JP2914875B2 - セラミックスピースの溶接固定法及びセラミックスピース - Google Patents

セラミックスピースの溶接固定法及びセラミックスピース

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアークスタッド溶接によ
り金属母材の表面にセラミックピースを取り付ける方法
及びそれに供するセラミックピースに関する。
【0002】
【従来の技術】金属母材にセラミックスの耐熱性保護層
を設けることにより、炉壁、バーナ、羽口等の高温雰囲
気で使用される構造材を得ている。或いはセラミックス
の耐磨耗性を活用し、ブロアー、ポンプ等の高速回転機
器のライニングとしている。
【0003】最近、このセラミックス層の形成を現場で
簡単に行うものとして、一定形状のピースに成形したセ
ラミックスを溶接、ろう付け等の手段によって取り付け
る方法が提案されている。
【0004】例えば、昭62−2248号公報において
は、溶接用セラミックピースとして、コーン部に続くフ
ランジ部を設け、且つフランジ部にピンを一体的に成形
又は金属接合したスタッドのピン部を、セラミックピー
ス本体に設けた孔部に挿入している構造を提案してい
る。
【0005】しかし、この構造では、ピンがセラミック
スピースの表面に露出しているため、例えばアルミの溶
湯容器の内張り使用した場合、ピンが溶損してセラミッ
クスピースの孔部からアルミが浸透して、コーン部が溶
損しセラミックスピースが母材から剥離する原因となっ
ていた。
【0006】またセラミックスピースの表面に露出して
いる金属部はセラミックスに比べ摩耗速度が速くセラミ
ックスピースの寿命を短くしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 従来のセラミックスピースは溶接後折り取ったピンが
セラミックスピースの表面に露出して、例えばアルミの
溶湯容器の内張り使用した場合、ピンが溶損してセラミ
ックスピースの孔部からアルミが浸透して、コーン部が
溶損しセラミックスピースが母材から剥離していた。
【0008】図7に示す従来タイプのセラミックスピ
ースの溶接固定法ではセラミックスピースの表面にピン
と金属板が広い面積で露出し金属部分が磨耗してセラミ
ックスピースを保持出来なくなり耐摩耗ライニング材と
しての寿命が短かった。
【0009】図7に示す従来タイプのセラミックスピ
ースの溶接固定法ではセラミックピースのスタッド溶接
用ピンを通す孔に段付き部ができるため応力集中が発生
しこの部分から割れ易く強度不足になっていた。
【0010】図7に示す従来タイプのセラミックスピ
ースの溶接固定法ではピンと金属板をろう付けしている
ため、ろう付けの温度以上の環境ではピンと金属板が分
離しセラミックスピースが母材から剥離し使用できなか
った。
【0011】図7に示す従来タイプのセラミックスピ
ースの溶接固定法ではピンと金属板をろう付けするた
め、ろう付けの温度に昇温する必要があり製作工程が長
く燃料や手間がかかりコストが高い等の問題点があっ
た。
【0012】本発明は以上の5点を解決したセラミック
スピースの溶接固定法およびそのセラミックスピースを
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1はセラミッ
クスピースに貫通したネジ孔を設け、該孔にネジ部を設
けたスタッド溶接用ピンをねじ込んで、セラミックピー
スとスタッド溶接用ピンを一体化して、該スタッド溶接
用ピンを溶接してセラミックピースを固定するセラミッ
クピースの溶接固定法であり、第2はネジ部を設けたス
タッド溶接用ピンのネジ部の途中に括れ部を設けるとと
もに、スタッド溶接後該スタッド溶接用ピンをセラミッ
クピースのネジ孔の途中で切断し、空隙部にセラミック
のネジをねじ込んで、空隙部を埋めるセラミックピース
の溶接固定法。又スタッド溶接用ピンの前半部にはネジ
部を設け、後半部はネジ底の径よりも細いストレート部
を設けネジ部とストレート部の境にくびれ部を設け、ス
タッド溶接後くびれ部から後半部を切断し、空隙部にセ
ラミックのネジをねじ込んで、空隙部を埋め金属部が露
出しないようにしたセラミックピースの溶接固定法を含
み、更にセラミックスピースに貫通したネジ孔を設け、
該ネジ孔にセラミックスピースの厚みよりも短いスタッ
ド溶接用ピンをねじ込んで、セラミックピースとスタッ
ド溶接用ピンを一体化して、該スタッド溶接用ピンにス
タッド溶接ガンを直接押し当てて該スタッド溶接用ピン
を溶接してセラミックピースを固定した後、空隙部にセ
ラミックのネジをねじ込んで空隙部を埋め金属部が露出
しないようにしたセラミックピースの溶接固定法であ
る。更に少なくとも一個のネジ孔を設けたセラミックス
片に該ネジ孔に縲合し、且つセラミックス片の厚みより
薄いスタッド溶接ピンあるいはスタッド溶接ピンにセラ
ミックス片の厚みより薄い位置に括れ部をもうけたセラ
ミックピースにある。
【0014】
【作用】セラミックスピースに貫通したネジ孔を設け、
該孔にネジ部を設けたスタッド溶接用ピンをねじ込ん
で、セラミックピースとスタッド溶接用ピンを一体化し
て、該スタッド溶接用ピンを溶接してセラミックピース
を固定するセラミックピースの溶接固定法であり、セラ
ミックスピースに設けたネジ孔にスタッド溶接用ピンの
ネジをねじ込むのでセラミックスピースとスタッド溶接
用ピンにガタが生じないようしっかり固定できる。しか
も接合強度が高い。また、ネジ固定なのでヒートサイク
ルに強い。
【0015】第2の特徴は溶接後不用なピンの折り取り
を容易にするために、ピンに設けた断面積減少部をセラ
ミックピースの表面より内側に設けた事により、ピンの
不用部を折り取った後の空隙部に、耐摩耗材、耐熱材を
充填して、金属部を被覆しアルミが浸透して、コーン部
が溶損しセラミックスピースが母材から剥離する事を防
止でき、前記の作用にこの被覆耐磨耗効果が相乗され優
れた効果がえられる。
【0016】また、ネジ部を設けたスタッド溶接用ピン
のネジ部の途中に括れ部を設けるとともに、スタッド溶
接後該スタッド溶接用ピンをセラミックピースのネジ孔
の途中で切断し、空隙部にセラミックのネジをねじ込ん
で、空隙部を埋めたセラミックピースの溶接固定法であ
るために前記の作用がより顕著に発現できる。
【0017】特にピンの不用部を折り取った後の空隙部
に耐摩耗材、耐熱材を充填して、金属部を被覆し耐磨耗
性の向上、セラミックスピースが母材から剥離の防止お
よびセラミックスピースと同じ耐摩耗性が確保できる。
【0018】
【実施例】本発明の実施例は図1に示すようにセラミッ
クスピース1にスタッド溶接用ピン2の縲合するネジ部
3を介してセラミックスピース1とスタッド溶接用ピン
2が一体に縲合してある。このスタッド溶接用ピン2の
先端には溶接スタット4が設けてある。
【0019】また、図6は図1のスタッド溶接用ピン2
の先端に直接に溶接突起5を設けてある。
【0020】更に図2はスタッド溶接用ピン2の一部に
括れ部6を設けたもので、図3はこの図2のスタッド溶
接用ピン2を括れ部6で欠損し、この部位に盲栓7を一
体に縲合したものである。図3は母材に溶接した状態を
示す。
【0021】図4および図5はスタッド溶接用ピン2の
先端部にのみネジ部3を設けて、溶接スタット4をセラ
ミックスピース1に固定したもので、図4はスタッド溶
接用ピン2から通電して溶接する方法であり、図5は括
れ部6のない短いスタッド溶接用ピン2から直接に通電
して溶接するものである。ここで8はスタッド溶接機械
である。
【0022】このようなセラミックスピース1の厚みを
3〜50mmで正方形、長方形の形に加工した。また、
材質はジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等各種のものが
ありセラミックスピース1の中央部にネジ部3を設けて
このネジ部3に各種のスタッド溶接用ピン2を一体に縲
合して電流を流して溶接した。
【0023】溶接条件 電流値 1000〜20000A、4000〜6000
Aが最適 電圧 100〜300V、150〜180Vが最適 通電時間 0.5秒
【0024】スタッド溶接用ピンと金属母材は密着し、
セラミックピースにガタ付きは発生しなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明を用いることにより以下の効果が
達成できた。 金属部が露出しないので摩耗や溶融アルミに対する寿
命が長くなる。 腐食性気体、液体から母材を保護することができる。 充分な接合強度を得られる。 母材とセラミックピースの間隙を無くすることができ
る。 セラミックスピースと盲栓をネジ止めしているので気
密性が高く溶融アルミが進入しにくくなる。 溶接後のセラミックピースと母材の隙間を、スタッド
溶接用ピンとセラミックスピースのねじ込み長さを設定
することにより調整できる。即ちセラミックスピースと
母材の隙間を零にもできるし緩衝材を敷くための隙間を
確保することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックスピースにスタッド溶接用ピンをね
じ込んだ断面図。
【図2】スタッド溶接用ピンに括れ部を設けてセラミッ
クスピースにねじ込んだ断面図。
【図3】スタッド溶接用ピンの括れ部を折り取ってセラ
ミックスの盲栓をねじ込んだ断面図。
【図4】スタッド溶接用ピンの前半部にネジ部を設け後
半部は前半部よりも細い径のストレート部を設け更に前
半部と後半部の境界部に括れ部を設けたスタッド溶接用
ピンをセラミックスピースにねじ込んだ断面図。
【図5】セラミックスピースの厚みよりも短い軸にネジ
部を設けたスタッド溶接用ピンをセラミックスピースに
ねじ込んで母材に溶接するときの模式図。
【図6】スタッド溶接用ピンの先端部にフランジ部を設
けず直接スタッド溶接用突起を設けたスタッド溶接用ピ
ンをセラミックスにねじ込んだ断面図。
【図7】従来タイプのセラミックスのスタッド溶接用の
ピース。
【符号の説明】
1 セラミックスピース 2 スタッド溶接用ピン 3 ネジ部 4 溶接スタット 5 溶接突起 6 括れ部 7 盲栓 8 母材 9 スタッド溶接用ガン 10 金属板 11 隙間a 12 ろう付け 13 くびれ部a 14 スタッドピン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスピースに貫通したネジ孔を
    設け、該孔にネジ部を設けたスタッド溶接用ピンをねじ
    込んで、セラミックスピースとスタッド溶接用ピンを一
    体化して、該スタッド溶接用ピンを溶接してセラミック
    スピースを固定する事を特徴とするセラミックスピース
    の溶接固定法。
  2. 【請求項2】 ネジ部を設けたスタッド溶接用ピンのネ
    ジ部の途中に括れ部を設けるとともに、スタッド溶接後
    該スタッド溶接用ピンをセラミックスピースのネジ孔の
    途中で切断し、空隙部にセラミックのネジをねじ込ん
    で、空隙部を埋めたことを特徴とするセラミックスピー
    スの溶接固定法。
  3. 【請求項3】 スタッド溶接用ピンの前半部にはネジ部
    を設け、後半部はネジ底の径よりも細いストレート部を
    設けネジ部とストレート部の境にくびれ部を設け、スタ
    ッド溶接後くびれ部から後半部を切断し、空隙部にセラ
    ミックのネジをねじ込んで、空隙部を埋め金属部が露出
    しないようにしたことを特徴としたセラミックスピース
    の溶接固定法。
  4. 【請求項4】 セラミックスピースに貫通したネジ孔を
    設け、該ネジ孔にセラミックスピースの厚みよりも短い
    スタッド溶接用ピンをねじ込んで、セラミックスピース
    とスタッド溶接用ピンを一体化して、該スタッド溶接用
    ピンにスタッド溶接ガンを直接押し当てて該スタッド溶
    接用ピンを溶接してセラミックスピースを固定した後、
    空隙部にセラミックのネジをねじ込んで空隙部を埋め金
    属部が露出しないようにしたことを特徴としたセラミッ
    クスピースの溶接固定法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一個のネジ孔を設けたセラミ
    ックス片に該ネジ孔に縲合し、且つセラミックス片の厚
    みより薄いスタッド溶接ピンあるいはスタッド溶接ピン
    にセラミックス片の厚みより薄い位置に括れ部をもうけ
    たセラミックスピース。
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JP6711253B2 (ja) * 2016-12-02 2020-06-17 トヨタ自動車株式会社 異種部材接合方法

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