JP2929128B2 - エチレン―α―オレフィン―非共役ジエン共重合ゴムおよびそれを用いたゴム組成物 - Google Patents
エチレン―α―オレフィン―非共役ジエン共重合ゴムおよびそれを用いたゴム組成物Info
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Description
ル材、パッキンなどの耐ヘタリ性が要求されるゴム製品
を形成するのに好適なゴムに関する。
は、耐熱性、耐オゾン性、耐候性などに優れており、自
動車用の各種ウェザーストリップ、具体的にはドアシー
ルスポンジ、トランクシールスポンジ、窓枠、グラスラ
ンなどのほか、ブレーキ関係のシール材、例えばブレー
キカップ、パッキンなどのシール部材用に広く使用され
ている。
共役ジエン共重合ゴムを用いたゴム組成物では、得られ
た上記シール部材のヘタリが大きく、長期にわたりシー
ル性能を維持していくことが難しいという問題点があっ
た。
果、特定のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共
重合ゴムを用いることにより、ヘタリを防止することが
でき、長期にわたりシール性能を維持することができる
ことを見い出し、本発明を達成するに至った。
足するエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合
ゴムおよび該共重合ゴム100重量部に対して、充填剤を1
0〜200重量部、および軟化剤を0〜150重量部配合する
ことを特徴とするゴム組成物である。
の合計量(100重量%)中のエチレン含量が50〜80重量
%、α−オレフィン含量が20〜50重量%、非共役ジエン
含量がヨウ素価で5〜40、 (b)共重合ゴムのムーニー粘度がML1+4(100℃)で60
〜300、 (c)共重合ゴムの低分子量側20重量%におけるα−オ
レフィン含量(重量%)(CαL)と高分子量側20重量
%におけるα−オレフィン含量(重量%)(CαH)の
差、CαH−CαLが2重量%以上で、かつ (d)共重合ゴムの低分子量側20重量%におけるヨウ素
価(I2NOL)と高分子量側20重量%におけるヨウ素価(I
2NOH)の差、I2NOL−I2NOHが2以上 である。
重合ゴムの成分であるα−オレフィンとしては、炭素数
3〜20のα−オレフィンで、例えばプロピレン、1−ブ
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1
−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1
−オクタデセン、1−エイコセンなどが用いられるが、
好ましくはプロピレン、1−ブテンである。
エン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、2,5−ノルボルナジエンなどが用いられる
が、好ましくは5−エチリデン−2−ノルボルネンであ
る。
からなるチーグラー・ナッタ型触媒、例えば、VO(OR)
nX3-n(R:脂肪族炭化水素、X:ハロゲン、O<n≦3)
で表わされるバナジウム化合物とRmAlX3-m(R:脂肪族炭
化水素、X:ハロゲン、1<m<2)で表わされる有機ア
ルミニウム化合物からなる触媒、チタンと有機アルミニ
ウムなどからなる触媒を用い、重合温度20〜70℃におい
て、 1) 2基以上のリアクターにより連続重合する方法、
または 2) 2基以上の独立したリアクターにて合成されたポ
リマー溶液を混合する方法 により得られる。
なった組成比のモノマー混合物を2基以上のリアクター
に導入して、α−オレフィン含量および/またはヨウ素
価が異なる分子量に差のある共重合ゴムを重合し、生成
した共重合ゴムを単純溶液ブレンド方式により混合する
こと、あるいは多段重合方式により本発明の共重合ゴム
を好適に得ることができる。上記の方法は工業的に好適
であるが、特に限定されるものではない。
重合ゴムのエチレン含量とα−オレフィン含量の合計量
(100重量%)中のα−オレフィン含量が50重量%を超
える場合は、ゴム組成物の機械的強度が不足する。ま
た、α−オレフィン含量が20重量%未満では、ゴム組成
物のロールへの喰い込み悪化などの加工上の問題が生じ
る。
耐熱性、耐候性の低下をまねき、一方、5未満では硫黄
加硫が困難となる。
である。60未満では強度が低くなり、本発明の目的であ
るヘタリの改善ができない。また、300を超えるとゴム
組成物の粘度が高くなりすぎて、ロール加工性など加工
上の問題が種々生じる。また、好ましくは100〜250であ
る。
るα−オレフィン含量(重量%)(CαL)と高分子量
側20重量%におけるα−オレフィン含量(重量%)(C
αH)の差、CαH−CαLが2重量%以上であること
が必要である。好ましくは5重量%以上20重量%未満で
ある。本要件を満足しないと、耐ヘタリ性が悪くなるの
は下記の理由によるものと考えられる。すなわち、高分
子量側にα−オレフィン含量が少ない場合は、エチレン
連鎖による微結晶が生成しやすく、このため高温および
特に低温のヘタリが大きくなると考えられる。
おけるヨウ素価(I2NOL)と高分子量側20重量%におけ
るヨウ素価(I2NOH)の差、I2NOL−I2NOHが2以上であ
ることが必要である。好ましくは5以上、15未満であ
る。本要件を満足しないと、耐ヘタリ性が悪くなるのは
下記の理由によるものと考えられる。すなわち、ヘタリ
の寄与が大きいのは、分子運動性に富む低分子成分であ
る。この低分子成分に優先的にジエンを分布させ、架橋
