JP2931162B2 - ポリスチレン系樹脂の製造方法 - Google Patents
ポリスチレン系樹脂の製造方法Info
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Description
に優れ、しかも、射出成形及び押出成形性が良好で、特
に、加熱二次成形性に優れたポリスチレン系樹脂の製造
方法に関する。
耐熱性及び機械的強度に優れ、更に、成形性が良好なた
めに、家庭用品及び電気製品等多くの分野で使用されて
いる。また、ポリスチレン系樹脂の発泡体は、表面光沢
性、軽量性、熱遮断性及び緩衝性などの特徴を持ち、発
泡体の厚さにより使用分野が異なっている。ポリスチレ
ン系樹脂発泡体は、厚さ約3mm以下のシート状のもの
はポリスチレンペーパー(PSP)と称され、成形が容
易であるのに加えて緩衝性や熱遮断性などの特徴を活か
してプリパッケージを中心に弁当箱、丼、カップ及び菓
子箱の中仕切り用などに広く活用されているが、生産性
の向上等の観点から優れた加熱二次成形性が求められて
いる。
ンやペンタン等の脂肪族炭化水素、トリクロロモノフル
オルメタン及び塩化メチル等のハロゲン化脂肪族炭化水
素からなる発泡剤を含浸させた発泡性ポリスチレン系樹
脂の粒子を直接押出機でシート状に押出す方法、押出
機内で溶融されたポリスチレン系樹脂に前述の発泡剤を
圧入しながらシート状に押出す方法により製造されてい
る。そして、得られたポリスチレン系樹脂発泡体シート
は、まず加熱ヒーターにより二次発泡され、次いでプラ
グアシスト法等の真空成形、圧空成形又はプレス成形さ
れて容器として使用されている。一般に、ポリスチレン
系樹脂は、シート状に押出されたものを二次加工する際
に、シートへの加熱分布状態が不均一な場合及び加熱不
足で成形を行うとシートが破れたり、偏肉部分が発生し
て成形品の強度が不足することになり、美観も損ねる。
る際には、加熱二次発泡体成形工程において、加熱炉内
の温度分布があることや、外気温の変動のために、シー
トの一部もしくは全部が加熱不足となり、成形時にシー
トが破れたり、型決まり性が悪くなったり、逆に加熱過
剰となって、成形品表面がケロイド状になったり、成形
品の厚みが変動する等の現象が生じる。このようなケロ
イド状のヤケの発生を防ぐためには、原料ポリスチレン
系重合体の分子量を上げたり、シート表面にフィルムを
貼ったり、樹脂密度の大きい層いわゆるスキン層を形成
する等の方法が知られている。しかし、かかる方法で
は、生産性の低下を招いたり、シート押出し時にダイ及
びマンドレルでの振動やシート表面の傷つきなどの不具
合を起こすことがある。更に、この様な重合体を深絞り
用途に用いた場合は、シート破れを生じやすい。
るためには、原料ポリスチレン系重合体の分子量を下げ
たり、原料ポリスチレン系重合体に可塑剤、潤滑剤を添
加する方法が知られている。しかし、この方法はシート
の機械的強度の低下を招いたり、耐熱性が低下するとい
う問題がある。一方、射出成形及び押出成形性に優れ、
しかも、発泡シートの成形に関して、加熱二次加工性の
向上対策としては、例えば、重量平均分子量Mwと数平
均分子量Mnの比Mw/Mnが3.0以上の樹脂からな
る発泡体を使用することが特開昭62−22834号公
報に記載されている。
数平均分子量Mnの比Mw/Mnが広いということは、
その平均分子量の定義上、分子量の広がりが主に低分子
量側に広がっていることを意味し、このように低分子領
域に分布が広いポリスチレン系樹脂の発泡体は本質的に
強度が弱いという欠点を有している。しかも、特開昭6
2−22834号公報の記載では、重合途中で重合開始
剤や連鎖移動剤等を追加する等工程が複雑である。ま
た、一般に重量平均分子量Mwを大きくするには、低温
で長時間重合を行うことが必要となり、生産性の面から
有利とはいえない。更に、特開平3−111434号公
報、特開平3−111435号公報では、長鎖アルキル
を含む開始剤を用い重合したポリスチレン系樹脂の使用
が提案されている。しかし、この開始剤の分解温度は8
0℃前後と低く、商業的に使用するには重合温度を低く
せざるを得なくなり、重合液の粘度が高くなるという欠
点とともに、実施例にあるように長い重合時間が必要で
あり生産性に難点があり、実用的でない。
を解決するものであり、本発明の目的とするところは、
機械的強度に優れ、しかも、射出成形及び押出成形性が
良好であり、特に、発泡シートとした際の加熱二次成形
性に優れたポリスチレン系樹脂の製造方法を見出し本発
明を完成するに至った。
族ビニル系化合物、又は芳香族ビニル系化合物及び芳香
族ビニル系化合物と共重合可能な化合物からなる混合物
を有機溶媒中で重合してポリスチレン系樹脂を連続的に
製造する方法において、下記一般式1で表される有機過
酸化物の重合開始剤を用い、少なくとも一個以上の実質
的に完全混合である反応器と少なくとも一個以上の実質
的にプラグフローである反応器を直列に接続した反応器
群を用い、少なくとも一個の実質的にプラグフローであ
る反応器において反応温度を上昇させながら重合を行
い、その出口の反応温度を140℃以上にし、かつ最終
の重合転化率を76%以上とし、ゲルパーミエイション
クロマトグラフィーで測定した値において、Z平均分子
量Mzと重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが1.7〜
2.5、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比M
w/Mnが2.0〜3.0、しかも、重量平均分子量M
wが20万〜60万であるポリスチレン系樹脂を得るこ
とを特徴とするポリスチレン系樹脂の製造方法である。
基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を
表す)
開始剤として用いることにより、公知の重合法で生産性
を下げることなく、Z平均分子量Mzと重量平均分子量
Mwの比Mz/Mwが1.7〜2.5の範囲にあり、重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
2.0〜3.0の範囲にあり、しかも、重量平均分子量
Mwが20万〜60万の範囲にあることを特徴とするポ
リスチレン系樹脂が得られる。
れる射出成形体、押出成形体及び発泡成形体は、原料樹
脂の重量平均分子量が大きいため機械的強度に優れてい
る。また、このポリスチレン系樹脂はZ平均分子量Mz
と重量平均分子量Mwの比Mz/Mwが1.7より大き
いため、従来のポリスチレン系樹脂に比べ、高分子量重
合体の割合が高くなっており、機械的強度を損なわず
に、特に発泡シートとした際の深絞り成形時に優れた成
形性を発揮する。
発明の芳香族ビニル化合物とは、例えばスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン及びp−tert
−ブチルスチレン等の核アルキル置換スチレンやo−ク
ロルスチレン、p−ブロモスチレン及び2,4−ジブロ
モスチレン等の核ハロゲン化スチレン等であり、単独又
は2種以上の混合物として用いることができる。
合可能な化合物としては、アクリロニトリルやメタクリ
ロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクリル酸メチ
ルやアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル系化合
物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタ
クリル酸プロピル等のメタクリル酸エステル系化合物並
びにアクリルアミド誘導体等が使用できる。これらの化
合物は、単独でも、2種以上を組み合わせて使用しても
良い。
やスチレン−ブタジエンブロック共重合体に代表され
る、いわゆるゴム状物質を溶解して使用することもでき
る。
例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレ
ン等のアルキルベンゼン類やアセトンやメチルエチルケ
トン等のケトン類、ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素等が使用できる。
プタン、芳香族メルカプタン、ペンタフェニルエタン、
α−メチルスチレンダイマー及びテルピノーレン等も使
用できる。
一般式1で表される有機過酸化物である。
基、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を
表す)
例えば2,2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパンや2,2−ビス
(4,4−ジターシャリーオクチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパンなどが挙げられるが、これに限定され
るものではなく、単独でも2種以上の複数で使用しても
良い。
化合物及び該化合物と共重合可能な化合物との混合物1
00重量部に対して0.001重量部以上0.1重量部
未満、好ましくは0.002〜0.05重量部、更に好
ましくは0.005〜0.05重量部使用するのがよ
い。0.001重量部未満では効果が少なく、0.1重
量部以上では生成する重合体の分子量の制御及び重合速
度の制御が困難となり、また、Z平均分子量Mzと重量
平均分子量Mwの比Mz/Mwが2.5を越えることと
なる。Mz/Mwが2.5を越えるということは、重量
平均分子量Mwを目的の大きさにするには、高分子量領
域のみならず低分子量領域の分子量分布も広がることと
なり、得られた発泡体の機械的強度が損なわれる。
リルに代表されるアゾ系化合物、ベンゾイルパーオキサ
イド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート及び
ターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシルイソプロ
ピルカーボネートに代表されるいわゆる単官能性の過酸
化物や、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのような2
官能の過酸化物を重合開始剤として、単独又は2種以上
の複数で前記一般式1で表せる過酸化物と併用できる。
子量Mwは、20万〜60万、好ましくは25〜50
万、更に、好ましくは28〜40万が望ましい。Mwが
20万未満では、成形体の機械的強度が弱くなり、実用
に耐える成形品を得ることはできない。また、60万を
越えると、原料樹脂ペレットを押出す際の負荷が大き
く、生産性が著しく低くなり、更に、押出成形したシー
ト及び発泡シートを加熱二次成形した際の金型への賦型
性が著しく悪くなる。
行われるが、最終の重合転化率を76%以上にすること
が必要である。 また、最終の重合転化率を76%以上と
する方法には、例えば重合工程の途中で重合開始剤を追
加添加する方法や、実質的に完全混合である反応器群を
複数個直列に接続して重合を行う方法等が挙げられる。
しかし、反応器の総容積を小さくでき、高粘度である重
合転化率の高い重合液を混合するための攪拌動力を小さ
く又は不要とできる理由で、少なくとも一個以上の実質
的な完全混合である反応器と少なくとも一個以上の実質
的にプラグフローである反応器を直列に接続した反応器
群を用いて、少なくとも1個の実質的にプラグフローで
ある反応器において反応温度を上昇させながら重合を行
い、その出口の反応温度を140℃以上にすることが好
ましい。
レン系樹脂は、射出成形性、押出成形性及び真空成形性
に優れるものであり、更に、発泡剤を加えた発泡体とし
ての性能にも優れるものである。
するが、これらは本発明の範囲を制限するものではな
い。 実施例1 容積約20リットルの完全混合型攪拌槽である第一反応
器と容積約15リットルの完全混合型攪拌槽である第二
反応器及び容積約7リットルの攪拌機付搭式プラグフロ
ー型反応器からなる第三反応器を直列に接続して重合工
程を構成した。スチレンモノマー83重量部及びエチル
ベンゼン17重量部を混合した液に2,2−ビス(4,
4−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパンを0.013重量部、及びターシャリーブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートを0.013重量
部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時4.3
リットルの割合で第一反応器へ連続供給した。各反応器
での反応温度は、第一反応器で111℃、第二反応器で
125℃となるように調整し、第三反応器では流れの方
向に沿って125℃から145℃の勾配がつくように調
整した。各々の反応器の出口でのスチレンモノマーのポ
リマーへの転化率は、第一反応器で約30%、第二反応
器で約65%、第三反応器で約80%であった。第三反
応器より連続的に取り出した重合液は、常法に従い高温
減圧下で未反応モノマー及びエチルベンゼンを重合体よ
り分離した後、ストランド状に押出して冷却した後、切
断してペレットとした。表1に重合条件、表2に得られ
たペレットのゲルパーミエイションクロマトグラフィー
測定結果及び物性評価結果を示した。ブタンガスを発泡
剤として、上記ポリマーを押出し発泡させ、厚さ約2.
5mm、密度約0.07g/ccの発泡シートを得た。
この発泡シートを加熱二次発泡させ、直ちに真空成形機
により容器を成形した。得られた容器の亀裂状態、ケロ
イド状の発生状態及び発泡シートの脆性強度を評価した
結果を表2に示した。なお、プレート脆性強度の評価用
試験片は、新潟鉄工所(株)製の2オンスのインライン
スクリュー射出成形機を用い、成形温度230℃で長さ
120mm×幅40mm×厚み1,2及び3mmの3段
ステッププレートを成形して得た。
80重量部及びエチルベンゼン20重量部に対して2,
2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシ
クロヘキシル)プロパンを0.01重量部混合したもの
を原料溶液として、毎時4.4リットルの割合で第一反
応器に供給した。各反応器での反応温度は、第一反応器
で116℃、第二反応器で135℃となるように調整
し、第三反応器では流れの方向に沿って135℃から1
50℃の勾配がつくように調整した。各々の反応器の出
口でのスチレンモノマーのポリマーへの転化率は、第一
反応器で約30%、第二反応器で約62%、第三反応器
で約78%であった。第三反応器より連続的に取り出し
た重合液を、実施例1と同様の処理を行いポリスチレン
ペレットを得た。以下実施例1と同様の方法で発泡体の
成形を行った。重合条件を表1に、得られたペレットの
