JP3182926B2 - フィードバック式定寸点補正装置 - Google Patents
フィードバック式定寸点補正装置Info
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Description
ストプロセス制御とを組み合わせたハイブリッド制御に
おいて、ポストプロセス測定において取得された加工後
のワークの寸法情報をフィードバックしてインプロセス
制御の定寸点を補正する装置に関するものであり、特
に、ワークの寸法精度が向上するように定寸点の補正値
を決定する技術に関するものである。
のエンジンのシリンダボア等の内円筒面,エンジンのク
ランクシャフトのジャーナル面等の外円筒面等の加工部
位をそれの実直径等の実寸法が目標寸法に精度よく一致
するように加工するためにフィードバック式定寸点補正
装置が使用される。
般に、複数のワークの各々に設定された少なくとも1
個の加工部位の各々を順に加工する加工具と、その加
工具による加工中の前記加工部位の寸法を測定するイン
プロセス測定ヘッドと、そのインプロセス測定ヘッド
により取得された寸法が定寸点に達した場合に前記加工
具による加工を停止させる定寸装置と、加工具による
加工終了の後に、前記加工部位の寸法を測定するポスト
プロセス測定ヘッドとを備えた加工システムに設けられ
る。この加工システムにおいて、ポストプロセス測定ヘ
ッドによる測定結果から取得される寸法情報に基づいて
定寸装置における定寸点を補正するために設けられるの
である。本出願人は先にこの装置の一態様として、加工
部位の寸法誤差のみを寸法情報として取得して定寸点を
補正するフィードバック式定寸点補正装置を製作した。
しかし、定寸点の補正は本来、加工部位の実寸法に影響
を及ぼす要因をできる限り多く勘案して行うべきもので
ある。そのため、この装置では、その補正の精度を十分
には高めることができない。
うな装置を提案した。それは、本出願人の特願平4−6
1305号明細書に記載されているフィードバック式定
寸点補正装置であって、加工部位の寸法誤差のみならず
それの変化傾向をも寸法情報として取得し、それに基づ
いて定寸点を補正するものである。
置を次のような態様で実施した。すなわち、加工部位の
寸法情報に基づいて定寸点の補正値を決定し、その補正
値の大小を問わず、その補正値に従って定寸点を補正す
る態様で実施したのである。そして、本出願人はこの実
施装置について種々の研究を行い、その結果、次のよう
な事実を見い出した。
値が十分に0に近い値である場合であってもその補正値
に従って定寸点が補正される。しかし、決定された補正
値が十分に0に近い値である場合には補正値を0とみな
し、定寸点を補正しない場合の方が、決定された補正値
が十分に0に近い値であるか否かを問わず必ずその補正
値に従って定寸点を補正する場合より、ワークの寸法ば
らつきが抑制されてワークの寸法精度が向上するという
事実を見い出した。
が十分に0に近い場合には定寸点を補正せず、前回と同
じ状態に維持することがワークの寸法精度向上に有効で
あり、かつ、その効果は加工具による加工が終了し、ポ
ストプロセス測定ヘッドによる寸法測定を待つワークが
複数存在する場合に特に有効であるという事実を見い出
したのであり、本発明はそのような知見に基づき、加工
が終了してポストプロセス測定ヘッドによる寸法測定を
待つワークが複数存在する場合にワークの寸法精度を向
上させることを課題としてなされたものである。
に本発明は、上記フィードバック式定寸点補正装置を、
図1に示すように、(a) ポストプロセス測定ヘッドによ
り順次測定された複数の加工部位の寸法の移動平均値を
取得する移動平均値取得手段と、(b) 取得された移動平
均値の目標値からの誤差である寸法誤差およびその寸法
誤差の変化傾向をそれぞれ寸法情報として取得する寸法
情報取得手段と、(c) 取得された寸法情報に基づいて定
寸点の補正値を決定し、その補正値が予め設定された許
容範囲内にない場合にはその補正値に従って定寸点を補
正するが、許容範囲内にある場合には定寸点を補正しな
い定寸点補正手段と、(d) 加工具による加工が終了し、
ポストプロセス測定ヘッドによる寸法測定を待つワーク
が複数存在する場合に、前回の定寸点の補正の影響を受
けた最初のワークのポストプロセス測定ヘッドによる測
定が行われ、その測定結果に基づく補正値が取得される
までは定寸点補正手段に前回補正された定寸点を不変に
保たせる定寸点不変手段とを含むことを特徴とする。
点を補正しない」方式には例えば、前記決定された補正
値を強制的に0に変更する方式や、実際に定寸点を補正
