JP3589509B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は磁気共鳴撮影(以下、MRI)装置を用いた撮影法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明が適用されるMRI装置の構成を説明し、次に、本発明を説明する上で重要となる座標軸を定義する。MRI装置の構成を図2に示す。図2において、100は静磁場を発生する磁石、101は検査対象などの撮影対象、102は撮影対象101を載せるベッド、103は高周波磁場を発生させると同時に、撮影対象101から生じるエコー信号を検出する高周波磁場コイル、107、108、109はそれぞれx方向、y方向、z方向の傾斜磁場を発生させる傾斜磁場発生コイルである。104、105、106はそれぞれ各傾斜磁場発生コイル107、108、109に電流を供給するコイル駆動装置である。114は計測されたデータを処理し、画像再構成を行なう計算機、115は計算機114により得た再構成画像を表示するCRTディスプレイである。装置の動作の概要を説明する。撮影対象101の核磁化を励起する高周波磁場は、シンセサイザ110により発生した高周波を、変調装置111により波形整形、電力増幅し、高周波磁場コイル103に電流を供給して発生させる。撮影対象101からのエコー信号は、高周波磁場コイル103により受信され、増幅器112で増幅、検波装置113で検波された後、計算機114に入力され、メモリ116に保存される。メモリ116には、処理途中のデータや最終の演算処理結果も格納されている。計算機114は画像再構成を行ない、その結果をCRTディスプレイ115で表示する。
【0003】
なお、図2における座標系は静磁場の方向をz方向とし、z方向に直交する方向のうち、水平方向をx方向、垂直方向をy方向としている。静磁場発生磁石や傾斜磁場コイルの形状が不変であるため、xyz座標系は、固定座標系と見なせる。これとは別に、傾斜磁場の方向を画像撮影時の役割で定義できる。詳細については後述するが、撮影時には、スライス選択、位相エンコード、信号読み出しの傾斜磁場を印加する。本明細書では、スライス選択(s)方向は撮影断面の厚さ方向とする。また、位相エンコード(p)方向、及び信号読み出し(r)方向は、s方向に直交する平面を構成し、かつ互いに直交する二方向とする。xyz座標系と異なり、このprs座標系は、撮影断面の変更により座標軸の方向が変化する点で、xyz座標系と異なる。
【0004】
次に、画像撮影法について説明する。図3(a)は、画像の撮影時に印加する傾斜磁場の強度とその印加手順を記したタイムチャート(以下、シーケンス)の一例である。傾斜磁場Gz(11)を印加しつつ高周波磁場RF(10)を撮影対象に照射する。その後、励起した核スピンに、傾斜磁場Gx(12)によりx方向の位置情報を核スピンの位相に、傾斜磁場Gy(13)によりy方向の位置情報を核スピンの回転周波数に、それぞれ付与し、エコー信号の取得を所定の回数繰り返す(ただし、繰り返し毎に傾斜磁場Gx(12)の印加量を変更する)。これにより、図4(a)に示すように、z方向に垂直な撮影断面の画像を得ることができる。図4(a)では、xyz座標系とprs座標系とが一致しているため、スライス選択磁場には傾斜磁場Gzを、位相エンコード傾斜磁場には傾斜磁場Gxを、信号読み出し傾斜磁場には傾斜磁場Gyを用いて、撮影を行えば良い。
【0005】
次に、図4(b)に示すように、撮影断面がxyz座標系に対して傾いている場合を考える。この例では、xyz座標系とprs座標系は一致していない。そのため、x方向、y方向、z方向の傾斜磁場のうち少なくとも2方向の傾斜磁場を同時に印加し、prs座標系の各方向の傾斜磁場を合成する必要がある。図4(b)で示した断面を撮影するための撮影シーケンスを図3(b)に示す。z方向傾斜磁場Gzと傾斜磁場Gx(15)でスライス選択傾斜磁場を、傾斜磁場Gz(16)と傾斜磁場Gy(17)で信号読み出し傾斜磁場を合成し、核スピンに印加している。このように、xyz座標系の軸方向とs方向(撮影断面の法線方向)が異なる断面をオブリーク断面、オブリーク断面で定義されるprs座標系に従って核スピンに位置情報を付与する撮影法をオブリーク撮影法、作成された画像をオブリーク画像と呼ぶ。なお、xyz座標系のいずれかの座標軸方向とs方向(撮影断面の法線方向)が一致している断面を、本明細書中では通常断面と呼ぶ。オブリーク断面は、別の表現をするとx軸、y軸、z軸のうち少なくとも二軸と交差している撮影断面である。
【0006】
オブリーク撮影法は、prs座標系における位置情報を傾斜磁場Gx、Gy、Gzで付与するため、傾斜磁場の印加手順が複雑になる欠点がある。そのため、EPI法のように、通常断面(xyz座標系の座標軸方向とs方向が一致している断面)を撮影する場合でも、二方向の傾斜磁場を同時に印加する撮影法では大きな問題が生じる。以下、EPI法について説明し、次にEPI法でオブリーク撮影を行なう場合の問題点を説明する。
【0007】
EPI法の撮影シーケンスを図5に示す。EPI法では、高周波磁場RF(21)の印加により核スピンを励起した後、傾斜磁場Gx(26)を高速でスイッチングさせるとともに、傾斜磁場Gy(24)を繰り返し印加し、画像作成に必要な全エコー信号を一度に取得する。なお、図5ではGxが信号読み出し傾斜磁場、Gyが位相エンコード傾斜磁場である。このように一度の励起で画像作成に必要な全エコー信号を取得することにより、1画像を100ms以下という超高速な撮影を達成している。取得されたエコー信号は、図6に示すように計測空間上に配列される。ここでkxはx方向の空間角周波数、kyはy方向の空間角周波数である。また図6中の丸印はA/Dのサンプリングポイントである。横軸kxのサンプリングポイント間の距離は、1サンプリング時間中に印加される傾斜磁場Gx(26)の印加量に対応し、ky軸方向のサンプリングポイント間の距離は、傾斜磁場Gy(24)の印加量に対応している。この計測空間上のデータに二次元のフーリエ変換を施し、画像を再構成する。超高速撮影法は時間分解能に優れた撮影法であるが、強力な信号読み出し傾斜磁場(傾斜磁場Gx(26))を高速でスイッチングするために、渦電流が発生する。この渦電流の生成する磁場がエコー信号の位相に悪影響を与え、画質を劣化させてしまう欠点がある。
【0008】
この欠点の解決法として、特開平5−68674号公報などに記載の方法が提案されている。この方法では、まずエコー信号の位相の乱れを検出するための基準データを取得する。この基準データは、位相エンコード方向の傾斜磁場を印加せず取得したエコー信号である。次に、基準データから補正値を導出し、この補正値を用いて、本撮影データにおけるエコー信号の位相の乱れを除去する。この補正法により、EPI法で撮影した画像の画質向上を達成できる。
【0009】
次に、EPI法を用いて、図7のようなオブリーク断面を撮影する場合について考える(このオブリーク断面は、別の表現をするとx軸、y軸、z軸のいずれの軸とも交差している撮影断面である)。このオブリーク断面を撮影するため、傾斜磁場はGx及びGzは、位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を同時に印加しなければならない。そのため、基準データの取得シーケンスは図8(a)、本撮影データの取得シーケンスは図8(b)になる。図8(a)と図8(b)の比較から判るように、基準データの取得時には、傾斜磁場Gz及びGxの磁場波形は、信号読み出し傾斜磁場のみを印加しているため、31、32のような磁場波形である。一方、本撮影データの取得時には、位相エンコード傾斜磁場35の磁場波形を同時に駆動する必要があるため、傾斜磁場Gz及びGxの磁場波形は33、34のようになってしまう。先の補正法は、信号読み出し磁場の波形が、基本データの取得時と本撮影データの取得時で変化しないことを前提としていた。そのため、図8のシーケンスのように、基準データと本撮影データとで信号読み出し磁場の波形が変化すると、両データの間で渦電流の影響が異なるため、先の補正法を用いても画質向上を達成できないという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決するために、位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を、一方向の傾斜磁場で同時に印加することなく、より簡単な傾斜磁場印加手順でオブリーク断面を撮影できる撮影法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、X、Y、Zのいずれかの軸を含む投影面にオブリーク断面を投影し、この投影面内の直交する二方向に位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を印加し、オブリーク断面を撮影することに特徴がある。
【0012】
