JP2926099B2 - 自然音再生装置 - Google Patents

自然音再生装置

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JP2926099B2
JP2926099B2 JP1173642A JP17364289A JP2926099B2 JP 2926099 B2 JP2926099 B2 JP 2926099B2 JP 1173642 A JP1173642 A JP 1173642A JP 17364289 A JP17364289 A JP 17364289A JP 2926099 B2 JP2926099 B2 JP 2926099B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オフィス等におけるテクノストレスの緩
和、リラクゼーション空間の創成に用いる自然音再生装
置に関し、特に、間欠的な自然音と定常的な自然音とを
組み合わせて再生可能な自然音再生装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、生活空間に入り込んでいる音には、人の声や
車の音等、個々の音が集積され背景的なざわめきとして
聞こえてくる人為的な音と、小川のせせらぎの音や風の
音、波の音、虫の鳴き声、鳥の鳴き声等の自然音、さら
には人工的に生成される雑音、「環境音楽」、BGM等が
ある。これらの音は、例えば精神的にストレスを与え、
或いは集中力を失わせるものもあるが、精神的にリラッ
クスさせるものもあり、環境や内容によって精神面に与
える影響は様々である。
従来、オフィス等では、作業者の緊張緩和や気分転
換、能率向上を目的として「環境音楽」、BGMが用いら
れている。また、オフィスにおけるOA機器騒音、会話、
電話騒音などのマスキング、ホテル、集合住宅などにお
ける隣接住戸騒音のマスキングを目的として定常雑音が
用いられている。
すなわち、室内空間等では、従来より外からの騒音を
遮断したり、吸音材を使って内部での有害な反響音をな
くして使用目的に応じた空間を作り出す工夫が行われて
いた。しかし、単に外部からの騒音を遮断し、或いは有
害な反響をなくすようにしただけでは、必ずしも使用目
的にあった室内空間をつくることも、また快適な空間を
つくることもできない場合がある。そこで、音を消すの
ではなく、逆に積極的に出して外部騒音をマスクしよう
としたり、作業能率の向上を図ろうとするのがBGMであ
る。しかし、BGMは、メロディが特定の感性に結びつい
ているため、万人に共通の効果を期待することは難し
く、人によって好き嫌いがある。また、メロディに気を
とられて仕事に集中できないという問題があって、不変
的に大部分の人に受け入れられるようにはならない。人
工定常雑音は、このようなメロディをなくし、無意味な
音を再生しようとするものであるが、これは、マクロな
変動が少ないため、やがてうるさく感じられてくるとい
う問題がある。
振幅や周波数、発生タイミング等、ある物理量が時間
の経過とともに変動する現象を「ゆらぎ」と呼んでいる
が、ある種の音楽や自然音が人をリラックスさせる効果
を持つのは、この「ゆらぎ」と深い関わりを持つことが
知られている。すなわち、自然音には、不規則性があ
り、例えば小川のせせらぎの音やこおろぎの鳴き声に
も、音の大きさ、音の高低、発生タイミング等に変動
(ゆらぎ)があり、しかも繰り返すことのないものであ
る。このことから近年BGMの持つ上記の問題を回避した
環境音を創成する一つの方法として、意味情報を持たな
い雑音に、人間にとって馴染みのよい音量感の変化、す
なわち「振幅ゆらぎ」を与える試みが行われている。
「ゆらぎ特性」として、自然界に広く存在する1/f特
性、すなわち「ゆらぎの大きさがゆらぎの周波数に逆比
例する性質」を採用した「振幅ゆらぎ雑音」は、室内等
における音環境改善に有用であることが見出されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように「環境音楽」の場合には、時間の経過と
