JP2924461B2 - フィードバック式加工条件補正装置 - Google Patents

フィードバック式加工条件補正装置

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JP2924461B2
JP2924461B2 JP15878792A JP15878792A JP2924461B2 JP 2924461 B2 JP2924461 B2 JP 2924461B2 JP 15878792 A JP15878792 A JP 15878792A JP 15878792 A JP15878792 A JP 15878792A JP 2924461 B2 JP2924461 B2 JP 2924461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工後のワークの寸法
情報をフィードバックして加工条件を補正する装置に関
するものであり、特にその補正の精度を向上させる技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両のエンジンのシリンダボア
等の内円筒面,エンジンのクランクシャフトのジャーナ
ル面等の外円筒面等の加工部位をそれの実直径等の実寸
法が目標寸法に精度よく一致するように加工するために
フィードバック式加工条件補正装置が使用される。
【0003】この装置の一形式に次のようなものが存在
する。それは、(a) 複数のワークを順に加工する加工具
を加工条件に従って制御する加工具制御手段と、(b) 加
工された複数のワークの寸法を順に測定する寸法測定手
段とに接続されて使用されるフィードバック式加工条件
補正装置であって、寸法測定手段による測定結果に基づ
き、加工された各ワークの寸法に関する情報を取得し、
それに基づいて加工具の加工条件を補正するものであ
る。
【0004】この形式のフィードバック式加工条件補正
装置は従来、加工された各ワークの寸法誤差のみを寸法
情報として取得して加工条件を補正するように設計され
ていた。しかし、加工条件の補正は本来、ワークの実寸
法に影響を及ぼす要因をできる限り多く勘案して行うべ
きものである。そのため、従来装置では、その補正の精
度を十分には高めることができない。
【0005】このような事情に鑑み、本出願人は先に次
のような装置を開発した。これは、本出願人の特願平4
−61305号明細書に記載されているフィードバック
式加工条件補正装置であって、加工後のワークの寸法
誤差のみならずそれの変化傾向をも寸法情報として取得
する寸法情報取得手段と、取得された寸法情報に基づ
いて加工条件の補正値を決定する加工条件補正手段とを
含むものである。さらに、本出願人は、本出願人の特願
平4−61306号明細書に記載されているフィードバ
ック式加工条件補正装置であって、上記寸法情報取得
手段と、加工条件の補正値を逐次決定する加工条件補
正手段であって、取得された寸法情報と少なくとも前回
の補正値を含む過去の補正値とに基づいて今回の補正値
を決定するものをも開発した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら開発されたフィ
ードバック式加工条件補正装置(以下、単に開発装置と
いう)も前記加工具制御手段および寸法測定手段に接続
されて使用されることになるが、それら加工具制御手段
および寸法測定手段においては、ワークが加工具により
加工されたならば直ちに寸法測定手段により寸法測定が
行われるのではなく、加工されたワークについての寸法
測定は、それより先に加工されたワークについての寸法
測定の終了を待って行われるのが普通である。そのた
め、上記開発装置においては、加工されたワークであっ
て寸法測定を待つ待機ワークの数の標準値が一義的に設
定され、その標準値の下で最適な制御規則が設定され
て、前記加工条件補正手段が、その制御規則に従い、か
つ、最新の寸法情報(最新の寸法測定結果に基づく情
報)に基づき、加工具により次に加工されるべきワーク
の加工条件を補正するものとされていた。しかし、待機
ワーク数は実際には標準値から大きく外れる場合もあ
る。そのため、上記開発装置には、待機ワーク数が標準
値から大きく外れる場合には、所期の補正精度を実現す
ることができないという問題があった。
【0007】以上、待機ワーク数が一定であるとの前提
の下に加工条件をフィードバック式で補正する装置の問
題を上記開発装置を例にとって説明したが、この問題は
開発装置のみならず、前述のように、寸法誤差に関する
情報として寸法誤差のみを取得し、それに基づいて加工
条件をフィードバック式で補正する従来の装置において
も同様に存在する。
【0008】以上のような事情に基づき、本発明は、
(a) 少なくとも1種類から成る複数のワークを順に加工
する加工具を加工条件に従って制御する加工具制御手段
と、(b) 加工された複数のワークの寸法を順に測定する
寸法測定手段とに接続されて使用されるフィードバック
式加工条件補正装置において、ワークの寸法情報のみな
らず待機ワーク数をも勘案して加工条件を補正すること
により、上記の問題を解決することを課題として為され
たものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の要旨は、上記フィードバック式加工条件補正
装置を、図1に示すように、寸法測定手段による測定
結果に基づき、加工された各ワークの寸法に関する情報
