JP2932725B2 - 複写機の制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はソーターを有する複写機
の制御装置に係り、特に自動原稿送りモードでのソータ
ー使用中のフルスタック時に割り込みジョブを許可する
ときの先行するメインジョブと割り込みジョブとの競合
処理を行う複写機の制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機は高精度化、高速化、小型化等の
開発が進められる中で、１原稿から多量の部数を処理し
たり、あるいは枚数の多い原稿を処理する場合のコピー
用紙の仕分け、丁合、紙とじを自動的に行うためのソー
ターの制御上での改良が図られている。複写機はベース
マシンに自動原稿送り装置，ソーター等の付属装置が取
付けられており、このベースマシンはコンソールパネル
によって設定されたジョブに応じて付属装置を含む機構
部を制御し、自動原稿送り装置で送られた原稿から読み
取った画像情報を基にトレイから供給される指定サイズ
の用紙に対して画像処理を施した後、ソーター等のフィ
ニッシャーによる後処理を実行するように構成されてい
る。

【０００３】ソーターは、複写機の性能やユーザ側の使
用態様に応じた各種型式のものが開発されており、この
オプションの中からユーザが選択して取り付けられる。
例えば、複数枚の原稿から複数の部数のコピーを作製す
る場合はその部数分のビン数が使用されるため、その使
用頻度や部数の大小に応じたビン数、例えば１０ビン，
２０ビンをもつビンソーターまたは紙とじ機能のあるス
ティプルソーターが使用される。ところで、ソーター使
用においては、１ビン当たりの収容枚数を超える部数が
設定されると、複数のビンを使って処理されるが、ビン
数を超える処理ではビンからコピー用紙を取り除かなけ
ればならない。このジョブがビン数を超えるか否かの判
断は原稿枚数やコピー部数が分からないとできない。そ
のため、ソーターの最大収容枚数のフィード完了時に
は、一旦プリント動作を中断し、ビンをイニシャライズ
してコピー用紙の取り除きを指示するメッセージ表示を
行うフルスタック動作に入る。ビンからコピー用紙を除
去した後、再びスタートボタンを押すことによりジョブ
が続行される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】自動原稿送りモードで
は原稿枚数を条件として原稿の搬送が行われないため、
ソーター側の状況を無視して動作を続けることも考えら
れる。フルスタック後における上記動作は紙詰まり（Ｊ
ＡＭ）の原因となる。したがって、マシン側ではコピー
用紙の排出枚数を把握し、フルスタック時に自動原稿送
り装置を一旦停止させるように制御している。またマシ
ンの効率的な利用を図るため、先行するジョブ（メイン
ジョブ）に割り込みを掛けて行うジョブ（割り込みジョ
ブ）ができるように構成されているが、この割り込みジ
ョブは通常フルスタック時に禁止している。しかしフル
スタック動作おいて、マシンはソーター側の処理を待つ
状態、すなわち待機状態にあるので、一定の使用条件で
のジョブであれば受け付け可能である。そこでメインジ
ョブのフルスタック時に割り込みジョブを許可するよう
に構成した場合、割り込みジョブ解除後に速やかにメイ
ンジョブが再開できるように、当該ジョブのユーザに対
して何等かのメッセージを出してその取り扱いを指示す
る必要がある。このようにフルスタックと割り込みの競
合をどのように処理するかが問題であった。

【０００５】本発明の目的は、フルスタックと割り込み
が競合したときのフルスタックに対して適切なメッセー
ジを出すようにした複写機の制御装置を提供することで
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は自動原稿送りモードかつソートモードに
おけるフルスタック時の割り込みジョブを実施させるた
めの複写機の制御装置であって、原稿枚数、設定枚数お
よびコピー用紙枚数を基にコピー用紙を収容するビンを
制御し、使用ビン数が全ビン数を超えるときコピー用紙
の取り除きを指示するフルスタック制御手段と、前記フ
ルスタック指示情報を基にソーターのイニシャライズを
実行するソーターインタフェースと、前記フルスタック
時に割り込みが発生しているときまたはフルスタック動
作後に割り込みが発生したときに割り込みジョブを実施
させる割り込み設定制御手段と、フルスタック時または
フルスタックと割り込みの競合時にフルスタックのコピ
ー用紙の取り除きを指示するメッセージ表示手段を具備
するものである。前記割り込みジョブはソーターイニシ
ャライズの終了後に出されるソーターレディ信号により
実行されことを特徴とする。また割り込みジョブはフル
スタック処理の前または後で実施されるよう構成されて
いる。更にフルスタックと割り込みが競合したときのフ
ルスタック時のコピー用紙の取り除きを指示するメッセ
ージを、割り込みジョブ終了時の割り込み完了メッセー
ジと共に交互に表示する手段を備えている。

