JP2930393B2 - 水性澱粉スラリー接着剤 - Google Patents
水性澱粉スラリー接着剤Info
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- JP2930393B2 JP2930393B2 JP2216525A JP21652590A JP2930393B2 JP 2930393 B2 JP2930393 B2 JP 2930393B2 JP 2216525 A JP2216525 A JP 2216525A JP 21652590 A JP21652590 A JP 21652590A JP 2930393 B2 JP2930393 B2 JP 2930393B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は澱粉をベースとする水性澱粉スラリー接着
剤、特に段ボール用に適した水性澱粉スラリー接着剤に
関する。
剤、特に段ボール用に適した水性澱粉スラリー接着剤に
関する。
(従来の技術及びその解決すべき課題) 澱粉をベースにした段ボール用接着剤としてはスタイ
ンホール方式で得られた接着剤が広く用いられている。
スタインホール方式においては、キャリヤー部と称する
熱とアルカリで完全に糊化した澱粉水溶液に、メイン部
と呼ばれる未糊化澱粉を懸濁させることにより、段ボー
ル用として有用な接着剤が製造される。
ンホール方式で得られた接着剤が広く用いられている。
スタインホール方式においては、キャリヤー部と称する
熱とアルカリで完全に糊化した澱粉水溶液に、メイン部
と呼ばれる未糊化澱粉を懸濁させることにより、段ボー
ル用として有用な接着剤が製造される。
しかしながら、このスタインホール方式では、このよ
うな2成分水系を採用するため製造作業が煩雑であるな
ど問題となっていた。
うな2成分水系を採用するため製造作業が煩雑であるな
ど問題となっていた。
また、スタインホール方式では、キャリヤー部の溶解
澱粉が低濃度において高粘度になるため、トータル澱粉
濃度として30重量%以上の高濃度澱粉糊を製造できない
という大きな欠点があった。
澱粉が低濃度において高粘度になるため、トータル澱粉
濃度として30重量%以上の高濃度澱粉糊を製造できない
という大きな欠点があった。
そこで、本件出願人は、澱粉20〜60重量%含有する水
性澱粉スラリー接着剤に対してラムザンガム及び/又は
キサンタンガムを少量添加することにより、スタインホ
ール方式の欠点を解消し、簡易な工程で高濃度の水性澱
粉スラリー接着剤が製造できることを見い出し、この知
見に基づいて特願平1−187058号を出願した。
性澱粉スラリー接着剤に対してラムザンガム及び/又は
キサンタンガムを少量添加することにより、スタインホ
ール方式の欠点を解消し、簡易な工程で高濃度の水性澱
粉スラリー接着剤が製造できることを見い出し、この知
見に基づいて特願平1−187058号を出願した。
しかしながら、この出願の発明は剪断をかけた状態で
塗布する実機コルゲーターのロールコート方式の糊塗工
装置で塗布した場合、糊揚り性が必ずしも充分とは言え
ず、糊塗工装置の通常条件で中芯段頂部に均一塗布がで
きにくいなど問題となっていた。
塗布する実機コルゲーターのロールコート方式の糊塗工
装置で塗布した場合、糊揚り性が必ずしも充分とは言え
ず、糊塗工装置の通常条件で中芯段頂部に均一塗布がで
きにくいなど問題となっていた。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明は、高濃度で澱粉を含みかつ流動性の
改良された水性澱粉スラリー接着剤を提供することを目
的とする。
改良された水性澱粉スラリー接着剤を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討した結
果、スタインホール方式におけるキャリヤー部である澱
粉水溶液を使用せず、未糊化澱粉を主体とし、キャリヤ
ー部の効果である、未糊化澱粉の懸濁安定をラムザンガ
ム及び/又はキサンタンガムで行うことともに、水性澱
粉スラリー接着剤への流動性の改良は吸水性ポリマー及
び/又はアルギン酸ナトリウムで行なうことにより上記
課題を達成できることを見い出し、本発明に到達したも
のである。
果、スタインホール方式におけるキャリヤー部である澱
粉水溶液を使用せず、未糊化澱粉を主体とし、キャリヤ
ー部の効果である、未糊化澱粉の懸濁安定をラムザンガ
ム及び/又はキサンタンガムで行うことともに、水性澱
粉スラリー接着剤への流動性の改良は吸水性ポリマー及
び/又はアルギン酸ナトリウムで行なうことにより上記
課題を達成できることを見い出し、本発明に到達したも
のである。
以下、本発明について詳述する。
本発明で使用される澱粉は特に制限されないが、例え
ばジャガイモ澱粉、サツマイモ澱粉、トウモロコシ澱
粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等の、いわゆる生澱粉が挙
げられ、更に、酸化、カチオン化又はアニオン化等の変
性処理を受けた変性澱粉等であってもよく、またそれの
混合物でもよい。水性澱粉スラリー中の澱粉濃度は20〜
60重量%である。澱粉濃度が60重量%を超えると、スラ
リー粘度が急上昇してスラリーとしての取扱いが困難と
なる。
ばジャガイモ澱粉、サツマイモ澱粉、トウモロコシ澱
粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等の、いわゆる生澱粉が挙
げられ、更に、酸化、カチオン化又はアニオン化等の変
性処理を受けた変性澱粉等であってもよく、またそれの
混合物でもよい。水性澱粉スラリー中の澱粉濃度は20〜
60重量%である。澱粉濃度が60重量%を超えると、スラ
リー粘度が急上昇してスラリーとしての取扱いが困難と
なる。
本発明で使用されるラムザンガムは、グラム陰性の好
気性細菌アルカリゲネス(Alcaligenes)に属するアメ
リカン・タイプ・カルチュア・コレクション(Washingt
on D.C.)寄託種ATCC 31961が、グルコースを発酵して
その菌体外に放出した多糖類を精製、粉末化することに
より得られる天然ガム質であって、次式に示すように、
主鎖が、2個のグリコースと、グルクロン酸及びラムノ
ース各1個、側鎖が、2個のグリコースより構成された
構造を有する。
気性細菌アルカリゲネス(Alcaligenes)に属するアメ
リカン・タイプ・カルチュア・コレクション(Washingt
on D.C.)寄託種ATCC 31961が、グルコースを発酵して
その菌体外に放出した多糖類を精製、粉末化することに
より得られる天然ガム質であって、次式に示すように、
主鎖が、2個のグリコースと、グルクロン酸及びラムノ
ース各1個、側鎖が、2個のグリコースより構成された
構造を有する。
本発明で使用されるキサンタンガムはグルコースを含
む糖類を原料として、これに無機酸を含み、pHが微酸性
の培地の中に、キサントモナス・キャンペストリス菌を
接種して通気培養することにより生産される。この構造
は確定的ではないが、次式に示すようなグルコース、マ
ンノース、グルクロン酸、ピルビン酸からなるアニオン
性天然高分子と考えられる。
む糖類を原料として、これに無機酸を含み、pHが微酸性
の培地の中に、キサントモナス・キャンペストリス菌を
接種して通気培養することにより生産される。この構造
は確定的ではないが、次式に示すようなグルコース、マ
ンノース、グルクロン酸、ピルビン酸からなるアニオン
性天然高分子と考えられる。
高濃度の水性澱粉スラリーを得ようとする場合、該ス
ラリー中におけるランザンガム及び/又はキサンタンガ
ムの量は、澱粉の乾燥重量に対して0.01〜1.0重量%で
あるが、好ましくは0.03〜0.5重量%である。
ラリー中におけるランザンガム及び/又はキサンタンガ
ムの量は、澱粉の乾燥重量に対して0.01〜1.0重量%で
あるが、好ましくは0.03〜0.5重量%である。
本発明の流動性改良剤としては、吸水性ポリマー又は
アルギン酸ナトリウムが使用される。吸水性ポリマー
は、通常、紙おむつや生理用ナプキン等の吸水剤として
使用される。吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸塩系、
澱粉−ポリアクリル酸塩系、アクリル酸ビニルアルコー
ル共重合体、ポリエチレンオキサイド系、マレイン酸
系、カルボキシメチルセルロース系であり、部分架橋さ
れているので、水に無制限に溶解することはなく、ラム
ザンガム及び/又はキサンタンガムの懸濁安定効果を妨
げず、澱粉スラリーの流動性を改良するものと考えられ
る。
アルギン酸ナトリウムが使用される。吸水性ポリマー
は、通常、紙おむつや生理用ナプキン等の吸水剤として
使用される。吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸塩系、
澱粉−ポリアクリル酸塩系、アクリル酸ビニルアルコー
ル共重合体、ポリエチレンオキサイド系、マレイン酸
系、カルボキシメチルセルロース系であり、部分架橋さ
れているので、水に無制限に溶解することはなく、ラム
ザンガム及び/又はキサンタンガムの懸濁安定効果を妨
げず、澱粉スラリーの流動性を改良するものと考えられ
る。
(実施例) 以下、本発明について更に実施例により詳述する。
実施例1 100gビーカーにカセイソーダ5.7gを入れ、次いで水60
gを入れて、撹拌し、カセイソーダ溶液を作成した。一
方、2ビーカーに水620.2gを入れ、撹拌しながら硼砂
を6g投入し、溶解した。次いで、コーンスターチ300gと
ラムザンガム0.6gと吸水性ポリマー(日本触媒化学工業
(株)製アクアリックCN−7S)7.5gを粉体で混合し、混
合後上記2ビーカーに撹拌しながら投入し、澱粉スラ
リーとした。カセイソーダ溶液をこの澱粉スラリーに撹
拌しながら、20分以上の時間をかけ、未糊化澱粉がアル
カリショックで糊化しないように投入して水性澱粉スラ
リー接着剤を製造した。水性澱粉スラリー接着剤の配合
及び、物性を以下の表−1に示す。
gを入れて、撹拌し、カセイソーダ溶液を作成した。一
方、2ビーカーに水620.2gを入れ、撹拌しながら硼砂
を6g投入し、溶解した。次いで、コーンスターチ300gと
ラムザンガム0.6gと吸水性ポリマー(日本触媒化学工業
(株)製アクアリックCN−7S)7.5gを粉体で混合し、混
合後上記2ビーカーに撹拌しながら投入し、澱粉スラ
リーとした。カセイソーダ溶液をこの澱粉スラリーに撹
拌しながら、20分以上の時間をかけ、未糊化澱粉がアル
カリショックで糊化しないように投入して水性澱粉スラ
リー接着剤を製造した。水性澱粉スラリー接着剤の配合
及び、物性を以下の表−1に示す。
また、この接着剤を使用し、一方、ライナーとして本
州NRK220を、また中芯として三興中芯120を使用し、コ
ルゲーターで貼合した。その結果も、同表−1に示し
た。
州NRK220を、また中芯として三興中芯120を使用し、コ
ルゲーターで貼合した。その結果も、同表−1に示し
た。
実施例2 ラムザンガムの代わりにキサンタンガムを使用し、ま
た吸水性ポリマーの代わりにアルギン酸ソーダーを用い
ることを除いて、実施例1と同様にして行った。
た吸水性ポリマーの代わりにアルギン酸ソーダーを用い
ることを除いて、実施例1と同様にして行った。
比較例1 流動性改良剤を使用しないことを除いて実施例1を繰
り返した。
り返した。
比較例2 参考のため、従来のスタインホール方式により接着剤
を製造した。
を製造した。
表−1より、本発明の接着剤は、スタインホール方式
で製造したものと同程度の接着強度及びハーキュレス程
度を有するものを簡易に製造できることが分る。
で製造したものと同程度の接着強度及びハーキュレス程
度を有するものを簡易に製造できることが分る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 103/02 B31B 1/62 C09J 105/00 C09J 133/02
Claims (1)
- 【請求項1】澱粉20〜60重量%を含む水性澱粉スラリー
接着剤であって、前記澱粉の重量に基づいて、 該澱粉の懸濁安定剤としてのラムザンガム及び/又はキ
サンタンガム0.01〜2重量%と、 水性澱粉スラリー接着剤の流動性改良剤としての吸水性
ポリマー及び/又はアルギン酸ナトリウム1〜10重量%
と、 を含有することを特徴とする接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2216525A JP2930393B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 水性澱粉スラリー接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2216525A JP2930393B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 水性澱粉スラリー接着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04100880A JPH04100880A (ja) | 1992-04-02 |
JP2930393B2 true JP2930393B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=16689798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2216525A Expired - Fee Related JP2930393B2 (ja) | 1990-08-17 | 1990-08-17 | 水性澱粉スラリー接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2930393B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006096143A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Jtekt Corp | 車両用ハブユニット |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5000185B2 (ja) * | 2006-04-17 | 2012-08-15 | 王子コーンスターチ株式会社 | アルカリ吸着澱粉を用いた段ボール用接着剤 |
JP6135357B2 (ja) * | 2013-07-24 | 2017-05-31 | 株式会社豊田自動織機 | 塗工装置 |
-
1990
- 1990-08-17 JP JP2216525A patent/JP2930393B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006096143A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Jtekt Corp | 車両用ハブユニット |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04100880A (ja) | 1992-04-02 |
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