JP2915110B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JP2915110B2 JP2217012A JP21701290A JP2915110B2 JP 2915110 B2 JP2915110 B2 JP 2915110B2 JP 2217012 A JP2217012 A JP 2217012A JP 21701290 A JP21701290 A JP 21701290A JP 2915110 B2 JP2915110 B2 JP 2915110B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スクロール流体機械に係り、特に高性能,
高効率,低振動及び低騒音が要求されている空調用圧縮
機に好適なスクロール流体機械に関する。また、本発明
のスクロール流体機械は、高速回転用および大型用とし
ても好適な圧縮機である。
〔従来の技術〕
従来のスクロール流体機械は、密閉容器内に固定スク
ロールを固定し、そして、旋回スクロールを前記固定ス
クロールの中心軸周りに旋回させる構造であるが、しか
し、旋回スクロールの駆動軸が片持ち軸受構造であるた
め、高速回転すると振動が大きくなる。また、大型用の
旋回スクロールでは混心力が非常に大きく、旋回スクロ
ールの旋回軸受に作用する遠心力荷重が過大であり、効
率や信頼性の低下を招く問題があつた。
さらに、従来の片持ち軸受構造形スクロール流体機械
を改善した種々の構造のスクロール流体機械が、考案さ
れている。
先ず、特開昭58−110885号公報に開示されたスクロー
ル流体機械は、密閉容器内に収納した第1,第2の回転ス
クロールを、互いに偏心している回転軸に取付け、互い
にかみ合わし、かつ、同じ方向に回転させる構造であ
り、高速回転可能な構造を実現するために考案された。
また、特開昭57−203801号公報に開示されたスクロール
流体機械は、円板の両面にラツプ歯部を形成した一体構
造の旋回スクロールを、密閉容器内に収納し、この密閉
容器の内壁を固定スクロールとする2気筒スクロール構
造であり、旋回スクロールの一面と他面の圧縮ガス反力
を釣合わせる構造である。さらに、特開昭57−38690号
公報に開示のスクロール流体機械は、1個の電動モータ
の両軸端に、それぞれ第1及び第2の旋回スクロールを
取付け、圧縮ガス反力を釣合わせる構造である。また、
特開平1−167482号公報に開示のスクロール流体機械
は、円板の両面にラツプ歯部を形成した一体構造の旋回
スクロールに、偏心した貫通軸を取付け、さらに、その
両側に固定スクロールを取付け、2気筒スクロール構造
としたものであり、旋回スクロールの一面と他面の圧縮
ガス反力を釣合わせる構造である。このように、種々の
構造のスクロール流体機械が、考案され、公知である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のスクロール流体機械は、旋回スクロー
ルの駆動軸が片持ち軸受構造であるため、高速回転する
と振動が大きくなるという問題があつた。また、大型用
のものでは、旋回スクロールの遠心力が非常に大きく、
旋回スクロールの背面に設けた旋回軸受に作用する遠心
力荷重が増大し、効率の低下や信頼性の低下を招く問題
があつた。
また、特開昭58−110885号,特開昭57−203801号,特
開昭57−38690号の各公報に開示されたスクロール流体
機械は、それぞれの目的に応じて考案されたものである
が、スクロール流体機械における全ての問題を解消でき
たものはなく、また、構造が複雑で、さらに、性能向
上,信頼性向上,遠心力の低減などの効果も不十分であ
る。
さらに、特開昭58−110885号のスクロール流体機械
は、第1,第2の回転スクロールをそれぞれ独立に回転す
る駆動機構が必要であり、このスクロール流体機械は小
型化,コンパクト化が困難である。
そして、特開昭57−203801号公報のスクロール流体機
械は、旋回スクロールの片持ち軸受部の構造が複雑で、
突出し部分が長く、片持ち軸受構造に無理がある。それ
故、本構造では、旋回スクロールを高速回転することが
難しく、旋回スクロールの遠心力も大きく、そして、片
持ち軸受構造の信頼性が劣る。
また、特開昭57−38690号公報のスクロール流体機械
は、1個の電動モータの両軸端に第1及び第2の旋回ス
クロールを取付ける構造であるから、モータ軸の両端部
にスクロール構造を配置する必要がある。しかし、スク
ロール構造は、旋回スクロールと固定スクロール間の気
密シールをするために、厳しい寸法精度が要求される。
