JP2914717B2 - 連続的加熱溶解装置 - Google Patents

連続的加熱溶解装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属や鉱石等の被溶解材を連続的に加熱溶
解して所望温度の溶湯を連続的に得ることのできる溶解
装置に関する。
[従来の技術] 鋳鉄の溶解装置としては、キュポラ及び、るつぼ型誘
導炉がよく知られており広く利用されている。キュポラ
は精錬された良質の金属溶湯(以下、溶湯と略称)が連
続的に得られる連続溶解炉であり、誘導炉は細かい材料
も使用できる成分調節が容易な間欠溶解炉である。これ
らは、それぞれ一長一短があり、現在ではこれら両者を
併用した二重溶解法も広く用いられている。
なお、この種の技術に関連するものとしては、例え
ば、特公昭52−48564号公報が挙げられる。
[発明が解決しようとする課題] キュポラはコークスを高温燃焼させるために、炉内に
大量の空気を吹き込む必要があり、したがって炉内のガ
ス流速が大きく、例えば、銑ダライのような細かい材料
は酸化されたり溶融する前にガスの流れによって溶解装
置外に排出されるため溶解困難である。また、材料を加
熱溶融する熱源はコークスの燃焼によるため高温にする
には不完全燃焼が伴い、特に1,500℃以上の出湯温度を
得るためには効率が下がり温度制御も困難である。
一方、誘導炉は単なる材料の誘導加熱のみで溶解を行
うため精錬効果は望めない。また、基本的に間欠溶解法
であり連続的な鋳造装置に溶湯を供給するには不便であ
るという問題点がある。
また、従来の技術に挙げた特公52−48564号公報で
は、キュポラの上部に誘導コイルを設置して材料を加熱
しようとしているが、コークス層の加熱は何ら考慮され
ておらず、従って大量の空気を吹き込む為の不利、高温
を効率良く得るための方策については改善されていな
い。
つまり、誘導炉と燃焼炉を併用した上記従来の溶解法
は、低温部加熱に電磁誘導加熱を、そして高温部加熱に
燃焼加熱を行う連続溶解技術に関する提案であるが、以
下に述べるような問題点があり、実用レベルに達してい
ない。
すなわち、この種の従来技術においては、溶解材料が
投入される炉内上部の低温部加熱において誘導加熱が用
いられているが、流動する被溶解材である金属材料のみ
を誘導加熱するいわば予備加熱手段として用いるもので
あり、電力での予備加熱は経済的に高価であり実用的で
ない。また、炉内下部に位置する高温部加熱は、コーク
スによる燃焼方式であるため、コークスの不完全燃焼に
よるCOの生成に伴う効率の低下、大量の排ガス発生に伴
う装置の大型化と公害防止対策の必要性、細かい被溶解
材料がガス流で飛散し溶解困難となる点、さらには燃焼
に伴い、ガス中の酸素による金属の酸化が起こり、十分
な還元が進行せず、酸化物がスラグとなるといった問題
があった。
また、電磁誘導加熱の他の方法として、例えば特開昭
50−75977号公報にみられるように、誘導加熱炉内にコ
ークスを積層しておき、これを電磁誘導加熱により加熱
し、この加熱されたコークス上に鉄スクラップを投入し
て溶解し鉄を連続的に溶解する溶解方法が知られてい
る。しかし、炉床から取り出す出湯の温度管理の重要性
については全く配慮されていなかった。そのため、出湯
の温度が変動して高品質の溶湯を連続的に得られないと
いう問題があった。
したがって、本発明の目的は、上記従来の問題点を解
消することにあり、特に出湯の温度を所望の一定温度に
管理でき、高品質の溶湯が連続的に容易に得られる改良
された電磁誘導加熱による連続的加熱溶解装置を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明の連続的加熱溶解装
置は、底部に出湯口が設けられ、上部に被溶解材投入口
が設けられた炉と、この炉の周囲に巻回された電磁コイ
ルと、この電磁コイルに電力を供給する電力供給装置と
を備え、前記炉の底部上に炭素材及び導電性のある耐火
物のうちの少なくとも一方の加熱媒体となる積層材料を
載置し、この積層材料上に被溶解材を投入することによ
ってこの被溶解材を溶解する連続的加熱溶解装置におい
て、 前記電力供給装置が前記電磁コイルに供給する電力を
一定にするべく前記電力供給装置を制御する電力供給装
