JP2925501B2 - ウォームホイール射出成形用金型の製造方法 - Google Patents

ウォームホイール射出成形用金型の製造方法

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JP2925501B2
JP2925501B2 JP23109996A JP23109996A JP2925501B2 JP 2925501 B2 JP2925501 B2 JP 2925501B2 JP 23109996 A JP23109996 A JP 23109996A JP 23109996 A JP23109996 A JP 23109996A JP 2925501 B2 JP2925501 B2 JP 2925501B2
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章三 石黒
守男 中村
光彦 嶋野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウォームホイール
を合成樹脂で射出成形によって製作する場合に適用する
ウォームホイール射出成形用金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウォームギア及びこれと噛み合うウォー
ムホイールとの組み合わせは、大きな減速比により強い
回転力を発生させることができるので、パワーウインド
ウ、ワイパー等の自動車、医療機器、家電製品等の駆動
装置の出力部分に広く用いられている。このウォームホ
イールは軽量化や量産化のために、さらには内部含浸オ
イルの自己潤滑作用等による低摩擦化等のために合成樹
脂製(ガラス繊維等の強化剤混合の場合もある)とする
要望が大きい。
【0003】ところが図6(A)に示されるように、こ
のようなウォームホイール14はウォームギア12との
噛み合い歯先の歯幅方向(矢印A方向)の中間部に凹部
16を有しているので、合成樹脂の射出成形によって製
作しようとすると、歯先部分を成形するための金型が凹
部16と嵌まり合う形状の突部を有する必要がある。ま
たウォームホイール14の歯幅方向がウォームホイール
14の軸心Oを中心とした捩じれ方向すなわち旋回方向
に形成されているため、歯幅方向は図6の紙面と平行で
はなく捩じれた状態になっている。すなわち図6の歯幅
方向(矢印A方向)は紙面と平行ではなく捩じれを有し
て軸心O回りに旋回する状態となっている。このためこ
のような射出成形金型を製作するのは難しく、代替えと
してウォームホイールの歯先凹部16を直線状としたハ
スバ歯車を用いることが多い。しかしハスバ歯車は凹部
16を有するウォームホイールと異なりウォームギアと
の接触面積が小さいので、歯車噛み合い時の円滑さを欠
き、大きな伝達荷重も得られない。
【0004】このため凹部16の片側を直線状にした変
形ウォームホイールが提案されている(実開平4−49
254号参照)。この変形ウォームホイールは図6
(B)に示される如く、凹部16の片側が直線部18と
されているので、ウォームホイール14の歯形に嵌まり
合う形状である成形金型の製作が容易であり、射出成形
時にはウォームホイール14を直線部18と反対方向
(矢印B方向)へ歯幅方向に沿って抜き出すことがで
き、射出成形も比較的容易になっている。
【0005】ところがこの変形ウォームホイールにおい
ても、ハスバ歯車よりは噛み合い面積S1が広いもの
の、一般的なウォームホイールとウォームギアとの組み
合わせの接触面積S2よりは小さく、トルク伝達容量も
小さいので、高強度を要求される減速装置には適してい
ない。
【0006】さらに射出成形用金型を電鋳型として製作
する場合もある。この電鋳型は厚い電気メッキ層で金型
を製作するものであり、ニッケルやニッケル合金などを
非鉄金属の模型に長時間かけて電解メッキを行った後に
メッキ層から模型を溶かして除去し、このメッキ層に裏
打ちをして金型とする。しかし、この電鋳型はメッキ層
を多数層に渡って形成するので長時間の作業になるとと
もに完成した金型の硬度が焼き入れ鋼に比して低く耐久
性がない。また金型の表面がメッキ層である積層構造の
ため耐薬品性に乏しく、剥離し易く、耐久性に劣る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記事実を考慮し本出
願の請求項1に係る発明は、歯先外周の歯幅方向中間部
に凹部を有し、かつ歯幅方向が軸回りにずれた捩じれ歯
を有するウォームホイールを合成樹脂により射出成形す
る金型を得るためのウォームホイール射出成形用金型の
製造方法を得ることが目的である。
