JP2928582B2 - 流体圧縮機 - Google Patents

流体圧縮機

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JP2928582B2 JP9843290A JP9843290A JP2928582B2 JP 2928582 B2 JP2928582 B2 JP 2928582B2 JP 9843290 A JP9843290 A JP 9843290A JP 9843290 A JP9843290 A JP 9843290A JP 2928582 B2 JP2928582 B2 JP 2928582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、例えば冷凍サイクルの冷媒ガスを圧縮する
流体圧縮機に関する。
(従来の技術) 従来、冷凍サイクル等に用いられる密閉式の流体圧縮
機(以下、圧縮機と称する)として、本出願人による特
願昭62−227321号明細書に記載されているようなタイプ
のものがある。
すなわち、このタイプの圧縮機は、螺旋状のブレード
を巻装した円柱状のピストン(回転体)をシリンダの中
に偏心配置し、シリンダの中に、シリンダの一端側から
他端側、即ち吸込側から吐出側へ徐々にその容積を小と
する複数の作動室を形成している。そして、この圧縮機
は、シリンダとピストンとを相対的に且つ同期的に回転
させ、冷凍サイクル中の作動流体としての冷媒ガスを、
シリンダの吸込側から吐出側へ徐々に移送しながら圧縮
するようになっている。
また、第16図および第17図に示すように、この種の圧
縮機1には、シリンダ2の吐出側の端部に吐出孔3を有
するものがある。つまり、この圧縮機1は、吐出側軸受
4に面する吐出室5とシリンダ2の外部空間とを、シリ
ンダ2を厚さ方向に貫通する吐出孔3を介して連通させ
ている。そして、圧縮機1は、吐出室5に達し圧縮され
て高圧になった冷媒ガスを、吐出孔3に通過させて、シ
リンダ2を収納した密閉ケース内に吐出するようになっ
ている。
ここで、両図中の6はシリンダ2内に配置されたピス
トン、7はピストン6に巻装された螺旋状のブレードで
ある。
また、圧縮機には、突起とこの突起を差し込まれた係
合溝とからなる動力伝達機構部を有するものがある。つ
まり、このタイプの圧縮機は、シリンダの内周面に突起
を設け、この突起を、ピストンの外周面に開口する係合
溝に差込んでいる。そして、例えばシリンダが回転駆動
されたときに、シリンダの回転力を上記突起を介してピ
ストンに伝え、突起を係合溝に対して相対的に突没させ
ながら、シリンダとピストンとを同期回転させるように
なっている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述のように螺旋状のブレードを巻装した
ピストンをシリンダ内に収納したタイプの圧縮機では、
ピストンとブレードとの相対運動によりブレードに、ブ
レードを吐出側、或いは吸込側へ移動させようとする力
がはたらく。そして、ブレードがピストンに形成された
螺旋状の溝に沿って移動し、ブレードの吐出側、或いは
吸込側の端部が溝の端部に接触すると、ブレードの各端
部が摩耗してしまうことがあった。
また、第16図および第17図に示すようにシリンダ2に
直接的に吐出孔3を設けたタイプの圧縮機では、シリン
ダ2内に供給されシリンダ2の回転に伴う遠心力を受け
てシリンダ2の内周面に押し付けられた潤滑油が、吐出
孔3を通過してシリンダ2の外部に吐出されてしまうこ
とがあった。そして、過大な量の潤滑油が吐出された場
合には、シリンダ2と吐出側軸受4との摺動部に油切れ
が生じ、圧縮機1への入力が増大するとともに、騒音が
大となることがあった。
さらに、突起と係合溝からなる回転力伝達機構部を有
するタイプの圧縮機では、突起の外周面と係合溝の内周
面との間の隙間の存在等により、シリンダとピストンと
のそれぞれの角速度を完全に等しくすることができず、
シリンダの内周面とブレードの外周面との間に滑りを生
じることがあった。
さらに、このタイプの圧縮機では、突起の外周面が係
合溝の内周面に線接触しているため、突起とピストンと
の接触面積が小さかった。そして、回転力伝達時に突起
にはたらく力が大となり、突起に過大な力がはたらくこ
