JP2928051B2 - 車両用警報装置 - Google Patents

車両用警報装置

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JP2928051B2
JP2928051B2 JP5126361A JP12636193A JP2928051B2 JP 2928051 B2 JP2928051 B2 JP 2928051B2 JP 5126361 A JP5126361 A JP 5126361A JP 12636193 A JP12636193 A JP 12636193A JP 2928051 B2 JP2928051 B2 JP 2928051B2
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  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用警報装置に係り、
特に、警報を発することによって先行車や障害物との衝
突を防止するための車両用警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先行車への追突等の事故を防止するため
に、ドライバに警報を発する警報装置としては、従来よ
り種種のものが提案されており、一例として特開昭59-1
05587号公報には、先行車との車間距離を検出し車間距
離が基準値よりも小さくなった場合に警報を発すると共
に、先行車との相対速度に応じて前記基準値を変更する
ようにした車両衝突警報装置が開示されている。また、
特開平4-304600号公報には、車間距離、自車の速度、先
行車の速度に基づいて将来の車間距離を予測し、危険な
状態となったか否かを判断するようにした走行状態判断
装置が示されている。
【0003】上記装置は、いずれも先行車との車間距離
の大小に基づいて危険を判断しており、例えば先行車が
減速していることにドライバが気付かずに車間距離が短
くなった等の場合に警報が発せられる。この警報によ
り、ドライバは車間距離が短くなった状態、すなわち先
行車に追突する危険度の高い状態を認識し、ブレーキ等
を操作して車両を減速することができるので、先行車に
追突する事故が発生することを防止できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
先行車が急減速した等の場合には、車間距離が検出可能
な所定量以上変化するまでに若干の時間遅れがある。従
って、車間距離に基づいて警報を発する上記装置では、
先行車が急減速を開始してから短時間で警報を発するこ
とが困難である、という問題があった。また、前記問題
を解消するために、例えば警報を発するしきい値として
の基準値を大きくすると、ドライバがまだ安全であると
判断している状況で警報が発せられることがあり、ドラ
イバに違和感を与えるという問題があった。
【0005】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、ドライバに違和感を与えることなく適切なタイミン
グで警報を発することができる車両用警報装置を得るこ
とが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、物体に対する自車の相対加速
度を検出する相対加速度検出手段と、自車と前記物体と
の距離を検出する距離検出手段と、ブレーキ操作による
減速が行われているか否か判定する判定手段と、所定値
以上の相対加速度で自車と物体とが相対的に近づいてお
り、かつ自車と物体との距離が所定値以下であり、かつ
ブレーキ操作による減速が行われていないと判定された
場合に警報を発する警報手段と、を含んで構成してい
る。
【0007】請求項2記載の発明は、物体に対する自車
の相対加速度を検出する相対加速度検出手段と、自車と
前記物体との相対速度を検出する相対速度検出手段と、
自車と前記物体との距離を検出する距離検出手段と、エ
ンジンブレーキによる減速が行なわれているか否か判定
する判定手段と、自車と物体との相対加速度が所定値未
満で、かつ自車と物体との距離が第1の所定値以下で、
かつ所定値以上の相対速度で自車と物体とが相対的に近
づいており、かつエンジンブレーキによる減速が行なわ
れていないと判定された場合、または自車と物体との相
対加速度が所定値未満で、かつ自車と物体との距離が前
記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下で、かつ
エンジンブレーキによる減速が行なわれていないと判定
された場合に警報を発する警報手段と、を含んで構成し
ている。
【0008】
【作用】以下、本発明の原理を説明する。なお、相対速
