JP2931111B2 - 癌診断剤 - Google Patents

癌診断剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌の新規な診断剤に関
するものであり、特に早期癌の発見を可能とするもので
あって、医学上の検査、診断分野において大きな貢献が
期待できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、癌の血清学的診断は、主として血
中の腫瘍マーカーと総称される物質を測定することによ
ってなされていた。腫瘍マーカーとしては、癌胎児性抗
原(Carcinoembryonic Antige
n,CEA)、α−フェトプロティン(AFP)、CA
19−9、前立腺酸性フォスファターゼ等が知られてい
る。これら腫瘍マーカーは、癌種による陽性率に差はあ
るものの一般的に腫瘍の増大とともに血中濃度が上昇す
る。従って癌の治療効果のモニタリングや予後の診断な
どに利用されてきた。しかしこれらの腫瘍マーカーが血
中に検出されるのは癌がかなり成長した段階であり、癌
発生の初期段階、いわゆる早期癌においてこれらの腫瘍
マーカーを検出することは全く困難であった。すなわち
治癒確率の極めて高い早期癌のスクリーニングには役に
立たなかったのである。
【0003】例えば現在知られているサンドイッチ法C
EA測定キットでは、CEA 0.5ng/ml〜10
00ng/mlの測定しか可能でなく(日本臨床、34
〔6〕(1976)、p1274−1279)、極低濃
度のCEAを測定することはできず、早期癌の発見には
至らなかったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、早期
癌の発見につながる真に有効な癌の血清学的診断に有用
なシステムを新たに開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、早期癌が発見できる血清学的診断システ
ムを新たに開発するために鋭意研究した結果、腫瘍マー
カーの一つであるCEAに対する自己抗体が早期癌に於
て出現することを見いだし、そして更にその抗CEA自
己抗体を効率的且つ正確に測定する方法も確立し、ここ
に本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち本発明は、CEAに対する自己抗
体を測定しもって癌の早期診断を行うことをその基本的
技術思想とするものであって、具体的には癌診断のため
の抗CEA自己抗体測定用試薬、つまり癌診断剤に関す
るものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明に係る癌診断剤は、抗CEA自己抗
体を測定しうる薬剤(系)をすべて包含するものである
が、CEAに対する自己抗体の測定は、酵素免疫測定法
(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イ
ムノアッセイ(FIA)、発光イムノアッセイ等の既存
の高感度イムノアッセイに用いられている技術がすべて
応用でき、したがってこれらのアッセイに使用される薬
剤(系)は、すべて本発明に係る癌診断剤として利用す
ることができる。
【0008】抗CEA自己抗体を測定する方法として
は、例えば、次に示す方法が挙げられる。
【0009】〔サンドイッチ法〕 固相固定化CEAに検体中の抗CEA自己抗体を反応せ
しめ、固相上に生成した複合体に、更にトレーサー標識
CEAを反応させるか、またはビオチン結合CEAとア
ビジン結合トレーサーを同時にまたは時間をずらして反
応させ、固相CEA−自己抗体−トレーサー標識CEA
のサンドイッチ複合体を形成させ、固相上のトレーサー
を測定し、抗CEA自己抗体を測定する方法。
【0010】〔第二抗体法〕 固相固定化CEA及び検体中の抗CEA自己抗体を反応
せしめ、固相上に生成した複合体に、更にトレーサー標
識抗ヒトイムノグロブリン抗体(標識第二抗体)を反応
させ、固相上にCEA−自己抗体一第二抗体の複合物を
形成させ、固相上のトレーサーを測定し、抗CEA自己
抗体を測定する方法。
【0011】〔競合法〕 固相固定化CEAに対し検体中の抗CEA自己抗体とト
レーサー標識抗CEA抗体を競合的に反応させ、固相上
のトレーサーを測定し、抗CEA自己抗体を測定する方
法。
【0012】〔沈澱法〕 トレーサー標識CEAと検体中の抗CEA自己抗体を反
応させた後、ポリエチレングリコールを用いて生成した
複合体を沈澱させ、沈澱物中又は上清中のトレーサーを
測定し、抗CEA自己抗体を測定する方法。
【0013】上記した各方法において、トレーサーとし
ては、酵素(ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ、アルカリホスフアター
ゼ、G−6−Pデヒドロゲナーゼ等)、アイソトープ(
125I、131I等)、蛍光物質(フルオレセイン、
FITC、ローダミン等)、発光物質(フェリチン、ル
シフェリン、ルミノール等)、その他常用される標識剤