ともにその音楽的要素、例えばメロディーやリズム等の
意味情報が強く意識されるようになるため、やがて不快
となって用いられなくなるケースが多い。さらに「環境
音楽」は、一般的に磁気テープ等の物理的媒体を介して
繰り返し再生されることになるため、その周期を人間が
感じ取り、かえって逆効果となることが少なくない。
そこで、「環境音楽」のなかにはメロディーやリズム
をできるだけ強調しないように作られているものもある
が、人間がある意図で創作したものであるために、意味
情報であるメロディーやリズムの抑制には自ら限度が生
じる。
また、「自然音」の場合には、特定の意味情報を持た
ないという点で、音響付加の音源として適しているとい
えることから、「自然音」を自然環境の中で収録しその
まま室内で室内環境音として利用する場合、繰り返し再
生する方法もとられるが、音環境制御に適した条件の自
然音を長時間にわたって収録することは、自然現象の継
続性の問題等から困難である。しかも、磁気テープ等の
記録媒体の容量からみても、音声周波数帯域全体をカバ
ーしようとすると、現状では2時間程度の記録が限界と
なる。そのため、この時間的な限界を越えると、同じ音
源を繰り返し再生する方法が用いられることになる。と
ころが、大脳処理系も含めた人間の聴覚には、数時間、
或いはそれ以上の周期を察知する能力があるため、長時
間繰り返し再生した場合にも、やがて特定のパターンが
意識されるようになり、不快になってくるという問題が
ある。
また、環境音楽の欠点を補うものとして、意味情報を
持たない定常雑音の利用が考えられているが、この定常
雑音は、たとえ小音量で再生されても、マクロ的な変動
が少ないため、時間がたつにつれ、やがてうるさく感じ
られるようになる。つまり、単調すぎるという欠点があ
る。
さらに、「振幅ゆらぎ雑音」も、音楽、自然音等の中
に広く含まれている「音の高低感や音色の変動」、すな
わち「周波数ゆらぎ」を含んでいないため単調であり、
また、振幅の小さな過程で、有害音をマスキングする効
果が減少するなどの欠点を持っている。「振幅ゆらぎ雑
音」のこうした、限界、欠点を補うためには、何らかの
方法で「周波数ゆらぎ」の性質を導入することが有効と
言えるが、現在までのところ、そのための有効且つ具体
的な方法は提案されていない。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、定常
的な自然音や間欠的な自然音、さらにはこれらが重畳し
た自然音等、多様な自然音を再生することができる自然
音再生装置の提供を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
そのために本発明は、少なくとも1つの間欠自然音発
生手段(1)、少なくとも1つの定常自然音発生手段
(2)、合成手段(3−7)を備える自然音再生装置で
あって、間欠自然音発生手段(1)は、間欠音素材デー
タ記憶手段(12)、第1制御手段、第1再生手段を備
え、間欠音素材データ記憶手段(12)は、間欠音素材デ
ータを複数記憶し、第1制御手段は、第1制御データを
第1再生手段(13)に出力し、第1制御データは、間欠
音素材データを指定する間欠音素材選択データ、その発
生タイミングを指定する発生タイミングデータからな
り、第1再生手段は、第1制御データに基づいて指定さ
れた間欠音素材データを指定された発生タイミングにて
間欠音を出力し、定常自然音発生手段(2)は、定常音
素材データ記憶手段(15)、第2制御手段、第2再生手
段を備え、定常音素材データ記憶手段(15)は、同一種
類の定常音素材データを複数記憶し、第2制御手段は、
第2制御データを第2再生手段に出力し、第2制御デー
タは、定常音素材データを指定する定常音素材選択デー
タ、その継続時間を指定する継続時間データからなり、
第2再生手段は、第2制御データに基づいて指定された
定常音素材データを指定された継続時間にて順次連結接
続して定常音を出力し、合成手段(3−7)は、間欠自
然音発生手段(1)の間欠音と定常自然音発生手段
