JP2924462B2 - 文書処理装置 - Google Patents

文書処理装置

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JP2924462B2
JP2924462B2 JP4165525A JP16552592A JP2924462B2 JP 2924462 B2 JP2924462 B2 JP 2924462B2 JP 4165525 A JP4165525 A JP 4165525A JP 16552592 A JP16552592 A JP 16552592A JP 2924462 B2 JP2924462 B2 JP 2924462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、利用者の簡単な指示を
受けて文書のデザインを自動的に変更して出力する機能
を有する文書処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、DTP(DeskTop Pub
lishing)やワードプロセッサなどの文書作成機
の普及によって一般のオフィスにおいても手軽に文書を
作成することができるようになっている。特に最近は文
書のページレイアウトや文字の書体、大きさなどの様々
なパラメータを広範囲に選択できるような高機能なもの
が増えており、知見と経験を持つ作成者がじっくり時間
をかければ、作成意図を反映した高品位な文書を作成で
きるようになってきている。しかし、一般の利用者にと
っては、高機能な文書作成機を使いこなすには非常に複
雑な操作を覚えなければならないことや、そもそも広範
囲に選択が可能となったパラメータの値をいったいいく
つに設定することによって作成意図に合った高品位な文
書を作成できるのかがわからないことなどから、結果的
には高品位な文書とは言えない見栄えの悪い、読みにく
い文書しか作成できないのが現状である。
【0003】これに対して、一つの解決策として、文書
作成機に作成者の意図や用途に応じた見栄えのよい高品
位な文書を作成するための支援機能を付加する技術が提
案されている(特願平03−258013号「文書作成
支援装置」や特願平03−269601号「文書スタイ
ル設計支援装置」に記載されている)。しかし、この技
術は、電子文書を対象とするものであって、このような
機能を持たない現在一般に普及しているような文書作成
機などで作られてひとたび紙の上に印刷されて電子文書
ではなくなった文書や最初から手書きなどで紙の上に書
かれた文書に対しては用いることができなかった。
【0004】一方、雑誌等の出版物の多様化、DTPや
ワードプロセッサの普及にともない、文書の流通量が増
加してきている。このため、多くの情報を文書の形で容
易に手に入れることが可能となった。これらの多くは紙
の上に印刷されたハードコピーとして流通しており、そ
れらをファイリングして管理することも重要になってき
ている。しかしながら、同じ論理的な構成を持ち、同じ
種別に属するような文書でも文字の大きさ、段組などに
多様なレイアウト・デザインがなされている。管理を行
う利用者から見れば、統一的なデザインに変更したうえ
でファイリングを行いたい。DTP等で作成される文書
はある時点からレイアウト・デザインを統一して出力す
るように運用でカバーするということも可能であるが、
しかしながら、一般の印刷物やDTPからいったん出力
されたハードコピー文書ではそのような変更を加えるこ
とは不可能であった。
【0005】また、紙の文書を読みとり、それを加工し
て出力するという機能に対応する機器としては複写機が
ある。複写機の基本機能はあくまでも原稿を忠実に再現
した文書を出力することにあるが、デジタル複写機の普
及とともに、例えば特開平2−223275号公報に開
示されている複写機のように文書の加工機能を持つもの
も現れるようになってきた。しかし、これらの技術は、
前述の高機能な文書作成機と同じように、加工しようと
する箇所およびどのように加工するかという点まで使用
者が細かく指示する必要があり、使いこなすには非常に
複雑な操作を行わなければならないことや、一般の利用
者には結局どの箇所をどのように加工すれば作成意図に
合った高品位な文書を作り出すことができるのかがわか
らないことなどから、結果的には入力文書をより高品位
なものにするためにはあまり役立つものではなかった。
特に、近年のカラー複写機の普及とともに、このような
文書の色を変換したり白黒文書に色をつけたりする機会
が多くなってきているが、このような着色の操作は非常
に煩雑で手間のかかる作業となる上、配色に関する知見
やデザインセンスの乏しい一般の利用者には、出力文書
を高品位なものとするのは至難の技であった。また、段
組に関しては豊富な原稿編集機能を持つデジタル複写機
を用いたとしても変更することは不可能であった。
【0006】また、デジタル複写機等において文書の可
読性や見栄えの向上を自動的に行う機能を実現する技術
としては特開昭62−208761号公報や特開平3−
122773号公報などに開示されている技術が挙げら
れる。しかし、特開昭62−208761号公報に開示
されている技術はファクシミリで伝送された特に手書き
の文書中の文字ブロックを原稿画像から抽出し、左端を
揃えて出力することにより可読性を向上させるものであ
り、特開平3−122773号公報に開示されている技
術は複写機で手書き原稿の文字と図形部分を区別し、文
字部分の整列や図形部分の線の直線化による清書機能を
実現しているに過ぎず、いずれも利用者の作成意図を反
映ししかもデザイン的にも高品位な文書を加工して出力
する機能や、利用者の意図に応じて共通のフォーマット
になるように文書中の文字の大きさ、段組の変更などの
加工を行って出力するという機能の実現には不十分なも
のであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を考慮してなされたものであり、利用者の簡単な
指示を受け取るだけで、入力文書のデザインを自動的に
変更し、指示に則したデザインを持つ文書に加工して出
力する文書処理装置を提供することを課題とするもので
ある。
【0008】また、本発明は、利用者の望む用途あるい
は仕上がりイメージなどのごく簡単な指示を受け取るだ
けで、入力文書のデザインを自動的に変更し、指示に則
した高品位なデザインを持つ文書に加工して出力する文
書処理装置を提供することを課題とするものである。
【0009】また、本発明は、利用者の望む文書デザイ
ンに対するごく簡単な指示を受け取るだけで、入力文書
の中の文字の大きさ、段組の変更などのデザインを自動
的に変更し、指示に則した統一的なデザインを持つ文書
に加工して出力する文書処理装置を提供することを課題
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、文
書画像を記憶する文書画像保持手段(図1の111,図
17の171,図18の181)と、前記文書画像保持
手段に記憶された文書画像情報を複数の領域に分割する
領域分割手段(図1の12,図17の172,図18の
182)と、前記領域分割手段によって分割された文書
画像上の各領域に、論理的な意味を表す論理識別子を付
与する論理識別子付与手段(図1の13,図17の17
3,図18の183)と、出力文書の文書デザインを指
示する情報を入力するデザイン指示手段(図1の14,
図17の174,図18の184)と、前記デザイン指
示手段の指示に応じて出力文書の文書デザインに関する
パラメータ値を論理識別子別に決定するデザインパラメ
ータ決定手段(図1の15,図17の175,図18の
185)と、前記論理識別子付与手段により付与された
論理識別子を有する各領域の画像情報を、その論理識別
子に対応する前記デザイン パラメータ決定手段が決定
したパラメータ値に基づいて、加工して出力画像を生成
する出力画像生成手段(図1の16,図17の176,
図18の186)とを、基本構成として備えている。
【0011】処理の対象となる文書画像は、領域分割手
段により複数の領域に分割され、論理識別子付与手段に
よって各領域に論理識別子が付与される。具体的態様に
おいては、領域分割手段はレイアイト識別子、領域種
別、領域の寸法、位置を含む領域情報と領域間の関係を
表す情報とを含むレイアウト構造を出力するよう構成さ
れ、論理識別子付与手段は、そのレイアウト構造を構造
モデルと照合することにより、各領域に対しタイトル、
著者、本文などのような領域に対する論理的な意味を持
つ論理識別子が付与される。そのために、論理識別子付
与手段は、レイアウト構造と論理構造との関係を表す複
数の構造モデルを記憶する構造モデル記憶手段(図8の
82)と、領域分割手段により得られた前記レイアウト
構造を前記構造モデルと比較するマッチング処理手段
(図8の81)と、その比較の結果により一致の取れた
構造モデルを基に、各領域の論理識別子を付与する論理
構造決定手段(図8の83)とから構成される。
【0012】デザイン指示手段は、具体的態様において
は、「報告書」「企画書」「OHP資料」等のような文
書の種類や、「オーソドックス」「新鮮」「機能的」等
のような文書の仕上がりイメージなどのデザイン指示項
目を選択するボタンなどの手段を備えており、利用者は
この手段により所望のデザインを指示する。
【0013】デザインパラメータ決定手段は、このデザ
イン指示を受け取ると、論理識別子別に出力文書の文書
デザインに関するパラメータ値を決定する。
【0014】本発明の具体的態様においては、デザイン
パラメータ決定手段は、前記デザイン指示手段の指示内
容により、前記文書デザインに関するパラメータ値を索
引することのできるテーブル手段(151)を備えてい
る。そのテーブル手段は、その一例としては、デザイン
指示とそれに対応する各テーブル番号(第2のテーブル
の番号)との対応を示す第1のテーブルと、論理識別子
(例えば「タイトル」)を持つ各要素に対してその配置
位置、最大幅、文字についてはその大きさ、文字修飾の
方法などのパラメータが示された第2のテーブルから構
成される。第1のテーブルを用いてデザイン指示に適合
する第2のテーブル(図11)を求め、得られた第2の
テーブルにより論理識別子別のパラメータが得られる。
【0015】本発明の他の態様によるデザインパラメー
タ決定手段(図17の175)は、前記デザイン指示手
段(図17の174)の指示と論理識別子付与手段(図
17の173)の出力とに基づいて出力文書の文書デザ
インに関するパラメータ値を決定するよう構成される。
デザインパラメータ決定手段(図17の175)が論理
識別子ごとのデザインパラメータのデータを出力画像生
成手段(図17の176)に受け渡す際、入力された文
書にどのような論理識別子をもったレイアウト構造があ
るかといった情報を論理識別子付与手段(図17の17
3)から受け取り、これに対応して必要な論理識別子の
みの情報を送る。これにより効率的な処理ができる。
【0016】本発明のさらに他の態様によるデザインパ
ラメータ決定手段(図18の185)は、文書デザイン
に関する知識情報を格納した知識データベース(図18
の1852)と、前記デザイン指示手段の指示と論理識
別子付与手段の出力とに基づいて前記知識データベース
に格納された文書デザイン情報を用いて推論処理を実行
することにより出力文書の文書デザインに関するパラメ
ータ値を決定する推論処理手段(図18の1851)と
を備えている。知識データベースとして文書デザイン知
識情報を用意し、推論処理によってデザインパラメータ
