JP2926051B1 - パンク自己封止型のインフレイタブルな製品 - Google Patents

パンク自己封止型のインフレイタブルな製品

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Abstract

【要約】 【課題】 持続性および封止効果に優れた二次元フィブ
リドを含有するパンク自己封止型のインフレイタブルな
製品を提供すること。 【解決手段】 インフレイタブルな物品と、その内部に
配されたパンク自己封止用組成物とを含み、前記パンク
自己封止用組成物が、二次元フィブリドの懸濁液を含有
するパンク自己封止型のインフレイタブルな製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面型フィブリド
を含有したパンク自己封止用組成物からなるパンク自己
封止型のインフレイタブルな製品に関するもので、特
に、凍結防止剤および固形物を少量使用するだけで、優
れた流動性と持続性のある封止効果を得ることができ、
自転車のタイヤおよびバイクや自動車のチューブ入りあ
るいはチューブレスタイヤの空気漏れ防止または封止に
広く応用できるようなパンク自己封止型のインフレイタ
ブルな製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤのついた乗り物は、異物が刺さり
タイヤがパンクすると、空気漏れによる不便を生じ、時
には危険をともなうこともある。このため、空気漏れ防
止機能または封止機能を有した製品が次々に開発されて
いる。
【0003】よく知られているように、タイヤの空気漏
れ防止または封止の用途として、数種の方法が現在広く
応用されている。これらは以下の三種に大別できる。1
つ目は、ライニング型のパンク防止タイヤで、タイヤの
内縁に高粘度の接着剤層(例えば天然ゴムなど)を内張
りし、タイヤが破れると、内外の圧力差を利用して破れ
た部分を接着剤で充填することにより空気漏れを防止す
る。しかし、この方法は、タイヤの重量増加を招くう
え、かかるタイヤを装着した車は走行中に不安定となり
危険であるという問題がある。
【0004】2つ目は、化学反応型のパンク封止剤で、
タイヤが破れた後、膨張性ガスを含有した架橋ポリマー
を空気入りタイヤに注入し、発泡方式で破れた部分を充
填することによりパンク封止効果を得る。しかし、この
種のパンク封止剤が含有する発泡剤の多くは、可燃性で
爆発の危険があるか、あるいは環境上規制されているク
ロロフルオロカーボンなどであり、機能のうえでも持続
性に欠け、一度しか使用できないなどの欠点がある。
【0005】3つ目のパンク封止剤は物理型であり、キ
ャリア流体中に繊維状物と粒状物を含み、主に特殊な繊
維の材質と形態を利用し、物理的にタイヤを補修する。
この種のパンク封止剤は、あらかじめチューブ入りまた
はチューブレスのタイヤ内に取り付けておくことがで
き、タイヤの回転時に均一に分布する。通常の使用時に
はタイヤを均質に保温し熱を拡散させる機能を有する
が、タイヤがパンクすると、圧力によってパンクによる
穴へ押しやられ、前記繊維や粒子がパンク箇所に入り込
んで瞬間的に穴を封止し空気漏れを止めることができ
る。この種の封止剤はくり返し使用も可能であり、封止
機能も持続性に優れている。
【0006】物理的方式でタイヤの空気漏れを防止する
封止剤の組成は、一般にどれも、特定の形態または材質
を有し、破れた部分を充填するための固体部分と、分散
性、流動性またはその他の機能的要求を満たすための液
体部分とからなる。たとえば、米国特許第3,881,
537号明細書は、接着剤の水性分散液に分散したゴム
粒子を含む、チューブレスタイヤに適用する流体ライニ
ング剤(fluid-liningagent)を開示している。当該水
性接着剤は、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル
およびブタジエンアクリロニトリルゴムなどのポリマー
の水性エマルジョンで、水中で均一に分散し得る。この
ライニング剤はこのほか、各成分が均一に分散するのを
助ける少量の界面活性剤と、封止剤が低温条件で氷結す
るのを防ぐための凍結防止剤を含有している。この凍結
防止剤は主にエチレングリコールまたはジエチレングリ
コールである。一方、前記ゴム粒子は、50〜1200
μmの粒径を有する。
【0007】米国特許第3,881,943号明細書
は、空気入りタイヤからの空気圧の漏れを防ぐ組成物を
開示する。当該組成物には、タイヤの金属フレームが腐
食することおよびサビることを防ぐために防錆添加物が
添加される。
【0008】米国特許第4,713,114号明細書
は、アスベスト短繊維(1/4インチ)、アスベスト長
繊維(1/2インチ)およびセルロースシックナー(th
ickner)などの成分を含有するタイヤ封止用組成物を開
示する。しかし、この種のタイヤ封止用組成物は、発癌
性であり、環境によくない多量のアスベスト繊維(2.