置制御手段と、 電磁コイルに供給された一定電力によって前記電磁コ
イル高さ内に積層された加熱媒体となる積層材料及び被
溶解材がそれぞれ発熱する熱量の比率が一定値になるよ
うな前記電磁コイルに生じる電気量の基準値を設定する
手段と、 前記被溶解材の溶解にしたがって変動する前記電磁コ
イルに生じる電気量を検出し、これを前記基準値と比較
し、この検出された電気量がこの基準値から外れたとき
出力信号を発生する手段と、 前記出力信号に基づいて前記検出された電気量が前記
基準値となるように被溶解材を被溶解材料供給手段から
炉内に投入する手段とを備えた連続的加熱溶解装置から
成り、これによって前記出湯口から流出する溶湯の温度
を所定温度に調節するように構成することを特徴として
いる。
そして好ましくは、上記被溶解材を供給する被溶解材
供給手段には、被溶解材をホッパーから取り出す手段が
設けられ、上記電磁コイル電圧が上記基準電圧より大き
い場合には取り出す手段を動作させ、逆に小さい場合に
は取り出し手段の動作を停止させる機能を有しているこ
とである。
また、上記被溶解材投入口の上方には、上記炉内に投
入される被溶解材を予熱する予熱手段を備えることが望
ましく、この予熱手段としては例えばバーナを含む予熱
装置で構成される。
上記取り出し手段の好ましい例は、被溶解材の種類に
対応させて複数個備えられて複数種類の被溶解材をそれ
ぞれ取り出す構成を有しており、上記被溶解材供給手段
は更にこれら複数種類の被溶解材のそれぞれを秤量する
複数個の秤量装置を有しており、上記制御手段は、これ
ら秤量装置からの秤量データを受領する演算装置を含
み、この演算装置は各秤量データを積算すると共に、そ
れらの積算量の配合比率が所定の範囲内にあるか否かを
判断して、任意の被溶解材の積算値がこの所定の範囲を
越えた場合に、その被溶解材の取り出し作業を停止させ
るべく、取り出し手段を制御する構成を備えていること
である。
また、上記電力供給装置としては、電圧変換装置を含
み、この電圧変換装置は電磁コイルに供給される高周波
電圧を、それに対応した低い直流電圧に変換して上記電
圧比較装置に与えるよう構成されている。
上記被溶解材供給手段は、被溶解材を上記炉に運搬し
て供給するための投入装置を有しており、この投入装置
はベルトコンベア及び振動コンベアの何れか一方で構成
することができる。また、この取り出し手段は、リフテ
ィングマグネットで構成してもよいし、移動ホッパーで
構成することもできる。
[作用] 発熱媒体となる炭素材又は導電性のある耐火物は金属
に比較して電気抵抗が大きいが、例えば、約5,000μΩc
mの固有抵抗を有するコークスは高周波誘導加熱にて充
分加熱できることから、被溶解材、例えば金属を溶解す
るための誘導加熱量の一部を炉底部に充填されたコーク
スに与えることにより、空気が全く存在しない雰囲気
で、従って燃焼を利用しないで、このコークスを加熱媒
体として金属溶解に必要な温度にまで加熱することがで
きる。
この方法は燃焼法と異なり酸素・窒素の殆ど存在しな
い高温の雰囲気を作ることができるとともに、コークス
に与える加熱量の比率を変えることにより温度を制御す
ることができる。
具体的には炉内の誘導加熱領域内のコークスの量と金
属の量との比率を一定に保つことにより、このコークス
と金属が吸収する電力の比率を一定にして溶解速度に関
係なく一定の温度の雰囲気を得ることができる。例え
ば、コークスに誘導加熱量の20〜50%を与え、残りの80
〜50%を金属に与えることにより、この雰囲気中に溶融
した金属を滴下接触させて加熱・精錬を行うことがで
き、銑ダライのような酸化され易い材料を使用しても殆
どスラグを発生させることなく一定温度で溶解すること
ができる。
なお、発熱媒体としての炭素材はいずれのものでも使
用できるが、固有抵抗3,000μΩcm未満のコークスは価
格が高く経済的に見合わないばかりか、黒鉛化が進んで
いるため溶解した金属(例えば鋳鉄)中の炭素が多くな
り過ぎ、また、10,000μΩcm超過のコークスは加熱する
のが困難なため固有抵抗は3,000〜10,000μΩcmのもの
を使用するのが好ましい。
また、本発明装置の炉は連続溶解装置であるため材料
の予熱が連続的に効率良く行えることも特長である。な
お、本発明の電磁誘導加熱においては、予熱による加熱