することにより、耐ヘタリ性の改良が可能になったもの
と考えられる。
ンと低分子量側20重量%のフラクションは、次のように
作成してα−オレフィン含量、ヨウ素価の測定に供す
る。
キサンに入れ、40℃の恒温振とう水槽にて24時間振とう
し、溶解する。
プロピルアルコール80〜100mlをゆっくり滴下し、白濁
が生じ始めたら、その滴下および攪拌を停止し、沈殿が
生ずるまで静置する。
確認する。その中から0.5ml採取し、そのTSCを測定し、
沈殿物中の固形分量を確認する。
よう、(2)、(3)の操作を繰り返し、所定量の沈殿
物を得る。
物を分離採取し、沈殿物をメタノール凝固後、真空乾燥
し、CαL、I2NOHの測定に供する高分子量側20重量%
のフラクションとする。
仕込みポリマー量の60重量%になるよう、(2)、
(3)の操作を繰り返し、所定量の沈殿物を得る。
物を分離採取し、残った上澄液をエバポレータで溶媒除
去し、乾燥することにより、CαL、I2NOLの測定に供
する低分子量側20重量%のフラクションとする。
エン共重合ゴムは、必要に応じて他のゴムや樹脂とブレ
ンドして使用することができる。他のゴムとしては、通
常のEPM、EPDM、ハロゲン化EPDM、IIR、ハロゲン化II
R、SBR、水添SBR、水添NBR、CR、液状ポリブタジエンな
どが挙げられ、樹脂としては、ポリプロピレン、低密度
および高密度ポリエチレン、ジシンジオタクチック1,2
−ポリブタジエン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー樹脂などが挙げられる。
ンブラック、微粉ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、ク
レーなどを挙げることができる。これら充填剤は、ゴム
100重量部に対して10〜200重量部用いる。10重量部未満
では、補強、増量効果が十分でなく、200重量部を超え
ると、混練り加工性、ロール加工性などの加工性に問題
が生じる。
ィン系などの石油系軟化剤のほか、流動パラフィンや可
型剤を挙げることができる。これら軟化剤は、ゴム100
重量部に対して0〜150重量部用いる。150重量部を超え
て使用すると、強度が低下するほか、充填剤の分散にも
問題が生じる。
ィン−非共役ジエン共重合ゴム、充填剤、軟化剤のほ
か、加工助剤、吸湿剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫
剤、架橋剤、加硫促進剤、発泡剤、発泡助剤などの通常
使用される配合剤を適宜、必要に応じて配合することが
できる。
ィン−非共役ジエン共重合ゴムのほかに、必要に応じて
他のゴムを50重量%以下でブレンドして使用することが
できる。
M、IIR、ハロゲン化IIR、SBR、水添SBR、水添NBR、CRな
どが挙げられる。
通常のゴム練り機、すなわちバンバリーミキサー、オー
プンロールなどで混練りした後、成型し、HAV、UHF、LC
M、PCMなどの連続加硫や、トランスファー成型、インジ
ェクション成型、圧縮成型により製造することができ
る。
が、本発明はその趣旨を超えない限り、実施例に制約さ
れるものではない。
ポリマー溶液を、固形分重量比でA/B=6/4となるように
混合した後、脱溶媒、乾燥してエチレン−α−オレフィ
ン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM−1)を単離回収し
た。
びヨウ素価は以下の手順に従って測定した。
キサンに入れ、40℃の恒温振とう水槽にて24時間振とう
し、溶解した。
プロピルアルコール80〜100mlをゆっくり滴下し、白濁
が生じ始めたら、その滴下および攪拌を停止し、沈殿が
生ずるまで静置した。
確認する。その中から0.5ml採取し、そのTSCを測定し、
沈殿物中の固形分量を確認した。
よう、(2)、(3)の操作を繰り返し、所定量の沈殿
物を得た。
物を分離採取し、沈殿物をメタノール凝固後、真空乾燥
し、CαL、I2NOHの測定に供する高分子量側20重量%
のフラクションとした。
仕込みポリマー量の60重量%になるよう、(2)、
(3)の操作を繰り返し、所定量の沈殿物を得た。
物を分離採取し、残った上澄液をエバポレータで溶媒除
去し、乾燥することにより、CαL、I2NOLの測定に供
する低分子量側20重量%のフラクションとした。
各フラクションのポリマーの赤外吸収スペクトルを測定
することにより、α−オレフィン含量を求めた。また、
ヨウ素価については滴定法によって求めた。
ポンジゴムを製造し、下記の測定方法によりヘタリ他を
評価した。EPDM−1の物性値およびスポンジゴムの評価
結果を表−3に示した。
での配合剤を20バンバリーミキサーで混練りした後、
残りの配合剤を14インチロールにて添加し、70℃にてφ
75mm押出機で押出し、次いで220℃のHAVラインにて、滞
留時間約5分で連続加硫発泡を行なった。なお押出ダイ
形状は、厚さ1.5mm、幅17mmのリボンの中央上部に外径
φ15mm、内径φ12mmのチューブが一体化されたものを用
いた。
の元の高さ(t0)の50%となるようにスペーサー(t2)
を装着し、70℃にて70時間、または−20℃にて70時間圧
縮保持する。70時間経過後、解放し、室温にて30分間冷
却後、試験片の高さ(t1)を測定し、次式にてCS(%)
を求めた。この大、小をヘタリ評価の指標とした。
1、HS(硬度)については、JIS Aに準じて測定した。
ポリマー溶液を、固形分重量比でA/B=6/4となるように
混合した後、実施例1と同様の方法でEPDM−2を得た。