しかも、本構造のスクロール流体機械は、長いモータ軸
の両端で大きな遠心力荷重が生じる旋回スクロールを回
転するため、気密シールが難しく、振動が起きやすい。
また、回転するモータ軸の両軸端に、スクロール構造を
設けるものであるから、構造が複雑で、小型化,コンパ
クト化が困難である。
また、特開昭1−167482号のスクロール流体機械で
は、真中に取付けた両面ラツプ歯部構造の旋回スクロー
ルが一体構造であるため、該旋回スクロールによる遠心
力は同じ方向であり、両スクロール構造の遠心力は相殺
できない。それ故、一体構造形旋回スクロールの遠心力
は、両端支持軸受の軸受構造の外側にバランスウエイト
を取付けて、旋回スクロールによる遠心力を釣合わさな
ければならない。このため、本構造のスクロール流体機
械は、構造が複雑で、高速回転することが難しい。
以上に示したスクロール流体機械は、基本的には、旋
回スクロールの片持ち回転軸受構造に伴う問題を解決し
たものはない。また、旋回スクロールの遠心力を釣合わ
せるため、適当なバランスウエイトが必要である。
本発明の課題は、スクロール流体機械の片持ち回転軸
受構造に起因する振動及び遠心力、さらに、スクロール
圧縮またはスクロール膨張過程に伴うガス反力を釣合わ
せることにある。その結果として、スクロール流体機械
の低振動と低騒音を実現するとともに、小型,コンパク
ト化を実現する。さらに、スクロール流体機械の高性
能,高効率,高信頼性を実現し、また、スクロール流体
機械の高速回転及び大型化を達成することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は、1個の密閉容器内に2対のスクロール
構造を収納し、さらに、各スクロール構造における旋回
スクロールの遠心力を、回転軸の中心軸から反対方向に
作用するように配置する。そして、2個の旋回スクロー
ルによつて生じる遠心力を、回転軸の中心軸において、
互いに相殺する。また、全ての旋回スクロールと固定ス
クロールを貫通する回転軸を設け、さらに、この回転軸
を密閉容器の壁面で両端回転支持する。
また、本発明のスクロール流体機械は、一枚の円板の
両面にラツプ歯部を形成した一体構造の固定スクロール
を用い、かつ、両面のラツプ歯形形状が、互いに背中合
わせの面対称形であるとともに、回転軸の中心軸に対し
て半回転ずれて位置している。本スクロール構造によ
り、各スクロール構造におけるガス圧縮過程(または膨
張過程)の圧縮ガス反力(回転軸の軸方向反力)を相殺
し、圧縮ガス反力を釣合わせることができる。
また、1個の密閉容器内に2対のスクロール構造を収
納し、該密閉容器内だけで、スクロール動作の吸入,圧
縮,吐出の過程が行われるため、本発明のスクロール流
体機械は、ガス気密性が良く、ガス漏れが起きにくい。
しかも、1個の密閉容器内に収納した2対のスクロール
構造は、上記の構造上の効果により、高性能化,高効率
及び高速回転が可能であり、小型化,コンパクト化を実
現するとともに、低振動化と低騒音化を実現することが
できる。
〔作用〕
本発明のスクロール流体機械は、1個の密閉容器内に
2対のスクロール構造を収納し、この密閉容器内だけ
で、スクロール動作の吸入,圧縮(または膨張),吐出
の過程を行うことができるから、密閉容器のガス気密性
が良く、ガス漏れが起きにくい。また、本発明のスクロ
ール流体機械は、1個の密閉容器内に2対のスクロール
構造を密着配置,収納することができるから、小型化,
コンパクト化を実現することができる。
また、本発明のスクロール流体機械は、同一寸法のス
クロール構造を、回転軸中心から同じ距離だけ、互いに
反対方向に偏心して配置した2気筒スクロール構造であ
る。そして、第1のラツプ歯形と第2のラツプ歯形は、
それぞれ面対称形をなし、寸法及び形状がほぼ等しく、
渦巻きの方向が反対である。さらに、これらのスクロー
ル歯形は、回転駆動軸の周りで、スクロールの巻き開始
位置が、互いに半回転分(180°)だけずれている。そ
れ故、本発明のスクロール流体機械では、回転軸を駆動
すると、この回転軸に係合された第1と第2の旋回スク
ロールの旋回運動により、互いに同期した吸入,圧縮
(または膨張),吐出動作を行う。この結果、旋回スク
ロールによつて生じる遠心力は、回転軸の周りで、互い
に相殺される。また、本発明の構造では、2個のスクロ
ール構造を、回転軸上に互いに密着して配列することに
より、各遠心力による回転軸方向のモーメントを小さく
することができる。さらに、本発明では、旋回スクロー
ルの不釣合力を相殺できるから、スクロール流体機械の
低振動化,低騒音化を実現できる。また、本発明では、
一体構造の固定スクロールの両面の圧縮ガス圧力が、同
