JP2929687B2 - キャビネット結合装置 - Google Patents

キャビネット結合装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、CDプレーヤ付ラジオカセットテープレコー
ダのキャビネットの結合装置に関する。
従来の技術 近年、自動車に代表されるように、ラウンドフォルム
と呼ばれる曲線を多用した滑らかなデザインが流行して
いる。このようなデザインはCDプレーヤ付ラジオカセッ
トテープレコーダなどの音響機器も例外ではなく、第3
図に示すように、正面投影では薄形化し、奥行は深くな
って全体的に曲線的なデザインとなってきている。
ところで、このように奥行が深くなると前面キャビネ
ットと後面キャビネットとの結合が問題となる。
以下、その構成について第4図を参照しながら説明す
る。図に示すように、CDプレーヤ付ラジオカセットテー
プレコーダは、電気部品やプリント配線基板が内装され
た後面キャビネット1と、後面キャビネット1にカセッ
トメカニズム4を挟んでねじ結合6a,6bされる前面キャ
ビネット2と、後面キャビネット1にねじ結合7,7され
るCDプレーヤメカニズム5が内装された天面キャビネッ
ト3とで構成されている。なお、8はカセットホルダ部
を有するカセットフタ、9はCDフタである。また、前記
各キャビネット1,2,3はいずれも合成樹脂で成型されて
いるものである。
発明が解決しようとする課題 このような従来のキャビネットの結合では、後面キャ
ビネット1と前面キャビネット2をねじ結合6a,6bする
のであるが、上部のねじ結合6aのために中空の長いボス
10とねじ6aが嵌挿されるボス11とを後面キャビネットに
形設していた。このボス10は、成型時間を短くするため
に成型時に金型内に冷却水を流して成型されていた。そ
のために中空部の直径が可成り大きくなり、後方から見
たデザインが損なわれていた。また、ボス10はその長さ
が長く、かつ、太いため、ねじ6aをボス11に嵌挿しにく
く、さらに、ねじ6aのドライバ溝とドライバの先端が合
いにくく、組立てがしにくいものであった。
天面キャビネット3は、後面キャビネット1と前面キ
ャビネット2がねじ結合6a,6bされた後に後面キャビネ
ット1にねじ結合7,7されるため、前面キャビネット2
との間で位置精度が悪くなりがちで、嵌合部12に隙間を
生じたり、それによるスピーカ音との共振を生じたりす
ることがあった。このような不具合をなくするために、
嵌合部12をモールで詰めたり、覆ったりして、不必要な
ところに手間やコストをかけていた。
本発明は上記課題を解決するもので、組立てがしやす
く、共振が生じることのないキャビネット結合装置を提
供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、後面と側面と上
下面とで形成された後面キャビネットと、前記後面キャ
ビネットの前面に結合される前面キャビネットと、前記
結合された後面キャビネットと前面キャビネットに結合
される天面キャビネットとからなり、前記後面キャビネ
ットの前上部には、ガイド孔を有するガイド体を形設
し、前記天面キャビネットの前部には、前記ガイド孔に
ガイド孔されて貫挿し、その先端部に後方傾斜面が形成
された結合体を下方に向けて形設し、前記前面キャビネ
ットの上部には、前記結合体の後方傾斜面に係合する後
方傾斜面が形成された結合受体を後方に向けて形設し
て、前記後面キャビネットと前面キャビネットの下部を
結合後、前記天面キャビネットを前記後面キャビネット
に結合し、この結合時に前記結合体の後方傾斜面が前記
結合受体の後方傾斜面に係合して前記前面キャビネット
の上部を前記後面キャビネットに圧接させる構成とした
ものである。また、前面キャビネットに凹設されたカセ
ットメカニズム装着部の上部壁面の延長面に結合受体の
上面を形設したものである。
作用 本発明は上記した構成により、後面キャビネットにガ
イド孔を有するガイド体を形設し、天面キャビネットに
ガイド孔に貫挿し、先端部に後方傾斜面が形成された結
合体を形設し、前面キャビネットに結合体の後方傾斜面
に係合する後方傾斜面が形成された結合受体を形設し
て、天面キャビネットの後面キャビネットへの結合時に
結合体の後方傾斜面が結合受体の後方傾斜面に係合して
前面キャビネットを後面キャビネットに圧接することに
より、前面キャビネットと天面キャビネットの嵌合部の
隙間の発生をなくすることができる。また、前面キャビ
ネットと後面キャビネットを結合する上部のねじ結合用
のボスを不要とすることができる。
実施例 以下、本発明の一実施例について第1図および第2図
を参照しながら説明する。
後面キャビネット21は後面21aと両側面21bと上面21c
と下面21dとで形成され前面が開口している。そして、
上面21cの上面には天面キャビネット22が螺着されるボ
ス23,23が、前面の上方にはカセットメカニズム24を螺
着するボス25が、前面の下方にはカセットメカニズム24
を前面キャビネット26で螺挟着するボス27がそれぞれ立
設されている。さらに、天面21cの上面の前上部には天
面キャビネット22の結合体27が貫挿するガイド孔28が形
設されている。
天面キャビネット22には、後面キャビネット21のボス
23,23に嵌合し螺着されるボス29が立設されている。ま
た、前部には後面キャビネット21のガイド孔28にガイド
されて貫挿する結合体27が下方に向けて形設されてい
る。結合体27の先端部には前面キャビネット26に形設さ
れた結合受体31に結合する後方に傾斜した後方傾斜面30
が形設されている。
前面キャビネット26には、下部に後面キャビネット21
のボス27に螺着されるボス32が立設され、また、上部に
天面キャビネット22の結合体27と結合する結合受体31が
形設されている。この結合受体31の後面には結合体27の