する手段に対して定寸点を補正しない旨の信号を出力す
るか、または定寸点を補正する旨の信号を出力しない方
式などを採用することができる。また、前記寸法情報取
得手段を、前記寸法誤差の変化傾向として、今回の寸法
誤差と過去の複数の寸法誤差とに基づいて最小二乗回帰
直線を取得する手段を含むものとすることが望ましい。
前記定寸点補正手段を、今回の補正値と過去の複数の補
正値とに基づいて最小二乗回帰直線を取得する手段を含
むものとすることと、前記寸法誤差としての誤差値,前
記寸法誤差の変化傾向としての誤差値の微分値および前
記補正値のそれぞれに関する複数のメンバーシップ関数
と、それら誤差値,微分値および補正値相互の関係を規
定する複数のファジィルールとに基づいてファジィ推論
を行って前記補正値を決定する手段を含むものとするこ
ととの少なくとも一方を採用することが望ましい。
る測定によって取得された寸法自体の誤差ではなく、順
次取得された複数の寸法の移動平均値の誤差が寸法誤差
として取得され、補正値の決定に使用される。しかも、
移動平均値のみならず、移動平均値の変化傾向も考慮し
て補正値が決定される。そして、定寸点補正手段によ
り、取得された寸法情報に基づいて補正値が決定され、
その補正値が予め設定された許容範囲内にはない場合に
はその補正値に従って定寸点が補正されるが、許容範囲
内にある場合には定寸点が補正されない。また、加工具
による加工が終了し、ポストプロセス測定ヘッドによる
寸法測定を待つワークが複数存在する場合に、前回の定
寸点の補正の影響を受けた最初のワークのポストプロセ
ス測定ヘッドによる測定が行われ、その測定結果に基づ
く補正値が取得されるまでは、定寸点補正手段により前
回補正された定寸点が保たれる。
自体ではなく、順次取得される寸法の移動平均値の目標
値からの誤差が寸法誤差として使用されるため、順次取
得される複数の寸法の隣接間のばらつき(短周期成分)
が除去され、ポストプロセス測定ヘッドの測定誤差の影
響の少ない安定した補正値が得られる。そして、この補
正値が予め設定された許容範囲内にはない場合にはその
補正値に従って定寸点が補正されるが、許容範囲内にあ
る場合には定寸点が補正されない。また、ポストプロセ
ス測定ヘッドによる寸法測定を待つワークが複数存在す
る場合に、前回の定寸点の補正の影響を受けた最初のワ
ークのポストプロセス測定ヘッドによる測定が行われ、
その測定結果に基づく補正値が取得されるまでは、定寸
点補正手段により前回補正された定寸点が保たれる。し
たがって、定寸点の補正頻度が低下し、結果として、ワ
ークの寸法ばらつきが小さくなり、ワークの寸法精度が
高くなって、不良品の発生が抑制されるという効果が得
られる。前述のように、決定された補正値が十分に0に
近い場合には加工具の定寸点を補正せず、前回と同じ状
態に維持することがワークの寸法ばらつき減少、すなわ
ちワークの寸法精度向上に有効であり、その効果はポス
トプロセス測定ヘッドによる寸法測定を待つワークが複
数存在する場合に特に大きいという事実があり、本発明
はこの事実を利用してワークの寸法精度向上に成功した
ものなのである。
ク式の定寸点補正装置を含む加工システムを図面に基づ
いて詳細に説明する。
複数個のシリンダボアを持つシリンダブロックを加工す
べきワークとし、かつ、各シリンダブロックの各シリン
ダボアの内円筒面を加工すべき加工穴として、その加工
穴をホーニングするために設けられている。すなわち、
本実施例においては、加工穴が複数個ずつ設定されたワ
ークが本発明における「ワーク」の一態様なのである。
種類のみから成る複数のワークが一列に並んで搬送され
る加工ライン(図において矢印で表す)を有し、そのう
ちのある位置に、ホーンを加工具として各ワークの各シ
リンダボアをホーニングする加工機10が配置され、そ
れの下流側のある位置に、ホーニング加工されたワーク
全部について各加工穴の内径を計測する全数計測機14
が配置されている。なお、加工機10と全数計測機14
との間の加工ライン上には、全数計測機14による計測
を待つワークが存在するのが普通である。
(各ワークにおける加工穴の数と同数備え)、さらに、
各加工具を駆動する駆動装置も加工穴ごとに備えてい
る。各加工具のホーンの内部にインプロセス測定ヘッド
18が組み込まれている。各インプロセス測定ヘッド1
8はホーンと共に運動しながら、加工中に加工穴の内径
をエアマイクロメータ方式により測定する。一方、全数
計測機14は、ポストプロセス測定ヘッド20を加工穴
ごとに備えている。各ポストプロセス測定ヘッド20