量を含めた全加熱量に対し、加熱媒体となる炭素材部分
への誘導加熱量の割合を20%未満にすると、溶融後の加
熱量が減少するため出湯する溶湯の温度が1,400℃未満
と低くなり過ぎ、逆に50%を越えると溶融後の加熱量が
増加して1,600℃を越え、過熱を引き起こす。このた
め、出湯温度を1,400〜1,600℃に設定したい場合には、
炭素材部分への誘導加熱量の割合を上述のごとく20〜50
%の範囲とするのが実用上好適な運転条件となる。
さらに電磁コイルに電力を供給するための高周波エネ
ルギーの電源出力100kW未満、周波数5,000Hz超過では装
置が小さくなり過ぎ、また出力10,000kW超過、周波数50
0Hz未満では、装置が大きくなり過ぎる傾向にある。し
たがって、鋳鉄溶解の場合には、電源出力100〜10,000k
W、周波数500〜5,000Hzの範囲で行なうのが望ましい。
また、作業開始時には炉が充分加熱されていないため
出湯温度が低くなる傾向にあるがこの場合には出湯口を
一時的に閉鎖し、予め銑ダライの如き金属材料を投入
し、炉内に溶融金属を溜め、この金属を誘導加熱するこ
とにより、温度を上げることができる。
なお、誘導加熱において、高周波エネルギー印加手段
(電源)と誘導加熱用電磁コイルとの間に高周波エネル
ギー制御手段を接続することは、出力変動を安定化する
上で有効である。つまり、炉内に被溶解材を投入する
と、その材質及び投入状態によりコイルのインピーダン
スが変動するが、この変動分を、この制御手段の電圧ま
たは電流変動で安定に補償し、出力等を一定にするもの
である。
[実施例] 以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明する。
第1図は本発明の連続的加熱溶解装置の全体構成を、
第2図は誘導加熱部の断面構造をそれぞれ模式的に示し
ている。はじめに連続的溶解装置の全体構成について説
明し、それに続いてこの装置を用いた実際の溶解例につ
いて説明する。
(1)溶解装置の構成 炉12は、炉底部13に開閉自在の出湯口5が設けられ、
上部に被溶解材投入口11が設けられた、ほぼ円筒上の耐
火材4で構成されている。耐火材4の内径は400mm、高
さは700mmである。被溶解材投入口11の上方には、一般
のガス、又は液体燃料を使用するバーナ14を備えた環状
の予熱手段8が備えられている。
また、この予熱手段8を通して被溶解材投入口11に被
溶解材2を供給するための供給手段6が予熱手段8の上
方に配設されている。この供給手段6については、後に
第3図及び第4図を参照して詳細に説明する。炉12の耐
火材4の外周には、電磁コイル3が、炉12の軸線のまわ
りに巻回された形態で備えられている。この電磁コイル
3には高周波エネルギー印加手段、すなわち電源9から
電力制御装置110を介して電力が供給される。
電源9と材料供給手段6との間には高周波エネルギー
を制御するための制御手段10が介在されている。この制
御手段10は、炉内に投入した被溶解材2の溶解によって
生じる電磁コイル3のインピーダンス変動分を電圧変動
で補償する高周波エネルギー制御手段である。
電源9からの高周波エネルギーの周波数は3,000Hzで
あり、出力は175kWである。出湯口5から流出する溶湯
は、容量150Kgである前炉7によって受けられる。
炉12の内部の炉底部13上には加熱媒体として炭素材1
が積層され、この炭素材1の上に材料供給手段6によっ
て被溶解材2が供給されるようになっている。炭素材1
は、例えばコークスであり、このコークスの固有抵抗は
5,000μΩcmである。被溶解材2は、例えばリターンス
クラップ4部、銑ダライ3部、電磁鋼板プレス層3部、
その化珪化鉄など少量の添加材を含んだ混合物である。
なお、被溶解材2の銑ダライと電磁鋼板プレス屑等の
細かい材料の使用比率は全溶解材2に対し、0から100
%が使用可能であるが誘導加熱、炉内雰囲気の遮断の為
には20〜60%の使用が好ましい。
(2)連続的加熱溶解の一例 上述したような連続的加熱溶解装置によって溶解作業
を開始するに当たって、先ず前回の作業後、炉12内に残
留しているコークス層の厚さを炉底部13から約250mmに
調節する。250mmに満たない場合は新しいコークスを補
給する。この時のコークスは総重量約30kg、個数約100