がすべて自由に使用できる。抗原や抗体へのトレーサー
物質の標識技術は既に広く普及しており、多くの成書や
報告がある。
【0014】CEAを固定する固相としては、従来用い
られているポリスチレンビーズ、プレート、ラテックス
粒子、磁性微粒子などが使用可能であり、材質や形状に
は何等制限はない。固定する方法も、物理吸着、共有結
合、ビオチン−アビジン結合、抗原抗体反応を利用する
ことなど既知の方法をすべて利用することが可能であ
る。これらの方法は、広く一般的に利用され、多くの成
書や報告がある。
【0015】サンドイッチ法では、固相固定化CEAと
検体及びトレーサー標識CEAを同時にまたは時間をず
らし、インキュベーションする。この反応時間は用いる
固相や、トレーサーの種類に依存するが、通常数分から
数時聞を要する。またトレーサーはCEAに直接標識し
てもよいが、トレーサーが酵素などの場合は標識操作の
簡単なビオチンで標識したビオチン−CEAを用いるこ
ともできる。この場合固相固定化CEA、検体、ビオチ
ン結合CEA及びアビジン結合トレーサー(酵素)を同
時にまたは時間をずらしてインキュベーションする。時
間をずらす場合は、途中に未反応物を除去するいわゆる
BF分離操作を行なうことが好ましい。最終的に、固相
CEA−自己抗体−ビオチン標識CEA−アビジン結合
トレーサー(酵素)複合体が得られる。トレーサーの測
定法はその種類によって異なるが、既存の方法を利用で
き、活性や強度の程度は検体中の自己抗体の存在量に比
例するので、適当なコントロール検体や標準液を同時測
定することによって、自己抗体を測定できる。本法は比
較的高感度で自己抗体が測定でき、最も好ましい方法で
ある。
【0016】第二抗体法では、固相固定化CEAと検体
をインキュベーションし、洗浄によるBF分離後、トレ
ーサー標識抗ヒトイムノグロブリン抗体を反応させる。
このとき用いる抗ヒトイムノグロブリン抗体は種々動物
由来のポリクローナル抗体かまたはマウスその他動物の
モノクローナル抗体を使用する。反応時間やトレーサー
の測定法はサンドイッチ法と同様である。
【0017】競合法では固相固定化CEAと検体及びト
レーサー標識抗CEA抗体を同時にまたは時間をずらし
てインキュベーションし、反応させる。トレーサー標識
抗体は検体中の自己抗体と競合的に固定化CEAと反応
し、その固相に結合する量は検体中の自己抗体量に反比
例する。トレーサー標識に使用する抗体は動物由来のポ
リクローナル抗体が好ましい。
【0018】沈澱法においては、検体とトレーサー標識
CEAをインキュベーションし、自己抗体−トレーサー
標識CEA複合体を生成せしめ、その後ポリエチレング
リコール(PEG)その他既知の沈澱剤を反応系に加
え、生成した複合体を沈澱させる。上清と沈澱物を遠心
分離し、沈澱物中または上清中のトレーサーを測定す
る。沈澱物中のトレーサー量は検体中の自己抗体に比例
する。
【0019】本発明に係る診断剤は、イムノアッセイ用
キット調製の常法にしたがい、適宜容易に各薬剤を分注
したり、プレートや試験管を用意したり、バッファー液
や酵素基質液を更に用意したり、用時調製用の場合は凍
結乾燥した所定薬剤に希釈ないし溶解用の水(バッファ
ー、生理的食塩水等)を更に用意し、そして更に、対照
血清(血漿)等を用意して、所望するキットにしておく
と実用上特に有効である。
【0020】例えばサンドイッチ法による診断剤キット
の内容としては、CEA固定化ポリスチレンボール、リ
ン酸バッファー、血清希釈剤、トレーサー標識CEA溶
液、酵素結合体、酵素基質、陽性コントロール等が挙げ
られ、これらを適宜包装してキットとすればよい。
【0021】
【実施例】以下に、本発明に係る診断剤を用いて癌の診
断を目的とした血清、血漿その他体外にとり出した各種
検体中の抗CEA自己抗体の測定についての実施例及び
参考例について述べるが、これらは、本発明を更に詳細
に説明することを目的とするものであって、本発明はこ
れらの実施例のみに限定されるものではない。
【0022】
【実施例1】 サンドイッチ法による抗CEA自己抗体測定: 検体25μl、リン酸緩衝液(pH7.3、0.1M
NaCl、0.5%ウシ血清アルブミン含有)200μ
l、CEA固定化ポリスチレンボール(PSB)1個を
試験管中にて、37℃、2hrインキュベーションし
た。PSBを3mlの蒸留水で3回洗浄した後、ビオチ
ン標識CEA溶液200μlを加え37℃、1時間反応
させた。蒸留水で3回洗浄後、アビジン結合ペルオキシ
ダーゼ200μlを加え更に37℃、1hr反応させ、
前回と同様に洗浄した。0.094%2,2’−アジノ
−ビス−3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸
(ABTS)と1.5%過酸化水素からなる発色液50
0μlを加え、室温で1hr酵素反応を行なった後、1
%蓚酸を加え反応を停止させた。420nmに於ける吸
光度を測定し、検体中の抗CEA自己抗体を測定した。
結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【実施例2】第二抗体法による抗CEA自己抗体測定: 検体25μl及びCEA固定化PSB1個を37℃、2
hr反応させ、3mlの蒸留水を用いて洗浄を3回行な
った。ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヒトイムノグロブ
リン抗体液200μlを加え、37℃、1hr反応させ
た後、同様に洗浄した。実施例1と同様に酵素反応を行
い、吸光度を測定して、検体中の自己抗体を測定した。
結果を表1に示す。
【0025】
【実施例3】競合法による抗CEA自己抗体測定: 適切に希釈した検体100μl、ペルオキシダーゼ標識
ウサギ抗CEA抗体300μl及びCEA固定化PSB
I個を37℃、2hrインキュベーションし、洗浄後実
施例1と同様の操作で検体中の抗CEA自己抗体を測定
した。結果を表1に示す。
【0026】
【実施例4】沈澱法による抗CEA自己抗体測定: 検体50μl、125I標識CEA溶液50μl及び
0.01M酢酸アンモニウム(pH6.8)150μl
を4℃、一夜インキュベーションした。25%ポリエチ
レングリコール250μl加え、3000rpm、20
分遠心分離し、総放射活性に対する沈澱の放射能活性比
(%)を測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【参考例1】 サンドイッチEIA法によるCEAの測定: 検体50μl、ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗CEA抗
体液300μl及び抗CEAモノクローナル抗体固定化
PSB1個を37℃、2hrインキュベーションし、蒸
留水2mlを用いて3回洗浄した。実施例1と同様に発
色液を加え酵素反応を行い、吸光度を測定した。標準C
EAによる検量線から検体のCEA濃度を読みとった。
結果を表1に示す。
【0028】表1の結果から明らかなように、本発明を
利用する癌診断法によれば、血中CEA濃度が正常値の
早期胃癌例において著るしいCEA自己抗体の上昇が認
められ、早期胃癌例を感度良く検出出来ることが確認さ
れた。
【0029】
【発明の効果】従来の腫瘍マーカーは、かなりステージ
の進んだ癌患者検体でしか検出できず、早期癌の発見に
は無力であった。しかし本発明によれば、血中のCEA
に対する自己抗体を測定することによって比較的早期の
癌の存在を発見することが可能となった。従来の生理学
的検査や血清学的検査で困難であった早期癌の発見が本
発明によってなされることの意義は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/574

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定化癌胎児性抗原(CEA)及びトレ
    ーサー標識CEAからなる薬剤を含有し、サンドイッチ
    法にしたがって抗CEA自己抗体を測定するものである
    ことを特徴とする癌診断剤。
  2. 【請求項2】 固定化癌胎児性抗原(CEA)及びトレ
    ーサー標識CEA抗体からなる薬剤を含有し、競合法
    にしたがって抗CEA自己抗体を測定するものであるこ
    とを特徴とする癌診断剤。
  3. 【請求項3】 トレーサー標識CEAにかえてビチオン
    結合CEAとアビジン結合トレーサーを用いてなること
    を特徴とする請求項1に記載の癌診断剤。
  4. 【請求項4】 固定化癌胎児性抗原(CEA)及びトレ
    ーサー標識抗ヒトイムノグロブリン抗体からなる薬剤を
    含有し、第二抗体法にしたがって抗CEA自己抗体を測
    定するものであることを特徴とする癌診断剤。
  5. 【請求項5】 トレーサー標識癌胎児性抗原(CEA)
    及び沈澱剤からなる薬剤を含有し、沈澱法にしたがって
    抗CEA自己抗体を測定するものであることを特徴とす
    る癌診断剤。
  6. 【請求項6】 トレーサーが酵素、アイソトープ、蛍光
    物質、発光物質から選択されるものであること、を特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の癌診断剤。
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CN103472229B (zh) * 2013-09-17 2016-01-13 武汉生之源生物科技有限公司 一种癌胚抗原磁微粒化学发光免疫分析检测试剂盒
WO2024180169A1 (en) * 2023-03-02 2024-09-06 Carcimun Biotech Gmbh Means and methods for diagnosing cancer and/or an acute inflammatory disease

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