は、加工後の加工穴の内径を電気マイクロメータ方式に
より測定する。すなわち、本実施例においては、加工穴
の内径が本発明における「寸法」の一態様なのである。
とはそれぞれ、CPU,ROMおよびRAMを含むコン
ピュータを主体とする定寸装置22に接続されている。
一方、全数計測機14は、CPU,ROMおよびRAM
を含むコンピュータを主体とする制御装置28に接続さ
れている。この制御装置28は定寸装置22にも接続さ
れ、さらに、データを保存する装置としてのデータバン
ク32にも接続されている。
複数の加工穴は互いに異なる加工具により同時に加工さ
れ、各加工穴についての作動は互いに共通するため、1
個の加工穴についての作動を代表的に説明することとす
る。また、以下、加工機10,インプロセス測定ヘッド
18,定寸装置22,ポストプロセス測定ヘッド20,
制御装置28およびデータバンク32というときには、
その代表的な1個の加工穴に関連する部分を意味するこ
ととする。
工)に先立ち、それの定寸点が作業者によって較正され
る。具体的には、目標寸法と同じ寸法に仕上げられたマ
スタワークがインプロセス測定ヘッド18により測定さ
れている状態で、定寸点を表す基準電圧が、インプロセ
ス測定ヘッド18からの出力電圧(測定寸法を表す)に
ちょうど一致して両者の差がゼロとなるように、作業者
によって較正される。そして、定寸装置22は、加工中
の加工穴の内径をインプロセス測定ヘッド18を介して
逐次監視し、それによる測定寸法が定寸点に達したとき
に実寸法が目標寸法に達したと予想して、一回の加工を
終了させる旨の制御信号を加工機10(正確には、前記
駆動装置)に対して出力する。
8との間で信号のやりとりをする。具体的には、制御装
置28から定寸装置22に補正要求信号が送信され、こ
のとき、定寸装置22が補正要求に対応することができ
る状態にある場合には、定寸装置22は制御装置28に
補正許可信号を送信する。その後、制御装置28が定寸
装置22に定寸点の補正値Uを表す信号を送信し、それ
に応じて定寸装置22は前回の定寸点とその補正値Uと
の和を算出し、それを今回の定寸点として記憶し(新た
な補正値Uが入力されるまでの間定寸点は一定に保たれ
る)、その定寸点に従って加工機10による今回の加工
終了時期を制御し、これにより、加工機10により加工
された加工穴の内径が実際に一定の公差内で収まるよう
にする。すなわち、本実施例においては、定寸点が本発
明における「加工条件」の一態様なのである。
ば、全数計測機14による加工穴の測定値が測定データ
として入力され、それに基づき、データバンク32を利
用しつつ、ファジィ推論を用いて定寸点の補正値Uを決
定する。そのため、制御装置28は、それのコンピュー
タのROMにおいて、図3のフローチャートで表される
プログラムを予め記憶し、さらに、ファジィ推論のため
のデータも予め記憶している。
プログラム,(b) ポストプロセス測定ヘッド20による
測定値Xと目標値A0 との差である誤差値Rに関する複
数のメンバーシップ関数,(c) 誤差値Rの微分値Tに関
する複数のメンバーシップ関数,(d) 定寸点の補正値U
に関する複数のメンバーシップ関数,(e) それら誤差値
R,微分値Tおよび補正値U相互の関係を規定する複数
のファジィルール等から成っている。
が負から正に向かって増加するにつれて『NB』,『N
M』,『NS』,『ZO』,『PS』,『PM』および
『PB』に順に変化する7個のファジィラベルが用意さ
れており、それぞれのメンバーシップ関数は図4にグラ
フで表されるようになっている。微分値Tについては、
それが負から正に向かって増加するにつれて『NB』,
『NS』,『ZO』,『PS』および『PB』に順に変
化する5個のファジィラベルが用意されており、それぞ
れのメンバーシップ関数は図5にグラフで表されるよう
になっている。補正値Uについては、それが負から正に
向かって増加するにつれて『NB』,『NM』,『N
S』,『ZO』,『PS』,『PM』および『PB』に
順に変化する7個のファジィラベルが用意されており、
それぞれのメンバーシップ関数は図6にグラフで表され
るようになっている。なお、補正値Uが増加すること
は、定寸点が高くなって加工穴が大径化されることを意
味し、一方、補正値Uが減少することは、定寸点が低く
なって加工穴が小径化されることを意味する。
例は、 If R=NS and T=PS then U=ZO で表されている。
Rのファジィラベルが増加する(以下、単に誤差値Rが
増加するという。他のパラメータについても同じとす
る)につれて補正値Uが減少するのはもちろん、微分値
