JP2932823B2 - 試料の深さ方向の組成分析方法 - Google Patents

試料の深さ方向の組成分析方法

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JP2932823B2 JP4064581A JP6458192A JP2932823B2 JP 2932823 B2 JP2932823 B2 JP 2932823B2 JP 4064581 A JP4064581 A JP 4064581A JP 6458192 A JP6458192 A JP 6458192A JP 2932823 B2 JP2932823 B2 JP 2932823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオンビーム照射による
エッチングと電子線照射によるオージェ電子分光分析を
交互に繰り返し測定する試料の深さ方向組成分析方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】オージェ電子分光法は試料表面2nm程
度の表面を分析するのに適している。一般のオージェ電
子分光法ではイオンビームを用いたスパッタエッチング
と電子線によるオージェ電子の検出とを組み合わせるこ
とによって、試料の深さ方向の組成分布の測定をおこな
う。
【0003】図5はこのような試料の深さ方向組成分布
を得るためのオージェ電子分光装置の構成を説明する図
である。
【0004】図5において、1は電子銃、2は電子銃1
から放出された電子線、3は測定試料、4は入射電子線
2によって励起され試料3から放出されたオージェ電
子、5はオージェ電子のエネルギーを分光し検出するア
ナライザ、6はアナライザ5で検出されたオージェ電子
4の信号を増幅する信号増幅系、7は制御・演算・デー
タ記憶、8はイオン銃、9はイオン銃8から照射された
イオンビームである。
【0005】以下、従来の測定方法について説明する。
電子銃1から照射される電子線2を測定試料3に入射す
ると、入射した電子線2によって励起されたオージェ電
子4が試料3から放出される。このオージェ電子4はア
ナライザ5で検出される。
【0006】ここでアナライザ5は図6に示す断面構造
をしている。アナライザ5は外側の電極5a、内側の電
極5b,2つの窓5c,dと検出器5eで構成される。
外側の電極5aには所定の負の電圧(−V)が印加され
ており、内側の電極はアース電位(0V)に保持されて
いる。試料3から放出されアナライザ5の入射窓5cに
入ったオージェ電子4のうち、所定のエネルギーの電子
のみが窓5dを通過して、検出器5eに到達する。電極
5aに印加する電圧を走査することによって、試料から
放出されるオージェ電子4のエネルギーおよびその検出
強度を知ることができる。
【0007】深さ方向の組成分析においては、イオン銃
8から放出されたイオンビーム9を試料3に照射し試料
3表面のスパッタエッチングと上記の表面分析とを繰り
返し、各々の深さにおける所定元素の検出強度を求め
る。この方法によって検出された検出強度の結果を図7
に示す。
【0008】図7において横軸はスパッタエッチング時
間で試料表面からの深さ、縦軸はオージェ電子の検出強
度である。
【0009】オージェ電子信号N(E)は後方散乱電子
による大きなバックグラウンド上に、微小な信号強度で
検出される。通常のオージェスペクトル測定では信号処
理系6のロックインアンプを用いた微分処理によってバ
ックグラウンドを除去したdN(E)/dEを得る検出
方法が利用されている。
【0010】しかし、一方で微分されていない信号N
(E)を検出する方法(N(E)型と呼ぶ)を用いる場
合でも、試料を構成する元素の結合状態に関する情報が
得られやすい。また、この方法は入射電流量が少ない場
合でもS/Nが優れているなどの利点もある。だがN
(E)型の場合においても、深さ方向の組成分布を表示
する場合には、N(E)スペクトルを計算機で数値微分
して検出強度を求める。微分処理は一般にサビッツキ・
ゴウレイ(Savitzky-Golay)型の平滑微分フィルタを用
いて処理されている。図8にN(E)型で測定されたオ
ージェスペクトルを示す。図9にフィルタサイズが5の
サビッツキ・ゴウレイ型平滑微分フィルタで処理した結
果を示す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、N
(E)型で測定した測定データを数値微分する場合、ス
ペクトルの形状変化と比較してより細かいエネルギース
テップで測定して数値微分しないとスペクトルの形状が
変化してしまう。
【0012】その一例を図10に示す。図10はフィル
タサイズ5,7,9の微分フィルタで処理した結果を示
す。また、処理結果を定量的に評価した結果を表1に示
す。表1はバックグラウンド部のノイズの分散値、Ti
+NとTiピークの検出強度および(Ti+N)/Ti
検出強度比について6本のスペクトルの平均値を求めた
ものである。
【0013】
【表1】
