JP2917651B2 - アーク溶接法 - Google Patents
アーク溶接法Info
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- JP2917651B2 JP2917651B2 JP6165292A JP6165292A JP2917651B2 JP 2917651 B2 JP2917651 B2 JP 2917651B2 JP 6165292 A JP6165292 A JP 6165292A JP 6165292 A JP6165292 A JP 6165292A JP 2917651 B2 JP2917651 B2 JP 2917651B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電流期間と直流電
流期間が交互に周期的に繰り返す非消耗電極式ア−ク溶
接法に関する。
流期間が交互に周期的に繰り返す非消耗電極式ア−ク溶
接法に関する。
【0002】
【従来の技術】非消耗電極式ア−ク溶接機では、これに
交流電流を流すとき、図2に示すように電極と被溶接物
との間で、電極がマイナス(−)であって被溶接物がプ
ラス(+)の期間1と、電極がプラス(+)であって被
溶接物がマイナス(−)の期間2とが交互に繰り返す矩
形波状の電流が流れることになる。このとき各々の期間
における特徴をあげると、以下の通りである。まず期間1
では被溶接物表面の金属の溶け込みは深く、電極の消耗
は少なく、被溶接物表面での酸化物除去作用は無い。こ
れに対して期間2では被溶接物表面の金属の溶け込みは
浅く(期間1の約1/2)、電極の消耗は大きく、被溶
接物表面での酸化物除去作用を持つ。被溶接物の融点
が、その表面に形成する酸化物の融点より高いアルミニ
ウムなどを溶接する場合、このような酸化物の存在は溶
接の品質を阻害する要因となる。アルミニウムなどを基
材とする溶接では、溶接電流を交流として、上記の期間
1と期間2を繰り返すことにより、酸化物の除去作用を
生かした溶接を行える。交流電流の周期は50〜100
Hz程度であり、期間1と期間2との相対的時間は期間
2の方が長目に設定されることが多い。ただし、交流で
ア−ク放電を行う関係上、ア−クの指向性が悪く、隅肉
溶接や裏波溶接が難しくなり、極性反転の際の高調波の
発生でア−ク音が高くなるなどの問題があり、交流電流
だけでなく直流電流期間も設定する使い方がなされてい
る。そのような場合は、図3に示すように交流電流期間
3と直流電流期間4の繰り返し周波数は0.5Hz〜1
0Hzとし、基材の違いや被溶接物の形状などによっ
て、交流電流期間3の合計が全溶接時間の30%〜80
%となるように選択されている。また、従来は溶加棒の
送給は溶接電流の形態に無関係に、一定速度の送給を基
本として作業者の経験に基づく判断で変えている。
交流電流を流すとき、図2に示すように電極と被溶接物
との間で、電極がマイナス(−)であって被溶接物がプ
ラス(+)の期間1と、電極がプラス(+)であって被
溶接物がマイナス(−)の期間2とが交互に繰り返す矩
形波状の電流が流れることになる。このとき各々の期間
における特徴をあげると、以下の通りである。まず期間1
では被溶接物表面の金属の溶け込みは深く、電極の消耗
は少なく、被溶接物表面での酸化物除去作用は無い。こ
れに対して期間2では被溶接物表面の金属の溶け込みは
浅く(期間1の約1/2)、電極の消耗は大きく、被溶
接物表面での酸化物除去作用を持つ。被溶接物の融点
が、その表面に形成する酸化物の融点より高いアルミニ
ウムなどを溶接する場合、このような酸化物の存在は溶
接の品質を阻害する要因となる。アルミニウムなどを基
材とする溶接では、溶接電流を交流として、上記の期間
1と期間2を繰り返すことにより、酸化物の除去作用を
生かした溶接を行える。交流電流の周期は50〜100
Hz程度であり、期間1と期間2との相対的時間は期間
2の方が長目に設定されることが多い。ただし、交流で
ア−ク放電を行う関係上、ア−クの指向性が悪く、隅肉
溶接や裏波溶接が難しくなり、極性反転の際の高調波の
発生でア−ク音が高くなるなどの問題があり、交流電流
だけでなく直流電流期間も設定する使い方がなされてい
る。そのような場合は、図3に示すように交流電流期間
3と直流電流期間4の繰り返し周波数は0.5Hz〜1
0Hzとし、基材の違いや被溶接物の形状などによっ
て、交流電流期間3の合計が全溶接時間の30%〜80
%となるように選択されている。また、従来は溶加棒の
送給は溶接電流の形態に無関係に、一定速度の送給を基
本として作業者の経験に基づく判断で変えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の溶加棒送給方法
では、基本的に一定の送給速度で溶加棒を送給するた
め、母材表面に溶融池が生成しにくい期間、すなわち電
極が母材に対してプラスになるような電極構成において
も溶加棒を送給し続ける。これでは、溶加棒の溶融性が
周期的に変化し、母材の溶融金属表面に酸化物が存在す
る電流期間にも送られているという課題があった。
では、基本的に一定の送給速度で溶加棒を送給するた
め、母材表面に溶融池が生成しにくい期間、すなわち電
極が母材に対してプラスになるような電極構成において
も溶加棒を送給し続ける。これでは、溶加棒の溶融性が
周期的に変化し、母材の溶融金属表面に酸化物が存在す
る電流期間にも送られているという課題があった。
【0004】また、交流電流期間には上記のように母材
の溶融性に影響する電流の極性反転が繰り返されるの
で、それに伴うア−クの状態に変化が生じ、ア−クが不
安定な期間にも溶加棒を送給するという課題があった。
の溶融性に影響する電流の極性反転が繰り返されるの
で、それに伴うア−クの状態に変化が生じ、ア−クが不
安定な期間にも溶加棒を送給するという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、交流電流期間の効果を生かしつつ、溶加棒
の送給と溶加棒の溶融性とのバランスをとるため、溶加
棒の送給を母材の溶融性がよく溶加棒の溶融性もよい期
間、すなわち直流電流期間に選択的に溶加棒の送給を行