【0008】また、本出願の請求項2に係る発明は、請
求項1に係るウォームホイール射出成形用金型を正確に
製造するウォームホイール射出成形用金型の製造方法を
得ることを目的とする。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本出願の請求項1に係る
ウォームホイール射出成形用金型の製造方法は、歯幅方
向中間部が小歯先外径で歯幅方向端部が大歯先外径とさ
れるウォームホイールの歯形面を射出成形するために
いる、内周に歯形面を備えた射出成形用金型の製造方法
であって、ウォームホイールの歯幅方向中間部から片側
の歯形面を外周に備えた柱状マスター電極を金型材料へ
互いに反対方向から軸回りに歯すじ方向へ旋回させなが
ら挿入して射出成形用金型を溶解加工により製作するこ
とを特徴としている。
【0013】本出願の請求項2に係るウォームホイール
射出成形用金型の製造方法は請求項1において、前記金
型材料とマスター電極との間にはマスター電極の軸回り
方向及びマスター電極の軸方向の位置決め手段が設けら
れることを特徴とする。この位置決め手段としてはマス
ター電極の軸回り方向及びマスター電極の軸方向の送り
を強制的に決定する強制的位置決め手段や、マスター電
極の軸回り方向及びマスター電極の軸方向の送り量を正
確に制御する制御位置決め手段が適用できる。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】図2(B)には本発明の適用によ
って製作された合成樹脂製ウォームホイール30が金型
本体(以下は単に「金型」と称する)34から矢印P方
向に取り出された状態で示されている。このウォームホ
イール30は軸心Oの回りに対称形に製作され(歯数が
奇数個の場合には歯部分は対称とはならない)、軸心部
付近の円板部30Aの外周部が幅広のリング部30Bと
されている。このリング部30Bの外周に凹歯形面36
が形成されている。この凹歯形面36は歯すじ方向又は
歯幅方向(矢印A方向)の中央部において歯先外径が最
も小さい寸法D1とされ、歯幅方向端部にかけて歯先外
径が次第に大きくなり、歯幅方向両端では歯先外径が最
も大きな寸法D2となっている。図面上では歯幅方向
(矢印A方向)は紙面と平行に描いてあるが実際にはこ
のウォームホイール30の歯幅方向Aは軸心Oに対して
角度αの捩じれを有した矢印Cの如く、軸心O回りに旋
回状態となった一般的なウォームホイールである。な
お、図中符号30Pはピッチ円を示している。
【0018】従って、このウォームホイール30の外周
歯形部を成形するための金型34はウォームホイール3
0と同一幅寸法Wを有した厚肉板状とされ、貫通孔34
Aが形成される。この貫通孔34Aの内周面には射出成
形によってウォームホイール30の凹歯形面36を形成
するための凸歯形面37が内周全域に渡って形成され
る。このため凸歯形面37も軸心Oに対して角度αの捩
じれ角を有して凹歯形面36と嵌まり合う形状となって
おり、凹歯形面36とは逆に歯幅方向の中央部において
軸心へ接近する方向に突出している。図1に示される如
くこの歯幅方向中央部の歯先円が両端よりも小径であり
最小歯先円直径D5で、歯幅方向中央部の歯底面が両端
よりも小径であり最小歯底円直径D3となっている。寸
法D4はこの部分の最小ピッチ円直径である。なお、こ
の直径D5は金型34の歯形(内歯歯車)として見れば
歯底であるが、製品であるウォームホイール30の歯形
に合わせて歯先と呼ぶ(直径D3についても同様)。
【0019】図1(B)にも示される如く溶融樹脂の射
出成形時に金型34の両側面へ合致されるコア型38、
40は軸心O上に対向した大径突起42を有し、コア型
38の大径突起42にはさらに同軸的に小径突起44を
有している。図1(B)に示される如くコア型38、4
0が閉じられるとコア型38、40は金型34の側面へ
当接し、ウォームホイール30の射出用キャビティQを
形成する。この状態で小径突起44はコア型40の大径
突起42へ当接することにより、ウォームホイール円板
部30Aにおける軸孔30C部分(図2を参照)を形成
する。ウォームホイール30の軸部は孔形状に限らず、
所定長さの中実又は中空の軸部材が一体的に形成された
り、軸孔30Cのない円板部30Aのままとされる等の
他の形状とされる場合があり、これらの各種形状の軸部
加工のためにコア型38、40もこれらに対応した各種
形状とされる。
【0020】これらのコア型38、40には図示しない
適宜位置にウォームホイール30を成形するための溶融
樹脂射出用の貫通孔が形成されて溶融樹脂供給源へと連
通される。なお、コア型38、40の一方は金型34へ
固定されたり、射出成形機へ固定される等により金型3
4と相対移動不能であってもよい。
【0021】図3はマスター電極50によって金型34
へ図2の凸歯形面37を放電加工する状態が示されてい
る。金型34は周囲が固定治具46によって放電加工機
の固定ベース部材Bへ押圧固定されている。マスター電
極50はグラファイトや銅によって製作された柱状であ
り、その外周には軸心Oを中心として歯形面50Aが刻
設されている。この歯形面50Aはマスター電極50を
図3の矢印F方向に捩じり角αで旋回させながら金型3
4へ挿入することによって、図4、5に示される手順で
放電加工により金型34へ凸歯形面37を形成するよう
になっている。
【0022】このため、歯形面50Aは凸歯形面37と
等しい歯数、ねじれ角αの歯形面となっているが、図中
右方にある軸方向先端部、中間部、図中左方にある後端
部で3段階の外径寸法とされて、順次大径となってい
る。先端部50Bの歯先円直径M1は形成されるべき金
型34の凸型歯面37における設計上の最小歯先円内径
D5よりも小さく、歯底円直径は金型34の設計上の最
小歯底円内径D3よりも小さくなっている。
【0023】この小径部50Bの後端は次第に大径とさ
れて成形部50Cに連続している。この成形部50Cは
歯先円直径M2が金型34の設計上の最小歯先円直径D
5に等しく、歯底円直径が最小歯底円直径D3に等しく
なっている。さらに、この成形部50Cに続いて成形部
50Eが設けられている。この円弧部50Eは図4に示
される如く凸歯形面37の軸方向に沿った片側の歯形面
に等しくなっている。成形部50Eの最大径部からは等
径の大径部50Dが連続している。小径部50Bは金型
34へ貫通孔34Aを粗加工するために矢印F方向の送
り速度が比較的速く送られる部分である。
【0024】従ってマスター電極50は円弧部50Eを
金型34内へ挿入することによって図4に示される如く
凸歯形面37の片側が形成され、その後に図5に示され
る如く金型34の反対方向から逆(矢印G方向)に、マ
スター電極50を挿入することによって、金型34の他
の片側の凸歯形面37が形成されるようになっている。
【0025】金型34には、あらかじめ図1の最小歯底
円直径D3よりも小さな貫通孔(下孔)を形成すること
によって放電加工時間を短くすることができる。また図
4、5では説明の便宜上、マスター電極50と金型34
とが密着した状態で示してあるが、実際には両者間に放
電を生ずるための隙間が形成される。この隙間分を考慮
してあらかじめマスター電極の外径を図示寸法よりも小
さく形成するのが好ましい。また金型34も成形後にお
ける樹脂の冷却収縮を考慮して各部寸法を決定するのが
好ましい。
【0026】マスター電極50は金型34へ矢印F方向
に挿入するとともに軸心O回りに角度αだけ旋回させて
ねじれ角αを有した凸歯形面37を形成する必要があ
る。このため歯形面50と金型34との間には位置決め
手段54が設けられる。この位置決め手段の一方を構成
する案内ブラケット55は固定ベース部材Bのねじ孔5
5Aへボルト53により固着されている。一方、位置決
め手段の他方を構成する案内軸56がマスター電極50
から同軸的に突出されており、案内ブラケット55の貫
通孔へ挿入されている。案内軸56の外周には螺旋突起
56Aが刻設されて、案内ブラケット55の貫通孔に形
成した螺旋溝58へ嵌まり込んでいる。
【0027】これらの螺旋突起56Aと螺旋溝58とは
マスター電極の歯形面50Aと同じ角度αの捩じれ角を
有している。このため、マスター電極50が矢印F方向
へ送り駆動されると、案内軸56が螺旋溝58に案内さ
れて軸心O回りに角度αで旋回しながら送られるように
なっている。従って、この位置決め手段54はマスター
電極50の送り量(軸方向位置)と軸回り方向の回転量
を所定位置へ制御することになる。なお、この角度αは
成形後における樹脂の冷却収縮を考慮して、その角度を
あらかじめ調整して製作するのが好ましい。
【0028】案内ブラケット55は取り外して、固定ベ
ース部材Bの反対側へ同様にボルト53を用いて固定で
きる。この場合にも案内するマスター電極50が軸心O
上に位置し、しかも図5に示されるように凸歯形面37
の他の片側を放電加工した場合に、捩じれ角αで螺旋を
描きながら形成した凸歯形面37が金型34の他の片側
へ既に形成されている凸歯形面37の歯幅方向と正確に
一致するように送り軌跡を一致させるようになってい
る。このため案内ブラケット55と固定ベース部材Bと
の間には第2の位置決め手段として突出ピン61と受入
凹部62が形成され、受入凹部62に対応して同軸的な
受入凹部63が反対側に形成され、案内ブラケット55
を固定ベース部材Bのいずれへ取り付けた場合にも正確
に対称位置へ取り付けることができるようになってい
る。
【0029】なお、案内ブラケット55は凸歯形面37
の片側加工後に取り外して他の片側へ取り付ける以外に
も、あらかじめ2個製作してベース部材Bの両側へそれ
ぞれ取り付けておけば、第2の位置決め手段である突出
ピン61及び受入凹部62、63は不要となり、マスタ
ー電極50のみを取り替えればよい。マスター電極50
は図示しない他の案内手段を用いて補助的な支持をして
もよい。なおこの位置決め手段54の一部にはマスター
電極50及び金型34との間の絶縁を図るために一部に
図示しない絶縁材が介在される。
【0030】次に、この実施の形態の作用を説明する。
マスター電極50によって凹歯形面36を形成するため
には、これらのマスター電極50と金型34とを石油系
等の加工液内に配置し、マスター電極50を金型34へ
モータ等の駆動力で送り接近させるとともに、これらの
間に電圧を加えて放電させる。この放電で生じる熱によ
って被加工物である鋼材製の金型34は溶解してマスタ
ー電極50の外周に形成された歯形面50B、50C、
50Eが順次金型34内に刻設される。図4に示される
如くマスター電極50の円弧部50Eが金型34内に半
分だけ(寸法W/2)挿入されて金型34に凸歯形面3
7の片側が製作された状態で電圧印加を解除し、ボルト
53を外してマスター電極50を案内ブラケット55と
共に金型34から抜き出す。その後案内ブラケット55
を固定ベース部材Bの反対側へボルト53を用いて固着
すると共に、マスター電極50を金型34の反対方向か
ら同様に駆動して挿入することによって、図5に示され
る如く残りの片側の凸歯形面37が形成される。
【0031】このように反対方向からマスター電極50
を送ることによって、しかもこれらのマスター電極50
の螺旋移動軌跡が位置決め手段54によって正確に一致
されるので、捩じれ角αを有すると共に、これらの歯す
じ方向が一致した凸歯形面37が金型34の内周に形成
されることになる。このように位置決め手段54を用い
るので金型34の凸歯形面37は歯すじ表面が正確に一
致しているが、微小な観察によれば歯幅方向中央部にお
いて互いに反対方向から形成した歯の表面に極めて微小
な段差を有していることになる。従って、射出成形によ
って製作したウォームホイール30の歯幅方向中間部に
はこの微小な段差が形成されることになるが、実際の使
用上では問題にならない程の段差であると共に、微小観
察によってこのウォームホイール30が、本発明による
金型を用いた製品であることが判る。
【0032】このように製作された金型34は図1
(A)に示される如くコア型38、40と共に射出成形
機内に取り付け配置する。ここで図1(B)に示される
如くコア型38、40を駆動手段により互いに接近合致
させて、キャビティQを形成する。ここへ図示しない供
給部から溶融樹脂を圧入することによって、ウォームホ
イール30が射出成形される。
【0033】コア型38、40は図2(A)に示される
如く互いに離間させて開放し、冷却後にウォームホイー
ル30を金型34から離脱させる。この場合ウォームホ
イール30の歯形面は捩じれ角αを有しているので、抜
出し方向を矢印C方向に軸回りに旋回しながら取り出す
ことになる。またウォームホイール30はその外周部に
凹部を有しているので、射出した成形樹脂が完全に固化
しない状態で一部を弾性変形させながら(いわゆるムリ
抜きにより)金型34から抜き出す。またウォームホイ
ール30は冷却するに従ってその外径が縮小されるた
め、抜き出しが容易になる。
【0034】この抜き出し作業は、歯形面の捩じれ角α
のためにウォームホイール30と金型34とを軸回りに
角αだけ相対移動させて抜き出す必要がある。このため
には、図示しないノックアウトピンを軸方向へ(矢印P
方向)へ駆動しながら、ねじり角αのもとに旋回させな
がら進めることにより、ウォームホイール30を捩じれ
角αに沿って旋回させながら抜き出す方法や、ノックア
ウトピンは矢印P方向(軸心O方向)に直線的に駆動
し、金型34をこの捩じれ角αだけウォームホイール3
0と相対移動するべく軸回りに旋回させ、ウォームホイ
ール30は旋回せず直進させて金型34から抜き出す方
法等がある。
【0035】なお、本発明による金型の製造方法は上記
の放電加工に限らず、金型を電気分解の作用を利用して
溶解する電解加工等の他の溶解加工にも適用できる。ま
た上記実施形態の螺旋突起56Aと螺旋溝58との組み
合わせは、これよりも送りピッチの小さい雄ネジと雌ネ
ジとの組み合わせを含む概念であり、さらに本発明はそ
の外にカム等でもよく、マスター電極の軸回り方向と送
り方向を強制的に位置決めする上記各種の強制的位置決
め手段であれば総て適用できる。本発明はさらにステッ
プモータ等の駆動手段によって送り量と回転量とを各々
正確に制御する制御位置決め手段も適用できる。
【0036】また上記実施形態では金型34の幅寸法W
の1/2の寸法Hである幅方向中央部が凸歯形面37の
最小歯先円直径D5であり、成形後のウォームホイール
30の凹歯形面36における最小歯先外形D1であった
が、凹歯形面36又は凸歯形面37の最小外形寸法部分
は必ずしも金型34の幅寸法中央部でなく他の部分であ
ってもよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1に係る発明ではマスター電極を
用いてこれを軸回りに旋回させながらかつ反対方向から
金型へ挿入して溶解加工により歯先形状を製作するの
で、金型へ凸歯形面を容易に形成することができる。特
に溶解加工による製作であるため焼き入れ鋼等の硬い金
型を適用できる。このような硬い金属を用いれば、成形
時の耐磨耗性に優れ強化剤入り樹脂の成形であっても、
成形後の樹脂との摩擦に強く(特にムリ抜き時)、長期
間に渡って使用できて寿命が長い。
【0038】請求項2の発明では位置め決手段を用いる
ので、反対側からマスター電極を挿入する場合にも、歯
形面の歯すじ方向を一致させた歯形面を製作することが
できる。
【0039】
【0040】
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用による射出成形手順を示し、
(A)はコア部が離間開放された状態を示す断面図、
(B)はコア部が合致されて射出キャビティを形成した
状態を示す断面図である。
【図2】(A)は射出後にコアを開放した状態を示す断
面図、(B)はウォームホイールを矢印P方向に取り出
した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いるマスター電極及び
その取り付け状態を示す放電加工開始前の断面図である
(マスター電極は上部のみを断面として示してある)。
【図4】マスター電極が金型内へ送られ凸歯形面の片側
を刻設した状態を示す断面図である。
【図5】マスター電極が金型内へ反対方向から送られ凸
歯形面の他の片側を刻設した状態を示す断面図である。
【図6】ウォームギアとウォームホイールとの噛み合い
関係を示し、(A)は一般的なウォームギアとウォーム
ホイールとの噛み合い関係でウォームホイールの外周に
凹部を有する断面図、(B)は凹部片側が直線状とされ
た変形ウォームホイールを示す断面図である。
【符号の簡単な説明】
30 ウォームホイール 34 金型本体 36 凹歯形面 37 凸歯形面 38 コア型 40 コア型 50 マスター電極 50E 円弧部 54 位置決め手段 55 案内ブラケット(位置決め手段) 56A 螺旋突起(位置決め手段) 58 螺旋溝(位置決め手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−241730(JP,A) 実開 昭63−198861(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B23H 7/26 B29C 33/00 - 33/76 F16H 55/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歯幅方向中間部が小歯先外径で歯幅方向端
    部が大歯先外径とされるウォームホイールの歯形面を射
    出成形するために用いる、内周に歯形面を備えた射出成
    形用金型の製造方法であって、ウォームホイールの歯幅
    方向中間部から片側の歯形面を外周に備えた柱状マスタ
    ー電極を金型材料へ互いに反対方向から軸回りに歯すじ
    方向へ旋回させながら挿入して射出成形用金型を溶解加
    工により製作するウォームホイール射出成形用金型の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記金型材料とマスター電極との間にはマ
    スター電極の軸回り方向及びマスター電極の軸方向の位
    置決め手段が設けられることを特徴とする請求項1に記
    載のウォームホイール射出成形用金型の製造方法。
JP23109996A 1996-08-30 1996-08-30 ウォームホイール射出成形用金型の製造方法 Expired - Lifetime JP2925501B2 (ja)

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