とを原因として、圧縮機の信頼性が低下してしまうこと
があった。
本発明の目的とするところは、ブレードの移動を防止
でき、耐久性および信頼性等に優れた流体圧縮機を提供
することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段および作用) 上記目的を達成するために本発明は、螺旋状のブレー
ドを巻装した回転体をシリンダ内に偏心配置し、上記回
転体と上記シリンダとを相対的に回転させることにより
作動流体を、上記シリンダの軸方向に徐々に移送しなが
ら圧縮する流体圧縮機において、上記ブレードの端部に
当接させて上記ブレードを位置決めするブレードストッ
パを設けた。
また、シリンダの吐出側に位置してシリンダ内に突出
するブレードストッパを設け、このブレードストッパに
圧縮されたシリンダ内の作動流体をシリンダの外部へ流
出させる吐出孔を設けた。
また、シリンダの吐出側に外装され上記シリンダの外
周面との間にブレードストッパの吐出孔と連通した閉空
間を形成するとともに、その一部を上記ブレードストッ
パに当接してブレードストッパをシリンダに固定する包
囲体を設けた。
また、螺旋状のブレードを巻装した回転体をシリンダ
内に偏心配置し、上記回転体と上記シリンダとの間で回
転力の伝達を行うオルダム機構部を有し、上記回転体と
上記シリンダとを相対的に回転させることにより作動流
体を、上記シリンダの軸方向一端側に位置する吸込側か
ら他端側に位置する吐出側へ徐々に移送しながら圧縮す
る流体圧縮機において、上記シリンダの吸込側および吐
出側とにそれぞれ配置され上記ブレードの各端部に当接
させて上記ブレードを位置決めする2つのブレードスト
ッパを備えるとともに、少なくとも一方のブレードスト
ッパを上記オルダム機構部に一体に設けた。
こうすることにより本発明は、ブレードストッパによ
りブレードの移動を防止し、ブレードの摩耗を防止す
る。
また、吐出孔から過大な量の潤滑油を吐出してしまう
ことを防ぎ、シリンダ内に十分な量の潤滑油を常に確保
できるようにした。
また、ブレードストッパのシリンダへの固定を包囲体
により行い、ブレードストッパを容易に且つ確実に固定
できるようにした。
さらに、ブレードストッパによって、ブレードの移動
を防止するとともに、シリンダとピストンとの間の回転
力の伝達をブレードストッパを用いずに行いブレードス
トッパに過大な力が働くことを防いだ。
そして、これらのことによって、流体圧縮機の耐久性
および信頼性等を向上できるようにした。
(実施例) 以下、本発明の各実施例を第1図〜第11図に基づいて
説明する。なお、従来の技術の項で説明したものと重複
するものについては同一番号を付し、その説明は省略す
る。
第1図および第2図は本発明の第1の実施例を示すも
ので、両図中符号1は、例えば冷凍サイクル等に用いら
れる密閉式の流体圧縮機を示しており、符号1aはこの流
体圧縮機に設けられ密閉ケース(図示しない)に収納さ
れた圧縮機構部を示している。そして、圧縮機構部1aに
は、シリンダ2と、このシリンダ2の内部に偏心配置さ
れた円柱状の、回転体としてのピストン6とが設けられ
ている。
さらに、ピストン6には、ピストン6の外周部に形成
された螺旋状の溝にねじ込まれ、例えばピストン6の径
方向に出入自在な螺旋状のブレード7が巻装されてい
る。そして、ピストン6はその吐出側軸部8を、シリン
ダ2の吐出側の端部を塞いだ吐出側軸受4に差し込んで
いる。
また、両図中に9で示すのはブレードストッパであ
る。このブレードストッパ9は、例えば円筒状に成形さ
れたもので、その軸方向一端部にフランジ部10を有して
いる。さらに、ブレードストッパ9は、シリンダ2の吐
出側に配置されており、シリンダ2に気密的に差し込ま
れ、フランジ部10をシリンダ2に外周面に接触させ係止
させている。そして、ブレードストッパ9は、シリンダ
2の径方向に沿って延びるとともに、シリンダ2の内部
に突出している。
そして、ブレードストッパ9は、フランジ部10をスト
ッパとして機能させ、このフランジ部10により位置決め
されてシリンダ2内での突出量を保っている。
さらに、ブレードストッパ9は、ピストン6の吐出側
の外周面に開口した凹陥部11に入り込んでおり、その先
端部を凹陥部11内に到達させている。また、ブレードス