Tが増加するにつれて補正値Uが減少するようにも設計
されている。
何らかの事情で故障することがあり、この場合にはそれ
の測定精度が急にかつ大きく低下することになる。それ
にもかかわらずインプロセス測定ヘッド18からの出力
信号を信頼して補正値Uを決定すると、加工穴の実際の
寸法精度が許容公差範囲から逸脱してしまうおそれがあ
る。
ルは基本的には、ポストプロセス測定ヘッド20による
測定値Xが急に減少してかなり小さくなった場合と、急
に増加してかなり大きくなった場合とにはそれぞれ、補
正量Uが十分に0に近づくようにも設計されている。こ
のようにすれば、インプロセス測定ヘッド18が故障し
た場合には、それからの出力信号が無視されて前回まで
の定寸点が今回も適当であると予想して加工が行われる
から、インプロセス測定ヘッド18の故障の影響をそれ
ほど強く受けることなく加工穴の寸法精度を高く維持す
ることが可能となる。
プログラムは、概略的に説明すれば、まず、各回の測定
値Xi に基づいて各回の誤差値Ri を算出し、それの微
分値Ti を算出し、続いて、それら誤差値Ri および微
分値Ti に基づいてファジィ推論を用いて各回の真正補
正値Ui *の候補値である候補補正値Ui を決定し、そ
れを過去の候補補正値Uを用いて補正して各回の真正補
正値Ui * を決定するものである。
単にS1で表す。他のステップについても同じとする)
において、加工穴の内径の目標値A0 ,後述の移動平均
に係る定数ω,nmax 等のパラメータが入力される。続
いて、S2において、全数計測機14から今回の測定値
Xi (i=0,1,・・・)が入力され、S3におい
て、データバンク32(図7参照)から、今回より先に
取得された複数の測定値Xi-1 ,Xi-2 ,・・・(以
下、単に過去の測定値Xという)が入力される。
今回の測定値Xi とに基づき、今回の測定値Xi からそ
れの隣接間ばらつき(短周期成分)を除去すべく、今回
の測定値Xi について移動平均値Pi が算出される。具
体的には、
において「ωi 」は今回の測定値Xi に係る重み係数、
「nmax」は過去の測定値Xの数をそれぞれ意味し、い
ずれも既知の定数である。
ク32に現に保存されている測定値Xの数がnmax に達
しない間は、今回の測定値Xi がそのまま今回の移動平
均値Pi とされるようになっている。
表される複数の測定値Xi については、同図(b) にグラ
フで表される複数の移動平均値Pi が算出されることに
なる。
今回の移動平均値Pi の目標値A0からの誤差値Ri が
算出される。すなわち、本実施例においては、その誤差
値Ri が本発明における「寸法誤差」の一態様なのであ
る。続いて、S6において、データバンク32から過去
m(≧2)回分の移動平均値Pが入力され、それらと今
回の移動平均値Pi とから最小二乗回帰直線が算出さ
れ、それの微分値Ti (すなわち、その算出された最小
二乗回帰直線の傾きをθ(ラジアン)とした場合のtan
θ)が算出される。すなわち、本実施例においては、そ
の微分値Ti が本発明における「寸法誤差の変化傾向」
の一態様なのである。
ク32に現に保存されている移動平均値Pの数がmに達
しない間は、今回の微分値Ti が0とされるようになっ
ている。微分値Ti の算出に必要な過去の移動平均値P
全部が未だ揃っていないからである。
値Ti とが算出されたならば、S7において、誤差値R
i および微分値Ti に基づくファジィ推論が行われる。
ず、誤差値Ri および微分値Ti に基づき、図4〜図6
のメンバーシップ関数を用いてファジィルールごとに論
理和が演算される。続いて、それら論理和を総合するこ
とによってファジィ推論値が演算され、最後に、そのフ
ァジィ推論値が図示しない非ファジィ化ルールに従って
非ファジィ化されることによって今回の候補補正値Ui
が算出される。
から、過去の2個の候補補正値Ui-1 ,Ui-2 が入力さ
れ、続いて、S9において、それらと今回の候補補正値
Uiとから最小二乗回帰直線が算出され、今回の候補補
正値Ui が、その算出された最小二乗回帰直線で想定さ
れる値に補正されることによって今回の真正補正値Ui
* が算出される。すなわち、本ステップにおいては、真
正補正値U* は本来、加工の進行につれて滑らかに変化
するという連続性を示すという事実に基づき、2個の過
去の候補補正値Uを用いて今回の候補補正値Ui を補正
することによって今回の真正補正値Ui * が算出される
のである。
ク32に現に保存されている候補補正値Uの数が2個に
達しない間は、今回の候補補正値Ui がそのまま今回の
真正補正値Ui * とされるようになっている。
i がデータバンク32に保存され、S11において、今
回の移動平均値Pi も保存され、S12において、今回
の候補補正値Ui も保存され、S13において、今回の
真正補正値Ui * も保存される。
値Ui * が予め設定された許容範囲内にはないか否か、
すなわち、定寸装置22に補正要求信号を送信する必要
があるか否かが判定される。すなわち、本実施例におい
ては、真正補正値Ui * が本発明における「補正値」の
一態様なのである。
なものとするために、事前に、許容範囲の幅を6種類の
値に変えて複数のワークについての加工後の寸法の標準
偏差を取得し、その結果から、許容範囲の各幅について
の標準偏差の、定寸点のフィードバック式補正なしで複
数のワークを加工した場合の標準偏差に対する割合を取
得した。その割合は図9にグラフで表されている。この
グラフから明らかなように、許容範囲の幅が±1.0μ
mであるときに最も標準偏差が小さくなり、ワークの寸
法ばらつきが最も抑制されることが確認され、そのた
め、本実施例における許容範囲の幅は±1.0μmに予
め設定されている。
ない場合には、このS14の判定がYESとなり、S1
5において、まず定寸装置22に補正要求信号が送信さ
れ、その後、定寸装置22から制御装置28に補正許可
信号が送信されるのを待って、定寸装置22に真正補正
値Ui * を表す信号が送信される。なお、真正補正値U
i * は、μmを単位とする整数値に変換されて定寸装置
22に送信されるようになっている。これに対して、今
回の真正補正値Ui * が許容範囲内にある場合には、S
14の判定がNOとなり、S15がスキップされ、これ
により、定寸装置22への補正要求信号の送信も真正補
正値Ui * を表す信号の送信も行われない。その結果、
定寸装置22において定寸点の補正が行われず、今回の
定寸点は前回の定寸点と等しくされることになる。
て、複数のファジィルールのうちS7の今回のファジィ
演算において適合したもの(誤差値Rと微分値Tとの少
なくとも一方の適合度が0ではないファジィルール)の
各々の番号およびメンバーシップ関数の値もデータバン
ク32に保存される。以上で本プログラムの一回の実行
が終了し、続いてS2以下のステップにおいて次回の実
行が行われる。
ファジィ演算において適合したもの番号等を保存するの
は次のような理由からである。すなわち、それらが保存
されていれば、例えば、一連の加工が終了した後にその
加工において使用されたファジィルールの種類と頻度と
が判明し、それを用いてファジィルールの内容や各メン
バーシップ関数の特性を簡単かつ正確にチューニングす
ることができるからである。
正値U* が時間の経過につれて(正確には、加工された
ワークの数が増加するにつれて)例えば図10に実線の
グラフで表されているように変化したと仮定すれば、各
回の真正補正値Ui * が許容範囲、すなわち図において
斜線でハッチングされている領域にある場合には真正補
正値Ui * が定寸装置22に送信されず、許容範囲から
逸脱している場合には送信されることになる。
バック式補正なしで複数のワークを連続的に加工した場
合のワークの寸法誤差の時間的変化であって図11(b)
にグラフで表されているものに基づき、それと同じ加工
状況下で本実施例を実施した場合のワークの寸法誤差の
時間的変化をシミュレーションにより予測した。その結
果、本実施例における寸法誤差の時間的変化は同図(a)
にグラフで表されているものとして予測された。なお、
この図において複数の丸印の各々の内部に付された数字
は定寸装置22に実際に送信された真正補正値U* を示
し、また、各丸印から延びる直線の先端とグラフとの交
点位置は、真正補正値U* が定寸装置22に送信された
直後に加工されたワークの位置を示している。それら二
つのグラフから明らかなように、本実施例においては、
ワークの寸法ばらつきが抑制されてワークの寸法精度が
向上するという効果が得られる。
範囲が採用されていて定寸装置22がワークごとに必ず
定数点補正のための作動を行う必要がなくなるため、定
寸装置22にかかる負担が軽減されるという効果も得ら
れる。このことは、本実施例においでは、図11(a) に
示すように、真正補正値U* の定寸装置22への送信回
数が少なくて済むのに対し、許容範囲を採用しない場合
には、ワークごとに真正補正値U* の定寸装置22への
送信を行わなければならず、その送信の回数がワークの
数と同数となることから明らかである。
においては、制御装置28のうち図3のS2〜6を実行
