JP2916141B1 - ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置 - Google Patents

ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置

Info

Publication number
JP2916141B1
JP2916141B1 JP20281798A JP20281798A JP2916141B1 JP 2916141 B1 JP2916141 B1 JP 2916141B1 JP 20281798 A JP20281798 A JP 20281798A JP 20281798 A JP20281798 A JP 20281798A JP 2916141 B1 JP2916141 B1 JP 2916141B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honing
cam
main shaft
rotation
gear mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20281798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000015554A (ja
Inventor
脩二 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
Original Assignee
NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUSHIN SEISAKUSHO KK filed Critical NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
Priority to JP20281798A priority Critical patent/JP2916141B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2916141B1 publication Critical patent/JP2916141B1/ja
Publication of JP2000015554A publication Critical patent/JP2000015554A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 ホーニング装置において、ワークの径面を高
い仕上げ精度を保ちつつ、高効率でホーニング加工する
ことができるホーニング砥石用オシレーション装置を提
供する。 【解決手段】 ホーニングツールに、基本動作としての
回転運動と往復運動を与えるとともに、ストローク振動
発生部7により、軸方向の微振動を重畳的に付加させ
て、ワーク内径面を高効率でホーニング加工する。スト
ローク振動発生部7は、回転主軸2の回転運動を軸心方
向の微振動に変換するカム機構101と、カム機構10
1に回転主軸2の回転を所定の伝達速度比をもって伝達
する遊星歯車機構100とを備えてなり、ホーニング砥
石は回転運動と微振動オシレーションを互いに同期しな
いタイミングで行い、ホーニング砥石の運動の軌跡が再
び同じ条痕を通過することを有効に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホーニング砥石
用オシレーション装置およびホーニング装置に関し、さ
らに詳細には、工作物の径面を高精度にかつ高効率で仕
上げるためホーニング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ホーニング加工は、例えば、精密中ぐ
り、研削などによって仕上げられた工作物(以下ワーク
と称する)の内径面をさらに平滑にするとともに、この
内径面の加工精度も向上させる目的で、角形棒状の細粒
砥石をワーク内径面に面接触させて軽く研削する仕上げ
方法であって、ラップ仕上や超仕上と共に最もすぐれた
ワーク表面を造ることができる精密仕上法の一つであ
る。
【0003】そして、ホーニング加工は、他の精密仕上
と比較して、工作機械の精度に直接頼ることなく高精度
の加工が可能であること、および真円度に加えて真直度
も改善する能力を有することなどのすぐれた長所を有し
ており、燃料噴射ポンプ部品や油空圧バルブ部品等にお
ける穴部内径面の仕上方法としても一般に採用されてい
る。
【0004】このホーニング仕上を行う専用工作機械と
してホーニング盤がある。ホーニング盤は、ワークの種
類別に個々の専用機があるが、その一般的な基本構造
は、数個の細粒砥石を保持するホーニングヘッドを備え
てなり、このホーニングヘッドとワークとの間に相対的
な回転運動と往復運動とを行わせるとともに、上記砥石
に所定の圧力を加えて、同時に多量の工作液を注ぎなが
ら、ワーク表面の工作を行うようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホーニ
ング加工は、上述したように、工作機械の精度に直接頼
ることなく高精度の加工を行う方式であることもあっ
て、逆に言えば、上記砥石に与えられる回転運動と往復
運動は比較的遅く、また砥石の切込み量も比較的少な
い。これがため、ホーニング加工に要する時間は、必然
的に長くなる傾向にあるところ、近年の多量生産品の仕
上加工需要とも相まって、ホーニング加工一工程のサイ
クルタイムの短縮による加工効率の向上が強く要望され
ていた。
【0006】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、ワークの
径面を高い仕上げ精度を保ちつつ、高効率でホーニング
加工することができるホーニング技術の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のホーニング砥石用オシレーション装置は、
回転主軸の先端部に取付けられたホーニングツールの往
復運動に微振動を重畳的に付加させるストローク振動発
生手段を備え、このストローク振動発生手段は、上記回
転主軸の軸心まわりの回転運動を軸心方向の微振動に変
換するカム機構と、このカム機構に上記回転主軸の回転
を伝達する歯車機構とを備えてなり、上記カム機構のカ
ム駆動により、上記回転主軸の先端部に取り付けられた
ホーニングツールの往復運動に、軸方向の微振動が重畳
的に付加されることを特徴とする。
【0008】好適な実施態様として、上記カム機構は、
ホーニング装置の装置本体側に固定的に設けられた駆動
側カムと、上記回転主軸とその軸心方向に一体的に設け
られた従動側カムとを備えてなり、これら駆動側および
従動側カムは、上記回転主軸の軸心方向に当接係合され
るとともに、回転主軸の軸心まわりに相対的に回転可能
とされ、これら両カムの相対的な回転動作により、上記
従動側カムが駆動側カムに対して軸心方向へ相対的に微
振動して、上記回転主軸の先端部に取り付けられたホー
ニングツールの往復運動に、軸方向の微振動が重畳的に
付加される。
【0009】また、上記ホーニング砥石の回転方向の運
動と、上記ストローク振動発生手段による微振動を付加
された微振動往復運動とは、互いに同期しないタイミン
グで行われるように設定されている。具体的には、上記
歯車機構の伝達速度比を、上記回転主軸の回転と上記ス
トローク振動発生手段による微振動とが同期しないタイ
ミングで行われるように設定されるか、あるいは、上記
歯車機構の伝達速度比を、上記回転主軸の回転と上記ス
トローク振動発生手段による微振動とが同期するタイミ
ングで行われるように設定するとともに、上記ホーニン
グ砥石の回転運動と上記ストローク振動発生手段による
微振動の付加されない往復運動とが同期しないタイミン
グで行われるように設定される。
【0010】さらに、本発明のホーニング装置は、上記
オシレーション装置を備えるものであって、ワークの径
面の軸線方向へ往復移動可能とされるとともに、軸線ま
わりに回転可能に軸支されてなる回転主軸と、この回転
主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段と、上記回
転主軸を上記径面の軸線方向へ往復動作させる主軸往復
手段と、上記回転主軸先端に装着され、上記ワークの径
面に対応したプロフィールのホーニング砥石を有するホ
ーニング砥石を備えるホーニングツールとを備えてなる
ことを特徴とする。
【0011】本発明においては、ワークの径面、例えば
内径面をホーニング加工するに際して、ホーニングツー
ルに、基本動作としての回転運動と往復運動を与えると
ともに、さらにストローク振動発生手段により、これら
基本動作のうち往復運動に、軸方向の微振動を重畳的に
付加させながら、ワーク内径面をホーニング加工する。
【0012】これにより、ワーク内径面には上記基本動