後方傾斜面30に合致する後方傾斜面33が形設されてい
る。
ここで、ガイド孔28と結合体27と結合受体31の関係に
ついて説明すると、後面キャビネット21に天面キャビネ
ット22を螺着したとき、結合体27の前面27aはガイド孔2
8の前面28aと密接し、結合体27の後方傾斜面30と結合受
体31の後方傾斜面33との結合により結合体27が前方へ引
張られて屈曲することを防止している。これにより、前
面キャビネット26の上部は天面キャビネット22に圧接す
ることができる。そのための補強として、結合体27の断
面形状をT型やH型等屈曲に耐えることのできる形状と
することが好ましい。
前面キャビネット26に形設される結合受体31は、その
上面31aをカセットメカニズム24の装着部の上部内壁面3
4の延長面上に設ければ、前面キャビネット26の成型金
型の構造が簡単となり、成型コストを引下げることがで
きる。
上記構成において、後面キャビネット21の上部のボス
25にカセットメカニズム24を假螺着し、上面21cにCDプ
レーヤメカニズム35を螺着する。この後面キャビネット
21にカセット蓋37を装着した前面キャビネットを螺着す
る。この装着は後面キャビネット21の下部のボス27と前
面キャビネット26のボス32との間にカセットメカニズム
24を挟着して、後面キャビネット21側から螺子38で行わ
れる。これにより、カセットメカニズム24は假螺着から
本螺着され、前面キャビネット26は螺子38で假螺着され
る。
この後面キャビネット21と前面キャビネット26の螺着
体に、CDプレーヤ蓋36を密着した天面キャビネット22を
螺着する。この螺着において、天面キャビネット22のボ
ス29は後面キャビネット21のボス23に嵌合するので、そ
の位置はズレることがなく、しかも、前記したような結
合体27はガイド孔28にその前面27a,28aが密接して螺着
される。そして、結合体27の先端部の後方傾斜面30が前
面キャビネット26の結合受体31の後方傾斜面33に当接
し、その傾斜面によって前面キャビネット26の上部を後
面キャビネット21および天面キャビネット22に引寄せて
圧接する。これにより前面キャビネット26は後面キャビ
ネット21に本止めされる。
このようにして、前面キャビネット26と天面キャビネ
ット22の嵌合部の隙間の発生をなくすることができる。
また、結合体27と結合受体31の結合で前面キャビネット
26を後面キャビネット21に装着するので、第1図に示す
従来例にみられた後面キャビネット1と前面キャビネッ
ト2を結合するための長い中空のボス10は不要となり、
本実施例に示すように、後面キャビネット21の成型は容
易、かつ、安価なものとなり、しかも、後方から見たデ
ザイン上の見苦しさもなくすることができる。
発明の効果 以上の実施例の説明から明らかなように、本発明によ
れば、後面キャビネットにガイド孔を有するガイド体を
形設し、天面キャビネットにガイド孔を貫挿し、先端部
に後方傾斜面が形成された結合体を形設し、前面キャビ
ネットに結合体の後方傾斜面に係合する後方傾斜面が形
成された結合受体を形設して、天面キャビネットの後面
キャビネットへの結合時に結合体の後方傾斜面が結合受
体の後方傾斜面に係合して前面キャビネットを後面キャ
ビネットに圧接することにより、前面キャビネットと天
面キャビネットの嵌合部の隙間の発生をなくすることが
でき、また、前面キャビネットと後面キャビネットを結
合する上部の結合用の中空の長いボスを不要とすること
ができ、成型と組立てがしやすく、共振が生じることの
ないキャビネット結合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のキャビネット結合装置の結
合状態の側断面図、第2図は同結合前の状態の側断面
図、第3図はラジオカセットテープレコーダの外観斜視
図、第4図は従来例のキャビネット結合装置の結合受体
状態の側断面図である。 21……後面キャビネット、21a……後面、21b……側面、
21c……上面、21d……下面、22……天面キャビネット、
26……前面キャビネット、27……結合体、28……ガイド
孔、30……後方傾斜面、31……結合受体、33……後方傾
斜面、34……上部内壁面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 33/02 301 G11B 33/06 H05K 5/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後面と側面と上下面とで形成された後面キ
    ャビネットと、前記後面キャビネットの前面に結合され
    る前面キャビネットと、前記結合された後面キャビネッ
    トと前面キャビネットに結合される天面キャビネットと
    からなり、前記後面キャビネットの前上部には、ガイド
    孔を有するガイド体を形設し、前記天面キャビネットの
    前部には、前記ガイド孔にガイドされて貫挿し、その先
    端部に後方傾斜面が形成された結合体を下方に向けて形
    設し、前記前面キャビネットの上部には、前記結合体の
    後方傾斜面に係合する後方傾斜面が形成された結合受体
    を後方に向けて形設して、前記後面キャビネットと前面
    キャビネットの下部を結合後、前記天面キャビネットを
    前記後面キャビネットに結合し、この結合時に前記結合
    体の後方傾斜面が前記結合受体の後方傾斜面に係合して
    前記前面キャビネットの上部を前記後面キャビネットに
    圧接させてなるキャビネット結合装置。
  2. 【請求項2】前面キャビネットに凹設されたカセットメ
    カニズム装着部の上部壁面の延長面に結合受体の上面を
    形設してなる請求項1記載のキャビネット結合装置。
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