JP2932175B2 - Mri装置 - Google Patents

Mri装置

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JP2932175B2
JP2932175B2 JP9184357A JP18435797A JP2932175B2 JP 2932175 B2 JP2932175 B2 JP 2932175B2 JP 9184357 A JP9184357 A JP 9184357A JP 18435797 A JP18435797 A JP 18435797A JP 2932175 B2 JP2932175 B2 JP 2932175B2
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博幸 板垣
健一 岡島
哲彦 ▲高▼橋
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI IRYO FUKUSHI KIKI KENKYUSHO
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI IRYO FUKUSHI KIKI KENKYUSHO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MRI装置を用い
て複数枚の画像を撮影し、画像間で撮影対象が回転移動
した際の、回転量を容易かつ高精度に抽出可能な撮影方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】fMRIは、時系列に撮影した画像から
脳の活動を抽出する計測法である。すなわち、光や音な
どの刺激を所定期間被験者に加えつつ、数10から数1
00枚の時系列画像を撮影する。その後、刺激と同期し
て信号強度が変化した領域(以下、活性化領域)を時系
列画像から抽出し、刺激印加前後における信号変化を観
察する。すなわち、刺激印加前のMRI画像を参照画像
として刺激印加後の時系列画像から参照画像を減算し、
活性化領域の信号変化を画像化する。このような後処理
は、各画像のピクセル毎に処理が行われる。したがっ
て、計測中に被験者が動いた場合、活性化領域の位置や
信号変化量などに影響が及び、脳機能の評価が困難にな
る。そのため、時系列画像における脳の位置ずれを小さ
くする必要がある。fMRIの研究が開始された当初
は、頭部を強固に固定して位置ずれを防止していた。し
かし、被験者の呼吸や装置歪によっても位置ずれが生じ
ることが報告され、計測データを補正して位置ずれを低
減する方法が検討されるようになった。物体の移動は平
行移動と回転移動を用いて記述されるが、補正法の検討
は主に平行移動に対して行われてきた。これは回転量の
抽出・補正が、以下に示すように困難なためである。
【0003】以下、まずMRIにおける磁場印加手段
(以下、シーケンス)と位相空間(以下、k空間)につ
いて説明し、次いで、実空間での位置ずれとk空間での
データ変化との関係を説明し、回転補正を行う上での問
題点を明らかにする。
【0004】1)撮影シーケンスとk空間の対応 図4は、fMRIで最も用いられるEPIのシーケンス
である。このシーケンスでは、高周波磁場RFを印加し
た後、信号読み出し傾斜磁場Gxの反転を繰り返してエ
コー信号を連続的に発生させ、同時に位相エンコード傾
斜磁場Gyを矩形状に印加することで、エコー信号毎に
異なる位置情報を付与している。以上の操作により、1
回のRF印加で画像作成に必要な全エコー信号を取得し
て、1画像100ms以下の超高速撮影を実現している。図
4に示した磁場印加手段によるk空間上の操作を図5に
示す。kxは信号読み出し方向、kyは位相エンコード
方向である。また、txはエコー信号のサンプリング間
隔、Twは信号読み出し傾斜磁場1周期の時間である。
この図から、エコー信号のサンプリング点が傾斜磁場印
加量と対応し、k空間に規則的に配置されていることが
分かる。
【0005】2)実空間での位置ずれとk空間でのデー
タ変化との関係 同一平面内を撮影した2つの画像間で生じた位置ずれ
は、平行移動と回転移動の2つを組み合わせて表現する
ことができる。図6に示すように、画像1における点P
が、画像2では点Pdに移動したとする。画像1におけ
る対象物体の位置ベクトルをr、画像2の対象物体の位
置ベクトルをrd、角度θの回転をAとすると、ここで
の位置ずれは、(式1)のように表される。
【0006】
【数1】
【0007】この場合、画像1でのk空間の信号分布
は、角周波数ベクトルk(kx、ky)を用いて、
【0008】
【数2】
【0009】と表される。なお、kx、kyは、磁気回
転比γ、x、y方向の傾斜磁場強度Gx1、Gy1と傾
斜磁場印加時間tx、tyとを用いて、
【0010】
【数3】
【0011】で与えられる。画像1のk空間における信
号分布F(k)が(式2)で表されるのに対し、画像2
の信号分布F(kd)は次式で与えられる。
【0012】
【数4】
【0013】この式から、回転移動の特徴として、
(1)実空間での回転角がk空間でも保存される、
(2)k空間上では常に原点が回転中心となる、(3)
平行移動がk空間データの位相項のみに影響を及ぼすの
に対し、回転移動は信号強度の分布にも影響を及ぼす、
等が挙げられる。
【0014】実際の位置ずれには平行移動も含まれ位相
項からは回転量を導出できないため、回転量の導出は信
号強度の分布を参照して行う。
【0015】回転量の導出法としては、一般にk空間上
において原点を中心とし半径を所定の値rとする円を設
定し(図7)、その円周上に存在するデータ点の信号強
度プロファイルを用いている。この信号強度プロファイ
ルを作成する方法として、2つの方法が知られている。
第1の方法は、k空間上で格子点状に配置されたデータ
に対して補間処理を施し、図7に示した円周上の信号強
度プロファイルを計算する方法である。第2の方法は、
回転補正用のナビゲート信号を発生させる方法である
(公知例1)。図8に示すように、回転補正用信号を取
得する期間において、信号読み出し傾斜磁場Gxと位相
エンコード傾斜磁場Gyを、
【0016】
【数5】
【0017】のように印加して信号を取得することによ
り、図7に示した円周上の信号強度プロファイルを計測
することが可能になる。なお、Aとtは所定の振幅及び
時間である。円周上の信号強度プロファイルを得た後の
処理は、いずれの方法も信号強度プロファイルを関数と
みなし(以下、プロファイル関数)回転量の検出に使用
する。すなわち、参照画像と補正対象画像のプロファイ
ル関数をそれぞれ作成し、次いで、両プロファイル関数
の相互相関を計算し相関が最大となる角度を求める。