5〜4.5%)を含む。
【0009】また、米国特許第4,776,888号明
細書は、インフレイタブルな製品において空気が漏れる
開口部を封止するための封止用組成物を開示する。この
封止用組成物は、多数種の三角状(triangular)粒子2
〜4重量%と、多数種のフィブリル化した繊維10〜1
2重量%とを含有する。三角状粒子は、主に研磨したポ
リエチレンまたはポリカーボネートであり、フィブリル
化した繊維の平均長さは0.5〜3mm程度である。
【0010】粒径、粒度分布、表面積、形態および封止
用組成物の固形分の特性は、流動性および封止効果に大
きく影響し得る。天然セルロースパルプは大きな表面積
を有し、良好な封止効果を達成するが、熱安定性に劣
る。つまり、封止用組成物の固形分として用いることに
は適していない。
【0011】したがって、最近では空気入りタイヤの封
止用組成物を調製するために固形分として合成繊維パル
プが用いられている。たとえば、米国特許第5,22
6,958号明細書は、空気入りインナーチューブおよ
びチューブレスタイヤのための封止用組成物を開示す
る。当該組成物は、シリカ粉末、変性安息香酸塩の無機
粉末、ポリエチレン合成繊維パルプ、セルロースパル
プ、短く研磨されたセルロースパルプおよびセルロース
シックナーなどを含有する。
【0012】合成繊維方面では、繊維の比表面積増加の
要求に応じるためにポリマーをパルプ化する工程とし
て、以下の4種が挙げられる。
【0013】(1)機械パルプ化(Mechanical Pulpin
g):まず、たとえば芳香族ポリアミド系繊維(p-Arami
d pulp)などの繊維を裁断して短繊維にした後、機械的
方式で繊維を研磨する。こうして得られるフィブリド
(繊維状の合成ポリマー)は研磨された微細な繊維であ
り、一次元または線状の形態をなし、しかもアスペクト
比(繊維の長さ対直径の比)が大きい。
【0014】(2)複合紡糸(Conjugate Spinning):
まず、流動特性が似ているが互いに非相溶性の2種類の
合成繊維を、特別に設計された紡糸口金から押し出して
繊維を成形する。さらに、得られた繊維に物理的または
化学的なフィブリル化処理を施し、フィブリドを形成す
る。得られるフィブリドは一次元の、または線状の形態
を有する。
【0015】(3)フラッシュスピニング(Flash Spin
ning):本方法はポリエチレン合成パルプなどの合成パ
ルプを調製するために用いる。まず、溶融状態のポリマ
ーを、高圧下で高速で噴き出し、固化成形してパルプを
得る。さらに当該パルプに機械的研磨、細化処理を施こ
してフィブリドを得る。得られるフィブリドは線状の形
態を有する。
【0016】(4)溶液直紡(Solution Direct Pulpin
g):溶液直紡法は、米国特許第2,999,788号
明細書のなかで初めてその方法の概念が開示された。こ
の方法によれば、主に、ポリマー溶液を、ブレンダーを
使用して大きい剪断応力下凝固浴の中で凝固成形すると
いうものである。たとえば、米国特許第4,173,4
43号、第4,187,143号、第4,197,06
2号、第4,211,737号および第4,210,6
15号各明細書が開示する技術はどれも溶液直紡法の改
良である。一方、この種のフィブリドの応用について
は、成形物の配向性とモジュラスはいずれも低く複合材
の補強に適さず、米国特許第3,756,908号で開
示されているように、湿式製紙工程において粘着剤とし
て使用することしかできない。しかし、この種の方法で
製造されるフィブリドの幾何形態を詳しく研究してみる
と、リボン状、フィブリル状、触鬚状、フィルム状など
が不規則に混合した二次元平面型構造をなしていること
