JP2924125B2 - 不織布用ポリエステル繊維 - Google Patents

不織布用ポリエステル繊維

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、不織布用ポリエステル繊維、詳しくはソフ
トな風合いを有する不織布を得るためのポリエステル繊
維に関するものである。
〔従来の技術〕
熱接着性不織布はその生産性が高いこと,製造コスト
面から有利であることから近来需要が大幅に伸び、また
その用途も飛躍的に増大している。熱接着性不織布の中
でも特にカレンダーロールを用いて製造するポイントシ
ール法による不織布はここ数年来生産が急伸展してお
り、衣料用芯地の分野で多く使用されている。この衣料
用芯地においては素材としてはポリエステル、ナイロン
などが一般的に使用されているが、芯地としての基本的
機能のほかソフト性が特に要求される薄地用途では、ナ
イロン6やナイロン66など多く用いられ、ポリエステル
はもっぱら低グレードの汎用品やナイロン類との混繊素
材として用いられているに過ぎないのが現状である。し
かしながら、ナイロンはコストが高く、また衣料の表素
材のポリエステル化が進む現在、ソフトさを追求する衣
料用芯地分野においても表素材との馴染み性からいって
もポリエステル化を進めることが望ましい。
そこで、本発明者らはナイロン並のソフトさを有する
不織布用ポリエステル系繊維として、ポリエチレンテレ
フタレートポリマーよりソフトな繊維を得やすいポリブ
チレンテレフタレートポリマーをベースに、さらにソフ
トな繊維を得ることを検討した。
従来、ポリブチレンテレフタレートポリマーをベース
に種々の成分を共重合させ繊維を得ることは公知であ
る。たとえば特開昭56−118911号公報にはポリテトラメ
チレングリコールなどを共重合させた技術が、また特開
昭56−154515公報には5−スルホイソフタル酸の金属塩
あるいはイソフタル酸,アジピン酸,セバシン酸などを
共重合させる技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術は必ずしもソフトさを狙
った技術ではなく、また単にこれらの技術を用いてソフ
トな感触の原綿を製造しても、特にポイントシール法に
よる不織布を製造した場合、粗硬な風合いになる場合が
多かった。これは、一般に共重合成分の多く繊維は乾熱
収縮率が大きく、ポイントシール工程で融点近くの温度
が付与されると非ポイントシール部での繊維が大きく収
縮してしまい、でき上がった不織布は粗硬かつペーパー
ライクなものとなりやすかったからである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、前記従来技術の現状を打破し、ソフ
トな風合いを有する不織布用ポリエステル繊維を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記課題は、全酸成分に対する共重合モル%
として脂肪族ジカルボン酸を2.0〜15.0モル%共重合し
ているポリブチレンテレフタレートからなり、融点から
20℃低い温度における乾熱収縮率が10%以下であること
を特徴とする不織布用ポリエステル繊維によって解決で
きる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるポリブチレンテレフタレートは、全酸
成分に対する共重合モル%として脂肪族ジカルボン酸を
2.0〜15.0モル%共重合しているポリブチレンテレフタ
レートである。
本発明で用いる脂肪族ジカルボン酸としては、アジピ
ン酸,スペリン酸,セバシン酸,ドデカンジオン酸など
であり、またこれらの誘導体であってもよい。脂肪族ジ
カルボン酸の共重合率は2.0〜15.0モル%、好ましくは
5.0〜12.5モル%の範囲とする。この脂肪族ジカルボン
酸の共重合率が2.0モル%未満では共重合によるソフト
化の効果が殆どなく、一方,15.0モル%を超えるとソフ
ト化の効果は顕著になるが、融点の低下が大きくなり、
熱的安定性が大幅に悪化するのみならず,繊維としての
基本的物性が低下してしまうので好ましくない。
さらに本発明の繊維においては、融点から20℃低い温
度における乾熱収縮率が10%以下、好ましくは5%以下
である。不織布を製造するにおいて、特にポイントシー
ル法の場合は、エンボスローラとスムースローラ間で繊
維を強制加熱圧着させ不織布構造を形成させるため、融
点から20℃低い温度における乾熱収縮率が10%を超える
と、不織布の非融着部分においてウエブを構成する繊維
が収縮のため緊張状態になりペーパーライクになりやす
い。また、そのとき繊維同志が擬接着することもあり、
本来有している繊維自体のソフトさを不織布へ十分反映
できないという問題が生じる。
本発明の繊維において、繊度は好ましくは0.5〜4.0デ
ニール、より好ましくは0.7〜2.0デニールである。0.5
デニール未満の場合、通常のカードを通過することが困
難でたとえ通過させることができてもネップなどが生じ
やすく製品としての品位を損ねる場合がある。また、4.