回転移動の補正は、求めた回転量が0となるようk空間
データの信号強度と位相値を回転して達成される。この
方法及び問題点を次に説明する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記において回転量導
出手段などを説明したが、fMRIに適用するには以下
の問題を解決する必要がある。第1の問題は、回転角の
計算に要する時間である。計算精度の向上には、プロフ
ァイル関数のポイント数の増加が必須であるが、これは
必然的に計算時間の増大を招く。特に3次元画像に適用
する場合、計算時間を実用的な範囲にするには計算法の
改良が必要である。第2の問題は、回転量の計算及び回
転補正後のデータ作成の際に用いられる補間処理の計算
時間である。すなわち、上記で述べた第1の方法では、
円周上の信号強度プロファイルを作成する際に、近傍の
格子点を用いて2次元方向の補間処理を行う必要があ
る。また、上記で述べた第1の方法及び第2の方法と
も、回転補正後のデータを作成する際には、回転補正前
のデータ点に対して2次元方向の補間処理を施す必要が
ある。この補間処理法としてsinc関数を用いる方法が知
られている(公知例2)。以下、この補間方法の概要を
説明する。2次元データの場合、座標値が整数にならな
いデータ点(kXd、kYd)の信号強度I(kXd、
kYd)は、座標値が整数となるデータ点(kX、k
Y)の信号強度I(kX、kY)を以下の式に代入して
計算する。
【0019】
【数6】
【0020】ここで、k空間上の全データ点を用いてI
(kXd、kYd)の計算を行うのが理想だが、演算時
間の点で問題があるため、実際にはデータ点(kXd、
kYd)の近傍データ点を用いて計算を行う場合が多
い。すなわち、座標値が整数でない移動後の点の信号強
度を推測するにあたり、まず補間計算に使用する領域を
決定し、次いでその領域内にあるデータ点に対してsinc
関数で重み付けをして加算平均を求める。この計算結果
が座標値が整数でない移動後の点における信号強度I
(kXd、kYd)である。sinc関数を用いた補間
方法を脳機能MRIへ適用するに際し、所定の計算精度
を保つことが重要になる。すなわち、前記補間計算に使
用する領域の大きさが、計算精度により決定される。所
定の計算精度を満足し、かつ大きさが最小となる領域を
想定し、マトリクスサイズ128x128の2次元画像
に対して試算を行ったところ、回転補正に要する時間は
約6秒であった。1000枚の時系列画像に対して回転
補正を施した場合、所要時間は約1.5時間となり、脳
機能MRIへの適用には演算時間短縮が必要と考えられ
た。
【0021】従って、本発明の目的は、撮影対象の回転
量を高速に抽出、及び補正する方法を提供することにあ
る。
【0022】なお、公知例1と公知例2は以下の文献で
ある。
【0023】公知例1:マグネチック・レゾネンス・イ
ン・メジソン 34、746−753(1996)(Ma
gnetic Reson. Med., 34, 746-753 (1996)) 公知例2:ジャーナル・オブ・コンピューテッド・アシ
ステッド・トモグラフィー 19、289/296
(1995)(J. Comput. Assist. Tomogr., 19,289/2
96 (1995))
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、空間的に強度が均一である静磁場を発生
する静磁場発生手段と、空間的に強度勾配を有し互いに
直交する三方向−スライス厚方向、位相エンコード方
向、信号読み出し方向−のそれぞれに磁場を発生する傾
斜磁場発生手段と、撮影対象の核磁化を励起する高周波
磁場を発生する高周波磁場発生手段と、上記撮影対象か
らの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と、上記傾
斜磁場発生手段と高周波磁場発生手段と信号検出手段の
動作を制御する制御手段と検出した信号に対して所定の
処理を施す信号処理手段とからなる計算機と、上記計算
機による演算結果の出力手段とを備えたMRI装置にお
いて、上記計算機は、(1)核磁化励起の度に上記三方
向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を印加
し、位相空間を示すk空間において中心から等距離に位
置するデータ点を取得する取得手段と、(2)上記取得
手段によって取得される基準時のデータと撮影時のデー
タを用いて、基準時から撮影時にかけての撮影対象の回
転移動を算出する回転角算出手段と、(3)上記回転角
算出手段で算出した回転角を用いて、撮影時の信号を得
るための傾斜磁場の波形を変調して、回転移動量を補正
した画像を撮影する撮影手段を有することを特徴とする
ものである。
【0025】傾斜磁場波形の変調及び回転移動後の画像
を撮影する上記撮影手段は、時間tと上記基準画像を撮
影した際の位相エンコード方向傾斜磁場Gp0(t)と
信号読み出し方向の傾斜磁場Gr0(t)、及び上記回
転角算出手段で算出した回転角θを用いて、 Gp(t)=Gr0(t)sinθ+Gp0(t)co
sθ Gr(t)=Gr0(t)cosθ−Gp0(t)si
nθ の式で表される位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)
と信号読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)の波形を計算
し、上記位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号
読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)を印加して上記回転
移動後の画像を撮影する手段である。
【0026】上記回転角算出手段で計算される回転角
と、上記撮影手段で得られ、傾斜磁場波形変調の計算で
使用される上記基準画像は、同一部位を連続撮影する際
の最初に撮影される画像である。
【0027】また、本発明は、空間的に強度が均一であ
る静磁場を発生する静磁場発生手段と、空間的に強度勾
配を有し互いに直交する三方向−スライス厚方向、位相
エンコード方向、信号読み出し方向−のそれぞれに磁場
を発生する傾斜磁場発生手段と、撮影対象の核磁化を励
起する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、上
記撮影対象からの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手
段と、上記傾斜磁場発生手段と高周波磁場発生手段と信
号検出手段の動作を制御する制御手段と検出した信号に
対して所定の処理を施す信号処理手段とからなる計算機
