JP2941032B2 - 加工条件自動作成機能を有する数値制御装置 - Google Patents

加工条件自動作成機能を有する数値制御装置

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JP2941032B2
JP2941032B2 JP2259233A JP25923390A JP2941032B2 JP 2941032 B2 JP2941032 B2 JP 2941032B2 JP 2259233 A JP2259233 A JP 2259233A JP 25923390 A JP25923390 A JP 25923390A JP 2941032 B2 JP2941032 B2 JP 2941032B2
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/33Director till display
    • G05B2219/33027Artificial neural network controller

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  • Numerical Control (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、加工条件データの自動作成機能を有した数
値制御装置に関する。
【従来技術】
従来、例えば、数値制御研削盤を用いた研削加工にお
いて、工作物の仕上げ径、取代、剛性係数、部品種別等
の入力条件データから、粗研、精研、微研等の研削モー
ド如の工作物の回転数、研削開始位置、研削送り速度、
研削後送り停止時間等の加工条件をコンピュータにより
自動決定する装置が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際には、自動決定された加工条件データ
が、各種の入力条件データに対して、最適データとなら
ないことが経験的に知られている。 このような場合に、自動決定された加工条件データを
作業者が見て、適正でない場合には、その値を作業者の
経験や勘に基づいて補正したり、実際にその加工条件デ
ータで加工された加工結果を作業者が判断して、経験と
勘によりその加工条件データを補正していた。 入力条件データからどの加工条件データをどのように
補正すれば良いかとか、ある加工条件データで工作物を
加工した場合の加工結果から得られる加工誤差から、ど
の加工条件データをどのように補正すれば良いかは、作
業者の経験と勘によるものであり、必ずしも、いつも正
しい補正が行われるとは限らなかった。 このため、修正された加工条件データで工作物を加工
し、その加工結果に応じて、再度、加工条件データを修
正するという作業を何度も行う必要があった。 更に、折角、作業者が加工条件データを正しく補正し
ても、その時の加工条件データと入力条件データ又は加
工誤差データとの因果関係が、その後の加工条件データ
の補正に反映されないという問題があった。 このため、適正な加工条件データを作成するのに時間
がかかるという問題がある。 本発明は、上記の課題を解決するために成されたもの
であり、その目的とするところは、現実の様々な入力条
件データから最適な加工条件データを自動作成すること
である。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための発明の構成は、第12図に示
すように、入力条件データを記憶する入力条件データ記
憶手段と、入力条件データから加工条件データの基準値
を予め定められた関数演算によって自動決定する基準値
演算手段と、入力条件データを入力とし、加工条件デー
タの基準値に対する基準値補正量を出力とする第1ニュ
ーラルネットワークと、第1ニューラルネットワークか
ら出力される基準値補正量で加工条件データの基準値を
補正して補正加工条件データを求める第1補正手段と、
加工条件データに従って工作物を加工した時に得られる
加工結果データとその要求値に対する加工誤差データを
記憶する誤差データ記憶手段と、誤差データ記憶手段に
記憶されている加工誤差データを入力とし、補正加工条
件データに対する誤差補正量を出力とする第2ニューラ
ルネットワークと、第2ニューラルネットワークから出
力される誤差補正量で第1補正手段によって補正した補
正加工条件データをさらに補正する第2補正手段とを備
えたことである。
【作用】