個、1個の最大重量は2kgであった。コークスの投入が
終了した後、電源9から電磁コイル3に電力を供給す
る。
なお、制御手段10は前述したように電磁コイル3のイ
ンピーダンス変動分を電圧変動で補償する役目を果た
す。コークス層上部のサイズの大きいコークスは効率良
く電力を吸収して発熱するが、下部のサイズの小さいコ
ークスは発熱し難いため、出湯口5から炉内のガスを吸
引し、この高温のガスでコークス層下部を加熱すること
が効果的である。
この時の電圧は1,120V、入力は82kWであった。コーク
ス層上部が約1,600℃になった時、出湯口5を塞ぎ、金
属材料として20kgの銑ダライを投入溶解し、これを炉底
部13に貯めて所定時間加熱する。この作業により炉12内
は急速に加熱され作業開始時から高温の溶湯が得られ
る。この時の電圧は1,130V、入力は136kWであった。
溶融した銑ダライが1,500℃以上になった時点で出湯
口5を開き溶湯を前炉7に入れると同時に材料供給手段
6により被溶解材2の投入を開始する。被溶解材2が投
入されるとコークス層の上部は被溶解材で閉鎖され、外
部と通じているのは出湯口5のみとなる。出湯口5も出
湯が開始されると溶湯にて閉鎖状態になるので、炉内へ
の空気の流通は実質的に遮断される。
投入された被溶解材2は、特に塊状のリターンスクラ
ップが電磁コイル3によって誘導加熱され温度上昇しな
がら下降し、最下層に到達すると下部のコークス層1か
らも熱の供給を受けて溶融する。溶融して液滴状となっ
た被溶解材2はコークスの間を縫って滴下するうちに更
に加熱され、また高温のコークスと酸素が殆ど存在しな
い還元性雰囲気とにより精錬を受けた後出湯口5より出
湯される。
なお、出力は電源9で一定に調整されているので、炉
12中の被溶解材2が減少し電磁コイル3のインピーダン
スが大きくなり電圧が1,000V(基準電圧)を越えると、
制御手段10によって制御されて、材料供給手段6より被
溶解材2が炉内に供給される。
一方、炉内の被溶解材2が増加するとそれに伴って電
磁コイル3のインピーダンスが低下し電圧が基準電圧の
1,000Vより低下すると、材料供給手段6は被溶解材2の
供給を自動的に停止し、作業中の出力、電圧はそれぞれ
約173kW、1,000Vに制御され連続溶解が維持される。
この定常状態における出湯温度は約1,450℃であっ
た。また、1トンの被溶解材を溶解するに必要な時間は
3.27時間、電力量は入力で566kWh、コークス補給量は11
kg、スラグの発生量は測定できなかったが極く微量であ
り、また、耐火材4の損傷も非常に少なかった。この実
施例の場合は、バーナ14を備えた予熱手段8を使用しな
かったが、これを使用すると、その加熱量に応じて電力
を節約し、また、出湯速度をも増加させることができ
る。しかも一般のるつぼ炉における電力の節約量が20%
以下であるのに対し、本発明において予備手段8を使用
(重油バーナを使用)したとき、電力の節約量は30%ま
で可能であった。
第1表は、炉底部に積層したコークス層1の厚さを変
化させ、且つ基準電圧1,000Vで加熱した時の、コークス
層1の厚さと入力電力との関係を示す表である(被溶解
材は供給していない)。
第2表は、基準電圧を1,000V、且つ入力電力を173kW
に保つように制御して、被溶解材2を炉内に供給して実
際に溶解したときの、コークス層1の厚さと出湯温度と
の関係を示す表である。
第2表に見るごとく、コークス層1の厚さを変化させ
るだけで出湯温度を所定温度に制御できるので、溶解が
進行し炉内の被溶解材2のレベルが低下するに応じて、
被溶解材2を投入するだけで一定温度の溶湯を得るため
の連続溶解が維持できる。
なお、実際の作業においては、後述するようにこれと
は逆にコークス層1の厚さを一定にして、所望の出湯温
度が得られるよう基準電圧を設定し、溶解が進行して炉
内の被溶解材2が少なくなり、電圧が設定値より上昇し
た場合にのみそれを補償するように材料供給手段6から
一定量の被溶解材2が自動的に炉内に投入され、その結
果、出湯口5から常時一定温度の溶湯が得られるように
連続溶解が維持される。
また、第3表に一般的なキュポラ溶解および、るつぼ
型誘導炉溶解と、本発明による連続的加熱溶解方法で得
られた鋳鉄のチル深さと含有ガス量の分析結果を示す。