【０００７】

【作用】フルスタックと割り込みが発生すると、フルス
タック制御ではフルスタック動作をソーターインタフェ
ースに指示すると共に、ユーザに対してコピー用紙の取
り除きを促すメッセージ表示のための指令を行う。一方
ソーターのイニシャライズ実行後に出される信号により
割り込み設定制御が実施される。この割り込みジョブ実
行中にビンからコピー用紙を取り除いておくことによ
り、割り込み完了後にジョブを直ちに再開できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図５は複写機のハードウェア構成が示されて
いる。ユーザインタフェース（ＵＩ）１０は、コンソー
ルパネルにあるボタン操作による設定／入力されたデー
タ処理を実行し、本機システムを管理する主電気回路基
板（ＭＡＩＮ系）に入力データを送ると共に、各種のユ
ーザ情報を液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）による表示を行
う。両面自動原稿送り装置（ＤＡＤＦ）コントローラ１
１は、原稿の両面または片面から画情報を読み取るため
に、この読み取りタイミングに合わせて原稿トレイから
引き込まれた原稿をプラテンガラス上の定位置への敷き
込み（レジストレーション）、原稿交換信号により次原
稿の引き込みと同時に処理済みの排出原稿を原稿排出ト
レイに排出等の各種設定モードに対する原稿の搬送およ
びレジストレーション制御を行う。

【０００９】光学的読取り装置（ＯＰＴ）コントローラ
１３は、プラテンガラス上に搬送された原稿からユーザ
が指定した画情報の光学的な読取り制御を行う。例え
ば、両面コピーモードのとき、ＤＡＤＦは原稿の一方の
面がプラテンガラスに向き合うような状態で原稿をレジ
ストレーションし、このタイミングに合わせてＯＰＴを
動作させて１回目の露光を行う。次いで、ＤＡＤＦは露
光終了後の原稿を装置内に設けられた反転（デュプレッ
クス）搬送路を通してその表裏を逆転させる。これによ
りこの原稿が再度敷き込まれた場合には先の露光面と逆
の面が露光されるように原稿送り機構部および光学系の
制御を行う。ベースマシンでは両面コピーの指令により
用紙の搬送制御および両面トレイの駆動制御が行われ
る。

【００１０】帯電除去装置（ＩＳＩＬ）コントローラ１
４は、原稿の画情報から不要な部分を消し込む処理，原
稿の周辺を消す枠消し処理，原稿の画情報の中からの特
定情報描出などの編集処理の制御を行う。画像記録装置
（ＩＯＴ）コントローラ１５は、原稿から読み取られた
画情報を基に画像処理を実行する際に、用紙搬送制御，
紙づまり検知およびZero回りである現像プロセス制御を
管理する。特定トレイ（ＤＤＭ／ＴＲＡＹ［Ｘ］）コン
トローラ１６は、ＩＯＴからの両面画像処理に関する指
令に基づいて片面の画像処理が既に行われている用紙を
反転させて背面に画像処理を施すために、次のZeroタイ
ミングまで一時待機させるように両面トレイを制御した
り、またＩＯＴからの特別トレイ動作指令により、用紙
パスの関係から制御上、他のトレイとは別に取り扱われ
る特定トレイ［Ｘ］の制御を行う。

【００１１】ビンソータコントローラ１７は、例えば２
０ビンソータをＩＯＴからの仕分け指令により駆動し、
ベースマシンから搬出される画像処理後の用紙を指定さ
れたビンに貯えるための制御を行う。スティプルソータ
コントローラ１８は、ＩＯＴからの綴じ込み仕分け指令
によりビンに貯えられた用紙を丁合した後にスティプル
で綴じるための制御を行う。ライトレンズマネジャー
（ＬＬＭ）１９は、システムの全体を統括管理してお
り、主に原稿の画像処理と用紙の搬送を時間的に一致さ
せるためのシステムタイミング制御やユーザが設定する
コピーモードなどのジョブ管理を行う。

