JP2920578B2 - 定着具と定着方法 - Google Patents

定着具と定着方法

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JP2920578B2
JP2920578B2 JP15116392A JP15116392A JP2920578B2 JP 2920578 B2 JP2920578 B2 JP 2920578B2 JP 15116392 A JP15116392 A JP 15116392A JP 15116392 A JP15116392 A JP 15116392A JP 2920578 B2 JP2920578 B2 JP 2920578B2
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勝 館山
幸彦 田村
厚生 福田
茂 吉田
上  周史
正樹 岡崎
勉 江部
馬屋原光郎
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Railway Technical Research Institute
Tokyu Construction Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維製ロッドの定着
具とその定着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】棒状物の定着方法は棒状物の引張り強力
をその端末部に伝達するため、その定着具と相まって、
重要な役割を有している。特にプレストレストコンクリ
ート用緊張材として鋼線が一般に用いられている。鋼線
の場合、鋼材と同一の材料を用いることができ、またカ
ーボンファイバーのFRPロッドは引張り弾性率が大き
いため定着具と線材の間に金属性の楔を打ち込んだり、
ケーシングをかしめる(圧縮する)ことによってその圧
迫力で定着したり、またはその線材自身の末端部分を定
着具に加工してしまうなどの方法がとられ、接着剤とし
ての樹脂を用いることも知られている。
【0003】しかし、合成樹脂や合成繊維を用いたFR
Pロッドはロッドを成型するための合成樹脂に依存して
いる。例えば合成樹脂のみのロッドではその引張り強力
が2〜10kgf/mm2 、引張り弾性率は100〜1
000kgf/mm2 と大変低く定着するという意味か
ら強度も低く、弾性も低いため必要性は薄い。一方、合
成繊維を用いたFRPロッドは引張り強度の非常に高い
合成繊維と合成樹脂から構成され、前述した合成樹脂の
強力が非常に低いため、FRPロッドの破断強力に至る
以前に定着具から引き抜けてしまい定着できないという
問題が起こる。そのためケーシング長さを非常に長くし
たり、ケーシングとFRPロッドの接着剤に膨脹性の樹
脂やモルタルを用いたり、接着強力を強めるための添加
剤や熱処理方法などたくさんの提案がなされている。こ
れらは全てFRPロッドと定着具の定着方法は室内でな
されており現場施工への応用も難しく、経済性も劣り一
般性に欠けている。
【0004】合成繊維のFRPロッドを切土した法面
や、盛土等の急勾配傾斜面へ滑り防止としての補強材、
地盤の緩み、滑落接防止のための緊張補強材に使用する
時、地盤または岩盤の掘削孔へこのFRPロッドを挿入
し、且つ地盤、岩盤とFRPロッドの接着剤として樹
脂、樹脂モルタル、セメントモルタル、グラウト材を流
し込み、地盤、岩盤へ固定する。この作業において掘削
孔の深さや削孔角度、および表面露地の状態が千差万別
である。そのためFRPロッドの長さも決めることもで
きず、定着具への定着もできない。さらには緊張力を導
入するに当たっての定着具の位置決めもできないのが現
状である。従って合成繊維FRPロッドのもつ特長であ
る、高い強度、軽く錆ない、そして電気的に絶縁性を有
し、磁界の影響を受けず、且つ耐薬品性、耐候性のある
性質と、一般的鋸で容易に切断が可能で且つ曲げること
もできる加工性を有するこのFRPロッドを容易で簡便
に安全且つ信頼性が高く、経済性に優れ、施工現場で使
える定着具と定着方法の必要性に迫られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現場施工時、定着具を
FRPロッドに定着する場合、従来の工場の定着と異な
り、種々の不都合が生ずる。それは掘削孔の露盤の傾斜
面に対してある角度をもって削孔するためFRPロッド