がわかる。この種のフィブリドと、上述した工程の線状
成形物との違いは、図1および図2の光学顕微鏡写真を
見れば明らかである。図1は後述する比較例1で得た一
次元線状フィブリドを示す光学顕微鏡写真である。ま
た、図2は製造例1で得た二次元平面型フィブリドを示
す光学顕微鏡写真である。
【0017】上述したフィブリドの形態上の差異に基づ
き、本発明の発明者はつぎのように考えた。すなわち、
タイヤのパンク封止効果の観点から見れば、一次元の線
状フィブリドは、ウェッブ状に幾重にも織り交ぜて二次
元平面を形成して初めてパンクの穴を塞ぐことができる
が、二次元の平面型フィブリドは、タイヤの空気漏れ止
めに応用する場合、形態的に見て一次元の線状フィブリ
ドよりも簡単で効果的である。しかも、パンク封止剤に
低粘度が要求されることを考慮すると、懸濁液を形成し
た後の平面型フィブリドは、同濃度の線状フィブリドよ
りも優れた流動性を示す(異なるフィブリド比の流動特
性を示した図3を参照)。本発明は、以上の構想をさら
に発展させ完成したものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、平面型フィ
ブリドを含有したパンク自己封止用組成物からなる自己
封止型のインフレイタブルな製品を提供することを目的
とする。この製品は、凍結防止剤および固形物を少量使
用するだけで、優れた流動性と持続性のあるパンク封止
効果を得ることができ、自転車のタイヤおよびバイクや
自動車のチューブ入りあるいはチューブレスタイヤの空
気漏れ防止または補修に広く応用できる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、インフレイタ
ブルな物品と、その内部に配されたパンク自己封止用組
成物とを含み、前記パンク自己封止用組成物が、二次元
フィブリドの懸濁液を含有するパンク自己封止型のイン
フレイタブルな製品に関する。
【0020】この場合、前記二次元フィブリドが、ポリ
マーを溶剤に溶かして溶液とし、得られた溶液を紡糸口
金から押し出し、押し出された溶液を凝固浴の中で大き
い剪断応力の下で凝固成形することにより製造されるの
が好ましい。
【0021】また、前記二次元フィブリドが、リボン状
フィブリド、フィブリル状フィブリド、触鬚状フィブリ
ドおよびフィルム状フィブリドの混合フィブリドである
のが好ましい。
【0022】また、前記ポリマーが、芳香族ポリアミド
とその共重合体、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミ
ド)とその共重合体、ポリエステルとその共重合体、お
よびポリアクリロニトリルとその共重合体よりなる群か
ら選択されるのが好ましい。
【0023】また、前記懸濁液が凍結防止剤を含有する
のが好ましい。
【0024】また、前記懸濁液が、前記二次元フィブリ
ドを0.1〜10重量%含有するのが好ましい。
【0025】また、前記懸濁液が、前記二次元フィブリ
ドを0.2〜2.5重量%含有するのが好ましい。
【0026】また、前記懸濁液が、さらに線状フィブリ
ドを含有するのが好ましい。
【0027】また、前記線状フィブリドの含有量が、二
次元フィブリドと線状フィブリドを合計した総重量に対
して1〜85重量%であるのが好ましい。
【0028】また、前記線状フィブリドが、ポリアミド
フィブリド、ポリアクリロニトリルフィブリド、ポリエ
チレンフィブリドおよびセルロースフィブリドよりなる
群から選択されるのが好ましい。
【0029】また、前記凍結防止剤が、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコールおよびグリセリンよりなる
群から選択されるのが好ましい。
【0030】また、前記懸濁液が水性懸濁液であるのが
好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】まず、図1および図2にフィブリ
ドの光学顕微鏡写真(50倍)を示す。図1は後述する
比較例1で用いた一次元フィブリドの光学顕微鏡写真で
あり、図2は後述する製造例1で得た二次元フィブリド
の光学顕微鏡写真である。
【0032】図1および図2より、二次元フィブリドは
一次元または線状のフィブリドよりも大きい表面積をも
つことがわかる。また、図3に、線状フィブリドと二次
元フィブリドの混合比と、線状フィブリドおよび二次元
フィブリドを含む懸濁液の流動性との関係を表わすグラ
フを示す。すなわち、線状フィブリドと二次元フィブリ
ドを含む懸濁液の粘度をレオメーター(rheometer)を
用いて測定した結果である。横軸はレオメーターの回転
速度、縦軸は懸濁液の粘度を示す。図3から、二次元フ
ィブリドの含有量の多い懸濁液の粘度は、二次元フィブ
リドの含有量の少ない懸濁液の粘度よりも低いことがわ
かる。これは、二次元フィブリドを含む懸濁液が一次元
フィブリドを含む懸濁液よりも良好な流動性をもつこと
を示している。したがって、空気入りタイヤがパンクし
たとき、前記懸濁液がパンクした部分へと速やかに広が
り、閉じることができる。
【0033】本発明における効果持続性のパンク封止用
組成物は、二次元フィブリドの懸濁液を含有する。この
種の二次元フィブリドは、二次元平面型構造をなしたい
ずれのフィブリドでもよく、その製造法にも特別な制限
はない。たとえば、ポリマー溶液を紡糸口金からせん断
応力の大きい凝固浴に押し出して固化成形した後、水
洗、固液分離などの手順を経て製造してもよい。二次元
フィブリドを含有したこの種のパンク封止用組成物は、
たとえば自転車、バイク、自動車またはその他特殊な大
型車両などの、チューブ入りまたはチューブレスタイヤ
のついた各種車両のタイヤに応用することができる。
【0034】本発明による二次元フィブリドの製造法に
特別な制限はないが、溶液直紡法を使用してポリマー溶
液からフィブリド状に仕上げる方法が比較的好ましい。
ポリマーの材質に関しては、芳香族ポリアミドまたはそ
の共重合体、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)
またはその共重合体、ポリエステルまたはその共重合
体、およびポリアクリロニトリルまたはその共重合体な
どを使用できるほか、後述する溶剤に可溶なその他のポ
リマーのいずれであっても、当業者であれば溶液直紡法
を利用して類似の商品を製造することができる。さら
に、リボン状、フィブリル状、触鬚状またはフィルム状
などの二次元構造をなしたこの種の二次元フィブリド
を、それぞれ単独でまたは混合してパンク封止用組成物
に応用すれば、一次元線状構造のフィブリドのみを含有
した従来のパンク封止用組成物よりも優れた封止効果が
得られる。
【0035】本発明で使用できる懸濁液の溶剤として
は、水、またはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコールもしくはこれらの混合物な
どのグリコール類、またはフィブリドを懸濁できるその
他の溶剤などがある。たとえば、パンク封止用組成物の
使用温度範囲内で、エチレングリコール、またはエチレ
ングリコールに少量のジエチレングリコールを加えたも
のを水と混合し、フィブリド懸濁液の溶剤として使用し
てもよい。本発明によるパンク封止用組成物は、一種類
または多種類のフィブリド懸濁液を含有するほか、必要