度及び相対加速度は、それぞれ自車と先行車とが近づく
方向を正とする。図1は先行車が接近を開始してから追
従車(自車)が減速を開始するまでの時間と、先行車と
自車との相対加速度との関係を示したものである。図1
から理解されるように、ドライバは、相対加速度が小さ
いときには、アクセルペダルから足を離す(スロットル
オフ)のみでブレーキペダルを踏み込む操作(ブレーキ
操作)を行なわずエンジンブレーキによって徐々に減速
させる期間を設け、不要なブレーキ操作を避けてしばら
く様子を見る。そして、車間距離が短くなるとブレーキ
を操作して減速させる。従って、相対加速度が小さい場
合には、スロットルをオフしエンジンブレーキを作動さ
せてからブレーキを操作するまでの時間tは長い。これ
に対し、相対加速度が大きいときには、スロットルオフ
及びブレーキ操作を即座に一連の動作として行なうの
で、前記時間tは短い。
【0009】また、図2の(A)及び(B)はブレーキ
圧と相対速度との関係、ブレーキ圧と相対加速度との関
係を時間経過に応じて示しており、矢印で示した位置は
ドライバによって減速が開始された時点を表している。
図2から理解されるように、相対加速度が大きいときに
は先行車と自車との相対速度が十分小さいにも拘わらず
減速を開始している。すなわち、ドライバは相対速度が
小さくとも相対加速度が大きい場合には直ちに減速動作
を開始することが理解できる。
【0010】また、図3は図2のように減速動作を開始
したときのブレーキの操作量を示すものである。図3
(A)及び(B)から理解されるように、ドライバは相
対速度が大きいにも拘わらず相対加速度が十分小さくな
ったA点でブレーキ圧の保持を開始している。これは、
緊急減速制御時にドライバが相対加速度を制御目標とし
ていることに他ならない。
【0011】このようなドライバの減速操作を考慮し、
請求項1記載の発明では、先行車や障害物等の物体に対
する自車の相対加速度及び自車と物体との距離を検出す
ると共に、ブレーキ操作による減速が行われているか否
かを判定し、所定値以上の相対加速度で自車と物体とが
相対的に近づいており、かつ自車と物体との距離が所定
値以下であり、かつブレーキ操作による減速が行われて
いないと判定された場合に警報を発するようにしてい
る。
【0012】従って、例えば先行車が急減速したり、ド
ライバが走行路上の障害物に気付かずに自車を急加速さ
せたり等の場合には、所定値以上の相対加速度で自車と
先行車、障害物等の物体とが相対的に近づくことにな
り、自車と物体との距離が所定値以下で、ブレーキ操作
が行われていなければ警報が発せられ、この警報に基づ
いてドライバは即座にブレーキ操作を行うことができ
る。このように緊急減速時にドライバが制御目標として
いる相対加速度に応じて警報を発するので、ドライバが
ブレーキ操作を行なうタイミングに略一致した適切なタ
イミングで警報が発せられ、ドライバに違和感を与える
ことはない。
【0013】なお、本発明でも従来と同様に、自車と物
体との距離を検出し距離が所定値よりも大きい場合には
警報を発しないが、これは所定値以上の相対加速度で自
車に近づいている物体が非常に遠方にある場合にはすぐ
に衝突する危険はなく、このような場合に不必要に警報
を発しないためのものである。従って従来技術のように
距離のしきい値(所定値)の大小によって警報を発する
タイミングが大きく異なることはない。
【0014】ところで、相対加速度が所定値未満であっ
ても、例えば一定速度で物体に近づいている場合(相対
加速度は「0」)や、相対加速度は所定値未満であるが
車間距離が短い等の場合は、物体に衝突する危険度は比
較的高く、図1からも明らかなように、通常の場合(ド
ライバが前記危険度の比較的高い状態を認識している場
合)にはエンジンブレーキによる車両の減速が行なわれ
る。
【0015】このため請求項2記載の発明では、先行車
や障害物等の物体に対する自車の相対加速度、自車と物
体との相対速度及び自車と物体との距離を検出すると共
に、エンジンブレーキによる減速が行なわれているか否
かを判定し、自車と物体との相対加速度が所定値未満
で、かつ自車と物体との距離が第1の所定値以下で、か
つ所定値以上の相対速度で自車と物体とが相対的に近づ
いており、かつエンジンブレーキによる減速が行なわれ
ていないと判定された場合、または自車と物体との相対
加速度が所定値未満で、かつ自車と物体との距離が前記
第1の所定値よりも小さい第2の所定値以下で、かつエ
ンジンブレーキによる減速が行なわれていないと判定さ
れた場合に警報を発するようにしている。
【0016】これにより、相対加速度が所定値未満であ
っても、比較的大きな相対速度で物体に近づいている場
合や、物体との距離が比較的短い場合、すなわち前記物
体に衝突する危険度が比較的高く、少なくともエンジン