と、上記計算機による演算結果の出力手段とを備えたM
RI装置において、上記計算機は、(1)位相空間を示
すk空間上のデータ点に所定の補間処理を施すことによ
り、または上記三方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方
向の傾斜磁場を印加することにより、k空間の中心から
等距離に位置するデータ点を取得する取得手段と、
(2)上記取得手段によって取得される基準時のデータ
と撮影時のデータを用いて、基準時から撮影時にかけて
の撮影対象の回転移動を算出する回転角算出手段と、
(3)上記回転角算出手段で算出した回転角と、回転移
動後のk空間上の整数であるデータ点とから、回転移動
補正後の実数であるデータ点を計算する計算手段と、
(4)回転移動後のk空間を複数の領域に分割し、各領
域毎に補間処理を行い、上記回転補正後のデータ点にお
ける信号強度を算出する信号強度算出手段を有すること
を特徴とするものである。
【0028】上記取得手段は、核磁化励起の度に上記三
方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を印
加してk空間の中心から等距離に位置するデータ点を取
得する回転角検出用のナビゲート信号を発生させ、上記
ナビゲート信号をサンプリングしてデータ点を取得する
手段からなる。
【0029】上記ナビゲート信号発生の際に印加する位
相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号読み出し方
向の傾斜磁場Gr(t)の傾斜磁場波形は、時間tと初
期位相t1、周期T、傾斜磁場の振幅Gを用いて、 Gp(t)=Gsin[2π(t−t1)/T] Gr(t)=Gcos[2π(t−t1)/T] の式で表される。
【0030】上記回転角算出手段は、k空間において中
心から等距離に位置するデータ点を示す位置ベクトル
と、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する
信号強度プロファイル関数とを用いて、重心ベクトルを
計算する重心ベクトル計算手段と、上記重心ベクトル計
算手段によって、上記基準時データから基準時重心ベク
トルと、上記撮影時データから撮影時重心ベクトルとを
計算し、上記基準時重心ベクトルと上記撮影時重心ベク
トルとを用いて内積を計算し、回転角を計算する手段と
からなる。
【0031】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の座標軸とな
す角と、このデータ点の信号強度を導出する信号強度プ
ロファイル関数を用いて、重心角を計算する重心角度計
算手段と、上記重心角度計算手段で計算によって、上記
基準時データから基準時の重心角と、上記撮影時データ
から撮影時の重心角と計算し、上記基準時の重心角と、
上記撮影時の重心角とから、差分を計算する手段でもよ
い。
【0032】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクト
ルと、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出す
る信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を
極座標であるrθ座標で表現されるデータ空間に配置
し、上記θ方向に複素フーリエ変換を行う複素フーリエ
変換手段と、上記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換
後のデータを用いて位相マップを作成する作成手段と、
上記複素フーリエ変換手段及び上記作成手段により、上
記基準時データから基準時の位相マップと、上記撮影時
データから撮影時の位相マップとを作成し、これらの差
分を計算して位相差マップを作成し、上記位相差マップ
における各座標軸方向の位相差の傾きを計算する手段で
もよい。
【0033】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクト
ルと、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出す
る信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を
極座標であるrθγ座標で表現されるデータ空間に配置
し、上記θ方向とγ方向に複素フーリエ変換を行う複素
フーリエ変換手段と、上記複素フーリエ変換手段のフー
リエ変換後のデータを用いて位相マップを作成する作成
手段と、上記複素フーリエ変換手段及び上記作成手段に
より、上記基準時データから基準時の上記位相マップ
と、上記撮影時データから撮影時の上記位相マップとを
作成し、これらの差分を計算して位相差マップを作成
し、上記位相差マップにおける各座標軸方向の位相差の
傾きを計算する手段でもよい。
【0034】上記信号強度算出手段は、k空間の領域分
割において、データ点の信号強度に対して閾値を設定
し、該閾値と上記回転移動後のk空間上のデータ点の信
号強度との大小関係に対応して補間処理を行う手段であ
る。
【0035】このような発明の構成により、回転量を高
速、高精度に抽出することができ、補間方法の高速化、
及び、後処理を不要とするMRI装置を提供することが
できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照し説明する。
【0037】まず、本発明が適用されるMRI装置の構
成を図9に示す。41は静磁場を発生する磁石、42は
被験者などの撮影対象、43は撮影対象42を載せるベ
ッド、44は高周波磁場を発生させると同時に、撮影対
象42から生じるエコー信号を検出するための高周波磁
場コイル、48、49、50はそれぞれx方向、y方
向、z方向の傾斜磁場を発生させるための傾斜磁場発生
コイルである。45、46、47はそれぞれ上記各傾斜
磁場発生コイル48、49、50に電流を供給するため
のコイル駆動装置である。55は計測されたデータを処
理し、画像再構成を行うための計算機、56は計算機5
5の再構成画像を表示するためのCRTディスプレイで
ある。装置の動作の概要を説明する。撮影対象42の核
磁化を励起する高周波磁場は、シンセサイザ51により
発生させた高周波を、変調装置52で波形整形、電力増
幅し、高周波磁場コイル44に電流を供給することによ
り発生させる。撮影対象42からのエコー信号は、高周
波磁場コイル44により受信され、増幅器53で増幅、
検波装置54で検波された後、計算機55に入力され、
メモリ57上に保存される。メモリ57では、処理途中
のデータや最終結果も格納されている。計算機55は画