に応じてシックナー、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤また
は凍結防止剤を加えることができる。エチレングリコー
ルは、二次元フィブリドの優れた懸濁キャリヤーになる
うえ、凍結防止剤の役割も果たすことができる。
【0036】本発明による平面型フィブリド懸濁液を含
有したパンク封止用組成物は、上述した溶液直紡方法ま
たはその他の方法によって製造された二次元の平面型フ
ィブリドを、一種類または多種類使用できるほか、さら
に、芳香族ポリアミドフィブリド、ポリアクリロニトリ
ルフィブリド、ポリエチレンフィブリドおよびセルロー
スフィブリドなどの一次元線状フィブリドを、1種類ま
たは多種類添加することもできる。1種類の線状フィブ
リド、または多種類の線状フィブリドの混合物を含有し
ている場合、線状フィブリドの配合量は、二次元フィブ
リドと線状フィブリドを合計した総重量に対して、1〜
85重量%である。
【0037】本発明におけるパンク封止用組成物が含有
する平面型フィブリドの懸濁液は、0.1〜10重量
%、好ましくは0.2〜2.5重量%のフィブリドを含
有することができる。本発明における平面型フィブリド
を含有したパンク封止用組成物は、一般のフィブリル化
した線状繊維よりも優れたパンク封止効果を有するの
で、微細な無機粒子や高比率の繊維も添加しなくても、
完全に効果的なパンク補修機能を得ることができる。
【0038】また、本発明においていうインフレイタブ
ルな物品としては、たとえばタイヤ、ボール、フロー
ト、おもちゃ、救命用ゴムボートなどがあげられる。
【0039】
【実施例】以下では、平面型繊維フィブリドを含有した
本発明によるパンク自己封止型のインフレイタブルな製
品が、補修効果において従来のものよりも優れているこ
とを、さらに詳しく説明する。以下に挙げる実施例は本
発明の内容を一層詳しく説明するものだが、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0040】製造例1(フィブリドの調製) 米国特許第5,643,518号明細書が開示する低温
重縮合の手順にしたがいポリ(m−フェニレンイソフタ
ルアミド)(MPD−I)溶液を調製し、得られたポリ
マー溶液をさらに、重合反応で使用したのと同様のN−
メチル−2−ピロリドンで8重量%溶液にまで希釈し
た。続いて、この希釈されたポリマー溶液を、計量ポン
プを利用して紡糸口金から毎分87mlの吐き出し量
で、撹拌翼を有するフィブリド製造機中の20重量%の
NMP(N−メチル−2−ピロリジン)水溶液の凝固浴
に押し出した。フィブリド製造機の撹拌翼の回転速度は
3000rpmであった。得られたフィブリドを水洗
し、濾過分離した。また、こうして得られたフィブリド
を3g取り、TAPPI T−227のテストルールに
従ってCSF(Canadian Standard Freeness)値を測定
すると、この平面型フィブリドのCSF値は243ml
であった。図2の写真は、このフィブリドの形態を示し
たもので、不規則な平面構造をなしていることがわか
る。
【0041】製造例2(フィブリドの調製) 23重量%のポリアクリロニトリル(PAN)ポリマー
溶液を、重合反応で使用したのと同様のDMAc溶剤で
さらに5重量%まで希釈した。続いて、この希釈された
ポリマー溶液を、計量ポンプを利用して紡糸口金から毎
分87mlの吐き出し量で撹拌翼を有するフィブリド製
造機中の50重量%のDMAc水溶液の凝固浴に押し出
した。フィブリド製造機の翼板回転速度は3000rp
mであった。得られたフィブリドを水洗し、濾過分離し