をワークの種類ごとに取得する寸法情報取得手段1と、
加工具により加工されたワークであって寸法測定手段
による寸法測定を待っているものの数をワークの種類ご
とに取得する待機ワーク数取得手段2と、加工具によ
り次に加工されるべきワークの加工条件の補正値を、そ
のワークと種類が同じワークについて寸法情報取得手段
1および待機ワーク数取得手段2によりそれぞれ取得さ
れた寸法情報および待機ワーク数に基づいて決定する加
工条件補正手段3とを含むものとしたことにある。
【0010】なお、本発明は、同じ加工具で1種類のワ
ークしか加工しない場合にも、複数種類のワークを加工
する場合にも適用することができるが、後者の場合に
は、「複数種類のワーク」が常に「目標寸法が互いに異
なる複数のワーク」を意味するとは限らない。目標寸法
すなわち目標加工形状が同じでもワークの剛性等が異な
れば、それに応じて加工条件を異ならせることが適当で
ある場合があり、この場合には、「目標寸法は同じでも
剛性等は異なる複数のワーク」が「複数種類のワーク」
に該当するからである。
【0011】また、本発明における「加工条件補正手段
3」の一態様は、ワークの種類ごとに、かつ、待機ワー
ク数がとり得る数すべてについて個々に、寸法情報と補
正値との関係を規定する1個の制御規則が予め記憶させ
られていて、取得された待機ワーク数と、次に加工され
るべきワークの種類とに応じて制御規則を選択し、それ
に従い、かつ取得された寸法情報に基づいて加工条件の
補正値を決定するものとすることができる。
【0012】別の態様は、ワークの種類ごとに、前記制
御規則すべてのうちの、待機ワーク数がとり得る数すべ
てのうちの代表的なものに対応する複数の代表制御規則
が予め記憶させられていて、次に加工されるべきワーク
の種類に対応する複数の代表制御規則の各々が、取得さ
れた待機ワーク数の下で真の補正値に及ぼすと予想され
る影響度をそれぞれ推定し、複数の代表制御規則とそれ
ら各影響度とに基づいて加工条件の補正値を決定するも
のとすることもできる。
【0013】さらに別の態様は、ワークの種類ごとに、
前記制御規則すべてを代表する1個の制御規則と、待機
ワーク数と補正係数との関係とがそれぞれ予め記憶させ
られていて、まず、次に加工されるべきワークの種類
対応する代表制御規則に従い、かつ、取得された寸法情
報に基づいて加工条件の補正値の候補値を決定し、さら
に、上記関係に従い、かつ、取得された待機ワーク数に
応じて補正係数を決定し、決定された補正値の候補値と
補正係数とから補正値の真正値を決定するものとするこ
ともできる。
【0014】さらに別の態様は、ワークの種類ごとに、
待機ワーク数と寸法情報と補正値との関係を規定する1
個の制御規則が予め記憶させられていて、その制御規則
に従い、かつ、取得された待機ワーク数および寸法情報
、次に加工されるべきワークの種類とに基づいて加工
条件の補正値を決定するものとすることもできる。本発
明の一実施態様は、(a) 複数のワークを順に加工する加
工機と、(b) その加工機による加工中に前記各ワークの
寸法をインプロセス測定寸法として測定するインプロセ
ス測定具と、(c) 外部からの信号に基づき、前記加工機
による一回の加工を終了させる定寸点をその加工機の加
工条件として決定するとともに、前記測定されたインプ
ロセス測定寸法がその決定した定寸点に達したときに前
記加工機による一回の加工が終了するようにその加工機
を制御する定寸装置と、(d)前記加工機による加工が終
了した前記複数のワークについて寸法をポストプロセス
測定寸法として、加工順序と同じ順序で測定するポスト
プロセス測定具とを含み、かつ、加工機とポストプロセ
ス測定具との間に、加工機による加工が終了してポスト
プロセス測定具による寸法測定を待つ待機ワークが少な
くとも1個存在する加工システムに接続されて使用され
るフィードバック式加工条件補正装置であって、前記
ポストプロセス測定具により順に測定された複数個のポ
ストプロセス測定寸法について順に、目標寸法からの誤
差である寸法誤差を取得するとともに、取得した複数個
の寸法誤差の変化傾向をそれぞれ寸法情報として取得す
る寸法情報取得手段と、前記待機ワークの数を取得す
る待機ワーク数取得手段と、前記取得した寸法誤差お
よび寸法誤差変化傾向と、取得した待機ワーク数とに基
づいて前記定寸点の補正値を決定する加工条件補正手段
とを含むことを特徴とするフィードバック式加工条件補
正装置とすることができる。 また、本発明における「寸
法情報取得手段」の一態様は、前記ワークの種類ごと
に、前記加工具による加工が終了した複数個の加工部位
について寸法を加工順序と同じ順序で測定することによ
り、それら加工部位について寸法誤差を順に取得すると
ともに、取得した複数個の寸法誤差について変化傾向
を、それら寸法誤差がそれらの取得順序に対して変化す
る際の傾きとして取得し、取得した寸法誤差と寸法誤差
変化傾向とをそれぞれ前記寸法情報とするものである。
【0015】
【作用】本発明装置においては、寸法情報取得手段1に
より、寸法測定手段による測定結果に基づき、加工具に
より加工された各ワークの寸法情報がワークの種類ごと
に取得され、待機ワーク数取得手段2により、同じ加工
具により加工されたワークであって寸法測定手段による
寸法測定を待っているものの数がワークの種類ごとに取
得され、加工条件補正手段3により、取得された寸法情
報および待機ワーク数と次に加工されるべきワークの種
類とに基づき、そのワークについて加工条件の補正値が