ブレーキによって自車を減速させる必要のある場合に警
報が発せられるので、ドライバに違和感を与えることな
く適切なタイミングで警報を発することができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図4には本実施例に係る車両用警報装置10が示
されている。車両用警報装置10は図示しない車両に取
付けられており、先行車と自車との車間距離を検出する
車間距離検出手段12と、自車の速度を検出する車速検
出手段14と、を備えている。車間距離検出手段12と
しては、例えばレーザ距離計を用いることができる。ま
た、自車の前方の状況を撮像して得た画像中の先行車の
位置に基づいて車間距離を検出するようにしてもよい。
また、車速検出手段14としては車両に取付けられてい
るスピードセンサ等を適用することができる。
【0018】車間距離検出手段12及び車速検出手段1
4は、マイクロコンピュータ等で構成された制御手段1
6に接続されている。制御手段16には、警報ランプや
ブザー等を備えドライバに警報を発するための警報手段
18と、自車のスロットル開度を検出するスロットル開
度検出手段20と、ブレーキの操作が行なわれているか
否かを検出するブレーキ操作検出手段22と、が接続さ
れている。なお、スロットル開度検出手段20としては
スロットルポジションセンサ等を適用することができ、
ブレーキ操作検出手段22としてはブレーキペダルが踏
まれか否かでオンオフするストップランプスイッチ等を
適用することができる。
【0019】制御手段16は、車間距離検出手段12に
よって検出された先行車と自車との車間距離に基づい
て、先行車と自車との相対速度及び相対加速度を演算す
ると共に、演算結果及びスロットル開度検出手段20、
ブレーキ操作検出手段22の検出結果に基づいて警報手
段18の作動を制御する。
【0020】次に図5のフローチャートを参照して本実
施例の作用を説明する。なお図5のフローチャートは、
車両のイグニッションスイッチがオンされると制御手段
16において実行される。ステップ100では自車の前
方に先行車が有るか否か判定する。ステップ100の判
定が肯定された場合には、ステップ102へ移行し車間
距離検出手段12に自車と先行車との車間距離の検出を
行うよう指示し、検出された車間距離HWを取り込む。
【0021】次のステップ104では、車速検出手段1
4で検出された自車の車速Vx を取り込む。ステップ1
06では先行車との車間距離HWが所定値L0 よりも小
さいか否か判定する。所定値L0 は自車が先行車に対し
て追従走行する状態に入る車間距離のしきい値に対応す
る基準値である。前記しきい値は自車の車速に応じて変
化するので、所定値L0 は予め定められた車速Vx と所
定値L0 との関係(一例として図6参照)に基づいて設
定され、車速Vx に応じて値が変更されることになる。
【0022】ステップ106の判定が否定された場合に
は、先行車との相対加速度が大きいとしても衝突の危険
度は低いので、以下で説明する警報を発生させるか否か
の判断を行うことなくステップ100へ戻る。一方、ス
テップ106の判定が肯定された場合には、ステップ1
08で、今回検出した車間距離HWi と前回検出した車
間距離HWi-1 との差、等に基づいて、先行車との相対
速度V、先行車との相対加速度Gを演算する。
【0023】ステップ110では、ステップ108で演
算した相対加速度Gが、符号が正(自車と先行車とが近
づく方向)でかつ十分大きな値の所定値G0 以上か否か
判定する。なお所定値G0 はドライバが検知可能な相対
加速度の最小値に基づいて定められており、一例として
0.1〜0.2 G程度の値が設定される。ステップ110の
判定が肯定された場合には、所定値以上の相対加速度で
自車と先行車とが相対的に近づいており、速やかにブレ
ーキを操作することが必要な状況にあると判断できる。
【0024】このため、ステップ112でブレーキ操作
検出手段22の検出結果に基づいてブレーキの操作が行
われているか否か判定し、ステップ112の判定が否定
された場合には前記状況をドライバが認識していないと
判断し、ステップ114で警報手段18を作動させ、警
報手段18の警報ランプを点灯させると共にブザーを鳴
動させる。これにより、ドライバは前記状況を認識して
即座にブレーキを操作して車両を減速させることがで
き、先行車へ追突することが防止される。なお、既にブ
レーキの操作が行われている場合にはステップ112の
判定が肯定され、警報を発生させることなくステップ1
00へ戻る。
【0025】一方、ステップ110の判定が否定された
場合にはステップ116へ移行し、相対速度Vの符号が
正(自車と先行車とが近づく方向)で、かつ先行車との