た。また、フィブリドを3g取り、TAPPI T−2
27のテストルールに従ってCSF値を測定すると、こ
の平面型フィブリドのCSF値は503mlであった。
【0042】製造例3(フィブリドの調製) 有機溶媒に溶解し得る改質されたポリエステルポリマー
を100g取り、NMP溶剤に溶かして10重量%の溶
液を形成した。こうして得られたポリマー溶液を、計量
ポンプを利用して紡糸口金から毎分87mlの吐き出し
量で撹拌翼を有するフィブリド製造機中の20重量%の
NMP水溶液の凝固浴に押し出した。撹拌翼の回転速度
は3000rpmであった。得られたフィブリドを水洗
し、濾過分離した。また、フィブリドを3g取り、TA
PPI T−227のテストルールに従ってCSF値を
測定すると、この平面型フィブリドのCSF値は461
mlであった。
【0043】実施例1 実験室のブレンダーに、500mlの懸濁液(エチレン
グリコール30重量%と、水70重量%を含有)を入
れ、さらに1.5重量%のポリ(m−フェニレンイソフ
タルアミド)繊維フィブリド(製造例1で得られたも
の)および0.2重量%のシックナー(ヒドロキシエチ
ルセルロース)を加え、17000rpmの回転速度で
30秒間ブレンドし、均質に分散した懸濁液の組成物
(パンク自己封止用組成物)を得た。
【0044】パンク自己封止用組成物の使用法とパンク
封止効果の評価法は以下のとおりである。まず、自転車
のチューブ入りタイヤまたはバイクのタイヤ(チューブ
レスタイヤ)からエアバルブの蓋を開けて空気を出し
た。続いて、エアバルブ蓋を取り外し、上述した調製済
みのパンク自己封止用組成物120gを注入し、蓋を閉
め、さらにエアバルブからタイヤの圧力が45psiに
達するまで空気を入れた。続いて、直径1mmおよび3
mm、長さ5cmの鉄くぎを準備し、タイヤを2回転さ
せてから鉄くぎを差し込み、抜いたら素早くタイヤを回
転させた。パンク自己封止用組成物が噴き出さなくなっ
たら、穴が空いたパンクの部分が一番高い位置になるよ
うにタイヤを回転させ、タイヤの持続性を観察した。鉄
くぎを抜いて10分後に、圧力計でタイヤの圧力を測定
した。タイヤの圧力損失が5%未満であれば、パンク封
止効果を有しているとみなして○とし、5%以上の場合
を×とした。評価結果は表1のとおりである。
【0045】実施例2〜9 実施例1の手順と方法に従ってパンク自己封止用組成物
を調製し、組成中、エチレングリコール含有量、シック
ナー含有量、二次元フィブリド含有量およびパンク自己
封止用組成物使用量を表1のように変化させた。封止効
果の測定もまた、実施例1と同様の方法で行なった。パ
ンク封止効果は表1に示すとおりである。
【0046】比較例1 平面型フィブリドおよび線形フィブリドのパンク自己封
止組成物に対する効果を比較するため、オランダのアク
ゾ社(Akzo Co. Ltd.)によって市販されているTwa
ron pulpを一次元の線状フィブリドとして使用
した。この線状フィブリドのCSF値は200mlで、
その幾何形態は図1の写真に示されるとおりである。パ
ンク封止剤の組成は実施例3と同様にし、平面型のポリ
(m−フェニレンイソフタルアミド)フィブリドだけを
同比例のTwaron pulpで置き換えてパンク自
己封止用組成物を調製し、封止効果の評価を行なった。
この実験結果もまた、表1に示した。評価結果より、二
次元平面型フィブレドと同量の一次元線状フィブレドを
添加したパンク自己封止用組成物は、比較的大きな穴
(3mm)を封止することができないことがわかる。
【0047】比較例2 市販のパンク封止用製品(Slime(登録商標)、アクセ
スマーケティング社(Access Marketing Co.Ltd,),P.O.