うものである。
に本発明は、交流電流期間の効果を生かしつつ、溶加棒
の送給と溶加棒の溶融性とのバランスをとるため、溶加
棒の送給を母材の溶融性がよく溶加棒の溶融性もよい期
間、すなわち直流電流期間に選択的に溶加棒の送給を行
うものである。
【0006】
【作用】上記のように、溶加棒をその送給性のよい直流
電流期間だけを選んで送給することにより、均一で溶接
欠陥のない高品質な溶接を簡単に得ることができる。
電流期間だけを選んで送給することにより、均一で溶接
欠陥のない高品質な溶接を簡単に得ることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明で用いた溶加棒送給期間と溶接電流波形との関係を
図1に示す。図の溶接電流波形11は交流電流期間12
と直流電流期間13の繰り返しにより溶接電源から供給
されている電流振幅の時間変化を示している。本発明の
溶加棒送給期間14は、交流電流期間12の終了した時
点、すなわち交流電流期間12において最後の電極が母
材に対してプラス16である時期が終了する時点に同期
して、さらに直流電流が印加されて母材に対する電極の
電極配位がマイナス15になるのに同期して送給を開始
し、次の交流電流期間12の開始において電極が母材に
対して再びマイナス15になる時点まで一定速度で送給
を続ける。これに対して、直流電流期間13が終了し
て、電極が母材に対してプラス16になり、以後周期的
に極性の反転が繰り返される交流電流期間12には溶加
棒の送給は停止される。
発明で用いた溶加棒送給期間と溶接電流波形との関係を
図1に示す。図の溶接電流波形11は交流電流期間12
と直流電流期間13の繰り返しにより溶接電源から供給
されている電流振幅の時間変化を示している。本発明の
溶加棒送給期間14は、交流電流期間12の終了した時
点、すなわち交流電流期間12において最後の電極が母
材に対してプラス16である時期が終了する時点に同期
して、さらに直流電流が印加されて母材に対する電極の
電極配位がマイナス15になるのに同期して送給を開始
し、次の交流電流期間12の開始において電極が母材に
対して再びマイナス15になる時点まで一定速度で送給
を続ける。これに対して、直流電流期間13が終了し
て、電極が母材に対してプラス16になり、以後周期的
に極性の反転が繰り返される交流電流期間12には溶加
棒の送給は停止される。
【0008】以上の溶加棒の送給方法によって、交流電
流期間12における溶加棒の溶融性、すなわち送給性の
低下の影響を避け、直流電流期間13における良好な溶
融性にともなう安定した送給性を生かすことによって安
定したア−ク状態を確保し、溶接欠陥のない安定した溶
接結果を得ることができる。
流期間12における溶加棒の溶融性、すなわち送給性の
低下の影響を避け、直流電流期間13における良好な溶
融性にともなう安定した送給性を生かすことによって安
定したア−ク状態を確保し、溶接欠陥のない安定した溶
接結果を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】以上のように本発明では、母材の溶融性
の高い直流電流期間に合わせて溶加棒を送給する方法に
より、溶接欠陥のない均一で高品質な溶接ビ−ドの形成
を簡単に達成することができる。
の高い直流電流期間に合わせて溶加棒を送給する方法に
より、溶接欠陥のない均一で高品質な溶接ビ−ドの形成
を簡単に達成することができる。
【図1】本発明の実施例である溶接電流波形と溶加棒送
給期間のタイミングを示す図
給期間のタイミングを示す図
【図2】従来例の交流電流波形を示す図
【図3】従来の電流波形を示す図
11 溶接電流波形 12 交流電流期間 13 直流電流期間 14 溶加棒送給期間 15 電極が母材に対してマイナスの方向 16 電極が母材に対してプラスの方向
Claims (1)
- 【請求項1】 交流電流期間と直流電流期間とを交互に
周期的に繰り返すア−ク溶接法において、前記直流電流
期間に限って溶加棒を溶接ビ−ド中に送給することを特
徴とするア−ク溶接法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6165292A JP2917651B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | アーク溶接法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6165292A JP2917651B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | アーク溶接法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261540A JPH05261540A (ja) | 1993-10-12 |
JP2917651B2 true JP2917651B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=13177375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6165292A Expired - Lifetime JP2917651B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | アーク溶接法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2917651B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP6165292A patent/JP2917651B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05261540A (ja) | 1993-10-12 |
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Legal Events
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