作によるホーニング加工本来の精密仕上が施されるとと
もに、重畳的に付加される軸方向の微振動により、ホー
ニングツールのホーニング砥石の上記ワーク内径面に対
する食い込みが促進されて、高い仕上げ精度が保持され
つつ、高効率(高速度)なホーニング仕上げ加工が実現
し得る。
【0013】この場合、上記ストローク振動発生手段
は、上記回転主軸の軸心まわりの回転運動を軸心方向の
微振動に変換するカム機構と、このカム機構に上記回転
主軸の回転を伝達する歯車機構とを備えてなり、この歯
車機構の伝達速度比を、上記ホーニング砥石の回転運動
と往復運動との相対的な動作タイミングに対応して適宜
設定することにより、上記ホーニング砥石は回転運動と
微振動オシレーションを互いに同期(同調)しないタイ
ミングで行う。
【0014】これにより、ホーニング加工時において、
ホーニング砥石の運動の軌跡が再び同じ条痕を通過する
ことが防止されて、良好な仕事能率および仕上げ面を確
保することができるとともに、ホーニング砥石の整形お
よび自生発刃作用を同時に発揮させることができる。
【0015】さらに、回転主軸の回転が比較的高速の場
合に、上記変速歯車機構が、遊星歯車機構のような減速
歯車機構であれば、この減速歯車機構の減速比を上記伝
達速度比の条件下で適宜設定することにより、上記カム
機構が上記回転主軸の回転速度に対して円滑かつ確実な
カム駆動を得て、一定かつ安定した微振動往復運動(微
振動オシレーション)を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0017】本発明に係るホーニング装置を図1に示
し、このホーニング装置は、具体的にはワークWの円筒
内径面Waを仕上げ加工する立形のもので、ホーニング
ツール1を先端に備える回転主軸2、主軸回転駆動部
3、主軸往復駆動部4、砥石切込み拡張部5、定寸補正
部6を基本構成部として備えるとともに、さらにストロ
ーク振動発生部7を備えてなり、これら各構成部は制御
部8により駆動制御される構成とされている。ワークW
は、その円筒内径面Waの軸線が上下方向へ向いた状態
で、図示しないワーク保持治具に水平方向へ浮動状態
(前後左右方向へ揺動可能な状態)で取外し交換可能に
支持される。以下、各構成部分毎に具体的に説明する。
【0018】I.ホーニングツール1 ホーニングツール(いわゆるホーニングマンドレルない
しホーニングヘッド)1は、回転主軸2の先端つまり下
端に着脱交換可能に装着されるものである。このホーニ
ングツール1は、図2および図7に示すように、ツール
本体11の先端内部に、径方向へ拡縮可能に配された複
数のホーニング砥石12,12,…と、これを拡張動作
させるコーンロッド13とを備えてなる。14は、ホー
ニングツール1を回転主軸2の下端取付部2aに固定す
る取付アダプタを示している。
【0019】各ホーニング砥石12は、ワークWの円筒
内径面Waに対応したプロフィールの砥石面を有する。
コーンロッド13は、上記ツール本体11内において上
下方向へ移動可能に設けられており、その先端部13a
が各ホーニング砥石12の取付台12aを押圧する先細
テーパ形状の拡張コーンとされるとともに、その上部で
ある基部ロッド13bが、後述する定寸補正部6の調整
ねじ機構71に連結されている。また、図示しないが、
ホーニング砥石12,12,…は、復帰ばねにより常時
縮閉方向へ弾発的に付勢されている。
【0020】しかして、ホーニングツール1のホーニン
グ砥石12,12,…は、コーンロッド13の下動に伴
って拡開動作される一方、コーンロッド13の上動に伴
って上記復帰ばねにより縮閉動作されることとなる。
【0021】II.回転主軸2 回転主軸2は、上記ホーニングツール1を下端取付部2
aに備え、装置本体9に、軸受15〜20等を介してワ
ークWの円筒内径面Waの軸線まわりに回転可能に軸支
されてなるとともに、主軸回転駆動部3に駆動連結され
ている。この回転主軸2の具体的な支持構造および連結
構造については後述する。
【0022】III.主軸回転駆動部3 主軸回転駆動部3は、上記回転主軸2を軸線回りに回転
駆動する主軸回転手段として機能するもので、図3およ
び図4に示すように、主軸駆動体21と回転駆動モータ
22を主要部として構成されている。
【0023】主軸駆動体21は、上記装置本体9に軸受
16,17により、回転可能に軸支されるとともに、上
記回転主軸2および回転駆動モータ22に駆動連結され
ている。
【0024】具体的には、この主軸駆動体21は、回転
主軸2の外周部において回転主軸2と同軸状に配置され
るとともに、キーまたはスプライン等の回転伝達部25
を介して回転主軸2の連結部2bに駆動連結されてい
る。図示の実施形態においては、回転伝達部25として
ボールスプラインが用いられており、このボールスプラ
イン25により、回転主軸2は、主軸駆動体21に対し
て一体回転可能でかつ軸方向へ相対的に移動可能とされ
ている。
【0025】また、主軸駆動体21の上端部に伝動プー
リ26が取り付けられるとともに、上記回転駆動モータ
22の駆動軸22aに駆動プーリ27が取り付けられ、
これら両プーリ26,27が伝動ベルト28を介して互
いに駆動連結されている。回転駆動モータ22は電動モ
ータからなり、装置本体9に下向き状態で設けられると
ともに、その駆動軸22aが主軸駆動体21および回転
主軸2と平行に配されている。
【0026】しかして、回転駆動モータ22の回転駆動
により、一連の回転伝達手段26〜28、21、25を
介して、回転主軸2つまりその先端のホーニングツール
1が回転駆動される。
【0027】IV.主軸往復駆動部4 主軸往復駆動部4は、上記回転主軸2をワークWの円筒
内径面Waの軸線方向へ往復駆動する主軸往復手段とし
て機能するもので、図4に示すように、上記装置本体9
と往復シリンダ31を主要部として構成されている。
【0028】装置本体9は、上述したように回転主軸2
を回転可能に軸支するとともに、固定的に設けられた上
下スライド基台32に対して上下方向へ昇降可能に設け
られている。具体的には、上下スライド基台32に、リ
ニアガイド33が上下方向へ延びて設けられ、このリニ
アガイド33上に、装置本体9が、リニアスライド3
4,34を介して昇降可能に設けられている。
【0029】往復シリンダ31は、上下スライド基台3
2に垂直下向きに設けられ、そのピストンロッド31a
が、上記リニアガイド33と平行になるように配置され
るとともに、上記装置本体9に接続されている。往復シ
リンダ31は、図示の実施形態においては、圧油を圧力
媒体とする油圧シリンダの形態とされている。
【0030】しかして、往復シリンダ31の突出退入動
作により、装置本体9が上下方向へ昇降動作して、これ
により、回転主軸2つまりホーニングツール1のワーク
Wの内径面Waに対する上下方向(軸線方向)の位置決
め動作と、加工時のオシレーションが行われる。
【0031】V.砥石切込み拡張部5 砥石切込み拡張部5は、ホーニングツール1のコーンロ
ッド13を介してホーニング砥石12,12,…に所定
の切込み動作を与えるもので、図3、図5および図6に
示すように、切込み軸41、切込み駆動機構42および
切込み駆動源(駆動源)43を備えてなる。
【0032】切込み軸41は、上記ホーニングツール1
の砥石拡張用コーンロッド13を拡張動作させるもの
で、上記回転主軸2内に、その軸方向(上下方向)へ移
動可能に挿通して設けられている。具体的には、回転主
軸2は、その軸心に沿って設けられた挿通孔44を備え
る中空軸の形態とされ、この挿通孔44内に、上記切込
み軸41が回転主軸2に対して相対的に回転可能でかつ
軸方向へ移動可能に挿通支持されている。
【0033】上記切込み軸41は、その先端(下端)の
接続軸部41a(図7参照)が後述する定寸補正部6の
調整ねじ機構71を介して上記コーンロッド13に駆動
連結されるとともに、その基端(上端)41bが切込み
駆動機構42を介して上記切込み駆動源43に駆動連結
されている。
【0034】切込み駆動機構42は、切込み軸41を上
下方向(軸方向)へ移動させるもので、具体的には送り
ねじ機構の形態とされており、切込み雌ねじ45と切込
み雄ねじ46を備えてなる。
【0035】切込み雌ねじ45は、雌ねじ保持台51に
固定保持されるとともに、この雌ねじ保持台51が、切
込部取付台52を介して、装置本体9の頂部に取付け固
定されている。この切込み雌ねじ45は、その上部内径
部に雌ねじが形成されるとともに、その下端部が、軸受
15,15を介して上記回転主軸2の上端部分を回転可
能に支持している。
【0036】切込み雄ねじ46は、上記切込み雌ねじ4
5に軸方向(上下方向)へ螺進退可能に螺合されるとと
もに、その軸心部に上記切込み軸41の上端部41bが
締付ボルト・ナット47によって一体的に連結されてい
る。
【0037】切込み駆動源43は、上記送りねじ機構4