Box 3109,Shell Beach,CA 93448,U.S.A.)のパンク封止
効果を、同様な手順に従って評価した。また、水洗、濾
過、乾燥後、フィブリド含有量の重量比を量った。実験
結果は表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例10〜19 パンク自己封止用組成物の応用例として、平面型フィブ
リドを単独で添加できるほか、他の一次元線状フィブリ
ドとの複合方式で添加してもよい。実施例1と同様の方
法を用いてパンク自己封止用組成物を調製し、封止効果
の測定方法もまた実施例1を同様の方法を使用した。た
だし、平面型のポリ(m−フェニレンイソフタルアミ
ド)フィブリドをMPD−I、線状の芳香族ポリアミド
フィブリドをp−Aramid、機械パルプ化法で製造
した一次元線状ポリアクリロニトリルフィブリドをPA
Nでそれぞれ表わし、各測定におけるパンク自己封止用
組成物の使用量は120gとした。結果を表2に示す。
表2より、複合方式でフィブリドを添加したパンク自己
封止用組成物は、たとえエチレングリコール含有量が比
較的小さい水溶液であっても、依然として大きい穴(6
mm)に対し補修効果を示すことがわかる。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、持続性および封止効果
に優れたパンク自己封止型のインフレイタブルな製品を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1で用いた線状フィブリドの光学顕微鏡
写真である。
【図2】製造例1で得た二次元フィブリドの光学顕微鏡
写真である。
【図3】線状フィブリドと平面型フィブリドとの配合割
合を変化させた場合におけるパンク自己封止用組成物の
流動性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−17851(JP,A) 特開 昭57−47206(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/10 B29D 23/24 B29D 30/06 B60C 19/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インフレイタブルな物品と、その内部に
    配されたパンク自己封止用組成物とを含み、前記パンク
    自己封止用組成物が、二次元フィブリドの懸濁液を含有
    するパンク自己封止型のインフレイタブルな製品。
  2. 【請求項2】 前記二次元フィブリドが、ポリマーを溶
    剤に溶かして溶液とし、得られた溶液を紡糸口金から押
    し出し、押し出された溶液を凝固浴の中で大きい剪断応
    力の下で凝固成形することにより製造される請求項1記
    載のパンク自己封止型のインフレイタブルな製品。
  3. 【請求項3】 前記二次元フィブリドが、リボン状フィ
    ブリド、フィブリル状フィブリド、触鬚状フィブリドお
    よびフィルム状フィブリドの混合フィブリドである請求
    項2記載のパンク自己封止型のインフレイタブルな製
    品。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーが、芳香族ポリアミドとそ
    の共重合体、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)
    とその共重合体、ポリエステルとその共重合体、および
    ポリアクリロニトリルとその共重合体よりなる群から選
    択される請求項3記載のパンク自己封止型のインフレイ
    タブルな製品。
  5. 【請求項5】 前記懸濁液が凍結防止剤を含有する請求
    項1記載のパンク自己封止型のインフレイタブルな製
    品。
  6. 【請求項6】 前記懸濁液が、前記二次元フィブリドを
    0.1〜10重量%含有する請求項1記載のパンク自己
    封止型のインフレイタブルな製品。
  7. 【請求項7】 前記懸濁液が、前記二次元フィブリドを
    0.2〜2.5重量%含有する請求項6記載のパンク自
    己封止型のインフレイタブルな製品。
  8. 【請求項8】 前記懸濁液が、さらに線状フィブリドを
    含有する請求項1記載のパンク自己封止型のインフレイ
    タブルな製品。
  9. 【請求項9】 前記線状フィブリドの含有量が、二次元
    フィブリドと線状フィブリドを合計した総重量に対して
    1〜85重量%である請求項8記載のパンク自己封止型
    のインフレイタブルな製品。
  10. 【請求項10】 前記線状フィブリドが、ポリアミドフ
    ィブリド、ポリアクリロニトリルフィブリド、ポリエチ
    レンフィブリドおよびセルロースフィブリドよりなる群
    から選択される請求項8記載のパンク自己封止型のイン
    フレイタブルな製品。
  11. 【請求項11】 前記凍結防止剤が、エチレングリコー
    ル、ジエチレングリコールおよびグリセリンよりなる群
    から選択される請求項5記載のパンク自己封止型のイン
    フレイタブルな製品。
  12. 【請求項12】 前記懸濁液が水性懸濁液である請求項
    1記載のパンク自己封止型のインフレイタブルな製品。
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