JP2928705B2 - オイルレベルセンサ - Google Patents

オイルレベルセンサ

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JP2928705B2
JP2928705B2 JP10262493A JP10262493A JP2928705B2 JP 2928705 B2 JP2928705 B2 JP 2928705B2 JP 10262493 A JP10262493 A JP 10262493A JP 10262493 A JP10262493 A JP 10262493A JP 2928705 B2 JP2928705 B2 JP 2928705B2
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oil
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temperature coefficient
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政樹 林
久弘 安藤
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Tokai Rika Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オイルパン内のエンジ
ンオイルのレベルを所定の使用温度範囲内で検出するよ
うにしたオイルレベルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のオイルレベルセンサとしては、
例えば、マグネットを取着したフロートをオイルパン内
のエンジンオイルに浮かべてエンジンオイルの液面と共
に移動するように配設し、このフロートが所定レベルよ
りも低下すると、フロートに取り付けられたマグネット
によりリードスイッチを動作させることにより、エンジ
ンオイルのレベル低下を検出するように構成したものが
あった。
【0003】ところが、例えば、エンジンの始動直後や
寒冷地などでエンジンオイルの温度が低い状態のときに
は、エンジンオイルの粘性が高くなっていることから、
フロートがエンジンオイルの液面に追随して移動しない
場合がある。この場合、エンジンオイルのレベルが所定
レベルよりも低いにもかかわらずフロートが高い位置で
停止したままになると、エンジンオイルのレベルが所定
以上にある正常状態であると誤判断を起こしてしまう不
具合があった。
【0004】そこで、従来では、上述の不具合を回避す
るために、図7および図8に示すような構成としてい
る。すなわち、図7において、円環状をなすフロート1
は、オイルパン(図示せず)内のエンジンオイル2の液
面に追随して移動するように、アーム3の支持体4によ
り所定範囲内で上下動可能に配設されている。このフロ
ート1には内周側上部にマグネット5が取着されてい
る。
【0005】支持体4内部に配設されたリードスイッチ
6は、フロート1の移動に伴ってマグネット5から受け
る磁力によりオンオフ動作するように設けられている。
そして、リードスイッチ6は、エンジンオイル2のレベ
ルが所定レベル以下に低下したときにオフするようにな
っている。サーモスイッチ7は、その検知部がエンジン
オイル3に浸されるようにアーム3の支持体8内部に配
設されている。このサーモスイッチ7は、感温フェライ
トからなるもので、検知部が所定温度以上になるとオフ
する。したがって、例えば、エンジン始動後にエンジン
オイル2の温度が所定温度以上となってその粘度が低下
した状態を検出することができるものである。
【0006】電気的構成を示す図8において、バッテリ
9の正極端子は、イグニッションスイッチ10を介して
遅延回路11に接続されると共に、ウォーニングランプ
12およびトランジスタ13の直列回路を介してアース
されている。遅延回路11の信号入力端子はリードスイ
ッチ6およびサーモスイッチ7の並列回路を介してアー
スされ、出力端子はトランジスタ13のベースに接続さ
れている。そして、遅延回路11は、リードスイッチ6
およびサーモスイッチ7が共にオフ状態となったとき、
つまり、エンジンオイル2の温度が所定温度以上(例え
ば55℃以上)で且つ所定レベル以下となったときにタ
イマ動作を開始し、所定の遅延時間(例えば20秒)が
経過した時点でスイッチ6および7のオフ状態が継続し
ている場合に、トランジスタ13をオンさせてウォーニ
ングランプ12を通電点灯するようになっている。
【0007】上記構成によれば、エンジンオイル2の温
度が低い状態にあるときには、サーモスイッチ7により
検出動作を出力しないようにしているので、エンジンオ
イル2の粘度が高い状態で、前述したようなフロート1