【００１２】シリアルデータ通信プロセッサ（ＳＣＰ）
２０は、ＵＩ，ＤＡＤＦ，ＯＰＴおよびＩＳＩＬとのデ
ータの送受をシリアル通信で行うと共に、ＬＬＭとの間
のデータをパラレル通信によりやり取りするためのデー
タ処理を行う。特にＳＣＰとＬＬＭとのデータのやり取
りは、ＳＣＰに内蔵されているデュアルポートＲＡＭを
通して行われる。すなわち、ＬＬＭは自分のアドレスマ
ップ上に割り付けられたＳＣＰのＲＡＭをリード／ライ
トし、このＲＡＭをＳＣＰがリード／ライトすることで
情報の伝達を行っている。上記のハードウェアは各機能
ごとに独立したＣＰＵを備え、このＣＰＵと周辺ＬＳＩ
により電気回路基板が構成されている。ここで、ＬＬ
Ｍ，ＳＣＰおよびＩＯＴはベースマシンの制御系の中枢
を成すもので、各機能を分担するＣＰＵと周辺ＬＳＩに
より主制御回路基板（ＭＡＩＮ系）を構成している。

【００１３】次にフルスタックと割り込みの競合処理に
ついて説明する。図１は本発明のフルスタックと割り込
みの競合を処理するブロックを、また図２はスタックモ
ードでのウエイト状態（フルスタック）でのシーケンス
フローが示されている。フルスタック制御手段１はＬＬ
Ｍ内に構成され、ソートモードにおいて設定（フィー
ド）枚数から１原稿のコピー用紙を収容するためのビン
を割り当てると共に、原稿枚数、設定枚数およびコピー
用紙（イグジット）枚数を基にビン管理を行い、使用ビ
ン数がソーターのビン数を超えるときフルスタック動作
をソーターインタフェース２に指示すると共に、ＵＩへ
フルスタック情報を送信する。

【００１４】ＵＩではフルスタック情報を基にコピー用
紙の取り除きを促すメッセージを表示する。ソーターイ
ンタフェース２はＩＯＴ内に構成され、フルスタック制
御手段１からのフルスタック指示によりソーターのイニ
シャライズを実行し、その後ソーターのイニシャライズ
が終了したことのソーターレディ信号（ＳＯＲＴ ＲＥ
ＡＤＹ）をフルスタック制御手段１および割り込み設定
制御手段３に送信する。例えば、２０ビンソーターで原
稿枚数が２１枚の場合、２０枚目のコピー用紙を排出を
待ってインデクサーを所定のビン位置に移動してソータ
ードライブモータをＯＦＦし、ソーターレディ信号をＩ
ＯＴに送ってイニシャライズする。

【００１５】割り込み設定制御手段３は、割り込み信号
が入ると、ソーターレディ信号の受信を条件に割り込み
処理を実行し、当該ジョブを実施すると共に、割り込み
ジョブが終了した時点でＵＩおよびソーターインタフエ
ース２に対して割り込みが完了したことの信号を送る。
ＵＩでは前記信号を基に割り込みジョブ解除に関する処
理を実行し、メインジョブをセットした後、ユーザにジ
ョブの再開を促すメッセージを表示する。ソーターイン
タフエース２は割り込み完了信号によりソータートライ
ブモータを起動させるための信号（ＪＯＢ ＩＮＣＭＰ
ＯＮ）をソーターに送信する。

【００１６】次にフルスタックと割り込みの競合処理に
ついて説明する。図３は割り込みジョブの実施前にフル
スタック処理を行う場合のフローチャートが示されてい
る。まずフルスタックおよび割り込みの発生がチェック
（ステップ１００，１０１）し、フルスタック時の割り
込みに関係無く後述のフルスタック処理が始めに行われ
る。このとき割り込み発生があれば、フルスタック処理
後に割り込み処理が行われる。上記割り込み処理は、ソ
ーターインタフェースへ割り込み信号を送信（ステップ
１０２）することから始まる。ソーターインタフェース
は現在のジョブをセーブしてビンをイニシャライズし、
その結果をソータレディ信号によりＬＬＭに知らせる。
ＬＬＭはソーターインタフェースからソータレディ信号
を受信（ステップ１０３）した後に割り込みに関するモ
ード設定等を処理し、ジョブを実施する。この割り込み
ジョブが終了すると、ソーターインタフェースに割り込
み解除信号を送り（ステップ１０４）、ソーターからの
ソータレディ信号を待つ（ステップ１０５）。ＵＩはＬ
ＬＭからソータレディ信号による割り込み完了信号を受
信すると、割り込みジョブをオールクリアし、メインジ
ョブのモード設定を行ってメッセージを表示する。

【００１７】上記フルスタック処理は、図４に示すよう
に、フルスタック信号をＵＩおよびソーターインタフェ
ースに送信（ステップ２００，２０１）し、フルスタッ
クに関する指示を出すと共に、ソーターのイニシャライ
ズを実施する。ＬＬＭはソーターインタフェースからソ
ータレディ信号を受信（ステップ２０２）すると、フル
スタック関係制御変数を初期化（ステップ２０３）す
る。