像再構成を行い、その結果をCRTディスプレイ56で
表示する。
【0038】次に、この計算機55について説明する。
計算機55は、核磁化励起の度に上記三方向の傾斜磁場
のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を印加し、位相空間
を示すk空間において中心から等距離に位置するデータ
点を取得する取得手段と、上記取得手段によって取得さ
れる基準時のデータと撮影時のデータを用いて、基準時
から撮影時にかけての撮影対象の回転移動を算出する回
転角算出手段と、上記回転角算出手段で算出した回転角
を用いて、撮影時の信号を得るための傾斜磁場の波形を
変調して、回転移動量を補正した画像を撮影する撮影手
段を有する。上記撮影手段は、時間tと上記基準画像を
撮影した際の位相エンコード方向傾斜磁場Gp0(t)
と信号読み出し方向の傾斜磁場Gr0(t)、及び上記
回転角算出手段で算出した回転角θを用いて、 Gp(t)=Gr0(t)sinθ+Gp0(t)co
sθ Gr(t)=Gr0(t)cosθ−Gp0(t)si
nθ の式で表される位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)
と信号読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)の波形を計算
し、上記位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号
読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)を印加して上記回転
移動後の画像を撮影する手段である。上記基準画像は、
同一部位を連続撮影する際の最初に撮影される画像であ
る。
【0039】また、上記計算機55の他の例は、位相空
間を示すk空間上のデータ点に所定の補間処理を施すこ
とにより、または上記三方向の傾斜磁場のうち少なくと
も二方向の傾斜磁場を印加することにより、k空間の中
心から等距離に位置するデータ点(kX,kY,kZ)
(但しkX,kY,kZは整数)を取得する取得手段
と、上記取得手段によって取得される基準時のデータと
撮影時のデータ(kXd,kYd,kZd)(但しkX
d,kYd,kZdは実数)を用いて、基準時から撮影
時にかけての撮影対象の回転移動を算出する回転角算出
手段と、上記回転角算出手段で算出した回転角と、回転
移動後のk空間上の整数であるデータ点とから、回転移
動補正後の実数であるデータ点を計算する計算手段と、
回転移動後のk空間を複数の領域に分割し、各領域毎に
I(kXd,kYd,kZd)=ΣΣΣI(kX,k
Y,kZ)sinc[π(kXd−kX)]sinc
[π(kYd−kY)]sinc[π(kZd−k
Z)](但し、I(kX,kY,kZ)はデータ点(k
X,kY,kZ)における信号強度であり、I(kX
d,kYd,kZd)はデータ点(kXd,kYd,k
Zd)における信号強度である)におけるsinc関数
のサイドローブの長さを変更して補間処理を行い、上記
回転補正後のデータ点における信号強度を算出する信号
強度算出手段を有する。
【0040】上記取得手段は、核磁化励起の度に上記三
方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を印
加してk空間の中心から等距離に位置するデータ点を取
得する回転角検出用のナビゲート信号を発生させ、上記
ナビゲート信号をサンプリングしてデータ点を取得する
手段からなる。
【0041】上記ナビゲート信号発生の際に印加する位
相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号読み出し方
向の傾斜磁場Gr(t)の傾斜磁場波形は、時間tと初
期位相t1、周期T、傾斜磁場の振幅Gを用いて、 Gp(t)=Gsin[2π(t−t1)/T] Gr(t)=Gcos[2π(t−t1)/T]の式で
表される。
【0042】上記回転角算出手段は、k空間において中
心から等距離に位置するデータ点を示す位置ベクトルp
と、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する
信号強度プロファイル関数I(p)とを用いて、重心ベ
クトルWp=∫pI(p)dpを計算する重心ベクトル
計算手段と、上記重心ベクトル計算手段によって、上記
基準時データから基準時重心ベクトルWprと、上記撮
影時データから撮影時重心ベクトルWpnとを計算し、
上記基準時重心ベクトルと上記撮影時重心ベクトルとを
用いて内積を計算し、回転角を計算する手段とからな
る。
【0043】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の座標軸とな
す角αと、このデータ点の信号強度を導出する信号強度
プロファイル関数I(α)を用いて、重心角Wα=∫α
I(α)dαを計算する重心角度計算手段と、上記重心
角度計算手段で計算によって、上記基準時データから基
準時の重心角Wαrと、上記撮影時データから撮影時の
重心角Wαnと計算し、上記基準時の重心角Wαrと、
上記撮影時の重心角Wαnとから、差分ΔWα=Wαr
−Wαnを計算する手段でもよい。
【0044】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクト
ルと、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出す
る信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を
極座標であるrθ座標で表現されるデータ空間に配置
し、上記θ方向に複素フーリエ変換を行う複素フーリエ
変換手段と、上記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換
後のデータを用いて位相マップを作成する作成手段と、
上記複素フーリエ変換手段及び上記作成手段により、上
記基準時データから基準時の位相マップと、上記撮影時
データから撮影時の位相マップとを作成し、これらの差
分を計算して位相差マップを作成し、上記位相差マップ
における各座標軸方向の位相差の傾きを計算する手段で
もよい。
【0045】または、上記回転角算出手段は、k空間に
おいて中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクト
ルと、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出す
る信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を