(2)の定常音を合成して出力することを特徴とする。
〔作用〕
本発明の自然音再生装置では、自然の実態に則して選
択する音素材データと発生タイミングを制御して間欠的
な自然音を再生し、また、同様に選択する音素材データ
と継続時間を制御して定常的な自然音を再生すると共
に、これらを合成するので、聴感上自然音と等価な環境
音を創成することができる。しかも、異なる種類の自然
音発生手段を用意することにより、様々な環境に対応し
た環境音を簡便に創成することができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
第1図は本発明に係る自然音再生装置の1実施例構成
を示す図、第2図は間欠自然音発生部のデータおよび再
生信号の例を示す図、第3図は定常自然音発生装置のデ
ータおよび再生信号の例を示す図、第4図はゲート部の
時間窓と動作タイミングを説明するための図である。
第1図において、間欠自然音発生部1は、単独で間欠
的な自然音と聴感上等価な環境音を再生するものであ
り、定常自然音発生部2は、定常的な自然音と聴感上等
価な環境音を再生するものである。合成部7は、間欠自
然音発生部1で再生し音質調整器3、音量調整器4で音
質および適切なレベルバランスに調整した間欠的な環境
音と、定常自然音発生部2で再生し音質調整器5、音量
調整器6で音質および適切なレベルバランスに調整した
定常的な環境音とをミキシングして出力するものであ
る。
間欠自然音発生部1は、例えば第2図(a)に示すよ
うな同一種類でかつ異なる間欠的な自然音の音素材デー
タを音素材メモリ12に複数個記憶し、制御データとして
第2図に示すような自然の実態に則した音素材選択デー
タと発生タイミングデータ(継続時間データ)を制御デ
ータ発生部11に有する。そして、制御データ発生部11の
音素材選択データにより音素材メモリ12から音素材デー
タを順次選択して読み出しバッファメモリ13に格納し、
発生タイミングデータにより自然の実態に則したタイミ
ングでバッファメモリ13に格納した音素材データを読み
出して第2図(c)に示すように間欠的に自然音と等価
な環境音として再生する。
定常自然音発生部2は、例えば第3図(a)に示すよ
うな同一種類でかつ異なる定常的な自然音の音素材デー
タを音素材メモリ15に複数個記憶し、制御データとして
第3図(b)に示すような音素材選択データと継続時間
データを制御データ発生部14に有する。そして、制御デ
ータ発生部14の音素材選択データにより音素材メモリ15
から順次音素材データを選択して読み出し第4図(b)
に示すようにバッファメモリ部16の2つのバッファメモ
リA、Bに交互に格納する。2つのバッファメモリA、
Bに格納された音素材データは、継続時間データにより
読み出しゲート部17の2つのゲートA、Bで適当な傾斜
と継続時間を持った時間窓(ゲート)をかけて順次連結
し第3図(c)に示すような連続する定常的な自然音と
等価な環境音として再生する。
定常自然音発生部2において、音素材メモリ15は、複
数個の短時間(秒オーダー)、同一種類の音素材を記憶
したものであり、あるアルゴリズムに従った音素材選択
データと、継続時間のデータ(発生タイミングデータ)
に従って順次再生されるが、このとき連続する2つのデ
ータをどのようにして結合するかという問題が生じてく
る。すなわち、2つの定常的な音を結合する場合、特に
処理を行わないでそのまま結合すると、レベルの不連続
性が生じ、人間にとって必ず何らかの違和感を生じさせ
ることとなる。
そのため本発明では、ゲート部17で第4図(a)に示
すように台形型の時間窓(ゲート)を音素材にかけ、2
つの時間窓をかけた音素材が−3dBの位置で交差するよ
うに発生タイミングを調整することによって、聴感上は
連続した1つの定常音が発生しているように感じさせる
処理を行う。すなわち、互いに無相関で同じレベル(Ld
B)の2つの音を合成すると、合成された音のレベルは
(L+3)dBとなる。そこで、定常的な部分を0dBとし
て、そこから−3dBのところで合成することによって結
