JP2921100B2 - 湿し水不要平版印刷用原版 - Google Patents

湿し水不要平版印刷用原版

Info

Publication number
JP2921100B2
JP2921100B2 JP2301391A JP30139190A JP2921100B2 JP 2921100 B2 JP2921100 B2 JP 2921100B2 JP 2301391 A JP2301391 A JP 2301391A JP 30139190 A JP30139190 A JP 30139190A JP 2921100 B2 JP2921100 B2 JP 2921100B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
photosensitive layer
lithographic printing
silicone rubber
printing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2301391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04172455A (ja
Inventor
一貴 田村
与一 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP2301391A priority Critical patent/JP2921100B2/ja
Publication of JPH04172455A publication Critical patent/JPH04172455A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2921100B2 publication Critical patent/JP2921100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は湿し水不要平版印刷用原版に関するものであ
り、さらに詳しくは、基板上にインキを反発しうるシリ
コーンゴム層とインキを受容しうる感光層とを、この順
に設けてなる湿し水不要平版印刷用原版に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来から、シリコーンゴム層をインキ反発層とする湿
し水不要平版印刷用原版が知られている。特公昭44-230
42、特公昭46-16044、特公昭54-26923、特公昭61-5422
2、特公昭55-22781などには、基板上に感光層、シリコ
ーンゴム層を、この順に設けた湿し水不要平版印刷用原
版が開示されている。これらの平版印刷用原版において
は、露光後、現像により、未露光部(画線部)のシリコ
ーンゴム層を除去し、下層のインキ受容性の感光層を露
出させて刷版を作製するものである。この場合、シリコ
ーンゴムには感光性がなく、現像工程で画線部のシリコ
ーンゴムを物理的な力で除去する必要があった。したが
って、現像工程が複雑で時間がかかるという欠点を有し
ていた。
また、特公昭60-42467、特公昭61-613、特公昭55-473
83、特開昭61-193155、特開平1-173027などには、実質
的に、基板上にシリコーンゴム層、感光層をこの順に設
けた構成の湿し水不要平版印刷用原版が示されている。
これらの平版印刷用原版は、シリコーンゴム上に設けら
れたインキ受容性の感光層を、露光後、溶解除去するの
みで現像でき、現像が非常に容易である。しかしなが
ら、表面自由エネルギーの非常に小さなシリコーンゴム
の表面に、感光層を設けているため、シリコーンゴム層
と感光層との接着が非常に悪く、十分な耐刷性が得られ
ないという欠点を有していた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたも
ので、その目的は、現像が容易で、シリコーンゴム層と
感光層との接着力が強く、耐刷性が向上した湿し水不要
平版印刷用原版を提供することにある。
[課題を解決するための手段] かかる本発明の目的は、基板上にシリコーンゴム層お
よび感光層をこの順に設けてなる湿し水不要平版印刷用
原版において、該感光層が、ホウ素原子を側鎖に有する
重合体を成分として含んでいることを特徴とする湿し水
不要平版印刷用原版によって達成される。
本発明において使用されるシリコーンゴム層として
は、公知のインキ反発性を有するシリコーンゴムが使用
できる。通常、一般式(I)で示される分子量数千〜数
十万の線状ポリシロキサンを架橋によりゴム化したもの
が使用される。
ここで、nは1以上の整数、R1,R2は水素原子、ビニ
ル基、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、アミ
ノアルキル基、メルカプトアルキル基、ハロアルキル
基、ヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のカルボキシ
アルキル基、シアノアルキル基、炭素数6〜20の置換さ
れていてもよいアリール基、または、アラルキル基であ