0デニールを超えると繊維自体ソフトさが減じ不織布と
しても風合いにがさつき感が大きくなり、また保温性も
低下することがある。
さらに本発明の繊維のポリエステル成分においては、
目的とする性能を損なわない範囲で、その酸成分の一部
またはそのグリコール成分の一部が他のジカルボン酸成
分,イソフタル酸,5−スルホイソフタル酸成分など、あ
るいは他のグリコール成分,たとえばエチレングリコー
ル,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ト
リメチレングリコール,ネオペンチルグリコール,1.4−
シクロヘキサンジメタノール,ポリエチレングリコー
ル,ビスフェノールA成分などで置き換えた共重合ポリ
エステルであってもよい。
なお、本発明の繊維に用いるポリエステル成分には実
用的な繊維としての特性を改善するために種々の添加
剤、たとえば艶消剤,光沢改良剤,耐熱剤,耐候剤,酸
化防止剤,顔料染料などの着色剤,充填剤,帯電防止剤
などを含んでもよい。
また本発明繊維の断面形状は、円形にかぎらず三角断
面その他異形断面であってもよい。特に断面を偏平化す
ることは繊維自体のみならず不織布のソフト性を増し、
また薄地タイプにおいてはカバーリング性も向上するた
め好ましい。
本発明の繊維は通常短繊維状にし不織布化を行うが、
カーディング工程でネップや未開繊部の発生しない方が
好ましい。一般にネップや未開繊部の発生は捲縮数,捲
縮形態と密接な関係にあり、機械捲縮の場合、捲縮数が
8個/inch未満では未開繊部が発生しやすく、20個/inch
を超えるとネップが発生しやすい。また、繊維長につい
ても特に限定するものではないが、通常は20〜80mm程度
のものが好ましい。
本発明の繊維に用いるポリマーを製造する方法として
は通常ポリエステルポリマーを製造する重合装置を使用
し、常法の共重合ポリブチレンテレフタレートを製造す
る方法を用いることができる。またこの共重合ポリブチ
レンテレフタレートを用いて本発明の繊維は通常ポリエ
ステル繊維を得るための乾燥装置,紡糸装置,延伸後処
理装置を用い、常法の製造方法を用いることができる。
ただし、一般に,ポリブチレンテレフタレートは低速
で紡糸すると紡糸巻取り中にドラムに巻かれた未延伸糸
が繊維の長さ方向に伸長する自発伸長現象を起こし安定
巻取りができなくなり、共重合ポリブチレンテレフタレ
ートは通常のポリブチレンテレフタレートよりこの現象
が顕著である。したがって、紡出糸条を安定して巻取る
ためには1,100m/分以上の紡糸速度で紡糸することが好
ましい。
また、本発明の繊維は融点から20℃低い温度における
乾熱収縮率が10%以下であり、この条件を満たす繊維を
得る方法は特に限定しないが、本発明に記載する構成の
ポリマーを用いて紡糸した未延伸糸を延伸した後、融点
より60〜20℃低い温度で緊張熱処理、あるいは融点より
40〜20度低い温度で弛緩熱処理しておく方法が有効であ
る。
本発明の繊維は常法の不織布製造方法にて不織布化可
能であり、以下カレンダーロールを用いたポイントシー
ル法による不織布の製造方法について説明する。すなわ
ち、まず,本発明の繊維を短繊維状にカットし、常法に
てカードにかけウェブを形成する。このとき他の素材を
混綿してもよい。ウエブはそのままポイントシール工程
へ導いても、また2層以上積層してもよく、積層するウ
エブは任意の角度で積層しても、また他の素材のウエブ
を積層してもよい。
以上、得られたウエブをエンボスローラとスムースロ
ーラ間に導く。このとき両ローラの温度とローラ間隔は
所定の値に設定しており部分的に融着部を有するポイン
トシール不織布を得る。ポイントシールするときの温度
は使用する繊維やウエブの目付け,ローラ速度などによ
って異なるが、190〜220℃が好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