じでかつ逆方向であるから、相殺できる。
また、本発明のスクロール流体機械では、圧縮過程の
途中の中間ガス圧力を旋回スクロールの背面側に導入
し、この圧力により、旋回スクロールを固定スクロール
側に押しつけ、旋回スクロールと固定スクロールの気密
シールを確実にする。しかも、圧縮過程の圧力変動に応
じて、中間ガス圧力も変化するから、ラツプ部の圧縮ガ
ス反力と背面の押付け力は、ほぼ比例して変化する。そ
れ故、旋回スクロールの一部に貫通穴を設けるという簡
単な構造により、常に、圧縮ガス反力と釣合う押付け力
で、旋回スクロールを固定スクロールに押しつけること
ができる。
また、本発明のスクロール流体機械は、2個の旋回ス
クロールと1個の固定スクロールを貫通するように回転
軸を設け、さらに、この回転軸を密閉容器の両側壁面で
回転支持し、安定かつ確実な軸受構造とする。しかも、
大きな遠心力を加わる旋回軸受は、その両端が安定かつ
確実に回転支持されているから、旋回軸受の信頼性も向
上できる。それ故、本発明は、スクロール流体機械の軸
受の寿命改善と信頼性向上を実現できる。
すなわち、本発明のスクロール流体機械は、2組のス
クロール構造を収納した1個の密閉容器内において、ス
クロール動作で発生する不釣合い力を、ほぼ全て相殺す
るように構成,配置する。また、本発明のスクロール流
体機械は、全ての圧縮構造を小型,コンパクトな密閉容
器内に収納しているため、ガス気密性が良く、信頼性が
高い。さらに、本発明のスクロール流体機械は、安定な
回転運動を実現しやすい両端支持構造であり、高速回転
が可能で、大型化,大容量化も可能である。しかも、本
発明のスクロール流体機械は、両端支持の軸受間におい
て、旋回スクロールの遠心力が釣合い、さらに、密閉容
器内で圧縮ガス反力が相殺される。このため、従来の片
持ち支持構造のスクロールでは必要であつたバランスウ
エイトを省略できる。さらに、本発明のスクロール流体
機械は、全ての不釣合い力がほぼ相殺でき、さらに、安
定な回転運動を表現できる軸受構造であるから、振動や
騒音が少なく、低振動化,低騒音化が容易である。しか
も、本発明は、小型,コンパクトな密閉容器に、全ての
スクロール構造を収納しているため、この密閉容器の防
振,防音対策すればよいから、これらの対策は容易であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
第1図から第6図は、本発明のスクロール流体機械の
構造とその作用を説明したものである。
第1図は、本発明のスクロール流体機械の縦断面図で
あり、第1の実施例における構成の概要を説明するため
の図である。第2図と第3図は、第1図に示したスクロ
ール流体機械を構成する旋回スクロールと固定スクロー
ルのA−A′断面図、第4図は第1図に示したスクロー
ル流体機械の回転軸の外観図である。第5図は、第1図
のA−A′断面における旋回スクロールと固定スクロー
ルのかみ合い状況を説明したものであり、旋回スクロー
ルの旋回運動に伴つてガス流体が圧縮される過程を説明
するための説明図を示す。また、第6図は、本発明のス
クロール流体機械の回転軸に作用する荷重を説明するた
めの模式図を示す。第7図は、第1図に示したスクロー
ル流体機械における旋回スクロールの自転防止機構の構
造を説明したものである。
第1図において、1は本発明のスクロール流体機械、
2は中央に取付けた両面ラツプ歯部構造の固定スクロー
ル、3,4は第1及び第2の旋回スクロール、5は偏心軸
部を有する回転軸、6,7は密閉容器の側壁面を構成する
側板部材、8は低圧ガス流体、9は高圧ガス流体であ
る。
本発明のスクロール流体機械1は、1枚の円板の両面
にスクロール用のラツプ歯部を形成した一体構造の固定
スクロール2、該固定スクロール2の両面に各1個の旋
回スクロール3,4をかみ合わせて2個のスクロール構造
を構成し、1個の密閉容器内に2個のスクロール構造を
収納したものである。そして、本発明のスクロール流体
機械1は、旋回スクロール3,4の回転中心を、回転軸5
の中心O1−O2に対して偏心させて配置し、さらに、前記
旋回スクロール3,4の回転中心位置を、回転軸5の中心
軸の周りに半回転分(180°)だけずらして配置する。
従つて、偏心軸部を有する回転軸5を、電動モータ(図
示せず)により回転駆動すると、旋回スクロール3,4は
中心O1−O2に周りを偏心回転する。この旋回スクロール
3,4の偏心回転は、後述の自転防止機構により、旋回ス
クロール3,4の偏心回転運動は、旋回運動に変換され
る。また、固定スクロール2のラツプ歯部12と旋回スク
ロール3のラツプ歯部13は、互いにかみあい、係合さ
れ、気密空間14を形成する。同様に、固定スクロール2
のラツプ歯部15と旋回スクロール3のラツプ歯部16は、
互いにかみ合い、係合され、気密空間17を形成する。旋
回スクロール3,4の旋回運動により、低圧のガス流体8
が、中心O1−O2の周りを旋回移動しながら、気密空間1
4,17内で吸入,圧縮,吐出される。
第1,第2の旋回スクロール3,4には、それぞれ円板状
の端板10,11の片面に渦巻き状のラツプ歯部13,16が形成
されている。しかも、これらのラツプ歯部13,16は、互
いに面対称の形状であり、寸法が同じでかつ渦巻の方向
が反対である。なお、各旋回スクロールにおいて、ラツ
プ歯部を形成した面を正面、その反対面を背面と名付け
る。また、固定スクロール2のラツプ歯部12,15は、第
1の旋回スクロール3と第2の旋回スクロール4のラツ
プ歯部13,16と係合、かみあう形状をなし、旋回スクロ
ール3,4と固定スクロール2によつて、密閉シールされ
た密閉空間14,17を形成する。そして、固定スクロール
2と旋回スクロール3で密閉シールされた密閉空間14で
は、旋回スクロール3の旋回運動に伴い、密閉空間14が
回転軸5の中心O1−O2の周りを外周部から中心に向かつ
て旋回,移動することにより、密閉空間14が次第に狭め
られる。この結果、密閉空間14において、低圧ガス流体
8が高圧ガス流体9へ圧縮される。同様に、第2の旋回
スクロール4と固定スクロール2で構成したスクロール
機構においても、密閉シールされた密閉空間17が、旋回
スクロール4の吸入,圧縮,吐出部として使われる。
第2の旋回スクロール4のラツプ歯部13は、第1の旋
回スクロール3のラツプ歯部12と寸法が同じでかつ渦巻
きの方向が逆であるから、このような旋回スクロール3,
4を、互いに対向状に背面同士を背中合せし、回転軸5
に旋回可能に取付けるならば、回転軸5の旋回運動に伴
い、同じように吸入,圧縮,吐出動作を行うことができ
る。さらに、第1の旋回スクロール3と第2の旋回スク
ロール4を、回転軸5の中心軸O1−O2周りに半回転分
(180°)だけずらして配置すると、旋回スクロール3,4
で発生する遠心力は、中心軸O1−O2に対して直角方向
で、大きさが同じでかつ反対方向の力になる。それ故、
旋回スクロール3,4の遠心力は、回転軸5を介して互い
に相殺できる。また、旋回スクロール3,4の旋回運動に
伴つて生じる圧縮ガス反力は、固定スクロール2の両面
に作用し、しかも、その力は、大きさが同じでかつ反対
方向となる。それ故、旋回スクロール3,4の圧縮ガス反
力は、固定スクロール2を介して、互いに相殺できる。
回転軸5は、軸の中心O1−O2に対して、同心状の軸部
20,22,24と偏心状の軸部21,23から構成される。第1の
旋回スクロール3,固定スクロール2,第2の旋回スクロー
ル4の順番で配列し、これらの部材の中心部を貫通する
ように回転軸5を挿入し、第1図のような2気筒のスク
ロール構造を構成する。さらに、回転軸5の両端を密閉
容器の側壁面を構成する側板部材6,7で覆い、密閉容器
を構成し、その1端に電動モータ(図示せず)を取付け
る。これにより、回転軸5は、側板部材6,7に取付けた
回転軸受25,26により、両端回転支持される。また、第
1,第2の旋回スクロール3,4は、回転軸5の中心軸O1−O
2から偏心した位置において、軸受部27,28により、回転
自在に嵌合,支持される。さらに、旋回スクロールの自
転が拘束されるから、旋回スクロール3,4は、回転軸5
の中心軸O1−O2周りを公転しながら旋回運動する。
また、旋回スクロール3,4の端板10,11の一部に、その
正面から背面に貫通するように貫通穴18を設け、圧縮過
程の途中の中間ガス圧力を背面側の気密空間19に導入
し、この気密空間19の中間ガス圧力により、旋回スクロ
ール3,4を固定スクロール2側に押付けて、固定スクロ
ール2と旋回スクロール3,4の間を確実に気密シールす
る。各スクロール構造で発生する圧縮ガス圧力は、回転
軸16の回転角度に応じて変動するから、一定の押付け力
で押しつけると、気密シールが不完全となつたり、過大
な接触力を旋回スクロールに与えるため機械的摩擦損失
が大きくなる。そこで、圧縮過程の途中の中間ガス圧力
を旋回スクロールの背面側の気密空間19に導入し、この
気密空間19の中間圧力により、旋回スクロール3,4を固
定スクロール2に押付けるならば、最小の接触力で気密
シールできるから、旋回スクロールと固定スクロールの
間の機械的摩擦損失を少なくしかつ確実に気密シールが
できる。すなわち、各旋回スクロールに作用する圧縮ガ
ス反力は、回転軸5の回転角度に応じて変動し、同様