2を螺進退動作する回転駆動源であって、具体的には、
圧力流体により回転駆動するロータリシリンダの形態と
され、図示の実施形態においては、圧力流体として圧油
が用いられた油圧式ロータリシリンダが用いられてい
る。
【0038】ロータリシリンダ43は、回転主軸2の基
端部つまり上端部側において、切込部取付台52上に支
持固定されたシリンダ支持台55に支持されている。こ
のロータリシリンダ43は、上記シリンダ支持台55に
垂直下向きに設けられるとともに、その駆動軸43aが
上記回転主軸2と同軸状に配置されている。
【0039】ロータリシリンダ43の駆動軸43aに
は、連結フランジ48が一体形成され、この連結フラン
ジ48に取付け固定された連結ピン56が、上記切込み
雄ねじ46の連結フランジ46aの係合溝46bに、回
転方向に一体的にかつ上下方向へ相対的に移動可能に係
合されて、ロータリシリンダ43と切込み駆動機構42
が駆動連結されている。
【0040】ロータリシリンダ43の具体的構造は、図
6に示すように、シリンダ本体43b内に形成されたシ
リンダ空間60内に、回転子61が所定の角度範囲内に
おいて回転可能に配されてなり、この回転子61に上記
駆動軸43aが一体的に取付け固定されている。この回
転子61とシリンダ本体43bには、それぞれ隔壁部6
2a,62bが一体的に設けられており、これら両隔壁
部62a,62bにより、上記シリンダ空間60が二つ
のシリンダ室60a,60bに密閉区画されるととも
に、回転子61の回転範囲が規定されている。これら両
シリンダ室60a,60bは、切換弁63を介して、図
示しないポンプおよび油タンク等からなる油圧供給源に
連通されている。
【0041】そして、上記油圧供給源からの圧力油は、
切換弁63を介して、シリンダ室60aまたは60bへ
供給され、回転子61が時計方向または反時計方向へ所
定の角度範囲内、つまり上記回転子61の隔壁部62a
がシリンダ本体43bの隔壁部62bの両側壁に当接す
る角度範囲内で往復回転され、回転子61と一体回転す
る駆動軸43aを介して、切込み駆動機構42の切込み
雄ねじ46も回転する。これにより、この切込み雌ねじ
45に対して切込み雄ねじ46が螺進退する結果、切込
み軸41が上下方向へ移動して、コーンロッド13を上
下方向へ移動させる。
【0042】図示の実施形態においては、図6において
左側のシリンダ室60aへ圧力油が供給されると、回転
子61さらには駆動軸43aが時計方向へ回転して、切
込み駆動機構42により、ホーニングツール1の砥石拡
張用コーンロッド13が拡張動作し、一方、シリンダ室
60bへ圧力油が供給されると、回転子61さらには駆
動軸43aが反時計方向へ回転して、切込み駆動機構4
2により、コーンロッド13が縮閉動作する。
【0043】これに関連して、ロータリシリンダ43の
上側には、上記回転子61つまり駆動軸43aの回転角
度位置を検出するセンサ部64が設けられている。この
センサ部64は、上記駆動軸43a側に設けられた複数
のドグ65a,65b,…と、これらドグ65a,65
b,…を検出する複数のセンサ66a,66b,…とか
らなる。
【0044】具体的には、ロータリシリンダ43の上側
において、上記回転子61および駆動軸43aに、ドグ
取付板67が同軸状にかつ一体的に取付けられている。
ドグ取付板67の所定位置には、上記複数のドグ65
a,65b,…がそれぞれ配置固定されている。これら
ドグ65a,65b,…の配置構成は、例えば、ホーニ
ング工程における各加工の開始タイミングをとる原点、
つまり荒ホーニング加工の開始原点、仕上げホーニング
加工の開始原点に対応した回転方向位置、およびホーニ
ング工程の最終端つまり切込み最終端に対応した回転方
向位置にそれぞれ配置される。また、これらドグ65
a,65b,…に対応して、上記複数のセンサ66a,
66b,…が対向して配置されている。これらセンサ6
6a,66b,…としては、光学式センサや電磁式セン
サなどが好適に用いられ、上記荒ホーニング加工の開始
原点を検出する荒ホーニングセンサ、上記仕上げホーニ
ング加工の開始原点を検出する仕上げホーニングセン
サ、および上記切込み最終端を検出する切込み最終セン
サ等が含まれる。
【0045】そして、これらセンサ66a,66b,…
の検出信号は制御部8へ送られて、駆動軸43aの回転
量が算出され、これに基づいて、砥石切込み拡張部5の
切込み動作が制御される。
【0046】VI.定寸補正部 定寸補正部6は、砥石切込み拡張部5に対してホーニン
グ砥石12,12,…の磨耗分の補正を行うもので、回
転主軸2の先端部分に設けられた手動操作式とされてい
る。
【0047】この定寸補正部6は、具体的には図7〜図
9に示すように、調節ねじ機構71とこれを螺進退操作
する回転操作部72を主要部として備え、この回転操作
部72を回転操作することにより、調整ねじ機構71が
螺進退動作して、上記コーンロッド13と切込み軸41
の軸方向相対的位置が調整される構成とされている。
【0048】調節ねじ機構71は、上記コーンロッド1
3の拡張動作原点位置を補正するもので、回転主軸2の
挿通孔44の先端大径部44a内において、上記切込み
軸41とコーンロッド13との接続部を構成している。
【0049】この調整ねじ機構71は、上記切込み軸4
1に取り付けられた雌ねじ部75と上記コーンロッド1
3に取り付けられた雄ねじ部76とを備え、これら両雌
雄ねじ部75,76が相対的に螺進退可能に螺合接続さ
れている。
【0050】具体的には、上記雌ねじ部75は、その下
端部内径部75aが雌ねじとされた円筒状のもので、回
転主軸2の挿通孔44の先端大径部44a内に回転方向
および軸方向へ摺動可能に収納されるとともに、その上
端部75bが、スラスト軸受81a,81aおよびラジ
アル軸受81bを介して、切込み軸41下端の接続軸部
41aに同軸状に接続されている。これにより、雌ねじ
部75は、切込み軸41に対して、相対回転可能でかつ
軸方向へ一体的に接続されるとともに、回転主軸2に対
して、相対的に回転可能でかつ軸方向へ移動可能とされ
ている。
【0051】一方、上記雄ねじ部76は、その上端部の
外径部76aが雄ねじとされた棒状のもので、回転主軸
2の下端取付部を構成する蓋部材2aの挿通孔82内
に、キー嵌合83により回り止めされつつ軸方向へ摺動
可能に収納されるとともに、雄ねじ76aが上記雌ねじ
部75の雌ねじ75aに螺進退可能にかつ同軸状に螺合
接続されている。上記蓋部材2aは、回転主軸2の先端
に取付け固定されるとともに、前述したように、この蓋
部材2aに、取付アダプタ14を介して、ホーニングツ
ール1が取り付けられている。
【0052】上記雄ねじ部76の下端部には、接続空間
76bが下端開口状に形成されており、この接続空間7
6bに、上記コーンロッド13の基部ロッド13bが挿
入されるとともに、基部ロッド13bの基端が上記接続
空間76bの底面に当接されている。また、基部ロッド
13bの掛止ワッシャ84とツール本体11との間に圧
縮スプリング85が介装されて、基部ロッド13bは上
記雄ねじ部76に常時弾発的に当接係合されている。こ
れにより、雄ねじ部76は、回転主軸2に対して、一体
回転可能でかつ軸方向へ相対的に移動可能とされるとと
もに、コーンロッド13に対して、相対回転可能にかつ
軸方向に一体的に接続されている。
【0053】また、上記雌ねじ部75は、伝動歯車機構
90を介して、上記回転操作部72に駆動連結されてい
る。伝動歯車機構90は、伝動歯車91と伝動ピニオン
92を備えてなる。
【0054】伝動歯車91は、上記雌ねじ部75と同軸
状に配された円筒状のもので、上記雄ねじ部76の外周
において、回転主軸2の挿通孔44の先端大径部44a
内に回転可能に回転支持されるとともに、その先端外周
面に外歯91aが形成されている。この伝動歯車91と
雌ねじ部75との連結は、図7に示すように、伝動歯車
91の上端縁に複数の係合突起91b,91b,…が設
けられるとともに、上記雌ねじ部75の下端縁に複数の
係合凹部75c,75c,…が設けられ、これら91
b,75c,…が相互に回転方向へ一体的にかつ軸方向
へ相対的に移動可能なように係合されてなる。
【0055】伝動ピニオン92は、上記伝動歯車91と
回転操作部72との間に配されており、そのピニオン軸
92aを介して、回転主軸2に回転可能に軸支されると
ともに、回転操作部72の内歯72aと伝動歯車91の
外歯91aにそれぞれ噛合されている。
【0056】回転操作部72は、具体的には操作リング
の形態とされ、上記回転主軸2の先端部外周に回転可能
に装着されるとともに、上記伝動歯車機構90を介して
上記調整ねじ機構71に駆動連結されている。
【0057】この操作リング72に対応して、回転主軸
2には、操作リング72の回転方向位置を指示する指示
手段としてのセットリング93と、操作リング72の位
置決め手段としての位置決め機構94が設けられてい