また、ここで用いた測定法は以下の通りである。
繊度:JIS L−1015合成繊維ステープル試験方法のデニー
ル測定法、7.5.1A法またはB法による。
融点:パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC7を用い
て温度上昇カーブを10℃/分として加熱し得られた融解
熱曲線から算出した。
乾熱収縮率:JIS L−1015合成繊維ステープル試験方法の
収縮率の測定法、7.15.(2)による。ただし、乾燥機
で処理する温度は(融点−20)℃とする。
ソフトさ:5人のパネラーによる官能検査により原綿およ
び不織布の評価を行い、ソフトな順から◎,○,×の3
段階に分別した。
実施例1 アジピン酸を10モル%共重合したポリブチレンテレフ
タレートポリマー(融点;208℃)を紡糸温度260℃に設
定し、偏平度1:5の孔型をした200ホールの偏平口金か
ら,紡糸速度1300m/分で紡糸し未延伸糸を得た。この未
延伸糸を70℃の温水中で2.0倍に延伸し、170℃の熱板上
で定長で熱処理した。続いてクリンパーで捲縮を付与
し、170℃で弛緩熱処理を行った後、油剤を付与しカッ
トした。
得られた原綿は繊度1.0デニール,断面形状が偏平で
繊維長約40nmで捲縮数16山/inch,捲縮度15%,処理温度
188℃での乾熱収縮率が1%であった。
この原綿をカーディングし、ほぼ一方向に積層してカ
レンダーローラ装置に導いた。カレンダーローラ装置は
エンボスローラとスムースローラからなり温度はともに
190℃であった。できあがった不織布のソフトさを評価
したところ、非常に良好であった(◎)。
比較例1 実施例1で用いた未延伸糸を70℃の温水中で2.0倍延
伸し、続いてクリンパーで捲縮を付与し、130℃で弛緩
熱処理を行った後、油剤を付与しカットした。
得られた原綿は0.8デニールで処理温度188℃での乾熱
収縮率は20%あった。
この原綿を用いて実施例1と同様にポイントシール法
による不織布を製造したところ、非ポイントシール部の
原綿の収縮が大きく、不織布自体ペーパーライクになり
粗硬な(×)ものとなった。
実施例2〜4,比較例2〜3 表1に示した条件以外は実施例1とほぼ同様な条件で
重合,紡糸,延伸を行い、さらに不織布を製造した。
実施例2〜4はいずれも良好な風合いを示した。
比較例2は脂肪族ジカルボン酸を共重合しなかったた
め、満足のいくソフトな風合いを得ることができなかっ
た(×)。
比較例3は共重合率が多いかったため、原綿強度が低
下しカード通過時にトラブルが生じた。
〔発明の効果〕 本発明によれば、ソフトな風合いを有するポイントシ
ール方式など熱接着型の不織布に適したポリエステル繊
維を得ることができる。
このソフトなポリエステル不織布を用いることによ
り、従来コストは高いがソフトであるナイロン素材の独
壇場であった衣料用芯地、特に付加価値の高い薄地タイ
プ分野において大きな展開が可能となる等、顕著な効果
を奏する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−178129(JP,A) 特開 昭57−21513(JP,A) 特開 昭59−199815(JP,A) 特開 昭56−154515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/84,6/62 D04H 1/42,1/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全酸成分に対する共重合モル%として脂肪
    族ジカルボン酸を2.0〜15.0モル%共重合しているポリ
    ブチレンテレフタレートからなり、融点から20℃低い温
    度における乾熱収縮率が10%以下であることを特徴とす
    る不織布用ポリエステル繊維。
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