挿入角度が一定とならず、定着具が水平から垂直の間の
角度になることである。それでも容易に定着するために
は次のことを解決する必要がある。 1)FRPロッドが定着用ケーシングの中心位置に固定
するための芯出しが難しいこと。 2)FRPロッドのケーシングが水平から垂直位置とな
るため接着用樹脂の充填ができない。 3)充填する樹脂中またはFRPロッドに付着する気泡
を除去することができない。 4)定着具内へ接着用樹脂の充填時、樹脂が定着具とF
RPロッドの間から漏れる。 5)定着作業の安全性と定着部の高い信頼性および経済
性があること。
【0006】
【本発明の目的】本発明は、合成繊維FRPロッドに対
して、容易に、安全で、信頼性が高い定着具、及び定着
方法を提供することにある。更に、作業施工現場での定
着作業が容易に行える定着具及び定着方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、合成繊維製
ロッドを定着する定着具において、合成繊維製ロッドが
挿入できるテーパー状内孔を有するケーシングと、該ケ
ーシングの一端の内孔に設けられた突起リングと、該突
起リングの内径D1と該ロッドの直径DRはDR<D1
1.2DRの関係にあり、該突起リングの内径D1、該ケ
ーシングの他端の内径D2と該ケーシングのテーパー部
の長さL3は0<(D2−D1)/(2・L30.4の
関係にあり、該ケーシングの一端の内孔に配置されたオ
ーリングと、該ケーシングの他端に配置される蓋と、該
ケーシングに該ロッドの方向と同一線上に設けられた樹
脂注入孔と脱気孔、または該蓋に設けられた樹脂注入
孔と脱気孔を有することを特徴とする定着具、又は、合
成繊維製ロッドを定着する定着方法において、合成繊維
製ロッドがケーシングに挿入され、該ロッドにオーリン
グが通され、該ケーシング内の一端に突起リングが設け
られ、該ケーシングの他端に蓋が配置され、該ケーシン
グに該ロッドの方向と同一線上に樹脂注入孔と脱気孔
が、または、該蓋に樹脂注入孔と脱気孔が設けられ、該
ロッドの径DRと突起リングD1はDRはDR<D1<1.
2DRの関係にあり、該突起リングの内径D1、該ケーシ
ングの他端の内径D2と該ケーシングのテーパー部の長
さL3は0<(D2−D1)/(2・L30.4の関係
にあり、該樹脂注入孔から樹脂を注入し、該脱気孔から
流出するまで流し込み、放置することにより、該ロッド
が水平角度以上の角度で定着具に定着されることを特徴
とする定着方法にある。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。 <イ>合成繊維 本発明で使用する合成繊維は、例えば、高強力ポリビニ
ルアルコール系繊維、p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸からの全芳香族ポリエステル
繊維、p,p´−ビスフェノールとテレフタール酸及び
p−ヒドロキシ安息香酸からの全芳香族ポリエステル繊
維、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジヒドロキシ化合物又
は芳香族オキシカルボン酸からの全芳香族ポリエステル
繊維、又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジオール、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、及びそれらのエステル形成性化合物を主体とした化
合物からの全芳香族ポリエステル繊維、全芳香族ポリア
ミド繊維、芳香族系ポリエーテルアミド繊維、高強度ポ
リエチレン繊維などから選ばれた合成繊維であり、この
合成繊維の所定の本数を一方向に引き揃えた繊維束を補
強繊維とする。この補強繊維の太さは使用に際する設計
強力また安全係数を加えた強力となるようにする。通常
はロッド状成形体の太さが2〜20mm、好ましくは3
〜15mmになる繊維束の太さである。
【0009】<ロ>樹脂 次に、ロッド状形成体を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂
又は熱硬化性樹脂から選ばれた、合成樹脂で、例えば、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル系樹脂、ビニルアクリレート系樹脂、フェノール樹