このEPDM−2を用いてスポンジゴムを製造した。EPDM−
2の物性値およびスポンジゴムの評価結果を表−3に示
した。
3ではポリマーインデックスがほぼ同等でCαH−C
αLおびI2NOL−I2NOHの相違するEPDMを、また比較例4
ではムーニー粘度の相違するEPDMを用い、実施例1と同
様の方法でスポンジゴムを製造した。評価結果を表−3
に示した。
ポリマー溶液を、固形分重量比でA/B=6/4となるように
混合した後、実施例1と同様の方法でEPDM−3を得た。
次に、得られたEPDM−3を用い、表−2の配合処方(I
I)に従い、150℃×20分でプレス加硫し、加硫ゴムを得
た。EPDM−3の物性値および加硫ゴムの評価結果を表−
4に示した。
ポリマー溶液を、固形分重量比でA/B=6/4となるように
混合した後、実施例1と同様の方法でEPDM−4を得て、
実施例3と同様の方法で加硫ゴムを製造した。EPDM−4
の物性値および加硫ゴムの評価結果を表−4に示した。
はポリマーインデックスがほぼ同等でCαH−CαLの
相違するEPDM、および比較例6ではI2NOL−I2NOHの相違
するEPDM、比較例7ではCαH−CαLおよびI2NOL−I
2NOHの相違するEPDMを用い、実施例3と同様の方法で加
硫ゴムを製造した。評価結果を表−4に示した。
耐ヘタリ性が従来のゴム組成物に比べて著しく改善され
ており、自動車用のウェザーストリップのほか、各種シ
ール材、パッキンなどの耐ヘタリ性が要求されるゴム製
品に好適に使用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】下記の(a)〜(d)の条件を満足するエ
チレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合ゴム。 (a)ポリマー中のエチレン含量とα−オレフィン含量
の合計量(100重量%)中のエチレン含量が50〜80重量
%、α−オレフィン含量が50〜20重量%、非共役ジエン
含量がヨウ素価で5〜40、 (b)共重合ゴムのムーニー粘度がML1+4(100℃)で60
〜300、 (c)共重合ゴムの低分子量側20重量%におけるα−オ
レフィン含量(重量%)(CαL)と、高分子量側20重
量%におけるα−オレフィン含量(重量%)(CαH)
の差(CαH−CαL)が、2重量%以上で、かつ、 (d)共重合ゴムの低分子量側20重量%におけるヨウ素
価(I2NOL)と、高分子量側20重量%におけるヨウ素価
(I2NOH)の差(I2NOL−I2NOH)が、2以上である。 - 【請求項2】請求項1記載のエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合ゴム100重量部に対して、充填剤
を10〜200重量部、および軟化剤を0〜150重量部配合し
てなることを特徴とするゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18975990A JP2929128B2 (ja) | 1990-07-18 | 1990-07-18 | エチレン―α―オレフィン―非共役ジエン共重合ゴムおよびそれを用いたゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18975990A JP2929128B2 (ja) | 1990-07-18 | 1990-07-18 | エチレン―α―オレフィン―非共役ジエン共重合ゴムおよびそれを用いたゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0476011A JPH0476011A (ja) | 1992-03-10 |
JP2929128B2 true JP2929128B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=16246705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18975990A Expired - Lifetime JP2929128B2 (ja) | 1990-07-18 | 1990-07-18 | エチレン―α―オレフィン―非共役ジエン共重合ゴムおよびそれを用いたゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2929128B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5677382A (en) * | 1994-12-19 | 1997-10-14 | Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. | Ethylene-α-olefin-non-conjugated diene copolymer rubber composition |
JP2002097318A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-04-02 | Jsr Corp | ウェザーストリップ |
-
1990
- 1990-07-18 JP JP18975990A patent/JP2929128B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0476011A (ja) | 1992-03-10 |
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