決定される。寸法情報およびワークの種類のみならず待
機ワーク数をも勘案して加工条件の補正値が決定される
のである。
【0016】
【発明の効果】このように、本発明によれば、待機ワー
ク数をも勘案して加工条件を補正することが可能となる
ため、待機ワーク数が大きく変動する場合でも、加工条
件を精度よく補正することが可能となるという効果が得
られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるフィードバッ
ク式の定寸点補正装置を含む加工システムを図面に基づ
いて詳細に説明する。
【0018】本加工システムは、自動車のエンジンの、
複数個のシリンダボアを持つシリンダブロックを加工す
べきワークとし、かつ、各シリンダブロックの各シリン
ダボアの内円筒面を加工すべき加工穴として、その加工
穴をホーニングするために設けられている。すなわち、
本実施例においては、加工穴が複数個ずつ設定されたワ
ークが本発明における「ワーク」の一態様なのである。
【0019】本加工システムは、図2に示すように、1
種類のみから成る複数のワークが一列に並んで搬送され
る加工ライン(図において矢印で表す)を有し、そのう
ちのある位置に、ホーンを加工具として各ワークの各シ
リンダボアをホーニングする加工機10が配置され、そ
れの下流側のある位置に、ホーニング加工されたワーク
全部について各加工穴の内径を計測する全数計測機14
が配置されている。
【0020】加工機10は、加工具を加工穴ごとに備え
(各ワークにおける加工穴の数と同数備え)、さらに、
各加工具を駆動する駆動装置も加工穴ごとに備えてい
る。各加工具のホーンの内部にインプロセス測定ヘッド
18が組み込まれている。各インプロセス測定ヘッド1
8はホーンと共に運動しながら、加工中に加工穴の内径
をエアマイクロメータ方式により測定する。一方、全数
計測機14は、ポストプロセス測定ヘッド20を加工穴
ごとに備えている。各ポストプロセス測定ヘッド20
は、加工後の加工穴の内径を電気マイクロメータ方式に
より測定する。
【0021】すなわち、本実施例においては、加工穴の
内径が本発明における「寸法」の一態様であり、また、
全数計測機14が「寸法測定手段」の一態様なのであ
る。
【0022】加工機10とインプロセス測定ヘッド18
とはそれぞれ定寸装置22に接続されている。一方、全
数計測機14は、CPU,ROMおよびRAMを含むコ
ンピュータを主体とする制御装置28に接続されてい
る。この制御装置28は定寸装置22にも接続され、さ
らに、データを保存する装置としてのデータバンク32
にも接続されている。
【0023】本実施例においては、加工機10と全数計
測機14との間の加工ライン上において、全数計測機1
4による計測を待つワークが存在し、このような待機ワ
ークの数は、コンピュータを主体とするワーク数カウン
タ34により測定される。ワーク数カウンタ34は、加
工機10からのワークの搬出を検出する第1センサ(例
えばリミットスイッチ等)36と、全数計測機14への
ワークの搬入を検出する第2センサ38(例えばリミッ
トスイッチ等)とに接続されていて、第1センサ36に
よりワーク搬出が検出されるごとに待機ワーク数のカウ
ント値を1ずつ加算し、一方、第2センサ38によりワ
ーク搬入が検出されるごとにそのカウント値を1ずつ減
算することによって待機ワーク数の現在値を測定する。
【0024】すなわち、本実施例においては、このワー
ク数カウンタ34が第1および第2センサ36,38と
共同して、本発明における「待機ワーク数取得手段2」
の一態様を構成しているのである。
【0025】なお付言すれば、このような待機ワーク数
は、全数計測機14における寸法情報を入力信号、制御
装置28における定寸点の補正値Uを出力信号とする制
御系におけるむだ時間を意味する。むだ時間の概念を具
体的に説明すれば、待機ワーク数が0である場合には、
全数計測機14は加工終了直後のワークの寸法を測定す
ることになるから、むだ時間が1となるのに対し、待機
ワーク数がY(≧1)である場合には、全数計測機14
は、加工機10により(Y+1)回前に加工されたワー
クの寸法を測定することになるから、むだ時間が(Y+
1)となる。
【0026】次に作動を説明する。
【0027】なお、各ワーク内の複数の加工穴は互いに
異なる加工具により同時に加工され、各加工穴について
の作動は互いに共通するため、1個の加工穴についての
作動を代表的に説明することとする。
【0028】また、以下、加工機10,インプロセス測
定ヘッド18,定寸装置22,ポストプロセス測定ヘッ
ド20,制御装置28およびデータバンク32というと
きには、その代表的な1個の加工穴に関連する部分を意
味することとする。
【0029】定寸装置22は、一連の加工(複数回の加
工)に先立ち、それの定寸点が作業者によって較正され
る。具体的には、目標寸法と同じ寸法に仕上げられたマ
スタワークがインプロセス測定ヘッド18により測定さ
れている状態で、定寸点を表す基準電圧が、インプロセ
ス測定ヘッド18からの出力電圧(測定寸法を表す)に
ちょうど一致して両者の差がゼロとなるように、作業者
によって較正される。そして、定寸装置22は、加工中
の加工穴の内径をインプロセス測定ヘッド18を介して
逐次監視し、それによる測定寸法が定寸点に達したとき
に実寸法が目標寸法に達したと予想して、一回の加工を
終了させる旨の制御信号を加工機10(正確には、前記
駆動装置)に対して出力する。さらに、この定寸装置2
2は、外部から定寸点の補正値Uが入力されれば、それ
に応じて定寸点を補正し、加工機10により加工された
加工穴の内径が実際に一定の公差内で収まるようにす
る。すなわち、本実施例においては、定寸点が本発明に
おける「加工条件」の一態様なのである。
【0030】その定寸点補正値を決定して定寸装置22
に対して出力するのが制御装置28である。制御装置2
8は、概略的に説明すれば、全数計測機14による加工
穴の測定値が測定データとして入力され、それに基づ
き、データバンク32を利用しつつ、ファジィ推論を用
いて定寸点の補正値Uを決定する。
【0031】そのため、制御装置28は、それのコンピ
ュータのROMにおいて、図3のフローチャートで表さ
れるプログラムを予め記憶し、さらに、ファジィ推論の
ためのデータも予め記憶している。ファジィ推論のため
のデータは、(a) 推論プログラム,(b) ポストプロセス
測定ヘッド20による測定値Xと目標値A0 との差であ
る誤差値Rに関する複数のメンバーシップ関数,(c) 誤
差値Rの微分値T(後に〔0051〕欄において詳述す
る)に関する複数のメンバーシップ関数,(d)定寸点の
補正値Uに関する複数のメンバーシップ関数,(e) むだ
時間MSに関する複数のメンバーシップ関数,(f) 誤差
値R,微分値Tおよび補正値U相互の関係を規定する複
数のファジィルール群等から成っている。
【0032】誤差値Rについては、それが負から正に向
かって増加するにつれて『NB』,『NM』,『N
S』,『ZO』,『PS』,『PM』および『PB』に
順に変化する7個のファジィラベルが用意されており、
それぞれのメンバーシップ関数は図4にグラフで表され
るようになっている。微分値Tについては、それが負か
ら正に向かって増加するにつれて『NB』,『NS』,
『ZO』,『PS』および『PB』に順に変化する5個
のファジィラベルが用意されており、それぞれのメンバ
ーシップ関数は図5にグラフで表されるようになってい
る。なお、同図において「T=tan θ」は、同図のグラ
フの横軸に微分値Tが取られていることと、後に〔00
51〕欄において詳述するように、微分値Tが最小二乗
回帰直線の傾きをθした場合にtan θとして算出される
ものであることとを表している。補正値Uについては、
それが負から正に向かって増加するにつれて『NB』,
『NM』,『NS』,『ZO』,『PS』,『PM』お
よび『PB』に順に変化する7個のファジィラベルが用
意されており、それぞれのメンバーシップ関数は図6に
グラフで表されるようになっている。なお、補正値Uが
増加することは、定寸点が高くなって加工穴が大径化さ
れることを意味し、一方、補正値Uが減少することは、
定寸点が低くなって加工穴が小径化されることを意味す
る。むだ時間MSについては、それが1から20に向か
って増加するにつれて『PS』,『PM』および『P
B』に順に変化する3個のファジィラベルが用意されて
おり、それぞれのメンバーシップ関数は図7にグラフで
表されるようになっている。
【0033】ファジィルール群は3個用意されていて、
それぞれむだ時間MSが1,10および20であるとき
に最適なものとされている。むだ時間MSが1であると
きに最適なファジィルール群を次に表で表す。
【0034】
【表1】
【0035】なお、この表においてファジィルールの一
例は、 If R=NS and T=PS then U=PS で表されている。
【0036】また、むだ時間MSが10であるときに最
適なファジィルール群を次に表で表す。
【0037】
【表2】
【0038】また、むだ時間MSが20であるときに最
適なファジィルール群を次に表で表す。
【0039】
【表3】
【0040】それら各ファジィルール群は基本的には、
誤差値Rのファジィラベルが増加する(以下、単に誤差
値Rが増加するという。他のパラメータについても同じ
とする)につれて補正値Uが減少するのはもちろん、微
分値Tが増加するにつれて補正値Uが減少するようにも
設計されている。
【0041】ところで、インプロセス測定ヘッド18は
何らかの事情で故障することがあり、この場合にはそれ
の測定精度が急にかつ大きく低下することになる。それ
にもかかわらずインプロセス測定ヘッド18からの出力
信号を信頼して補正値Uを決定すると、加工穴の実際の
寸法精度が許容公差範囲から逸脱してしまうおそれがあ
る。
【0042】このような事情に鑑み、各ファジィルール
群は基本的には、ポストプロセス測定ヘッド20による
測定値Xが急に減少してかなり小さくなった場合と、急
に増加してかなり大きくなった場合とにはそれぞれ、補
正量Uが十分に0に近づくようにも設計されている。こ
のようにすれば、インプロセス測定ヘッド18が故障し
た場合には、それからの出力信号が無視されて前回まで
の定寸点が今回も適当であると予想して加工が行われる
から、インプロセス測定ヘッド18の故障の影響をそれ
ほど強く受けることなく加工穴の寸法精度を高く維持す
ることが可能となる。
【0043】このように各ファジィルール群は基本的に
は互いに同じ思想に基づいて設計されているのである
が、むだ時間MSの大小とは無関係に製品の寸法ばらつ
きを安定させるために、各むだ時間MSごとに特有の事
情を勘案して各ファジィルール群は設計されている。
【0044】図3のプログラムについて説明する。この
プログラムは、概略的に説明すれば、まず、今回の測定
値Xi に基づいて今回の誤差値Ri を算出し、それの微
分値Ti を算出し、続いて、それら誤差値Ri および微
分値Ti とむだ時間MSとに基づいてファジィ推論を用
いて今回の真正補正値Ui * の候補値である候補補正値
i を決定し、それを過去の候補補正値Uを用いて補正
して今回の真正補正値Ui * を決定するものである。
【0045】具体的には、まず、ステップS1(以下、
単にS1で表す。他のステップについても同じとする)
において、加工穴の内径の目標値A0 ,後述の移動平均
に係る定数ω,nmax 等のパラメータ等が入力される。
続いて、S2において、全数計測機14から今回の測定
値Xi (i=0,1,・・・)が入力され、S3におい
て、データバンク32(図8参照)から、今回より先に
取得された複数の測定値Xi-1 ,Xi-2 ,・・・(以
下、単に過去の測定値Xという)が入力される。
【0046】その後、S4において、過去の測定値Xと
今回の測定値Xi とに基づき、今回の測定値Xi からそ
れの隣接間ばらつき(短周期成分)を除去すべく、今回
の測定値Xi について移動平均値Pi が算出される。具
体的には、
【0047】
【数1】
【0048】なる式を用いて算出される。ただし、ここ
において「ωi 」は今回の測定値Xi に係る重み係数、
「nmax」は過去の測定値Xの数をそれぞれ意味し、い
ずれも既知の定数である。重み係数ω i および過去の測
定値Xの数n max は、今回の測定値X i からそれの隣接
間ばらつき(短周期成分)が除去されるように決定され
る。
【0049】なお、本ステップにおいては、データバン
ク32に現に保存されている測定値Xの数がnmax に達
しない間は、今回の測定値Xi がそのまま今回の移動平
均値Pi とされるようになっている。
【0050】したがって、例えば、図9(a) にグラフで
表される複数の測定値Xi については、同図(b) にグラ
フで表される複数の移動平均値Pi が算出されることに
なる。
【0051】S4の実行が終了すれば、S5において、
今回の移動平均値Pi の目標値A0からの誤差値Ri
算出される。続いて、S6において、データバンク32
から過去m(≧2)回分の移動平均値Pが入力され、そ
れらと今回の移動平均値Piとから最小二乗回帰直線が
算出され、それの微分値Ti (すなわち、その算出され
た最小二乗回帰直線の傾きをθ(ラジアン)とした場合
のtan θ)が算出される。
【0052】なお、本ステップにおいては、データバン
ク32に現に保存されている移動平均値Pの数がmに達
しない間は、今回の微分値Ti が0とされるようになっ
ている。微分値Ti の算出に必要な過去の移動平均値P
全部が未だ揃っていないからである。
【0053】以上のようにして今回の誤差値Ri と微分
値Ti とが算出されたならば、S7において、ワーク数
カウンタ34から待機ワーク数が入力され、続いて、S
8において、誤差値Ri および微分値Ti とむだ時間M
Sとに基づくファジィ推論が行われる。
【0054】このファジィ推論を具体的に説明する。ま
ず、各ファジィルール群ごとに誤差値Ri および微分値
i に基づくファジィ推論値(論理和)が演算される。
むだ時間MSが1,10,20であるときにそれぞれ最
適なファジィルール群について個々に、図4〜図6のメ
ンバーシップ関数を用いて論理和y1 ,y10およびy20
が演算されるのである。続いて、図7の3個のメンバー
シップ関数の各々につき、むだ時間MSの現在値に対応
する適合度zPS,zPMおよびzPBが演算され、その後、
論理和y1 には適合度zPSが、y10にはzPMが、y20
はzPBがそれぞれ掛け算され、それら3個の積を総合す
ることによって最終的なファジィ推論値yが演算され
る。最後に、その演算されたファジィ推論値yが、図示
しない非ファジィ化ルールに従って非ファジィ化される
ことによって今回の候補補正値Ui が算出される。
【0055】その後、S9において、データバンク32
から、過去の2個の候補補正値Ui-1 ,Ui-2 が入力さ
れ、続いて、S10において、それらと今回の候補補正
値Ui とから最小二乗回帰直線が算出され、今回の候補
補正値Ui が、その算出された最小二乗回帰直線で想定
される値に補正されることによって今回の真正補正値U
i * が算出される。すなわち、本ステップにおいては、
真正補正値U* は本来、加工の進行につれて滑らかに変
化するという連続性を示すという事実に基づき、2個の
過去の候補補正値Uを用いて今回の候補補正値Ui を補
正することによって今回の真正補正値Ui * が算出され
るのである。
【0056】なお、本ステップにおいては、データバン
ク32に現に保存されている候補補正値Uの数が2個に
達しない間は、今回の候補補正値Ui がそのまま今回の
真正補正値Ui * とされるようになっている。
【0057】その後、S11において、今回の測定値X
i がデータバンク32に保存され、S12において、今
回の移動平均値Pi も保存され、S13において、今回
の候補補正値Ui も保存され、S14において、今回の
真正補正値Ui * も保存される。続いて、S15におい
て、その今回の真正補正値Ui * が定寸装置22に対し
て出力され、S16において、S8の今回の実行におい
て複数のファジィルールのうち今回のファジィ演算にお
いて適合したもの(誤差値Rと微分値Tとの少なくとも
一方の適合度が0ではないファジィルール)の各々の番
号およびメンバーシップ関数の値もデータバンク32に
保存される。以上で本プログラムの一回の実行が終了