り、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていても
よい。
架橋の方法としては、ポリシロキサンのアルキル基を
過酸化物を用いて架橋する方法、シラノール末端ポリシ
ロキサンを加水分解可能な基(アセトキシ基、アルコキ
シ基、ケトオキシム基など)を有する多官能シラン化合
物で架橋する方法、ビニルシリル基へのヒドロシリル基
の付加反応を利用する方法などが一般的である。
本発明の感光層には、ホウ素原子を側鎖に含有する重
合体が成分として含まれることが重要である。
本発明の感光層に用いられるホウ素原子を側鎖に含有
する重合体は、感光層に含まれる感光基の感光波長の光
を十分透過させることができるようなものであればどの
ようなものでもよく、主鎖の構造としては、種々の構造
のものを用いることができる。主鎖の構造の例として
は、エチレン性不飽和化合物の重合体、ポリウレタン、
ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。
本発明の感光層に含まれる重合体におけるホウ素原子
を有する側鎖は、ホウ素原子を有するものであればどの
ようなものでもよく、通常、次の一般式(II)または
(III)で表わすことができる。
ここで、Aは側鎖と主鎖をつなぐ基で、炭素数1〜15
の2価の有機基、R3、R4は炭素数1〜20のアルキル基、
アルコキシ基、炭素数2〜20のアルカノイルオキシ基、
炭素数6〜25のアリール基、アリーロキシ基、アラルキ
ル基を表わす。
ここで、Aは側鎖と主鎖をつなぐ基で、炭素数1〜15
の2価の有機基、R5は炭素数2〜20の2価のアルキレン
基である。
ホウ素を側鎖に含有する重合体の具体例としては、次
のようなものが挙げられる。
ここで、いずれもn、mは1以上の整数を表わす。
ホウ素を側鎖に含有する重合体中のホウ素の含有量
は、重合体中に含まれる全単量体単位に対するホウ素を
含有する単量体単位の割合として、0.5〜90mol%が好ま
しく、さらに好ましくは1〜50mol%である。
本発明に用いられる感光層の感光性は、感光性成分と
して光硬化性成分を感光層に導入することにより得られ
る。感光性成分はホウ素原子を側鎖に含有する重合体に
側鎖などの形で導入されてもよいし、感光層中の組成と
して単に混合されてもよい。感光性成分としては、公知
のものを用いることができ、ホウ素原子を側鎖に含有す
る重合体に導入する場合には、導入できる官能基とし
て、例えば、次のような官能基およびその硬化剤の組合
わせが挙げられる。
(1)不飽和結合を有する基と光増感剤 不飽和結合を有する基としては(メタ)アクリロイル
基(以下、(メタ)□□□は□□□またはメタ□□□を
表わすものとする)およびその誘導体、ビニル基および
その誘導体、などが挙げられる。光増感剤としては、ベ
ンゾフェノン誘導体、ベンゾイン誘導体、アントラキノ
ン誘導体、アルデヒド、ケトン、イオウ化合物、ハロゲ
ン化合物、または、メチレンブルー、リボフラビンなど
の染料が使用できる。
(2)不飽和結合を有する基と二官能以上のチオール化
合物および光ラジカル発生剤 不飽和結合を有する基としては(メタ)アクリロイル
基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。二官能以上
のチオール化合物としては、脂肪族ジチオール、芳香族
ジチオール、多官能アルコールとメルカプトカルボン酸
のエステル、多官能アミンとメルカプトカルボン酸のア
ミド、多官能カルボン酸とメルカプトアルコールのエス
テル、メルカプトアルキル基を側鎖に含有するポリシロ
キサンなどが用いられる。光ラジカル発生剤としては、
公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができ、過酸
化−t−ブチル、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゾイ
ン誘導体などが使用できる。
(3)メルカプト基を有する基と二官能以上の不飽和化
合物および光ラジカル発生剤 メルカプト基を有する基としては、メルカプト基、メ
ルカプトアルキル基およびその誘導体、チオフェニル基
およびその誘導体などが用いられる。二官能以上の不飽
和化合物は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイ
ル基などを二個以上含む化合物であり、(メタ)アクリ
ル酸と多価アルコール、多価アミンとの縮合物、(メ
タ)アクリル酸と多官能エポキシ化合物との付加物、グ
リシジル(メタ)アクリレートと多価アルコール、多価
アミン、多価カルボン酸との付加物、アリルアルコール
と多価カルボン酸との縮合物、アリルアルコールと多官
能エポキシ化合物との付加物、アリルハライドと多価ア
ルコールとの縮合物、ビニル基を側鎖に含有するポリシ
ロキサンなどが用いられる。光ラジカル発生剤は前項
(2)で上げたものを用いることができる。
(4)エポキシ基を有する基と光によりルイス酸を発生
させる化合物 エポキシ基を有する基としては、エポキシ基、グリシ