脂、メラミン系樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、メタクリル酸エステル
系樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリフェニレンオキサ
イド、ポリカーボネート、ナイロン−66、ナイロン6
などの熱可塑性樹脂から選ばれた合成樹脂である。この
合成樹脂の曲げ弾性率は、樹脂本来の特性で選択する方
法、樹脂に無機質あるいは有機質の充填剤、短繊維など
から選ばれた充填剤を添加する方法、架橋剤などを添加
する方法、弾性率の異なる2種類以上の樹脂を混合する
方法、硬化性樹脂の組成を選択する方法などにより所望
する物性に調整する。合成樹脂の曲げ弾性率が小さいと
クリープ特性が大きくなり、長期間に渡って形態の安定
性を保つことができなくなる。
【0010】<ハ>ロッド状成形体の製造法 ロッド状形成体の製造法は、硬化性樹脂組成物などの液
状物に、所望の太さに引き揃えた繊維束を浸漬し、加熱
帯で熱処理して樹脂を固化・硬化させる。又は熱可塑性
樹脂あるいは熱可塑性樹脂組成物をどのメルターで溶融
し、該合成樹脂溶融物と所望の太さに引き揃えた繊維束
とをダイ部で一体化させ、フォーミングダイを経て引き
取り、冷却するなどの方法でロッド状成形体を得る。ロ
ッド表面部分には削孔地盤と樹脂、樹脂モルタル、セメ
ントモルタル、グラウト材との接着性向上のためと、定
着具とFRPロッドの接着性を向上するために同一繊維
又は他の繊維で綾巻を作り、異形鉄筋のような模様付け
フシやコブ状のものにしたり、砂やガラス粉末、セラミ
ック、金剛砂などの粉末を付着させることもできる。
【0011】<ニ>ロッドの特性 FRPロッドの引張り強度は60〜600kgf/mm
2 がよい。引張り強度が60kgf/mm2 を下回って
は補強材としての利用価値も少なく意味がない。600
kgf/mm2 以上では定着具が巨大なものとなり現場
施工での実用性がない。本定着法による好ましいFRP
ロッドの引張り強度は80〜300kgf/mm2 であ
る。FRPロッドの引張り弾性率は2000〜2000
0kgf/mm2 が好ましい。引張り弾性率は2000
kgf/mm2 を下回っては破断時の伸度が大きく定着
ができない。また20000以上では従来法でよくより
好ましくは3000〜19500kgf/mm2 であ
る。FRPロッドでは単線でもよく、強く太いものを得
ようとすれば単線を複数本束ねたものを用いてもよく定
着具が本発明の範囲ならば定着することが可能である。
【0012】<ホ>定着具 次に定着具を図1に示した。ケーシング(金属性管)の
全長をLとし、入口部オーリング装置深さをL1、突起
リング15の長さL2、テーパー部分長さをL3とした。
また管径はD3を外側径とし、D1はFRPロッドが挿入
可能な突起リング15内径でケーシングとFRPロッド
の中心位を決めるために、DR<D1<1.2DRである
必要がある。 1 >1.2DRであると中心位に配置が難
しくなり、注入樹脂の漏れが多くなり効果がない。即ち
突起リング15の肉厚は(D3−D1)であり、他端の肉
厚は(D3−D2)である。少なくとも、(D3−D2)の
肉厚にてFRPロッドの引張りによって破断しない材
料、厚を選ばねばならない。またL2は少なくも0以上
でよい。管内のテーパー部の勾配は{(D2−D1)/2
・L3}で示される。0<{(D2−D1)/2・L3
である必要があり、0と同じ時は勾配のないストレート
管となり好ましくない。{(D2−D1)/2・L3}≦
0.4である要件は、その勾配が0.4以上となって
は、ケーシングのD3 が非常に大きくなるばかりか、
樹脂を充填しても定着の効果がなく無意味である。その
勾配は0<{(D2−D1)/2・L3}≦0.3が好ま
しく、より好ましくは0.05≦{(D2−D1)/2・
3}≦0.2である。
【0013】<ヘ>蓋の取り付け 図1、3に本発明の定着用ケーシングと充填剤の蓋を取
り付けた時の横断面を示した。図1、3より、ケーシン
グ2は、FRPロッド8が挿入され、その表面にナット
1と適合するケーシングネジ3が削切されている。ケー
シングの材料は金属性のものがよく、特に錆の発生防止
の点からステンレス鋼がよい。しかし、一般的に鋼鉄、
FRP製品でもよい。ナット1及びケーシングネジ
ネジ切り方向及びピッチ、深さなどは使用目的に応じて
切削する。樹脂充填用の孔、即ち樹脂注入孔は、図1で
は、蓋についている充填材投入口4であり、図3はケ
ーシングについている充填材投入口4である。脱気用の
、即ち脱気孔は、図1では、蓋に付いている気泡抜き
5であり、図3はケーシングに設けた気泡抜き口
である。FRPロッドが中心位に配置されるためにその
蓋が重要で、図1に用いている蓋の平面図を図2に示し
た。る図2において蓋は偏心しており、FRPロッド
が中心部になるようにする。図3に示した蓋部分は図4
に示し、蓋の中心にFRPロッドが配置されるべく孔径
1が削孔され、その中にオーリングが配置され樹脂漏
れ防止を行う。
【0014】<ト>定着方法 定着方法は図1、3のようなケーシング部に樹脂漏れ防
止をセットする。FRPロッドをケーシング入口部のオ
ーリングを通し、突起孔から、7の蓋1及び蓋に付けた
オーリング6を通す。図1及び図3の4の孔から樹脂を
ロート状物又は注射器のようなもので静かに注入する。
充填用の樹脂は耐アルカリ性、耐水性、耐候性があり、
常温でしっかりと硬化・固化し、樹脂強度の高いもので
なければならない。また、充填作業として適当な流れ粘
性を有し、かつポットライフが適当なものが必要とな
る。樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル系樹脂、ビニルアクリレート系樹
脂、イソシアネート系樹脂、フェノール系樹脂、メラミ
ン系樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。またこ
れら樹脂には粘土調整剤及び補強材として無機質の砂、
ガラス粉末、クレイ、炭酸カルシウム、金剛砂などを添
加してもよい。樹脂注入により空気等の気泡が図1の5
及び図3の5から抜け、余分の樹脂が溢れでるまで注入
し、ビニールテープなどで封をする。一夜放置後硬化し
たのを確かめ、樹脂充填用蓋を取り外しケーシングとF
RPロッドの定着は完了する。
【0015】
【作用】実施例は合成繊維と合成樹脂によるFRPロッ
ドで、その引張り強度が60〜600kgf/mm2
引張り弾性率が2000〜20000kgf/mm2
物性を有する線状体の単数本または複数本を定着できる
金属性の内側にテーパー部分を設けた直管(ケーシン
グ)であり、その一端に突起リングとオーリングを設
け、突起リング15からのテーパー部分は0<{(D2
−D1 )/2・L3 }<0.4である勾配を有し、樹脂
注入用と抜気用の2つの孔を設けた金属製ケーシングで
ある。他は樹脂漏れ防止蓋であって、この蓋はFRPロ
ッド中心位の位置決めの両者の効果を有する。かかる定
着具を用いればケーシングとFRPの中心位置を保ちな
がら、FRPロッドの水平位置以上の角度で接着用樹脂
を注入できる現場施工性がよく定着力に信頼のある定着
具とその定着方法である。
【0016】
【実施例1】次に本発明を更に具体化した実施例1を説
明する。 <イ>定着力測定 合成繊維FRPロッドの引張り強度及び引張り弾性率は
JIS K 7113「プラスチックの引張り試験方
法」に準じて測定した。定着力測定は図5に示した方法
と装置を用いた。FRPロッドの固定基材10は直径1
5cm長さ1mの円筒状鉄製型枠であり、セメントに早
強セメントを用い、水/セメントの比を0.4とし、セ
メント/砂比を1.0としたモルタルを作製し、型枠の
中心部にFRPロッドを底部から垂直に立て、モルタル
を注入し、2週間気中養生して硬化した。次にFRPロ
ッドが通る座金11を装着し、センターホールジャッキ
(RIKEN社製DC−2−100型)12を油圧ゲー
ジ13、油圧ポンプ14に連結し、座金11を入れ、本
発明の定着具15および定着方法によって定着した。一
夜放置によって硬化後、FRPロッド8が10,12,
15が一直線となるように調整し、油圧ポンプにより加
圧しジャッキをFRPロッドが切断する時または定着具
から引き抜ける時まで押し出し、油圧ゲージにてその圧
力とジャッキの油圧断面積よりその時の荷重を測定し
た。
【0017】<ロ>繊維 高強力ポリビニルアルコール繊維(クラレ社製品番79
01切断強度17.5g/デニール、切断伸度4.9%
引張り弾性率350g/デニールの1800デニールの
1000本のマルチヤーンを128本引き揃え、繊維束
に含浸付与する合成樹脂はエポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製エピコート828を100重量部硬化剤LX
