JP2923501B1 - ダムにおけるタイヤ緩衝構造体 - Google Patents
ダムにおけるタイヤ緩衝構造体Info
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Abstract
イクル可能なタイヤを利用した緩衝構造体により、緩和
し堤体損壊を防止するとともに、省資源、地球環境の改
善にも寄与する。 【解決手段】 砂防ダム1の堤体2の上流側の面に、タ
イヤ柱9が複数本、川幅方向に平面配置され、かつこの
平面配置されたものが川の流れの方向に一又は二以上の
層に配置されて成るタイヤ緩衝構造体7により、土石流
による衝撃を緩衝する。タイヤ柱9は、積み重ねられた
複数のタイヤと、タイヤのホイール孔を通してホイール
孔の内面に当接するように形成され、タイヤ8内を半密
閉状態にする芯柱とから構成される。
Description
ダムや治山ダムで、特に土石流対策用の砂防ダムにおい
て、土石流の衝撃力によるダムの堤体の損壊を防止する
ための緩衝構造体に関する。
ムは重要な役割を有しているが、砂防ダムには川上から
流れてくる土石流が衝突し、その衝撃力により又衝撃力
の繰り返しによる疲労により堤体が損壊されことが多
い。この対策として、通常、砂防ダムでは、コンクリー
トの強度向上や補強鉄筋によって、衝撃力に対して直接
的に強度の向上をもって対抗している。
る設計法では次に述べるような問題がある。 (1)コンクリートの弾性係数は非常に高く、そのた
め、その特質上、衝撃力は著しく大きくなり、高価で高
品質な構造設計が要求されている。 (2)その衝撃力に対して、ブロック割等に配慮が必要
で小割のブロックでは、極太鉄筋や形鋼の補強が必要と
なる。 (3)従って、施工は複雑で、かつ既設のダムの補強改
修は抜本的な改築となり経済的でない。 (4)土砂の移動によって深い洗掘が生じたり、堤体が
欠けたりしている。
な砂防ダムの土石流による損壊を防止することをを目的
とするものであり、上記のようにダムの構造強度の向上
を図るのでなく、土石流による衝撃力を緩衝により緩和
することによる手段であって、しかも短期間に施工が可
能であり、しかもリサイクル可能な資材を利用すること
により、省資源、地球環境の改善にも寄与できる砂防ダ
ムの緩衝構造体を実現することである。
決するものであり、ダムの堤体の上流側の面に配置さ
れ、土石流による衝撃を緩衝するタイヤ緩衝構造体であ
って、上記タイヤ緩衝構造体は、タイヤ柱が複数本、川
幅方向に平面配置され、かつ上記タイヤ柱の平面配置さ
れたものが川の流れの方向に一又は二以上の層に配置さ
れてなり、上記タイヤ柱は、積み重ねられた複数のタイ
ヤと、該複数の積み重ねられたタイヤのホイール孔を通
して該ホイール孔の内面に当接するように挿入され、上
記タイヤ内を半密閉状態にする芯柱とからなり、土石流
が上記タイヤに衝突した際の衝撃力が、該タイヤ自体の
弾性力と、該タイヤ内の空気が該タイヤと上記ホイール
孔の細隙から流出する際に生じる衝撃力を減衰させる緩
衝作用により、吸収、緩和されて、上記堤体の保護をす
ることを特徴とするダムにおけるタイヤ緩衝構造体を提
供することである。
ール孔にラス型枠を挿入し、該ラス型枠内にコンクリー
トを充填することにより形成するか、ホイール孔にプラ
スチック筒体を挿入し、該プラスチック筒体内に土砂を
充填することにより形成されたものである。
は、隣接する芯柱と連結トラス鉄筋により互いに連結
し、上記衝撃力を隣接するより広い範囲の複数のタイヤ
柱により吸収できる構成としてもよい。
ヤ柱の平面配置されたものが、川の流れの方向に二以上
の配置された層は、互いにタイヤ柱が千鳥状になるよう
に密詰めされるか、あるいは互いにタイヤ柱が前後方向
に整列するように隙間詰めされるかのいずれでもよい。
づいて図面を参照にして説明する。図1は、本発明の砂
防ダム1の全景を示す図である。図1(a)は平面図で
あり、図1(b)は上流側から見た正面図を示してい
る。本発明の砂防ダム1では、堤体2の本体3の頂部の
上流側には、水平な棚部4が形成され、この棚部4より
上方の堤体2の部分(堤体上部)5の中央には、水通し
6が形成されている。
の(上流側から見た)左岸及び右岸の堤体上部5の拡大
図であり、夫々の図の(a)は堤体の平面図であり、
(b)は、上流側からから見た正面図を示している。
に、タイヤ緩衝構造体7が配設されている。タイヤ緩衝
構造体7は、複数のタイヤ8が積み重ねられて成るタイ
ヤ柱9がその構成要素であり、複数本のタイヤ柱9が次
のように配列されて構成されている。即ち、タイヤ柱9
を、川幅方向に複数本並べて平面状に配列するととも
に、このような平面状配置を前後方向に一又は二層以上
配列して、平面状かつ層状のタイヤ緩衝構造体7が形成
される。
で拡大して示すように、タイヤ柱9を川幅方向に複数
列、川の流れ方向に前後二層、千鳥状に配置(密積み)
することにより、平面状かつ層状に配列されたタイヤ緩
衝構造体7が形成されている。タイヤ緩衝構造体7の内
側(下流側)のタイヤ柱9の層は、堤体上部5の上流側
の面に当接するように配置される。
状の配置ではなく、図4(f)に示されるように、前後
二層整列して配置(隙間積み)してもよい。タイヤ8
は、大型車のタイヤ等が使用されるが、古タイヤ、使用
済みの廃タイヤ、リサイクルされたB級品のタイヤ等い
ずれでもよい。
ヤ柱9は、図4(a)、(b)に示されるように積み重
ねられた複数のタイヤ8の中心のホイール孔10を通し
て芯柱11が配設されており、積み重ねられたタイヤ8
がずれたり、崩れたりしないように構成されている。こ
の芯柱11は、複数のタイヤ8が棚部4上に積み重ねら
れてから、最上位のタイヤのホイール孔10から、ラス
型枠(金網枠)12を嵌入しその中にコンクリート13
を充填して形成する。あるいは、最上位のタイヤのホイ
ール孔10から、プラスチックチューブを嵌入しその中
に土砂を詰めて形成してもよい。
1を形成する場合は、棚部4の上面を粗面にしてこの粗
面上に芯柱11を単に載置し、この粗面と芯柱11の下
面との摩擦力で安定させる構成でもよいし、棚部4から
芯柱11を通してせん断補強鉄筋を延ばして補強した構
成としてもよい。
は、タイヤ8の中心のホイール孔10に嵌入可能で、し
かもタイヤ8ホイール孔10の内面に当接し嵌合する程
度の直径のものが使用される。このようにタイヤ8のホ
イール孔10内面に芯柱11が当接されて配設されるこ
とにより、図4(c)に示されるように、タイヤ8の中
空部14は芯柱11により封止されて半密閉状態(完全
に密閉されてはいないが略密閉されている状態)にな
る。
面に衝撃力Fが加わると、タイヤ内の空気は、タイヤ内
面と芯柱11の間の僅かな隙間(細隙)15を通って流
出することにより、減衰作用が生じ、衝撃エネルギーの
一部が吸収されて緩衝効果が生じる。即ち、上記衝撃力
は、タイヤ自体のゴムが有する弾性力による緩衝作用に
加えて、上記タイヤ内の空気が隙間からの流出すること
により生じる緩衝作用により、効果的に緩和される。
用を説明する。堤体2は、川上から流下してくる土石流
をくい止め、下流に流れることを防止する。川上から流
下している土石流は、堤体上部5の上流側の面に配設さ
れたタイヤ緩衝構造体7に衝突する。すると、その衝撃
力の一部は、タイヤ8自体の弾性力により吸収される。
又、土石流の衝突の際に、タイヤ8を外側から押圧する
ために、半密閉状態のタイヤ8の中空部14内の空気
は、タイヤ8と芯柱11の間の細隙15から流動抵抗を
受けて流出し減衰作用が生じ、衝撃エネルギーが吸収さ
れる。結局、砂防ダム1に対する土石流の衝撃力は、タ
イヤ緩衝構造体7により緩衝されてその衝撃が緩和され
るから、砂防ダム1の堤体上部5における損壊が防止さ
れる。
と、土石流によるコンクリートへの衝撃力は、1/5〜
1/10に減じることが可能となり、砂防ダム1の耐久
性を著しく向上させる。
緩衝構造体7の変形例を示し、内外二列のコンクリート
芯柱11を千鳥状に連結トラス鉄筋16により連結した
構造を示す。この連結トラス鉄筋16は、タイヤ柱9の
ホイール孔10内にラス型枠を挿入してから、上下方向
に隣接するタイヤの隙間から連結トラス鉄筋16を差し
込んでコンクリート13を充填することにより固定され
る。この場合に、連結トラス鉄筋16は、複数本の鉄筋
を千鳥状に配設してもよいが、すでに千鳥状に曲折され
た一本の鉄筋を、上下方向に隣接するタイヤ間から差し
込んで配設してもよい。
鉄筋16により連結すると、土石流がタイヤ緩衝構造体
7に部分的に衝突した場合に、隣接する周辺のタイヤ柱
9にその衝撃力を拡大することにより、衝撃力を、より
広範囲で受けて衝撃吸収効果を高めることができる。
又、この連結トラス鉄筋16によってタイヤ柱9を互い
に連結することにより、タイヤ緩衝構造体7全体のトラ
ス構造強度が高められ、複数のタイヤ柱9が分離して崩
壊したり、くずれたりしにくい、強い構造となる。
のような効果が生じる。 (1)タイヤを平面かつ層状に配置した簡単なタイヤ緩
衝構造体により、土石流による衝撃エネルギーを効率的
に吸収することができ、砂防ダムの損壊を効果的に防止
することができる。
不法投棄等、その処理のあり方が社会問題となっている
が、本発明のように廃タイヤを利用すれば、資源の有効
活用に貢献でき、自然環境の保全に役立つ。そして、タ
イヤ自体は、砂利等のコンクリート関連資材に比べ、比
較的容易に運搬できるので、急峻な山間の地形でも容易
に搬入することができ、しかも重機械や特殊な工具など
利用することなく、専門技術者や熟練工を必要とするこ
となく、組立が簡便であり、その経済的効果は極めて大
きい。
流側から見た正面図を示す。
から見た正面図を示す。
から見た正面図を示す。
り、(a)はタイヤ柱の配列状態を示す平面図であり、
(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)及び
(d)はタイヤの緩衝作用を示す図であり、(e)はタ
イヤ緩衝構造体の変形例を示す図であり、(f)はタイ
ヤ柱を前後整列して配列した例を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ダムの堤体の上流側の面に配置され、
土石流による衝撃を緩衝するタイヤ緩衝構造体であっ
て、 上記タイヤ緩衝構造体は、タイヤ柱が複数本、川幅方向
に平面配置され、かつ上記タイヤ柱の平面配置されたも
のが川の流れの方向に一又は二以上の層に配置されてな
り、 上記タイヤ柱は、積み重ねられた複数のタイヤと、該複
数の積み重ねられたタイヤのホイール孔を通して該ホイ
ール孔の内面に当接するように挿入され、上記タイヤ内
を半密閉状態にする芯柱とからなり、 土石流が上記タイヤに衝突した際の衝撃力が、該タイヤ
自体の弾性力と、該タイヤ内の空気が該タイヤと上記ホ
イール孔の細隙から流出する際に生じる衝撃力を減衰さ
せる緩衝作用により、吸収、緩和されて、上記堤体の保
護をすることを特徴とするダムにおけるタイヤ緩衝構造
体。 - 【請求項2】 上記芯柱は、積み重ねられたタイヤの
ホイール孔にラス型枠を挿入し、該ラス型枠内にコンク
リートを充填することにより形成されたものであること
を特徴とする請求項1記載のダムにおけるタイヤ緩衝構
造体。 - 【請求項3】 上記コンクリートにより形成された芯
柱は、隣接する芯柱と連結トラス鉄筋により互いに連結
されており、上記衝撃力を隣接するより広い範囲の複数
のタイヤ柱により吸収できる構成としたことを特徴とす
る請求項2記載のダムにおけるタイヤ緩衝構造体。 - 【請求項4】 上記芯柱は、積み重ねられたタイヤの
ホイール孔にプラスチック筒体を挿入し、該プラスチッ
クラス筒体内に土砂を充填することにより形成されたも
のであることを特徴とする請求項1記載のダムにおける
タイヤ緩衝構造体。 - 【請求項5】 上記タイヤ緩衝構造体は、上記タイヤ
柱の平面配置されたものが、川の流れの方向に二以上の
配置された層は、互いにタイヤ柱が千鳥状になるように
密詰めされるか、あるいは互いにタイヤ柱が前後方向に
整列するように隙間詰めされることを特徴とする請求項
1、2、3又は4記載のダムにおけるタイヤ緩衝構造
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17645998A JP2923501B1 (ja) | 1998-06-23 | 1998-06-23 | ダムにおけるタイヤ緩衝構造体 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2923501B1 true JP2923501B1 (ja) | 1999-07-26 |
JP2000008352A JP2000008352A (ja) | 2000-01-11 |
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JP17645998A Expired - Fee Related JP2923501B1 (ja) | 1998-06-23 | 1998-06-23 | ダムにおけるタイヤ緩衝構造体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109487752A (zh) * | 2018-12-19 | 2019-03-19 | 新疆维吾尔自治区交通规划勘察设计研究院 | 用于公路路基水毁防护的矶头坝结构 |
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BR112020017155A2 (pt) * | 2018-02-26 | 2020-12-22 | Sunny Rich Agric. & Biotech Co., Ltd. | Dispositivo de estágio de equipamento para geração de energia solar do tipo flutuante |
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1998
- 1998-06-23 JP JP17645998A patent/JP2923501B1/ja not_active Expired - Fee Related
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