相対速度Vが所定値V0 以上か否か判定する。なお、所
定値V0 はドライバが検知可能な相対速度の最小値に基
づいて定められており、一例として5〜10 km/hr程度の
値が設定される。ステップ116の判定が肯定された場
合にはステップ120へ移行する。
【0026】またステップ116の判定が否定された場
合には、ステップ118で先行車との車間距離HWが所
定値L1 よりも小さいか否か判定する。なお、所定値L
1 は前述の所定値L0 よりも小さい値とされており、所
定値L0 −所定値L1 がドライバが検知可能な車間距離
の変化量の最小値にほぼ一致するように定められてい
る。従って、所定値L1 も車速Vx に応じて値が変更さ
れる。一般に、ドライバが検知可能な車間距離の変化量
の最小値は、元の車間距離の5〜20%程度であることが
知られている。例えば、元の車間距離が30mの場合には
ドライバが検知可能な車間距離変化の最小値は 1.5〜6
m程度となる。従って所定値L1 には24〜28.5m程度の
値が設定される。ステップ118の判定が否定された場
合にはステップ100へ戻るが、判定が肯定された場合
にはステップ120へ移行する。
【0027】上述のように、ステップ120へ移行する
のはステップ116の判定が肯定された場合、すなわち
先行車との相対加速度が所定値G0 未満であるものの所
定値V0 以上の相対速度で先行車と近づいている場合、
またはステップ118の判定が肯定された場合、すなわ
ち車間距離HWが所定値L1 よりも小さい場合であり、
このような場合には少なくともエンジンブレーキによっ
て車両速度を減速させることが必要な状況であると判断
できる。
【0028】このため、ステップ120ではスロットル
開度検出手段20の検出結果に基づいてスロットルがオ
フとなっているか否か、すなわちエンジンブレーキによ
って微減速している状態か否か判定する。ステップ12
0の判定が否定された場合には、前記状況をドライバが
認識していないと判断し、ステップ114で警報手段1
8を作動させ、警報手段18の警報ランプを点灯させる
と共にブザーを鳴動させる。これにより、ドライバは前
記状況を認識し、スロットルをオフしてエンジンブレー
キによって車両を微減速させることができ、先行車へ追
突する危険度の高い状態に陥ることが防止される。
【0029】なお、ステップ114で発するブレーキ操
作を促すための警報と、ステップ122で発するエンジ
ンブレーキによる減速を促すための警報と、では緊急度
が異なる(ブレーキ操作を促すための警報の方が緊急度
が高い)ので、例えば点灯させる警報ランプの数や色を
変更したり、ブザーの音量や音色を変更する等によっ
て、緊急度の度合いや必要とされる操作(ブレーキ操作
かスロットルオフか)をドライバに伝達するようにして
もよい。
【0030】また、ステップ120の判定が肯定された
場合にはステップ124へ移行し、先行車との車間距離
HWが所定値L2 よりも小さいか否か判定する。なお、
所定値L2 はドライバがブレーキ操作を保留する車間距
離の限界値に対応する基準値であり、所定値L1 よりも
小さい値(すなわち、L>L1 >L2 )となる。前記車
間距離の限界値についても自車の車速等に応じて変化す
るので、所定値L2 は、先行車が接近した場合の衝突危
険度を考慮して予め定められた車速Vx と所定値L2
の関係(一例として図7参照)に基づいて設定され、車
速Vx に応じて値が変更されることになる。
【0031】ステップ124の判定が否定された場合に
はステップ100へ戻るが、判定が肯定された場合は、
先行車との相対加速度は所定値G0 よりも小さいものの
車間距離HWがかなり小さく、エンジンブレーキによる
減速では不十分であると判断できる。このため、ステッ
プ112へ移行して前記と同様にブレーキの操作が行わ
れているか否か判定し、判定が否定された場合には警報
手段を作動させる。
【0032】以上説明した、車間距離HW、相対速度
V、相対加速度Gと、警報の発生の判定と、の関係を模
式的に図8に示す。本実施例では図8の「減速領域」及
び「微減速領域」であると判定した場合に警報を発生す
る。なお、所定値L1 及び所定値L2 の大きさは前述の
ように車速Vx に応じて変化する。また、車間距離HW
が所定値L0 よりも小さい領域(「減速領域」、「微減
速領域」及び「追従領域」から成る領域)は、ドライバ
が先行車との車間距離に応じて車速を制御する運転を行
なうと推定される領域であるが、相対加速度G及び相対
速度Vが比較的小さく、かつ車間距離HWが比較的大き
い「追従領域」では、危険度が小さいので警報は発して
いない。
【0033】なお、本実施例では所定値L0 の値を設定
するにあたり、図6に示すように車速Vx に対して所定
