JP2931352B2 - 昇降式ウォールキャビネット - Google Patents

昇降式ウォールキャビネット

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JP2931352B2
JP2931352B2 JP2010581A JP1058190A JP2931352B2 JP 2931352 B2 JP2931352 B2 JP 2931352B2 JP 2010581 A JP2010581 A JP 2010581A JP 1058190 A JP1058190 A JP 1058190A JP 2931352 B2 JP2931352 B2 JP 2931352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は主として台所の流し台、調理台、コンロ台
などの上部の壁面における昇降式ウォールキャビネット
に関するものである。
[従来の技術]及び[発明が解決しようとする課題] 台所の壁面の上部に取り付けられるウォールキャビネ
ットは収納スペースとして広いものではあるが、天井に
近い高い位置となるために内部に収納した物の出し入れ
には踏台を用いざるを得ないために日常頻繁に用いるも
のではなく、使用頻度の低いものを収納することになっ
ていた。
最近では台所で用いる家庭用電化製品も多様化してき
ており、また、日本では日本料理、中華料理、西洋料理
の全てをこなすので、それらに適した鍋などの調理用
具、料理を盛る皿などの食器類がふえて収納スペースが
いくらあっても足りないことになっていた。
そのために、従来は稀にしか用いない物を収納してい
たウォールキャビネットに着目し、これを昇降自在とす
ることにより、使い勝手の良いアイレベル空間に収納ス
ペースを設けたり、これを食器乾燥機、殺菌収納庫など
の厨房用電化製品としたりすることが提案され、あるも
のは一部製品化されている。
しかし、ウォールキャビネット自体が比較的重量があ
り、内部に収納物を入れると更に重くなるので電気モー
タや油圧シリンダにより無段階的に昇降自在としたもの
が提案されている。
しかし、これらは制御を電気的になしうるので便利と
いえるが、装置が比較的大掛かりとなって高価なものと
なり、しかも、メインテナンスが必要となり家庭用のウ
ォールキャビネットとしての普及には限界があった。
[課題を解決するための手段] そこで、この発明はメインテナンスが不用で、簡単な
構成であって、従来、自動車の天窓や扉の開閉、椅子、
製図台の昇降などに広く用いられているガススプリング
に注目し、これを動力源として操作が簡単な昇降式ウォ
ールキャビネットを提供すべく腐心して完成させたもの
で、その要旨とするのは、壁面とウォールキャビネット
の背面にスライドレールをそれぞれ取り付けウォールキ
ャビネットを上下方向にスライド自在とし、またウォー
ルキャビネットの背面板に沿うように油圧ロック付きガ
ススプリングの下端部を壁面に取り付けるようにしたあ
ぶみ金具に乗せ、ガススプリングの先端部が貫通してガ
ススプリングを垂直とする先端部支持手段をウォールキ
ャビネットに設け、ガススプリングの先端が衝突する揺
動杆を備えた受け金具をウォールキャビネットに設け、
揺動杆を前面の把手で操作するために揺動杆から把手ま
でウォールキャビネットの背面板、底面板に沿う連結部
材を設けたことを特徴とするものである。
[作用] この発明はガススプリングをウォールキャビネット上
昇の動力として用いるもので、具体的には先端のピンを
押圧することによりロックを解除してピストンロッドを
上昇させ、このピストンロッドによりウォールキャビネ
ットを押圧上昇させ適宜箇所でロックして止めるように
し、そこから下降させるときは、ロックを解除するよう
に先端のピンを押圧し、引き下すようにし、所定の位置
でピンの押圧を解除しロックするようにするのである。
[実施例] 以下図面に示す実施例に即してこの発明の詳細を説明
する。
ウォールキャビネット1は壁面に固定するものではな
く、壁面2とウォールキャビネット1の背面板11の両側
端部に設けた互いに摺動自在なスライドレール3により
取り付けるようにしてある。スライドレール3は最低左
右に一対あればよいが、ウォールキャビネット1の重量
により必要に応じて数をふやす。
一方、壁面の下方には二つのあぶみ金具4を固定し、
このあぶみ金具4の底面の通孔41にガススプリング5の
下端部を挿入するようにし、ガススプリング5の上端部
はウォールキャビネット1の底面板12に穿設した通孔12
1に貫通させてガススプリング5をウォールキャビネッ
ト1の背面板11に沿うように垂直に取り付けるようにし
てある。
ガススプリング5自体は前述のように従来より公知の
もので、その詳細を第5図として示す。
シリンダ51内部にピストンロッド52と一体で軸方向に
摺動するピストン53が設けられており、このピストン53
には油57の流れを制御するバルブ54が内蔵されており、
またシリンダ51の一端にフリーピストン55を設けて圧縮
ガス56と油57を分離するようにしてなるもので、ピスト
ンロッド52を貫通し先端に突き出たピン58を押し込むと
ロックが解除されピストンロッド52がガス反力により延
びるようになっている(第5図A)。また途中でピン58
を離せばバルブはガス反力により自動的に戻りロックし
た状態になるものである(第5図B)。
この発明ではピストンロッド52のガス反力による伸張
をウォールキャビネット1の上昇の動力として用いるも
のである。
図示の例ではガススプリング5をウォールキャビネッ
ト1内に入るようにしたものとしたが、背面板11が内側
に入り込むような構造として背面板11の背後に設けるよ
うに構成してもよい。この場合は、ガススプリング5の
上部を保持するための手段(金具、底面板を延設し通孔
を穿設)を設けるようにする。
また、詳細な図示は省略したが、ガススプリング5を
隠すようにウォールキャビネット1内部にカバーを設け
て構造の詳細が表われないようにすることが望ましい。
また、図示の例ではガススプリング5を左右一対設け