物性及び発泡成形体の評価結果を表2に示した。
88.6重量部、エチルベンゼン9.0重量部及び流動
パラフィン2.4重量部に対して2,2−ビス(4,4
−ジターシャリーブチルパーオキシシクロヘキシル)プ
ロパンを0.01重量部混合したものを原料溶液とし
て、毎時3.0リットルの割合で第一反応器に供給し
た。各反応器での反応温度は、第一反応器で119℃、
第二反応器で117℃となるように調整し、第三反応器
では流れの方向に沿って117℃から151℃の勾配が
つくように調整した。各々の反応器の出口でのスチレン
モノマーのポリマーへの転化率は、第一反応器で約47
%、第二反応器で約67%、第三反応器で約76%であ
った。第三反応器より連続的に取り出した重合液を、実
施例1と同様の処理を行いポリスチレンペレットを得
た。以下実施例1と同様の方法で発泡体の成形を行っ
た。重合条件を表1に、得られたペレットの物性及び発
泡成形体の評価結果を表2に示した。
85重量部及びエチルベンゼン15重量部に対してター
シャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを
0.030重量部混合したものを原料溶液として、毎時
3.9リットルの割合で第一反応器に供給した。各反応
器での反応温度は、第一反応器で112℃、第二反応器
で124℃となるように調整し、第三反応器では流れの
方向に沿って124℃から147℃の勾配がつくように
調整した。各々の反応器の出口でのスチレンモノマーの
ポリマーへの転化率は、第一反応器で約30%、第二反
応器で約64%、第三反応器で約77%であった。第三
反応器より連続的に取り出した重合液を、実施例1と同
様の処理を行いポリスチレンペレットを得た。以下実施
例1と同様の方法で発泡体の成形を行った。重合条件を
表3に、得られたペレットの物性及び発泡成形体の評価
結果を表4に示した。
88重量部及びエチルベンゼン12重量部を混合し、過
酸化物等の重合開始剤を添加せずに原料溶液として、毎
時4.0リットルの割合で第一反応器に供給した。各反
応器での反応温度は、第一反応器で120℃、第二反応
器で135℃となるように調整し、第三反応器では流れ
の方向に沿って135℃から155℃の勾配がつくよう
に調整した。各々の反応器の出口でのスチレンモノマー
のポリマーへの転化率は、第一反応器で約30%、第二
反応器で約64%、第三反応器で約82%であった。第
三反応器より連続的に取り出した重合液を、実施例1と
同様の処理を行いポリスチレンペレットを得た。以下実
施例1と同様の方法で発泡体の成形を行った。重合条件
を表3に、得られたペレットの物性及び発泡成形体の評
価結果を表4に示した。
93.1重量部、エチルベンゼン4.5重量部及び流動
パラフィン2.4重量部を原料溶液として、毎時2.9
リットルの割合で第一反応器に供給した。各反応器での
反応温度は、第一反応器で122℃、第二反応器で11
8℃となるように調整し、第三反応器では流れの方向に
沿って118℃から153℃の勾配がつくように調整し
た。各々の反応器の出口でのスチレンモノマーのポリマ
ーへの転化率は、第一反応器で約48%、第二反応器で
約65%、第三反応器で約78%であった。第三反応器
より連続的に取り出した重合液を、実施例1と同様の処
理を行いポリスチレンペレットを得た。以下実施例1と
同様の方法で発泡体の成形を行った。重合条件を表3
に、得られたペレットの物性及び発泡成形体の評価結果
を表4に示した。
90重量部及びエチルベンゼン10重量部に対して2,
2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシ
クロヘキシル)プロパンを0.013重量部及びターシ
ャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを
0.013重量部を混合したものを原料溶液として、こ
の原料溶液を毎時7.2リットルの割合で第一反応器に
供給した。各反応器での反応温度は、第一反応器で12
0℃、第二反応器で125℃となるように調整し、第三
反応器では流れの方向に沿って125℃から141℃の
勾配がつくように調整した。各々の反応器の出口でのス
チレンモノマーのポリマーへの転化率は、第一反応器で
約31%、第二反応器で約51%、第三反応器で約66
%であった。第三反応器より連続的に取り出した重合液
を、実施例1と同様の処理を行いポリスチレンペレット
を得た。以下実施例1と同様の方法で発泡体の成形を行
った。重合条件を表3に、得られたペレットの物性及び
発泡体の評価結果を表4に示した。
83重量部及びエチルベンゼン17重量部に対して2,
2−ビス(4,4−ジターシャリーブチルパーオキシシ
クロヘキシル)プロパンを0.01重量部混合したもの
を原料溶液として、この原料溶液を毎時5リットルの割
合で第一反応器に供給した。各反応器での反応温度は、
第一反応器で120℃、第二反応器で137℃となるよ