の移動が停止するなどによる誤検出を防止できるように
なる。なお、遅延回路11は、エンジンオイル2の液面
が一時的に変動して所定レベル以下に下がった場合など
で、すぐに所定レベル以上に戻るような状態では、その
間のエンジンオイル2の不足を検出しないようにしてウ
ォーニングランプ12の点灯ちらつきをなくすために設
けられたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来構成のものでは、次のような不具合がある。
すなわち、まず、フロート1を用いて検出する構成であ
るため全体の小形化が難しく、且つ、前述の理由によ
り、サーモスイッチ7を設けてエンジンオイル2が低温
度の状態では検出動作をしないようにして誤検出を防止
する構成としているので、原理的に低温度では検出動作
が行えないものとなっている。また、リードスイッチ6
に加えて誤検出を防止するためのサーモスイッチ7を設
けるため構造が複雑になり、さらに、遅延回路11を設
けて所謂チャタリングを防止する構成とする必要がある
ため、総じてコストも高くなる不具合がある。
【0009】そこで、上述の不具合を解決するために、
従来では、例えば、温度に応じて抵抗値が変化するサー
ミスタをレベル検知素子として用いてエンジンオイルの
レベルを検出することが考えられている。これは、例え
ば正特性のサーミスタを検出しようとする所定レベルの
位置に配設しておき、このサーミスタに通電してジュー
ル発熱させた状態で、サーミスタの端子電圧を検出する
ことにより、エンジンオイル中にあるかあるいは空気中
にあるかを判断する構成のものである。これは、エンジ
ンオイル中か空気中かにより、発熱しているサーミスタ
に対する吸熱量が異なることを利用し、そのときのサー
ミスタの抵抗値に対応する分担電圧を所定の基準電圧と
比較してエンジンオイルの有無により所定レベル以上存
在するか否かを検出しようとするものである。
【0010】ところで、従来のチタン酸バリウム系の正
特性サーミスタは、低温度領域においては温度に対する
抵抗値の変化が平坦あるいはやや負の温度係数(NT
C:Negative temperature coefficient)を有する負特
性を示し、高温度領域においては急激に抵抗値が上昇す
る正の温度係数(PTC:Positive temperature coeff
icient )を有する正特性を示すことが知られている。
また、電流検出用に用いられる一般的な正特性サーミス
タの比抵抗の値は、最低抵抗値でも数百オーム程度で大
きい値となっている。しかし、従来においては、正特性
サーミスタを利用する場合には、このような特性のう
ち、高温領域において抵抗値が急激に上昇する正の温度
係数を有する正特性領域を用いるのが一般的である。
【0011】そして、このような特性の正特性サーミス
タを使用して検出しようとすると、車載バッテリを電源
として簡単な構成で通電回路を構成する場合には、通電
電流を大きくとれないために正特性サーミスタの発熱量
を大きくとることができなくなり、エンジンオイルの存
在の有無に応じた吸熱量の差を大きく取れない。このた
め、正特性サーミスタがエンジンオイル中に浸されてい
るか否かで現れる分担電圧の差が非常に小さくなってし
まい、例えば、分担電圧に相当する検出電圧をエンジン
オイルの有無に応じて比較器で検出しようとすると、ど
のように比較基準電圧を設定しても、図9に示すよう
に、検出可能な温度領域が非常に狭くなり、例えば氷点
下近傍から100℃以上までの広い使用温度領域で使用
できるものは実用化できない状況にあった。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、正特性サーミスタを利用した簡単且つ
安価な構成としながら、広い使用温度範囲でエンジンオ
イルのレベルを確実に判定することができるようにした
オイルレベルセンサを提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、オイルパン内
のエンジンオイルのレベルを所定の使用温度範囲内で検
出するオイルレベルセンサを対象とするものであり、前
記エンジンオイルが所定レベル以上あるときにそのエン
ジンオイルに浸されるように設けられ、温度の上昇に伴
って抵抗値が負の温度係数を有する領域から正の温度係
数を有する領域に移行すると共にそれらの領域変化点の
温度が前記使用温度範囲の中心温度付近に設定された正
特性サーミスタと、この正特性サーミスタに通電してそ
の通電電流に応じたジュール熱を発生させる通電回路
と、前記正特性サーミスタの分担電圧と基準電圧とが所
定の関係にあるときに前記エンジンオイルが所定レベル
以上存在することを検出する比較手段とを設けて構成し
たところに特徴を有する。
【0014】
【作用】本発明のオイルレベルセンサによれば、通電回
路により正特性サーミスタに通電すると、正特性サーミ
スタはその通電電流に応じたジュール熱を発生させるよ
うになり、比較手段は、そのときの正特性サーミスタの
分担電圧と基準電圧とを比較することにより、所定の関
係が得られたときに前記エンジンオイルが所定レベル以
上存在することを検出するようになる。
【0015】この場合、エンジンオイルは空気に比べて
熱容量が大きいので、エンジンオイルが所定レベル以上
あって正特性サーミスタがエンジンオイルと接触してい
る状態のときには、正特性サーミスタは、空気中にある
ときよりも外部から吸熱されるジュール熱の量が大きく
なり、その発熱量が同じであっても温度が低下した状態
となり、そのときの抵抗値も低下するようになる。する
と、エンジンオイル中にある正特性サーミスタは空気中
にある場合よりも分担電圧が小さくなる。比較器におい
ては、サーミスタの分担電圧に対応する検出電圧と基準
電圧とを比較し、所定の関係が得られたときに、正特性
サーミスタがエンジンオイル中に浸された状態にあるこ
と、つまりエンジンオイルが所定レベル以上あることを
検出することができるのである。
【0016】ところで、本発明の正特性サーミスタにお
いては、例えばチタン酸バリウム系の材料を用いて形成
されるが、温度の上昇に伴って抵抗値が負の温度係数を
有する領域から正の温度係数を有する領域に移行するよ
うになっていると共に、それらの領域変化点の温度が前
記使用温度範囲の中心温度付近となるように設定されて
いる。これにより、所定温度(例えば25℃)における
抵抗値の2倍の抵抗値になるときの温度(スイッチング
温度と呼ぶ)を非常に高い値(例えば200℃〜300
℃程度)とすることができるので、使用温度範囲内での
エンジンオイルの有無に応じた検出電圧の差が大きくと
れるようになり、比較手段による検出動作を確実に行う
ことができるのである。
【0017】そして、正特性サーミスタの比抵抗を従来
のものよりも低く設定することで、例えば、通電による
発熱を従来のものよりも大きくすることができるので、
エンジンオイルの有無に応じた検出電圧の差がさらに大
きくとれるようになる。
【0018】したがって、正特性サーミスタは、高温度
のエンジンオイルに浸されている状態でも抵抗値の上昇
が少なくなり、温度に応じた分担電圧が増大するのを抑
えることができる。つまり、空気中にさらされている状
態に比べて分担電圧の差を大きくした状態を保持でき、
高温領域まで比較器により検出することができるのであ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1ないし
図6を参照して説明する。図2に示すように、オイルレ
ベルセンサ21は、エンジン下部に配設されたオイルパ
ン22の側壁部に固定されている。オイルパン22には
バッフル板23により仕切られた下部のオイル溜り部2
2aにエンジンオイル24が貯留されており、このオイ
ル溜り部22aに設けられたストレーナ(図示せず)を
介してオイルポンプにより汲み上げられてエンジン内部
に供給されるようになっている。
【0020】オイルレベルセンサ21は、取付固定部2
5からアーム26が延出されており、このアーム26は
バッフル板23の開口部23aを介してオイル溜り部2
2a内に挿通され、その先端部に検出部27が設けられ
た構成となっている。そして、検出部27は、図示の取
付状態において、エンジンオイル24が正常なレベルに
あるときにエンジンオイル24中に浸されるように配置
されている。
【0021】この検出部27には、図3に示すように、
内部に正特性サーミスタ28が配設されており、この正
特性サーミスタ28を覆うようにカバー29が取り付け
られている。カバー29の下面部にはエンジンオイル2
4が内部に流通可能な孔部29aが形成され、側壁部に
は空気抜き用の孔部29bが下方に向けて形成されてい
る。正特性サーミスタ28の端子は検出部27に導出さ
れた端子27aを介してリード線30に接続され、取付
固定部25の端子25aを介して外部に設けられた検出
回路38(図1参照)側に信号が取り出せるようになっ
ている。
【0022】なお、検出部27においては、オイルパン
22内のエンジンオイル24がカバー29の下面部の孔
部29aを介して内部に流入され(図3中矢印A方
向)、正特性サーミスタ28が浸されるようになってお
り、このときカバー29内部の空気は側壁部の空気抜き
用の孔部29bを介して外部に抜けるようになっている
(図3中矢印B方向)。これにより、検出部27のカバ
ー29内外におけるエンジンオイル24の液面が同一に
なるようになっている。
【0023】また、カバー29は、オイルパン22内の
エンジンオイル24の液面が振動などで波立っている状
態である場合でも、カバー29内部のエンジンオイル2
4の液面の波立ちを低減させて液面の変動を少なくする
消波機能を有している。さらに、カバー29は、正特性
サーミスタ28の上方側を覆うように配設されているの
で、図示しないエンジンの回転によりオイルパン22内
部にエンジンオイル24が飛散する場合でも正特性サー
ミスタ28にその飛沫が直接かかって接触しないように
なっている。
【0024】図1は電気的構成を示すもので、正特性サ
ーミスタ28の出力端子は、前述のリード線30から外
部に導出され、通電用抵抗31を介して車載バッテリ3
2の正極端子に接続され、通電回路33が形成されてい
る。正特性サーミスタ28と通電用抵抗31との共通接
続点は、比較手段としての比較器34の反転入力端子に
接続されている。基準電圧を設定する電圧発生回路35
は基準電圧発生用の抵抗36および37の直列回路を車
載バッテリ32の正極端子とアースとの間に接続してな
るもので、その共通接続点は比較器34の非反転入力端
子に接続されている。比較器34の出力端子は出力端子
Pに接続されている。そして、以上により、検出回路3
8が構成されており、出力端子Pは図示しない制御回路
に接続され、検出出力を与えるようになっている。
【0025】さて、本発明の特徴をなす上述の正特性サ
ーミスタ28の特性について図4を参照して詳述する。
この正特性サーミスタ28は、例えばチタン酸バリウム
系の材料を用いて形成されているもので、チタン酸バリ
ウム系の材料の組成や添加物の含有量などを調整して改
善を図ることにより、図中実線で示すように、低温度領
域における負の温度係数を従来のものよりも大きくする
ように設定し、且つ高温領域における正の温度係数を従
来のものよりも小さくするように設定している。また、
正特性サーミスタ28は、上述の特性を有しながら且つ
比抵抗をできるだけ小さい値(例えば20〜30Ωc
m)となるように形成されている。
【0026】なお、図中破線で示すのは、比較のために
示した従来の正特性サーミスタの一般的な特性である。
従来の正特性サーミスタにおいては、低温度領域では弱
い負特性を有し、高温領域においては強い正特性を有し
ている。また、従来の正特性サーミスタにおける最低と
なる抵抗値は数百Ωの値となるのが一般的である。な
お、図4における特性曲線は、本実施例における正特性
サーミスタ28の特性曲線に従来の正特性サーミスタの
特性曲線の最低抵抗値を一致させた状態で示している
が、実際には本実施例の正特性サーミスタ28の方が抵
抗値の絶対値において低いので特性曲線も下方に位置す
るものである。
【0027】そして、従来における正特性サーミスタの
使用方法は、電流検出用に用いられたものでは、図4
中、高温領域に対応する部分つまり抵抗値が大きく変化
する部分で使用されるのが一般的であり、その使用方法
においては、抵抗値が大きく変化することを積極的に利
用しているものであり、低温領域の負特性を有する部分
は実際には利用されていない。
【0028】本実施例における正特性サーミスタ28に
おいては、従来のものと異なり、低温領域の負特性を有
する部分も積極的に使用すると共に、高温領域の正特性
を有する部分も使用したものである。また、高温領域の
正特性は抵抗値ができるだけ小さく変化するように設定
されている。そして、これら負特性と正特性との特性が
変化する点の温度Txがレベル検出に使用する温度範囲
(例えば0℃以下から100℃以上の範囲)の略中央の
温度となるように設定されている。
【0029】また、上述のように正特性サーミスタ28
の特性を設定することにより、スイッチング温度Tsと
呼ばれる特性を従来のものに比べて非常に高い温度に設
定することができた。ここで、スイッチング温度Tsと
は、常温25℃における抵抗値の2倍の抵抗値になると
きの温度を表すもので、本実施例における正特性サーミ
スタ28においてはスイッチング温度Tsは200℃〜
300℃の範囲の値(例えば250℃)内に設定するこ
とができている。これは、従来のものが、高々50℃〜
100℃の範囲内であることに比べてかなり大きい値に
設定されたことになる。
【0030】つまり、従来の正特性サーミスタにおいて
は、図4中、抵抗値がR1〜R4程度の低抵抗領域から
R4〜R5の高抵抗領域に移行する特性を用い、その抵
抗値の比が100から1000程度に変化することを利
用しているのに対して、本実施例における正特性サーミ
スタ28においては、使用温度領域として設定している
Ta(0℃以下)からTb(100℃以上)の範囲でそ
のときの抵抗値の変化幅は図中R1を最低抵抗としてR
4程度までの領域の特性を使用しているものであり、そ
の抵抗値の変化範囲が少ないのはスイッチング温度Ts
を高く設定していることによるものである。
【0031】次に、本実施例の作用について、図5およ
び図6をも参照しながら説明する。車載バッテリ32か
ら通電回路33の抵抗31を介して正特性サーミスタ2
8に通電されると、正特性サーミスタ28は、そのとき
の温度に対応する抵抗値と抵抗31の抵抗値とにより決
まる通電電流が流れるようになり、その通電電流の二乗
と正特性サーミスタ28の抵抗値とに比例したジュール
熱を発生するようになる。
【0032】このとき、エンジンオイル24の液面のレ
ベルが所定レベル以上あるときには検出部27の正特性
サーミスタ28がエンジンオイル24に浸された状態と
なっているので、その熱は正特性サーミスタ28に接触
しているエンジンオイル24により多く吸収されるよう
になり、正特性サーミスタ28の温度上昇は少なくな
る。したがって、正特性サーミスタ28の温度に応じた
抵抗値は小さく、その分担電圧は低い値となる。比較器
34においては、反転入力端子に与えられる分担電圧が
電圧発生回路35から与えられる基準電圧よりも小さい
ことから、「H」レベルの信号をエンジンオイル24が
所定レベル以上あることを示す検出信号として出力する
ようになる。
【0033】一方、エンジンオイル24の液面のレベル
が所定レベルよりも低下しているときには、正特性サー
ミスタ28が空気中にさらされることになり、正特性サ
ーミスタ28が発生している熱は正特性サーミスタ28
と接触している空気には吸収されにくい状態となり、正
特性サーミスタ28の温度上昇が多くなる。したがっ
て、正特性サーミスタ28の温度に応じた抵抗値は大き
くなり、その分担電圧も高い値となる。比較器34にお
いては、反転入力端子に与えられる分担電圧が電圧発生
回路35から与えられる基準電圧よりも大きいことか
ら、「L」レベルの信号をエンジンオイル24が所定レ
ベルに満たないことを示す検出信号として出力するよう
になる。
【0034】そして、上述のような検出動作は、例えば
0℃以下から120℃以上程度の広い温度範囲で行うこ
とができる。つまり、使用温度範囲を広い範囲に設定す
ることができるようになる。これは、前述のように、正
特性サーミスタ28のスイッチング温度Tsが高い温度
に設定されていることにより実現できるもので、エンジ
ンオイル24の温度が高い温度であるときでも正特性サ
ーミスタ28の抵抗値の上昇を低く抑えることができる
からである。
【0035】上述の検出動作を、正特性サーミスタ28
の温度に応じた分担電圧の関係として表すと、図5のよ
うになる。なお、図中では正特性サーミスタ28の分担
電圧に代えて車載バッテリ32の電源電圧から分担電圧
を差し引いた検出電圧Vdとして表し、電圧発生回路3
5の基準電圧をこれに対応してしきい値電圧Vthとし
て示している。この結果からわかるように、高温度領域
における検出電圧Vdの低下が少ないので、エンジンオ
イル24の有無に応じた検出電圧Vdの差ΔVを高温度
領域まで大きい値として得られるようになり、使用可能
な温度範囲(Ta〜Tb)を前述のように、0℃以下か
ら120℃以上の広い温度範囲に設定することができる
ようになる。
【0036】また、上述の検出動作をおこなっている状
態において、オイルパン22内のエンジンオイル24の
液面が急激に低下する場合でも、検出部27にはカバー
29が設けられているので、カバー29内に残っている
エンジンオイル24がすぐになくならず、孔部29aを
介して時間遅れを伴って低下するようになる。したがっ
て、振動や傾きなどによりエンジンオイル24の液面が
所定レベル以下に一時的に低下しても、短時間で所定レ
ベル以上に復帰する場合には、カバー29内のエンジン
オイル24は正特性サーミスタ28の位置よりも低下す
ることがなくなり、検出信号の出力がいわゆるチャタリ
ングを起こすことがなくなる。つまり、カバー29の孔
部29aを介して内部にエンジンオイル24が流通する
構成としているので、従来構成における遅延回路に相当
する機能を有していることになるのである。
【0037】また、検出部27に設けたカバー29によ
り、エンジンが高回転状態にあるときにエンジン側から
飛散してくるエンジンオイル24の飛沫が検出部27に
降り懸かっても直接正特性サーミスタ28に接触しない
ようにすることができるので、例えば、エンジンオイル
24の液面のレベルが所定レベル以下となっている場合
でも、その飛沫が接触することにより所定レベル以上あ
るとして誤検出することが防止されるようになる。
【0038】なお、図6には、エンジンオイル24の量
を徐々に減らして液面のレベルを低下させていったとき
のエンジンの回転数に対応して得られる検出信号の状態
を示したもので、この結果から、エンジンの回転数にか
かわらずエンジンオイル24の液面が所定レベル(オイ
ルレベルゲージの「L」レベル位置)の上下で確実に検
出することができることがわかった。
【0039】このような本実施例によれば、正特性サー
ミスタ28の特性を、温度の上昇に伴って抵抗値が負の
温度係数を有する負特性領域から正の温度係数を有する
正特性領域に移行すると共にそれらの領域変化点の温度
Txが使用温度範囲(Ta〜Tb)の中心温度付近にな
るように設定し、さらに、比抵抗を低く設定するように
したので、正特性サーミスタ28とその検出回路38を
設ける簡単で小形且つ安価な構成としながら、広い使用
温度範囲(0℃以下から120℃以上の範囲)内でエン
ジンオイル24のレベルを検出することができる。
【0040】なお、本実施例におけるように、広い使用
温度範囲が実現できているのは、正特性サーミスタ28
の負特性領域も利用する点も大きく寄与しており、正特
性領域のみの使用では従来における検出可能な温度範囲
よりも広くなるものの、使用温度範囲をカバーできるも
のではないことが発明者らの実験により確かめられてい
る。
【0041】また、本実施例によれば、検出部27にカ
バー29を設けて正特性サーミスタ28にエンジン側か
らエンジンの回転によるエンジンオイル24の飛沫が直
接接触しないようにしたので、エンジンオイル24が所
定レベル以下で不足しているときに飛沫が付着すること
で所定レベル以上あるという誤検出の発生を防止でき
る。
【0042】さらに、検出部27にカバー29を設けて
エンジンオイル24をそのカバー29の底面部に設けた
孔部29aを介して内部に流入させると共に内部の空気
を側壁部に設けた孔29bを介して流出させる構成とし
ているので、正特性サーミスタ28に接触しているエン
ジンオイル24を時間遅れをもって変動させることがで
き、エンジンオイル24の液面が一時的に変動する場合
でも、これに応じてその都度出力が変化することがなく
なり、従来における遅延回路に相当する機能を持たせる
ことができるので、別途に遅延回路を設ける必要がなく
なる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のオイルレ
ベルセンサによれば、正特性サーミスタを、温度の上昇
に伴って抵抗値が負の温度係数を有する領域から正の温
度係数を有する領域に移行すると共にそれらの領域変化
点の温度が前記使用温度範囲の中心温度付近に設定し、
この正特性サーミスタに通電してその通電電流に応じた
ジュール熱を発生させたときの分担電圧を基準電圧と比
較してエンジンオイルが所定レベル以上存在することを
検出する構成としたので、簡単で安価且つ小形化を図る
構成としながら使用温度範囲を広くとれるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気的構成図
【図2】オイルパンへの配設状態で示す縦断側面図
【図3】全体構成の側面図
【図4】正特性サーミスタの温度に対する抵抗値の特性
【図5】使用温度範囲における検出電圧の特性図
【図6】エンジン回転数とエンジンオイル量とに対応し
た検出データ
【図7】従来例を示す図3相当図
【図8】同図2相当図
【図9】従来の不具合を説明するための図5相当図
【符号の説明】
21はオイルレベルセンサ、22はオイルパン、24は
エンジンオイル、25は取付固定部、26はアーム、2
7は検出部、28は正特性サーミスタ、29はカバー、
29aは孔部、29bは空気抜き用の孔部、31は通電
用抵抗、32は車載バッテリ、33は通電回路、34は
比較器(比較手段)、35は電圧発生回路、36,37
は抵抗、38は検出回路である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−76319(JP,U) 実開 昭62−120(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01F 23/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルパン内のエンジンオイルのレベル
    を所定の使用温度範囲内で検出するオイルレベルセンサ
    において、 前記エンジンオイルが所定レベル以上あるときにそのエ
    ンジンオイルに浸されるように設けられ、温度の上昇に
    伴って抵抗値が負の温度係数を有する領域から正の温度
    係数を有する領域に移行すると共にそれらの領域変化点
    の温度が前記使用温度範囲の中心温度付近に設定された
    正特性サーミスタと、 この正特性サーミスタに通電してその通電電流に応じた
    ジュール熱を発生させる通電回路と、 前記正特性サーミスタの分担電圧と基準電圧とが所定の
    関係にあるときに前記エンジンオイルが所定レベル以上
    存在することを検出する比較手段とを具備したことを特
    徴とするオイルレベルセンサ。
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