る。
【0058】セットリング93は、回転主軸2の外周部
に取付け固定されるとともに、このセットリング93に
は、図8に示すように、操作リング72の指示目盛95
aに対応して、操作リング72の回転方向位置を指示す
る指示部95bが形成されている。なお、これら指示目
盛95aと指示部95bは、図示の場合と逆の構成、つ
まり、セットリング93の外周面に指示目盛95aが形
成されるとともに、操作リング72に指示部95bが形
成されてもよい。
【0059】また、位置決め機構94は、具体的には、
弾発スプリング94aと係合鋼球94bとからなる位置
決めプランジャの形態とされ、係合鋼球94bが上記操
作リング72の内歯72aのいずれか一つの歯間谷部に
弾発的に係合して、操作リング72の回転動作を弾発的
に位置決め固定する構成とされている。
【0060】しかして、操作リング72を回転操作し
て、その指示目盛95aのいずれかの位置をセットリン
グ93の指示部95bに合わせることにより、この回転
量に応じた分だけ、コーンロッド13が切込み軸41に
対して上下動して、ホーニング砥石12,12,…の拡
張動作原点が微調整される。
【0061】すなわち、操作リング72を回転させる
と、この回転が伝動歯車機構90の伝動ピニオン92お
よび伝動歯車91を介して、雌ねじ部75に伝達され、
この雌ねじ部75の回転により、雄ねじ部76が雌ねじ
部75に対して上下方向へ微量移動する結果、コーンロ
ッド13と切込み軸41の軸方向相対的位置が微調整さ
れて、コーンロッド13つまりホーニング砥石12,1
2,…の拡張動作原点が微調整される。
【0062】なお、位置決め機構94の作用により、操
作リング72は回転主軸2に対して常時弾発固定されて
いることから、上記両雌雄ねじ部75,76は、上記操
作リ1グ72の回転操作時には、相対的に回転して螺進
退動作する一方、操作リング72の回転操作停止時に
は、相対的な回転が停止されており、回転主軸2の回転
動作等によって、操作リング72による調整が狂うこと
はない。
【0063】VII.ストローク振動発生部 ストローク振動発生部7は、上述したストローク振動発
生部7による回転主軸2つまりホーニングツール1の往
復運動に微振動を重畳的に付加させるもので、図10お
よび図11に示すように、歯車機構100とカム機構1
01を主要部として構成されている。
【0064】歯車機構100は、カム機構101に回転
主軸2の回転を回転を所定の伝達速度比をもって伝達す
るもので、この歯車機構100の伝達速度比は、上記ホ
ーニング砥石12,12,…の回転方向の運動と、上記
カム機構101による微振動を付加された微振動往復運
動とが互いに同期(同調)しないタイミングで行われる
ように、上記ホーニング砥石12,12,…の回転運動
と往復運動との相対的な動作タイミングに対応して適宜
設定される。
【0065】図示の実施形態においては、上記歯車機構
100は、カム機構101に回転主軸2の回転を非同期
で減速して伝達する減速歯車機構の形態とされ、図示の
実施形態においては、太陽歯車105、遊星歯車106
および内歯車107からなる遊星歯車機構が採用されて
いる。
【0066】太陽歯車105は、キー嵌合200により
回転主軸2に一体的に固定されている。
【0067】遊星歯車106は、後述するカム機構10
1のキャリア108上の複数箇所に回転可能に軸支され
ている。具体的には、キャリア108が、回転主軸2に
軸受18,19を介して水平回転可能に軸支され、この
キャリア108に固定された支軸201に、遊星歯車1
06が水平回転可能に軸支されている。図示の実施形態
においては、図11に示すように、キャリア108の一
直径線上の外周部分に一対の遊星歯車106,106が
配されている。
【0068】また、内歯車107は、装置本体9に締付
けボルト202により固定的に設けられている。
【0069】そして、遊星歯車106,106が、上記
太陽歯車105と内歯車107にそれぞれ挟状に噛合さ
れて、回転主軸2と一体の太陽歯車105が回転する
と、これと噛合する遊星歯車106,106が上記内歯
車107上を転動しながら、太陽歯車105の外周を遊
星運動つまり公転運動して、これにより、上記キャリア
108が回転主軸2に対して所定の減速比をもって同方
向へ回転される。
【0070】遊星歯車機構100の伝達速度比つまり減
速比は、上述したように、ホーニング砥石12,12,
…の回転方向の運動と、ストローク振動発生部7による
微振動を付加された往復運動とが互いに同期しないタイ
ミングで行われるとともに、カム機構101が回転主軸
2の回転速度に対して円滑かつ確実にカム駆動を行うよ
うに、ホーニング砥石12,12,…の回転運動と往復
運動との相対的な動作タイミングに対応して設定されて
いる。この点については、さらに後述する。
【0071】カム機構101は、上記回転主軸2の軸心
まわりの回転運動を軸心方向の微振動に変換するもの
で、具体的には、従動側カムを構成する上記キャリア1
08およびカムローラ111と、駆動側カムを構成する
フェイスカム112とを備えてなる。
【0072】図示の実施形態においては、キャリア10
8は円筒状のもので、図11に示すように、その内側に
遊星歯車機構100の太陽歯車105が内装されるとと
もに、その外周が遊星歯車機構100の内歯車107の
内側に沿った平面形状を有する。
【0073】キャリア108は、前述したように、軸受
18,19により回転主軸2に水平回転可能に、かつ回
転主軸2とその軸心方向に一体的に軸支されるととも
に、その外周部分に、一対の遊星歯車106,106が
配されて、遊星歯車機構100に駆動連結されている。
【0074】また、キャリア108の下部外周におい
て、上記一対の遊星歯車106,106の配設位置を結
ぶ直径線に直交する直径線上の外周両側面108a,1
08aには、支軸203,203を介して、一対のカム
ローラ111,111がそれぞれ垂直回転可能に軸支さ
れ、図示の場合、この一対で一組のカムローラが構成さ
れている。
【0075】カムローラ111は従動側カムのカム面を
構成し、より具体的には、駆動側カムであるフェイスカ
ム112のカム面118に当接係合するカム突起を構成
している。カムローラ111は上記のごとく、上記キャ
リア108上に垂直回転可能に軸支されるとともに、こ
のキャリア108を介して上記回転主軸2とその軸心方
向に一体的に設けられている。
【0076】フェイスカム112は、装置本体9に締付
けボルト204により締付け固定されるとともに、その
上面118は、上記一対一組のカムローラ111,11
1が転動走行する環状カム面とされている。
【0077】この環状カム面118は、上記カムローラ
111の転動軌跡に対応した平面円環状とされるととも
に、その断面形状は、回転主軸2の軸心方向に所定の高
低差hを持ちかつなめらかな曲線をもって連続する谷部
と山部とからなる凹凸断面とされている。
【0078】換言すれば、環状カム面118は、上記従
動側カム111,111の上下往復運動の上死点を規定
するカム上死点(第1の面)118aと、下死点を規定
するカム下死点(第2の面)118bとが連続して形成
されてなり、これらカム上下死点118a,118bの
段差が上記所定の高低差hを規定している。図示の実施
形態においては、上記カム上死点118aとカム下死点
118bは、円周方向全周にわたり、なめかな上下湾曲
線をもって連続する緩やかな波形面を形成している。
【0079】また、上記カム上下死点118a,118
bの具体的な形状寸法および配設数は、目的に応じて、
従動側カム108,111の回転速度およびカムローラ
111の配設数等を考慮して適宜設定されるが、環状カ
ム面118のカム上下死点(第1および第2の面)11
8a,118bの配置構成は、好ましくは、上記カムロ
ーラ111に対応して、後述するカム機構101のカム
駆動が、回転主軸2の軸心回りで偏りを生じることなく
バランス良く行われるように設定される。
【0080】つまり、上記環状カム面118のカム上下
死点118a,118bとカム突起(カムローラ)11
1は、一直径線上の位置に配された一対の組からそれぞ
れ構成されるのが好適である。
【0081】一例として、環状カム面118のカム上死
点118aおよびカム下死点118bは、上記キャリア
108の一対のカムローラ111,111と同様、環状
カム面118における一直径線上の位置に一対一組ずつ
で設けられるとともに、この一対一組のカム上死点11
8a,118aおよびカム下死点118b,118b
が、互いに直交する直径線上に二組配置される構成とさ
れる。
【0082】このような配置構成において、カム駆動時
は、一直径線にある一対のカムローラ111,111と
一対のカム上死点118a,118aおよびカム下死点
118b,118b同士が互いに作用して、キャリア1
08が一回転当たり4回振動することになり、しかも、