トッパ9は、その軸方向に沿って延びる吐出孔12を有し
ており、この吐出孔12を介してシリンダ2の外部と、シ
リンダ2の内部に形成された吐出室5とを連通させてい
る。
そして、ブレードストッパ9は、シリンダ内で移送さ
れ圧縮されて吐出室5に達した高圧な、作動流体として
の冷媒ガスを、吐出孔12に通過させてシリンダ2の内部
から外部、即ち上記密閉ケース内に吐出する。
ここで、ブレードストッパ9は、シリンダ2内におけ
る突出量を、例えば、吐出室5に供給されシリンダ2の
回転に伴う遠心力を受けてシリンダ2の内周面に押し付
けられた潤滑油13の厚みよりも大となるよう設定されて
いる。
また、ブレードストッパ9は、ブレード7の吐出側端
部の近傍の部位に位置している。そして、ブレードスト
ッパ9はシリンダ内に突出した部分の、ブレード7の吐
出側端面と対向する部位に、ブレード7の吐出側端面に
略一致する形状および大きさに設定された係止面14を有
している。そして、ブレードストッパ9はこの係止面14
に、第2図中に示すように、ブレード7の吐出側端面を
面接触させることができるようになっている。
すなわち、このようなブレードストッパ9を有する圧
縮機1では、ピストン6との相対運動により生じる力を
受けてブレード7が溝に沿って吐出側に移動しようとし
た場合に、ブレードストッパ9の係止面14にブレード7
の吐出側端面を当接させる。そして、ブレード7にはた
らいた力をブレードストッパ9によって受け、ブレード
7の変位を阻止する。
したがって、ブレード7の吐出側への移動を防止する
ことができるとともに、ブレード7の端部とピストン6
の溝の端部との接触を防止することができる。そして、
移動を原因とするブレード7の摩耗の発生を防止するこ
とができる。
また、ブレードストッパ9に吐出孔12を設けるととも
に、ブレードストッパ9をシリンダ2内に突出させてい
るから、吐出室5に供給された潤滑油13の全てを吐出孔
12から吐出してしまうということがなく、常に十分な量
の潤滑油をシリンダ2内に確保することができる。そし
て、ブレードストッパ9を、冷媒ガスの吐出と潤滑油の
確保とに兼用することができ、ブレードの移動の防止と
潤滑油の確保とを1つの部品で行うことができる。
第3図は本発明の第2の実施例を示すもので、図中の
符号15は包囲体としての吐出マフラー部材(以下、マフ
ラー部材と称する)である。このマフラー部材15は円筒
状に成形されており、シリンダ2の吐出側に同軸的に外
装されている。そして、マフラー部材15は、その軸方向
の一端部をシリンダ2の外周面に気密的に接触させてい
る。
また、マフラー部材15は、シリンダ2の吸込側へいく
ほど徐々に拡がるよう成形されたテーパ部16を有してい
る。そして、マフラー部材15は軸方向他端部を、シリン
ダ2に外嵌されたロータ17に到達させており、ロータ17
のテーパ面に気密的に結合している。そして、マフラー
部材15は、その内周面とシリンダ2の外周面との間に気
密的な閉空間18を形成している。
さらに、マフラー部材15はブレードストッパ9をその
内側に位置させており、ブレードストッパ9の吐出孔12
を閉空間18と連通させている。また、マフラー部材15
は、第4図中に示すように、軸方向途中の部位を段差状
に成形されており、ブレードストッパ固定部(以下、固
定部と称する)19を形成されている。
そして、マフラー部材15は、この固定部19をブレード
ストッパ9のフランジ部10の一部に重ね合わせて当接さ
せている。そして、マフラー部材15は、固定部19シリン
ダ2の外周面との間にフランジ部10を挟み込んでおり、
ブレードストッパ9をシリンダ2に押し付けて、ブレー
ドストッパ9をシリンダ2に固定している。
つまり、マフラー部材15は、シリンダ2、および、モ
ータ20を構成するロータ17とともに回転する。さらに、
マフラー部材15は、シリンダ内で移送・圧縮されて吐出
室5に達し吐出孔12を通過した高圧な、作動流体として
の冷媒ガスを、閉空間18内に吐出させる。
そして、マフラ部材15は、脈動状態で閉空間18内に流
出する冷媒ガスの音を、その内側で反射および再反射さ
せるとともに減衰させ、上記冷媒ガスの消音を行う。そ
して、こののちマフラー部材15は、高圧な冷媒ガスを例