を決定するので、多様な文書画像に対し専門家の知識を
生かした適切な文書デザインを決定することができる。
【0017】本発明のさらに他の態様によるデザインパ
ラメータ決定手段は、デザインパラメータとして、段組
を指定するパラメータを有する。出力画像生成手段は、
そのデザインパラメータ決定手段において決定された論
理識別子毎のデザインパラメータの一部に段組が指定さ
れている場合には、対応する領域の画像情報を指定され
た段組に変換する。利用者は簡単な指示を行うだけで、
紙等に書かれた既存のさまざまに異なるデザインの文書
から段組の指定された共通のデザインを持つ文書を容易
に作成することができる。
【0018】出力画像生成手段は、文書画像保持手段に
保持されている文書画像から前記論理識別子付与手段で
付与された論理識別子毎の各領域画像を切り出し、前記
デザインパラメータ決定手段によって決定された論理識
別子別のデザインパラメータ値にしたがって該各領域画
像を加工して出力画像を生成する。本発明によれば使用
者は簡単な指示を行うだけで、紙等に書かれた既存のさ
まざまに異なるデザインの文書から共通のデザインを持
つ文書を容易に作成することができる。
【0019】また、本発明の他の態様は、文書画像を記
憶する文書画像保持手段(361)と、前記文書画像保
持手段に記憶された文書画像上の画素の集まりを、それ
ぞれ文書構成要素として意味のある文字要素や図形要素
などの領域に分割する領域分割手段(362)と、前記
領域分割手段により分割された文字要素の領域に対し
て、文書が書かれている順番を決定する文字流し込み順
位決定手段(363)と、文書画像中の特定の要素、た
とえば図形要素、を配置する位置を指定する位置指定手
段(364)と、その位置指定手段で入力された位置へ
文書画像中の前記特定の要素を配置すると共に、文書画
像中の他の要素の配置を決定するレイアウト位置決定手
段(365)と、前記文字流し込み順位決定手段で決定
された文章が書かれている順番と、前記レイアウト位置
決定手段によって決定された文書画像中の各要素の配置
情報に基づいて出力画像を生成する出力画像生成手段
(366)とを備えた構成を有する。
【0020】その動作においては、文書画像保持手段に
保持されている文書画像に対して、領域分割手段により
文書画像を文書要素として意味のある領域に分割し、文
字流し込み順決定手段において文字要素(文字領域)で
あると判定された領域に対して文章の書かれている順番
を決定する。一方、位置指定手段によって文書中の特定
要素(たとえば図形要素)を配置する位置を指定しこの
指示結果からレイアウト位置決定手段により前記特定要
素を指定された位置に配置すると共に、文書中の他の要
素の位置を決定し、このレイアウト位置と文字流し込み
決定手段の処理結果から画像生成手段により出力文書画
像を合成する。
【0021】この態様における位置指定手段は、図形要
素が文書の上端に配置されるようにする上揃えと、図形
要素が文書の下端に配置されるようにする下揃えとを、
選択的に指定する手段として構成することができ、利用
者は簡単な操作で位置指定ができる。また、この態様に
おける出力画像生成手段は、階層構造を有する文字領域
の一番下位の層に該当するサブ文字パターンの配置に関
する配置ルールを格納する配置ルール記憶手段と、前記
サブ文字パターン情報記憶手段に記憶されたサブ文字パ
ターン情報と配置ルール記憶手段に記憶された配置ルー
ルをもとに行末行頭の配置の是非を判定する配置判定手
段と、その配置判定手段の判定結果と前記サブ文字パタ
ーン情報記憶手段の記憶するサブ文字パターン情報に基
づき、前記文書イメージ記憶手段に記憶された文書イメ
ージ情報からサブ文字パターンを切り出して所望の領域
内に配置する配置処理手段とを含む構成とすることがで
きる。これにより高速な文字流し込み処理ができる。さ
らに、前記領域分割手段によって分割された文書画像上
の各領域に、それぞれ文書の論理的な意味を表す識別子
を付与する論理識別子付与手段(図47の473)を設
け、前記出力画像生成手段はその論理識別子付与手段に
より付与された論理識別子を基に、配置に関する禁則処
理を行うよう構成することにより、『タイトル』『アブ
ストラクト』などの論理識別子が付与されている文字要
素の上に位置するように図形要素を配置することを禁止
したり、『脚注』などの論理識別子が付与されている文
字要素の下に位置するように図形要素を配置することを
禁止することができ、文書として見栄えの整った結果を
得ることができる。以上の本発明の上記態様によれば、
文書画像中の図形要素をどこに配置するかを指定するだ
けで、残りの部分を自動的に配置することができるの
で、利用者はごく簡単な操作で文書のデザインを変更す
ることができる。
【0022】
【実施例】
(第1の実施例)本発明を複写機に応用した第1の実施
例を図1に示す。図1に示すようにこの文書処理装置
は、原稿文書をデジタル画像として入力し、入力画像メ
モリ111に保持させる原稿画像入力モジュール11
と、入力画像メモリ111に保持されている文書画像上
の画素の集まりを、それぞれ文書要素として意味のある
塊として領域に分割する領域分割モジュール12と、そ
の領域分割モジュール12によって分割された文書画像
上の各領域に、それぞれ文書の論理的な意味での識別子
を付与する論理識別子付与モジュール13と、利用者が
所望する用途や仕上がりイメージ等を指示するためのデ
ザイン指示モジュール14と、そのデザイン指示モジュ
ール14によって指示された内容に応じて、出力文書の
デザインに関するパラメータ値を論理識別子別に決定す
るデザインパラメータ決定モジュール15と、入力画像
メモリ111に保持されている文書画像から前記論理識
別子付与モジュール13で付与された論理識別子毎の各
領域画像を切り出し、前記デザインパラメータ決定モジ
ュール15によって決定された論理識別子別のデザイン
パラメータ値にしたがって各領域画像を加工して出力画
像を生成する出力画像生成モジュール16と、その出力
画像生成モジュール16が生成した文書画像を可視化メ
ディア上に可視化する可視化モジュールであるプリント
アウト・モジュール17とを備えている。
【0023】原稿画像入力モジュール11はイメージス
キャナの機構そのものであり、副走査方向に光源とイメ
ージセンサからなる読み取り部をずらしながら主走査方
向の細長い領域を光源で照射し、反射した光をレンズで
集光してCCDイメージセンサ等によって電気信号に変
換し、二値のデジタル画像として入力画像メモリ111
に取り込む。もちろん、反射光の強弱をAD変換器を通
して多値の画像として入力しデジタル画像処理で二値化
してもかまわない。
【0024】領域分割モジュール11は文書の画像を入
力として、文字領域、図表領域などに分割する処理であ
り、文書認識技術における領域分割処理に対応する。こ
れは公知の技術によって実現される。例えば特開昭64
−15889号公報あるいは特公昭61−32712号
公報に示されている技術がそれにあたる。ここでの領域
分割モジュール12はそれぞれの領域を矩形に分割し
て、矩形の座標位置、幅、高さなどの情報を出力する。
この処理を行う前に傾き補正、ノイズ除去等の前処理を
行ってもよいことはいうまでもない。この処理で分割さ
れた領域は文字、図形、けい線などの文書要素に識別さ
れ、これらの種別も同時に付加されて出力される。分割
された結果としてこのモジュールから出力される要素の
列を文書のレイアウト構造と呼ぶ。
【0025】論理識別子付与モジュール13は、領域分
割モジュール12において得られた文書のレイアウト構
造を入力とし、それぞれに「タイトル」、「著者」、
「本文」などといった論理的な名称を識別子として付与
するものである。これは本出願人によって先に出願され
た特願平3−313186号「文書論理構造認識および
文書内容認識のための装置および方法」に記載されてい
る技術を用いるのがよい。この技術では、認識対象のレ
イアウト構造と論理構造の対応を表現する構造モデルを
あらかじめ登録しておき、領域分割結果と構造モデルと
のマッチングによってそれぞれの論理的な意味を表現す
る名称を付与する。
【0026】デザイン指示入力モジュール14は例えば
機器の操作パネルの上に配置されたボタン等によって実
現される。ボタンが押されたならばその指定に対応する
データをデザインパラメータ決定モジュール15に受け
渡す。図2で示されている例では、デザイン指示選択と
しては「報告書」「企画書」「OHP資料」等の文書の
種類、「オーソドックス」「新鮮」「機能的」といった
仕上がりイメージ選択肢があることを示している。この
他、図2には示していないもので、「女性向」「役員
向」といった対象者の選択肢等を用意してもよいし、通
常の複写機に準備されている出力紙サイズの選択ボタン
なども用意されている。これらのうち、適当な選択を実
行すると対応する信号がデザインパラメータ決定モジュ
ール15に送られる。
【0027】デザインパラメータ決定モジュール15は
利用者が入力した指定に応じて、あらかじめ登録してあ
るパラメータテーブルから指定に対応した論理識別子ご
とのデザインパラメータのデータを画像生成モジュール
16に受け渡す。パラメータテーブルは出力紙サイズや
デザイン指示の内容別などに分類してROM(Read
Only Memory)に記憶させておく。量が多
い場合は磁気ディスク装置等で実現しても構わない。パ
ラメータテーブルは2種類のテーブルから構成されてお
り、1つはデザイン指示とそれに対応する各テーブル番
号のテーブルでもう1つは論理識別子(例えば「タイト
ル」)を持つ各要素に対してその配置位置、最大幅、文
字についてはその大きさ、文字修飾の方法などが示され
たテーブルである。これらは最終的な各文書要素がどの
ようにデザインされなければならないかを表現してい
る。これらのパラメータテーブルの保持するデータは、
例えば1991年第42回情報処理学会全国大会予稿集
7Q−7「文書表現品質に関する評価尺度について」で
述べられているような主観評価等の方法によって得られ
た定量的なデータや「富士ゼロックス著、『プレゼンテ
ーション&ドキュメンテーション』、富士ゼロックス、
1989年」や「富士ゼロックスD推進グループ、コア
デザイン制作部編、『ビジネスドキュメントの演出技法
−2 カラー化』、日本経済新聞社、1992年」など
に記されているような定性的または定量的なデータ、あ
るいは社内の規則による決めごとなどを表したデータな
ど、文書のデザインを決定するのに必要な種々の知識を
もとに決定されている。
【0028】出力画像生成モジュール16はデザインパ
ラメータ決定モジュール15からデザインパラメータの
データを受け取り、論理識別子付与モジュール13から
論理構造データを受け取り、原稿入力モジュール11か
ら入力画像を受け取る。そして、デザインパラメータ決
定モジュール15から受け取ったパラメータに従って、
それぞれ論理識別子別に対応する入力原稿の部分画像を
変換し、出力画像を出力画像メモリ171上に生成して
いき、最終的に指示されたデザインイメージを持つ文書
画像を生成する。
【0029】プリントアウトモジュール17では出力画
像メモリ171上の出力画像をレーザビームプリント技
術を用いて紙の上に転写し、排出する。本実施例ではレ
ーザビームプリンタ泊ろを本としてもう1色印字するこ
とが可能なものを用いている。当然、レーザビーム以外
に普通紙熱転写などのマーキング技術を用いて実現して
もよいし、1色のみで印字するもの、フルカラーで印字
するものなどを用いて実現してもよい。
【0030】実際の動作を図3に示すような12ポイン
トの文字で書かれているベタ書きの文書を例にとって説
明する。処理のフローチャートは図4に示す。なお、以
後座標系を図3中に示すようにページ右に向かう方向を
x座標、ページ下に向かう方向をy方向とする。まず、
利用者は図3の文書をイメージスキャナ等のプラテンの
上に置き、図2に示したような操作パネル上で単なる複
写か、デザイン変更かの選択をはじめ、デザイン変更を
選択した後は、デザイン指示ボタンによって好みのデザ
イン等を必要に応じて選択する(ステップS41)。
【0031】いま、「+1色」「報告書」「新鮮」、そ
れに出力紙サイズ「A4タテ」が選択されたとする(ス
テップS42)。この状態でスタートボタンが押下され
る(ステップS43)と、原稿画像入力モジュール11
は走査を開始し、入力画像メモリ111であるイメージ
メモリに原稿の画像を記憶する。次に領域分割モジュー
ル12が処理を行い(ステップS44)、その結果、図
3に示す入力画像が入力画像メモリ上で図5に示すよう
に文字がまとまって並んでいる領域(文字ブロック領
域)とけい線が存在する領域(けい線領域)とそれ以外
(余白)に分割される。領域を表現する矩形は原稿画像
のx,y方向それぞれに平行な辺を持ち、対象となる領
域を囲む最小矩形とする。領域を表現するデータは基本
的に「種別、左上点x座標、左上点y座標、幅、高さ」
の組で表現される。さらに文字ブロック領域の場合はそ
の領域内の下位の要素である文字行領域のデータを保持
し、さらに文字行はその文字行領域内の下位の要素であ
る一文字ずつの文字の領域のデータを保持するような階
層構造となる。図6は図3の文書の本文の部分の領域デ
ータが階層構造として保持された例を示す。領域分割結
果は図7のような表形式で表現され、このデータ、すな
わちレイアウト構造を論理識別子付与モジュール13に
渡す。
【0032】論理識別子付与モジュール13は、図8に
示すように構造モデル記憶部81とマッチング処理部8
2とを有し、マッチング処理部82で領域分割モジュー
ル12より受け取ったレイアウト構造と構造モデル記憶
部81に保持している構造モデルとのマッチングを行
い、レイアウト構造の最上位の要素がどのような論理的
な意味合いを持つかを示す名称を識別子として与えるも
のである(ステップS45)。名称は「タイトル」、
「著者」、「サブタイトル」、「本文」、「脚注」「脚
注罫」などである。ここでレイアウト構造の最上位の要
素とは、レイアウト構造である要素の下位要素となって
いない要素であり、階層構造である文字ブロック領域は
最上位の文字ブロック全体でひとつの識別子を付与す
る。したがって、下位要素である文字行領域や、文字領
域は個々には対象とならない。通常、ある範囲で流通す
る文書は「タイトル」、「著者」は上下配置になってい
るなど、ある程度固定的なデザインの文書が多い。この
性質を利用するのが構造モデルで、構造モデルとはすな
わち対象となる文書のデザインについてのテンプレート
である。これらテンプレートである構造モデルはROM
で構成される構造モデル記憶部81にあらかじめ複数記
憶しておく。構造モデルは図9に示すように要素をその
種別(文字ブロック、文字行、けい線など)と対応する
論理名称を持つノード、これら要素間の相対的な位置関
係をリンクとするようなグラフ構造で表現される。この
モジュールにおけるマッチング処理部82の機能は、構
造モデル記憶部81に登録してある1つの構造モデルと
マッチするかどうかの判定を行うことである。登録され
ている構造モデルを1つずつ取り出し、マッチング処理
が成功するまで順にマッチング処理を起動する。もし、
すべての構造モデルとのマッチングが失敗したならば入
力文書は処理不可能というメッセージを機器のパネルに
表示し、以後の処理を何も行なわずに終了する。ある構
造モデルとのマッチングが成功した場合はレイアウト構
造における要素と構造モデルのノードとの対応がわかる
ため、これを利用してレイアウト構造のマッチングの対
象となった各要素に構造モデルのノードに定義されてい
る論理名称を付与する。このようにレイアウト構造の要
素に論理名称が付与されたデータを論理構造と呼ぶ。論
理構造を表現する実際のデータは図10に示すように名
称とそれに対応する要素の番号の対の列で表現される。
ここで対応する要素の番号とは図7の表において各要素
にふられている番号欄の番号(レイアウト識別子)のこ
とである。
【0033】デザイン指示入力モジュール14はすでに
「+1カラー」「報告書」「新鮮」「A4タテ」のボタ
ンが押下されたことを感知して対応する信号をデザイン
パラメータ決定モジュール15に送っている。デザイン
パラメータ決定モジュール15では利用者によって選択
されたデザイン指示に対応する信号により、あかじめR
OMに分類して登録してある複数のデザインパラメータ
テーブル151の中から適切なものを選び出し、このデ
ザインパラメータテーブル151に記憶されたデザイン
パラメータを取り出し、各論理名称に対応するデザイン
パラメータを出力画像生成モジュール16に送る(ステ
ップS46)。出力画像生成モジュール16に送られる
個別デザインパラメータテーブルは図11に示すように
論理名称ごとに領域の基準位置、最大幅、文字の大き
さ、文字修飾の方法などがテーブルで管理されている。
基準位置はx,y方向それぞれの基準となる要素の辺と
そこからのオフセット量で示される。単位はすべてmm
である。基準となる要素は「ページ」の絶対位置で示さ
れている場合と、他の要素との相対位置で示されている
場合がある。要素基準位置はx,y方向のオフセットに
よって計算された位置に合致させる要素の矩形の頂点位
置を意味している。たとえば、図12で示すように「タ
イトル」要素はページ左端から100mm、ページ上端
から35mmの位置にTOP−CENTERすなわち
「タイトル」の上辺の中心がくるようにセンタリング配
置することを指示している。
【0034】出力画像生成モジュール16は論理構造と
デザインパラメータを受け取り、そのパラメータに指示
された通りに入力原稿の部分画像を変換し、出力画像を
生成していく(ステップS47)。本実施例では、2色
の出力が行われるので、黒色画像とプラス1カラー画像
の2つの出力画像メモリを持つ。出力画像生成モジュー
ルにおける処理のフローチャートは図13で示される通
りである。すなわち、最初に個別デザインパラメータテ
ーブルの要素の順にその論理名称を持つ領域分割結果を
取り出す(ステップS132,S133)。この例でい
えばデザインパラメータテーブルの最初は「ヘッダ」で
あるので、「ヘッダ」という名称を持つ要素を論理構造
から取り出す。この「ヘッダ」に対応するレイアウト構
造要素と個別デザインパラメータテーブル中の「ヘッ
ダ」のデザインパラメータと、入力画像上でこの要素に
対応する部分画像の3つをパラメータとして領域画像生
成処理を呼出す(ステップS135)。この処理の結果
デザインパラメータにしたがった「ヘッダ」の出力画像
が得られる。得られた画像をデザインパラメータで指定
された出力画像上の位置(ページ右端から−50mm、
ページ上端から10mmの位置にTOP−RIGHTす
なわち矩形の右上の点が来るように)に配置する(ステ
ップS136)。この際、色指定が1となっている要素
はプラス1カラー画像メモリに、0であるものは黒色画
像メモリに配置する。最後に「ヘッダ」という名称とそ
の配置された矩形の位置・大きさを記憶しておく(ステ
ップS137)。これで「ヘッダ」については終了す
る。そして、まだレイアウトされていない要素がテーブ
ルにあるかを判定し(ステップS131)、まだレイア
ウトされていない要素がある場合には、レイアウトパラ
メータテーブルの次の要素のパラメータを取り出す(ス
テップS132)。この例の場合は、テーブルの次の要
素である「ページ番号」について同様な処理を繰り返
す。こうしてテーブル内のすべての要素の配置が終了す
れば出力画像生成処理は終わる。
【0035】「ヘッダ」の場合は配置する基準が「ペー
ジ」の絶対位置で指定されているが、「著者」などの場
合は相対的な指定となっている。これを決定するために
すでに配置された要素の矩形の位置が必要となる。配置
が終了した時点で矩形の位置を記憶しておくのはこのた
めである。
【0036】個別デザインパラメータテーブルの要素ご
とに呼び出される領域画像生成処理は、領域の種別が文
字かけい線かで呼び出す処理を変えるようにしている。
具体的には、けい線の場合は入力画像を用いずに、単に
直線となるような細長い画像を生成し、塗りつぶして返
すという処理を行っている。文字の場合は文字画像生成
処理を呼び出している。
【0037】文字画像生成処理はさらに文字流し込み処
理、領域拡大・縮小処理、文字修飾処理の3つの処理を
順次呼び出す。文字流し込み処理は文字ごとに切り出さ
れている画像をある幅に収まるように再配置するという
ものでこれは公知の技術を用いればよく、たとえば特開
平3−122773号公報記載の技術がある。あるい
は、公知ではないが本出願人が先に出願した特願平4−
090146号(「文書処理装置」)の発明の技術を用
いるのが好適である。拡大・縮小処理をこの処理の後に
行うためにまず拡大率rを計算する。拡大率はデザイン
パラメータで指定されている文字サイズに対する入力文
書における文字サイズとの比で表される。入力文書にお
ける文字サイズは「本文1」領域の文字行の高さの平均
値から文字サイズは12ポイントであることがわかる。
一方、個別デザインパラメータテーブルで指定されてい
る文字サイズは10ポイントなので、拡大(縮小)率を
5/6とする。次にデザインパラメータの最大幅を拡大
率で割って流し込みの幅を計算する。ここでの例ではレ
イアウト幅が100mmであるので、流し込み幅は12
0mmとなる。この幅にこの文字領域中の文字が並ぶよ
うに再配置する。
【0038】文字流し込み処理を上記特願平4−090
146号の発明を用いて行う場合は、図14に示すよう
に流し込み処理に関連する部分を構成する。すなわち、
領域分割モジュールには、入力画像メモリに保持されて
いる文書画像から、サブ文字パターンを抽出するサブ文
字パターン抽出部144と、前記抽出の結果得られたサ
ブ文字パターンに関する情報を記憶するサブ文字パター
ン情報記憶手段13を設ける。また、出力画像生成モジ
ュールには、サブ文字パターン情報記憶部145に記憶
されたサブ文字パターン情報をもとに、入力画像メモリ
111に記憶されたイメージ情報における各サブ文字パ
ターンを切り出し、所望の領域内に配置ルールに従って
再配置する流し込み処理部140を設ける。その流し込
み処理部140は、サブ文字パターンの配置に関する配
置ルールを格納する配置ルール記憶部143と、サブ文
字パターン情報記憶部145に記憶されたサブ文字パタ
ーン情報と配置ルール記憶部143に記憶された配置ル
ールをもとに行末行頭の配置の是非を判定する配置判定
部142と、その配置判定部142の判定結果と前記サ
ブ文字パターン情報記憶部145の記憶するサブ文字パ
ターン情報に基づき、入力画像メモリ111に記憶され
た文書画像からサブ文字パターンを切り出して所望の領
域内に配置する配置処理部141とを有する。
【0039】サブ文字パターン抽出部144は、前記イ
メージ情報に対して、例えば黒画素塊に外接する矩形領
域を求め、一定の条件を満たすものを抽出するなどして
サブ文字パターンを抽出する。サブ文字パターン情報記
憶手段13は、前記抽出したサブ文字パターンに関する
情報、例えば前記外接矩形領域の位置、範囲、行の高さ
に対する相対位置等の情報、を記憶する。前に述べたよ
うに、本実施例では図6に示すように領域分割モジュー
ル12は階層構造を以て文字領域を抽出するので、サブ
文字パターンはその一番下位の層に該当する。
【0040】流し込み処理部140は、サブ文字パター
ン情報をもとに、前記文書イメージ記憶手段11から各
サブ文字パターンを切り出し、これを所望の領域内に配
置ルールに従って流し込む。配置ルールは、例えば改行
する際に行末、行頭へ配置してはならないサブ文字パタ
ーンの条件を定めるものである。すなわち、配置ルール
記憶部143は、例えば改行する際に行末、行頭へ配置
してはならないサブ文字パターンの条件を定める配置ル
ールを記憶しており、配置判定手段142は、サブ文字
パターン情報記憶部145に記憶された外接矩形情報等
のサブ文字パターンの属性情報を配置ルールと照合し
て、改行可能性、サブ文字パターン間へのスペース挿入
の要否などを判定する。配置処理部141は、サブ文字
パターン情報における位置、範囲情報により入力画像メ
モリ111からサブ文字パターンを読み出して、配置判
定部142の判定結果に応じた再配置処理を行う。
【0041】次に領域拡大・縮小処理が呼び出され、拡
大率にしたがって、流し込まれた画像をレイアウト幅が
100mmとなるように拡大・縮小を行う。
【0042】最後に文字修飾処理を呼出す。これはデザ
インパラメータ中の文字修飾の指定に応じた画像処理で
実現される。例えば、デザインパラメータ中の「サブタ
イトル」はボールドが指定されている。これは画像全体
を数ドットずらして論理和で重ね合わせることで実現で
きる。ボールド以外にはイタリック、反転、それらの組
合せ、あるいは囲み罫の付加などの処理を簡単な画像処
理で実現することができる。以上のような処理で得られ
た出力画像2つを図15に示す。タイトルとサブタイト
ル1、サブタイトル2がプラス1カラー画像に配置され
る。この出力画像は黒色画像、プラス1カラー画像がそ
れぞれ1ラインずつ読み取られ、対応する色でレーザビ
ームプリントで普通紙上に可視化され、図16のように
出力される(ステップS148)。以上のように、本実
施例によれば使用者は文書デザインに関する知識をもた
なくても、紙等に書かれた既存の文書をもとに、自分の
意図や用途にあった、見栄えの良い文書を容易に作成す
ることができる。
【0043】(第2の実施例)第2の実施例の具体的な
構成を図17に示す。本実施例では、デザインパラメー
タ決定モジュール174が利用者が論理識別子ごとのデ
ザインパラメータのデータを出力画像生成モジュール1
76に受け渡す際、論理識別子付与モジュール173の
出力結果を利用して、より効率的な処理や効果的な処理
を行う。具体的には、デザインパラメータ決定モジュー
ル175が利用者が入力した指定に応じてあらかじめ登
録してあるデザインパラメータテーブル1751から指
定に対応した論理識別子ごとのデザインパラメータのデ
ータを出力画像生成モジュール176に受け渡す際、入
力された文書にどのような論理識別子をもったレイアウ
ト構造があるかといった情報を論理識別子付与モジュー
ル173から受け取り、これに対応して必要な論理識別
子のみの情報を送る。他の構成要素は第1の実施例の構
成に準ずる。
【0044】実際の動作例としては、デザイン指示入力
モジュール174から「+1カラー」「報告書」「新
鮮」のボタンが押下されたことに対応する信号がデザイ
ンパラメータ決定モジュール175に送られる際、論理
識別子付与モジュール173からは、入力文書には「ヘ
ッダ」、「タイトル」、「著者」などの論理要素がある
という論理名称のリストがデザインパラメータ決定モジ
ュール175に送られている。デザインパラメータ決定
モジュール175では利用者によって選択されたデザイ
ン指示に対応する信号からROMに記憶されたデザイン
パラメータを取り出し、論理識別子付与モジュール17
3から送られたリストに記載されている論理名称に対応
するデザインパラメータのみを選択して出力画像生成モ
ジュール176に送ることにより、データの受渡しを効
率的に行うことができる。
【0045】また、別な態様においては、デザインパラ
メータ決定モジュール175では、デザイン指示入力モ
ジュール174からの入力に対応するデザインパラメー
タテーブル1751を複数もっており、論理識別子付与
モジュール173から受け取った論理名称リストからの
情報、例えば「著者」のあるなしや「本文2」のあるな
しなどの情報から複数のテーブルの中で最も適したテー
ブルを選択し、これを利用するなどの使い方をしても良
い。このようにすれば、デザイン指示からの要求と実際
に保持する論理要素の対応をより正確に取ることがで
き、よりきめ細かい効果的なデザイン指示が可能にな
る。
【0046】また別な態様においては、デザイン指示入
力モジュール174において、通常の複写機に用意され
ているような原稿の紙サイズに対する出力の紙サイズの
拡大/縮小率を指示するボタンが用意されており、これ
の「等倍(100%)」が選択された場合、出力紙サイ
ズを知るために、論理識別子付与モジュール173の出
力結果から計算して原稿のサイズが「A4タテ」である
ことを認知して処理をする。これにより、より多様なデ
ザイン指示に対して対応可能となる。
【0047】(第3の実施例)第3の実施例の具体的な
構成を図18に示す。デザインパラメータ決定モジュー
ル185は、デザイン指示入力モジュール184からの
指示項目、論理識別子付与モジュール183から得られ
る情報、デザインパラメータとそれら相互の関係を規定
する知識を保持する知識データベース1852と、デザ
イン指示入力モジュール184からの指示信号および論
理識別子付与モジュール183からの情報にもとづいて
知識データベース1852を参照しながら前向き推論や
後ろ向き推論などのなんらかの推論を行ってデザインパ
ラメータを決定する推論機構(推論エンジン)より構成
される。推論機構の動作手順例を図19をもとに説明す
る。デザインパラメータ決定モジュール185は、図1
9に示すように、推論開始の指示を受けると、推論エン
ジンの動きにより、まず知識データベース1852から
IF−THEN形式に書かれたすべてのルールを取り出
し、これをrulesとする(ステップS191)。次
にデザイン指示入力モジュール184および論理識別子
付与モジュール183から送られてきたデータを基にI
F条件部に書かれた条件がすべて真となるルールすべて
を見つけ出し、これをTrulesとする(ステップS
193)。次にTrulesの中からルールをひとつだ
け選び、このルールのTHEN実行部に書かれた実行内
容を実行する(ステップS193)。これらルールの選
択および実行を、Trulesが空になるか(ステップ
S194により判定)またはTHEN実行部による推論
停止指示が出るまで(ステップS192により判定)繰
り返す。これにより、デザインパラメータ決定モジュー
ル185はデザイン指示に合ったデザインパラメータを
決定する。
【0048】知識データベース1852は、IF−TH
ENルール形式やフレーム形式など何らかの知識表現方
法により文書の用途や仕上がりイメージなどを表す情報
と各論理要素の位置や文字サイズ等のデザインパラメー
タの関係をデータとして格納するものであり、磁気ディ
スク装置や光ディスク装置などで構成される。知識デー
タベース1852に格納されている知識の内容は、例え
ば「A4タテ横組みで仕上がりイメージが新鮮な文書の
場合、タイトルが14ポイントでその横幅が100mm
未満であれば、タイトル文字を24ポイントまで拡大す
る。」といった内容を図20に示したような形式で記述
したもので、知識の内容そのものは、例えば1991年
第42回情報処理学会全国大会予稿集7Q−7「文書表
現品質に関する評価尺度について」で述べられているよ
うな主観評価等の方法によって得られた定量的なデータ
や「富士ゼロックス著、『プレゼンテーション&ドキュ
メンテーション』、富士ゼロックス、1989年」や
「富士ゼロックスD推進グループ、コアデザイン制作部
編、『ビジネスドキュメントの演出技法−2 カラー
化』、日本経済新聞社、1992年」などに記されてい
るような定性的または定量的なデータ、あるいは社内の
規則による決めごとなどを表したデータなど、文書のデ
ザインを決定するのに必要な種々の知識である。一般的
な知識データベースにおける知識の表現方法や推論エン
ジンの構成については、例えば、「F.ヘイズ−ロス他
編、AIUEO訳、『エキスパートシステム』、産業
図書、1985.」などに詳しく解説されている。他の
構成要素は第2の実施例に準ずる。
【0049】次に、図3の文書例をもとに動作を具体的
に説明する。本実施例では、デザインパラメータ決定モ
ジュール185はデザイン指示入力モジュール184か
らの指示信号および論理識別子付与モジュール183か
らの情報にもとづいて知識データベース1852を参照
して個々のデザイン要素毎にその最適な値を推論し決定
する。例えば、デザイン指示入力モジュール184から
「文書種類:報告書」「カラーモード:+1色」「仕上
がりイメージ:新鮮」という選択情報がデザインパラメ
ータ決定モジュール185に与えられたとする。これと
共に、論理識別子付与モジュール183から「タイト
ル」「本文」などの論理要素に関する情報が送られてく
る。デザインパラメータ決定モジュール185では図1
9に示すような動作手順により図20に示すようなルー
ルが実行される。このルールは、「文書.種類:A4タ
テ」や「文書.タイトル.矩形幅:80」などのような
情報によりIF条件部が真となり選ばれたルールであ
る。その意味するところは例えば、紙面がA4タテ横組
みで、タイトルが14ポイントの大きさの場合、タイト
ル幅が100mm未満の短いものであれば、思い切って
タイトルの文字サイズを24ポイントにするのが適当で
あるということである。一方、「文書.タイトル.矩形
幅」が80mmではなくて120mmの場合は図20に
示すルールの代わりに図21に示すルールが実行され
る。その意味するところは例えば、紙面がA4タテ横組
みで、タイトルが14ポイントの大きさの場合、タイト
ル幅が100mm以上の長いものであれば、タイトルの
文字サイズを24ポイントにするタイトルが2行に渡っ
てしまうこともあり、タイトルが重たくなりすぎるの
で、大きさを18ポイントに抑え、その代わり、目立た
せる意味で白ぬきの文字装飾をするのが適当であるとい
うことである。この他にも、図22に示すようなルール
などが次々と実行されていき、他のデザイン要素の値も
決定されて、必要なデザインパラメータがすべて決定さ
れたところで推論を終了する。このようにして得られた
デザインパラメータの値は出力画像生成モジュール18
6に送られ、第1の実施例と同様に処理される。
【0050】(第4の実施例)前述のように、従来技術
では利用者の意図に応じて共通のフォーマットになるよ
うに文書中の文字の大きさ、段組の変更などの加工を行
って出力するという機能の実現には不十分なものであっ
た。この実施例の文書処理装置は、この問題点を解決す
るものであり、利用者の望む文書デザインに対するごく
簡単な指示を受け取るだけで、入力文書の中の文字の大
きさ、段組の変更などのデザインを自動的に変更し、指
示に則した統一的なデザインを持つ文書に加工して出力
する機能を有するものである。この実施例の装置は、図
1に示す第1の実施例と同様に、原稿文書をデジタル画
像として入力し、入力画像メモリ111に保持させる原
稿画像入力モジュール11と、入力画像メモリ111に
保持されている文書画像上の画素の集まりを、それぞれ
文書要素として意味のある塊として領域に分割する領域
分割モジュール12と、その領域分割モジュール12に
よって分割された文書画像上の各領域に、それぞれ文書
の論理的な意味での識別子を付与する論理識別子付与モ
ジュール13と、利用者が所望する用途や仕上がりイメ
ージ等を指示するためのデザイン指示モジュール14
と、そのデザイン指示モジュール14によって指示され
た内容に応じて、出力文書のデザインに関するパラメー
タ値を論理識別子別に決定するデザインパラメータ決定
モジュール15と、前記文書画像保持モジュール11の
入力画像メモリに保持されている文書画像から前記論理
識別子付与モジュール13で付与された論理識別子毎の
各領域画像を切り出し、前記デザインパラメータ決定モ
ジュール15によって決定された論理識別子別のデザイ
ンパラメータ値にしたがって該各領域画像を加工して出
力画像を生成する出力画像生成モジュール16と、該出
力画像生成モジュール16が生成した文書画像を可視化
メディア上に可視化する可視化モジュールであるプリン
トアウト・モジュール17とを備えている。この第4の
実施例の構成において、原稿画像入力モジュール11、
領域分割モジュール12、論理識別子付与モジュール1
3、およびプリントアウト・モジュール17は、第1の
実施例と全く同じ機能を有している。しかしながら、デ
ザイン指示入力モジュール14、デザインパラメータ決
定モジュール15および出力画像生成モジュール16
は、段組の変更を行うための機能が付加されている点が
具体的には異なる。
【0051】以下、この相違する点を中心に説明する。
デザイン指示入力モジュール14は例えば機器の操作パ
ネルの上に配置されたボタン等によって実現される。ボ
タンが押されたならばその指定に対応するデータをデザ
インパラメータ決定モジュール15に受け渡す。図23
で示されている例では、デザイン指示選択としては「オ
ーソドックス」「論文調」「雑誌記事調」といった仕上
がりイメージ選択肢があることを示している。この他、
図23には示していないもので、通常の複写機に準備さ
れている出力紙サイズの選択ボタンなども用意されてい
る。これらのうち、適当な選択を実行すると対応する信
号がデザインパラメータ決定モジュール15に送られ
る。デザインパラメータ決定モジュール14は利用者が
入力した指定に応じて、あらかじめ登録してあるデザイ
ンパラメータテーブル151から指定に対応した論理識
別子ごとのデザインパラメータのデータを出力画像生成
モジュール16に受け渡す。デザインパラメータテーブ
ル151は出力紙サイズやデザイン指示の内容別などに
分類してROM(Read Only Memory)
に記憶させておく。量が多い場合は磁気ディスク装置等
で実現しても構わない。デザインパラメータテーブル1
51は2種類のテーブルから構成されており、1つはデ
ザイン指示とそれに対応する各テーブル番号のテーブル
でもう1つは論理識別子(例えば「タイトル」)を持つ
各要素に対してその配置位置、最大幅、文字については
その大きさ、文字修飾の方法などが示されたテーブルで
ある。これらは最終的な各文書要素がどのようにデザイ
ンされなければならないかを表現している。「論文調」
は本文の部分は2段組で1ページに多くの内容を入れる
というデザイン、「雑誌記事調」は各章ごとに2段組
に、「オーソドックス」は1段組でタイトル、著者のみ
をセンタリングするというデザインにそれぞれ対応して
いる。これらのパラメータテーブルの保持するデータ
は、第1の実施例と同様に、例えば1991年第42回
情報処理学会全国大会予稿集7Q−7「文書表現品質に
関する評価尺度について」で述べられているような主観
評価等の方法によって得られた定量的なデータや「富士
ゼロックス著、『プレゼンテーション&ドキュメンテー
ション』、富士ゼロックス、1989年」や「富士ゼロ
ックスD推進グループ、コアデザイン制作部編、『ビジ
ネスドキュメントの演出技法−2 カラー化』、日本経
済新聞社、1992年」などに記されているような定性
的または定量的なデータ、あるいは社内の規則による決
めごとなどを表したデータなど、文書のデザインを決定
するのに必要な種々の知識をもとに決定されている。
【0052】出力画像生成モジュール16はデザインパ
ラメータ決定モジュールからデザインパラメータのデー
タを受け取り、論理識別子付与モジュールから論理構造
データと、原稿入力モジュールから入力画像を受け取
る。そして、デザインパラメータ決定モジュールから受
け取った段組の指示をも含むパラメータに従って、それ
ぞれ論理識別子別に対応する入力原稿の部分画像を変換
し、出力画像を生成していき、最終的に指示されたデザ
インイメージを持つ文書画像を生成する。
【0053】実際の動作を図24a〜図24cに示すよ
うな3種類の文書を例にとって説明する。これらはすべ
てモノクロ原稿であり、種別は論文のカバーページで互
いに共通の要素が異なるデザインでレイアウトされてい
るようなものである。処理の概略のフローは第1の実施
例と同じであり図4に示す。なお、以後座標系を図24
a中に示すようにページ右に向かう方向をx座標、ペー
ジ下に向かう方向をy方向とする。まず、利用者は図2
4a〜図24cの文書のうちの1つをイメージスキャナ
等のプラテンの上に置き、図23に示したような操作パ
ネル上で単なる複写か、デザイン変更かの選択をはじ
め、デザイン変更を選択した後は、デザイン指示ボタン
によって好みのデザイン等を必要に応じて選択する。い
ま、「+1色」「論文調」、それに出力紙サイズ「A4
タテ」が選択されたとする。この状態でスタートボタン
が押下されると、原稿画像入力モジュール11は走査を
開始し、画像入力メモリ111であるイメージメモリに
原稿の画像を記憶する。次に領域分割モジュール12が
処理を行い、その結果、図24aに示した入力画像が入
力画像メモリ111上で図25に示すように文字がまと
まって並んでいる領域(文字ブロック領域)とけい線が
存在する領域(けい線領域)とそれ以外(余白)に分割
される。領域を表現する矩形は原稿画像のx,y方向そ
れぞれに平行な辺を持ち、対象となる領域を囲む最小矩
形とする。領域を表現するデータは基本的に「種別、左
上点x座標、左上点y座標、幅、高さ」の組で表現され
る。さらに文字ブロック領域の場合はその領域内の下位
の要素である文字行領域のデータを保持し、さらに文字
行はその文字行領域内の下位の要素である一文字ずつの
文字の領域のデータを保持するような階層構造となる。
領域分割結果は図7のような表形式で表現され、このデ
ータ、すなわちレイアウト構造を論理識別子付与モジュ
ール13に渡す。
【0054】論理識別子付与モジュール13では、受け
取ったレイアウト構造と保持している構造モデルとのマ
ッチングを行い、レイアウト構造の最上位の要素がどの
ような論理的な意味合いを持つかを示す「タイトル」、
「著者」、「サブタイトル」、「本文」などの名称を識
別子として与える。通常、ある範囲で流通する文書は
「タイトル」、「著者」は上下配置になっているなど、
ある程度固定的なデザインの文書が多い。この性質を利
用するのが構造モデルで、構造モデルとはすなわち対象
となる文書のデザインについてのテンプレートである。
これらテンプレートである構造モデルもROMにあらか
じめ複数記憶しておく。図24に示した3種類の文書に
対応する構造モデルは図26a〜図26cに示すように
要素をその種別(文字ブロック、文字行、けい線など)
と対応する論理名称を持つノード、これら要素間の相対
的な位置関係をリンクとするようなグラフ構造で表現さ
れる。このモジュールにおけるマッチング処理とはすな
わち、登録してある1つの構造モデルとマッチするかど
うかの判定を行うことである。登録されている構造モデ
ルを1つずつ取り出し、マッチング処理が成功するまで
順にマッチング処理を起動する。もし、すべての構造モ
デルとのマッチングが失敗したならば入力文書は処理不
可能というメッセージを機器のパネルに表示し、以後の
処理を何も行なわずに終了する。ある構造モデルとのマ
ッチングが成功した場合はレイアウト構造における要素
と構造モデルのノードとの対応がわかるため、これを利
用してレイアウト構造のマッチングの対象となった各要
素に構造モデルのノードに定義されている論理名称を付
与する。このようにレイアウト構造の要素に論理名称が
付与されたデータを論理構造と呼ぶ。
【0055】デザイン指示入力モジュール14はすでに
「+1カラー」「論文調」「A4タテ」のボタンが押下
されたことを感知して対応する信号をデザインパラメー
タ決定モジュール15に送っている。デザインパラメー
タ決定モジュール15では利用者によって選択されたデ
ザイン指示に対応する信号により、あらかじめROMに
分類して登録してある複数のデザインパラメータテーブ
ルの中から適切なものを選び出し、出力画像生成モジュ
ール16に送る。出力画像生成モジュール16に送られ
るデザインパラメータはその版面と個別デザインパラメ
ータテーブルから構成される。版面はページ全体のうち
どの範囲に要素を配置するかを指定するもので、例えば
文字をどこまで配置できるかといった要素個々のデザイ
ンパラメータで明示的に示されていない位置を決定する
のに用いられる。個別デザインパラメータテーブルは図
27に示すように論理名称ごとに領域の基準位置、最大
幅、文字の大きさ、文字修飾の方法、段数などがテーブ
ルで管理されている。基準位置はx,y方向それぞれの
基準となる要素の辺とそこからのオフセット量で示され
る。単位はすべてmmである。基準となる要素は「ペー
ジ」の絶対位置で示されている場合と、他の要素との相
対位置で示されている場合がある。要素基準位置はx,
y方向のオフセットによって計算された位置に合致させ
る要素の矩形の頂点位置を意味している。
【0056】出力画像生成モジュール16は論理構造と
デザインパラメータを受け取り、そのパラメータに指示
された通りに入力原稿の部分画像を変換し、出力画像を
生成していく。本実施例では、2色の出力が行われるの
で、黒色画像とプラス1カラー画像の2つの出力画像メ
モリを持つ。出力画像生成モジュールにおける処理の概
略のフローは第1の実施例と同様であり、図13で示さ
れる通りである。すなわち、最初に個別デザインパラメ
ータテーブルの要素の順にその論理名称を持つ領域分割
結果を取り出す。この例でいえばデザインパラメータテ
ーブルの最初は「雑誌名」であるので、「雑誌名」とい
う名称を持つ要素を論理構造から取り出す。この「雑誌
名」に対応するレイアウト構造要素と個別デザインパラ
メータテーブル中の「雑誌名」のデザインパラメータ
と、入力画像上でこの要素に対応する部分画像の3つを
パラメータとして領域画像生成処理を呼出す。この処理
の結果デザインパラメータにしたがった「雑誌名」の出
力画像が得られる。得られた画像をデザインパラメータ
で指定された出力画像上の位置(ページ右端から−20
mm、ページ上端から10mmの位置にTOP−RIG
HTすなわち矩形の右上の点が来るように)に配置す
る。この際、色指定が1となっている要素はプラス1カ
ラー画像メモリに、0であるものは黒色画像メモリに配
置する。最後に「雑誌名」という名称とその配置された
矩形の位置・大きさを記憶しておく。これで「雑誌名」
については終了し、テーブルの次の要素である「ページ
番号」について同様な処理を繰り返す。こうしてテーブ
ル内のすべての要素の配置が終了すれば処理は終わる。
【0057】「雑誌名」の場合は配置する基準が「ペー
ジ」の絶対位置で指定されているが、「著者」などの場
合は相対的な指定となっている。これを決定するために
すでに配置された要素の矩形の位置が必要となる。配置
が終了した時点で矩形の位置を記憶しておくのはこのた
めである。個別デザインパラメータテーブルの要素ごと
に呼び出される領域画像生成処理は、領域の種別が文字
かけい線かで呼び出す処理を変えるようにしている。具
体的には、けい線の場合は入力画像を用いずに、単に直
線となるような細長い画像を生成し、塗りつぶして返す
という処理を行う。文字の場合は文字画像生成処理を呼
び出している。
【0058】文字画像生成処理はさらに文字流し込み処
理、領域拡大・縮小処理、文字修飾処理の3つの処理を
順次呼び出す。「本文1」の領域を例にとってこの処理
を説明する。文字流し込み処理は文字ごとに切り出され
ている画像をある幅に収まるように再配置するというも
のでこれは第1の実施例で説明したとおりである。
【0059】拡大・縮小処理をこの処理の後に行うため
にまず拡大率rを計算する。拡大率はデザインパラメー
タで指定されている文字サイズに対する入力文書におけ
る文字サイズとの比で表される。入力文書における文字
サイズはレイアウト構造の「本文1」領域の文字行の高
さの平均値から文字サイズは12ポイントであることが
わかる。一方、個別デザインパラメータテーブルで指定
されている文字サイズは10ポイントなので、拡大(縮
小)率は5/6となる。次にデザインパラメータの最大
幅を拡大率で割って流し込みの幅を計算する。ここでの
例ではレイアウト幅が160mmであり、段数は2が指
定されているため、段間マージン10mmを差引き段数
で割って75mm、さらに拡大率で割って、流し込み幅
は90mmとなる。この幅にこの文字領域中の文字画像
が並ぶように再配置する。
【0060】次に領域拡大・縮小処理が呼び出され、拡
大率にしたがって、流し込まれた画像をレイアウト幅が
75mmとなるように縮小を行う。最後に文字修飾処理
を呼出す。これはデザインパラメータ中の文字修飾の指
定に応じた画像処理で実現される。「本文1」の場合は
ノーマルが指定されているので何も処理を施さないが、
例えば「サブタイトル1」はボールドが指定されてい
る。これは画像全体を数ドットずらして論理和で重ね合
わせることで実現できる。ボールド以外にはイタリッ
ク、反転、それらの組合せ、あるいは囲み罫の付加など
の処理を簡単な画像処理で実現することができる。
【0061】このような文字画像生成処理によって得ら
れた「本文1」は「サブタイトル1」の下2mm、ペー
ジ左端より20mmの位置にTOP−LEFTが来るよ
うに配置される。「雑誌名」から「本文1」までが配置
されたときの出力画像メモリの状態を図28に示す。
【0062】「サブタイトル2」を前述と同様に配置し
た後、「本文2」の画像生成処理を行う。このとき「本
文2」は左の段に入りきらないため、2つの段に渡るこ
とになる。このような場合の処理を説明する。レイアウ
トパラメータで指定されている版面の下辺を限度とする
位置をあらかじめ計算しておき、それをもとに文字流し
込み処理を行う。版面を越えないところまで行の文字流
し込みが終了したならば、いったんその時点で領域拡大
・縮小処理、文字修飾処理を呼び出し、変換画像を出力
画像メモリの指定された位置に配置する。「本文2」の
配置指定位置はデザインパラメータの指示通り「サブタ
イトル2」の下2mm、ページ左端より20mmの位置
である。このとき次の要素の画像生成処理に移らないよ
うに文字画像生成処理から「未終了」というフラグを返
しておき、残った文字をあらためて同じ幅の画像に流し
込んでいく。こうして得られた画像は領域拡大・縮小処
理、文字修飾処理を経て返される。これを配置する場
合、デザインパラメータによる指定は「サブタイトル
2」からの相対位置となっているため、使えない。した
がって次のような条件から配置位置を決定する。 (1) x座標はすでに配置された「本文2」の右辺か
ら段間マージンである10mmを加えた位置とする。 (2) y座標はデザインパラメータテーブル上で同じ
段数、同じ最大幅の指定が連続している要素を順に前に
探索していき、その先頭の要素が配置された矩形の上辺
のy座標の位置とする。 (2)の条件は同じ条件で配置されてきたものが同一の
段組の中に配置される要素の先頭であると見なすことを
意味し、この例では「サブタイトル1」が段数:2、最
大幅:160mmで配置される最初の要素である。配置
位置を「サブタイトル1」の上辺のy座標に設定し「本
文2」の残りの部分の画像が配置される。
【0063】以上のような処理で得られた出力画像2つ
を図29に示す。タイトルとサブタイトル1、サブタイ
トル2がプラス1カラー画像に配置される。この出力画
像は黒色画像、プラス1カラー画像がそれぞれ1ライン
ずつ読み取られ、対応する色でレーザビームプリントで
普通紙上に可視化され、図30aのように出力される。
図24bについても同様の処理が行われ、図30bのよ
うに出力される。これらの例からわかるように入力原稿
の論理識別子として付与されていた飾り罫はまったく出
力されない。このような罫線は文書の種別を同定する際
には有効であるが、出力の際には複数の文書に共通なも
ののみをデザインパラメータで指定することになる。
【0064】次にデザインパラメータで指定している1
つの論理識別子に対応する要素が1つではなく複数ある
場合についての例を示す。この場合の入力文書の例とし
て図24cに示すようなものを考える。これにマッチす
る構造モデルは図26cに示すようなものである。この
場合、「本文1」の領域が論理識別子としては「本文1
a」、「本文1b」と分かれている。この場合の処理に
ついて説明する。出力画像生成処理は個別デザインパラ
メータテーブルで指定されている論理識別子を順に論理
構造の部分画像を変換していく処理であるが、入力文書
の論理構造中にこのテーブル上の論理識別子と一致する
ものがない場合に次のような処理を行う。まず、入力文
書の論理構造の要素にテーブル上の取り出すべき論理識
別子にある文字列が追加されているようなものを取り出
す。この場合、「本文1」に対しては「本文1a」、
「本文1b」となる。取り出した要素が複数ある場合は
論理識別子をソートし、順序を決定する。したがって、
論理識別子の「本文1」のあとに続く文字はa,bなど
のアルファベットに限定されているわけではなく、ソー
トしてその順序がわかるようなものであればなんでもよ
い。次に決定された順序にしたがって内部的に1つの文
字ブロックとして扱えるようにレイアウト構造を変換す
る。変換とはすなわち、構造上は木構造の根にあたる文
字ブロックのノードを共通にするだけでよい。これにし
たがってできあがった出力文書を図30cに示す。ここ
では「本文1」はいったん1つの文字ブロックとして見
なされたものが再び2つの段に再配置されることにな
る。このような操作によって、入力原稿中で複数のブロ
ックに分かれている要素も1つの要素と同様に扱うこと
ができる。
【0065】次に段組にバランスが指定されている場合
の処理を説明する。バランスとは段それぞれに行数を均
等に割り付けるものである。これは仕上がりイメージ
「雑誌記事調」に対応し、この場合のレイアウトパラメ
ータは図31のようになる。すなわちサブタイトルを1
段組で、本文をバランスされた2段組でレイアウトする
ことを表現している。この処理ではまず版面下辺までに
何行入るかを計算する。この行数と段数を乗ずると最大
行数が分かる。これを先に計算した上で、前述の例と同
様に段の幅を計算し、その幅に収まるように文字画像を
配置していく。このとき、それぞれの行の矩形位置を記
憶すると同時に行数をカウントしていく。行数が最大行
数を越えない間は文字流し込み処理を行い、流し込まれ
た文字画像の行数を段数で除してそれぞれの段に収まる
行数を計算する。その行数分だけ、記憶しておいた行の
矩形の位置からできあがった画像を切り出して上辺の位
置が合致するように段間マージンをあけて水平に配置し
ていく。図32では図24aの入力文書の「本文2」に
この処理を適用した様子が示されている。もし、行数を
段数で除して余りが出たときには各段の行数が左側の方
が多くなるように調整する。例えば、流し込まれた結果
の行数が13行で2段に分割するとき、最初から7行目
までを左の段とし、8行目から13行目までを右の段と
する。こうしてできあがった変換画像を出力画像メモリ
上の指定された位置に配置する。図31に示されたレイ
アウトパラメータにしたがって配置された結果を図33
に示す。
【0066】当然、1段組から2段組への変換のみなら
ず、2段組から1段組への変換を行うことも同様に行え
る。これはデザイン指示で「オーソドックス」を指定し
た場合に対応する。このときの個別レイアウトパラメー
タテーブルは図34のようになる。この場合、段組を意
識せずにいわゆる成り行き組み版で要素をレイアウトし
ていくことになる。図24a〜図24cに対応したデザ
イン変更の結果は図35a〜図35cのようになる。
【0067】以上に説明した第4の実施例によれば利用
者は簡単な指示を行うだけで、紙等に書かれた既存のさ
まざまに異なるデザインの文書から段組の指定された共
通のデザインを持つ文書を容易に作成することができ
る。
【0068】(第5の実施例)この実施例は、文書画像
中の図形要素をどこに配置するかを指定するだけで、残
りの部分を自動的に配置することができ、利用者がごく
簡単な操作で文書のデザインを変更することができる文
書処理装置に関するものである。
【0069】図36に示すようにこの文書処理装置は、
原稿文書をデジタル画像として入力し、入力画像メモリ
111に保持させる原稿画像入力モジュール361と、
入力画像メモリ3611に保持されている文書画像上の
画素の集まりを、それぞれ文書要素として意味のある塊
として領域に分割する領域分割モジュール362と、そ
の領域分割モジュール362によって文字要素であると
判定された領域に対して、文章が書かれている順番を決
定する文字流し込み順決定モジュール363と、文書画
像中の図形要素を配置する位置を指定するための位置指
定モジュール364と、その位置指定モジュール364
によって入力された位置へ文書画像中の図形要素を配置
するために文書画像中の各要素の位置を決定するレイア
ウト位置決定モジュール365と、前記入力画像メモリ
3611に保持されている文書画像から、文字流し込み
順決定モジュール363で決定された文章が書かれてい
る順番とレイアウト位置決定モジュール365によって
決定された文書画像中の各要素の位置の情報にしたがっ
て、該各領域画像を加工して出力画像を生成する出力画
像生成モジュール366と、その出力画像生成モジュー
ル366が生成した文書画像を可視化メディア上に可視
化するプリントアウト・モジュール367とを備えてい
る。原稿画像入力モジュール361、領域分割モジュー
ル362およびプリントアウト・モジュール367は第
1の実施例と同様の機能を有するものである。
【0070】本実施例では、対象文書として、2段組の
文書で、文字と図形の要素から構成される文書例を用い
る。図37はその文書例を示すものである。図38はそ
の文書例に対して領域分割モジュール362による処理
を施した結果を示すものである。文字流し込み順決定モ
ジュール363は、領域分割モジュール362において
得られた文書のレイアウトを基に、文書の書き方のルー
ルに従って各文字要素に対して番号を割当てて行く。た
とえば、このルールに2段組の文書は左の段から書きは
じめ、同じ段に複数の文字要素がある時は上に位置する
文字要素から順に書かれる、といった内容が記録されて
いる。このルールに従って、各文字要素の領域の座標を
比較して、文章が書かれている順番を決定して行く。こ
の処理の結果を図39に示す。
【0071】位置指定モジュール364は、文書画像中
の図形要素をどの位置に配置するかの指定を利用者が入
力するもので、たとえば図41のような機器の操作パネ
ル上に設けられたボタンによって実現することができ
る。ボタンが押されたならば、その指定に対するデータ
がレイアウト位置決定モジュール365に受け渡され、
領域分割モジュール632による文書要素の領域の位置
と大きさから、図形要素を指定の場所に配置したとき、
各要素を配置すべき場所を計算する。図41で示すとお
り、図形要素を配置する位置の選択ボタンとしては、ペ
ージ毎の『上揃え』『下揃え』、段組毎の『上揃え』
『下揃え』の4つが用意されている。ページ毎とは、図
形要素位置の変更において違う段への移動が伴うが、段
組毎とは、段の移動を伴わないような図形要素位置の変
更を言う。たとえば、段組毎の指定のときは右の段にあ
る図形要素は左の段に移動することはないが、ページ毎
の指定の時は右の段にある図形要素が左の段に移動する
ことがある。これらのうち1つを選択すると対応する数
値(1,2,3,4)が電気信号としてレイアウト位置
決定モジュール365受け渡される。
【0072】レイアウト決定モジュール365では、操
作パネル411によって入力された指定に応じて、各文
書要素の配置位置を決定する。たとえば、段組毎の『上
揃え』が文書画像371に対して指定された時、図40
に示すように各文書要素の位置を変更する。このとき
は、各文書要素が上下方向に平行移動するように各文書
要素の位置を変更すればよい。また、図42のような文
書画像に対してページ毎の『上揃え』を指定すると、文
字要素1の一部を右側の段に移す必要があり、レイアウ
ト位置決定モジュール365は、このような文書要素の
一部を分割して別の段に配置するような処理も行い、図
43のようなレイアウトに変更する。この処理の手順を
図44を用いて簡単に説明する。まず、1つの段組中に
ある各文書要素の高さを計上することで文書中の1段の
大きさを求める(ステップS441)。次に、図形要素
が移動した時の段の大きさをステップS441と同様に
して求め、移動前と移動後の大きさを比較する(ステッ
プS442)。大きさに変化がなければ、そのまま各文
書要素の配置位置を決定する(ステップS444)。移
動後の段の大きさが大きくなっていた場合には、段に入
り切らない分を他の段に移動して各文書要素の配置位置
を決定する(ステップS443)。また、移動後の段の
大きさが小さくなっていた場合は、余っている分を他の
段から移動してきて、各文書要素の配置位置を決定する
(ステップS445)。これらの処理の結果は、図45
のような各要素の位置と大きさを表すテーブル451の
形で出力画像生成モジュール366に受け渡される。
【0073】出力画像生成モジュール366では、レイ
アウト位置決定モジュール365により出力されるテー
ブル451を基に文書画像を生成する。このとき、図形
要素に対して、その図形要素に対応する部分を入力画像
から切り出してきて、テーブル451で示される位置に
配置する。文字要素に関しては、その文字要素に対応す
る部分を切り出してきたのち、各文字を表す部分画像に
再分割を行う。この再分割した画像をテーブル451で
指定された位置に順に流し込んで行く。この流し込み処
理は、図14により説明した技術を用いることにより実
現することができる。
【0074】このようにして生成した画像を、プリント
アウト・モジュール367によって可視化し、普通紙上
の画像として出力することができる。なお、複写機以外
の画像処理装置への適用においては、レーザビームプリ
ンタを用いたりディスプレイ上のディジタル画像として
出力する。以上の処理により、文書画像中の図形要素を
どこに配置するかを指定するだけで、残りの部分を自動
的に配置することができるので、利用者はごく簡単な操
作で文書画像のデザインを変更することができる。
【0075】なお、本実施例では文書画像中の図形要素
だけを移動することを優先させてレイアウトを変更して
いるが、写真などが含まれている場合、文字要素以外の
部分を優先させてレイアウトの変更を行うことも、同様
の方法で実施することができる。
【0076】(第6の実施例)図46に示すような『タ
イトル』『アブストラクト』『脚注』などが文書構成要
素として含まれている場合、第5の実施例では図形要素
がタイトルの上に移動したり、脚注の下に移動したり
と、文書としては見栄えの悪いものができてしまうこと
がある。本実施例はこの問題を解決するために、図47
のような構成にして、各要素に対して論理識別子を付与
することにより、第5の実施例と同様の指定方法で図形
要素をアブストラクトの下に配置したり、脚注より上の
部分に配置したりすることを可能とするものである。す
なわち、本実施例は、図36に示す第5の実施例に論理
識別子付与モジュール478を追加する。この論理識別
子付与モジュール478において領域分割モジュール4
72で分割された各文書要素に対して、『タイトル』
『アブストラクト』『脚注』などの論理識別子を付与す
る。論理識別子付与モジュール478の機能は第1の実
施例で詳述したところと同じであるレイアウト位置決定
モジュール475において、『タイトル』『アブストラ
クト』などの論理識別子が付与されている文字要素の上
に位置するように図形要素を配置することを禁止した
り、『脚注』などの論理識別子が付与されている文字要
素の下に位置するように図形要素を配置することを禁止
することにより、文書として見栄えの整った結果を得る
ことができる。
【0077】なお、以上に説明した第1ないし第6の実
施例において、原稿画像入力モジュール、デザイン入力
モジュール、プリントアウトモジュール、位置指定モジ
ュール等は、既存のハードウェア技術によって構成する
ことができる。また、領域分割モジュール、論理識別し
モジュール、文字流し込み順決定モジュール、デザイン
パラメータ決定モジュール、レイアウト決定モジュー
ル、画像生成モジュール等の一部または全部を、ソフト
ウェアモジュールとして構成し、それらのソフトウェア
モジュールをROMあるいはその他の適宜の記憶装置に
格納し、中央処理装置により実行するようにしてもよ
く、あるいは、それらを個別の論理素子を組み合せた論
理回路によるハードウェアモジュールとして構成しても
よい。
【0078】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明に
よれば、利用者は文書デザインに関する知識をもたなく
ても、既存の文書をもとに、自分の意図や用途にあっ
た、見栄えの良い高品位なデザインの文書を容易に作成
することができる。すなわち、本発明は、利用者がデザ
イン指示手段により希望の用途あるいは仕上がりイメー
ジなどのごく簡単な指示をすれば、それに応じてデザイ
ンパラメータ決定手段によりデザインパラメータが決定
され、また対象の文書画像が領域分割手段と論理識別子
付与手段により解析され、それらの決定および解析の結
果に従って出力画像生成手段が、文書画像を加工して所
定の出力画像を自動的に生成するので、文書デザインに
関する知識をもたなくても、所望の高品位なデザインの
文書に変更することができる。従って、また、本発明に
よれば利用者は簡単な指示を行うだけで、既存のさまざ
まに異なるデザインの文書から共通のデザインを持つ文
書を容易に作成することができ、たとえば、様々なスタ
イルの論文を一定の書式に変更して統一的に整理するこ
とができる。
【0079】また、本発明の一態様によれば、領域分割
手段でレイアウト構造を抽出し、その抽出したレイアウ
ト構造を論理識別子付与手段で構造モデルと照合するこ
とによりその論理構造を認識し論理識別子を高い精度で
付与することができるので、出力画像も所期のデザイン
のものが確実に得られ、常に高品位の文書画像が得られ
る。
【0080】また、本発明の一態様によれば、デザイン
パラメータ決定手段が論理識別子ごとのデザインパラメ
ータのデータを出力画像生成手段に受け渡す際、入力さ
れた文書にどのような論理識別子をもったレイアウト構
造があるかという情報を論理識別子付与手段から受け取
り、これに対応して必要な論理識別子のみの情報を送る
ので、効率的な処理ができる。
【0081】また、本発明の一態様によれば、知識デー
タベースとして文書デザイン知識情報を用意し、推論処
理によってデザインパラメータを決定するので、多様な
文書画像に対し専門家の知識を生かした適切な文書デザ
インを決定することができる。
【0082】また、本発明の一態様によれば、デザイン
パラメータ決定手段は、デザインパラメータとして、段
組を指定するパラメータを用いることができるので、従
来技術では困難であった段組の変換を容易に行うことが
でき、利用者は簡単な指示を行うだけで、紙等に書かれ
た既存のさまざまに異なる段組を含むデザインの文書か
ら段組の指定された共通のデザインを持つ文書を容易に
作成することができる。
【0083】また、本発明の一態様によれば、文書画像
が図形等の要素と文字要素を含む場合において、文字要
素に対して文字流し込み順決定手段により流し込み順序
を決定すると共に、レイアウト位置決定手段により図形
要素の位置を優先したレイアウトの変更を行い、出力画
像生成手段により文字流し込みを行うように構成したの
で、簡単な構成により文書デザインを変更することがで
きる。また、文書画像中の図形要素をどこに配置するか
を指定するだけで、残りの部分を自動的に配置すること
ができるので、利用者はごく簡単な操作で文書のデザイ
ンを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例を示す構成図
【図2】 デザイン指示入力モジュールの例を示す図
【図3】 入力文書の例を示す図
【図4】 第1の実施例における処理のフローチャート
【図5】 入力文書例による領域分割モジュールの処理
結果示す図
【図6】 領域分割モジュールの処理結果の階層構造と
入力文書例との対応を示す図
【図7】 領域分割モジュールの処理結果のデータの階
層構造を示す図
【図8】 論理識別子付与モジュールの構成の一例を示
す図
【図9】 構造文書モデルの例を示す図
【図10】 入力文書例と構造文書モデル例とのマッチ
ング結果の一例を示す図
【図11】 デザインパラメータテーブルの例を示す図
【図12】 デザインパラメータテーブルのパラメータ
の示す内容の例を示す図
【図13】 出力画像生成モジュールにおける処理のフ
ローチャート
【図14】 文字流し込み処理のための構成の一例を示
す図
【図15】 出力画像生成モジュールにおいて生成され
た出力画像の例を示す図
【図16】 プリントアウトモジュールにおいて出力さ
れた画像の例を示す図
【図17】 第2の実施例を示す構成図
【図18】 第3の実施例を示す構成図
【図19】 推論機構における処理のフローチャート
【図20】 知識データベースにおける知識例1
【図21】 知識データベースにおける知識例2
【図22】 知識データベースにおける知識例3
【図23】 デザイン指示入力モジュールの例を示す図
【図24a】 入力文書の一例を示す図
【図24b】 入力文書の他の例を示す図
【図24c】 入力文書の他の例を示す図
【図25】 入力文書例による領域分割モジュールの処
理結果を示す図
【図26a】 構造モデルの一例をグラフ構造で示す図
【図26b】 構造モデルの他の例をグラフ構造で示す