する部分が「寸法情報取得手段1」の一態様を構成し、
制御装置28のうち同図のS7〜9,14および15を
実行する部分が「加工条件補正手段2」の一態様を構成
しているのである。
説明したが、その他の態様で本発明を実施することがで
きる。
28自体に補正値Uの不感帯(すなわち、許容範囲)が
設定されていたが、制御装置28を、補正値Uが許容範
囲にあるか否かを問わずそれを定寸装置22に送信する
ものとし、すなわち、制御装置28自体には補正値Uの
不感帯を設定せず、その代わりに、定寸装置22自体に
補正値Uの不感帯を設定することにより、ワークの寸法
ばらつき減少という効果を享受するようにすることがで
きる。
14により各ワークの計測が終了したならば直ちに、加
工機10によりこれからまさに加工し始められるようと
しているワークについて定寸点が補正されるようになっ
ていたが、例えば次のようにして本発明を実施すること
ができる。
4との間の加工ライン上には、全数計測機14による計
測を待つワークが存在するのが普通であり、全数計測機
14は、加工機10により加工し終わったばかりのワー
クを計測することはできない。そのため、全数計測機1
4により各ワークの計測が終了したならば直ちに、加工
機10によりこれからまさに加工し始められるようとし
ているワークについて定寸点を補正する場合には、前回
の真正補正値U* の影響を受けたワークの計測結果に基
づいて今回の真正補正値U* を決定することができな
い。直前の寸法情報に基づいて直後の加工条件を補正す
ることができないのである。そこで、前回の真正補正値
U* の影響を受けたワークの計測結果に基づいて今回の
真正補正値U* が決定されるようにする必要がある場合
には、例えば、前回の真正補正値U* の影響を受けたワ
ークの計測結果が取得されるまで定寸点を不変に保ち、
前回の真正補正値U* の影響を受けたワークの計測結果
が取得されたならば、その計測結果に基づいて今回の真
正補正値U* を決定し、それに応じて定寸点を補正する
ようにして本発明を実施することができる。
クに加工部位が複数個設定されていて、複数のワークの
各々が順に、かつ、各ワークにおいては複数の加工部位
がそれぞれ互いに異なる加工具により同時に加工される
とともに、各加工部位について個々に寸法情報が取得さ
れ、それら各寸法情報に基づいて各加工部位の加工条件
の補正値が個々に決定されるようになっていた。しか
し、複数の加工部位のうちそれを代表する少なくとも1
個についてのみ寸法情報を取得してその代表する加工部
位についてのみ加工条件の補正値を実際に決定するが、
他の加工部位については、その決定された補正値を流用
することによって補正値の実際の決定を省略するように
して本発明を実施することができる。
ことなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を
施した態様で本発明を実施することができる。
る。
寸点補正装置を含む加工システムの構成を示す図であ
る。
に記憶されているプログラムを示すフローチャートであ
る。
Rに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
Tに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
Uに関して記憶されている複数のメンバーシップ関数を
示すグラフである。
す図である。
ついて取得された移動平均値をそれぞれ示すグラフであ
る。
の関係の一例を示すグラフである。
寸装置に送信する様子を説明するためのグラフである。
つき抑制効果を説明するためのグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数のワークの各々に設定された少なく
とも1個の加工部位の各々を順に加工する加工具と、 その加工具による加工中の前記加工部位の寸法を測定す
るインプロセス測定ヘッドと、 そのインプロセス測定ヘッドにより取得された寸法が定
寸点に達した場合に前記加工具による加工を停止させる
定寸装置と、 前記加工具による加工終了の後に、前記加工部位の寸法
を測定するポストプロセス測定ヘッドとを備えた加工シ
ステムに設けられ、前記ポストプロセス測定ヘッドによ
る測定結果から取得される寸法情報に基づいて前記定寸
装置における前記定寸点を補正するフィードバック式定
寸点補正装置であって、 前記ポストプロセス測定ヘッドにより順次測定された複
数の加工部位の寸法の移動平均値を取得する移動平均値
取得手段と、 取得された移動平均値の目標値からの誤差である寸法誤