し、続いてS2以下のステップにおいて次回の実行が行
われる。
【0058】なお、複数のファジィルールのうち今回の
ファジィ演算において適合したもの番号等を保存する
のは次のような理由からである。すなわち、それらが保
存されていれば、例えば、一連の加工が終了した後にそ
の加工において使用されたファジィルールの種類と頻度
とが判明し、それを用いてファジィルールの内容や各メ
ンバーシップ関数の特性を簡単かつ正確にチューニング
することができるからである。
【0059】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、寸法誤差に関する情報のみならずむだ時間
MSをも勘案して真正補正値U* が決定されるため、む
だ時間MSの変動とは無関係に製品の寸法ばらつきを安
定させることができるという効果が得られる。
【0060】さらに、本実施例においては、寸法情報と
して誤差値Rのみならず微分値Tをも勘案して真正補正
値U* が決定されるため、前述の、インプロセス測定ヘ
ッド18の信号ドリフト等に基づく測定誤差,故障等の
外乱とは無関係に、加工穴の直径を精度よく加工するこ
とが可能となるという効果が得られる。
【0061】さらにまた、本実施例においては、真正補
正値U* が連続性を示すという事実に基づいて今回の真
正補正値Ui * が決定されるから、このことによって
も、むだ時間MSの変動とはほぼ無関係に寸法ばらつき
が安定するという効果も得られる。
【0062】さらに、本実施例においては、誤差値Rと
微分値Tと補正値Uとの間に存在すると経験的に認識さ
れる規則、すなわち、いわゆる経験則が、それが線形性
を示すか非線形性を示すかを問わず、ファジィルールと
して忠実に表現されていて、その経験則に忠実に従って
加工条件が補正されるため、加工条件を加工に係る種々
の要因との関係において一層適正に補正することが可能
となるという効果も得られる。ただし、本発明はファジ
ィ推論以外の制御理論、例えば、PID制御理論や現代
制御理論を用いて加工条件の補正値を決定するものとし
て実施することも可能である。
【0063】さらに、本実施例においては、むだ時間M
Sごとにファジィルール群を記憶させるのではなく、代
表的なファジィルール群のみが記憶されているから、そ
の記憶にかかるコストおよび時間が削減できるという効
果が得られる。
【0064】さらに、本実施例においては、ファジィル
ール群がむだ時間MSの影響を受けないものとされてい
て、ファジィルール群とむだ時間MSのメンバーシップ
関数とを互いに切り離して設計することができるように
なっている。そのため、それらのメインテナンスにかか
る設計者の負担が、各ファジィルール群をむだ時間MS
の影響を勘案して設計する場合に比較して軽減されると
いう効果も得られる。
【0065】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、定寸装置22が本発明における「加工具制
御手段」の一態様を構成し、制御装置28のうち、図3
のS1〜6,10および11を実行する部分が「寸法情
報取得手段1」の一態様を構成し、制御装置28のう
ち、同図のS7〜9およびS12〜14を実行する部分
が「加工条件補正手段3」の一態様を構成しているので
ある。
【0066】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、その他の態様で本発明を実施することがで
きる。
【0067】例えば、上記実施例においては、真正の補
正値Ui * は本来、連続性を示すという事実に基づき、
図3のS8において算出された補正値Ui を過去の補正
値Uで補正することによって真正の補正値Ui * が取得
されるようになっていたが、このようにすることは本発
明を実施する上で不可欠ではなく、例えば、S8におい
て算出された補正値Ui を直ちに真正の補正値Ui *
するようにして本発明を実施することもできる。
【0068】また、前記実施例においては、各ファジィ
ルール群は、誤差値Rと微分値Tとをそれぞれ入力、補
正値Uを出力とする2入力1出力式とされていたが、例
えば、誤差値Rと微分値Tとむだ時間MSとをそれぞれ
入力、補正値Uを出力とする3入力1出力式とすること
もできる。この3入力1出力式を採用することは、各フ
ァジィルール群を入力が3つ(誤差値Rと微分値Tとむ
だ時間MS)、出力が1つ(補正値U)であるように構
成することを意味する。
【0069】また、前記実施例は、加工機10も全数計
測機14も1個ずつ備えた単流式の加工ラインであって
1種類のワークしか加工されないものに使用される定寸
点補正装置に本発明を適用した場合の一例であったが、
本発明は他の方式の加工ラインに使用される定寸点補正
装置に適用することもできる。
【0070】例えば、上記単流式の加工ラインであって
複数種類のワークが加工されるものに使用される定寸点
補正装置に適用することもできる。そして、この場合に
は、本発明における「待機ワーク数取得手段2」を例え
ば次のようにすることができる。
【0071】すなわち、図10に示すように、前記ワー
ク数カウンタ34,第1および第2センサ36,38に
加えて、(a) 加工機10の入口に配置されて、そこに搬
入されるワークの種類を識別する識別センサ50(ここ
からの信号は定寸装置22にも送信されてワークの種類
ごとに加工条件が選択される)と、(b) 全数計測機14
の入口に配置されて、そこに搬入されるワークの種類を
識別する識別センサ52(ここからの信号は全数計測機
14にも送信されてワークの種類ごとにポストプロセス
測定ヘッド20の測定子が選択される)とを含むものと
し、かつ、ワーク数カウンタ34を、ワークの種類ごと
にカウンタ値が用意されていて、第1センサ36により
加工機10からのワークの搬出が検出されれば、そのワ
ークの種類(識別センサ50により識別される)に対応
するカウンタ値を1だけ増加させ、一方、第2センサ3
8により全数計測機38へのワークの搬入が検出されれ
ば、そのワークの種類(識別センサ52により識別され
る)に対応するカウンタ値を1だけ減少させることによ
り、ワークの種類ごとに待機ワーク数を取得するものと
することができるのである。
【0072】なお、識別センサ52からの信号を用いれ
ば、ワークが全数計測機14に搬入された事実を間接に
検出することができるため、この識別センサ52を設け
た場合には第2センサ38を省略することもできる。
【0073】さらに、図11に示すように、加工機10
は複数個、全数計測機14は1個だけ備えた合流式の加
工ラインであって1種類のワークしか加工されないもの
に使用される定寸点補正装置に本発明を適用することも
できる。そして、この場合には、ワークの種類は1個だ
けであるが、加工機10ごとに加工条件を補正すること
が必要であるため(例えば、加工機10の種類が1個で
も、加工機10ごとに加工特性が異なるのが普通である
ため)、本発明における「待機ワーク数取得手段2」は
例えば次のようにすることが望ましい。
【0074】すなわち、同図に示すように、前記ワーク
数カウンタ34,第1および第2センサ36,38を含
むものとし、かつ、第1センサ36は加工機10ごとに
配置し、一方、第2センサ38も加工機10ごとに配置
するが、各加工機10から下流に互いに並列に延びる複
数の部分加工ラインの各々の末端位置に配置し、さら
に、そのワーク数カウンタ34を、加工機10ごとに
(すなわち、加工機10を識別する番号ごとに)カウン
タ値が用意されていて、各第1センサ36により各加工
機10からのワークの搬出が検出されれば、そのワーク
を加工した加工機10の番号(そのワーク搬出を検出し
た第1センサ36の所在から判明する)に対応するカウ
ンタ値を1だけ増加させ、一方、各第2センサ38によ
り全数計測機38へのワークの搬入が検出されれば、そ
のワークを加工した加工機10の番号(そのワーク搬入
を検出した第2センサ38の所在から判明する)に対応
するカウンタ値を1だけ減少させることにより、加工機
10ごとに待機ワーク数を取得するものとすることが望
ましいのである。なお、この合流式の加工ラインにおい
ては、各部分加工ラインの末端位置から全数計測機14
に向かって搬出されたワークは直ちに全数計測機14に
搬入されるように設計されているため、各第2センサ3
8は全数計測機14へのワークの搬入の検出を加工機1
0ごとに行い得るのである。
【0075】さらにまた、上記分流式の加工ラインであ
って複数種類のワークが加工されるものに使用される定
寸点補正装置に本発明を適用することもできる。そし
て、この場合には、加工機10ごとのみならず、ワーク
の種類ごとにも加工条件を補正することが必要であるた
め、本発明における「待機ワーク数取得手段2」は例え
ば次のようにすることが望ましい。
【0076】すなわち、図12に示すように、前記ワー
ク数カウンタ34,第1および第2センサ36,38に
加えて、(a) 各加工機10の入口に配置されて、それに
搬入されるワークの種類を識別する識別センサ70と、
(b) 全数計測機14の入口に配置されて、それに搬入さ
れるワークの種類を識別する識別センサ72とを含むも
のとし、かつ、ワーク数カウンタ34を、ワークの種類
と加工機10の番号との組合せごとにカウンタ値が用意
されていて、各第1センサ36により各加工機10から
のワークの搬出が検出されれば、そのワークの種類(識
別センサ70により識別される)とそのワークを加工し
た加工機10の番号(そのワーク搬出を検出した第1セ
ンサ36の所在から判明する)との組合せに対応するカ
ウンタ値を1だけ増加させ、一方、各第2センサ38に
より全数計測機38へのワークの搬入が検出されれば、
そのワークの種類(識別センサ72により識別される)
とそのワークを加工した加工機10の番号(そのワーク
搬入を検出した第2センサ38の所在から判明する)と
の組合せに対応するカウンタ値を1だけ減少させること
により、加工機10の番号とワークの種類との組合せご
とに待機ワーク数を取得するものとすることが望ましい
のである。
【0077】なお、識別センサ72を、ワークの種類の
みならずワークを加工した加工機10の種類をも識別す
るものとすれば(例えば、ワークを加工した加工機10
の番号を加工機10に直接または間接に付着し、その番
号を識別センサ72で読み取らせれば、ワークを加工し
た加工機10の種類の識別も可能となる)、第2センサ
38を省略することもできる。
【0078】また、前記実施例においては、1個のワー
クに加工部位が複数個設定されていて、複数のワークの
各々が順に、かつ、各ワークにおいては複数の加工部位
がそれぞれ互いに異なる加工具により同時に加工される
とともに、各加工部位について個々に寸法情報が取得さ
れ、それら各寸法情報に基づいて各加工部位の加工条件
の補正値が個々に決定されるようになっていた。しか
し、複数の加工部位のうちそれを代表する少なくとも1