なお、このときの被溶解材2の配合は鋼屑30%を含み、
出湯した溶湯の成分は炭素3.3%、珪素2.0%を含むよう
にして、ほぼ同一条件のもとで測定した。周知のとおり
鋳鉄の品質は、チル深さが浅いものほど、また、含有ガ
ス量の少ないものほど優れており、この第3表から本発
明方法が、他の溶解方法に比較していかに優れているか
明らかであろう。
以上の説明ではコークスを用いて鋳鉄を溶解する場合
について述べたが、本発明はコークスの代りに導電性の
ある耐火物(例えば、導電性セラミックス)を用いるこ
と、銅合金等の他の金属類及び鉱石類(導電性を有する
ものが望ましい)を溶解することが可能である。
なお、亜鉛等の蒸発し易い不純物を更に減らしたい場
合は、炉内に通気口を設け、不活性ガスもしくは還元性
ガスを吹き込み、積極的に不純物の蒸発を促すことも可
能である。
かかる実施例から明らかなように、本発明によれば、
ガス流動の少ない還元性の雰囲気内で被溶解材が溶解・
加熱されるため粉末状の材料を使用しても従来の酸化に
基づくスラグの発生が殆ど認められず、酸素・窒素など
のガス含有量の少ない良質の溶湯が得られる。
ここで前述したように第3図及び第4図を参照して、
被溶解材2の材料供給手段6(以下、単に供給手段6と
略称)の構成と作用及びこれと高周波エネルギー印加手
段9並びに制御手段10との関係について詳細に説明す
る。第3図は被溶解材2を炉内に投入するための供給手
段6の動作を説明するための制御系ブロック図、そして
第4図は供給手段6の構成を示す斜視図である。
第4図に示すように、供給手段6はベルトコンベア又
は振動コンベアから成る投入装置103を含み、投入すべ
き被溶解材2の必要量を計量してこの投入装置103から
被溶解材2を炉12内に投入する。すなわち、ここに例示
しかた供給手段6は、材料ホッパ201内の例えば3種の
被溶解材2をピックアップするリフティングマグネット
(200L、200M、200N)から成る取り出し手段200と、こ
れら取り出し手段によりホッパ201から取り出された3
種の被溶解材2のそれぞれを計量するための歪みゲージ
を利用した電子制御秤202(202A、202B、202C)とを有
している。
第3図に示すように、制御手段10は、高周波エネルギ
ー印加手段9から送られてくる電圧の高低を判断する電
圧比較装置105と、この判断に供する基準電圧を発生す
る基準電圧発生装置106と、各秤202(202A、202B、202
C)からの秤量データに基づき3種類の被溶解材を所定
の比率に配合するための演算装置107とを有している。
電圧比較装置105は、材料取り出し手段(200L、200
M、200N)をそれぞれ制御するための制御ライン(114、
115)を有し、基準電圧に比して、ライン104から送られ
た電圧が高い場合には、制御ライン115に信号を出力
し、低い場合には制御ライン114に信号を出力する。
演算装置107は、各秤202(202A、202B、202C)からラ
イン112を介してデータを受領し、ライン113を介して各
取り出し手段200(200L、200M、200N)を制御する。
炉12の電磁コイル3は炉12内の被溶解材2が減少する
とインピーダンスが増大し、被溶解材2が増大するとイ
ンピーダンスが減少するという特性を有している。電磁
コイル3には高周波エネルギー印加手段9から導線108
を介して高周波電力が供給される。供給電力を一定に制
御する電力制御装置110が、高周波エネルギー印加手段
9に備えられている。
また、高周波エネルギー印加手段9には、導線108を
介して炉12の電磁コイル3に供給されている電圧を、対
応する低い直流電圧に変換して、この変換された直流電
圧を制御手段10の電圧比較装置105に送る電圧変換装置1
11が備えられている。
第3図の制御系ブロック図の動作を具体的に説明する
と次の通りである。
溶解が進行して炉12内の被溶解材2が減少すると電磁
コイル3のインピーダンスが増大する。電力制御装置11
0は、炉12の電磁コイル3に供給する電力を一定となる
ように制御しているので、電磁コイル3のインピーダン
スが増大すると電磁コイル3に印加される電圧は上昇す
る。この電圧は電圧変換装置111によって対応する低い
直流電圧に変換され、電圧比較装置105に供給される。
電圧比較装置105には基準電圧発生装置106から基準電
