JP2920532B1 - ガス流の測定方法および装置 - Google Patents

ガス流の測定方法および装置

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JP2920532B1 JP21233998A JP21233998A JP2920532B1 JP 2920532 B1 JP2920532 B1 JP 2920532B1 JP 21233998 A JP21233998 A JP 21233998A JP 21233998 A JP21233998 A JP 21233998A JP 2920532 B1 JP2920532 B1 JP 2920532B1
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敬三 斉藤
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Abstract

【要約】 【課題】 被測定ガスが過酷な悪条件であっても、きわ
めて簡単に、高精度にガスの流速等を測定する様にし
た。 【解決手段】 ガスの流路1の内部において、ガスの流
れる方向に対し複数の圧力検出器3を直列状に配置する
ことにより空間フィルターを構成し、前記流路内のガス
流に生じている脈動流の圧力差を各圧力検出器3で検出
し、この圧力検出により各圧力検出器から発生する出力
信号を信号処理部4に入力し、信号処理部4では各圧力
検出器の出力信号を空間フィルター法により処理して周
波数を演算し、この演算された周波数によって、比例す
るガスの流速や流量を測定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ等のガス流
路の内部を流れるガスの脈動流を検出して、空間フィル
ターを利用してガスの流速や流量を測定するようにした
ことを特徴とするガス流の測定方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用のエンジンとしてガソ
リンエンジンやディーゼルエンジンが広範に利用されて
いる。しかし、エンジンの排気ガスは、エンジンの運転
状況により流量範囲が大きく変化するとともに温度変化
が激しく、しかも排気ガスには多量の水分や油分、微粒
子等の不純物が含有するので、流量や流速を正確に測定
するのが困難である。また、レシプロエンジンの排気ガ
スには、ピストンなどの往復運動に起因する脈動流が常
に生じており、この脈動流が正確な流量測定を阻害する
要因となっていた。そこで、従来では、このようなエン
ジンの排気ガスの流量を測定するにはラミナーフローメ
ーター(層流型空気流量計)や、オリフィスなどの絞り
弁を有する流量計が一般に用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラミナ
ーフローメーターのラミナーエレメント部は常に清浄で
なければならないので、不純物を多量に含有するエンジ
ンの排ガスを常に正確に測定できない。また、ガスの流
路内にセンサーを挿入しなければならないので、センサ
ー挿入に基づく圧力損失が大きいため、正確な流量や流
速を測定するのが困難である。
【0004】また、従来のオリフィスなどの絞り弁を有
する流量計では、脈動流をキャンセルするためにバッフ
ァタンクを用いているため、応答性を犠牲にしているば
かりでなく、ガス流の圧力損失が大きいので、きわめて
正確なガス流の測定を行うことができなかった。
【0005】更に、ガスの流量や流速を測定するため、
交流励磁の電磁流量計や磁気を利用した様々な手段が提
案されている。しかし、エンジンの排気ガスに磁気を帯
びていないため使用できなかったり、清浄なガスにしか
利用できないこともある。また、測定精度や応答性等に
も問題があるので、従来ではエンジンの排気ガスを正確
に、しかも実用的に測定できる手段がほとんど存在しな
かった。
【0006】したがって、エンジンの排気ガスのよう
に、温度変化が激しくて多量の不純物を含有し、しかも
脈動流が激しい等の著しく過酷な悪条件のガス流であっ
ても、正確に、確実にガス流の速度や流量を測定できる
測定方法や装置が従来から要望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点
に鑑み、しかも従来からの要望に基づき提案されたもの
で、ガスの流路の内部において、ガスの流れる方向に対
し複数の圧力検出器を直列状に配置することにより空間
フィルターを構成し、前記流路内のガス流に生じている
脈動流の圧力差を各圧力検出器で検出し、この圧力検出
により各圧力検出器から発生する出力信号を信号処理部
に入力し、信号処理部では各圧力検出器の出力信号を空
間フィルター法により処理して周波数を演算し、この演
算された周波数によって、比例するガスの流速や流量を
測定するようにしたことを特徴とするガス流の測定方法
に関するものである。
【0008】また本発明は、ガスの流路の内部におい
て、ガスの流れる方向に対し直列状に配置されて空間フ
ィルターを構成する複数の圧力検出器と、各圧力検出器
に接続されて前記流路内のガス流に生じている脈動流の
圧力差を検出することによって発生する出力信号を入力
し、当該出力信号を空間フィルター法により処理して周
波数を演算し、この演算された周波数によって比例する
ガスの流速や流量を測定する信号処理部とを有する、こ
とを特徴とするガス流の測定装置に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を示す
概略図、図2は同上の概念図、図3は本発明の実施の形
態の具体的構成図である。
【0010】図1において、ガスの流路であるパイプ1
には、ガスの流れ方向に対して直列状に複数の枝状の検
出管2・・・を気密に設け、前記検出管2の端部に圧力
検出器3を気密に設けることにより、全体として空間フ
ィルターを構成する。そして、各圧力検出器3を信号処
理部4に電気的に接続し、各圧力検出器3から発生する
出力を信号処理部4で演算処理する。前記パイプ1は、