【００１８】本実施例によれば、フルスタック時のコピ
ー用紙の取り除き作業を割り込みジョブ実行中に実施す
ることができ、メインジョブの生産性の低下を防止でき
る。

【００１９】次に他のフルスタックと割り込みの競合処
理を図５により説明する。図５は割り込みジョブの実施
後にフルスタック処理を行う場合のフローチャートが示
されている。まず割り込みおよびフルスタックの発生が
チェック（ステップ３００〜３０２）される。すなわ
ち、割り込みが発生した後にフルスタックの発生がある
場合（ケース１）とない場合（ケース２）のチェック
（ステップ３０１）および割り込みがないときのフルス
タックの発生（ケース３）がチェック（ステップ３０
２）される。

【００２０】ケース１の場合は割り込み発生後にフルス
タックが発生しているので、図３に示すステップ１０２
〜１０５と同じ処理を実行（ステップ３０３〜３０６）
した後、図４に示すフルスタック処理が実行される。ま
たケース２の場合は割り込みだけが発生しているので、
図３に示すステップ１０２〜１０５と同じ処理を実行
（ステップ３０７〜３１０）して終了する。更にケース
３の場合はフルスタックだけが発生しているので、直ち
に上記フルスタック処理が実行される。本実施例によれ
ば、フルスタック処理の終了を待つことなく、直ちに割
り込みジョブに入ることができ、生産性の低下が防止で
きる。

【００２１】

【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、メイン
ジョブのフルスタック時に割り込みジョブの実施を許可
するように構成されているため、メインジョブのコピー
用紙の排出作業中のマシンを有効に利用することがで
き、マシン効率が上がる。また割り込みジョブ実行中に
メインジョブのソーターイニシャライズができるため、
割り込みジョブの終了後にメインジョブを直ちに再開す
ることができ、メインジョブの生産性の低下が防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の複写機の制御装置のブロック図であ
る。

【図２】ソートモードにおけるフルスタック時のソータ
ーシーケンスフローである。

【図３】割り込み実施前にフルスタック処理を行うフロ
ーチャートである。

【図４】フルスタック処理のフローチャートである。

【図５】割り込み実施後にフルスタック処理を行うフロ
ーチャートである。

【図６】図５における割り込み処理のフローチャートで
ある。

【図７】複写機のハードウェア構成図である。

【符号の説明】

１ フルスタック制御手段 ２ ソーターインタフェース ３ 割り込み設定制御手段

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−158562（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−69258（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−88756（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−158345（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−174966（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−179653（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−78373（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−143860（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−81868（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−208568（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−2667（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−57471（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−198058（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03G 21/00 370 - 540 G03G 21/14 G03G 15/00 510 - 534 B65H 39/10 - 39/16 B65H 31/00 - 31/40

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動原稿送りモードかつソートモードに
   おけるフルスタック時の割り込みジョブを実施させるた
   めの複写機の制御装置であって、原稿枚数、設定枚数お
   よびコピー用紙枚数を基にコピー用紙を収容するビンを
   制御し、使用ビン数が全ビン数を超えるときコピー用紙
   の取り除きを指示するフルスタック制御手段と、前記フ
   ルスタック指示情報を基にソーターのイニシャライズを
   実行するソーターインタフェースと、前記フルスタック
   時に割り込みが発生しているときまたはフルスタック動
   作後に割り込みが発生したときに割り込みジョブを実施
   させる割り込み設定制御手段と、フルスタック時または
   フルスタックと割り込みの競合時にフルスタックのコピ
   ー用紙の取り除きを指示するメッセージ表示手段とを具
   備する複写機の制御装置。
2. 【請求項２】 上記割り込みジョブの実施をソーターイ
   ニシャライズの終了後に出されるソーターレディ信号に
   より実行されることを特徴とする請求項１記載の複写機
   の制御装置。
3. 【請求項３】 上記割り込みジョブをフルスタック処理
   の前で実施されるよう構成された請求項１記載の複写機
   の制御装置。
4. 【請求項４】 上記割り込みジョブをフルスタック処理
   の後で実施されるよう構成された請求項１記載の複写機
   の制御装置。
5. 【請求項５】 上記メッセージ表示手段はフルスタック
   と割り込みが競合したときのフルスタック時のコピー用
   紙の取り除きを指示するメッセージを、割り込みジョブ
   終了時の割り込み完了メッセージと共に交互に表示する
   ことを特徴とする請求項１記載の複写機の制御装置。