極座標であるrθγ座標で表現されるデータ空間に配置
し、上記θ方向とγ方向に複素フーリエ変換を行う複素
フーリエ変換手段と、上記複素フーリエ変換手段のフー
リエ変換後のデータを用いて位相マップを作成する作成
手段と、上記複素フーリエ変換手段及び上記作成手段に
より、上記基準時データから基準時の上記位相マップ
と、上記撮影時データから撮影時の上記位相マップとを
作成し、これらの差分を計算して位相差マップを作成
し、上記位相差マップにおける各座標軸方向の位相差の
傾きを計算する手段でもよい。
【0046】上記信号強度算出手段は、k空間の領域分
割において、データ点の信号強度に対して閾値を設定
し、該閾値と上記回転移動後のk空間上のデータ点の信
号強度との大小関係に対応して補間処理を行う手段であ
る。
【0047】次に、撮影対象の回転量を高速・高精度に
抽出するアルゴリズム、補間方法の高速化、及び後処理
を不要とする撮影方法について、順に説明を行う。
【0048】(1)回転量導出の高速化 プロファイル関数作成後の処理については、従来技術で
相互相関を用いる方法を説明したが、この方法では、2
つのプロファイル関数の位相を一定間隔でシフトさせて
計算する処理をポイント数だけ繰り返し、計算値が最小
となる位相を求めることになる。回転量を高精度に求め
るためには、プロファイル関数のポイント数を増やすこ
とになり、必然的に計算時間が長くなる。これを防止す
る方法として、以下の方法がある。
【0049】(a)重心ベクトルを求める方法 2次元画像を撮影する場合、プロファイル関数はk空間
上で円形の軌跡を描く。本法は回転量の抽出にこの円周
の重心ベクトルWを利用する。重心ベクトルWは、角度
θと角度θにおける信号強度I(θ)を用いて、(式7)
のように表される。
【0050】
【数7】
【0051】回転移動により重心ベクトルWも同じ角度
だけ回転する。したがって、基準時の重心ベクトルと撮
影時の重心ベクトルを求め、これらの内積を計算するこ
とにより、重心ベクトルWの移動から回転量を求めるこ
と、あるいは重心ベクトルWの回転量から相関計算を行
う範囲を予め絞り込むことが可能になる。または、k空
間上で円形の軌跡を描くプロファイル関数I(α)と、こ
れの引数であるデータ点の座標軸となす角αとを、重心
角の式W=∫αI(α)dαに用いて、基準時及び撮影時
のそれぞれ重心角Wαn、Wαrを計算し、これらの差分
ΔWα=Wαr−Wαnから回転量を求めることもでき
る。これらにより、計算時間の短縮が達成させる。この
方法は3次元画像における回転量を適用する際、特に有
効である。
【0052】(b)フーリエ変換を用いる方法 本方法は、参照画像のプロファイル関数と補正対象画像
のプロファイル関数のそれぞれにフーリエ変換を施し、
変換後の位相差から補正対象画像内の回転量を抽出する
方法である。本方法の特徴は、k空間に配置されている
回転量計算に使用するデータ点を極座標(rθγ座標)
で表現される空間に再配置し、フーリエ変換を施すこと
により、現在平行移動量算出に用いられているのと同じ
アルゴリズムで、回転量を導出することである。例え
ば、3次元画像において、プロファイル関数を構成する
データ点はk空間の原点を中心とする球面上に分布する
(図10(a))ため、θとγをそれぞれ直交した座標
軸とする新しい空間で表現することができる(図10
(b))。この座標変換により、k空間では回転移動と
して扱われた移動前のデータ点p1から移動後のデータ
点p2への位置ずれが(図11(a))、θγ空間では
平行移動とみなすことができるため(図11(b))、
特願平08−058755で示された平行移動の補正法
を適用することが可能になる。ただし、上記平行移動の
補正法を適用する前に、θγ空間のデータに対してフー
リエ変換を施すなどの処理が必要になる。
【0053】具体的な処理手順の一例を図12に示す。
まず、k空間上に配置された、3次元画像における回転
量検出のためのナビゲート信号を発生させ、そのデータ
点をθγ空間で表現する(処理11)。なおこの処理1
1は、既に述べたk空間のデータに補間処理を施して円
周上の信号強度プロファイルを作成する処理と置き換え
ても差し支えない。次いで、実数部をこの再配置された
信号強度、虚数部を0としたデータ配列を作成して2次
元の複素フーリエ変換を施す(処理12)。その後、複
素フーリエ変換後のデータの位相マップを作成する(処
理13)。ここで、参照画像と補正対象画像の位相マッ
プの差分をとり、θ´軸(フーリエ変換後のθ方向座標
軸)およびγ´軸(フーリエ変換後のγ方向座標軸)上
での位相差の傾きを求める(処理14)。これにより、
補正対象画像内の回転量が高速かつ高精度に求められ
る。
【0054】(2)回転補正の高速化 k空間における信号強度は、k空間の原点すなわち中心
付近を信号強度の最大値とし、sinc関数に類似した信号
強度パターンで分布している。したがって、原点から離
れた領域の信号強度は低く、原点付近の信号と比較し画
像に及ぼす影響が小さいことが知られている。この性質
を利用し、sinc関数を用いた補間計算に使用する領域を
最適化することにより、画像化した際の信号強度を損な
わずに演算時間を短縮することができる。図13にその
処理の一例を示す。まず、原点からデータ点までの距離
dを計算する。ここで距離dが所定の閾値D以上であれ
ば、補間計算に使用する領域をMxMとする。一方、距
離dが閾値D未満であれば、補間計算に使用する領域を
NxN(M≠N)とする。なお、実際の適用にあたって
は、この閾値や補間計算に使用する領域の形状はユーザ
ーが選択可能であり、特に限定されるものではない。
【0055】例えば、著者らは本発明を実際の画像デー
タに適用するにあたり、図15のように低周波領域と高
周波領域を区別し、白枠内の領域を低周波領域と見なし
て高精度に補間を行った。今回の実データへの適用で
は、白枠内のデータ点を補間処理により計算する場合は
19x19のデータ点を使用し、白枠外のデータ点を補
間処理により計算する場合は9x9のデータ点を使用し
た。この補間計算には(式6)を用いる。すなわち、白
枠内の領域を補間する場合は、関数Σの引数kXとkY
を、kXはkX−9からkX+9まで、引数kYはkY
−9からkY+9まで、変更し補間後の信号強度I(k
Xd,kYd)を計算している。図16は従来法と本発
明による補正結果を比較した図である。従来法では、矢
印で示した領域に偽像が発生しているのに対し、本発明
を用いた場合は偽像が消失しかつ計算時間が短縮されて
いることが分かる。このように補間計算に使用する領域
を最適化することにより、計算時間の短縮と精度向上を
同時に達成することが出来る。