自動車の排気ガスを測定する場合には、エキゾーストパ
イプである。
【0011】上記構成において、パイプ1にガスが流れ
て脈動が発生している場合、この脈動流による圧力差が
時間とともに変化して移動するので、各圧力検出器3に
は圧力の変化に基づいて個別の出力が発生する。この出
力信号を前記信号処理部4に入力し、信号処理部4では
入力された各圧力検出器3からの出力信号を空間フィル
ター法に基づき処理して周波数を演算し、同時に周波数
に比例するガスの流速や流量を測定するのである。
【0012】更に具体的には、パイプ1の内部を流れる
ガスの流速をV、圧力波の進行速度をU(Uは音速にほ
ぼ等しい)、検出される周波数をμとすると、 μ=U+V であって、Uは既知であるから、各圧力検出器3からの
圧力差による出力を信号処理部4に入力するだけで、信
号処理部4が周波数(μ)を演算し、流速(V)を演算
するのである。また、パイプ1の断面積をS、パイプ1
の内部を流れるガスの流量をQとすると、 Q=S・V が成立するから、Vの測定によってQを容易に測定する
ことができる。
【0013】図2は本発明の一実施形態を示す概念図で
あり、図1で示したガス流の測定装置を具現化したもの
である。即ち、ガスの流れる方向に対して直列状にして
複数の圧力検出器3を同間隔で並列させ、各圧力検出器
3を交互にA、Bと符号を付け、Aの出力およびBの出
力をそれぞれ個別に加算し、Aの合計値とBの合計値と
の差を演算すると、ガスの流速に比例した周波数が得ら
れるので、この周波数を電圧出力に変換すると、ガスの
流速に比例したアナログ出力を測定することができる。
【0014】図3は本発明の実施の形態をさらに具体的
にした構成図であり、自動車のエンジンの排気ガスにお
ける流速や流量を高精度に測定する状態を示す。即ち、
自動車のエンジン11のシリンダーに接続されて排気ガ
スが流れるエキゾーストマニフォールド12をジョイン
トで集合させてエキゾーストパイプ13に流し、上記エ
キゾーストパイプ13に等間隔で圧力検出器14を配置
し、各圧力検出器14を交互に差動増幅器15の(+)
入力と(−)入力に接続し、差動増幅器15からの出力
をF−Vコンバーター16に入力して、ガスの流速に比
例したアナログ出力電圧信号として出力させることがで
きるので、正確なガス流を測定することができる。
【0015】以上、本発明を図面に記載された実施の形
態に基づいて説明したが、本発明は上記した実施の形態
だけではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更し
ない限りどのようにでも実施することができる。
【0016】
【発明の効果】以上要するに、本発明はガスの流路の内
部において、ガスの流れる方向に対し複数の圧力検出器
を直列状に配置することにより空間フィルターを構成
し、前記流路内のガス流に生じている脈動流の圧力差を
各圧力検出器で検出し、この圧力検出により各圧力検出
器から発生する出力信号を信号処理部に入力し、信号処
理部では各圧力検出器の出力信号を空間フィルター法に
より処理して周波数を演算し、この演算された周波数に
よって、比例するガスの流速や流量を測定するようにし
たことを特徴とするガス流の測定方法及び測定装置に関
するものである。
【0017】したがって、本発明によれば、ガス流の脈
動による圧力差を利用するだけであるから、測定するガ
ス流の流量が大きく変化していたり温度変化が激しくて
も、しかも排気ガスに多量の水分や油分、微粒子等の不
純物が含有していても、確実に、正確に、流量や流速を
測定することができる。また圧力検出器は、ガス流の圧
力差を検出するだけであって光や温度に関係がないの
で、測定に伴って圧力損失がないばかりでなく排ガスに
よるセンサー部の汚染が生じないので、感度変化の影響
がない。また、従来のように測定において、排ガスの脈
動流を押さえたり、排ガスを清浄にするメッシュフィル
ターなどを用いなくとも正確に測定できる等、多大な実
用的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における概念図である。
【図3】本発明の実施の形態における具体的な構成図で
ある。
【符号の説明】
1 パイプ 2 検出管 3 圧力検出器 4 信号処理部 11 エンジン 12 エキゾーストマニフォールド 13 エキゾーストパイプ 14 圧力検出器 15 差動増幅器 16 F−Vコンバーター

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスの流路の内部において、ガスの流れ
    る方向に対し複数の圧力検出器を直列状に配置すること
    により空間フィルターを構成し、前記流路内のガス流に
    生じている脈動流の圧力差を各圧力検出器で検出し、こ
    の圧力検出により各圧力検出器から発生する出力信号を
    信号処理部に入力し、信号処理部では各圧力検出器の出
    力信号を空間フィルター法により処理して周波数を演算
    し、この演算された周波数によって、比例するガスの流
    速や流量を測定するようにしたことを特徴とするガス流
    の測定方法。
  2. 【請求項2】 ガスの流路の内部において、ガスの流れ
    る方向に対し直列状に配置されて空間フィルターを構成
    する複数の圧力検出器と、 各圧力検出器に接続されて前記流路内のガス流に生じて
    いる脈動流の圧力差を検出することにより発生する出力
    信号を入力し、当該出力信号を空間フィルター法により
    処理して周波数を演算し、この演算された周波数によっ
    て比例するガスの流速や流量を測定する信号処理部とを
    有する、ことを特徴とするガス流の測定装置。
JP21233998A 1998-07-28 1998-07-28 ガス流の測定方法および装置 Expired - Lifetime JP2920532B1 (ja)

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