本発明では、基準値演算手段により入力条件データか
ら理論式等を用いて加工条件データの基準値が決定され
る。又、第1ニューラルネットワークにより、入力条件
データを入力して、加工条件データの基準値に対する補
正量が出力される。そして、第1補正量演算手段によ
り、加工条件の基準値にその補正量が加算されて適切な
補正加工条件データが演算される。 さらに、その補正加工条件データを用いて実際に工作
物が加工され、面精度、寸法精度、加工時間等の加工結
果データが測定される。そして、その加工結果データに
その要求値に対する偏差、即ち、加工誤差データが求め
られ、記憶手段に記憶される。 次ぎに、第2ニューラルネットワークにその加工誤差
データが入力され、補正加工条件データに対する補正量
が演算される。 その後、第2補正手段により、第1補正手段により補
正された補正加工条件データにその補正量が更に加算さ
れて、最終の適切な加工条件データが求められる。 上記の第1ニューラルネットワークの係合係数は、様
々な入力条件データを入力とし、その入力条件データに
最適な加工条件データの補正量を教師信号として学習さ
れている。又、係合係数は、第1ニューラルネットワー
クの出力が適性でない場合に、その時の適正な出力を教
師信号として学習される。この適正な出力は第2ニュー
ラルネットワークの出力による補正量を加味した学習を
行うことで、第1ニューラルネットワークだけで、加工
誤差データが零となる加工条件データを求めることが可
能となる。 又、上記の第2ニューラルネットワークの結合係数
は、様々な加工条件データで加工された結果得られる加
工誤差データを入力とし、その加工誤差データに対応し
た適性な補正加工条件データの補正量を教師信号として
学習されている。又、結合係数は、第2ニューラルネッ
トワークの出力が適性でない場合に、その時の適性な出
力を教師信号として学習される。 このように、作業者の経験や勘が2つのニューラルネ
ットワークの結合係数という形で記憶されることになる
ので、様々な入力条件データに対応した加工条件データ
の適性な補正量が自動決定される。
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。 (1)研削盤の構成 第1図は本発明に係る加工条件自動決定装置を有した
数値制御研削盤の全体の機械的構成を示した構成図であ
る。 50は研削盤であり、その研削盤50のベッド51の上に
は、そのベッド51に対して褶動するテーブル52が設けら
れている。テーブル52はテーブル送り用モータ53が駆動
されることにより図面の左右方向に移動される。又、テ
ーブル52の上には主軸台54と心押台56が配設されてお
り、主軸台54は主軸55を有し、心押台56は心押軸57を有
している。 工作物Wは主軸55及び心押軸57によって軸支され、主
軸55の回転によって回転される。この主軸55の回転は主
軸台54に配設された主軸モータ59によって行われる。 一方、工作物Wを研削する砥石車60は砥石台61に設け
られた砥石車駆動モータ62により回転駆動される駆動軸
に固着されている。又、砥石台61は砥石台送り用モータ
63によって図面の垂直方向に移動制御される。 テーブル送り用モータ53、砥石台送り用モータ63、主
軸モータ59、砥石車駆動モータ62などを駆動制御するた
めに数値制御装置30が設けられている。 (2)数値制御装置の構成 数値制御装置30は主として、第2図に示したように、
CPU31とROM32とTAM33とIF(インタフェース)34とから
構成されている。 RAM33にはNCプログラムを記憶するNCデータ領域331と
仕上げ径、取代、剛性係数、部品種別、荒仕上分割、作
業者名等の入力条件データを記憶する入力条件データ領
域332と工作物回転数、研削開始位置、研削送り速度、
研削後送り停止時間等の加工条件データを記憶する加工
条件データ領域333とニューラルネットワークの演算プ
ログラムを記憶するニューラルネットワーク領域334と
ニューラルネットワークの結合係数を記憶する係合係数
領域335とが設けられている。その他、RAM33には要求さ
れる加工仕様から決定される加工結果の要求値の記憶さ
れた要求値領域336と自動決定された加工条件データの
基準値を記憶する基準値領域337とニューラルネットワ
ークで演算された加工条件データの補正量を記憶する補
正量領域338と加工結果データを記憶する加工結果デー
タ領域339と加工誤差データを記憶する加工誤差データ
領域340が形成されている。尚、RAM33はバッテリバック