【0056】(3)後処理を不要とする撮影方法 回転移動による画像間の位置ずれは、撮影対象が回転す
るのに対しk空間座標軸が固定であるために生じる。す
なわち、撮影対象の回転量と等しくk空間座標軸を回転
して核スピンに位置情報を付与すると、再構成画像上で
は回転移動による位置ずれが無くなり、これまで説明し
たsinc関数による補間処理が不要になる。以下、k空間
座標軸を回転する方法について説明する。図2と3は、
k空間座標軸を所定の角度θだけ回転させた様子を示し
ており、図2はk空間の走査を、図3は図2に対応する
撮影シーケンスの一例である。なお、図2においてk
x、kyは回転前の座標軸であり、kx´、ky´は回
転後の座標軸である。すでに説明した撮影シーケンスの
傾斜磁場印加量とk空間との対応関係から、図2のk空
間走査を実現する撮影シーケンスは容易に作成すること
ができる。すなわち、回転後のデータを取得する際のx
方向の傾斜磁場波形G´x(t)とy方向の傾斜磁場波
形G´y(t)は、に示したx方向の傾斜磁場波形Gx
(t)及びy方向の傾斜磁場波形Gy(t)を用いて、
以下の式の様に表される。
【0057】
【数8】
【0058】これを撮影シーケンスとして示したものが
図3である。ただし、図3(a)は回転後のデータを取
得する際の傾斜磁場波形であり、図3(b)は回転前の
データを取得する際の傾斜磁場波形である。回転後のデ
ータを取得する際のx方向傾斜磁場の出力を例にとる
と、回転前のx方向傾斜磁場の振幅をcosθ倍した傾
斜磁場波形と、回転前のy方向傾斜磁場の振幅をsin
θ倍した傾斜磁場波形とを同時に出力することになる。
【0059】この後処理を不要とする撮影方法を実現す
る一連の処理手順を、2次元画像データへの適用例を用
いて図1に示す。まず、ナビゲート信号によりk空間を
円形に走査し、そのデータ点をθ空間に再配置する(処
理1)。その後ナビゲート信号の信号強度にフーリエ変
換を施し、変換後の位相差から回転量を導出する(処理
2)。フーリエ変換後のデータの位相マップを作成し
(処理3)、θ´軸上でび位相差の傾きから画像内の回
転量を求める(処理4)。導出された回転量を(式6)
と(式7)に代入し、出力する傾斜磁場波形を決定する
(処理5)。図1で説明した処理手順は、図14に示し
た撮影シーケンスで実現することができる。
【0060】なお、具体例として2次元画像データを用
いて説明したが、これは3次元画像データに対しても同
様に行うことが可能である。
【0061】
【発明の効果】以上に述べたごとく、本発明によれば、
基準時と撮影時との間で撮影対象が回転移動する回転量
を高速に抽出し、この回転量に対してk空間上で回転補
正及び補間を高速に行う、或は、さらに高速化するため
にこの回転量に基づいて撮影時の傾斜磁場を変調させる
ようにし、回転移動を撮影時点で補正して、画像におけ
る回転補正を高速に行うことができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転補正用ナビゲート信号を用いて傾斜磁場波
形を決定するまでの処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図2】座標軸を角度θ回転させた場合のk空間の走査
を示す図である。
【図3】図2のk空間走査を実現するEPIシーケンス
の一例を示す図である。
【図4】EPIシーケンスの一例を示す図である。
【図5】図4に示したEPIシーケンスのk空間走査法
を示す図である。
【図6】画像間の位置ずれを示す図である。
【図7】k空間上のデータサンプリングポイントと円周
の軌跡を示す。
【図8】回転補正用ナビゲート信号発生シーケンスを、
EPIシーケンスに加えた例を示す図である。
【図9】MRI装置の構成図である。
【図10】(a)k空間と、(b)θγ空間における、
プロファイル関数を構成するデータ点の配置図である。
【図11】(a)k空間と、(b)θγ空間における、
撮影対象の回転によるデータ点の移動を示す図である。
【図12】回転量導出処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図13】回転移動補正の高速化を達成する処理手順を
示すフローチャートである。
【図14】回転移動を実時間で補正するシーケンスの一
例を示す図である。
【図15】k空間の低周波領域と高周波領域の区分の一
例を示す図である。
【図16】従来法と本発明を用いた補正結果を差画像の
写真を用いて対比して示す図である。
【符号の説明】
41 静磁場発生磁石 42 撮影対象 43 ベッド 44 高周波磁場コイル 45 x方向傾斜磁場コイル駆動装置 46 y方向傾斜磁場コイル駆動装置 47 z方向傾斜磁場コイル駆動装置 48 x方向傾斜磁場発生コイル 49 y方向傾斜磁場発生コイル 50 z方向傾斜磁場発生コイル 51 シンセサイザ 52 変調装置 53 増幅器 54 検波装置 55 計算機 56 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61B 5/055

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間的に強度が均一である静磁場を発生
    する静磁場発生手段と、空間的に強度勾配を有し互いに
    直交する三方向−スライス厚方向、位相エンコード方
    向、信号読み出し方向−のそれぞれに磁場を発生する傾
    斜磁場発生手段と、撮影対象の核磁化を励起する高周波
    磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記撮影対象か
    らの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と、前記傾
    斜磁場発生手段と高周波磁場発生手段と信号検出手段の
    動作を制御する制御手段と検出した信号に対して所定の
    処理を施す信号処理手段とからなる計算機と、前記計算
    機による演算結果の出力手段とを備えたMRI装置にお
    いて、上記計算機は、(1)核磁化励起の度に前記三方
    向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を印加
    し、位相空間を示すk空間において中心から等距離に位
    置するデータ点を取得する取得手段と、(2)前記取得
    手段によって取得される基準時のデータと撮影時のデー
    タを用いて、基準時から撮影時にかけての撮影対象の回
    転移動を算出する回転角算出手段と、(3)前記回転角
    算出手段で算出した回転角を用いて、撮影時の信号を得
    るための傾斜磁場の波形を変調して、回転移動量を補正