えばその壁面の所定位置に開口した貫通孔(図示しな
い)等に通過させて、密閉ケース21内に流出させる。
ここで、第3図中に符号22で示すのは、ロータ17とと
もにモータ20を構成するステータである。
このようなマフラー部材15を備えた流体圧縮機1で
は、マフラー部材15により、冷媒ガスのシリンダ2から
の吐出に伴って脈動音等の騒音が生じることを防止でき
る。
また、ブレードストッパ9をシリンダ2に固定する方
法として上述の方法のほかに、圧入や接着などが考えら
れる。そして、ブレードストッパ9をシリンダ2に圧入
する力が強過ぎるとブレードストッパに歪や変形が生じ
るということや、圧入する力が弱過ぎると運転中の遠心
力によりブレードストッパ9がシリンダ2から抜け落ち
るということ等が考えられる。
さらに、ブレードストッパ9をシリンダ2に接着した
場合には、長時間の信頼性が低くなる。
しかし、上述の圧縮機1では、マフラー部材15の一部
を利用してブレードストッパ9をシリンダ2に押付けて
いるから、ブレードストッパ9を確実に固定することが
できる。そして、圧入や接着などを行わずにブレードス
トッパ9を固定できるため、ブレードストッパ9の抜け
落ちを防止できるとともに、長時間の信頼性が高い。
さらに、マフラー部材を15をシリンダ2に装着するだ
けでブレードストッパの固定を行うことができるため、
ブレードストッパの固定作業が容易であり、組立性がよ
い。
第5図〜第13図は本発明の第3の実施例を示すもので
ある。そして、第5図〜第7図中の1は、例えば冷凍サ
イクル等に用いられる密閉式の流体圧縮機を示してお
り、1aはこの流体圧縮機に設けられ密閉ケース(図示し
ない)に収納された圧縮機構部を示している。
さらに、第5図〜第7図中に符号22で示すのは、シリ
ンダ2の吐出側に配置されたオルダム機構部である。こ
のオルダム機構部17は、吐出側の側面にキー23を有する
円板状の固定側オルダム24と、この固定側オルダム24の
吐出側の側面に沿うよう配置され矩形状のリング孔25a
を有するオルダムリング25とを備えている。
そして、オルダム機構部22は固定側オルダム24を、シ
リンダ2に径方向に螺合した固定ねじ26、26により、シ
リンダ2に固定されている。さらにオルダム機構部22
は、固定側オルダム23のキー23を、オルダムリング25の
キー溝27に噛み合わせている。そして、オルダム機構部
22は、ピストン6の吐出側軸部8を、固定側オルダム24
とオルダムリング25とに通過させており、吐出側軸部8
の断面矩形状の係合部28を、オルダムリング25のリング
孔25aに係合させている。
そして、オルダム機構部22は、オルダムリング25を固
定側オルダム24に対して矢印Aで示すようにスライドさ
せ、また、ピストン6をオルダムリング25に対して矢印
Bで示すようにスライドさせながら、例えばシリンダ2
の回転力をピストン6に伝達し、シリンダ2とピストン
6とを同期的に且つ相対的に回転させるようになってい
る。
さらに、オルダム機構部22には第1のブレードストッ
パ(以下、第1のストッパと称する)29が設けられてい
る。この第1のストッパ29は角柱状のもので、固定側オ
ルダム24の吸込側の側面に一定に垂設されている。そし
て、第1のストッパ29は、固定側オルダム24の外周縁部
に、且つ、キー23に対して裏側に位置している。
さらに、第1のストッパ29は、ピストン6の吐出側に
設けられピストン6の端面および外周面に開口する吐出
側凹陥部30に入り込んでいる。そして、第1のストッパ
29は、吐出側凹陥部30内に侵入したブレード7の吐出側
端部と対向しており、第7図中に示すようにブレード7
の吐出側縁面31を、その1つの側壁に当接させている。
また、第5図中に32で示すのは第2のブレードストッ
パ(以下、第2のストッパと称する)である。この第2
のストッパ32は、シリンダ2の吸込側に配置されてお
り、シリンダ2の内周面から略径方向に突出している。
そして、第2のストッパ32は、ピストン6の吸込側に設
けられピストン6の外周面に開口する吸込側凹陥部33に
入り込んでいる。そして、第2のストッパ32は、吸込側
凹陥部33に達したブレード7の吸込側端部と対向してお
り、ブレード7の吸込側端面を当接させるようになって
いる。