【0014】これよりフィルタサイズが大きくなるに従
い、ピークの形状、および検出強度が変化してしまう。
一方、フィルタサイズが小さいとノイズ成分が大きくな
ってしまうため、大きなフィルタサイズでの処理が要求
される。
【0015】そこでオージェスペクトルの測定で細かい
エネルギーステップで測定し、できるかぎり大きなサイ
ズの平滑微分フィルタで処理することが求められる。だ
が、このように細かいエネルギーステップの測定では測
定に要する時間が長くなるという問題があった。
【0016】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、測定時間を短くしかも測定のばらつきが小さい結果
が得られる深さ方向の組成分析方法を提供するものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に本発明の試料の深さ方向組成分析方法は、イオンビー
ムを試料表面に照射してエッチングする工程と、電子線
照射によって前記試料表面から発生するオージェ電子の
検出する工程を交互に繰り返し、前記試料の任意の深さ
において検出されるオージェスペクトルのエネルギー走
査ステップを2ΔEとした場合、前記深さの位置と前後
する深さの位置で走査するオージェスペクトルのエネル
ギー値をΔEずらして測定し、前記試料の深さ位置で得
られたオージェスペクトル列を、エネルギー軸と深さ方
向軸で構成される2次元の測定データとみなし、2次元
のデータ処理によって、ΔEステップのオージェスペク
トルを得ることである。
【0018】
【作用】この測定方法とデータ処理方法を用いることに
よって、N(E)型のオージェスペクトルで数値微分を
考慮した場合の測定において、走査するエネルギーステ
ップを細かくする必要がない。このため、深さ方向の組
成分析に要する時間を従来より短くすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0020】図1は本発明による深さ方向の組成分布測
定におけるオージェスペクトル測定時のエネルギー走査
方法を説明する図である。図2は図1の測定データを処
理する5×5フィルタを駆動するデータの配列方法を説
明する図である。図3は積分型N(E)のオージェスペ
クトルとその微分処理結果を説明する図である。図4は
深さ方向の組成分布の測定結果を説明する図である。
【0021】図1はスパッタエッチングとの繰り返し
で、試料の各深さで測定されたオージェスペクトルをな
らべたものである。図中で、黒丸●はオージェスペクト
ル測定時に走査するエネルギー位置を示している。この
ように配列することによって、エネルギー軸と深さ方向
軸からなる2次元データとして取り扱うことができる。
【0022】本発明の測定方法では、従来の倍のステッ
プである2ΔEのステップでオージェスペクトルを測定
する。この時、隣合う深さ位置における測定エネルギー
をΔEだけずらせて測定している。ΔEずらすことによ
って、データ補間の精度を高めることができる。
【0023】次に図1に示す測定方法で得られたオージ
ェスペクトルを処理するための2次元サビッツキ・ゴウ
レイ型微分フィルタの求め方について説明する。
【0024】横軸のエネルギー軸をi軸、縦軸の深さ方
向軸をj軸とし、フィッティング関数を z(i,j)=ai2+bij+cj2+di+ej+f ……… (1) として、平滑微分フィルタのサイズを5×5とした場合
について説明する。
【0025】図1の測定データをもとにΔEステップの
微分データを計算するが、この場合5×5のフィルタの
とり方には図2(a),(b)で示される2通りがあ
る。ここでは図2(a)の場合について説明する。
【0026】いま、平滑微分値を求める5×5の中央の
点を原点(0,0)とする。各点の測定値をVijとした
場合、最小自乗条件は、次の(2)式で示される。
【0027】
【数1】
【0028】ここで未知変数はa,b,c,d,e,f
である。(2)式を満たす条件は、 Y/a=0 Y/b=0 Y/c=0 Y/d=0 Y/e=0 Y/f=0 …………………… (3) であるので、次の連立方程式が得られる。
【0029】 aΣi4+bΣi3j+cΣi22+dΣi3+eΣi2j+fΣi2 =Σi2Vij aΣi3j+bΣi22+cΣij3+dΣi2j+eΣij2+fΣij =ΣijVij aΣi22+bΣij3+cΣj4+dΣij2+eΣj3+fΣj2 =Σj2Vij (4) aΣi3+bΣi2j+cΣij2+dΣi2+eΣij+fΣi =ΣiVij aΣi2j+bΣij2+cΣj3+dΣij+eΣj2+fΣj =ΣjVij aΣi2+bΣij+cΣj2+dΣi+eΣj+fΣ =ΣVij …………………… (4) 図2(a)の場合、 Σi4=100 Σi22=68 Σi2=28 Σj2=28 Σ=13 Σi3j=dΣi3=Σi2j=cΣij3=Σij2=Σ
ij=Σij3=Σj3=Σi3=fΣi=Σj=0 であるので、(4)式の連立方程式は次のようになる。