差およびその寸法誤差の変化傾向をそれぞれ前記寸法情
報として取得する寸法情報取得手段と、 取得された寸法情報に基づいて前記定寸点の補正値を決
定し、その補正値が予め設定された許容範囲内にない場
合にはその補正値に従って定寸点を補正するが、許容範
囲内にある場合には定寸点を補正しない定寸点補正手段
と、 前記加工具による加工が終了し、前記ポストプロセス測
定ヘッドによる寸法測定を待つワークが複数存在する場
合に、前回の定寸点の補正の影響を受けた最初のワーク
のポストプロセス測定ヘッドによる測定が行われ、その
測定結果に基づく補正値が取得されるまでは前記定寸点
補正手段に前回補正された定寸点を不変に保たせる定寸
点不変手段と を含むことを特徴とするフィードバック式
定寸点補正装置。 - 【請求項2】 前記寸法情報取得手段が、前記寸法誤差
の変化傾向として、今回の寸法誤差と過去の複数の寸法
誤差とに基づいて最小二乗回帰直線を取得する手段を含
む請求項1に記載のフィードバック式定寸点補正装置。 - 【請求項3】 前記定寸点補正手段が、今回の補正値と
過去の複数の補正値とに基づいて最小二乗回帰直線を取
得する手段を含む請求項1または2に記載のフィードバ
ック式定寸点補正装置。 - 【請求項4】 前記定寸点補正手段が、前記寸法誤差と
しての誤差値,前記寸法誤差の変化傾向としての誤差値
の微分値および前記補正値のそれぞれに関する複数のメ
ンバーシップ関数と、それら誤差値,微分値および補正
値相互の関係を規定する複数のファジィルールとに基づ
いてファジィ推論を行って前記補正値を決定する手段を
含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のフィード
バック式定寸点補正装置。
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---|---|---|---|
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EP93301006A EP0556049B1 (en) | 1992-02-14 | 1993-02-11 | A working system and method for improving dimensional accuracy of processed workpieces |
DE69321005T DE69321005T2 (de) | 1992-02-14 | 1993-02-11 | Bearbeitungs-System und -Verfahren zur Verbesserung der Abmessungsgenauigkeit bearbeiteter Werkstücke |
CA002089335A CA2089335C (en) | 1992-02-14 | 1993-02-11 | Apparatus and method for feedback-adjusting working condition for improving dimensional accuracy of processed workpieces |
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JPH06106455A JPH06106455A (ja) | 1994-04-19 |
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JP5801029B2 (ja) * | 2009-10-23 | 2015-10-28 | Ntn株式会社 | ビレット製作方法およびビレット製作装置 |
EP3229088B1 (de) * | 2016-04-08 | 2020-08-19 | Klingelnberg AG | Verfahren zum überwachen der maschinengeometrie einer verzahnungsbearbeitenden maschine und vorrichtung mit einer verzahnungsbearbeitenden maschine, einer messeinrichtung und einem softwaremodul |
-
1992
- 1992-09-22 JP JP27814692A patent/JP3182926B2/ja not_active Expired - Lifetime
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