常に一直径線上のカムローラ111,111とカム上死
点118a,118aおよびカム下死点118b,11
8b同士が同時に作用し合う結果、回転主軸2の軸心回
りで偏りを生じない振動が確保される。
【0083】また、これらカム機構101の構成に関連
して、上記遊星歯車機構100の減速比も上述したよう
に適宜設定される。つまり、遊星歯車機構100の減速
比(伝達速度比)は、次の二つの条件を満足するように
設定されている。
【0084】(1) 遊星歯車機構100の減速比は、ホー
ニング砥石12,12,…の回転方向の運動と、ストロ
ーク振動発生部7による微振動を付加された往復運動と
が互いに同期しないタイミングで行われるように設定さ
れている。
【0085】すなわち、一般的なホーニング加工におい
ては、ホーニング砥石12,12,…の基本運動である
主軸回転駆動部3による回転運動と、主軸往復駆動部4
による往復運動とにより、ワークWの内径面Waには、
クロスハッチパターンが形成されながらホーニング加工
が行われることになる。この場合に、上記ホーニング砥
石12,12,…の砥石面における砥粒切刃が、ワーク
Wの円筒内径面Wa上において同じ条痕を重ねて通る
と、ワークWの仕上量は低下してしまうことから、これ
を防止するために、主軸回転駆動部3と主軸往復駆動部
4の動作タイミングは、上記両運動が互いに同期しない
ように制御される必要がある。
【0086】本ホーニング装置においては、ホーニング
砥石12,12,…は、上記基本運動に加えて、カム機
構101による微振動が上記往復運動に重畳的に付加さ
れて微振動オシレーションを行うことになるから、ホー
ニング砥石12,12,…の砥粒切刃が、上記円筒内径
面Waで同じ条痕を重ねて通るのを防止するためには、
前述したように、ホーニング砥石12,12,…の微振
動オシレーションを上記回転運動と同期しないタイミン
グで行われるように、遊星歯車機構100の減速比を設
定する必要がある。具体的には、次の二通りのいずれか
に設定される。
【0087】 遊星歯車機構100の減速比(伝達速
度比)は、回転主軸2の回転とカム機構101による微
振動とが同期しないタイミングで行われるように設定さ
れる。
【0088】 遊星歯車機構100の減速比は、回転
主軸2の回転とカム機構101による微振動とが同期す
るタイミングで行われるように設定され、かつ、主軸回
転駆動部3によるホーニング砥石12,12,…の回転
運動と、カム機構101による微振動が付加されない往
復運動つまり主軸往復駆動部4による往復運動とが同期
しないタイミングで行われるように設定される。
【0089】このような動作タイミングをとることによ
り、ホーニング加工時において、ホーニング砥石12,
12,…の運動の軌跡が再び同じ条痕を通過することが
防止されて(図12参照)、良好な仕事能率および仕上
げ面を確保することができるとともに、ホーニング砥石
12,12,…の整形および自生発刃作用を同時に発揮
させることができる。
【0090】(2) 遊星歯車機構100の減速比は、カム
機構101が高速で回転する回転主軸2を回転駆動源と
していることから、以下に述べるように、カム機構10
1のキャリア108が、回転主軸2の高速の回転速度に
対して円滑かつ確実にカム駆動を行う回転速度まで減速
されるように設定されている。
【0091】回転主軸2とキャリア108との回転速度
には、遊星歯車機構100の減速比が小さければ小さい
ほど、キャリア108の回転速度は回転主軸2の回転速
度に近くなり、逆に、遊星歯車機構100の減速比が大
きければ大きいほど、キャリア108の回転速度は回転
主軸2の回転速度に対して遅くなるという相関関係があ
る。
【0092】ここで、例えば、フェイスカム112の環
状カム面118に、カム上死点118aおよびカム下死
点118bが円周方向へ等間隔をもって4箇所ずつ、つ
まり上述したように一対一組のカム上死点118a,1
18aおよびカム下死点118b,118bが直交する
2直径線上に交互に配置されるとともに、キャリア10
8上に、カムローラ111が図示のごとく一直径線上に
一対設けられているとすると、キャリア108が1回転
する間に、4回のカム駆動つまり微振動を行うことにな
る。
【0093】この場合、キャリア108の回転速度が早
すぎると、カムローラ111がフェイスカム112の環
状カム面118上を高速で転動走行する結果、カムロー
ラ111は環状カム面118上に円滑に密接して転動す
ることが困難となり、特にカム上死点118aとカム下
死点118bの境界部分で飛び跳ねまたは踊ってしま
い、駆動側カムであるフェイスカム112に対する従動
側カムであるカムローラ111の追従性が悪く、所期の
安定した微振動を得ることができない。
【0094】したがって、遊星歯車機構100の減速比
を、これらカムローラ111とカム上下死点118a,
118baの具体的な形状寸法や配設数に応じて、上記
遊星歯車機構100の減速比を適宜設定することによ
り、キャリア108の回転速度を回転主軸2の回転速度
に対して適当な値まで減速させて、カムローラ111が
上記のような飛び跳ねつまり踊りを有効に防止する。
【0095】また、これに関連して、上記カム機構10
1は、上記駆動側および従動側カム112および10
8,111を常時当接係合方向へ弾発付勢する弾発手段
を備えている。つまり、回転主軸2の掛止ワッシャ11
5と固定側である切込み雌ねじ45の掛止ワッシャ11
6との間に圧縮スプリング117が介装されて、回転主
軸2さらにはキャリア108に支持されたカムローラ1
11は、上記フェイスカム112の環状カム面118上
に弾発的な転接状態で常時当接係合されている。
【0096】しかして、上記カムローラ111,111
とフェイスカム112は、回転主軸2の軸心方向に常時
当接係合されるとともに、回転主軸2の軸心まわりに相
対的に回転可能とされ、回転主軸2と一体の太陽歯車1
05が回転すると、これと噛合する遊星歯車106が内
歯車107上を転動しながら、太陽歯車105の外周を
遊星運動つまり公転運動する。
【0097】これに伴って、キャリア108が回転主軸
2に対して所定の減速比をもって同方向へ回転されると
ともに、固定的なフェイスカム112に対しても相対的
に回転することになる。
【0098】これにより、キャリア108上のカムロー
ラ111,111が固定的なフェイスカム112の環状
カム面118上を転動走行し、そのカム上死点118a
とカム下死点118bを通過する際に、キャリア108
さらに回転主軸2がフェイスカム112に対して上下方
向へ微振動して、この微振動が、主軸往復駆動部4によ
る所定のオシレーション(ストローク運動)に重畳され
て、回転主軸2の先端部に取り付けられたホーニングツ
ール1は、微振動を伴ったオシレーションを行うことに
なる。
【0099】VIII. 制御部:制御部8は、前述した各構
成部の駆動源を相互に連動して自動制御するものであ
り、具体的には、マイクロコンピュータで構成されたN
C装置である。この制御部8は、予めまたは適宜入力設
定された制御プログラムにしたがって、以下のようなホ
ーニングツール1によるホーニング加工を制御する。
【0100】すなわち、ワークWの内径面Waをホーニ
ング加工するに際しては、まず、主軸往復駆動部4の往
復シリンダ31が突出動作して、装置本体9が降下し、
ワークWの内径面Waに対するホーニングツール1の上
下方向の位置決めが行われ、この後、ホーニングツール
1に、基本動作として、主軸回転駆動部3による回転運
動と主軸往復駆動部4による往復運動が与えられなが
ら、さらにこれら基本動作に、ストローク振動発生部7
による微小な往復振動が重畳的に付加されて、ワークW
の内径面Waがホーニング加工される。
【0101】具体的には、駆動モータ22の回転駆動に
より、一連の回転伝達手段26〜28、21、25を介
して、回転主軸2の先端のホーニングツール1が所定の
回転速度をもって回転駆動されるとともに、往復シリン
ダ31の突出退入動作により、装置本体9を介して、ホ
ーニングツール1が所定の加工ストロークをもってオシ
レーション(往復運動)して、ホーニング加工における
基本動作が行われる。
【0102】さらに、この基本動作に連動して、つまり
駆動モータ22の駆動により、回転主軸2を介してスト
ローク振動発生部7が、ホーニングツール1の基本オシ
レーションに、所定の微小ストローク幅(フェイスカム
112のカム上死点118aとカム下死点118bの高
低差hに相当)の軸方向の微振動が重畳的に与えられ
る。
【0103】そして、これらの加工運動において、砥石
切込み拡張部5により、ホーニングツール1のホーニン
グ砥石12,12,…が一定量の切込み動作(拡張動
作)をしながら、ワークWの内径面Waに対して、荒ホ
ーニング加工工程および仕上げホーニング加工工程と順
次連続してホーニング加工を施す。