に、気密空間19の中間ガス圧力も回転軸5の回転角度に
応じて変動するから、両者は、互いに比例して増減す
る。だから、気密空間14,17の受圧面積と旋回スクロー
ル背面の受圧面積を適切に設定すれば、旋回スクロール
の正面の圧縮ガス反力と背面の押付け力を釣合せ、最小
の接触力で気密シールすることができる。以上述べたよ
うに、旋回スクロールの一部に貫通穴19を設けるだけ
で、常に、圧縮反力と釣合う適正な押付け力で、旋回ス
クロールと固定スクロールの気密空間14,17を確実に気
密シールすることができる。その結果、第1図に示した
本発明のスクロール流体機械1では、確実に気密シール
できるとともに、機械的摩擦損失を少なくすることがで
きる。
また、第1図のスクロール流体機械1には、旋回スク
ロール3,4と固定スクロール2の間の機械的摩擦損失を
少なくし、さらに、気密空間14,17の気密シールを確実
にするため、固定スクロールの表面に環状のシール部材
30,31を取付ける。このシール部材には、機械的摩擦損
失が少なく、確実な気密シールがしやすい、テフロン含
浸複合材や銅鉛合金材などの軸受材料が適している。さ
らに、確実な気密シールを実現するためには、これらの
材料で作つたチツプシールを、旋回スクロールと固定ス
クロールのラツプ歯部先端に取付ける方法も有効であ
る。
第2図と第3図は、第1図に示す本発明のスクロール
流体機械のA−A′断恵における旋回スクロールと固定
スクロールの断面図を示す。第2図において、38は旋回
スクロール、39は円板状の端板、40はラツプ歯部、41は
旋回軸受部、42は貫通穴である。また、第3図におい
て、43は固定スクロール、44は円板状のフランジ部、45
はラツプ歯部、46は貫通穴、79は吐出穴である。本発明
のスクロール流体機械1は、旋回スクロール38と固定ス
クロール43のラツプ歯部同士をかみ合わせて、旋回スク
ロール38のラツプ歯部40と固定スクロール43のラツプ歯
部45によつて密閉空間を形成する。この密閉空間に封じ
込められた低圧ガスは、旋回スクロール38の旋回運動に
伴い、固定スクロール43の中心軸O1−O2の周りを旋回し
ながら、その中心部に向かつて移動する。この際、密閉
空間のガス流体は、密閉空間の容積が小さくなるのに伴
い圧縮され、最後には、吐出穴79から高圧ガス流体とし
て吐出される。第4図は、回転軸5の外観図を示す。回
転軸5は、中心軸O1−O2の周りεだけ偏心している偏心
軸部21,23と、中心軸O1−O2と同心の軸部20,22,24とか
らなる。しかも、偏心軸部21と23は、中心軸O1−O2に対
して軸対称の位置にあり、各偏心軸部に嵌合された旋回
スクロール3,4が、回転軸5の中心軸O1−O2の周りを半
径εで公転しながら旋回運動する。
第5図は、第1図のA−A′断面における旋回スクロ
ールと固定スクロールのかみ合い状況を説明したもので
あり、旋回スクロール3の旋回運動に伴つてガス流体が
圧縮される過程を説明するための説明図を示す。第5図
において、47は旋回スクロールのラツプ歯部、48は固定
スクロールのラツプ歯部、49は両スクロールで気密シー
ルされた密閉空間である。旋回スクロールのラツプ歯部
47が、固定スクロールの中心軸周りに旋回運動すると、
密閉空間49は、第5図(I)から第5図(IV)のよう
に、固定スクロールの中心軸周りを順次回転移動する。
その際、密閉空間49の容積は順次減少するから、固定ス
クロールの外周から吸入された低圧のガス流体8は、密
閉空間49内において圧縮され、固定スクロールの中心付
近の吐出穴(図示せず)から高圧のガス流体9となつて
排出される。
第6図は、第1図の第1,第2の旋回スクロール3,4の
旋回運動に伴つて発生する遠心力W1,W1′とその反作用
力W2,W2′を説明するための模式図である。第6図にお
いて、50は回転軸、51,52は回転軸受、53,54は旋回軸
受、55,56は偏心荷重である。偏心荷重55の遠心力W1
反作用力W2は、回転軸50の中点O0から左側の旋回軸受53
と回転軸受51に作用する。同様に、偏心荷重56の遠心力
W1′と反作用力W2′は、回転軸50の中点O0から右側の旋
回軸受54と回転軸受52に作用する。偏心荷重55と56の各
遠心力W1,W1′と反作用力W2,W2′は、回転軸50の中点
O0に対して点対称であり、互いに相殺できる。
以上述べたように、遠心力W1,W1′と反作用力W2
W2′は、回転軸50を介して互いに相殺され、回転軸受5
1,52の外側には、ほとんど影響を及ぼさない。それ故、
本発明のスクロール流体機械1では、密閉容器への変動
荷重が小さくなり、さらに、スクロール流体機械全体の
振動も小さくなるから、スクロール流体機械の低振動,
低騒音化を実現できる。
第7図は、第1図に示すスクロール流体機械1の自転
防止機構の構造を示し、第7図において、57は旋回スク
ロール、58はリング部材、59はリング部材の固定キー
部、60はスライドキー、61はスライドキーの切欠き部、
62は側板部材、63は側板部材の円板部、64はスライド
溝、65は回転軸受用の凹みである。本発明のスクロール
流体機械1の自転防止機構は、旋回スクロール57の背面
に取付けたリング部材58の固定キー部59に、スライドキ
ー60の切欠き部61を連結,係合し、さらに、このスライ
ドキー60を側板部材62のスライド溝64に摺動可能なよう
に嵌入する。旋回スクロール57が、中心軸O1−O2の周り
を半径εで偏心回転すると、旋回スクロール57と側板部
材62の連結機構により、旋回スクロール57の自転運動が
拘束されるため、旋回スクロール57は、中心軸O1−O2
周りを公転しながら旋回運動する。側板部材62の円板部
63には、スライド溝64設け、該スライド溝64にスライド
キー60が摺動できるように、スライドキー60を嵌入して
あるとともに、凹み65には回転軸受を取付ける。
自転防止機構の動きを具体的に説明すると、先ず、ス
ライドキー60は、側板62のスライド溝64に嵌入され、そ
れぞれ上下、または左右方向にだけ摺動することができ
る。また、旋回スクロール57の背面に固定したリング部
材58の固定キー部59は、前記スライドキー60の切欠き部
61と係合,連結しているため、スライドキー60の摺動方
向と直角方向にだけ摺動する。そして、固定キー部59と
スライドキー60の動きにより、旋回スクロール57の回転
運動だけが拘束される。
第8図は、本発明のスクロール流体機械の全体の構成
を示すもので、スクロール流体機械の全体縦断面を示
す。第8図のスクロール流体機械1は、密閉容器66の内
部に電動モータ67とスクロール構造68を収納し、低圧の
ガス流体69をスクロール構造68によつて圧縮し、高圧の
ガス流体70として吐出するためのものである。第8図の
スクロール流体機械1では、密閉容器66の内部を吐出ガ
スの高圧圧力とし、さらに、スクロール構造68を潤滑油
71中に浸漬し、スクロール構造68内部と吐出ガスの圧力
差を利用して軸受部に潤滑油71供給することができる。
また、スクロール構造68で圧縮されたガス流体69は、密
閉容器66の内部を循環する際に電動モータ67を冷却す
る。
第9図は、本発明のスクロール流体機械の第2実施例
における、スクロール流体機械の縦断面図を示す。
第9図において、1は本発明のスクロール流体機械、
2は固定スクロール、3,4は第1及び第2の旋回スクロ
ール、5は偏心軸部を有する回転軸、6,7は導閉容器の
側壁面を構成する側板部材、8は低圧ガス流体、9は高
圧ガス流体である。第9図に示すスクロール流体機械
は、第1図のものと同様、気密空間14,17内で低圧のガ
ス気体8を圧縮し、高圧のガス流体9を吐出するための
ものである。本実施例は、高圧のガス流体9を固定スク
ロール2に中央部分から回転軸5の中心に導入し、密閉
容器の側板部材6の貫通穴76から吐出する構造である。
また、第8図に示すように、本実施例のスクロール流体
機械を組立てるならば、密閉容器66の外部は吐出ガスと
同じ高圧圧力となる。それ故、この密閉容器66を潤滑油
71中に浸漬したならば、スクロール構造68内部と吐出ガ
スの圧力差を利用して軸受部に潤滑油71供給することが
できるから、機械的摩擦損失を少なくかつ確実な気密シ
ールを行うことができる。
第9図に示したスクロール流体機械1において、本実
施例のスクロール流体機械の具体的な動作状況について
説明する。第1及び第2の旋回スクロール3,4の中心部
に貫通状に嵌合された回転軸5を回転駆動すると、旋回
スクロール3,4は、偏心軸部21,23を介して、回転軸5の
中心軸O1−O2の周りを旋回運動する。低圧ガス流体8
は、密閉容器の外周部から貫通穴72,73を通して、スク
ロールの気密空間14,17吸入される。この気密空間14,17
は、旋回スクロール3,4の旋回運動により、旋回スクロ
ール3,4の外周から中央に向かつて、回転軸5の中心軸O
1−O2の周りを順次移動しながら圧縮される。この低圧
ガス流体8は、気密空間14,17内で圧縮されて高圧気体
となり、高圧ガス流体9として固定スクロール2の中央
部分74から回転軸5の穴75,密閉容器の側板部材6の貫
通穴76を通して、密閉容器の外へ吐出される。
また、旋回スクロール3,4に取付けた固定キー37は、
固定スクロール2に摺動可能に嵌合されたスライドキー
36と係合され、両部材により、旋回スクロール3,4の自
転防止機構を構成する。
第9図のスクロール流体機械では、第1図のものと同
様に、密閉空間14,17による軸方向の圧縮ガス反力は、
固定スクロール2の両面に作用し、しかも、その力は、
大きさが同じでかつ反対方向となる。それ故、旋回スク
ロール3,4の圧縮ガス反力は、固定スクロール2を介し
て、互いに相殺できる。また、旋回スクロール3,4に働
く遠心力は、回転軸5の中心部O0に対して、点対称の位
置に作用する。従つて、旋回スクロール3,4に働く遠心
力も、密閉容器内で、回転軸5を介してほぼ相殺され
る。さらに、旋回スクロール3,4の端板10,11の一部に、
その正面から背面に貫通するように貫通穴18を設け、圧
縮過程の途中の中間ガス圧力を背面側の気密空間19に導
入し、この気密空間19の中間ガス圧力により、旋回スク
ロール3,4を固定スクロール2側に押付けて、固定スク
ロール2と旋回スクロール3,4の間を確実に気密シール
する。この際、旋回スクロールの背面の押付け力は、旋
回スクロール内で発生する圧縮ガス反力よりも大きく、
それ故、押付け力が密閉容器の側壁を押す。
このように、旋回スクロール3,4が旋回運動すると、
固定スクロール2の外周部の吸入穴72,73より吸入され
た低圧のガス流体8が、旋回運動に伴つて圧縮され、最
後は、固定スクロール2の中央部の吐出穴74,75,76よ
り、高圧ガス流体9として吐出される。さらに、この押
付け力は密閉容器の両側壁で相殺され、回転軸5には、
一切、スラスト力(軸方向に加わる力)が生じない。
第10図は、第9図に示すスクロール流体機械1の吐出
部の構造を説明したものであり、固定スクロールの中央
の一部分を示す。第7図において、77は旋回スクロール
の中央のラツプ歯部の一部断面、78は固定スクロールの
一部に設けた吐出穴である。本発明のスクロール流体機
械1では、旋回スクロールの中心O3が、固定スクロール
の中心O0の周りを半径εで旋回運動するから、旋回スク
ロールのラツプ歯部77も同様に、中心O0の周りを公転運
動する。第10図(I)は、吐出穴78が最も開いた状態で
あり、旋回スクロールのラツプ歯部77が吐出穴78を覆わ
ないから、吐出流路が開通している状態を示す。反対
に、第10図(II)は、吐出穴78が最も閉じた状態であ
り、旋回スクロールのラツプ歯部77が吐出穴78を覆い、
吐出流路を完全に閉じている状態を示す。旋回スクロー
ルの中心O3が、中心O0の周りを旋回運動すると、吐出穴
78の開口度が、第10図(I)から第10図(II)へ、順次
減少し、さらに、第10図(II)から第10図(I)へ、順
次増加する。このようにして、スクロール機構の吐出状
態が、旋回スクロールの旋回運動によつて制御できる。
尚、上述の説明では本発明の流体機械を圧縮機として
使用した例について述べたが、本発明の流体機械はポン
プとしても運用できることは自明である。また、旋回ス
クロール2,3を逆回転させれば膨張機としても使用でき
る。
〔発明の効果〕
本発明のスクロール流体機械1は、以上説明した構
成,作用のもので、本発明によれば、第1,第2のスクロ
ール構造を互いに偏心位置に設けた回転軸を介して同じ
方向に回転させる型式を採用しているので、高速回転用
および大型化として優れた効果を有する。
また、本発明のスクロール流体機械1は、面対称の旋
回スクロール3,4を公転させることにより、旋回スクロ
ールと固定スクロールによつて形成した密閉空間14,17
の容積を変化させ、ガス気体を圧縮(または膨張)する
ための圧縮機(または膨張機)である。しかも、各々の
密閉空間14,17内で発生する圧縮ガス反力は、固定スク
ロール2を介して、密閉容器内で互いに相殺され、スク
ロール流体機械1の外部にスラスト力が働かない。従つ
て、本発明の流体機械では、スラスト軸受が不要、若し
くは、小型の軸受にすることができ、構成の簡単化およ
び寸法の小型化ができるという優れた効果を奏する。
さらに、本発明のスクロール流体機械1では、旋回ス
クロール3,4の旋回運動に伴う遠心力が回転軸5を介し
て互いに相殺されるから、回転軸5周りの力の釣合いが
よい。また、本発明の流体機械1は、回転軸の軸受構造
が両端支持構造であり、旋回スクロール3,4の偏心荷重
も両端支持軸受の間に存在する。しかも、これらの偏心
荷重は、回転軸5を介して互いにほぼ相殺される。それ
故、本発明のスクロール流体機械1は、回転が安定で、
振動が少なく、さらに、高速回転が可能である。
上述の説明からも明らかなように、本発明によれば、
1個の固定スクロールと2個の旋回スクロールで形成す
る2つの気密空間14,17の圧縮ガス反力が、旋回スクロ
ール背面の気密空間19の押付け力によつてほぼ相殺さ
れ、さらに、これらの力の作用線が一致しているので、
余分なスラスト軸受を必要としないばかりか、軸方向反
力によつて生じる旋回スクロールと固定スクロールの機
械的摩擦損失をできるだけ小さくすることができ、効率
の高いスクロール圧縮機を実現できる優れた効果を奏す
るものである。
また、本発明では、第1の旋回スクロール2の遠心力
と、これに対抗する第2の旋回スクロール3の遠心力
が、回転軸5を介して相殺されるため、振動が少なく、
安定な回転を実現できるとともに、2個の遠心力が非常
に接近しているから、これらの遠心力による回転モーメ
ント及び反作用力も小さくなる。さらに、2個の遠心力
が作用する回転軸5は、密閉容器側面に取付けた2個の
回転軸受により、両端支持されているから、回転軸5の
回転は、安定,確実,低振動,低騒音である。さらに、
回転軸5の回転が、低振動かつ安定であれば、旋回スク
ロールと固定スクロールの接触が安定かつ確実となるか
ら、第1,第2のスクロール構造では、軸方向に適正かつ
最小のシール圧を付与でき、その結果、旋回スクロール
と固定スクロールの機械的摩擦損失を小さくできる。そ
れ故、本発明のスクロール流体機械1は、高効率および
高信頼化を図りうる効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一実施例のスクロール流体機械の断
面構造図、第2図と第3図は夫々第1図のA−A′断面
における旋回スクロールと固定スクロールの断面図、第
4図は本発明の回転軸の外観図、第5図は本発明のスク
ロール流体機械におけるスクロール動作説明図、第6図
は本発明の回転軸における荷重状況の説明図、第7図は
本発明のスクロール流体機械における自転防止機構の構
造説明図、第8図は本発明のスクロール流体機械の全体
構造断面図、第9図は本発明の第二実施例のスクロール
流体機械の断面構造図、第10図は本発明の吐出部分の構
造の一実施例を示す断面図である。 1……スクロール流体機械、2……固定スクロール、3,
4……旋回スクロール、5……回転軸、6,7……側板部
材、8……低圧ガス流体、9……高圧ガス流体、14,17
……気密空間、18……貫通穴、19……気密空間、21,23
……偏心軸部、25,26……回転軸受、27,28……偏心軸
受、30,31……シール部材。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板の両面にスクロール用ラップ歯部を有
    する固定スクロール、該固定スクロールの歯部と係合す
    るラップ歯部を有する旋回スクロール、これらのスクロ
    ール部材を互いに係合し、2気筒のスクロール構造を有
    するスクロール流体機械において、 前記固定スクロール側をそれぞれ結合し、それぞれの吸
    入部と吐出部を備え、かつ、前記2気筒のスクロールラ
    ップ歯部の渦巻開始位置が互いに半回転ずれるように配
    置したことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】1個の固定スクロールの両面にスクロール
    用ラップ歯部を形成し、該固定スクロールのラップ歯部
    とそれぞれ係合するラップ歯部を有する2個の旋回スク
    ロールを互いに係合した状態で1個の密閉容器内に収納
    して、2気筒のスクロール構造を有するスクロール流体
    機械を構成し、かつ、前記の旋回スクロールの自転防止
    構造を旋回スクロールの背面に対向配置したことを特徴
    とするスクロール流体機械。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載のスクロール流
    体機械において、旋回スクロールの一部にラップ歯面
    (正面)から背面へ貫通する貫通穴を設け、該貫通穴を
    通して圧縮過程の中間圧力を旋回スクロールの背面に導
    入し、旋回スクロール背面からの中間圧力により、前記
    旋回スクロールと固定スクロールの間に気密空間を形成
    したことを特徴とするスクロール流体機械。
  4. 【請求項4】固定スクロールの中央部分に、回転軸の貫
    通穴と連通する切欠き部分を設け、さらに、旋回スクロ
    ールのラップ歯面が、旋回スクロールの旋回運動にとも
    なって、前記の切欠き部分を開閉できるように構成した
    ことを特徴とするスクロール流体機械。
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