−IN30重量部の混合物)で、繊維束を該る樹脂液に
含浸し、成型ノズルを通し直径6mmの丸棒状物を引き
抜き成型し、同一繊維を3本、1m当たり60回の撚り
をかけ、同一エポキシ樹脂を含浸して本ロッドの表面に
1cmピッチになるように2本交互に巻き付け加熱炉で
加熱し、外径7mmのロッドを得た。得られたFRPロ
ッドの引張り強力は2.3tonであり、その引張り強
度は90kgf/mm2、引張り伸度は3.1%、引張
り弾性率は3000kgf/mm2であった。図3のケ
ーシングと蓋を用い、該るFRPロッドを定着した。定
着具は突起内径D1=8mm、D2=14mm、外径D3
=16mmで、オーリング装着深さL1=3mm、L2
2mm、L3=95mm全長L=100mmのものであ
る。7< 1 8<8.4、且つ{(D2−D1)/2・
3}=0.03であった。他端に5mmの孔を直線上
に5mm間隔で2ヶ貫通させた。使用したオーリングは
内径7mm、外径12mmのゴム製である。
【0018】<ハ>樹脂 定着に用いた樹脂はエポキシ(興和化成社製ポリモルタ
ルE−11W)を調整し注入し、室温にて一夜放置し硬
化した。樹脂漏れもなく中心位に配置された。該る定着
したものを前述の「定着力測定法」により測定を行っ
た。FRPロッドはセンターホールジャッキの中空部で
切断し、その時の切断強力は2.3tonで、試験で測
定したものと同一の値を得た。
【0019】
【実施例2】実施例1で得た外径7mmのFRPロッド
をエポキシ樹脂で接着し、平均直径23mmの7本束と
した。このロッドの試験測定では11tonの強力で切
断した。その7本束を使用、図1のようなケーシングと
蓋を用いて、実施例2としてケーシングはL1 =15m
m、L2 =15mm、L3 =120mmとし、全長L=
150mmである。突起リングD1 =25mm、D2
44mm、外径D3 =56mmとした。23<D1 =2
5<1.2×23=27.6、{(D2 −D1)/2・
3 }=0.05である。
【0020】
【実施例3】同様に実施例3としてケーシングとしL1
=15mm、L2 =15mm、L3=170mm、全長
L=200mmである。突起リングD1 =25mm、D
2 =44mm、D3 =56mmとした。{(D2
1 )/2・L3 }=0.056となる。用いたオーリ
ングは内径22.4mm、外径29.4mmのゴム製の
ものを用いた。それ以外は実施例1の定着方法および定
着力測定法とまったく同一の方法で行った。定着力は実
施例2、3とも樹脂漏れもなく、充填樹脂中の気泡も認
められず定着力は各々10.5ton、11.5to
n、であり、両者ともセンターホールジャッキの中空部
で切断した。
【0021】
【実施例4】p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸からの全芳香族ポリエステル繊維(切
断強度25.7g/dr,切断伸度3.5%、商品名
「ベクトラン」(株)クラレ製品)1500dr−30
0fil/1本のマルチフィラメント糸を213本合糸
し、さらにそれを引き揃えて繊維束とし、この繊維束を
実施例1で調整したエポキシ樹脂液状物に浸漬処理して
実施例1と同様に加工して直径約7.2mmのロッド状
成形体を作った。その引張り強力は7.33tonで破
断伸度2.3%、引張り弾性率は19500kgf/m
2 であった。図1のようなケーシングと漏れ防止蓋を
用い実施例1とまったく同一の方法で定着し、定着測定
を行った。FRPロッドはセンターホールジャッキの中
空部で切断し、その時の切断強力は7.30tonで、
試験で測定したものと同一の値を得た。
【0022】
【実施例5】実施例4で得た外径7.2mmのFRPロ
ッドをエポキシ樹脂で接着し、平均直径23mmの7本
束とした。このロッドの試験測定では41.0tonの
強力で切断した。図1のようなケーシングと蓋を用い
た。定着力測定法にケーシングとしL1 =15mm、L
2 =5mm、L3 =280mmとし、全長L=300m
mである。突起リングD1 =25mm、D2 =53m
m、外径D3 =90mmとした。{(D2 −D1 )/2
・L3 }=0.05となる。用いたオーリングは内径2
2.4mm、外径29.4mmのゴム製のものを用い
た。それ以外は実施例2と同一の定着方法および定着力
測定法で行った。充填樹脂漏れもなく定着力は41.5