【0104】一連のホーニング加工が完了すると、砥石
切込み拡張部5により、ホーニング砥石12,12,…
が縮閉された後、主軸往復駆動部4により、ホーニング
ツール1は再び上昇して、初期位置(加工待機位置)へ
復帰される。
【0105】また、ホーニングツール1のホーニング砥
石12,12,…が経時的に磨耗すると、砥石切込み拡
張部5によるホーニング砥石12,12,…の拡張動作
原点がずれることになるが、この場合は、前述した要領
で、定寸補正部6の操作リング72を手動で回転操作す
ることにより、ホーニングツール1のコーンロッド13
と切込み軸41の軸方向相対的位置を微調整して、砥石
磨耗分を補正し、常時正確な拡張動作原点を確保する。
【0106】このように、砥石切込み拡張部5がホーニ
ングツール1を先端に備える回転主軸2の先端部分に設
けられた手動操作式とされることにより、砥石切込み拡
張部5自体の構成がハード的にもソフト的にも簡易なも
のとなり、さらには、ホーニング装置全体の小型・簡素
化を促進することもできる。
【0107】しかして、以上のように構成されたホーニ
ング装置においては、ワークWの円筒内径面Waに対し
て、主軸回転駆動部3による回転運動と主軸往復駆動部
4による往復運動からなる基本動作により、ホーニング
加工本来の精密仕上が施されるとともに、さらには、ス
トローク振動発生部7により重畳的に付加される軸方向
の微振動により、ホーニングツール1のホーニング砥石
12,12,…の上記円筒内径面Waに対する食い込み
が促進されて、高い仕上げ精度が保持されつつ、高効率
(高速度)なホーニング仕上げ加工が実現し得る。
【0108】この場合、上記ストローク振動発生部7
は、上記回転主軸2の軸心まわりの回転運動を軸心方向
の微振動に変換するカム機構101と、このカム機構1
01に回転主軸2の回転を所定の伝達速度比をもって伝
達する遊星歯車機構100とを備えてなり、この遊星歯
車機構100の伝達速度比(減速比)を上述した条件下
で適宜設定されすることにより、上記ホーニング砥石1
2,12,…は回転運動と微振動オシレーションを互い
に同期(同調)しないタイミングで行う。
【0109】したがって、ホーニング加工時において、
ホーニング砥石12,12,…の運動の軌跡は、図12
に実線、破線および二点鎖線でそれぞれ示されるよう
に、再び同じ条痕を通過することを有効に防止されて、
良好な仕事能率および仕上げ面を確保することができる
とともに、ホーニング砥石12,12,…の整形および
自生発刃作用も同時に発揮させることができる。
【0110】しかも、上記遊星歯車機構100はカム機
構101の減速歯車機構としても機能する結果、カム機
構101は、回転主軸2の回転速度に対して円滑かつ確
実なカム駆動を得て、一定かつ安定した微振動オシレー
ションを確保することができる。
【0111】なお、上述した実施形態はあくまでも本発
明の好適な実施態様を示すものであって、本発明にこれ
に限定されることなく、その範囲内において種々設計変
更可能である。例えば、以下のような改変が可能であ
る。
【0112】(1) ストローク振動発生部7の具体的構成
は、図示の実施形態に限定されず、他の同様な機能を有
する構成も採用可能である。
【0113】一例として、図示の実施形態においては、
歯車機構として回転主軸2を減速して伝達する減速歯車
機構の形態とされているが、回転主軸2の回転が比較的
低速の場合には他の構成の歯車機構も採用可能である。
【0114】つまり、回転主軸2の回転を等速で伝達す
る等速歯車機構や、あるいは回転主軸2の回転を増速し
て伝達する増速歯車機構も目的に応じて採用可能であ
る。この場合、その歯車機構の伝達速度比が、ホーニン
グ砥石12,12,…の回転方向の運動と、ストローク
振動発生部7による微振動を付加された往復運動とが互
いに同期しないタイミングで行われるという条件を満た
すべきことは、図示の実施形態と同様である。
【0115】また、図示の実施形態においては、歯車機
構として遊星歯車機構100が用いられ、装置構成の小
型簡素化が図られているが、その具体的構成(例えば遊
星歯車106の配設数など)も図示のものに限定されな
い。さらに、遊星歯車機構100と同様な機能を有する
他の変速歯車機構を採用してもよい。
【0116】(2) カム機構101の具体的構成も適宜設
計変更可能であり、例えば、図示の実施形態における従
動側カムと駆動側カムの配置構成を逆にしてもよい。
【0117】(3) ストローク振動発生部7以外の他の構
成部の具体的構造は、図示の実施形態に限定されず、従
来周知の技術を適宜採用可能である。
【0118】一例として、図示の実施形態においては、
砥石切込み拡張部5は、切込み軸41の下方への移動に
より、コーンロッド13の拡張コーン13aがホーニン
グ砥石12,12,…を拡張させる構成とされている
が、これと逆に、拡張コーン13aのテーパ形状および
ホーニング砥石12,12,…の砥石台12aの形状を
図示と天地逆転した構造として、切込み軸41の上方へ
の移動により、拡張コーン13aがホーニング砥石1
2,12,…を拡張させる構成としてもよい。
【0119】(4) また、図示の実施形態においては、ホ
ーニング砥石12,12,…に要求される切込み量(拡
張量)が非常に小さいワークWを加工対象とするため、
その切込み駆動源として回転量の小さいロータリシリン
ダ43が用いられているが、ホーニング砥石12,1
2,…に要求される切込み量がさらに大きいワークWを
加工対象とする場合には、より回転量の大きいステッピ
ングモータ等を用いてもよい。
【0120】また、このようにステッピングモータ等を
用いる場合には、センサ部64として、ステッピングモ
ータの駆動軸の回転量を直接検出するロータリエンコー
ダを採用することにより、図示の実施形態における定寸
補正部6の機能も兼備する全自動制御式の砥石切込み拡
張部5とすることができる。この場合、上記定寸法補正
部6は、砥石切込み微調整用の装置として機能するほ
か、省略することも可能となる。
【0121】さらに、切込み駆動機構42の送り機構
は、図示の実施形態における送りねじ機構45,46に
代えて、ボールねじを作用することも可能である。
【0122】(5) 定寸補正部6の具体的構成も、図示の
実施形態に限定されず、他の同様な機能を有する構成も
採用可能である。
【0123】一例として、図示の実施形態の調整ねじ機
構71は、雌ねじ部75が切込み軸41に取り付けられ
るとともに、雄ねじ部76がコーンロッド13に取り付
けられる構成とされているが、これと逆の構成でもよ
い。
【0124】また、雌ねじ部75と回転操作部72を駆
動連結する伝動歯車機構90は、図示の実施形態の構成
に限定されず、ウォーム歯車機構やかさ歯車機構を用い
て伝動歯車91を回転させるなど、同様な機能を有する
限り適宜設計変更可能である。
【0125】また、主軸往復駆動部4の駆動源として
は、図示の実施形態のような往復シリンダ31に限ら
ず、ボールねじ等を用いた往復移動手段などを採用する
ことも可能である。
【0126】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
回転主軸の先端部に取付けられたホーニングツールの往
復運動に微振動を重畳的に付加させるストローク振動発
生手段を備え、このストローク振動発生手段は、上記回
転主軸の軸心まわりの回転運動を軸心方向の微振動に変
換するカム機構と、このカム機構に上記回転主軸の回転
を非同期で変速して伝達する変速歯車機構とを備えてな
り、このカム機構のカム駆動により、上記回転主軸の先
端部に取り付けられたホーニングツールの往復運動に、
軸方向の微振動が重畳的に付加される構成とされている
から、ワークの径面を高い仕上げ精度を保ちつつ、高効
率でホーニング加工することができるホーニング砥石用
オシレーション装置を提供することができる。
【0127】すなわち、ワークの径面をホーニング加工
するに際して、ホーニングツールに、基本動作としての
回転運動と往復運動を与えるとともに、さらにストロー
ク振動発生手段により、これら基本動作のうち往復運動
に、軸方向の微振動を重畳的に付加させながら、ワーク
内径面をホーニング加工するように構成されていること
により、ワーク内径面には上記基本動作によるホーニン
グ加工本来の精密仕上が施されるとともに、重畳的に付
加される軸方向の微振動により、ホーニングツールのホ
ーニング砥石の上記ワーク内径面に対する食い込みが促
進されて、高い仕上げ精度が保持されつつ、高効率(高
速度)なホーニング仕上げ加工を実現することができ
る。
【0128】また、上記変速歯車機構として、遊星歯車
機構のような減速歯車機構を用いることにより、この減
速歯車機構の減速比を上記変速比の条件下で適宜設定す
ることにより、上記カム機構が上記回転主軸の回転速度
に対して円滑かつ確実なカム駆動を得て、一定かつ安定