果的に合成された部分を0dBとする。なお、継続時間
は、立ち上がりの−3dB点から、立ち下がりの−3dB点ま
での時間とする。
上記のようにして間欠自然音発生部1、定常自然音発
生部2でそれぞれ再生された間欠的な環境音と定常的な
環境音を合成して出力することによって、限られた時間
のしかも少ない自然音素材を使って、極めて長時間にわ
たって、繰り返すことのない、自然音と聴感上等価な環
境音を創成することができる。
自然音は、上記のように大きく分けて次の2つのもの
からなる。
単独で、時間的に間欠して発生する間欠的な自然音 例えばコオロギその他の虫の鳴き声、鳥の鳴き声、大
波の音、単独の蛙の鳴き声等 定常的に発生する定常的な自然音 例えば小川のせせらぎの音、群れで鳴く虫の声、潮
騒、雨の音等 第5図は1例として熊本県の阿蘇国立公園内の高原で
収録した自然環境音のレベルの時間変化を示した図であ
る。この中で比較的高レベルで間欠的に発生しているの
は、単独で鳴いているこおろぎの鳴き声であり、低レベ
ルで定常的に発生している音は、群れで鳴いているきり
ぎりすの鳴き声や、風によって草木がさざめいて発生し
ている音などである。
本発明は、自然音を上記のような2つのグループに分
け、それぞれのグループの自然音を自然の実態に則して
再生し、合成することによって、第5図に示すような間
欠音と定常音が混在する自然環境音と聴感上等価な環境
音を創成するものである。
さらに、間欠自然音発生部、定常自然音発生部につい
て詳述する。
第6図は間欠自然音発生部の構成例を示す図、第7図
は間欠自然音発生部の動作を説明するための図、第8図
は定常自然音発生部の構成例および信号の流れを示す図
である。
まず、間欠自然音発生部に適用される構成例として本
出願人が既に別途出願した自然音再生装置(特開平3−
12698号公報)について説明する。
第6図において、音素材記憶部Aは、デジタル化され
た複数の自然音素材データを格納するメモリ21と再生の
ためにメモリ21から選択された音素材データを格納する
バッファメモリ22からなり、複数の自然音素材を記憶し
ておくものである。音素材選択部Bは、選択データ記憶
装置24と素材選択信号制御装置23からなり、メモリ21に
記憶された複数の音素材の選択データを生成して蓄える
と共に、音素材の選択制御を行うものである。選択デー
タ記憶装置24は、選択データとして乱数表等を記憶して
おくものであり、素材選択信号制御装置23は、選択デー
タ記憶装置24で発生したデータに演算を行い、そのデー
タに基づきメモリ21の制御信号を発生するものである。
発生タイミング制御部Cは、タイミング制御装置25、時
系列データ変換装置26、A/D変換器27、ローパスフィル
タ28、RMS回路29、ゆらぎ雑音発生装置30からなり、自
然音の発生タイミングを制御するデータを生成して蓄え
ると共に、自然音発生の制御を行うものである。ゆらぎ
雑音発生装置30は、1/fゆらぎ特性を持つ雑音を発生さ
せるものであり、RMS回路29は、その雑音を実効値に変
換するものであり、ローパスフィルタ28は、RMS回路29
の出力のうち低い周波数成分の例えば第7図(a)に示
すような振幅ゆらぎ信号を得るものである。そして、A/
D変換器27は、ローパスフィルタ28の出力をデジタル信
号に変換し、時系列データ変換装置26は、デジタルデー
タに演算を行って発生時間間隔の時系列データに変換
し、タイミング制御装置25は、時系列データを記憶して
そのデータに基づいてバッファメモリ22と素材選択信号
制御装置23にトリガ信号を送るものである。
また、外部に接続されたマイクロフォン31、アンプ3
2、A/D変換器33は、メモリ21に格納する自然音素材を採
取する回路である。
次に、動作を説明する。
第7図(b)は振幅ゆらぎ信号に対する演算の内容を
説明するための図、同図(c)は発生時間間隔(発生タ
イミング)データの例を示す図である。
まず、装置の動作を開始すると、前準備として発生タ
イミングデータの生成が行われる。この発生タイミング