アップされており、学習された結合係数が保存されるよ
うになっている。 又、ROM32にはNCデータに従って数値制御研削盤を作
動させるための制御プログラムを記憶した制御プログラ
ム領域321と加工条件データを決定するメイン自動決定
プログラムの記憶された自動決定プログラム領域322と
ニューラルネットワークの結合係数を学習させるプログ
ラムを記憶した学習プログラム領域323とが形成されて
いる。 又、数値制御装置30にはIF34を介して操作盤20が取り
付けられている。その操作盤20の操作パネル21上にはデ
ータの入力を行うキーボード22とデータの表示を行うCR
T表示装置23とが設けられている。 更に、数値制御装置30にはIF35を介してFD駆動装置36
が接続されており、記憶媒体であるFD(フレキシブルデ
ィスク)37はそのFD駆動装置36を介して読み書きされ
る。 (3)作動 次に、本実施例装置で使用されているCPU31の処理手
順を、フローチャートに基づいて説明する。 1.本装置の全体の概要的作動 本装置の全体の概要的作動を第11図を参照して説明す
る。 ステップS1では多数の加工種類に対応したニューラル
ネットワークの演算プログラムとその学習済の結合係数
データとを記憶したFD37aから、実際に加工条件データ
を求めるのに使用する第1のニューラルネットワークの
演算プログラムとその結合係数データがRAM33に読み込
れる。 以下、第1のニューラルネットワークの演算プログラ
ムを条件適合エンジンとも言う。 ステップS2では、入力条件データがRAM33に入力され
る。 ステップS3では、入力条件データから加工条件データ
の基準値が自動決定される。 ステップS4では、入力条件データを入力とする第1の
ニューラルネットワークの演算プログラム(条件適合エ
ンジン)により加工条件データの補正量が演算される。 ステップS5では、補正量+基準値により補正された加
工条件データがCRT23に表示される。 ステップS6では、その加工条件データを作業者の経験
と勘により判断して、適正がどうかが判断される。 適正でない場合には、ステップS7で、加工条件データ
が修正される。 又、ステップS8では、修正された補正量を教師信号と
して上記の第1のニューラルネットワークの結合係数が
学習される。 学習と加工条件データの演算が繰り返し行われること
で、ステップS6で、加工条件データは適正と判断され
る。尚、第1のニューラルネットワークは学習済の形態
で供給されているので、たいていの場合には、一度の演
算で、適正な加工条件データが得られる。 ステップS9では、その加工条件データを用いて工作物
が実際に加工される。 ステップS10では、工作物の仕上寸法等の加工結果が
測定され、その要求値との誤差を示す加工誤差データが
演算される。 ステップS11では、加工誤差データに対して評価が行
われ、適正であれば、ステップS12で加工完了となる。 又、加工結果が適正でない場合には、加工条件データ
を修正する必要がある。 ステップS13では、上記の加工誤差データがRAM33に入
力される。 ステップS14では、FD37bから加工種類に対応した第2
のニューラルネットワークの演算プログラムとその学習
済の結合係数がRAM33に入力される。その第2のニュー
ラルネットワークの演算プログラムは加工診断エンジと
もいう。 ステップS15では、加工誤差データを入力とする第2
のニューラルネットワークが起動されて、加工条件デー
タの補正量が演算される。 ステップS16では、旧加工条件データ+補正量にて新
加工条件データが演算され、新加工条件データによる加
工結果に対する影響が予測される。 ステップS17では、加工結果の予測結果から修正され
た加工条件データが評価される。 加工条件データが適正でない場合には、ステップS18
で、適正な補正量を教師信号として、第2のニューラル
ネットワークの結合係数が学習される。 学習と加工条件データの演算が繰り返し行われること
で、ステップS17で、加工条件データは適正と判断され
る。尚、第2のニューラルネットワークは学習済の形態
で供給されているので、たいていの場合には、一度の演
算で、適正な加工条件データが得られる。 そして、ステップS6に戻り、補正された加工条件デー
タにおいて、第2のニューラルネットワークによる補正
量が大きい場合には、ステップS8において、その加工条
件データの基準値に対する偏差を教師信号として、第1
のニューラルネットワークの結合係数も学習される。従
って、第1のニューラルネットワークの結合係数には第
2のニューラルネットワークによる補正量も学習が進行
するに連れて次第に加味されてくるので、学習が進行し
た状態では、第1のニューラルネットワークだけで、最
適な加工条件データを求めることが可能となる。即ち、
加工誤差データは次第に小さくなって行き、第2のニュ
ーラルネットワークによる補正量も次第に減少してい
く。 尚、実際の加工に際して上記のように学習された第1
及び第2のニューラルネットワークの結合係数データは
FD37a,37bに出力されて、FD37a,37bに記憶されている対
応する結合係数データが更新される。 上記のように本実施例では、条件適合エンジンと加工
診断エンジンとにより加工条件データが補正される。 2.ニューラルネットワークの演算プログラム及び係合係
数データの入力 第3図は、記憶媒体のFD37から所定のニューラルネッ
トワークの演算プログラム及び結合係数データを入力し
てRAM33に記憶するプログラムのフローチャートを示し
ている。 FD37には加工種類(例えば、エンジンのカムシャフト
の研削等)に応じた第1及び第2のニューラルネットワ
ークの演算プログラム及びそれらの学習済の結合係数が
多数記憶されている。ステップ700では、全てのニュー
ラルネットワーク名称のリストがCRT23に表示される。 ステップ702において、そのリストを見て、作業者は
これから加工しようとする加工種類に対応する第1及び
第2のニューラルネットワーク(条件適合エンジン及び
加工診断エンジン)を選択する。 次に、ステップ704において、選択された2つのニュ
ーラルネットワークの演算プログラム及びそれらの結合
係数データが、それぞれ、FD37からRAM33のニューラル
ネットワーク領域334と結合係数領域335の所定領域に記
憶される。 3.入力条件データの入力 第4図は、入力条件データから加工条件データを自動
生成するメインプログラムのフローチャートである。 ステップ100では、キーボード22から入力され入力条
件データが読み取られ、RAM33の入力条件データ領域332
に記憶される。本実施例では、入力条件データとして
は、仕上げ径データD1,取代データD2,剛性係数データ
D3,部品種別データD4,荒仕上分割データD5,A作業者名デ
ータD6,B作業者名データD7,C作業者名データD8である。 4.加工条件データの基準値の演算 次のステップ102では上記の入力条件データ(D1
D8)及び他の入力条件データから加工条件データの基準
値V1〜V11が演算される。 本実施例では、加工条件データとしては、粗研回転数
データK1,精研回転数データK2,微研回転数データK3,粗
研開始径データK4,精研開始径データK5,微研開始径デー
タK6,粗研送り速度データK7,精研送り速度データK8,微
研送り速度データK9,粗研後送り停止時間データK10,微
研後送り停止時間データK11とで構成されている。 この基準値の演算は次のようにして行われる。 各研削モードの毎の回転数データについては、ある研
削時の砥石の周速に対して、工作物の周速が、要求され
る工作物の表面あらさの関数で予め決定されている。指
令された工作物の表面あらさから、工作物の周速が演算
され、この工作物の周速と工作物の直径とにより工作物
の回転数データが演算される。 各研削モードの送り速度データについては、砥石車の
工作物の1回転当たりの切込量が寸法公差の関数として
予め決定されている。各研削モードの指令された寸法公
差から切込量が演算され、回転数データとから研削送り
速度データが演算される。 各研削モードの研削開始径データは、各研削モード毎
に標準の送り量が設定されており、指令された仕上げ径
とこの送り量との関係により演算される。 研削後送り停止時間データについては、定寸研削か否
かにより、又、工程を分割して研削するか否かにより、
送りを停止する工作物の回転数が決定される。入力条件
データから、研削後送り停止回転数が決定され、回転数
データを用いて、研削後送り停止時間が演算される。 5.第1のニューラルネットワーク(条件適合エンジン)
の構成及び作動 次に、第4図のステップ104において、第1のニュー
ラルネットワークを起動して、入力条件データD1〜D8
入力して、各加工条件データ(K1〜K11)の各補正量δ
〜δ11が演算される。 第1のニューラルネットワークは第5図に示す構成の
ものである。本実施例では、ニューラルネットワーク
は、入力層と中間層と出力層との3層構造である。 ニューラルネットワークは良く知られたように、第2