した微振動オシレーションを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るホーニング装置の全体構成を示す
正面断面図である。
【図2】同ホーニング装置のホーニングツールおよび定
寸補正部の部位を示す正面断面図である。
【図3】同ホーニング装置の主軸回転駆動部および砥石
切込み拡張部の部位を示す正面断面図である。
【図4】同ホーニング装置の主軸回転駆動部、主軸往復
駆動部およびストローク振動発生部の部位を示す正面断
面図である。
【図5】同ホーニング装置の砥石切込み拡張部の部位を
拡大して示す正面断面図である。
【図6】同砥石切込み拡張部のロータリシリンダを図5
のVI-VI 線に沿って示す拡大正面断面図である。
【図7】同ホーニング装置のホーニングツールおよび定
寸補正部の部位を拡大して示す正面断面図である。
【図8】同定寸補正部の部位を拡大して示す正面図であ
る。
【図9】同定寸補正部の部位を拡大して示す平面断面図
である。
【図10】同ホーニング装置のストローク振動発生部の
部位を拡大して示す正面断面図である。
【図11】同じく同ストローク振動発生部の部位を拡大
して示す平面図である。
【図12】同ホーニング装置のストローク振動発生部に
よるホーニングツールの上下方向の動きを示す線図であ
る。
【符号の説明】
W ワーク Wa ワークの内径面 1 ホーニングツール 2 回転主軸 3 主軸回転駆動部(主軸回転駆動部) 4 主軸往復駆動部(主軸往復手段) 5 砥石切込み拡張部 6 定寸補正部 8 制御部 9 装置本体 12 ホーニング砥石 22 回転駆動モータ 31 往復シリンダ 100 遊星歯車機構(歯車機構) 101 カム機構 105 太陽歯車 106 遊星歯車 107 内歯車 108 キャリア(従動側カムの回転駆動
部) 111 カムローラ(従動側カムのカム突
起) 112 フェイスカム(駆動側カム) 117 圧縮スプリング 118 環状カム面 118a カム上死点(第1の面) 118b カム下死点(第2の面) h カム上死点とカム下死点の高低差

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転主軸の先端部に取付けられたホーニ
    ングツールに回転運動と往復運動を与えて、工作物の径
    面をホーニング加工するホーニング装置に装着されるも
    のであって、 前記ホーニングツールの往復運動に微振動を重畳的に付
    加させるストローク振動発生手段を備え、 このストローク振動発生手段は、前記回転主軸の軸心ま
    わりの回転運動を軸心方向の微振動に変換するカム機構
    と、このカム機構に前記回転主軸の回転を伝達する歯車
    機構とを備えてなり、 前記カム機構のカム駆動により、前記回転主軸の先端部
    に取り付けられたホーニングツールの往復運動に、軸方
    向の微振動が重畳的に付加されることを特徴とするホー
    ニング砥石用オシレーション装置。
  2. 【請求項2】 前記カム機構は、ホーニング装置の装置
    本体側に固定的に設けられた駆動側カムと、前記回転主
    軸とその軸心方向に一体的に設けられた従動側カムとを
    備えてなり、 これら駆動側および従動側カムは、前記回転主軸の軸心
    方向に当接係合されるとともに、回転主軸の軸心まわり
    に相対的に回転可能とされ、 これら両カムの相対的な回転動作により、前記従動側カ
    ムが駆動側カムに対して軸心方向へ相対的に微振動し
    て、前記回転主軸の先端部に取り付けられたホーニング
    ツールの往復運動に、軸方向の微振動が重畳的に付加さ
    れることを特徴とする請求項1に記載のホーニング砥石
    用オシレーション装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動側および従動側カムのいずれか
    一方のカム面は、前記軸心方向に所定の高低差をもつ連
    続した凹凸面からなる環状カム面の形態とされるととも
    に、他方のカム面は、この環状カム面に当接係合するカ
    ム突起の形態とされ、 前記両カムの相対的な回転動作により、前記カム突起が
    前記環状カム面に沿って移動して、前記従動側カムが前
    記駆動側カムに対し前記高低差の振動幅をもって軸心方
    向へ相対的に微振動することを特徴とする請求項2に記
    載のホーニング砥石用オシレーション装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動側カムは、ホーニング装置の装
    置本体に固定的に設けられたフェイスカムの形態とさ
    れ、 前記従動側カムは、前記回転主軸に回転可能に軸支され
    るとともに、前記歯車機構に駆動連結されたキャリア
    と、このキャリア上に回転可能に軸支されたカムローラ
    とを備えてなり、 前記フェイスカムのカム面が前記環状カム面を形成する
    とともに、前記カムローラが前記カム突起を形成し、 前記キャリアの回転により、前記カムローラが前記フェ
    イスカムの環状カム面上を転動走行するようにされてい
    ることを特徴とする請求項3に記載のホーニング砥石用
    オシレーション装置。
  5. 【請求項5】 前記フェイスカムの環状カム面は、前記
    従動側カムの往復運動の上死点を規定する第1の面と、
    前記従動側カムの往復運動の下死点を規定する第2の面
    とが連続して形成されてなり、これら第1および第2の
    面の段差が前記所定の高低差を規定することを特徴とす
    る請求項4に記載のホーニング砥石用オシレーション装
    置。
  6. 【請求項6】 前記駆動側および従動側カムのカム面に
    おいて、前記環状カム面の凹凸とカム突起は、一直径線
    上の位置に配された一対の組からそれぞれ構成されてい
    ることを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記
    載のホーニング砥石用オシレーション装置。
  7. 【請求項7】 前記カム機構は、前記駆動側および従動
    側カムを常時当接係合方向へ弾発付勢する弾発手段を備
    えていることを特徴とする請求項2から6のいずれか一
    つに記載のホーニング砥石用オシレーション装置。
  8. 【請求項8】 前記ホーニング砥石の回転方向の運動
    と、前記ストローク振動発生手段による微振動を付加さ
    れた微振動往復運動とは、互いに同期しないタイミング
    で行われるように設定されていることを特徴とする請求
    項1から7のいずれか一つに記載のホーニング砥石用オ
    シレーション装置。
  9. 【請求項9】 前記歯車機構の伝達速度比は、前記回転
    主軸の回転と前記ストローク振動発生手段による微振動
    とが同期しないタイミングで行われるように設定されて
    いることを特徴とする請求項8に記載のホーニング砥石
    用オシレーション装置。
  10. 【請求項10】 前記歯車機構の伝達速度比は、前記回
    転主軸の回転と前記ストローク振動発生手段による微振
    動とが同期するタイミングで行われるように設定されて
    いるとともに、 前記ホーニング砥石の回転運動と前記ストローク振動発
    生手段による微振動が付加されない往復運動とが同期し
    ないタイミングで行われるように設定されていることを
    特徴とする請求項8に記載のホーニング砥石用オシレー
    ション装置。
  11. 【請求項11】 前記歯車機構は前記回転主軸の回転を
    減速して伝達する減速歯車機構の形態とされていること
    を特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の
    ホーニング砥石用オシレーション装置。
  12. 【請求項12】 前記減速歯車機構の減速比は、前記カ
    ム機構が前記回転主軸の回転速度に対して円滑かつ確実
    にカム駆動を行うように設定されていることを特徴とす
    る請求項11に記載のホーニング砥石用オシレーション
    装置。
  13. 【請求項13】 前記歯車機構は前記回転主軸の回転を
    等速で伝達する等速歯車機構の形態とされていることを
    特徴とする請求項1から8および10のいずれか一つに
    記載のホーニング砥石用オシレーション装置。
  14. 【請求項14】 前記歯車機構は前記回転主軸の回転を
    増速して伝達する増速歯車機構の形態とされていること
    を特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の
    ホーニング砥石用オシレーション装置。
  15. 【請求項15】 前記歯車機構は遊星歯車機構の形態と