ここで、第1のストッパ29の外周面と吐出側凹陥部30
の壁面との間、および、第2のストッパ32の外周面と吸
込側凹陥部33の壁面との間には、シリンダ2とピストン
6との相対回転時に互いに接触を生じない程度の十分な
大きさのクリアランスが形成されている。
すなわち、このような圧縮機1は、ピストン6との相
対運動により生じる力や、冷媒ガスの吸込圧力と吐出圧
力との差圧、シリンダ7内の温度、および、ピストン6
とブレード7との間の摩擦力等によりブレード7が螺旋
状の溝内で移動しようとした場合に、ブレード7の端部
を第1および第2のストッパ29、32のいずれかに当接さ
せ、ブレード7にはたらいた力を第1および第2のスト
ッパ29、32によって受ける。
そして、ブレード7が吐出側へ移動しようとした時に
は第1のストッパ29によって、また、ブレード7が吸込
側へ移動しようとした時には第2のストッパ32によっ
て、ブレード7の変位を阻止する。
したがって、このような圧縮機1では、ブレード7の
吐出側および吸込側への移動をともに防止ぐことができ
るとともに、ブレード7の両端部とピストン6の溝の両
端部との接触を防止することができる。そして、移動を
原因とするブレード7の摩耗の発生を防止することがで
きる。さらに、ブレード7の吸込側への移動をも防止す
ることができるので、ブレード7の吐出側への移動のみ
を防止するものに比べて、耐久性および信頼性が高い。
また、シリンダ2とピストン6との回転力の伝達をオ
ルダム機構部22により行い、第1および第2のストッパ
29、32を両部材2、6間の回転力の伝達には利用してい
ないので、両ストッパ22、25に過大な荷重が加わるとい
うことがない。そして、このことによっても圧縮機1の
信頼性を向上させることができる。
さらに、第1のストッパ29をオルダム機構部22の固定
オルダム24に一体に設けているので、部品数を増やすこ
となく、ブレード7の吐出側への移動を防止することが
できる。
なお、本実施例では、オルダム機構部22をシリンダ7
の吐出側に配置しているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば、オルダム機構部15をシリンダ2
の吸込側に設け、第1のストッパ29によりブレード7の
吸込側への移動の防止を行うようにしてもよい。
さらに、本実施例では突起状の第1のストッパ29によ
ってブレード7の移動の防止を行っているが、例えば、
第14図に示すように、オルダム機構部22側に凹陥部34を
設け、この凹陥部34にブレード7の端部を係止させるよ
うにしてもよい。
また、ブレード7の各端部の端面および各ストッパ2
9、32の側面等の形状は平面状のみに限られず、例え
ば、第15図に示すように曲面状としてもよい。なお、ブ
レード7の各端部の端面および各ストッパ29、32の側面
等の形状を、十分な面接触を行えるよう互いに対応する
形状に設定することが望ましい。
なお、本発明の流体圧縮機は冷凍サイクル以外の用途
にも適用可能である。
[発明の効果] 以上説明したように請求項1の発明によれば、ブレー
ドの端部に当接させてブレードを位置決めするブレード
ストッパを設けたから、ブレードの移動を確実に規制し
て、ブレードの摩耗を防止する効果を奏する。
請求項2の発明によれば、シリンダの吐出側に位置し
てシリンダ内に突出するブレードストッパを設け、この
ブレードストッパに圧縮されたシリンダ内の作動流体を
シリンダの外部へ流出させる吐出孔を設けたから、突出
孔から過大な量の潤滑油を突出してしまうことを防いで
シリンダ内に十分な量の潤滑油を常に確保できる効果を
奏する。
請求項3の発明によれば、シリンダの吐出側に外装さ
れシリンダの外周面との間にブレードストッパの吐出孔
と連通する閉空間を形成するとともに、その一部をブレ
ードストッパに当接してシリンダに固定する包囲体を設
けたから、ブレードストッパをシリンダに対して容易か
つ確実に固定できる効果を奏する。
請求項4の発明によれば、回転体とシリンダとの間で
回転力の伝達を行うオルダム機構部を有し、シリンダの
吸込側と吐出側に配置されたブレードに当接してブレー
ドを位置決めする2つのブレードストッパを備え、少な
くとも一方のブレードストッパをオルダム機構部に一体
に設けたから、部品数を増やすことなくブレードの移動
を防止し、ブレードの摩耗を防止できる効果を奏する。
そして、これらのことによって本発明は、流体圧縮機
の耐久性および信頼性等を向上できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の第1の実施例の要部を示
すもので、第1図はシリンダの吐出側を示す側断面図、
第2図は第1図中のC−C線に沿った断面図、第3図お
よび第4図は本発明の第2の実施例を示すもので、第3
図は全体を概略的に示す側断面図、第4図は第3図中の
円Dで囲った部分の拡大図、第5図〜第13図は本発明の
第3の実施例を示すもので、第5図は圧縮機構部を概略
的に示す側断面図、第6図は第5図中のE−E線に沿っ
た断面図、第7図はオルダム機構部の周辺部を示す斜視
図、第8図は固定側オルダムを示す正面図、第9図は同
じく固定側オルダムを示す平面図、第10図は第9図中の
F−F線に沿った断面図、第11図はオルダムリングを示
す正面図、第12図は同じくオルダムリングを示す平面
図、第13図は第12図中のG−G線に沿った断面図、第14
図および第15図は本発明の第2の実施例の変形例を示す
説明図、第16図および第17図は従来例を示すもので、第
16図はシリンダの吐出側を示す側断面図、第17図は第16
図中のH−H線に沿った断面図である。 1……流体圧縮機、2……シリンダ、6……ピストン
(回転体)、7……ブレード、9……ブレードストッ
パ、12……吐出孔、15……吐出マフラー部材(包囲
体)、18……閉空間、22……オルダム機構部、29……第
1のブレードストッパ、32……第2のブレードストッ
パ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 卓也 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (56)参考文献 実開 昭61−51401(JP,U) 米国特許2527536(US,A) 米国特許2401189(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/30 - 18/352

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】螺旋状のブレードを巻装した回転体をシリ
    ンダ内に偏心配置し、上記回転体と上記シリンダとを相
    対的に回転させることにより作動流体を、上記シリンダ
    の軸方向に徐々に移送しながら圧縮する流体圧縮機にお
    いて、 上記ブレードの端部に当接させて上記ブレードを位置決
    めするブレードストッパを設けたことを特徴とする流体
    圧縮機。
  2. 【請求項2】シリンダの吐出側に位置してシリンダ内に
    突出するブレードストッパを設け、このブレードストッ
    パに圧縮されたシリンダ内の作動流体をシリンダの外部
    へ流出させる吐出孔を設けたことを特徴とする請求項
    (1)記載の流体圧縮機。
  3. 【請求項3】シリンダの吐出側に外装され上記シリンダ
    の外周面との間にブレードストッパの吐出孔と連通した
    閉空間を形成するとともに、その一部を上記ブレードス
    トッパに当接して上記ブレードストッパをシリンダに固
    定する包囲体を設けたことを特徴とする請求項(1)記
    載の流体圧縮機。
  4. 【請求項4】螺旋状のブレードを巻装した回転体をシリ
    ンダ内に偏心配置し、上記回転体と上記シリンダとの間
    で回転力の伝達を行うオルダム機構部を有し、上記回転
    体と上記シリンダとを相対的に回転させることにより作
    動流体を、上記シリンダの軸方向一端側に位置する吸込
    側から他端側に位置する吐出側へ徐々に移送しながら圧
    縮する流体圧縮機において、 上記シリンダの吸込側および吐出側とにそれぞれ配置さ
    れ上記ブレードの各端部に当接させて上記ブレードを位
    置決めする2つのブレードストッパを備えるとともに、
    少なくとも一方のブレードストッパを上記オルダム機構
    部に一体に設けたことを特徴とする流体圧縮機。
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