データの生成の手順は、 ゆらぎ雑音発生装置13で発生したゆらぎ成分を持つ
雑音信号に対してRMS回路29、ローパスフィルタ28によ
り所定の処理を行い、第7図(a)に示すような振幅ゆ
らぎ信号を得てA/D変換器27により時刻(サンプル番
号)毎にデジタル信号への変換を行う。
そして、時系列データ変換装置26により所定の再生
時間間隔の範囲に応じた基準化と演算を行い、デジタル
信号を発生タイミング(発生時間間隔)データに変換
し、タイミング制御装置25に記憶する。例えば第7図
(a)に示す振幅ゆらぎ信号の場合には、演算として第
7図(b)に示すように各時刻(サンプル番号)毎に規
準化した音の大きさ(E)に対して所定の定数α(=5s
ec)を乗じ、このE×αの値を第7図(c)に示すよう
に発生時間間隔(発生タイミング)のデータΔt(se
c)とする。
以上の前準備が終了すると、以下の手順で再生を行
う。
音素材選択の1番目のデータに基づき、メモリ21の
中の音素材データを選択し、バッファメモリ22に送る。
発生タイミングの1番目のデータに基づく時間の
後、タイミング制御装置25でトリガ信号を発生する。
トリガ信号によってバッファメモリ22上のデータを
出力する。
同時にトリガ信号によって素材選択信号制御装置23
から2番目の音素材番号データをメモリ21に送り、音素
材データを選択してバッファメモリ22に送る。
以下〜の動作を繰り返し行う。
なお、聴感上、自然なゆらぎの周波数は、およそ0.3H
z以下であることが実験により見出されているので、実
施例でのローパスフィルタ28におけるカットオフ周波数
は、0.3Hzが代表値となる。この場合、A/D変換器27のサ
ンプリング周波数の最適値は、0.6Hz(周期1.67秒)と
なるが、この周期は、一般に自然音パターンの平均発生
周期より充分短い。これは、換言すれば、ゆらぎ雑音発
生装置30から時系列データ変換装置26の系による発生タ
イミングデータの生成速度がタイミング制御装置25にお
けるデータの出力速度より速いことを意味する。したが
って、タイミング制御装置25のメモリには、時間の経過
と共に順次発生タイミングデータが蓄積されてゆくこと
になる。この場合、タイミング制御装置25のメモリ容量
が装置構成上の問題となるが、平均的自然音発生周期を
短めの値である2秒と想定すると、24時間再生に要する
発生タイミング制御データの数は約43,000個であり、こ
れを1データ4バイトで記憶した場合に必要とされるメ
モリ容量は、約170キロバイトとなるので、現在では容
易に実現し得る値である。また、このメモリ容量に依存
して自然音再生の連続性が中断されることになるが、一
般の生活パターンを考慮した場合、24時間単位の不連続
性は、実質上問題とならない。
また、所定のゆらぎ特性を持つ発生タイミングデータ
をコンピュータの論理演算によって作製する場合には、
ゆらぎ雑音発生装置30から時系列データ変換装置26の系
をこれに代えることができると共に、タイミング制御装
置25のメモリも、平均周期からの偏差分を補正するため
のごく僅かな容量で足りることになり、自然音再生の不
連続性も生じないようにすることができる。
次に定常自然音発生部についてさらに具体的に説明す
る。
定常自然音発生部は、第8図に示すようにバッファメ
モリ部16のバッファAに格納した音素材の時間窓をゲー
ト部17のゲートAでかけ、バッファメモリ部16のバッフ
ァBに格納した音素材の時間窓をゲート部17のゲートB
でかけるように構成する。また、制御データ発生部14
は、継続時間データ発生部44と継続時間制御部43で音素
材データ選択やバッファメモリ部16の読み出し、ゲート
部17の制御のためのトリガ信号を生成し、選択データ記
憶部42と選択データ制御部41でトリガ信号をもとに音素
材選択データを生成する。なお、選択データ記憶部42と
継続時間データ発生部44は、自然の実態に則した音素材
選択のシーケンスデータ、継続時間データを記憶するも
のでもよいし、乱数発生器を使ってこれらのデータを発
生するものでもよい。また、ゲート部17では、先に述べ