ジル基およびその誘導体が上げられ、末端にエポキシ基
が結合したポリアルキレン鎖やポリシロキサン鎖なども
含まれる。光によりルイス酸を発生させる化合物として
は、ジアゾニウム、ヨードニウム、スルフォニウムなど
の四フッ化ホウ素塩、六フッ化リン塩、六フッ化アンチ
モン塩などが用いられる。
(5)シンナモイル基と光増感剤 光増感剤としては、アントラキノン誘導体、アセナフ
テン誘導体、ナフタリン誘導体、アントラセン誘導体、
フルオレノン誘導体などが用いられる。
(6)アジド基と光増感剤 光増感剤としては、ピリリウム塩、チアピリリウム塩
などが用いられる。
また、感光層中に単に混合される場合の感光性成分と
しては、次のようなものが用いられるがこれらに限定さ
れるものではない。
(1)不飽和単量体あるいはそれらのオリゴマと光増感
剤。
不飽和単量体としては(メタ)アクリル酸およびその
エステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、
マレイン酸類およびそのエステル類などが挙げられる。
光増感剤としては、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン
誘導体、アントラキノン誘導体、アルデヒド、ケトン、
イオウ化合物、ハロゲン化合物、または、メチレンブル
ー、リボフラビンなどの染料が使用できる。
(2)二官能以上の不飽和化合物と二官能以上のチオー
ル化合物 二官能以上のチオール化合物としては、脂肪族ジチオ
ール、芳香族ジチオール、多官能アルコールとメルカプ
トカルボン酸とのエステル、多官能アミンとメルカプト
カルボン酸とのアミド、多官能カルボン酸とメルカプト
アルコールとのエステル、メルカプトアルキル基を側鎖
に含有するポリシロキサン、チオールを側鎖に含有する
重合体などを用ることができる。二官能以上の不飽和化
合物は、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基
などを二個以上含む化合物であり、(メタ)アクリル酸
と多価アルコール、多価アミンとの縮合物、(メタ)ア
クリル酸と多官能エポキシ化合物との付加物、グリシジ
ル(メタ)アクリレートと多価アルコール、多価アミ
ン、多価カルボン酸との付加物、アリルアルコールと多
価カルボン酸との縮合物、アリルアルコールと多官能エ
ポキシ化合物との付加物、アリルハライドと多価アルコ
ールとの縮合物、ビニル基を側鎖に含有するポリシロキ
サン、ビニル基を側鎖に含有する重合体などが用いられ
る。
(3)少なくとも二官能以上のエポキシ化合物と光によ
りルイス酸を発生させる化合物 二官能以上のエポキシ化合物として、N,N−ジグリシ
ジルアミノ基を含有する芳香族あるいは脂肪族化合物、
グリシジル(メタ)アクリレートの重合体、あるいはグ
リシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和化合
物との共重合体(オリゴマーを含む)、側鎖にエポキシ
基を含有するポリシロキサンなどを用いることができ
る。光によりルイス酸を発生させる化合物としては、ジ
アゾニウム、ヨードニウム、スルフォニウムなどの四フ
ッ化ホウ素塩、六フッ化リン塩、六フッ化アンチモン塩
などが用いられる。
(4)光二量化型の感光性樹脂と増感剤 光二量化型の感光性樹脂としては、桂皮酸ビニルの重
合体、あるいは桂皮酸ビニルとエチレン性不飽和化合物
との共重合体などを用いることができ、光増感剤として
は、アントラキノン誘導体、アセナフテン誘導体、ナフ
タリン誘導体、アントラセン誘導体、フルオレノン誘導
体などが用いられる。
(5)有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂 有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂としては、p−ジアゾジフ
ェニルアミン、またはp−ジアゾジフェニルアミンの誘
導体(例えば、3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルア
ミン、4−メトキシ−4′−ジアゾジフェニルアミンな
ど)とホルムアルデヒド、またはアセトアルデヒドとの
縮合物と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホ
ウ酸塩との反応生成物、あるいは、前記縮合物と、フォ
スフィン酸、またはその塩;スルフォン酸、またはその
塩;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸、ま
たはその塩などのヒドロキシル基含有化合物との反応生
成物などが挙げられる。
(6)アジド化合物と環化ゴム、あるいはポリビニルア
ルコールのアジドフタル酸エステル、アジド安息香酸エ
ステル、あるいはスチレン−無水マレイン酸共重合体と
芳香族アジド系アルコールなど。
(7)芳香族ビスアジド化合物、例えば4,4′−ジアジ
ドビフェニルなどと環化ゴム、および増感剤として、1
−ニトロピレンなど。
本発明の感光層は感光性成分を感光層総量に対して0.