て、左右のガススプリング5の最大荷重の異なるものを
用い、通常上昇させるときは一方のガススプリング5の
みを用い、ウォールキャビネット1内の収納物あるいは
内容物が多く重量が嵩む場合に双方のガススプリング
5、5を作動させて上昇させるようにする。
なお、一方のガススプリング5で作動させるように構
成してもよいが、図示のように二本のガススプリング5
を配置した方が操作性が良好となる。二本のガススプリ
ング5を近くに並べるか若干離しておくかは設計事項で
あるが、並列させると、あぶみ金具4などが一体に構成
することができることになる。
ウォールキャビネット1の上面板13の内側には受け金
具6が固定してある。この受け金具6はガススプリング
5のピストンロッド52が上昇したときに受けてウォール
キャビネット1を上昇させるものであり、また、上端の
ピン58の押圧を解除をしてピストンロッド52の作動をさ
せるために設けるものといえる。
そこで、この受け金具6にはピストンロッド52を受け
入れるための逆碗状の衝接部61を備え、またピン58の突
出する貫通孔62を設けており、ピン58は常態では突出し
ている。加えて、ピン58を押圧してロックを解除するた
めの揺動杆63を設けるようにしてある。この揺動杆63は
一端を軸支し、他端は連結部材7により繋ぎウォールキ
ャビネット1の前面の把手8にて操作できるようになっ
ている。
図示の例では連結部材7としてピアノ線などの鋼線を
用い底面板12を貫通させ、底面板12に取り付けた案内棒
9を巡らせ方向転換し、ウォールキャビネット1の全面
に設けた把手8に繋げるようにしてある。
鎖、レバー、鋼などを連結部材7としてもよいもので
ある。
そこで、把手8を握るとピン58を押圧してガススプリ
ング5のロックを外すことになり、ピストンロッド52が
突き出ることになりウォールキャビネット1を上昇させ
ることになる。最上部に至る前に把手8の握りを解除す
るとロックされ止まるので適宜の位置に停止させること
ができる。
さらに最上部に止めてあるウォールキャビネット1を
下降させるには把手8を握ってロックを解除し、ガスス
プリング5のガス圧に抗して引き下すようにするのであ
る。
引き下す場合はウォールキャビネット1の自重と収納
物により大きな力を要さないで済む。
図示の実施例では一対二つのガススプリング5、5を
用いているが、これは通常は一方のガススプリング5の
みを用い重量が嵩んだ場合に初めて双方の把手8により
ガススプリング5のロックを解除して上昇させるものと
するためである。
詳細な図示は省略したが、ウォールキャビネット1内
に食器乾燥器を組み込むようにすることにより使い勝手
が良好となるのである。
食器乾燥器に限定されず、食器洗浄乾燥庫、食器戸棚
などとして用いることもできる。
[発明の効果] 従来の昇降式ウォールキャビネットは構造が複雑で高
価なものとなっており、メインテナンスが必要であった
のに対し、この発明は耐久性を備え、しかもメインテナ
ンス不要の油圧ロック式ガススプリングを用いたので構
成が簡素で取り付けスペースが狭少ですみ、ウォールキ
ャビネットの収納スペースを減らすことがない昇降式の
ウォールキャビネットとすることができたのである。
また、このウォールキャビネットを食器乾燥器とすれ
ば流し台で洗浄したものを直ちに収納することができ極
めて使い勝手が良く、濡れた食器により流し台周囲が濡
れることが少なくなるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は使用常態の概略を示す断面図、第2図A、Bは
ガススプリングの取付状態を示す断面図、第3図は連結
部材を示すための縦断側面図、第4図は把手を示す拡大
正面図、第5図はガススプリングを示す断面図で、Aは
ロックを解除した状態、Bはロックした状態を示す断面
図である。 1……ウォールキャビネット、2……壁面 3……スライドレール、4……あぶみ金具 5……ガススプリング、6……受け金具 7……連結部材、8……把手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−175132(JP,U) 実開 昭61−43434(JP,U) 実開 昭62−155631(JP,U) 実開 昭54−123129(JP,U) 実開 昭62−197942(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 51/00 A47B 77/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】壁面とウォールキャビネットの背面にスラ
    イドレールをそれぞれ取り付けウォールキャビネットを
    上下方向にスライド自在とし、またウォールキャビネッ
    トの背面板に沿うように油圧ロック付きガススプリング
    の下端部を壁面に取り付けるようにしたあぶみ金具に乗
    せ、ガススプリングの先端部が貫通してガススプリング
    を垂直とする先端部支持手段をウォールキャビネットに
    設け、ガススプリングの先端が衝接する揺動杆を備えた
    受け金具をウォールキャビネットに設け、揺動杆を前面
    の把手で操作するために揺動杆から把手までウォールキ
    ャビネットの、背面板底面板に沿う連結部材を設けたこ
    とを特徴とする昇降式ウォールキャビネット。
  2. 【請求項2】油圧ロック付きガススプリングを、最大荷
    重が異なる二つのものを採用し、ウォールキャビネット
    の重量により把手の一ないし二を操作して昇降させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の昇降式ウォー
    ルキャビネット。
  3. 【請求項3】昇降式のウォールキャビネットの内部を食
    器乾燥器とした請求項1または請求項2記載の昇降式ウ
    ォールキャビネット。
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