値L0 が直線的に変化する関係を用いていたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば車速Vx の増
加に対して所定値L0 が単純増加しかつ曲線的に変化す
る関係を用いて値を設定してもよい。また、上記のよう
な関係を用いて求めた所定値L0 を、例えば過去の平均
車間距離等に応じて補正するようにしてもよい。
【0034】また、所定値L2 についても図7に示す関
係を用いて値を設定することに限定されるものではな
く、前記と同様に車速Vx の増加に対して所定値L2
単純増加しかつ曲線的に変化する関係を用いて値を設定
してもよい。また、相対速度Vに応じて所定値L2 の値
を修正するようにしてもよい。すなわち、 L2m=L2 +ΔL2(V) ・・(1) 但し、L2mは修正後の値、ΔL2 は修正値であり、この
修正後の値L2mを用いて前述のステップ124の判定を
行なうようにしてもよい。修正値ΔL2 は、一例として
図9に示すような相対速度Vと修正値ΔL2 との関係を
用いて求めることができる。なお、(1)式の所定値L
2 を、図7に示す関係等に基づいて車速V x に応じて値
を変更してもよいことは言うまでもない。
【0035】さらに、ドライバがブレーキ操作を保留す
る車間距離の限界値は、走行路の混雑状況や走行路上の
平均的な車両の流れの速度等の周囲状況によっても変化
し、例えば混雑した高速道路では 100km/hr で走行して
いる車両の前記限界値が10m程度になることもある。こ
のため、前記所定値L2 についても周囲状況に応じてさ
らに値を修正するようにしてもよい。
【0036】また、ブレーキ操作を行なう必要がある
か、スロットルをオフしてエンジンブレーキによって減
速する必要があるか、減速判定を行なう必要がないか等
の判定をファジイ推論によって行なうようにしてもよ
い。このファジイ推論は、一例として相対加速度G、車
間距離HW、相対速度V、車速Vx を入力とし、各入力
の予め定められた複数のファジイルールの各々に対する
適合度を、図10(A)に示すように各入力毎に定めた
前件部のメンバシップ関数によって求める。ファジイル
ールとしては、 ルール1 if 相対加速度=大きい then ブレーキ操作 ルール2 if 相対加速度=適度 and if 相対速度=やや大きい and if 車間距離=やや小さい then スロットルオフ 等のように「ブレーキ操作」または「スロットルオフ」
または「減速判定なし」のいずれかを指示するルールを
用いることができる。次に、各ルールの指示を各ルール
の適合度に応じて重み付けして平均値を算出する処理
を、図10(B)に示すような後件部のメンバシップ関
数を用いて行なうことで実現できる。
【0037】さらに、上記では制御手段16としてマイ
クロコンピュータを用いた例について説明したが、マイ
クロコンピュータに代えて入力層、中間層及び出力層か
ら成るニューラルネットワーク(一例として図11参
照)を用いてもよい。この場合には相対加速度、相対速
度、車間距離、自車速の各データを入力層の各ニューロ
ンに入力し、出力層から制御目標としてスロットルオ
フ、ブレーキ操作の必要性を出力するニューラルネット
ワークを構成する。ニューラルネットワークとしては予
め適切な学習を施したものを用いてもよいが、車両用警
報装置10を稼働させていない状態で、ドライバが実際
に行なうスロットル、ブレーキの操作量を規範出力と
し、相対加速度、相対速度、車間距離、自車速を入力と
して学習させるようにしてもよい。
【0038】また、本実施例では相対速度及び相対加速
度を、車間距離から演算することによって間接的に検出
するようにしていたが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、ドップラーレーダー距離計等を用いて車間距
離及び相対速度を直接検出すると共に、検出した相対速
度から微分等の演算によって相対加速度を間接的に検出
することも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、先行車や障害物等の物体に対する自車の相対加速度
及び自車と物体との距離を検出すると共に、ブレーキ操
作による減速が行われているか否かを判定し、所定値以
上の相対加速度で自車と物体とが相対的に近づいてお
り、かつ自車と物体との距離が所定値以下であり、かつ
ブレーキ操作による減速が行われていないと判定された
場合に警報を発するようにしたので、ドライバに違和感
を与えることなく適切なタイミングで警報を発すること
ができる、という優れた効果が得られる。
【0040】請求項2記載の発明は、先行車や障害物等
の物体に対する自車の相対加速度、自車と物体との相対