1〜99.5重量%の範囲で使用するのが好ましく、より好
ましくは1〜90重量%である。
本発明の平版印刷用原版に用いられる基板としては、
平版印刷用原版に形態保持性を与え、印刷に耐え得るも
のであればどのようなものでもよく、高分子フィルム、
金属板、紙、あるいはこれらの複合材料などが用いられ
る。
本発明の平版印刷用原版の感光層の厚さは、0.1〜10
μmが好ましく、より好ましくは、0.3〜5μmであ
る。また、インキ反発層の厚さは、0.5〜100μm、より
好ましくは、1〜50μmである。
[実施例] 以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されない。
実施例1 ブチルエチレンボレート72g、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート65g、乾燥トルエン480mlの混合物を110
℃に加熱し、ブタノールとトルエンの共沸混合物を留去
した。残留物にヒドロキノン0.2を加え、減圧蒸留を行
なって、エチレンボラートエチルメタクリレートを得
た。
エチレンボラートエチルメタクリレート20g、メチル
メタクリレート65gをトルエン300gに溶解し、アゾビス
イソブチロニトリルを用いて重合して、側鎖にホウ素原
子を持つ重合体1を得た。
厚さ0.24mmの砂目立てアルミ板上に、次の組成の室温
硬化型シリコーンガム組成物をバーコーターを用いて塗
布し、100℃で2分、加熱硬化して、シリコーンゴム層
を設けた。
両末端シラノールポリシロキサンPS347.5(チッソ
(株)製) 100重量部 エチルトリアセトキシシラン 12重量部 トルエン 325重量部 得られたシリコーンゴム層の厚さは、5.0μmであっ
た。このシリコーンゴム層上に、つぎの組成の光硬化性
組成物の溶液をバーコーターで塗布し、60℃で2分間乾
燥して、感光層を設けた。
重合体1 70重量部 “アロニックス"M-310(東亜合成化学工業(株)製;光
重合性モノマー) 30重量部 “フロラード"FC-431(3M社製) 5重量部 “イルガキュア"651(チバガイギー製) 5重量部 メチルイソブチルケトン 400重量部 この感光層は、1.5μmの厚さで、シリコーンゴム層
上に問題なく塗布でき、容易に湿し水不要平版印刷用原
版を得ることができた。
得られた湿し水不要平版印刷用原版について、セロテ
ープの粘着性を利用した剥離試験によって、感光層とシ
リコーン層の接着力を評価した。その結果、感光層とシ
リコーン層の接着は強力で、セロテープによって、感光
層が剥離されることはなかった。この湿し水不要平版印
刷用原版にネガフィルムを真空密着し、高圧水銀灯で露
光を行なった後、アセトンで現像を行なった。露光部の
感光層はトルエン不溶となり、シリコーンゴム層と強固
に接着していた。未露光部の感光層は、物理的な力を必
要とせずに溶解除去され、容易に現像できることがわか
った。この現像によってネガフィルムの画像に忠実な印
刷版を得ることができた。この印刷版をハマダスターオ
フセット印刷機に取付け、湿し水を用いずにオフセット
印刷を行なったところ、ネガフィルムの画像を忠実に再
現した印刷物が得られ、6000枚以上の印刷が可能である
ことがわかった。
比較例1 重合体1の代りに、側鎖にホウ素原子を持たない重合
体であるポリメチルメタクリレートを用いた以外は、実
施例1とまったく同様の方法で湿し水不要平版印刷用原
版を得た。
得られた湿し水不要平版印刷用原版について、セロテ
ープの粘着性を利用した剥離試験によって、感光層とシ
リコーン層の接着力を評価した。その結果、感光層とシ
リコーン層の接着は弱く、セロテープによって、感光層
が容易に剥離された。この湿し水不要平版印刷用原版に
ネガフィルムを真空密着し、高圧水銀灯で露光を行なっ
た後、アセトンで現像を行なった。露光部の感光層はト
ルエン不溶となり、未露光部の感光層は、物理的な力を
必要とせずに溶解除去され、現像できることがわかっ
た。この現像によってネガフィルムの画像を再現した印
刷版を得ることができたが、露光、現像操作中に感光層
が一部脱落し、版面に傷が入った。この印刷版をハマダ
スターオフセット印刷機に取付け、湿し水を用いずにオ
フセット印刷を行なったところ、ネガフィルムの画像を
再現した印刷物が得られたが、前述の版面の傷が印刷物
に現われた。また、200枚程度の印刷で、感光層がさら
に脱落しはじめ、正常な印刷が行なえなくなった。
実施例2 2,3−ブチレンヒドロゲンボレート58g、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート65g、ベンゼン200mlの混合物を
還留し、ディーン・スターク管を用いて生成する水を除
去しながら反応を行ない、2,3−ブチレンボラートエチ
ルメタクリレートを得た。
2,3−ブチレンボラートエチルメタクリレート20g、メ
チルメタクリレート89gをトルエン300gに溶解し、アゾ
ビスイソブチロニトリルを用いて重合して、側鎖にホウ
素原子を持つ重合体2を得た。
厚さ0.24mmの砂目立てアルミ板上に、次の組成の室温
硬化型シリコーンガム組成物をバーコーターを用いて塗
布し、100℃で2分、加熱硬化して、シリコーンゴム層
を設けた。
両末端シラノールポリシロキサンPS347.5(チッソ