うに調整し、第三反応器では流れの方向に沿って137
℃から139℃の勾配がつくように調整した。各々の反
応器の出口でのスチレンモノマーのポリマーへの転化率
は、第一反応器で約32%、第二反応器で約62%、第
三反応器で約74%であった。第三反応器より連続的に
取り出した重合液を、実施例1と同様の処理を行いポリ
スチレンペレットを得た。以下実施例1と同様の方法で
発泡体の成形を行った。重合条件を表3に、得られたペ
レットの物性及び発泡体の評価結果を表4に示した。
リーブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン (2)開始剤II :ターシャリーブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート
た。 (1)分子量及び分子量分布の測定 ゲルパーミエイションクロマトグラフィーによる分子量
及び分子量分布は、東ソー(株)製、HLC−802A
型GPCを用い、次の条件で測定した。 (イ)カラム : 東ソー(株)カラム (ロ)移動相 : テトラヒドロフラン (ハ)試料濃度 : 0.3重量% (ニ)測定温度 : 38℃ (ホ)検出器 : 示差屈折計
×厚み1,2及び3mmの3段ステッププレート3mm
中央部分に重さ50gの錘を高さを変えて落下させ、プ
レートが割れた50%破壊の高さを示した。 (ロ)発泡シート脆性強度:重さ300gの球を高さを
変えて落下させ、発泡シートが割れた50%破壊の高さ
を示した。 (ハ)成形物の亀裂及びケロイド状:成形された容器1
0個について肉眼で亀裂の状態及びケロイド状の発生具
合を5段階表示法で判定した。 (a)亀裂、ケロイド状が全くない・・・・5 (b)亀裂、ケロイド状がほとんどない・・4 (c)亀裂、ケロイド状が少しある・・・・3 (d)亀裂、ケロイド状が多い・・・・・・2 (e)亀裂、ケロイド状が非常に多い・・・1
準じて測定した。 (ホ)曲げ強度:ASTM D−790に準じて測定し
た。 (ヘ)曲げ弾性率:ASTM D−790に準じて測定
した。 (ト)MFR(メルトフローレート):JIS K−7
210に準じて、試験温度は200℃、荷重は5kgf
で測定した。 (チ)加熱変形温度:JIS K−6871に準じて測
定した。 (リ)ビカット軟化点:JIS K−7206に準じ
て、試験荷重は5kgfで測定した。
たポリスチレン系樹脂は、機械的強度に優れ、しかも、
射出成形性、押出成形性及び真空成形性が良好であり、
特に、発泡シートの原料に用いると、ポリスチレン系樹
脂の分子量分布に特徴があるため、成形性が非常に良好
であり、脆性強度及び外観に優れた成形体を得ることが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芳香族ビニル系化合物、又は芳香族ビニ
ル系化合物及び芳香族ビニル系化合物と共重合可能な化
合物からなる混合物を有機溶媒中で重合してポリスチレ
ン系樹脂を連続的に製造する方法において、下記一般式
1で表される有機過酸化物の重合開始剤を用い、少なく
とも一個以上の実質的に完全混合である反応器と少なく
とも一個以上の実質的にプラグフローである反応器を直
列に接続した反応器群を用い、かつ少なくとも一個の実
質的にプラグフローである反応器において反応温度を上
昇させながら重合を行い、その出口の反応温度を140
℃以上とし、かつ最終の重合転化率を76%以上とし、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した値
において、Z平均分子量Mzと重量平均分子量Mwの比
Mz/Mwが1.7〜2.5、重量平均分子量Mwと数
平均分子量Mnの比Mw/Mnが2.0〜3.0、しか
も、重量平均分子量Mwが20万〜60万であるポリス
チレン系樹脂を得ることを特徴とするポリスチレン系樹
脂の製造方法。 【化1】 (式中R1 、R2 は水素又は炭素数1〜2のアルキル
基、R3 は炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を
表す) - 【請求項2】 前記一般式1で表される有機過酸化物の
使用量が、芳香族ビニル系化合物又は芳香族ビニル系化
合物及び芳香族ビニル系化合物と共重合可能な化合物か
らなる混合物100重量部に対して0.001重量部以
上0.1重量部未満の範囲であることを特徴とする請求
項1記載のポリスチレン系樹脂の製造方法。
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JP32351798A Division JP3271753B2 (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | ポリスチレン系樹脂及びその発泡成形体 |
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