速度及び自車と物体との距離を検出すると共に、エンジ
ンブレーキによる減速が行なわれているか否かを判定
し、自車と物体との相対加速度が所定値未満で、かつ自
車と物体との距離が第1の所定値以下で、かつ所定値以
上の相対速度で自車と物体とが相対的に近づいており、
かつエンジンブレーキによる減速が行なわれていないと
判定された場合、または自車と物体との相対加速度が所
定値未満で、かつ自車と物体との距離が第1の所定値よ
りも小さい第2の所定値以下で、かつエンジンブレーキ
による減速が行なわれていないと判定された場合に警報
を発するようにしたので、ドライバに違和感を与えるこ
となく適切なタイミングで警報を発することができる、
という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための、物体との相対
加速度と、エンジンブレーキによる減速及びブレーキ操
作による減速を開始するタイミングと、の関係を示す線
図である。
【図2】(A)はブレーキ圧と相対速度との関係、
(B)はブレーキ圧と相対加速度との関係を示す線図で
ある。
【図3】(A)はブレーキ圧と相対速度との関係、
(B)はブレーキ圧と相対加速度との関係を示す線図で
ある。
【図4】本実施例に係る車両用警報装置の概略構成を示
すブロック図である。
【図5】本実施例の作用を説明するフローチャートであ
る。
【図6】自車速度と、車間距離の基準値としての所定値
0 と、の関係を示す線図である。
【図7】自車速度と、車間距離の基準値としての所定値
2 と、の関係を示す線図である。
【図8】車間距離HW、相対速度V、相対加速度Gと、
警報の発生の判定と、の関係を模式的に示す概念図であ
る。
【図9】先行車との相対速度と、所定値L2 の修正量Δ
2 と、との関係を示す線図である。
【図10】本発明の他の例として、警報を発生するか否
かの判定をファジイ推論によって行なう場合の、(A)
は前件部のメンバシップ関数の一例、(B)は後件部の
メンバシップ関数の一例を示す線図である。
【図11】本発明の他の例として、ニューラルネットワ
ークを用いて警報を発生するか否かの判定を行なう場合
の、ニューラルネットワークの構成の一例を示す概念図
である。
【符号の説明】
10 車両用警報装置 12 車間距離検出手段 16 制御手段 18 警報手段 20 スロットル開度検出手段 22 ブレーキ操作検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水越 雅司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 重松 崇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−20600(JP,A) 特開 平4−236700(JP,A) 特開 平2−70536(JP,A) 特開 昭61−6033(JP,A) 特開 平4−372100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G08G 1/16 B60K 28/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に対する自車の相対加速度を検出す
    る相対加速度検出手段と、 自車と前記物体との距離を検出する距離検出手段と、 ブレーキ操作による減速が行われているか否か判定する
    判定手段と、 所定値以上の相対加速度で自車と物体とが相対的に近づ
    いており、かつ自車と物体との距離が所定値以下であ
    り、かつブレーキ操作による減速が行われていないと判
    定された場合に警報を発する警報手段と、 を含む車両用警報装置。
  2. 【請求項2】 物体に対する自車の相対加速度を検出す
    る相対加速度検出手段と、 自車と前記物体との相対速度を検出する相対速度検出手
    段と、 自車と前記物体との距離を検出する距離検出手段と、 エンジンブレーキによる減速が行なわれているか否か判
    定する判定手段と、 自車と物体との相対加速度が所定値未満で、かつ自車と
    物体との距離が第1の所定値以下で、かつ所定値以上の
    相対速度で自車と物体とが相対的に近づいており、かつ
    エンジンブレーキによる減速が行なわれていないと判定
    された場合、または自車と物体との相対加速度が所定値
    未満で、かつ自車と物体との距離が前記第1の所定値よ
    りも小さい第2の所定値以下で、かつエンジンブレーキ
    による減速が行なわれていないと判定された場合に警報
    を発する警報手段と、 を含む車両用警報装置。
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