【図26c】 構造モデルの他の例をグラフ構造で示す
【図27】 個別デザインパラメータテーブルの一例
(1)を示す図
【図28】 出力画像生成モジュールにおいて処理途中
の出力画像の例を示す図
【図29】 出力画像生成モジュールにおいて最終的に
生成された出力画像の例を示す図
【図30a】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の一例を示す図
【図30b】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の他の例を示す図
【図30c】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の他の例を示す図
【図31】 個別デザインパラメータテーブルの他の例
(2)を示す図
【図32】 バランス指定時の段組変換を示す図
【図33】 プリントアウトモジュールにおいて出力さ
れた文書の例2
【図34】 個別デザインパラメータテーブルの他の例
(3)を示す図
【図35a】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の例を示す図
【図35b】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の他の例を示す図
【図35c】 プリントアウトモジュールにおいて出力
された文書の他の例を示す図
【図36】 第5の実施例を示す構成図
【図37】 第5の実施例の説明のための入力文書の例
を示す図
【図38】 図37の入力文書例による領域分割モジュ
ールの処理結果を示す図
【図39】 図38の文字要素に対する文字流し込み順
決定モジュールの処理結果の例を示す図
【図40】 レイアウト位置変更結果の例を示す図
【図41】 位置指定モジュールの例を示す図
【図42】 領域分割結果の例を示す図
【図43】 図42の領域分割結果に対し、ページ毎の
『上揃え』を指定したときの配置結果を示す図
【図44】 レイアウト位置決定処理のフローチャート
【図45】 レイアウト位置決定処理の結果を表すテー
ブル
【図46】 第6の実施例を説明するための入力文書の
例を示す図
【図47】 第6の実施例を示す構成図
【符号の説明】
11,171,181,361,471…原稿画像入力
モジュール、111,3611…入力画像メモリ、1
2,172,182,362,472…領域分割モジュ
ール、13,173,183,478…論理識別子付与
モジュール、14,174,184,364…デザイン
指示入力モジュール、15,175,185,365…
デザインパラメータ決定モジュール、151,1751
…デザインパラメータテーブル、16,176,18
6,366…出力画像生成モジュール、17,177,
187,367…プリントアウト・モジュール、17
1,3671…出力画像メモリ、474…位置指定モジ
ュール、475…レイアウト位置決定モジュール、36
3,473…文字流し込み順決定モジュール。
フロントページの続き (72)発明者 田中 剛 神奈川県横浜市保土ヶ谷区神戸町134番 地横浜ビジネスパークイーストタワー13 F 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 糸乘勝彦 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−55769(JP,A) 特開 平4−78965(JP,A) 画像電子学会誌 第17巻 第5号 p 267−277,昭63 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 1/00 - 1/60 G06T 11/60 H04N 1/387

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文書画像を記憶する文書画像保持手段
    と、 前記文書画像保持手段に記憶された文書画像情報を複数
    の領域に分割する領域分割手段と、 前記領域分割手段によって分割された文書画像上の各領
    域に、文書の論理的な意味を表す論理識別子を付与する
    論理識別子付与手段と、 出力文書の文書デザインを指示する情報を入力するデザ
    イン指示手段と、 前記デザイン指示手段の指示に応じて出力文書の文書デ
    ザインに関するパラメータ値を論理識別子別に決定する
    デザインパラメータ決定手段と、 前記論理識別子付与手段により付与された論理識別子を
    有する各領域の画像情報を、その論理識別子に対応する
    前記デザインパラメータ決定手段が決定したパラメータ
    値に基づいて、加工して出力画像を生成する出力画像生
    成手段とを備えたことを特徴とする文書処理装置。
  2. 【請求項2】 前記領域分割手段は、レイアウト識別
    子、領域種別、領域の寸法、位置を含む領域情報と領域
    間の関係を表す情報とを含むレイアウト構造を出力する
    ものであることを特徴とする請求項1記載の文書処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記論理識別子付与手段は、レイアウト
    構造と論理構造との関係を表す複数の構造モデルを記憶
    する構造モデル記憶手段と、領域分割手段により得られ
    た前記レイアウト構造を前記構造モデルと比較するマッ
    チング処理手段と、その比較の結果により一致の取れた
    構造モデルを基に、各領域の論理識別子を付与する論理
    構造決定手段を有することを特徴とする請求項1記載の
    文書処理装置。
  4. 【請求項4】 前記デザイン指示手段は、「報告書」
    「企画書」「OHP資料」等のような文書の種類や、
    「オーソドックス」「新鮮」「機能的」等のような文書
    の仕上がりイメージなどのデザイン指示項目を選択する
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の文書処理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記デザインパラメータ決定手段は、前
    記デザイン指示手段の指示内容により、前記文書デザイ
    ンに関するパラメータ値を索引することのできるテーブ
    ル手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の文書処
    理装置。
  6. 【請求項6】 前記テーブル手段は、デザイン指示とそ
    れに対応する各テーブル番号との対応を示す第1のテー
    ブルと、論理識別子を持つ各要素に対してその配置位
    置、最大幅、文字についてはその大きさ、文字修飾の方
    法などのパラメータが示された第2のテーブルとを備え
    たことを特徴とする請求項5記載の文書処理装置。
  7. 【請求項7】 前記デザインパラメータ決定手段が、前
    記デザイン指示手段の指示と論理識別子付与手段の出力
    とに基づいて出力文書の文書デザインに関するパラメー
    タ値を決定することを特徴とする請求項1記載の文書処
    理装置。
  8. 【請求項8】 前記デザインパラメータ決定手段は、文
    書デザインに関する知識情報を格納した知識データベー
    スと、前記デザイン指示手段の指示と論理識別子付与手
    段の出力とに基づいて前記知識データベースに格納され
    た文書デザイン情報を用いて推論処理を実行することに
    より出力文書の文書デザインに関するパラメータ値を決
    定する推論処理手段とを備えたことを特徴とする請求項
    7記載の文書処理装置。
  9. 【請求項9】 前記デザインパラメータ決定手段は、決
    定可能なデザインパラメータとして、段組を指定するパ
    ラメータを有し、前記出力画像生成手段は、そのデザイ
    ンパラメータ決定手段において決定された論理識別子毎
    のデザインパラメータの一部に段組が指定されている場
    合には、対応する領域の画像情報を指定された段組に変
    換することを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
  10. 【請求項10】 前記出力画像生成手段は、前記デザイ
    ンパラメータ決定手段において決定されたデザインパラ
    メータの論理識別子に対応する要素が複数ある場合に
    は、それらの順序を決定し、それらの要素の領域画像を
    指定された段組に変換することを特徴とする請求項9記
    載の文書処理装置。
  11. 【請求項11】 文書画像を記憶する文書画像保持手段
    と、 前記文書画像保持手段に記憶された文書画像上の画素の
    集まりを、それぞれ文書構成要素として意味のある文字
    要素や図形要素などの領域に分割する領域分割手段と、 前記領域分割手段により分割された文字要素の領域に対
    して、文書が書かれている順番を決定する文字流し込み
    順位決定手段と、 文書画像中の特定の要素を配置する位置を指定する位置
    指定手段と、 前記位置指定手段で入力された位置へ文書画像中の前記
    特定の要素を配置すると共に、文書画像中の他の要素の
    配置を決定するレイアウト位置決定手段と、 前記文字流し込み順位決定手段で決定された文章が書か
    れている順番と、前記レイアウト位置決定手段によって
    決定された文書画像中の各要素の配置情報に基づいて出
    力画像を生成する出力画像生成手段とを備えたことを特
    徴とする文書処理装置。
  12. 【請求項12】 前記位置指定手段は、前記特定の要素
    として図形要素の位置を指定するものであることを特徴
    とする請求項11記載の文書処理装置。
  13. 【請求項13】 前記位置指定手段は、指定する位置と
    して、図形要素が文書の上端に配置されるようにする上
    揃えと、図形要素が文書の下端に配置されるようにする
    下揃えとを、選択的に指定する手段を備えたことを特徴
    とする請求項12記載の文書処理装置。
  14. 【請求項14】 出力画像生成手段は、階層構造を有す
    る文字領域の一番下位の層に該当するサブ文字パターン
    の配置に関する配置ルールを格納する配置ルール記憶手
    段と、前記サブ文字パターン情報記憶手段に記憶された
    サブ文字パターン情報と配置ルール記憶手段に記憶され
    た配置ルールをもとに行末行頭の配置の是非を判定する
    配置判定手段と、その配置判定手段の判定結果と前記サ
    ブ文字パターン情報記憶手段の記憶するサブ文字パター
    ン情報に基づき、前記文書イメージ記憶手段に記憶され
    た文書イメージ情報からサブ文字パターンを切り出して
    所望の領域内に配置する配置処理手段とを有することを
    特徴とする請求項11記載の文書処理装置。
  15. 【請求項15】 前記領域分割手段によって分割された
    文書画像上の各領域に、それぞれ文書の論理的な意味を
    表す識別子を付与する論理識別子付与手段を設け、前記
    出力画像生成手段はその論理識別子付与手段により付与
    された論理識別子を基に、配置に関する禁則処理を行う
    ことを特徴とする請求項11記載の文書処理装置。
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