    した画像を撮影する撮影手段を有することを特徴とする
    MRI装置。
  2. 【請求項2】 前記取得手段は、核磁化励起の度に前記
    三方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場を
    印加してk空間の中心から等距離に位置するデータ点を
    得るための回転角検出用のナビゲート信号を発生させ、
    前記ナビゲート信号をサンプリングして前記データ点を
    取得する手段からなることを特徴とする請求項1に記載
    のMRI装置。
  3. 【請求項3】 前記ナビゲート信号の発生の際に印加す
    る位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号読み出
    し方向の傾斜磁場Gr(t)の傾斜磁場波形は、時間t
    と初期位相t1、周期T、傾斜磁場の振幅Gを用いて、 Gp(t)=Gsin[2π(t−t1)/T] Gr(t)=Gcos[2π(t−t1)/T] の式で表されることを特徴とする請求項2に記載のMR
    I装置。
  4. 【請求項4】 前記回転角算出手段は、k空間において
    中心から等距離に位置するデータ点を示す位置ベクトル
    と、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する
    信号強度プロファイル関数とを用いて、重心ベクトルを
    計算する重心ベクトル計算手段と、 前記重心ベクトル計算手段によって、前記基準時データ
    から基準時重心ベクトルと、前記撮影時データから撮影
    時重心ベクトルとを計算し、前記基準時重心ベクトルと
    前記撮影時重心ベクトルとを用いて内積を計算し、回転
    角を計算する手段とからなることを特徴とする請求項1
    に記載のMRI装置。
  5. 【請求項5】 前記回転角算出手段は、k空間において
    中心から等距離に位置するデータ点の座標軸となす角
    と、このデータ点の信号強度を導出する信号強度プロフ
    ァイル関数を用いて、重心角を計算する重心角度計算手
    段と、 前記重心角度計算手段で計算によって、前記基準時デー
    タから基準時の重心角と、前記撮影時データから撮影時
    の重心角と計算し、前記基準時の重心角と、前記撮影時
    の重心角とから、差分を計算する手段とからなることを
    特徴とする請求項1に記載のMRI装置。
  6. 【請求項6】 前記回転角算出手段は、k空間において
    中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクトルと、
    この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する信号
    強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を極座標
    であるrθ座標で表現されるデータ空間に配置し、前記
    θ方向に複素フーリエ変換を行う複素フーリエ変換手段
    と、 前記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換後のデータを
    用いて位相マップを作成する作成手段と、 前記複素フーリエ変換手段及び前記作成手段により、前
    記基準時データから基準時の位相マップと、前記撮影時
    データから撮影時の位相マップとを作成し、これらの差
    分を計算して位相差マップを作成し、前記位相差マップ
    における各座標軸方向の位相差の傾きを計算する手段と
    からなることを特徴とする請求項1に記載のMRI装
    置。
  7. 【請求項7】 前記回転角算出手段は、k空間において
    中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクトルと、
    この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する信号
    強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を極座標
    であるrθγ座標で表現されるデータ空間に配置し、前
    記θ方向とγ方向に複素フーリエ変換を行う複素フーリ
    エ変換手段と、 前記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換後のデータを
    用いて位相マップを作成する作成手段と、 前記複素フーリエ変換手段及び前記作成手段により、前
    記基準時データから基準時の前記位相マップと、前記撮
    影時データから撮影時の前記位相マップとを作成し、こ
    れらの差分を計算して位相差マップを作成し、前記位相
    差マップにおける各座標軸方向の位相差の傾きを計算す
    る手段とからなることを特徴とする請求項1に記載のM
    RI装置。
  8. 【請求項8】 傾斜磁場波形の変調及び回転移動後の画
    像を撮影する前記撮影手段は、時間tと前記基準画像を
    撮影した際の位相エンコード方向傾斜磁場Gp0(t)
    と信号読み出し方向の傾斜磁場Gr0(t)、及び前記
    回転角算出手段で算出した回転角θを用いて、 Gp(t)=Gr0(t)sinθ+Gp0(t)co
    sθ Gr(t)=Gr0(t)cosθ−Gp0(t)si
    nθ の式で表される位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)
    と信号読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)の波形を計算
    し、前記位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号
    読み出し方向の傾斜磁場Gr(t)を印加して前記回転
    移動後の画像を撮影する手段であることを特徴とする請
    求項1に記載のMRI装置。
  9. 【請求項9】 前記回転角算出手段で計算される回転角
    と、前記撮影手段で得られ、傾斜磁場波形変調の計算で
    使用される基準画像は、同一部位を連続撮影する際の最
    初に撮影される画像であることを特徴とする請求項1に
    記載のMRI装置。
  10. 【請求項10】 空間的に強度が均一である静磁場を発
    生する静磁場発生手段と、空間的に強度勾配を有し互い
    に直交する三方向−スライス厚方向、位相エンコード方
    向、信号読み出し方向−のそれぞれに磁場を発生する傾