    されていることを特徴とする請求項1から14のいずれ
    か一つに記載のホーニング砥石用オシレーション装置。
  16. 【請求項16】 前記遊星歯車機構は、前記回転主軸に
    一体的に設けられた太陽歯車と、前記カム機構の回転駆
    動部に回転可能に軸支された遊星歯車と、ホーニング装
    置の装置本体側に固定的に設けられた内歯車とからなる
    とともに、前記遊星歯車が前記太陽歯車と内歯車にそれ
    ぞれ噛合されてなり、 前記回転主軸と一体の太陽歯車の回転により、前記遊星
    歯車が前記内歯車上を転動しながら太陽歯車の外周を遊
    星運動して、前記キャリアが前記回転主軸に対して所定
    の変速比をもって同方向へ回転されることを特徴とする
    請求項15に記載のホーニング砥石用オシレーション装
    置。
  17. 【請求項17】 工作物の径面の軸線方向へ往復移動可
    能とされるとともに、軸線まわりに回転可能に軸支され
    てなる回転主軸と、 この回転主軸を軸線回りに回転駆動する主軸回転手段
    と、 前記回転主軸を前記径面の軸線方向へ往復動作させる主
    軸往復手段と、 前記回転主軸の動作に微振動を重畳的に付与する請求項
    1から16のいずれか一つに記載のオシレーション装置
    と、 前記回転主軸先端に装着され、前記工作物の径面に対応
    したプロフィールを有するホーニング砥石を備えるホー
    ニングツールとを備えてなることを特徴とするホーニン
    グ装置。
  18. 【請求項18】 前記ホーニングツールのホーニング砥
    石に所定の切込み動作を与える砥石切込み手段を備える
    ことを特徴とする請求項16に記載のホーニング装置。
  19. 【請求項19】 前記各構成部の駆動源を相互に連動し
    て自動制御する制御手段を備えることを特徴とする請求
    項17または18に記載のホーニング装置。
JP20281798A 1998-07-01 1998-07-01 ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置 Expired - Fee Related JP2916141B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20281798A JP2916141B1 (ja) 1998-07-01 1998-07-01 ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20281798A JP2916141B1 (ja) 1998-07-01 1998-07-01 ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2916141B1 true JP2916141B1 (ja) 1999-07-05
JP2000015554A JP2000015554A (ja) 2000-01-18

Family

ID=16463700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20281798A Expired - Fee Related JP2916141B1 (ja) 1998-07-01 1998-07-01 ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2916141B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109551060A (zh) * 2018-12-17 2019-04-02 江西福格新能源传动技术有限公司 渐开线斜齿轮轮齿表面磨削处理设备
CN110546033A (zh) * 2017-07-03 2019-12-06 株式会社永木精机 架空线弯曲工具

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10225514B4 (de) * 2002-06-10 2005-02-17 Kadia Produktion Gmbh + Co. Maschine zur Feinstbearbeitung von Werkstücken durch Honen oder Feinstschleifen
KR101477627B1 (ko) * 2014-09-24 2014-12-30 김주영 호닝머신용 스핀들 헤드 왕복장치
KR101477628B1 (ko) * 2014-09-24 2014-12-30 김주영 호닝공구장치
CN109719587B (zh) * 2018-12-14 2020-07-28 天津大学 通过螺纹丝杠改变偏心值且传动比可变的抛光机构

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110546033A (zh) * 2017-07-03 2019-12-06 株式会社永木精机 架空线弯曲工具
CN109551060A (zh) * 2018-12-17 2019-04-02 江西福格新能源传动技术有限公司 渐开线斜齿轮轮齿表面磨削处理设备
CN109551060B (zh) * 2018-12-17 2024-05-17 江西福格新能源传动技术有限公司 渐开线斜齿轮轮齿表面磨削处理设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000015554A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4085549A (en) Lens polishing machine
JP2916141B1 (ja) ホーニング砥石用オシレーション装置およびホーニング装置
JP2003159621A (ja) 内径仕上加工装置と内径仕上加工方法
GB537246A (en) Improvements in or relating to machines for finishing the surface of a cylindrical workpiece by abrasion
US5150518A (en) Process for manufacturing inner and outer parts for a rotary piston machinein which the inner and outer parts have parallel axes
JPH0551425B2 (ja)
JP2975928B1 (ja) ホーニング砥石切込み装置およびホーニング装置
US2350527A (en) Adjustable feed for tools
JP3806408B2 (ja) ホーニング盤およびホーニング加工方法
JP3083787B2 (ja) ホーニング加工方法およびホーニング装置
CN1034882A (zh) 加工摆线齿轮用的成型磨削装置
JP2006043851A (ja) ホーニング加工方法およびホーニング盤
JP2670508B2 (ja) 砥石切込み装置およびホーニング盤
US5187900A (en) Auxiliary device for a machine tool
JP3612726B2 (ja) 歯車ホーニング盤における内歯車形ホーニング砥石の機上成形方法
RU2541230C1 (ru) Устройство для обработки отверстий
EP0610498B1 (en) Honing tool and super-high-precision finishing method using said honing tool
JP2006224240A (ja) ホーニング砥石のドレス方法及びドレス装置
JP4289191B2 (ja) 内面研削における砥石オシレーション方法及び内面研削盤
CA1168454A (en) Honing unusual shapes
US2747336A (en) Honing machine
JP2611144B2 (ja) 細溝平面用ホーニングツールおよびホーニング盤
RU51363U1 (ru) Вибро-хонинговальная установка для ремонта клиновых задвижек
US2634561A (en) Method of honing grooved elements
RU26995U1 (ru) Станок хонинговальный с импульсным пневмо-механическим разжимом брусков

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990316

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees