JP3075999B2 - 円形柱状躯体を有する橋脚の補強方法 - Google Patents

円形柱状躯体を有する橋脚の補強方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に構築された
橋脚などの円形断面柱状部に作用する水流に起因する構
造物の破損の補強や防止を目的とする円形柱状躯体を有
する橋脚の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川の流水域に建設される橋梁の橋脚に
ついては、流水を阻害しないように河川管理者の規制が
あり、可能な限り小断面に設計され建設されてきた。近
年、耐震性の向上などの目的で全面的な見直しがされ、
本出願人は、特願平7−226596号で円柱状構造物
の周囲にプレキャストコンクリートパネルを添設して補
強する方法を提案し、数件の補強に採用され実施に移し
ているが、耐震性の向上という目的以前に、特に川相の
厳しい急流域に建設されたT形橋脚の柱状部の一部に流
石又は転石が衝突して柱状部躯体の表面が破壊され、構
造鉄筋が露出したり、水流による基礎部の洗堀が進み構
造的に不安になっているものが散見される。
【0003】躯体表面の破壊の一例を図10〜図12に
示した、図10は側面図、図11は図10の横断面図、
図12は正面図である。図10において、水流6は図の
向かって左から駆体1の表面に当たり、転石や流石5が
衝突し表面に欠損個所7が生じており、図12に示すよ
うに、構造筋の縦横鉄筋が露出している。露出した鉄筋
の発錆、破断や断面の減少などは構造的に重大な影響を
及ぼし、緊急に対応すべき問題である。しかし単に躯体
1の表面に被覆補修を施す程度では、同じことの繰り返
しとなる恐れが大きく、恒久的な対策を施す必要が望ま
れている。
【0004】また橋脚の洗堀は、図13に模式的に示す
ように、水流6が構造物(躯体1)に当たり渦流8が発
生し、それが水底下にまで及び砂礫が運動し、砂礫が水
底を攪乱することにあり、この原因は構造物の流れの方
向の表面の形状によるところが大きいとされている。一
般に円形断面ではこの影響が大きく、水流だけを考慮す
れば、いわゆる流線形断面形成することが望ましいが、
構造上や美観などの観点から従来採用されることは少な
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】転石や流石が衝突して
円形断面の橋脚等の表面が破壊するのを予防し、または
既に小規模な欠陥が発生した破壊の進行の停止、更には
構造鉄筋の露出や断面欠損が構造上看過できないまでに
進行したものの補強、加えて、洗堀を低減する円柱柱状
体の断面形状の改善を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水中に構築し
た橋脚の円形柱状部に、円周方向に複数分割したプレキ
ャストコンクリート製の曲面パネルを添設囲繞し、柱状
部を補強する方法において、柱状部断面の水流の上流側
に、前記曲面パネルより曲率半径の小さい膨出部を有す
る断面形状の異形パネルを添設することを特徴とする円
形柱状躯体を有する橋脚の補強方法である。
【0007】加えて水流の下流側にも上流側と同様な異
形パネルを添設してもよい。異形パネルは曲面パネルと
一体に形成してもよいし、別体で形成したものをボルト
などの取り付け手段で一体化してもよい。また、異形パ
ネルは内部が密実であってもよいし、内部に空洞を形成
したものでもよい。この空洞は半月状の上下貫通孔が形
成されるようなものであってもよい。さらにこの空洞例
えば半月状上下貫通孔内には、砂、砂利などを充填して
おくと衝撃を吸収する効果があり、さらにこれと併せて
破壊時の確認ができるという利点がある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら説明す
る。図1〜3は、水中に構築されたコンクリート製の直
径2.5mの円形柱状躯体1を持つ橋脚の、水流方向上
下流面に半円形断面の突起を有するプレキャストコンク
リート曲面パネルを配し、補強した例である。
【0009】図1は橋脚の断面図、図2は川の上流側か
ら見た橋脚部の側面図、図3は流れ方向に沿って切断し
た縦断面図である。橋脚柱状部1にプレキャストコンク
リート曲面パネルからなる補強構造10を施してある。
水底には転石5が散在している。図1には橋脚柱状部1
を囲繞して周方向に4分割したパネル10が添着されて
いる。橋脚の水流6方向上下流部分には半円形断面の突
起(膨出部)21を有するパネルを配し、目地にモルタ
ルを充填して図示省略した円周方向PCケーブルで緊縛
してある。更に、半円形断面の突起21は空洞部(貫通
孔)を形成してある。空洞部は図1に示すように半月状
に上下方向に貫通する空洞が形成されており、その空洞
中には砂利22が充填されている。空洞部の断面形状は
問わないが、肉厚を厚くしようとすると必然的に半月状
となる。
【0010】図4〜6は、半月状上下貫通孔の持つ効用
の一例の説明図で、半円形断面の突起21内に半月状貫
通孔を設け、この貫通孔内部に、砂利22を充填してお
くことによって第一義的には緩衝材として作用し、図5
のように、柱状体本体の身代わりに流石・転石による衝
突による損傷を受容する。更に損傷が進行し、表面から
の欠損が内部に達すると、図6に示すように、内部に充
填されていた砂利22が漏出し、半月状上下貫通孔内の
砂利の天端が下がり、破壊を水面上から確認することが
でき、早めに対策をとるための指標とすることができ
る。この段階でも本体構造に影響は及ぼさない。
【0011】図7は半円形断面の突起付き曲面パネルの
変形例で、図7は突起21と曲面パネル10を一体に形
成し、かつ半月状の上下貫通孔24を設けた形状であ
り、図8は突起21と曲面パネル10を一体成形した曲
面パネルである。図9は曲率半径の小さい別体の突起2
3をボルト25などで接合したもので、更に図示省略し
たが、空洞のない密実な別体形状のものと一体化したも
のでもよい。
【0012】この半円形断面の突起21を有する曲面パ
ネル10は、場合によっては橋脚柱状部の水流6の上流
側だけに配し、下流側は突起のない曲面パネルとしても
よい。また、前後両方に配する場合も、図7〜9に例示
したように、変化する形状を適宜組み合わせ、必ずしも
前後同一としなくともよい。ここでいう半円形断面と
は、厳密な「円」を表す訳ではなく、楕円や放物線など
の曲線であってもよい。本発明は、補強構造物の添設に
よって柱状部に衝突する流石や転石などの石塊による躯
体表面の破損や欠落から防護することと、併せて、柱状
部の断面形状を改善することにより水流をなめらかに
し、渦流の巻き込みによる小石の運動などによる水底の
攪乱洗堀を防止することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の補強方法によれば、特に急流域
の河川中に構築された円形の柱状体を有する橋脚の転石
などによる躯体表面の破損の防護が効率よく達成され、
併せて柱状部断面の改善によって水流をスムースにし、
渦流による橋脚基礎部に及ぶ洗掘を防止することが可能
となった。このことにより、耐震性向上以前の橋梁の不
安定要因をなくし社会的資本の維持に貢献する効果は大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の柱状体の横断面図である。
【図2】実施例の柱状体の側面図である。
【図3】実施例の柱状体の縦断面図である。
【図4】実施例の柱状体の横断面図である。
【図5】実施例の柱状体の縦断面図である。
【図6】破損した柱状体の縦断面図である。
【図7】実施例の柱状体の横断面図である。
【図8】実施例の柱状体の横断面図である。
【図9】実施例の柱状体の横断面図である。
【図10】柱状体の破損の説明図である。
【図11】柱状体の破損の説明図である。
【図12】柱状体の破損の説明図である。
【図13】洗掘の説明図である。
【符号の説明】
1 橋脚柱状部(円形柱状駆体) 5 転石、流石 6 水流 7 破損部 8 渦流 10 曲面パネル(補強構造) 21 突起(膨出部) 22 砂利 23 別体の突起 24 貫通孔(空洞部) 25 ボルト

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に構築した橋脚の円形柱状部に、円
    周方向に複数分割したプレキャストコンクリート製の曲
    面パネルを添設囲繞し、柱状部を補強する方法におい
    て、柱状部断面の水流の上流側に、前記曲面パネルより
    曲率半径の小さい膨出部を有する断面形状の異形パネル
    を添設することを特徴とする円形柱状躯体を有する橋脚
    の補強方法。
  2. 【請求項2】 前記異形パネルを水流の下流側にも添設
    することを特徴とする請求項1記載の円形柱状躯体を有
    する橋脚の補強方法。
  3. 【請求項3】 前記異形パネルは前記曲面パネルと一体
    に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の
    円形柱状躯体を有する橋脚の補強方法。
  4. 【請求項4】 前記異形パネルは前記曲面パネルと別体
    で形成したものを取り付け手段で一体化することを特徴
    とする請求項1記載の円形柱状躯体を有する橋脚の補強
    方法。
  5. 【請求項5】 前記異形パネルは内部が密実であること
    を特徴とする請求項1記載の円形柱状躯体を有する橋脚
    の補強方法。
  6. 【請求項6】 前記異形パネルは内部に空洞を形成した
    ものであることを特徴とする請求項1記載の円形柱状躯
    体を有する橋脚の補強方法。
  7. 【請求項7】 前記空洞内に、砂利を充填したことを特
    徴とする請求項6記載の円形柱状躯体を有する橋脚の補
    強方法。
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