tonであり、センターホールジャッキの中空部で切断
した。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上説明したように次のような
格別な効果を得ることが出来る。金属直管内に突起リン
グとテーパー部分を設け、さらに樹脂注入口と空気抜き
孔を設け、オーリングを用いることによりFRPロッド
と定着具の中心位が設定でき、FRPロッドの水平方向
から垂直方向まで容易にかつ簡便で、信頼性の高い現場
定着が可能となった。盛土や切土の滑落防止のための補
強や岩盤等へのアンカー用の補強材として建設工事用に
広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒状蓋を有する定着具の横断面図
【図2】筒状蓋の正面図
【図3】円形蓋を有する定着具の横断面図
【図4】円形蓋の正面図
【図5】定着強度測定装置の横断面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 館山 勝 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 田村 幸彦 神奈川県横浜市緑区桂台2−22−15− 106 (72)発明者 福田 厚生 東京都港区赤坂2丁目4番1号 株式会 社テノックス内 (72)発明者 吉田 茂 東京都港区赤坂2丁目4番1号 株式会 社テノックス内 (72)発明者 上 周史 東京都港区赤坂2丁目4番1号 株式会 社テノックス内 (72)発明者 岡崎 正樹 東京都中央区日本橋3−8−2 株式会 社クラレ内 (72)発明者 江部 勉 東京都中央区日本橋3−8−2 株式会 社クラレ内 (72)発明者 馬屋原光郎 岡山県岡山市海岸道り1丁目2番1号 株式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 昭60−258340(JP,A) 特開 昭64−29521(JP,A) 特開 平2−20747(JP,A) 特開 平2−20749(JP,A) 特開 平4−169643(JP,A) 特開 平4−203069(JP,A) 特開 平4−363415(JP,A) 実開 平1−96927(JP,U) 実開 平2−13639(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/80 E02D 5/74

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維製ロッドを定着する定着具におい
    て、 合成繊維製ロッドが挿入できるテーパー状内孔を有する
    ケーシングと、 該ケーシングの一端の内孔に設けられた突起リングと、 該突起リングの内径D1と該ロッドの直径DRはDR<D1
    <1.2DRの関係にあり、該突起リングの内径D1、該
    ケーシングの他端の内径D2と該ケーシングのテーパー
    部の長さL3は0<(D2−D1)/(2・L30.4
    の関係にあり、該ケーシングの一端の内孔に配置された
    オーリングと、 該ケーシングの他端に配置される蓋と、 該ケーシングに該ロッドの方向と同一線上に設けられた
    樹脂注入孔と脱気孔、または該蓋に設けられた樹脂注
    入孔と脱気孔を有することを特徴とする定着具。
  2. 【請求項2】合成繊維製ロッドを定着する定着方法にお
    いて、 合成繊維製ロッドがケーシングに挿入され、該ロッドに
    オーリングが通され、該ケーシング内の一端に突起リン
    グが設けられ、該ケーシングの他端に蓋が配置され、
    ケーシングに該ロッドの方向と同一線上に樹脂注入孔と
    脱気孔が、または、該蓋に樹脂注入孔と脱気孔が設けら
    れ、該ロッドの径DRと突起リングD1はDRはDR<D1
    <1.2DRの関係にあり、該突起リングの内径D1、該
    ケーシングの他端の内径D2と該ケーシングのテーパー
    部の長さL3は0<(D2−D1)/(2・L30.4
    の関係にあり、該樹脂注入孔から樹脂を注入し、該脱気
    孔から流出するまで流し込み、放置することにより、該
    ロッドが水平角度以上の角度で定着具に定着されること
    を特徴とする定着方法。
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