(株)製) 100重量部 エチルトリアセトキシシラン 12重量部 トルエン 325重量部 得られたシリコーンゴム層の厚さは、5.0μmであっ
た。このシリコーンゴム層上に、つぎの組成の光硬化性
組成物の溶液をバーコーターで塗布し、60℃で2分間乾
燥して、感光層を設けた。
重合体2 70重量部 “アロニックス"M-310(東亜合成化学工業(株)製;光
重合性モノマー) 30重量部 “フロラード"FC-431(3M社製) 5重量部 “イルガキュア"651(チバガイギー製) 5重量部 メチルイソブチルケトン 400重量部 この感光層は、1.0μmの厚さで、シリコーンゴム層
上に問題なく塗布でき、容易に湿し水不要平版印刷用原
版を得ることができた。
得られた湿し水不要平版印刷用原版について、セロテ
ープの粘着性を利用した剥離試験によって、感光層とシ
リコーン層の接着力を評価した。その結果、感光層とシ
リコーン層の接着は強力で、セロテープによって、感光
層が剥離されることはなかった。この湿し水不要平版印
刷用原版にネガフィルムを真空密着し、高圧水銀灯で露
光を行なった後、アセトンで現像を行なった。露光部の
感光層はトルエン不溶となり、シリコーンゴム層と強固
に接着していた。未露光部の感光層は、物理的な力を必
要とせずに溶解除去され、容易に現像できることがわか
った。この現像によってネガフィルムの画像に忠実な印
刷版を得ることができた。この印刷版をハマダスターオ
フセット印刷機に取付け、湿し水を用いずにオフセット
印刷を行なったところ、ネガフィルムの画像を忠実に再
現した印刷物が得られ、6000枚以上の印刷が可能である
ことがわかった。
実施例3 両末端シラノールポリジメチルシロキサン(PS340:チ
ッソ(株)製)120g、3−メタクリロキシプロピルジメ
チルクロロシラン36gをトリエチルアミン存在で、乾燥
窒素下、トルエン中で反応させ、シラノール基を含有す
るメタクリレートモノマを得た。さらに、このモノマ75
gとビニルジメチルクロロシラン4.0gとをトリエチルア
ミン存在下で、乾燥窒素下、トルエン中で反応させ、ビ
ニル基を含有したメタクリレートモノマ1を得た。
25gのメチルメタクリレート、5.7gの2,3−ブチレンボ
ラートエチルメタクリレート、20gのモノマ1を、300g
のトルエンに溶解し、アゾビスイソブチロニトリルを用
いて共重合して、重合体3を得た。また、ヘキサメチル
シクロトリシロキサン100g、トリス(3−メルカプトプ
ロピル)トリメチルシクロトリシロキサン1.8g、両末端
シラノールポリシロキサンオリゴマー1.0gをアルカリ触
媒を用いて重合し、側鎖にメルカプト基を含有するポリ
シロキサン1を得た。
厚さ0.24mmの砂目立てアルミ板上に、室温硬化型の次
の組成のシリコーンガム組成物をバーコーターを用いて
塗布し、100℃で2分間、加熱硬化して、シリコーンゴ
ム層を設けた。
ポリシロキサン1 100重量部 ビニルトリアセトキシシラン 12重量部 トルエン 325重量部 得られたシリコーンゴム層の厚さは5μmであった。
このシリコーンゴム層上に、つぎの組成の感光層溶液を
バーコーターで塗布した。これを60℃で2分間乾燥し、
感光層を設け、湿し水不要平版印刷用原版を得た。
重合体3 100重量部 ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)
(多官能メルカプト化合物;淀化学(株)製)10重量部 “フロラード"FC-431(3M社製) 5重量部 “イルガキュア"651(チバガイギー製) 5重量部 トルエン 400重量部 得られた感光層の厚さは1.0μmであった。
得られた湿し水不要平版印刷用原版について、セロテ
ープの粘着性を利用した剥離試験によって、感光層とシ
リコーン層の接着力を評価した。その結果、感光層とシ
リコーン層の接着は強力で、セロテープによって、感光
層が剥離されることはなかった。この湿し水不要平版印
刷用原版にネガフィルムを真空密着し、高圧水銀灯で露
光を行なった後、アセトンで現像を行なった。露光部の
感光層はトルエン不溶となり、シリコーンゴム層と強固
に接着していた。未露光部の感光層は、物理的な力を必
要とせずに溶解除去され、容易に現像できることがわか
った。この現像によってネガフィルムの画像に忠実な印
刷版を得ることができた。この印刷版をハマダスターオ
フセット印刷機に取付け、湿し水を用いずにオフセット
印刷を行なったところ、ネガフィルムの画像を忠実に再
現した印刷物が得られ、10000枚以上の印刷が可能であ
ることがわかった。
[発明の効果] 本発明は上述のごとく構成したので、現像が容易で、
シリコーンゴム層と感光層との接着力が強く、耐刷性が
向上した湿し水不要平版印刷用原版を得ることができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/004,7/032,7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にシリコーンゴム層および感光層を
    この順に設けてなる湿し水不要平版印刷用原版におい
    て、該感光層が、ホウ素原子を側鎖に有する重合体を成
    分として含んでいることを特徴とする湿し水不要平版印
    刷用原版。