たように台形型の時間窓(ゲート)を音素材にかけ、2
つの時間窓をかけた音素材が−3dBの位置で交差するよ
うに発生タイミングを調整するが、この時間窓の前端を
継続時間と一定の関係で変えたり、ランダムにシフトす
ることによって、さらに、同じ音素材でも異なった部分
を再生することができる。つまり、同じ音素材でも、開
始位置および継続時間が同じにならないように制御する
ことができる。
次に、定常的な自然音の再生手順を簡単に説明する。
音素材選択データの1、2番目を選択データ記憶部
42から読み出し、音素材メモリ15に送り、音素材メモリ
15から音素材データを選択してバッファメモリ部16のバ
ッファA(1番目)、バッファB(2番目)に送る。
継続時間データの1番目に応じた時間長さのゲート
Aを介してバッファAの音素材データを出力する。
ゲートAの出力信号の立ち下がりとゲートBの出力
信号の立ち上がりが−3dBのレベルで交差するタイミン
グで、継続時間データの2番目に応じた長さのゲートB
を介してバッファBの音素材データを出力する。
バッファAに記憶された音素材データを出力し終わ
ると、音素材選択データの3番目によって音素材メモリ
15から音素材データを選択しバッファAに送る。
ゲートBの出力信号の立ち下がりとゲートAの出力
信号の立ち上がりが−3dBのレベルで交差するタイミン
グで、継続時間データの3番目に応じた長さのゲートA
を介してバッファAの音素材データを出力する。
バッファBに記憶された音素材データを出力し終わ
ると、音素材選択データの4番目によって音素材メモリ
15から音素材データを選択しバッファBに送る。
以下〜を繰り返し実行する。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、それぞれ1個の間欠自然音発生部、定常自然音発生
部で構成するものを示したが、複数個の間欠自然音発生
部、定常自然音発生部で構成し、自由に組み合わせを制
御できるようにしてもよい。
すなわち、複数の間欠自然音発生部を備え、上記で
例示したコオロギその他の虫の鳴き声、鳥の鳴き声、大
波の音、単独の蛙の鳴き声等の間欠的な自然音の1乃至
複数を選択して再生できるようにし、また、複数の定常
自然音発生部を備え、上記で例示した小川のせせらぎ
の音、群れで鳴く虫の声、潮騒、雨の音等の定常的な自
然音を1乃至複数を選択して再生できるようにしてもよ
い。このようにすると、例えば定常自然音発生部で小川
のせせらぎの音を選択し、間欠自然音発生部で虫の鳴き
声と鳥の鳴き声を選択することによって山間の自然環境
音と等価な環境音を創成することができ、定常自然音発
生部で群れで鳴く虫の声を選択し、間欠自然音発生部で
幾つかの虫の鳴き声を選択することによって草原の自然
環境音と等価な環境音を創成することができ、さらに
は、定常自然音発生部で潮騒の音を選択し、間欠自然音
発生部で幾つかの海鳥の鳴き声を選択することによって
海辺の自然環境音と等価な環境音を創成することができ
る。
また、間欠自然音と定常自然音との組み合わせを幾つ
か選択して多チャンネルで出力できるようにシステムを
構成すると、それぞれの空間で独立して自由に自然環境
音を選択することができる。さらに、オフィス等では、
時間帯に応じてプログラムを作成することにより、例え
ば作業時間と休憩時間とで再生する自然環境音を変え、
或いは休業時間は定常的な自然環境音のみを再生するよ
うに構成してもよい。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、自
然音を間欠的に発生する音と、定常的に発生する音に分
け、それぞれについて複数個の短時間の音素材を用意
し、その再生パターンに自然音の実態に則した、継続時
間データと音素材選択データを導入するもので、極めて
長時間にわたって、再生パターンの繰り返しがなく、聴
感上は自然音に等価な人工的な環境音を創成することが
可能となる。また、2つの定常音の連結には適切な傾斜
を持つ時間窓を用いるので、定常的な自然音の連結部で
も違和感がなく、聴感上は連続した1つの定常音が発生