本発明の磁気共鳴撮影装置を用いた撮影方法は、静磁場を発生する静磁場発生手段と、互いに直交する、x、y、zの三方向にそれぞれ傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、検査対象の核磁化を励起する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、検査対象からの核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と、記信号検出手段による検出信号の演算を行なう計算機と、計算機による演算結果の出力手段とを有する磁気共鳴撮影装置を用い、少なくとも二方向の傾斜磁場と高周波磁場により核磁化が選択的に励起され、x、y、z方向の三軸のうち少なくとも二軸と交差するオブリーク断面の撮影を行なうために、位相エンコードと信号読み出しの傾斜磁場を、オブリーク断面に対し所定の投影面の法線方向に直交する方向にそれぞれ印加する撮影方法において、投影面の法線方向(s’方向)と投影面内において互いに直交する、位相エンコード方向(p’方向)、信号読み出し方向(r’方向)のそれぞれが、x、y、z、−x、−y、−z方向のいずれかと一致する数(N’)が、オブリーク断面の法線方向(s方向)とオブリーク断面内において互いに直交する、位相エンコード方向(p方向)、信号読み出し方向(r方向)のそれぞれが、x、y、z、−x、−y、−z方向のいずれかと一致する数(N)より大であることに特徴がある。
【0013】
より具体的には、(1)N=0、N’=1である場合、r’方向とp’方向の傾斜磁場の印加は、r’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とp’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とを比較し、優れた傾斜磁場立ち上がり特性を必要とする方向の傾斜磁場をx、y、z方向の傾斜磁場のうちの二方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行ない、
(2)N=0、N’=3である場合、r’方向とp’方向の傾斜磁場の印加は、r’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とp’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とを比較し、優れた傾斜磁場立ち上がり特性を必要とする方向の傾斜磁場をx、y、z方向の傾斜磁場の中で最も立ち上がり特性の優れた方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行ない、
(3)N=1、N’=3である場合、r’方向とp’方向の傾斜磁場の印加は、r’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とp’方向の傾斜磁場に必要な傾斜磁場立ち上がり特性とを比較し、優れた傾斜磁場立ち上がり特性を必要とする方向の傾斜磁場をx、y、z方向の傾斜磁場の中で最も立ち上がり特性に優れた方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行な、
(4)N=0、N’=1であり、かつr’方向の傾斜磁場としてx、y、z方向の傾斜磁場のうち二方向の傾斜磁場を用いる場合、r’方向の傾斜磁場の印加は、x、y、z方向の傾斜磁場のうち、少なくとも撮影時の傾斜磁場コイルの振動音が最小である方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行ない、
(5)N=0、N’=1であり、かつr’方向の傾斜磁場としてx、y、z方向の傾斜磁場のうち一方向の傾斜磁場を用いる場合、r’方向の傾斜磁場の印加は、x、y、z方向の傾斜磁場のうち、撮影時の傾斜磁場コイルの振動音が最小である方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行ない、
(6)N=0、N’=3である場合、r’方向の傾斜磁場の印加は、x、y、z方向の傾斜磁場のうち、撮影時の傾斜磁場コイルの振動音が最小である方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段を用いて行なう。
【0014】
さらに、投影面のr’方向、p’方向は、それぞれ、x、y、zのいずれかの方向に一致しているか、r’方向とp’方向が、x、y、zのいずれかの方向にそれぞれ一致しているものとする。あるいは、オブリーク断面のスライス選択傾斜磁場のx方向成分、y方向成分、及びz方向成分のうち、方向成分の大きさが最小である方向と、投影断面のp’方向またはr’方向のいずれかを一致させる。信号読み出し傾斜磁場の極性反転を繰り返すことにより、一度の核磁化の励起につき複数の核磁気共鳴信号を取得し、画像作成に必要な核磁気共鳴信号を取得する。
【0015】
x、y、z方向のそれぞれに直交する面を有する三次元領域を撮影した三次元画像から、x、y、z方向のうち少なくとも二軸と交わるオブリーク断面の本発明による撮影方法は、三次元領域の撮影において印加位相エンコード傾斜磁場と同じ傾斜磁場を用いて、オブリーク断面の位相エンコードを行ない、かつ三次元領域の撮影において印加した信号読み出し傾斜磁場と同じ傾斜磁場を用いてオブリーク断面の信号読み出しを行なうことに特徴がある。
【0016】
また、検査対象の心周期と同期して撮影を開始する心拍同期手段とを有する磁気共鳴撮影装置を用いる、本発明の冠状動脈抽出法は、傾斜磁場のうち少なくとも二方向の傾斜磁場と高周波磁場により撮影断面の血液の核磁化を励起する第1のステップと、第1のステップから所定の時間が経過した後、血液の核磁化を、x、y、z方向のいずれかに直交する平面のうち少なくとも二平面に投影し、それぞれの投影面に対応して位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を印加し、第1のステップからの経過時間が等しく投影面の異なる投影画像を表わす時相画像を作成する第2のステップと、時相画像を用いて血液の核磁化の位置を検出する第3のステップとを有することに特徴があり、第2のステップにおいて、第1のステップからの経過時間がそれぞれ異なる、複数の時相画像を撮影し、第2のステップで作成した複数の時相画像と、第1のステップからそれぞれの時相画像の撮影までの時間差から血流速度を導出する。さらに、第3のステップで時相画像を用いて検出した血液の核磁化の位置を面内に含む撮影断面を決定し、第2のステップで時相画像を撮影した同一時相で、撮影断面内の血流の核磁化の励起、及び位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場の印加を行ない、冠状動脈を抽出する第4のステップを有することにも特徴がある。
【0017】
なお、上記の傾斜磁場立ち上り特性の算出は例えば以下のようにして行なう。傾斜磁場強度がゼロの状態から、所定の最大強度の傾斜磁場強度Gmaxとなるまでに必要とする時間tを用い、Gmax/tを算出して、この値を上記の傾斜磁場立ち上り特性として使用する。
【0018】
【作用】
投影面に対応して位置情報を付与することにより、位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を、一方向の傾斜磁場で同時に印加することがなくなり、より簡単な傾斜磁場印加手順でオブリーク断面を撮影できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本発明を用いて撮影される断面とその投影面、図1(b)は本発明を用いた場合のオブリーク断面撮影法のシーケンスである。核スピンの励起、及び位相エンコード傾斜磁場の印加は、図3(b)と同様である。しかし、信号読み出し傾斜磁場の印加は、一方向の傾斜磁場のみで行なう。このように信号読み出し傾斜磁場を印加した場合、位置情報はpr’軸で示した方向に付与されることになる。従って、作成される画像は、図1(a)の撮影断面をpr’平面に投影した画像になる。本来のオブリーク断面(図1(a)の撮影断面)のs、p、r方向は、p方向のみがx方向と一致している。即ち、spr方向とxyz方向の一致数は1である。それに対し、本発明で作成される投影面のs’、p、r’方向は、s’方向とz方向、p方向とx方向、r’方向とy方向とが、それぞれ一致している。即ち、s’pr’方向とxyz方向の一致数は3である。このように、一致数が、オブリーク断面より大きくなる投影面を想定し、この投影面で定義され面内で直交する二方向(図1(a)ではp方向とr’方向)に位相エンコード傾斜磁場とスライス選択傾斜磁場を印加する撮影法を疑似オブリーク撮影法、疑似オブリーク撮影法で撮影された画像を疑似オブリーク画像と定義する。この疑似オブリーク撮影法は、EPI法を用いたオブリーク断面の撮影、特にprs方向とxyz方向が一方向も一致しないオブリーク断面の撮影に有効である。以下、その理由と実施例を詳細に説明する。
【0020】
図7に示すオブリーク断面(x軸、y軸、z軸のいずれの軸とも交差している撮影断面)を疑似オブリーク撮影法で撮影する場合、例えば図9(a)や図9(b)のような投影面を想定し、撮影を行なうことができる。図9(a)において、p’方向とy方向は平行、s’方向は投影面の法線方向であり、図9(b)において、r’方向とx方向は平行、s’方向は投影面の法線方向である。図9(a)の投影面を想定した場合、その基準データの取得シーケンスと本撮影データの取得シーケンスは、図10(a)、図10(b)になる。また、図9(b)の投影面を想定した場合、その基準データの取得シーケンスと本撮影データの取得シーケンスは、図11(a)、図11(b)になる。どちらの疑似オブリーク撮影法においても、信号読み出し傾斜磁場と位相エンコード傾斜磁場を、同一方向の傾斜磁場で同時に駆動する必要がない。その結果、基準データの取得と本撮影データの取得時の、信号読み出し傾斜磁場の波形が同じになり、先に説明した従来技術と同様の補正法により画質向上を達成できる。また、図8(b)の傾斜磁場33や34のように、磁場波形が急激に変化すると、傾斜磁場電源に大きな負荷がかかる、傾斜磁場の印加に伴う傾斜磁場コイルの振動音が大きくなる、等の問題が生じる。本発明の疑似オブリーク撮影法では、傾斜磁場の印加手順を簡単にするだけでなく、これらの問題点が大きくなることを回避できる。
【0021】
加えて、図9に示したように、疑似オブリーク撮影法は、1つのオブリーク断面に対して複数の投影面を想定できるので、様々な疑似オブリーク画像を撮影できる。この投影面の選択により、傾斜磁場電源にかかる負荷や傾斜磁場コイルの振動音を、更に小さくすることが可能である。即ち、図10及び、図11では位相エンコード傾斜磁場、または信号読み出し傾斜磁場のどちらか一方を、二方向の傾斜磁場で印加している。どちらの傾斜磁場を、二方向の傾斜磁場電源で駆動するかは、傾斜磁場電源の電源駆動性能、及び傾斜磁場コイルの振動音を考慮し決定する。傾斜磁場電源の駆動性能の点からは、各軸方向の立ち上がり特性が重要である。そこで、撮影シーケンスを実行する上で必要となる、位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場の立ち上がり性能を算出する。この立ち上がり性能の算出は、例えば、傾斜磁場強度がゼロの状態から、所定の最大強度の傾斜磁場強度Gmaxとなるまでに必要とする時間tを用い、Gmax/tを算出して行なう。
【0022】
最も優れた立ち上がり性能(Gmax/tが大きい)を要求される傾斜磁場に、立ち上がり特性に優れた方向の傾斜磁場を割り当てる。または、二方向で駆動し、傾斜磁場の振幅を小さくすることにより、撮影シーケンスで必要な傾斜磁場の立ち上がり性能を緩和してもよい。傾斜磁場コイルの振動音は、主に信号読み出し傾斜磁場コイルから発生される。また、振動音の大きさは、コイルに流れる電流の大きさや、傾斜磁場コイルの固定法などにより変化する、各方向の傾斜磁場でそれぞれ異なるのが一般的である。そのため、最も振動音が小さくなる組み合わせを検討し、投影面を決定することが望ましい。
【0023】
以上のように、疑似オブリーク撮影の投影面の選択により、撮影装置も各種の問題点を緩和できるという利点について説明した。その一方で、オブリーク画像と疑似オブリーク画像では、位置情報を付与する傾斜磁場の印加量が異なっているので、疑似オブリーク画像の空間分解能は、オブリーク画像の分解能と比較し、誤差が生じている。従って、この誤差を最小にする投影面を想定し、疑似オブリーク画像を撮影することが重要になる。以下、投影面の決定法について説明する。
【0024】
まず、スライス選択傾斜磁場の印加量と、s座標軸との関係を示す。図12において、Gsxは傾斜磁場Gxで印加されるスライス選択傾斜磁場、Gsyは傾斜磁場Gyで印加されるスライス選択傾斜磁場、Gszは傾斜磁場Gzで印加されるスライス選択傾斜磁場である。また、Gsは、スライス選択傾斜磁場Gsx、Gsy、Gszの合成ベクトルである。この合成ベクトルGsの方向は、s方向に一致する。撮影するオブリーク断面はs軸に直交する平面であることから、分解能の誤差を最小にする投影面は、スライス選択傾斜磁場Gsのx、y、z軸方向の成分を比較して求めることができる。即ち、成分が最小となる軸方向と平行な面を投影面とする。この条件を満たす軸は、信号読み出し傾斜磁場、或いは位相エンコード傾斜磁場の、どちらに用いても良い。これにより、分解能の誤差が最小となる疑似オブリーク画像を得ることが可能になる。
【0025】
なお、図9ではオブリーク断面の座標系prsのうち一軸のみの方向を変更し、投影面を想定したが、図13に示すように、二軸の方向を変更し、投影面を想定することも可能である(図13において、撮影断面は図7と同様のオブリーク断面(x軸、y軸、z軸のいずれの軸とも交差している撮影断面)であり、p’方向とy方向は平行であり、r’方向とx方向は平行であり、s’方向は投影面の法線方向である)。これにより、傾斜磁場Gxと傾斜磁場Gyの、一方を信号読み出し傾斜磁場、他方を位相エンコード傾斜磁場に用いればよく、図10、及び図11の撮影シーケンスよりも、更に磁場印加の手順が簡単になる。
【0026】
以上、疑似オブリーク画像の撮影法について説明したが、この疑似オブリーク撮影法は、MRIを用いた脳機能計測(以下、fMRI)、及び冠状動脈の抽出にも利用できる。
【0027】
fMRIは、刺激に対する大脳皮質の反応をMR信号の変化として画像化する技術である。図14はfMRIへの適用例であり、あらかじめ撮影した三次元の形態画像から二次元断面を切り出し、信号変化を観察する断面を決定した様子を示している。fMRIの計測後、撮影した二次元断面から刺激に伴いMR信号が変化した領域(活性化領域)を抽出し、機能画像を作成し、先の形態画像の断面上に重ね合わせて、活性化領域の同定を行なう。この場合、重ね合わせの際の位置ずれを最小にするため、三次元画像と、疑似オブリークの位相エンコード傾斜磁場、及び信号読み出し傾斜磁場は、それぞれ同一方向の傾斜磁場を用いて駆動することが望ましい。
【0028】
冠状動脈は、心臓の筋肉に血液を供給する血管であり、心臓の表面を走行している。心臓は、球や楕円体で近似的に示されるように立体的な形状をもつ臓器であり、また、収縮・拡張の動きを伴う。そのため、冠状動脈の抽出には撮影断面の決定が特に重要になる。そこで、本発明を用いた冠状動脈の抽出では、予備撮影として、冠状動脈の比較的上流で励起した核磁化を異なる投影面に投影し、疑似オブリーク撮影を行なう。そして、この疑似オブリーク画像から核磁化の位置を算出し、本撮影でのオブリーク断面を決定する。詳細な手順を以下に示す。
【0029】
まず、被験者(検査対象)の心周期と同期して少なくとも二方向の傾斜磁場と高周波磁場を印加し、血液の核磁化を励起する(励起位置41)。即ち、核磁気共鳴撮影装置は、心周期を検出し、これに同期して撮影を開始するための心伯同期手段を備えている。ここでの励起部位は、大動脈の起始部または、起始部に近い比較的上流部分とする。また、励起断面は血管に直交する断面であることが望ましい。次に励起から所定の時間が経過した後、励起した血液の核磁化を、X、Y、Z方向のいずれかに直交する平面のうち少なくとも二平面(平面46、平面47)に投影し、それぞれの投影面に対応して位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を印加する。これにより、励起からの経過時間が等しく投影面の異なる投影画像(以下、時相画像と呼ぶ)が作成される。この時相画像を用いて、励起から所定時間の経過した後の前記の核磁化の位置を検出し、この核磁化を含む平面を冠状動脈を抽出する際の撮影断面に決定する。即ち、それぞれの投影面での核磁化の位置から、核磁化を面内に含むような三次元空間上の平面を一意に定めることができる。この平面を定式化した後、平面の法線ベクトル、及び座標軸の切片から、本撮影時のスライス選択傾斜磁場の印加量を決定できる。本撮影では、時相画像を撮影した同一時相で、撮影断面内の血流の核磁化の励起、及び位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場の印加を行なう。これにより、冠状動脈を抽出できる。
【0030】
また、時相画像を複数撮影して、それぞれの時相画像における血流の核磁化の位置と、それぞれの時相画像撮影までの時間差から、血流速度を導出することもできる。即ち、位置41で励起された核磁化は、時刻t1後には位置42と44に、時刻t2後には位置43と45に移動している。この位置の変化量と、時間差(t2−t1)から血流速度が計算できる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば簡単な傾斜磁場の印加手順でオブリーク断面を撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である、(a)オブリーク断面とその投影面を示す図、(b)疑似オブリーク撮影のシーケンス。
【図2】本発明が適用されるMRI装置の構成を示す図。
【図3】従来技術における、(a)通常断面(xyz座標系の座標方向とスライス選択方向が一致する断面)の撮影のシーケンス、(b)オブリーク断面(xyz座標系の座標方向とスライス選択方向が異なる断面)の撮影のシーケンス。
【図4】従来技術における、(a)通常断面と(b)オブリーク断面のprs座標系をを示す図。
【図5】従来技術であるEPI法の撮影のシーケンス。
【図6】従来技術における計測空間上のデータ配列と傾斜磁場の印加量との対応を示す図。
【図7】prs座標の座標軸とxyz座標の座標軸とが一軸も一致しないオブリーク断面を示す図。
【図8】図7の撮影断面に対しオブリーク撮影法を用いる場合の、従来技術における、(a)基準データの取得シーケンス、(b)本撮影データの取得シーケンスを示す図。
【図9】図7の撮影断面に対し、本発明の疑似オブリーク撮影法を適用する場合の、(a)y軸と平行なp’軸を含む投影面、(b)x軸と平行なr’軸を含む投影面を示す図。
【図10】図9(a)の投影面を撮影する場合の、(a)基準データの取得シーケンス、(b)本撮影データの取得シーケンスを示す図。
【図11】図9(b)の投影面を撮影する場合の(a)基準データの取得シーケンス、(b)本撮影データの取得シーケンスを示す図。
【図12】スライス選択傾斜磁場とs軸との対応を示す図。
【図13】prs座標のうち二軸の方向を変更し投影面を想定した例を示す図。
【図14】本発明のfMRIへの適用例を説明する図。
【図15】本発明の冠状動脈の抽出への適用例を説明する図。
【符号の説明】
10…高周波磁場、11…スライス選択傾斜磁場、12…位相エンコード傾斜磁場、13…信号読み出し傾斜磁場、14…スライス選択傾斜磁場Gz成分、15…スライス選択傾斜磁場Gy成分、16…信号読み出し傾斜磁場Gz成分、17…信号読み出し傾斜磁場Gy成分、21…高周波磁場、22…スライス選択傾斜磁場、23…位相エンコード傾斜磁場(オフセット部分)、24…位相エンコード傾斜磁場(繰り返し部分)、25…信号読み出し傾斜磁場(オフセット部分)、26…信号読み出し傾斜磁場(繰り返し部分)、30…スライス選択傾斜磁場、31…信号読み出し傾斜磁場Gz成分、32…信号読み出し傾斜磁場Gx成分、33…信号読み出し傾斜磁場と位相エンコード傾斜磁場の合成傾斜磁場Gz成分、34…信号読み出し傾斜磁場と位相エンコード傾斜磁場の合成傾斜磁場Gx成分、35…位相エンコード傾斜磁場Gy成分、36…位相エンコード傾斜磁場Gz成分、40…冠状動脈、41…励起された血液の核磁化の位置(励起直後)、42、44…励起された血液の核磁化の位置(時刻t1後)、43、45…励起された血液の核磁化の位置(時刻t2後)、46…第1方向の投影面、47…第2方向の投影面、100…静磁場発生磁石、101…撮影対象、102…ベッド、103…高周波磁場コイル、104…x方向傾斜磁場用電源、105…y方向傾斜磁場用電源、106…z方向傾斜磁場用電源、107…x方向傾斜磁場コイル、108…y方向傾斜磁場コイル、109…z方向傾斜磁場コイル、110…シンセサイザ、111…変調装置、112…増幅器、113…検波装置、114…計算機、115…ディスプレイ、116…メモリ。
Claims (2)
- 互いに直交する3方向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、位相エンコード傾斜磁場と信号読み出し傾斜磁場を印加して被検体の撮影断面からのエコー信号を受信する計測制御手段と、前記エコー信号から前記撮影断面の画像を再構成する信号処理手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記計測制御手段は、前記撮影断面がオブリークされた場合に、前記位相エンコード傾斜磁場と前記信号読み出し傾斜磁場の内の少なくとも一つを前記3方向傾斜磁場のいずれか一方向のみに割り当て、且つ、該2つの傾斜磁場の内でより優れた傾斜磁場立ち上がり特性を必要とする傾斜磁場の少なくとも一部分を、前記3方向傾斜磁場の内で優れた傾斜磁場立ち上がり特性を有する方向に割り当てることによって、前記3方向の内の少なくとも1方向を含む投影面に投影された投影画像を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
前記計測制御手段は、互いに法線方向が異なる少なくとも2つの投影画像が取得されるように、前記位相エンコード傾斜磁場と前記信号読み出し傾斜磁場の印加を制御し、
前記信号処理手段は、前記法線方向の異なる投影画像の少なくとも2つに共に含まれる所望の部位を含む前記撮影断面を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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