圧が与えられている。かくて、電圧変換装置111からの
電圧が基準電圧に比して大となると、ライン115から信
号が各取り出し手段200(200L、200M、200N)に発せら
れて、各取り出し手段200が作動し、被溶解材2の取り
出し作業が行われる。
これらの取り出し手段200は、前記リフティングマグ
ネットの代りに被溶解材2のホッパーに振動を加え被溶
解材2を秤202A〜202C上へ移送する移動装置で構成して
もよい。この取り出しは、必ずしも正確に定量を取り出
す必要はなく、前者において電流値を、後者においては
ホッパー201に振動を加える加振時間を設定するだけで
よい。
かようにして、ある一定の条件のもとに取り出された
各被溶解材2は、それぞれ電子制御秤202(202A、202
B、202C)によって正確に測定され、それぞれの秤量デ
ータは演算装置107に送られる。
演算装置107は、炉12に投入する各溶解材2の配合比
率の所望値を記憶している。ライン112を介して送られ
てくる各溶解材2の測定データの積算量の比率が所望値
に対して或る一定の範囲内にある限り、また、電圧比較
装置105からライン115を介して信号が出ている限り、各
取り出し手段200(200L、200M、200N)は作動し続け
る。然し、3種の被溶解材のうち、いずれかの積算量が
配合比率の所望値に対して一定の範囲を越えると、演算
装置107は、配合比率の所望値に対して一定の範囲内に
なるまで、その被溶解材2の取り出し作業を停止させる
ようにライン113を介してその被溶解材2の取り出し手
段200に信号を送る。各被溶解材2は、秤量が終わり次
第、投入装置103によって炉12に供給される。
炉12内の被溶解材2の量が増大すると、電磁コイル3
のインピーダンスが減少し、電磁コイル3に印加される
電圧が下降すると、電圧変換装置111からライン104を介
して電圧比較装置105に送られる電圧は低くなる。この
電圧が基準電圧より低くなると、電圧比較装置105はラ
イン114を介して各取り出し手段200(200L、200M、200
N)に信号を発し、各取り出し手段の作動を停止させ
る。
かように操作されるので、本発明の装置は、キュポラ
の被溶解材供給装置のように各被溶解材を秤量装置で一
回ごとに一定量ずつ秤量することなく、供給手段6の各
取り出し手段200で取り出された被溶解材2を正確に秤
量するだけで迅速且つ正確に各被溶解材2を炉12に供給
することができる。
秤量装置202(202A、202B、202C)は、例えばロード
セルを装備した上皿秤であって、秤量データを電気信号
に変換して送り出す手段を含んだものを使用することが
できる。
以上のとおり、本発明の溶解装置では炭素材1は電磁
誘導加熱による発熱体(加熱媒体)として、また精錬に
おける還元剤として作用する。したがって、従来の燃焼
方式による加熱溶解法と異なり、炭素材又は導電性のあ
る耐火物自身が燃焼ガスにさらされることがないため、
その消耗量が著しく少ない。また、炭素材又は導電性の
ある耐火物の加熱に燃焼ガスを用いず、炭素材又は導電
性のある耐火物を実質的に炉内の空気の流通を遮断した
状態で電磁誘導加熱するので、好ましい状態の還元雰囲
気が実現される。結果として酸素、窒素等のガス含有量
の少ない上質の溶湯の製造を可能とし、特別の排ガス処
理設備を要しないので、公害防止対策上も好ましい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明により所期の目的を達成す
ることができた。すなわち、電力供給装置が電磁コイル
に供給する電力を一定にするべく前記電力供給装置を制
御する電力供給装置制御手段と、炉内の加熱媒体となる
積層材料及び被溶解材のインピーダンスもしくは電磁コ
イルの電圧を検出し、前記積層材料の積層量に基づいて
設定された基準値とを比較し、この比較結果に基づいて
炉内に投入する被溶解材の投入量を調整する被溶解材供
給手段とを備えることにより、炉床から取り出す出湯の
温度を所望の一定温度に管理でき、高品質の溶湯が連続
的に容易に得られる連続的加熱溶解装置を実現すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の装置の全体構成の要部を示
す斜視図、第2図は炉の詳細を示す縦断面図、第3図は
被溶解材の供給手段の作動を説明するための本発明装置
の実施例の制御系ブロック図、そして第4図は供給手段
の構成を示す斜視図である。 〈符号の説明〉 1……炭素剤、2……被溶解材、3……電磁コイル、4
……耐火材、5……出湯口、6……供給手段、7……前
炉、8……予熱手段、9……高周波エネルギー印加手
段、10……制御手段、11……被溶解材投入口、12……
炉、13……炉底部、14……バーナー、103……コンベ
ア、104,108,112,113……ライン、105……電圧比較装
置、106……基準電圧発生装置、107……演算装置、110
……電力制御装置、111……電圧変換装置、114,115……
制御ライン、200……材料取り出し手段、201……ホッパ
ー、202……電子制御秤。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21C 1/08 C21C 5/52 C22B 9/16 F27B 1/09 F27D 11/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部に出湯口が設けられ、上部に被溶解材
    投入口が設けられた炉と、この炉の周囲に巻回された電
    磁コイルと、この電磁コイルに電力を供給する電力供給
    装置とを備え、前記炉の底部上に炭素材及び導電性のあ
    る耐火物のうちの少なくとも一方の加熱媒体となる積層
    材料を載置し、この積層材料上に被溶解材を投入するこ
    とによってこの被溶解材を溶解する連続的加熱溶解装置
    において、 前記電力供給装置が前記電磁コイルに供給する電力を
    一定にするべく前記電力供給装置を制御する電力供給装
    置制御手段と、 電磁コイルに供給された一定電力によって前記電磁コ
    イル高さ内に積層された加熱媒体となる積層材料及び被
    溶解材がそれぞれ発熱する熱量の比率が一定値になるよ
    うな前記電磁コイルに生じる電気量の基準値を設定する
    手段と、 前記被溶解材の溶解にしたがって変動する前記電磁コ
    イルに生じる電気量を検出し、これを前記基準値と比較
    し、この検出された電気量がこの基準値から外れたとき
    出力信号を発生する手段と、 前記出力信号に基づいて前記検出された電気量が前記
    基準値となるように被溶解材を被溶解材料供給手段から
    炉内に投入する手段とを備えた連続的加熱溶解装置。
  2. 【請求項2】前記被溶解材供給手段は、前記被溶解材を
    ホッパーから取り出す手段を備え、前記電磁コイル電圧
    が前記基準値より大きい場合に前記取り出す手段を動作
    させ、小さい場合に前記取り出す手段の動作を停止させ
    るものである請求項1記載の連続的加熱溶解装置。
  3. 【請求項3】前記電磁コイルの高さ内に積層、投入する
    加熱媒体となる積層材料及び被溶解材の積層比率を設定
    する手段においては、電磁誘導加熱によって加熱媒体と
    なる積層材料が発熱する熱量が20〜50%、被溶解材が発
    熱する熱量が残りの80〜50%の熱量比となるように、加
    熱媒体となる積層材料及び被溶解材の積層比率を設定す
    る手段を有している請求項1記載の連続的加熱溶解装
    置。
  4. 【請求項4】前記被溶解材供給手段においては、前記被
    溶解材をホッパーから取り出す手段を複数個備えて複数
    種類の被溶解材をそれぞれ取り出す構成を有しており、
    前記被溶解材供給手段は更に複数種類の被溶解材のそれ
    ぞれを秤量する複数個の秤量装置を有し、前記電力供給
    装置制御手段は、これら秤量装置からの秤量データを受
    領する演算装置を含み、前記演算装置は各秤量データを
    積算するとともに、それらの積算量の配合比率が所定の
    範囲内にあるか否かを判断して、任意の被溶解材の積算
    値がこの所定の範囲を越えた場合に、その被溶解材の取
    り出し作業を停止させるべく、前記取り出し手段を制御
    する構成を具備して成る請求項2記載の連続的加熱溶解
    装置。
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