個についてのみ寸法情報を取得してその代表する加工部
位についてのみ加工条件の補正値を実際に決定するが、
他の加工部位については、その決定された補正値を流用
することによって補正値の実際の決定を省略するように
して本発明を実施することができる。
【0079】また、前記実施例においては、本発明にお
ける「ワーク」が、直径が変化しないで真っ直ぐに延び
る円筒面を有してそこが加工部位とされるものとされて
いたが、例えば、直径が変化しながら真っ直ぐに延びる
円筒面を有してそこが加工部位とされるものとして本発
明を実施することもできる。なお、前者の場合には、各
円筒面についてそれの直径が1個の寸法として測定され
るのが普通であるため、その1個の寸法が本発明におけ
る「寸法」となる。これに対し、後者の場合には、円筒
面の各軸方向位置ごとに寸法が測定されるのが普通であ
るため、各軸方向位置ごとの寸法が本発明における「寸
法」となる。
【0080】これらの他にも、特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例であるフィードバック式の定
寸点補正装置を含む加工システムの構成を示す図であ
る。
【図3】図2における制御装置のコンピュータのROM
に記憶されているプログラムを示すフローチャートであ
る。
【図4】図2における制御装置のROMにおいて誤差値
Rに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
【図5】図2における制御装置のROMにおいて微分値
Tに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
【図6】図2における制御装置のROMにおいて補正値
Uに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
【図7】図2における制御装置のROMにおいてむだ時
間MSに関して記憶されている複数のメンバーシップ関
数を示すグラフである。
【図8】図2におけるデータバンクの構成を概念的に示
す図である。
【図9】上記実施例における測定値の一例およびそれに
ついて取得された移動平均値をそれぞれ示すグラフであ
る。
【図10】本発明の別の実施例である定寸点補正装置に
おける待機ワーク数の取得原理を説明するための図であ
る。
【図11】本発明のさらに別の実施例である定寸点補正
装置における待機ワーク数の取得原理を説明するための
図である。
【図12】本発明のさらに別の実施例である定寸点補正
装置における待機ワーク数の取得原理を説明するための
図である。
【符号の説明】
10 加工機 14 全数計測機 18 インプロセス測定ヘッド 20 ポストプロセス測定ヘッド 22 定寸装置 28 制御装置 32 データバンク 34 ワーク数カウンタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 少なくとも1種類から成る複数のワー
    クを順に加工する加工具を加工条件に従って制御する加
    工具制御手段と、(b) 加工された複数のワークの寸法を
    順に測定する寸法測定手段とに接続されて使用されるフ
    ィードバック式加工条件補正装置であって、 前記寸法測定手段による測定結果に基づき、加工された
    各ワークの寸法に関する情報をワークの種類ごとに取得
    する寸法情報取得手段と、 前記加工具により加工されたワークであって前記寸法測
    定手段による寸法測定を待っているものの数をワークの
    種類ごとに取得する待機ワーク数取得手段と、 前記加工具により次に加工されるべきワークの前記加工
    条件の補正値を、そのワークと種類が同じワークについ
    て前記寸法情報取得手段および待機ワーク数取得手段に
    よりそれぞれ取得された寸法情報および待機ワーク数に
    基づいて決定する加工条件補正手段とを含むことを特徴
    とするフィードバック式加工条件補正装置。
  2. 【請求項2】前記加工条件補正手段が、前記ワークの種
    類ごとに、前記寸法情報と前記補正値との関係を規定す
    る制御規則を、前記待機ワーク数がとり得る数すべての
    うちの代表的なものに対応してそれと同数、予め記憶し
    ており、それら複数の制御規則のうち、次に加工される
    べきワークの種類に関連する関連制御規則の各々が、取
    得された待機ワーク数の下で前記補正値の真正値に及ぼ
    すと予想される影響度を推定し、推定した影響度と前記
    複数の関連制御規則とに基づき、次に加工されるべきワ
    ークについて前記補正値を決定するものである請求項1
    または2に記載のフィードバック式加工条件補正装置。
  3. 【請求項3】前記寸法情報取得手段が、前記ワークの種
    類ごとに、前記加工具による加工が終了した複数個の加
    工部位について寸法を加工順序と同じ順序で測定するこ
    とにより、それら加工部位について寸法誤差を順に取得
    するとともに、取得した複数個の寸法誤差について変化
    傾向を、それら寸法誤差がそれらの取得順序に対して変
    化する際の傾きとして取得し、取得した寸法誤差と寸法
    誤差変化傾向とをそれぞれ前記寸法情報とするものであ
    る請求項1または2に記載のフィードバック式加工条件
    補正装置。
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