    斜磁場発生手段と、撮影対象の核磁化を励起する高周波
    磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前記撮影対象か
    らの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と、前記傾
    斜磁場発生手段と高周波磁場発生手段と信号検出手段の
    動作を制御する制御手段と検出した信号に対して所定の
    処理を施す信号処理手段とからなる計算機と、前記計算
    機による演算結果の出力手段とを備えたMRI装置にお
    いて、上記計算機は、(1)位相空間を示すk空間上の
    データ点に所定の補間処理を施すことにより、または前
    記三方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場
    を印加することにより、k空間の中心から等距離に位置
    するデータ点を取得する取得手段と、(2)前記取得手
    段によって取得される基準時のデータと撮影時のデータ
    を用いて、基準時から撮影時にかけての撮影対象の回転
    移動を算出する回転角算出手段と、(3)前記回転角算
    出手段で算出した回転角と、回転移動後のk空間上の整
    数であるデータ点とから、回転移動補正後の実数である
    データ点を計算する計算手段と、(4)回転移動後のk
    空間を複数の領域に分割し、各領域毎に補間処理を行
    い、前記回転補正後のデータ点における信号強度を算出
    する信号強度算出手段を有することを特徴とするMRI
    装置。
  11. 【請求項11】 前記取得手段は、核磁化励起の度に前
    記三方向の傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場
    を印加してk空間の中心から等距離に位置するデータ点
    を取得する回転角検出用のナビゲート信号を発生させ、
    前記ナビゲート信号をサンプリングしてデータ点を取得
    する手段からなることを特徴とする請求項10に記載の
    MRI装置。
  12. 【請求項12】 前記ナビゲート信号発生の際に印加す
    る位相エンコード方向傾斜磁場Gp(t)と信号読み出
    し方向の傾斜磁場Gr(t)の傾斜磁場波形は、時間t
    と初期位相t1、周期T、傾斜磁場の振幅Gを用いて、 Gp(t)=Gsin[2π(t−t1)/T] Gr(t)=Gcos[2π(t−t1)/T] の式で表されることを特徴とする請求項11に記載のM
    RI装置。
  13. 【請求項13】 前記回転角算出手段は、k空間におい
    て中心から等距離に位置するデータ点を示す位置ベクト
    ルと、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出す
    る信号強度プロファイル関数とを用いて、重心ベクトル
    を計算する重心ベクトル計算手段と、 前記重心ベクトル計算手段によって、前記基準時データ
    から基準時重心ベクトルと、前記撮影時データから撮影
    時重心ベクトルとを計算し、前記基準時重心ベクトルと
    前記撮影時重心ベクトルとを用いて内積を計算し、回転
    角を計算する手段とからなることを特徴とする請求項1
    0に記載のMRI装置。
  14. 【請求項14】 前記回転角算出手段は、k空間におい
    て中心から等距離に位置するデータ点の座標軸となす角
    と、このデータ点の信号強度を導出する信号強度プロフ
    ァイル関数を用いて、重心角を計算する重心角度計算手
    段と、 前記重心角度計算手段で計算によって、前記基準時デー
    タから基準時の重心角と、前記撮影時データから撮影時
    の重心角と計算し、前記基準時の重心角と、前記撮影時
    の重心角とから、差分を計算する手段とからなることを
    特徴とする請求項10に記載のMRI装置。
  15. 【請求項15】 前記回転角算出手段は、k空間におい
    て中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクトル
    と、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する
    信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を極
    座標であるrθ座標で表現されるデータ空間に配置し、
    前記θ方向に複素フーリエ変換を行う複素フーリエ変換
    手段と、 前記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換後のデータを
    用いて位相マップを作成する作成手段と、 前記複素フーリエ変換手段及び前記作成手段により、前
    記基準時データから基準時の位相マップと、前記撮影時
    データから撮影時の位相マップとを作成し、これらの差
    分を計算して位相差マップを作成し、前記位相差マップ
    における各座標軸方向の位相差の傾きを計算する手段と
    からなることを特徴とする請求項10に記載のMRI装
    置。
  16. 【請求項16】 前記回転角算出手段は、k空間におい
    て中心から等距離に位置するデータ点の位置ベクトル
    と、この位置ベクトルが示す位置の信号強度を導出する
    信号強度プロファイル関数を用いて、このデータ点を極
    座標であるrθγ座標で表現されるデータ空間に配置
    し、前記θ方向とγ方向に複素フーリエ変換を行う複素
    フーリエ変換手段と、 前記複素フーリエ変換手段のフーリエ変換後のデータを
    用いて位相マップを作成する作成手段と、 前記複素フーリエ変換手段及び前記作成手段により、前
    記基準時データから基準時の前記位相マップと、前記撮
    影時データから撮影時の前記位相マップとを作成し、こ
    れらの差分を計算して位相差マップを作成し、前記位相
    差マップにおける各座標軸方向の位相差の傾きを計算す
    る手段とからなることを特徴とする請求項10に記載の
    MRI装置。
  17. 【請求項17】 前記信号強度算出手段は、k空間の領
    域分割において、データ点の信号強度に対して閾値を設
    定し、該閾値と前記回転移動後のk空間上のデータ点の
    信号強度との大小関係に対応して補間処理を行うことを
    特徴とする請求項10に記載のMRI装置。
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