JP2301391A 1990-11-06 1990-11-06 湿し水不要平版印刷用原版 Expired - Lifetime JP2921100B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2301391A JP2921100B2 (ja) 1990-11-06 1990-11-06 湿し水不要平版印刷用原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2301391A JP2921100B2 (ja) 1990-11-06 1990-11-06 湿し水不要平版印刷用原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04172455A JPH04172455A (ja) 1992-06-19
JP2921100B2 true JP2921100B2 (ja) 1999-07-19

Family

ID=17896308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2301391A Expired - Lifetime JP2921100B2 (ja) 1990-11-06 1990-11-06 湿し水不要平版印刷用原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2921100B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0769724B1 (en) * 1995-10-11 2000-07-12 Agfa-Gevaert N.V. On the press development of a diazo based printing plate

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04172455A (ja) 1992-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000206698A (ja) 乾式オフセット印刷板製造用の放射線感応性記録材料
JP2648805B2 (ja) 液体適用型の水性処理可能なホトレジスト組成物
US3905820A (en) Light sensitive copolymers, a process for their manufacture and copying compositions containing them
US5317080A (en) Polyether acrylamide and active energy ray curable resin composition
US4254209A (en) Dry planographic plate with light sensitive silicone composition
US4035189A (en) Image forming curable resin compositions
GB2035588A (en) Dry planographic printing plate
JP2921100B2 (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
JPH04172456A (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
US3770443A (en) Photosensitive composition comprising a photosensitive polymer
JP2746617B2 (ja) 水なしオフセット印刷用感光性印刷版
JP2002023349A (ja) 感光性樹脂凸版材
JPS62177559A (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版
KR920000033B1 (ko) 중합가능한 조성물
US6114092A (en) Photosensitive resin compositions for photoresist
US4262082A (en) Positive electron beam resists
JPH0331721B2 (ja)
JPH04166942A (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
JPH04104249A (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
JP4065065B2 (ja) フオトレジスト用感光性樹脂組成物
JPH0473762A (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
JPH0416946A (ja) 湿し水不要平版印刷用原版
KR930008133B1 (ko) 감광성 수지 조성물
JPS61177459A (ja) 水なし平版印刷用原板
JPS62194255A (ja) 湿し水不要感光性平版印刷版

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees