JP2929819B2 - ワークのリーク検査装置 - Google Patents

ワークのリーク検査装置

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功 菅原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両端にシート面とこの
シート面に段差を持って連なる段差面とがそれぞれ形成
され、各シート面とこれらのシート面の反対側に形成さ
れた段差面との間に貫通孔が形成されてなるワークの、
上記シート面のリークを検査するリーク検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば、ショックアブソーバ用
のピストンを焼結により成形した場合には、ピストンの
両端に形成されているシート面に打痕あるいは欠け等の
欠陥が生じていないかどうかを検査している。この場
合、上記ピストンの両シート面間を密閉し、この密閉空
間内に加圧エアを供給して、このエアが外部に漏れ出さ
ないか否かで、製品の良不良を判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2と図3
に示すようなピストン、すなわち、中心部に中心孔1が
形成された円筒状のピストン本体2と、このピストン本
体2の両端にそれぞれ形成され、かつ軸線を中心として
互いに45度ずれた状態で配置された十字状のシート面
3と、これらのシート面3に段差を持って連なった段差
面4と、各シート面3とこれらのシート面3の反対側に
形成された段差面4との間に形成された合計8本(=4
本×2)の貫通孔5とからなるピストンにあっては、シ
ート面3間を密閉しても、貫通孔5の段差面4側が開口
しているため、従来の検査装置によるシート面の検査が
円滑に行えないという問題があった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、両端にシート面とこのシ
ート面に段差を持って連なる段差面とがそれぞれ形成さ
れたワークの、上記シート面の検査を円滑にかつ確実に
行うことができて、良好な品質の製品を確実に選別する
ことができるワークのリーク検査装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、両端にシート面とこのシート面に段差を
持って連なる段差面とがそれぞれ形成され、各シート面
とこれらのシート面の反対側に形成された段差面との間
に貫通孔が形成されてなるワークの、上記シート面のリ
ークを検査するリーク検査装置において、上記一端側の
シート面と段差面とにそれぞれ密着する密着部材と、こ
れらの密着部材の間に設けられ、かつ上記一端側の段差
面に形成された貫通孔に流体を供給する流体供給通路
と、上記各密着部材に対して相対的に移動自在に設けら
れ、かつ上記他端側のシート面に密接する密接部材とを
備えたものである。
【0006】
【作用】本発明のワークのリーク検査装置にあっては、
一端側のシート面と段差面とにそれぞれ密着部材を密着
すると共に、他端側のシート面に密接部材を密接して、
上記密着部材と密接部材によって両シート面の貫通孔を
閉塞し、かつ流体供給通路から流体を一端側の段差面に
形成された貫通孔に供給することにより、一端側のシー
ト面と密着部材との密閉性及び他端側のシート面と密接
部材との密閉性を同時に検査する。
【0007】
【実施例】以下、図1ないし図3に基づいて本発明の一
実施例を説明する。
【0008】図1と図2において符号10は、立設され
たシリンダのピストンロッドであり、このピストンロッ
ド10の先端には、取付部材11を介して、リング部材
12が取り付けられている。そして、このリング部材1
2の下面には、パッキン13を介して、筒状体14が取
り付けられており、この筒状体14の下端には、環状の
密着部15が形成されている。また、上記筒状体14の
内部には、逆凸字状のバルブ体16が装着されており、
上記リング部材12及びバルブ体16の内部には、2段
階に縮径して形成されたガイド棒17が、装着されてい
る。そして、上記リング部材12とバルブ体16の間に
は、Oリング18が装着されており、上記バルブ体16
は、上記筒状体14内で所定距離上下方向に移動自在に
設けられている。さらに、上記筒状体14の下部を貫通
し、かつ該筒状体14とバルブ体16との間には、エア
供給通路19が形成されている。さらにまた、上記バル
ブ体16の下方には、上記ワーク(ピストン)Wを載置
するためのバルブ体20が、載置台21上に配置されて
おり、このバルブ体20の上面中心部には、上記ガイド
棒17を収容するための凹部22が形成されている。
【0009】上記のように構成されたリーク検査装置を
用いてワークWのシート面3を検査する場合には、上記