層の中間層と第3層の出力層との各素子が次式の演算を
行う素子として定義される。 第i層の第j番目の素子の出力 は、次式で計算される。但し、i≧2である。 但し、 は第i層の第j番目の演算素子のバイアス、 は、第i−1層の第k番目の素子と第i層の第i番目の
素子間の結合係数、 は第1層の第j番目の素子の出力値を表す。即ち、第1
層であるから演算を行うことなく、そのまま入力を出力
するので、入力層(第1層)の第j番目の素子の入力値
でもある。従って、 但し、Djは入力層のj番目の素子に入力される入力条件
データである。 ニューラルネットワークの具体的な演算は第6図に示
す手順で実行される。 ステップ200において、中間層(第2層)の各素子に
は、入力層(第1層)の各素子からの出力値D1〜D8を入
力して、次式の積和演算が行われる。 第2層の第j番目の素子に関しては次紙で演算され
る。本実施例ではバイアスは零である。 次に、ステップ202において、次式により、(5)式
の入力値の積和関数値のシグモイド関数により、中間層
(第2層)の各素子の出力が演算される。第2層の第j
番目の素子の出力値は次式で演算される。 この出力値 は出力値(第3層)の各素子の入力値となる。 次に、ステップ204において、出力層(第3層)の各
素子の入力値の積和演算が実行される。 次に、ステップ206において、(6)式と同様に、ジ
グモイド関数により、出力層の各素子の出力値が演算さ
れる。この出力値は加工条件データの補正量δとな
る。 即ち、補正量δは次式で求められる。 6.加工条件データの演算 第4図のステップ106に戻に、ステップ102で求められ
た加工条件データの基準値V1〜V11とステップ104で求め
られた補正量δ〜δ11との和により、加工条件データ
K1〜K11が求められる。その加工条件データK1〜K11は、
RAM33の加工条件データ領域333に記憶される。 次に、ステップ108で、その加工条件データK1〜K11
CRT23に表示され、作業者はその表示結果をみて、必要
ならば、修正値をキーボード22から入力し、その値は加
工条件データ領域333に記憶される。 次に、ステップ110において、その加工条件データK1
〜K11を用いてNCデータが演算され、演算されたNCデー
タはRAM33のNCデータ領域331に記憶される。 7.加工誤差データの生成 次に、このNCデータに従って、工作物が試し加工され
る。工作物の加工結果が測定され、加工結果データが得
られる。加工結果データは、例えば、全研削時間,仕上
表面粗さ,仕上寸法精度,仕上真円度,焼け又は割れの
程度、ひびれの程度等である。 次に、これらの測定された加工結果データから加工条
件データを修正する手順について説明する。 第7図のステップ500において、上記の測定された加
工結果データが作業者によりキーボード22から入力さ
れ、その入力値はRAM33の加工結果データ領域339に記憶
される。 次に、ステップ502において、加工結果の要求値が同
様に入力され、その値はRAM33の要求値領域336に記憶さ
れる。 次に、ステップ504において、加工結果データの要求
値に対する偏差である加工誤差データが演算され、これ
らのデータはRAM33の加工誤差データ領域340に記憶され
る。 加工誤差データは、全研削時間誤差H1,仕上表面粗さ
誤差H2,仕上寸法誤差H3,仕上真円度誤差H4,焼け又は割
れの程度誤差H5,ひびりの程度誤差H6等である。 8.第2ニューラルネットワーク(加工診断エンジン) 次に、ステップ506において、第2のニューラルネッ
トワークの入力層の対応する各素子に加工誤差データ領
域340に記憶されている加工誤差データ(H1〜H6)を入
力させて、第2のニューラルネットワークを起動する。 そして、ステップ508において、第2のニューラルネ
ットワークの出力である加工条件データの補正量(δ
〜δ11)は、RMM33の補正量領域338に記憶される。 この第2のニューラルネットワークは第8図に示す構
成のものである。本実施例では、第2のニューラルネッ
トワークは、入力層と中間層と出力層との3層構造であ
る。 この第2のニューラルネットワークの各素子の演算機
能は、上記の第1のニューラルネットワークの演算機能
と完全に同一である。 次に、ステップ510において、各旧加工条件データ(K
1〜K11)に補正量(δ〜δ11)が加算されて修正され
た新加工条件データ(K1〜K11)が求められる。それら
のデータはRAM33の加工条件データ領域333の内容を書き
換えて記憶される。 以上のように、本実施例では、加工条件データの基準
値が第1のニューラルネットワークにより補正され、更
に、第2のニューラルネットワークを用いて、加工誤差
の考慮された補正が行われる。従って、より正確な加工
条件データが求められる。 更に、第1のニューラルネットワークの学習を、第2
のニューラルネットワークによる補正量が大きい場合に
も、行うことで、学習の進行に連れて、第1のニューラ
ルネットワークだけで、適性な加工条件データの補正量
を決定することができる。即ち、第1のニューラルネッ
トワークの学習が進行すれば、第2のニューラルネット
ワークによる補正量が少なくなり、試し加工等を必要と
することなく、加工条件データを求めることが可能とな
る。 9.第1のニューラルネットワークの学習 次に、上記の第1のニューラルネットワークの結合係
数の学習手順について説明する。 結合係数は第5図に示すニューラルネットワークにつ
き、良く知られたバックプロパーケーション法により実
行される。 この学習、既に学習済の結合係数について、更に、使
用時に学習させる必要が生じた時に実行される。即ち、
第1のニューラルネットワークの出力する補正量が適性
でない場合と、第1のニューラルネットワークで補正さ
れた加工条件データで加工した時に加工誤差が大きくな
った時、換言すれば、第2のニューラルネットワークの
出力する補正量が大きい場合である。 第9図のステップ600において、次式により出力層の
各素子の学習信号が演算される。 但し、Tjは出力である補正量δに対する教師信号で
あり、外部から付与される。又、f′(x)はジグモイ
ド関数の導関数である。 次に、ステップ602において、中間層の学習信号が次
式で演算される。 次に、ステップ604において、出力層の各素子の結合
係数が補正される。 補正量は次式で求められる。 但し、 は、出力層の第j番目の素子と中間層の第i番目の素子
との間の結合係数の第t回目演算の変化量である。 又、 は、その結合係数の前回の補正量である。P,Qは比例定
数である。 よって、結合係数は、 により、補正された結合係数が求められる。 次に、ステップ606へ移行して、中間層の各素の結合
係数が補正される。 その結合係数の補正量は出力層の場合と同様に、次式
で求められる。 よって、結合係数は、 により、補正された結合係数が求められる。 次に、ステップ608において、結合係数の補正量が所
定の値以下になったか否かを判定して、結合係数が収束
したか否かが判断される。 結合係数が収束していなければ、ステップ600に戻
り、新たに補正された結合係数を用いて、同様な演算が
繰り返され、結合係数が再度補正される。このような演
算の繰り返しにより、ある教師信号に対する学習が完了
する。 又、他の入力条件データに対しては、結合係数が変化
したことになるので、他の入力条件データに対する学習
も実行される。 10.第2のニューラルネットワークの学習 加工誤差データを入力とする第2のニューラルネット
ワークについても、出力である加工条件データの補正量
が適正でない場合に、その補正量に対する教師信号を用
いて、必要に応じて、学習が行われる。 11.学習された結合係数データの退避 第10図のステップ800で示すように、RAM33の結合係数
領域335に記憶されている第1及び第2のニューラルネ
ットワークの結合係数データは、FD37において、その結
合係数データが記憶されていた領域を書き換えて、最新
に学習された結合係数データが保存される。これによ
り、次回に同一種類の加工を行う場合に、正確に加工条
件データが迅速に生成されることになり、更に、使い勝
手の良いニューラルネットワークとなる。 上記の実施例では、加工に必要なニューラルネットワ
ークの演算プログラム及びその結合係数データをFD37か
ら入力するようにしているが、通信回線を介してメイン
コンピュータから数値制御装置に入力するようにしても
良い。即ち、マシニングセンタ、通信回線で親コンピュ
ータに接続された数値制御装置にも応用できる。
【発明の効果】
本発明は、入力条件データから加工条件データの基準
値を予め定められた関数演算によって自動決定し、入力
条件データを入力とし、各加工条件に対する補正量を出
力とする第1ニューラルネットワークにより、加工条件
データの基準値に対する補正量を演算して、その補正量
で基準値を補正することで補正加工条件データを求める
ようにしている。又、その補正加工条件データを用いて
実際に工作物を加工した時に得られる加工誤差データを
入力とする第2ニューラルネットワークにより、その補
正加工条件データに対する補正量を演算して、補正加工
条件データをその補正量で更に補正するようにしてい
る。 従って、作業者の経験や勘を2つのニューラルネット
ワークにおける結合係数の形式で学習記憶させることが
できるので、入力条件データから、加工結果を反映した
適切な加工条件を自動生成することができる。 さらに、自動決定された基準値を第1ニューラルネッ
トワークの出力する基準値補正量で補正して補正加工条
件データを作成するので、第1ニューラルネットワーク
の学習が不十分であっても、加工への影響を小さくする
ことができる。さらに、第1ニューラルネットワークの
出力する基準値補正量で補正して得られた補正加工条件
データを第2ニューラルネットワークの出力する誤差補
正量でさらに補正しているので、第1ニューラルネット
ワークの学習が不十分であっても工作物の加工に使用す
る適正な加工条件データが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の具体的な一実施例に係る加工条件自動
決定装置を有した数値制御研削盤の全体の機械的構成を
示した構成図。第2図は同実施例装置に係る数値制御装
置及び操作盤の電気的構成を示したブロックダイヤグラ
ム。第3図は同実施例装置で使用されているCPUによる
ニューラルネットワークの演算プログラム及びその結合
係数データを入力する手順を示したフローチャート。第
4図は同実施例装置で使用されているCPUによる加工条
件データの演算手順を示したフローチャート。第5図は
同実施例に係る第1のニューラルネットワークの構造を
示した構造図。第6図はその第1のニューラルネットワ
ークによる演算手順を示したフローチャート。第7図は
同実施例装置で使用されているCPUによる加工誤差デー
タに基づく加工条件データの補正手順を示したフローチ
ャート。第8図は第2のニューラルネットワークの構造
を示した構造図。第9図は第1のニューラルネットワー
クの学習手順を示したフローチャート。第10図は同実施
例装置で使用されているCPUによる学習された結合係数
データを記憶媒体に保存する手順を示したフローチャー
ト。第11図は本装置の全体の作動概念を示したフローチ
ャート。第12図は本発明の概念を示したブロックダイヤ
グラムである。 20……操作盤、21……操作パネル 22……キーボード、23……CRT表示装置 30……数値制御装置、31……CPU 32……ROM、33……RAM、50……研削盤 51……ベッド、52……テーブル 53……テーブル送り用モータ、54……主軸台 55……主軸、56……心押台、57……心押軸 59……主軸モータ、60……砥石車、61……砥石台 62……砥石車駆動モータ 63……砥石台送り用モータ、W……工作物

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数値制御工作機械により工作物を加工する
    ときの加工条件データを、少なくとも前記工作物の仕上
    げ寸法を含む入力条件データから自動作成する装置にお
    いて、 前記入力条件データを記憶する入力条件データ記憶手段
    と、 前記入力条件データから前記加工条件データの基準値を
    予め定められた関数演算によって自動決定する基準値演
    算手段と、 前記入力条件データを入力とし、前記加工条件データの
    基準値に対する基準値補正量を出力とする第1ニューラ
    ルネットワークと、 前記第1ニューラルネットワークから出力される前記基
    準値補正量で前記加工条件データの基準値を補正して補
    正加工条件データを求める第1補正手段と、 前記加工条件データに従って工作物を加工した時に得ら
    れる加工結果データとその要求値に対する加工誤差デー
    タを記憶する誤差データ記憶手段と、 前記誤差データ記憶手段に記憶されている前記加工誤差
    データを入力とし、前記補正加工条件データに対する誤
    差補正量を出力とする第2ニューラルネットワークと、 前記第2ニューラルネットワークから出力される前記誤
    差補正量で前記第1補正手段によって補正した補正加工
    条件データをさらに補正する第2補正手段と、 を備える加工条件自動修正装置。
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