【0030】 100a+68c+28f=Σi2Vij 68b=ΣijVij 68a+100c+28f=Σj2Vij 28d=ΣiVij 28e=ΣjVij 28a+28c+13f=ΣVij …………………… (5) ここで、いま求めようとしているのは原点におけるz
(i,j)のi軸方向の微係数dz(0,0)/di=
dである。
【0031】(5)式より d=iVij/28 …………………… (6) が得られる。
【0032】図2(b)の場合も同様に、 d=iVij/22 …………………… (7) が得られる。
【0033】(6),(7)式から、表2の平滑微分フ
ィルタが得られる。
【0034】
【表2】
【0035】図3は図1に示す2ΔEステップで測定し
た積分型N(E)のオージェスペクトルを表2の5×5
平滑微分フィルタで処理した結果である。ΔEステップ
の測定データをフィルタサイズ5の一次元処理微分フィ
ルタで処理した結果と比較している。
【0036】また、処理結果を定量的に評価した結果を
表2に示す。表2はバックグラウンド部のノイズの分散
値、Ti+NとTiピークの検出強度および(Ti+
N)/Ti検出強度比について6本のスペクトルの平均
値を求めたものである。
【0037】図3と表2から、5×5平滑微分フィルタ
では、フィルタサイズが5の場合と比較してピーク形
状、ピーク値に変化もなく、ノイズが軽減されているこ
とがわかる。
【0038】図4にオージェスペクトルの検出強度から
得た深さ方向の組成分布を示す。このようにフィルタサ
イズ5×5は1次元のフィルタサイズが5の結果と同様
の結果が得られている。
【0039】従来の測定方法と比較して、本発明方法で
はデータ処理が付加されるが、一般のオージェ電子分光
装置に付属されている計算機を用い、処理に要する時間
は測定時間と比較して無視できるほどの短時間である。
【0040】以上のように本実施例によれば、測定点数
を減らした図1に示した測定方法でオージェスペクトル
を測定し、表2に示した平滑微分フィルタを用いて処理
することによって、従来の測定結果と同様の結果が得ら
れるので、測定時間の短縮が可能となる。
【0041】なお、上記実施例ではフィッティング関数
として(1)式の2次曲線を用い、フィルタサイズとし
た5×5を用いたが、これらの代わりに異なるフィッテ
ィング関数やフィルタサイズを用いてもよい。
【0042】なお、上記実施例では分析方法としてオー
ジェ電子分光法を用いたが、同様な深さ方向の組成分布
を測定する光電子分光法などを用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明は、2次元データ処理を用いるこ
とによって深さ方向の組成分布測定におけるオージェス
ペクトルの測定点数を減らし、測定に要する時間が短縮
できる深さ方向の組成分布測定を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオージェスペクトルの測定方法を説明
する図
【図2】微分フィルタのためのデータ配列を説明する図
【図3】本発明方法で得られたオージェスペクトと従来
方法との比較を示す図
【図4】本発明方法の深さ方向の組成分布と従来法のそ
れとの比較を示す図
【図5】従来のオージェ電子分光装置の構成図
【図6】エネルギーアナライザの断面構造図
【図7】深さ方向の組成分布の測定結果を示す図
【図8】従来の平滑微分処理結果を示す図
【図9】従来の平滑微分処理結果を示す図
【図10】フィルタサイズが異なる平滑微分処理した結
果を示す図
【符号の説明】 1 電子銃 2 電子線 3 測定試料 4 オージェ電子 5 アナライザ 6 信号増幅系 7 制御・演算・データ記憶 8 イオン銃 9 イオンビーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンビームを試料表面に照射してエッチ
    ングする工程と、電子線照射によって前記試料表面から
    発生するオージェ電子の検出する工程を交互に繰り返
    し、前記試料の任意の深さにおいて検出されるオージェ
    スペクトルのエネルギー走査ステップを2ΔEとした場
    合、前記深さの位置と前後する深さの位置で走査するオ
    ージェスペクトルのエネルギー値をΔEずらして測定
    し、前記試料の深さ位置で得られたオージェスペクトル
    列を、エネルギー軸と深さ方向軸で構成される2次元の
    測定データとみなし、2次元のデータ処理によって、Δ
    Eステップのオージェスペクトルを得ることを特徴とし
    た試料の深さ方向組成分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140567A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Jeol Ltd 表面分析装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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