バルブ体20の上面にワークWを、その中心孔1がバル
ブ体20の凹部22に一致した状態で載置する。この状
態において、シリンダのピストンロッド10を下降させ
て、取付部材11を介して、リング部材12、パッキン
13、筒状体14、バルブ体16、ガイド棒17及びO
リング18を降下させる。これにより、上記ガイド棒1
7の先端が、ワークWの中心孔1を通ってバルブ体20
の凹部22に達すると共に、上記バルブ体16が、ワー
クWの上側のシート面3に接触する。そして、上記バル
ブ体16は上記シート面3に押し付けられて下降を停止
するが、上記筒状体14とガイド棒17は、なおも下降
を続け、筒状体14の密着部15が、上記ワークWの上
側の段差面4に押し付けられると共に、上記バルブ体1
6に対して上記リング部材12が下降することによっ
て、バルブ体16とリング部材12との間のOリング1
8が押圧されて変形する。この結果、上記エア供給通路
19にエアを供給した場合に、筒状体14とバルブ体1
6の上部においては、上記Oリング18とパッキン13
とによって閉塞されているから、エアが漏れ出すことが
ない。
【0010】この状態において、上記エア供給通路19
にエアを供給し、このエア供給通路19内に所定圧力を
加える。この場合、上記ワークWの両シート面3が良好
な状態にあれば、図2において、ワークWの左側の貫通
孔5にエア圧力が加わるが、上記ワークWの下側のシー
ト面3とバルブ体20が密接して、この部分からエアが
漏れ出すことがないと共に、上記ワークWの上側のシー
ト面3とバルブ体16が密着しているので、この部分か
らエアがワークWの右側の貫通孔5を通って外部に漏れ
出すことがない。一方、ワークWの両シート面3のうち
いずれかに異常があれば、その異常のある方のシート面
3からエアが外部に漏れ出すから、このエア漏出にとも
なう圧力低下を検出することにより、確実にワークWの
シート面3の良不良を判別することができる。このよう
にして、1度の検査により、両端にシート面3と段差面
4とをそれぞれ形成したワークWの、両シート面3の検
査を円滑に行うことができる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、両端に
シート面とこのシート面に段差を持って連なる段差面と
がそれぞれ形成され、各シート面とこれらのシート面の
反対側に形成された段差面との間に貫通孔が形成されて
なるワークの、上記シート面のリークを検査するリーク
検査装置において、上記一端側のシート面と段差面とに
それぞれ密着する密着部材と、これらの密着部材の間に
設けられ、かつ上記一端側の段差面に形成された貫通孔
に流体を供給する流体供給通路と、上記各密着部材に対
して相対的に移動自在に設けられ、かつ上記他端側のシ
ート面に密接する密接部材とを備えたものであるから、
一端側のシート面と段差面とにそれぞれ密着部材を密着
すると共に、他端側のシート面に密接部材を密接して、
上記密着部材と密接部材によって両シート面の貫通孔を
閉塞し、かつ流体供給通路から流体を一端側の段差面に
形成された貫通孔に供給することにより、一端側のシー
ト面と密着部材との密閉性及び他端側のシート面と密接
部材との密閉性を同時に検査することができ、上記ワー
クの両シート面の検査を、1度の操作でしかも円滑にか
つ確実に行うことができて、良好な品質の製品を確実に
選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の主要部の断面図である。
【図3】ワークの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
W ワーク(ピストン) 3 シート面 4 段差面 5 貫通孔 14 筒状体(密着部材) 15 密着部 16 バルブ体(密着部材) 19 エア供給通路 20 バルブ体(密接部材)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端にシート面とこのシート面に段差を
    持って連なる段差面とがそれぞれ形成され、各シート面
    とこれらのシート面の反対側に形成された段差面との間
    に貫通孔が形成されてなるワークの、上記シート面のリ
    ークを検査するリーク検査装置において、上記一端側の
    シート面と段差面とにそれぞれ密着する密着部材と、こ
    れらの密着部材の間に設けられ、かつ上記一端側の段差
    面に形成された貫通孔に流体を供給する流体供給通路
    と、上記各密着部材に対して相対的に移動自在に設けら
    れ、かつ上記他端側のシート面に密接する密接部材とを
    具備したことを特徴とするワークのリーク検査装置。
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