しているように感じさせることができる。しかも、異な
る種類の自然音発生手段を用意することにより、様々な
環境に対応した環境音を簡便に創成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る自然音再生装置の1実施例構成を
示す図、第2図は間欠自然音発生部のデータおよび再生
信号の例を示す図、第3図は定常自然音発生部のデータ
および再生信号の例を示す図、第4図はゲート部の時間
窓と動作タイミングを説明するための図、第5図は1例
として熊本県の阿蘇国立公園内の高原で収録した自然環
境音のレベルの時間変化を示す図、第6図は間欠自然音
発生部の構成例を示す図、第7図は間欠自然音発生部の
動作を説明するための図、第8図は定常自然音発生部の
構成例および信号の流れを示す図である。 1……間欠自然音発生部、2……定常自然音発生部、3
と5……音質調整器、4と6……音量調整器、7……合
成部、11と14……制御データ発生部、12と15……音素材
メモリ、13……バッファメモリ、16……バッファメモリ
部、17……ゲート部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−177093(JP,A) 特開 平1−277895(JP,A) 特開 昭64−26899(JP,A) 特開 平1−253000(JP,A) 特開 昭63−17496(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10K 15/04 302 G10K 15/04 304 G10H 1/00 102 G10H 7/00 521

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの間欠自然音発生手段
    (1)、少なくとも1つの定常自然音発生手段(2)、
    合成手段(3−7)を備える自然音再生装置であって、 間欠自然音発生手段(1)は、間欠音素材データ記憶手
    段(12)、第1制御手段、第1再生手段を備え、 間欠音素材データ記憶手段(12)は、間欠音素材データ
    を複数記憶し、 第1制御手段は、第1制御データを第1再生手段(13)
    に出力し、 第1制御データは、間欠音素材データを指定する間欠音
    素材選択データ、その発生タイミングを指定する発生タ
    イミングデータからなり、 第1再生手段は、第1制御データに基づいて指定された
    間欠音素材データを指定された発生タイミングにて間欠
    音を出力し、 定常自然音発生手段(2)は、定常音素材データ記憶手
    段(15)、第2制御手段、第2再生手段を備え、 定常音素材データ記憶手段(15)は、同一種類の定常音
    素材データを複数記憶し、 第2制御手段は、第2制御データを第2再生手段に出力
    し、 第2制御データは、定常音素材データを指定する定常音
    素材選択データ、その継続時間を指定する継続時間デー
    タからなり、 第2再生手段は、第2制御データに基づいて指定された
    定常音素材データを指定された継続時間にて順次連結接
    続して定常音を出力し、 合成手段(3−7)は、間欠自然音発生手段(1)の間
    欠音と定常自然音発生手段(2)の定常音を合成して出
    力する 自然音再生装置。
  2. 【請求項2】第2再生手段は、指定された定常音素材選
    択データに台形型の時間窓を演算し連結接続する 請求項1記載の自然音再生装置。
  3. 【請求項3】定常音素材選択データは、乱数表を用いて
    決定される 請求項1記載の自然音再生装置。
  4. 【請求項4】継続時間データは乱数表を用いて決定され
    る 請求項1記載の自然音再生装置。
  5. 【請求項5】合成手段(3−7)は、間欠音、自然音の
    音質、音量を調整する調整器(3−6)を備える 請求項1記載の自然音再生装置。
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