTが550未満であるワイヤーを用い、溶接入
    熱を10kJ/cm以下とすることを特徴とする溶接変形の少
    ないガスシールドアーク溶接方法。 T=630.0−476.5C+56.0Si−19.7Mn−16.3Cu−26.6Ni
    −4.9Cr+38.1Mo+124.8V+136.3Ti−19.1Nb+198.4Al
    +3315.0B
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